JP5572237B1 - 転倒防止機能を有する家具 - Google Patents

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Abstract

【課題】部屋や家具の外観を損なうことなく設置が可能で、設置後に移動が容易な、耐震性に優れた転倒防止機能を有する家具を提供する。
【解決手段】転倒防止家具1は、物を収納する本体部3と、本体部と床面5との間に配置されて本体部を支承する台輪7とを備え、台輪の内部空間内で床面に配置される接地部31と、接地部を本体部に連結する連結手段61,131とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、地震等の揺れで家具が大きく傾いて転倒するのを防止する転倒防止機能を有する家具に関し、特に、家具底部の台輪の内部空間と家具の背面側の空間を利用した家具の外観を害しない転倒防止機能を有する家具に関する。
タンス、食器棚、本棚等に適用される箱物家具は、天板、底板、左右の側板、背板、棚板等を備える本体部と、本体部と床面との間に配置されて本体部を支承する台輪とを備えている。そして、婚礼家具等では、本体部と台輪が切り離されて別体に構成されているものが多く、食器棚や本棚等では、本体部と台輪とが当初から組み付けられて一体に構成されているものが多く存在する。
ところで、洋服タンスや食器棚あるいは本棚等の背丈の高い家具の場合には、地震等の揺れで家具が大きく傾いて転倒する恐れがある。従って、従来から、製品に付属する形で、或いは、家具の設置後、後付けする形で、転倒防止装置が使用されている。このような転倒防止装置の多くは、金具やチェーン等を使用してネジで部屋の壁や床面等に固定するもの、或いは、家具の本体部の天板と部屋の天井との間に設置する突張り棒等を使用したものであり、いずれも家具の外観を損ねる態様となっていた。
一方、特許文献1に示すように、家具の外観に現れない家具底部の台輪内部の空間を利用して設置するタイプの転倒防止家具も提案されている。この転倒防止家具は、台輪の内壁面にブラケット材を固定ネジで固定し、アングル材を介して上記ブラケット材に錘となる鋼板類を支持させてボルト、ナットを使用して固定したものである。従って、家具の重心を錘となる鋼板類で下げることによって地震等の揺れによって生ずる家具の転倒を防止している。
特開2007−130433号公報
しかし、特許文献1に開示されている転倒防止家具の場合、鋼板類をブラケット材に固定するために行うボルト、ナットの締付け作業を台輪の開放された上面側と下面側の両方で行わなければならない。従って、本体部と台輪とが一体に構成された家具の場合、家具の製造段階で鋼板類を組み付けなければならず、鋼板類を組み付けて重量が重くなった家具の移動や運搬、現場での据付け作業は困難を極める。
また、本体部と台輪とが別体に構成された家具の場合、据付け現場での鋼板類の組み付けも可能であるが、一旦、据え付けた家具を移動する場合も少なくない。従って、この場合にも鋼板類を組み付けて重量が重くなった家具を移動したり、位置決め作業をやり直さなければならず、作業者にとって負担が大きく煩わしい作業になっていた。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、部屋の壁や床面等を傷付けることなく、また、家具の外観を害することなく、設置が可能で、設置後の家具の移動が容易で、耐震性に優れた転倒防止機能を有する家具を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の転倒防止機能を有する家具は、物を収納する本体部と、本体部と床面との間に配置されて本体部を支承する台輪とを備え、台輪の内部空間内で床面に配置される接地部と、接地部を本体部に連結する連結手段とを備えることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の転倒防止機能を有する家具は、請求項1に記載の転倒防止機能を有する家具において、台輪は、本体部の背面側に開口部が形成されており、一端が接地部に連結され、他端が開口部から本体部の背面を通って背面の上部に連結される連結部を更に備えることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の転倒防止機能を有する家具は、請求項2に記載の転倒防止機能を有する家具において、連結部は、接地部に取り付けられる第1連結具と、本体部の背面側の上部に取り付けられる第2連結具と、第1連結具と第2連結具との間に張設される連結ワイヤとを備えることを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の転倒防止機能を有する家具は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の転倒防止機能を有する家具において、接地部は、台輪とは別体に設けられる接地板と、接地板の下面に取り付けられ、床面に密着されることで粘着力を発揮する粘着マットとを備えることを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の転倒防止機能を有する家具は、請求項4に記載の転倒防止機能を有する家具において、接地板と本体部の底板との間に、接地板を床面に押し付ける押付け手段が設けられていることを特徴とする。
本発明の請求項6に記載の転倒防止機能を有する家具は、請求項5に記載の転倒防止機能を有する家具において、押付け手段は、接地板の上面に設けられた押付けスタッドであって、穴部を備えた押付けスタッドと、本体部の底板に埋め込まれた押付けナット部と、押付けナット部に螺合する雄ネジ部と、雄ネジ部側の端面に形成された回転部と、回転部とは反対側の端部に形成された当接部とを有する押付けボルトとを備え、押付けボルトの当接部は、押付けスタッドの穴部の内部に形成される被当接部に当接し、押付けボルトの当接部が押付けスタッドの穴部の内部に形成された被当接部に当接して接地部を床面に押し付けるとき、押付けボルトの雄ネジ部側の端面が本体部の底板から上方に突出しないことを特徴とする。
本発明の請求項7に記載の転倒防止機能を有する家具は、請求項5又は6に記載の転倒防止機能を有する家具において、接地板と本体部の底板との間に、接地部を吊持状態で保持し、位置決め完了後に吊持状態を解除する吊持手段が設けられていることを特徴とする。
本発明の請求項8に記載の転倒防止機能を有する家具は、請求項7に記載の転倒防止機能を有する家具において、吊持手段は、接地板の上面に設けられた吊持スタッドであって、内部に雌ネジ部が刻設された吊持スタッドと、本体部の底板に設けられた吊持部と、第1雄ネジ部、及び、第1雄ネジ部と同軸で吊持スタッドの雌ネジ部に螺合する第2雄ネジ部、第1雄ネジ部側の端面に形成された回転部を有する吊持ボルトと、吊持ボルトの第1雄ネジ部に螺合して接地部を吊り上げる吊上げナットとを備えることを特徴とする。
本発明の請求項9に記載の転倒防止機能を有する家具は、請求項4に記載の転倒防止機能を有する家具において、接地板と本体部の底板との間に、接地部を吊持状態で保持し、位置決め完了後に吊持状態を解除する吊持作用、及び、吊持状態が解除された接地部の接地板を床面に更に押し付ける押付け作用を併せ持つ吊持・押付け手段が設けられていることを特徴とする。
本発明の請求項10に記載の転倒防止機能を有する家具は、請求項9に記載の転倒防止機能を有する家具において、吊持・押付け手段は、接地板の上面に設けられたスタッドであって、穴部を備え、穴部の側面に刻設された所定の深さの雌ネジ部、及び、雌ネジ部の奥に形成され雌ネジ部の谷径より大径の逃げ部を備えたスタッドと、本体部の底板に埋め込まれ、スタッドの雌ネジ部と同径の雌ネジ部を有するナット部と、一方の端部に形成された当接部、及び、スタッドの雌ネジ部に螺合する第1雄ネジ部、第1雄ネジ部の谷径より小径の軸部、軸部を挟んで第1雄ネジ部とは反対側に形成された第2雄ネジ部、当接部とは反対側の端部に形成された回転部を有する吊持・押付けボルトと、吊持・押付けボルトの第2雄ネジ部に螺合して接地部を吊り上げる吊上げナットとを備え、吊持・押付けボルトの当接部は、スタッドの穴部の内部に形成される被当接部に当接し、吊持・押付けボルトの第1雄ネジ部のねじ長さは、スタッドの逃げ部の軸方向長さより短く、吊持・押付けボルトの軸部は、スタッドの雌ネジ部の下側端面とナット部の雌ネジ部の上側端面との間の距離より長く形成され、接地部を吊持ちするために、吊持・押付けボルトの第1雄ネジ部がスタッドの雌ネジ部に螺合するとき、吊持・押付けボルトの第2雄ネジ部が本体部の底板から上方に突出し、吊持・押付けボルトの当接部がスタッドの穴部の内部に形成された被当接部に当接して接地部を床面に押し付けるとき、吊持・押付けボルトの第2雄ネジ部側の端面が本体部の底板から上方に突出しないことを特徴とする。
本発明の請求項11に記載の転倒防止機能を有する家具は、請求項9に記載の転倒防止機能を有する家具において、吊持・押付け手段は、接地板の上面に設けられたスタッドであって、穴部を備え、穴部の側面に所定の深さの雌ネジ部が刻設されたスタッドと、本体部の底板に埋め込まれたナット部であって、スタッドの雌ネジ部と同径の雌ネジ部を有するナット部と、スタッドの雌ネジ部に螺合する第1雄ネジ部、及び、第1雄ネジ部側の端面に形成された第1回転部、第1雄ネジ部と同軸で反対側に形成され、第1雄ネジ部より小径の第2雄ネジ部、第2雄ネジ部側の端部に形成された当接部、当接部の端面に形成された第2回転部を有する吊持・押付けボルトと、吊持・押付けボルトの第2雄ネジ部に螺合して接地部を吊り上げる吊上げナットとを備え、吊持・押付けボルトの当接部は、スタッドの穴部の内部に形成される被当接部に当接し、吊持・押付けボルトの第1雄ネジ部がスタッドの雌ネジ部に完全に螺合するとき、吊持・押付けボルトの第2雄ネジ部が本体部の底板から上方に突出し、吊持・押付けボルトの当接部がスタッドの穴部の内部に形成された被当接部に当接して接地部を床面に押し付けるとき、吊持・押付けボルトの第1雄ネジ部側の端面が本体部の底板から上方に突出しないことを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項12に記載の転倒防止機能を有する家具は、請求項1に記載の転倒防止機能を有する家具において、連結手段は、本体部に対して接地部を固定する固定手段を備えることを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項13に記載の転倒防止機能を有する家具は、請求項12に記載の転倒防止機能を有する家具において、固定手段は、本体部の底面に穿かれた貫通穴と、接地板の上面に刻設された雌ネジ部と、接地部を本体部に固定する固定ねじとを備えることを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項14に記載の転倒防止機能を有する家具は、請求項2又は3に記載の転倒防止機能を有する家具において、接地板と本体部の底板との間に、底板の下面と接地板の上面のいずれか一方に横断面方向に湾曲した凸面を有する第1凸部が設けられ、底板の下面と接地板の上面の他方に横断面方向に湾曲した凹陥面を有し、常時第1凸部に当接している第2凹部が対向するように設けられており、第1凸部と第2凹部とは、接地板に設けられた連結部との連結点に対して、本体部の重心を通る鉛直線を挟んでその反対側に位置すると共に、接地板と本体部の底板の幅方向の全長に連続して、あるいは幅方向の一部に分断して配置されていて、第1凸部の凸面が第2凹部の凹陥面に当接している平常時の状態では、第1凸部及び第2凹部の近傍の台輪の底面が床面から浮き上がっていることを特徴とする。
本発明の転倒防止機能を有する家具によれば、地震等の揺れが発生して家具が前方に転倒するような力を受けたとき、最も大きな応力が加わる床面と家具の台輪の接地面との間に家具の転倒を防止する抗力を作用させるのではなく、台輪の内部空間内で配置され、家具とは別体に設けられた大面積の接地部が床面に対して有する押付け力を抗力として家具を支えるので、家具の転倒を効果的に防止することが可能になる。
また、本発明の転倒防止機能を有する家具によれば、接地部が床面に対して有する粘着力を、連結部を介して家具の背面側の上部の応力が最も小さくなる部位に抗力として作用させるので、家具の転倒を効果的に防止することが可能になる。
更に、本発明の転倒防止機能を有する家具の構成部材の一つである接地部は、家具の外観に現れない台輪の内部空間に配置され、本発明の他の構成部材である連結部も、同じく、家具の外観に現れない家具の背面側の空間を利用して配置されているので、家具の外観を害することもない。
更にまた、連結部を接地部に取り付けられる第1連結具と、本体部の背面側の上部に取り付けられる第2連結具と、第1連結具と第2連結具との間に張設される連結ワイヤとを備えることによって構成した場合には、シンプルな構造で場所を取らない連結部を備える転倒防止機能を有する家具を提供できる。
更にまた、家具の本体部及び台輪とは別体に設けられる接地板と、接地板の下面に取り付けられ、床面に密着されることで粘着力を発揮する粘着マットとを備えることによって接地部を構成した場合には、部屋の床面や壁面を傷付けることなく接地部を配置することが可能になる。
更にまた、接地板と本体部の底板との間に、接地板を床面に押し付ける押付け手段を設けた場合には、粘着マットの床面に対する密着力が高まって接地部の床面に対する粘着力が増大し、大きな揺れにも耐えられる転倒防止機能を有する家具が提供できるようになる。
そして、接地板の上面に設けられ、被当接部を備えた押付けスタッドと、本体部の底板に埋め込まれた押付けナット部と、押付けナット部に螺合する雄ネジ部、及び、接地板の上面に設けられた押付けスタッドの被当接部に当接する当接部を有する押付けボルトとを備えた場合には、押付けボルトを所定の方向に回してその雄ネジ部を押付けナット部に締め付けることによって、押付けボルトの当接部が下降して接地板の上面の被当接部に当接して押し付け力を発揮できるようになる。従って、本体部の底板の上方からの操作によって接地部の押し付け力の調整が可能な小型でシンプルな構造の押付け手段を提供できるようになる。
また、接地板と本体部の底板との間に、接地板を吊持状態で保持し、位置決め完了後に吊持状態を解除する吊持手段を設けた場合には、接地板を吊持状態で保持した状態で家具と共に運搬又は移動することが可能になり、位置決め完了後は吊持状態を解除することが可能であるから、接地板の配置が容易になる。
そして、吊持手段を、吊持スタッドと、吊持部と、吊持ボルトと、吊上げナットとを備えることによって構成した場合には、吊持ボルトの第2雄ネジ部に対する吊上げナットの締め付け具合を調節することによって接地板の吊持状態と吊持解除状態とを切り替えることが可能になる。また、本体部の底板の上方からの操作によって接地板の各状態の切り替えが可能な小型でシンプルな構造の吊持手段を提供できるようになる。
また、接地板と本体部の底板との間に、接地板を吊持状態で保持し、位置決め完了後に吊持状態を解除する吊持作用と、吊持状態が解除された接地板を更に床面側に押し付ける押付け作用とを併せ持つ吊持・押付け手段を設けた場合には、接地板の配置が容易であり、大きな揺れに耐えられる優れた粘着力を有する単一構造の吊持・押付け手段を備える転倒防止機能を有する家具が提供できるようになる。
そして、吊持・押付け手段を、スタッドと、ナット部と、吊持・押付けボルトと、吊上げナットとを備えることによって構成した場合には、吊持・押付けボルトの第2雄ネジ部に対する吊上げナットの締め付け具合を調節することによって接地板の吊持状態と吊持解除状態と押付け状態とを切り替えることが可能になる。また、本体部の底板の上方からの操作によって接地板の各状態の切り替えが可能な、より小型で、シンプルな構造の吊持・押付け手段が提供できるようになる。
また、本発明の転倒防止機能を有する家具によれば、固定手段を介して、接地部が床面に対して有する粘着力を本体部に作用させるので、家具の転倒を効果的に防止することが可能になる。
そして、固定手段を、本体部の底面に穿かれた貫通穴と、接地板の上面に刻設された雌ネジ部と、接地部を本体部に固定する固定ねじとを備える構成とした場合、家具の背面側の空間を利用することなく接地部を本体部に固定できるので、家具設置の際の制約を軽減できる。また、固定ねじの取り外し作業も家具の前方から行えるので、設置後の家具の移動が容易になる。
また、接地板と本体部の底板との間に第1凸部と第2凹部とを対向するように設け、第1凸部と第2凹部とは、接地板に設けられた連結部との連結点に対して本体部の重心を通る鉛直線を挟んでその反対側に位置させて、第1凸部の凸面が第2凹部の凹陥面に当接している平常時の状態では、第1凸部と第2凹部の近傍の台輪の底面が床面から浮き上がっている場合には、地震等の揺れが発生して家具が前方に転倒するような力を受けたとき、平常時の状態よりも大きい家具の自重が接地板を介して床面に印加され、その結果、接地板は床面に対して移動せず、接地部に取り付けられた連結部の働きにより、家具の転倒を防止できる。
また、上記第1凸部と第2凹部を設けたことによって家具の姿勢が幾分、後方に傾いた姿勢で保持されることになるから、地震等の揺れの発生によって生ずる家具の前方への転倒のおそれが更に軽減される。
本発明に係る転倒防止家具の据付け状態を示す正面図である。 図1に示す転倒防止家具の側断面図である。 本発明の第1実施形態に係る転倒防止家具を示す図で、図1中のA−A断面図である。 本発明の第1実施形態に係る転倒防止家具を示す図で、図3中のB−B断面図である。 図1に示す転倒防止家具を示す図で、第1連結金具と連結ワイヤの一端部の係止状態を示す斜視図(a)と、第2連結金具と連結ワイヤの他端部の係止状態を示す斜視図(b)である。 図1に示す転倒防止家具を示す図で、転倒防止家具の設置作業の過程を(a)吊持状態、(b)吊持解除状態、(c)押付け状態の3段階に分けて示す説明図である。 本発明の第3実施形態に係る転倒防止家具の台輪周辺を拡大して示す図で、図13中のC−C正断面図である。 図7に示す転倒防止家具の設置作業の過程を(a)吊持状態、(b)吊持解除状態、(c)押付け状態の3段階に分けて示す説明図である。 本発明の第4実施形態に係る転倒防止家具の台輪周辺を拡大して示す側断面図である。 図9に示す転倒防止家具を示す図で、第1凸部と第2凹部の2種の配置態様(a)(b)を示す分解斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る転倒防止家具の台輪周辺を拡大して示す正断面図である。 図11に示す転倒防止家具の設置作業の過程を(a)吊持状態、(b)吊持解除状態、(c)押付け状態の3段階に分けて示す説明図である。 本発明の第3実施形態に係る転倒防止家具を示す図で、図1中のA−A断面図である。
以下、本発明に係る転倒防止機能を有する家具の一例としての転倒防止家具の構成を図1及び図2を用いて説明し、転倒防止家具の設置作業の過程と効果について図3〜図6に示す第1実施形態と、図11及び図12に示す第2実施形態、図7及び図8に示す第3実施形態の3つの実施形態を例にとって具体的に説明する。
転倒防止家具1は、一例として、収納物Aを収納したり載置物Bを載置したりする本体部3と、本体部3の下方の床面5との間に配置されて本体部3を支承する台輪7とが一体に構成された、図1及び図2に示すような箱物の家具が該当する。
転倒防止家具1は、天板11と、底板12と、左右の側板13、14と、背板15と、複数の棚板16と、扉17と、引き出し19とを備えた本体部3を有する。また、転倒防止家具1は、本体部3の下方の床面5との間に、一例として4枚の枠板21を矩形枠状に配置して組み合わせた内寸の高さが一例として70mm程度の台輪7を有している。
また、接地部31は、本体部3及び台輪7とは別体に設けられた接地板33と、接地板33の下面に取り付けられ、床面5に密着されることで粘着力を発揮する粘着マット35とを備えることによって一例として構成されている。
接地部31の接地板33は、一例として18mm厚のべニア合板によって形成されており、接地板33の下面のコーナ部には、一例として四角形平板材料によって形成されている粘着マット35貼付用の取付けプレート37が取付けナット39(例えば蝶ナット)で接地板33の下面に対して取り付けられている(後述)。
取付けプレート37は、貼付した粘着マット35を容易に剥せないように粘着マット35との密着性が優れた材料が好ましく、本実施形態では一例としてステンレス鋼板を使用している。そして、取付けプレート37は、粘着マット35が貼付される面とは反対の面にボルト部(不図示)が設けられており、上述の通り、取付けナット39で接地板33に取り付けられている。
粘着マット35は、床面5に密着されることで粘着力を発揮する種々の材料(例えばスチレンポリマー)が適用でき、本実施形態では一例として北川工業株式会社製造の商品名「タックフィット」の型番TK−100K(厚さ:5mm)を使用した。
第1実施形態(図3〜図6参照)
第1実施形態に係る転倒防止家具1Aは、図3に示すように台輪7の内部空間における背面寄りのスペースに、幅方向Xに長く、奥行き方向Yに短い一例として矩形平板状の接地部31を備えている。また、転倒防止家具1Aは、台輪7の内部空間の床面5に配置される接地部31と、一端が接地部31に連結され、他端が台輪7に形成された開口部23から本体部3の背面を通って背面の上部に連結される、連結手段の一例としての連結部61とを備えて構成されている。更に、転倒防止家具1Aは、台輪7の背面側の枠板21の一部に、連結部61の主要な構成部材である連結ワイヤ63(後述)を台輪7の内部空間から外部に引き出すための開口部23が形成されている。
また、本実施形態では、連結部61は、一例として、接地板33の上面の一例として台輪7の背面寄りの縁部の中央に取り付けられた第1連結具の一例としての第1連結金具65と、本体部3の背面側の上部(一例として天板11の背面寄りの縁部の中央)に取り付けられた第2連結具の一例としての第2連結金具73(図5(b))と、第1連結金具65と第2連結金具73との間に張設される連結ワイヤ63とを備えて構成されている。
そして、本実施形態では、第1連結金具65として図5(a)に示すように取付けネジ71で接地板33に取り付けられる矩形平板状をした座板67と、座板67の上面から上方に立ち上げられている逆U字形をした係止リング69とを備えた構成のものが使用されている。第2連結金具73として図5(b)に示すようにL字状に折り曲げた薄板材料の一端寄りに取付けネジ77を使用して天板11に取り付けるため図示しない取付け穴を有し、薄板材料の他端寄りに連結ワイヤ63の他端部を係止するための長穴75が形成された構成のものが使用されている。連結ワイヤ63としては、金属製のワイヤや釣り用のテグス等が一例として適用可能である。
また、本実施形態では、接地板33と本体部3の底板12との間に、接地板33を床面5側に押し付ける押付け手段41と、接地板33を吊持状態で保持し、位置決め完了後に吊持状態を解除して床面5上に接地板33を落とす吊持手段51とが設けられている。また、押付け手段41は、図3及び図4に示すように台輪7の幅方向Xの左右に二組設けられている。
押付け手段41は、図4及び図6に示されるように、接地板33の上面に設けられ、被当接部47bを備えた押付けスタッド47と、底板12に取り付けられた押付けナット部43と、押付けナット部43に螺合する雄ネジ部45a、及び、押付けスタッド47の穴部47a底面の被当接部47bに当接する当接部45bを有する押付けボルト45とを備えて構成されている。
押付けナット部43は、本体部3の底板12に埋め込まれて形成されている。押付けナット部43は、後述する押付けボルト45の雄ネジ部45aのねじ径と同じねじ径の雌ネジ部(例えばM8)を有する。
押付けボルト45は、押付けナット部43に螺合する雄ネジ部45a(例えばM8)と、雄ネジ部45aの軸線の先端に形成された当接部45bとを有する。また、押付けボルト45は、当接部45bが押付けスタッド47の被当接部47bに当接し更に適切な押し付け力を発揮するときに(後述)、当接部45bとは反対側の端部が本体部3の底面12から上方に突き出ないような長さを有する。更に、押付けボルト45は、当接部45bとは反対側の端部に、マイナスドライバのための回転部の一例としてのドライバ溝45cが彫られている。ドライバ(不図示)を回すことによって雄ネジ部45aと押付けナット部43との螺合位置を変えて、押付けボルト45先端の当接部45bの高さ方向Zの位置調整ができるように、その結果、当接部45bが当接する押付けスタッド47の被当接部47bの高さ方向Zの位置調整ができるように構成されている。
ここで、押付けボルト45は、当接部45bが押付けスタッド47の被当接部47bに当接した後、ドライバ(不図示)を例えば更に2回しすることで、粘着マット35に適切な押し付け力が発生するように、雄ネジ部45aのリードと粘着マット35の種類が選択されている。
押付けスタッド47は、一例として下端部にフランジ状の座板47cを備える六角柱形状の部材で、押付けスタッド47の中心の上面から所定深さの穴部47a(例えばφ6.5)が形成されている。押付けスタッド47は、穴部47aの底面に被当接部47bを有している。また、押付けスタッド47は、後述する吊持スタッド53より短く形成されている。
一方の吊持手段51は、内部に雌ネジ部53aが刻設された吊持スタッド53と、底板12に設けられた吊持部55と、後述する吊上げナット59に螺合する第1雄ネジ部57a、及び、吊持スタッド53の雌ネジ部53aに螺合する第2雄ネジ部57bを有する吊持ボルト57と、吊持ボルト57の第1雄ネジ部57aに螺合する吊上げナット59とを備えて構成されている。
吊持スタッド53は、六角柱形状の部材で、接地板33の上面にフランジ状の座板53cを介して設けられ、内部に雌ネジ部53aが刻設されて構成される。雌ネジ部53aは、後述する吊持ボルト57の第2雄ネジ部57bのねじ径と同じねじ径(例えばM10)を有する。また、吊持スタッド53が接地板33の上面に設けられ、接地部31が台輪7の内部空間内で床面5に配置されるとき、吊持スタッド53は、接地部31を吊り上げるのに充分な距離(例えば10mm)だけ吊持スタッド53の上面と本体部3の底面12とが離間するような長さを有している。上述したように、吊持ちスタッド53は押付けスタッド47より長く形成されているので、吊持スタッド53の上面と本体部3の底面12の下面との当接が押付けスタッド47により妨げられることはない。
吊持部55は、本体部3の底板12に設けられ、吊持スタッド53の雌ネジ部53aのねじ径(M10)及び吊持ボルト57の第2雄ネジ部57bのねじ径(M10)より大径(例えばφ12)の孔部を有して構成される。
吊持ボルト57は、第1雄ネジ部57aと、第1雄ネジ部57aと同軸で吊持スタッド53の雌ネジ部53aに螺合する第2雄ネジ部57b(例えばM10)とを有して構成される。ここで、第2雄ネジ部57bは、本体部3の底面12の厚さと同程度のねじ長を有する。第1雄ネジ部57aのねじ径は、第2雄ネジ部57bのねじ径と同径に形成される(例えばM10)。また、吊持ボルト57は、第1雄ネジ部57a側の端部に、マイナスドライバのための回転部の一例としてのドライバ溝57cが彫られている。更に、吊持ボルト57は、第1雄ネジ部57aに吊上げナット59が螺合して接地部31を吊り上げるのに充分な長さを有する。吊上げナット59は、吊持ボルト57の第1雄ネジ部57aに螺合して、接地部31を吊り上げる。尚、吊持ちボルトは、第1雄ネジ部のねじ径が第2雄ネジ部のねじ径より小さく形成される構成でもよい。
吊持手段51も押付け手段41と同様、図3及び図4に示すように台輪7の幅方向Xの左右に二組設けられており、本実施形態では押付け手段41の内方の位置に二組の吊持手段51が配置されている。
次に、図6に基づいて、このようにして構成される第1実施形態に係る転倒防止家具1Aが取り得る状態を説明する。
(A)吊持状態(図6(a)参照)
転倒防止家具1Aを据え付ける前の段階では、図6(a)に示すように、吊持スタッド53の上面が本体部3の底面12の下面に当接するまで吊持ボルト57が接地部31を上方に吊上げている。これにより、接地部31は、床面5から浮いた吊持状態で転倒防止家具1Aに固定されて本体部3及び台輪7と一体になっている。吊持ボルト57の第2雄ネジ部57bは、吊持スタッド53の雌ネジ部53aに螺合接続されており、吊持ボルト57の第1雄ネジ部57aは、吊上げナット59に螺合接続されている。
(B)吊持解除状態(図6(b),(c)参照)
本体部3と台輪7が一体に構成されている場合には、転倒防止家具1A全体を据付け位置に移動し、引き出し19(図2)等がある場合には引き抜いて、最下段の底板12の上方空間を開放させた後、以下に述べる作業を実施する。また、本体部3と台輪7が別体に構成されている場合には、最初に台輪7のみを転倒防止家具の据付け位置に移動して以下に述べる作業を実施する。
先ず、左右の吊上げナット59の操作グリップ59aを持って、吊上げナット59を所定の方向に回して接地部31を下げる(図6(b))。接地板33の下面に取り付けられた粘着マット35が床面5に接触したら(吊持解除)、吊上げナット59を更に回して吊持ボルト57から取り外す。そして、ドライバ(不図示)を使って吊持ボルト57を所定の方向に回し、吊持ボルト57の第2雄ネジ部57bと吊持スタッド53の雌ネジ部53aとの螺合状態を解除する。その後、吊持部55の孔部を通過させて、吊持ボルト57を上方に引き抜いて取り外す(図6(c))。取り外した吊上げナット59と吊持ボルト57とは、設置した転倒防止家具1Aの将来の移動に備えて保管しておく。
(C)押付け状態(図6(c)参照)
次に、ドライバ(不図示)を使って押付けボルト45を所定の方向に回して、雄ネジ部45aを押付けナット部43に螺合させて下方に移動させる。押付けボルト45先端の当接部45bは、押付けスタッド47の穴部47a内に進入し、当接部45bが穴部47aの底部の被当接部47bに当接すると、接地板33を床面5側に押し付ける押し付け力が押付けスタッド47を介して接地板33に加わる。更に、押付けボルト45を締め付けると、粘着マット35に圧力が加わり、粘着マット35を圧縮して床面5に密着させた状態になる(図6(c))。
次に、転倒防止家具1Aにおける各種作業を、流れに従って説明する。
(台輪の内部空間に接地部を取り付ける作業)
1.粘着マット35を取付けプレート37に貼り付ける。取付けナット39を使用して、粘着マット35及び取付けプレート37を接地板33に取り付ける。これにより、接地部31の組み立てが完了する。
2.粘着マット35の下面の非粘着シート(不図示)を剥離した後、粘着マット35(5mm厚)及び取付けプレート37(1mm厚)よりも厚い板(例えば、8mm厚の板、不図示)の上に、粘着マット35が厚い板(不図示)に触れないように、接地部31を置く。これにより、粘着マット35が床面5から離れた状態で、接地部31を床面5の上に置くことが可能となる。
3.接地板33に取り付けられた第1連結金具65の係止リング69に連結ワイヤ63を係止させ、台輪7の枠板21の開口部23を通して転倒防止家具1Aの背面側に出した状態で、接地部31を台輪7の内部空間に配置する。
4.吊持ボルト57を、第2雄ネジ部57bを下にして吊持手段51の位置にセットする。具体的には、吊持ボルト57の第2雄ネジ部57bを、本体部3の底板12に設けられた吊持部55の孔部に通し、その後、例えばマイナスドライバ(不図示)を吊持ボルト57のドライバ溝57cに係合させて吊持ボルト57を回し、接地板33の上面に取り付けられた吊持スタッド53の雌ネジ部53aに最後まで螺合させる。このとき、吊持ボルト57は、吊持部55の孔部を通り抜けて、第1雄ネジ部57aが本体部3の底板12から上方に突き出ている。
5.本体部3の底板12から上方に突き出ている吊持ボルト57の第1雄ネジ部57aに吊上げナット59を取り付けて回すことで、接地部31を台輪7の内部空間内で吊り上げて、吊持スタッド53の上面を本体部3の底面12の下面に当接させている(図6(a))。このとき、吊持ボルト57のドライバ溝57cにドライバ(不図示)を係合させて吊持ボルト57の回転を防いでも良い。これにより、接地部31は台輪7の内部空間内で浮いた吊持状態となり、上述の厚い板(不図示)を除去することが可能となる。そして、転倒防止家具1Aを、接地部31と一体として所望の位置に移動して配置することが可能となる。吊持ボルト57の第1雄ネジ部57aに吊上げナット59が取り付いた状態で本体部3の底板12から上方に突き出ているので、本体部3と台輪7とが一体に構成されている場合、転倒防止家具1Aの最下段の引き出し19(図2)を使用できず、引き出し19を取り外した状態での転倒防止家具1Aの移動作業となる。
(転倒防止家具を設置する作業)
1.転倒防止家具1Aを所望の位置に配置する。
2.吊上げナット59を吊り上げ時とは反対の方向に回転して吊持状態を解除し、台輪7の内部空間内で浮いた状態にあった接地部31を床面5に下ろす。このとき、吊持ボルト57のドライバ溝57cにドライバ(不図示)を係合させて吊持ボルト57の回転を防いでも良い。
3.吊持ボルト57の第1雄ネジ部57aから吊上げナット59を外す。そして、上述のドライバ(不図示)を吊持ボルト57の回転部に係合して回すことで、第2雄ネジ部57bが吊持スタッド53の雌ネジ部53aに螺合していた吊持ボルト57を吊持スタッド53から取り外し、更に、吊持部55の孔部からも抜き取る。即ち、吊持ボルト57を吊持手段51から取り外す。取り外した吊上げナット59と吊持ボルト57を顧客に渡し、将来の移動に備えて保管して頂く。
4.次に、押付けボルト45を押付け手段41の位置にセットする。具体的には、ドライバ(不図示)を押付けボルト45のドライバ溝45cに係合させて、押付けボルト45の雄ネジ部45aを、本体部3の底板12に埋め込まれた押付けナット部43に螺合させ、押付けボルト45の当接部45bを押付けスタッド47の内部の被当接部47bに当接させる。
5.そして、粘着マット35に適切な押し付け力が発生するように、上述のドライバ(不図示)を使って押付けボルト45を更に回す。これにより、転倒防止家具1Aと接地部31とは一体となる。このとき、押付けボルト45は本体部3の底板12から上方に突き出ないので、転倒防止家具1Aの最下段の引き出し19(図2)は使用可能となる。
6.続いて、台輪7の背面の枠板21における開口部23から出ている連結ワイヤ63の他端を、転倒防止家具1Aの背面側の壁面6との間の空間に引き出し、更に高さ方向Zに繰り出して、転倒防止家具1Aの天板11に取り付けられた第2連結金具73の長穴75に係止させる。
(既に設置されている転倒防止家具を移動する作業)
1.転倒防止家具1Aの天板11に取り付けられた第2連結金具73の長穴75から連結ワイヤ63を取り外す。また、転倒防止家具1Aの最下段の引き出し19(図2)を取り外す。
2.ドライバ(不図示)を押付けボルト45のドライバ溝45cに係合させて押付けボルト45を押付け時とは反対方向に回し、押付けボルト45の当接部45bを押付けスタッド47の内部の被当接部47bから外し穴部47aから外して、押付けボルト45を押付け手段41から完全に外す。これにより、転倒防止家具1Aと接地部31とは別体となり、転倒防止家具1Aは移動可能となる。
3.転倒防止家具1Aを別の位置に移動する。このとき、接地部31は床面5に粘着した状態で残る。
4.取付けナット39を外して、接地板33と粘着マット35及び取付けプレート37とを分離する。接地板33を外すと、粘着マット35及び取付けプレート37が床面5に残る。
5.粘着マット35を床面5から剥がす。剥がした粘着マット35は洗浄して再度利用する。或いは、粘着マット35を取付けプレート37から剥がして、他の粘着マット35(新品の粘着マット35)に交換する。
6.その後、上記した「台輪の内部空間に接地部を取り付ける作業」と「転倒防止家具を設置する作業」とを実行することで、転倒防止家具1Aの移動及び再設置ができる。
以上に説明した転倒防止家具1Aの効果を以下に説明する。
地震等が発生して床面5が揺れ、転倒防止家具1Aが前方に転倒するような力を受けたとき、転倒防止家具1Aの天板11の背面寄りの上部には連結ワイヤ63の他端が接続されており、更に連結ワイヤ63の一端が台輪7内の床面5に粘着マット35を介して密着固定されている接地板33に連結されているから、転倒防止家具1Aの最も応力が小さくなる効果的な部位に粘着マット35の粘着力による抗力を作用させて転倒防止家具1Aの転倒を防止することが可能になる。
また、転倒防止家具1Aの構成部材である接地部31と連結部61とは、転倒防止家具1Aの外観に現れないように配置されているから、転倒防止家具1Aの外観を害することはないし、部屋の床面5や壁面6を傷付けることなく配置されているから部屋の外観を損なうこともない。更に、移動時には、本体部3と接地部31とを分離することが可能であるから、設置後の転倒防止家具1Aの移動も容易に行うことが可能になる。
以上が本発明の基本的な実施形態であるが、本発明の転倒防止家具1Aは前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内の部分的構成の変更や省略、あるいは当業者において周知、慣用の技術を追加することが可能である。例えば、上記第1実施形態では、接地板33と本体部3の底面12との間に押付け手段41を設ける構成を説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、接地板33と本体部3の底面12との間に押付け手段の一例としてのばねを配置して、地震発生時にも押し付け力を発揮する構成としても良い。
第2実施形態(図11,図12参照)
第2実施形態に係る転倒防止家具1Bは、第1実施形態に係る転倒防止家具1Aにおける押付け手段41と吊持手段51に代えて、両者の機能を併せ持つ単一の吊持・押付け手段111を設けた実施形態である。尚、その他の構成については第1実施形態と同様であるので、ここでの詳細な説明は省略し、第1実施形態と相違する吊持・押付け手段111の構成と、その設置作業の過程と効果を中心にして以下詳述する。また、図11及び図12において、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態で使用した符号と同じ符号を使用する。
本実施形態では、接地板33と本体部3の底板12との間に、設置準備段階で接地板33を吊持状態で保持し、位置決め完了後に設置段階で床面5上に接地板33を落とす吊持作用と、床面5上に落とした接地板33を更に床面5側に押し付ける押付け作用とを併せ持つ吊持・押付け手段111が設けられている。
吊持・押付け手段111は、接地板33の上面に設けられたスタッド113と、本体部3の底板12に取り付けられたナット部115と、吊持・押付けボルト117と、吊上げナット119とを備えて構成されている。そして、このようにして構成される吊持・押付け手段111は、図11に示すように台輪7の幅方向Xの左右に二組設けられている。
スタッド113は、一例として下端部にフランジ状の座板113cを備える六角柱形状の部材で、スタッド113の中心の上面から所定深さの雌ネジ部113aが刻設されている。また、雌ネジ部113aの下部には、雌ネジ部113aの谷径より大径の逃げ部113dが形成されており、逃げ部113dの底部が被当接部113bになっている。雌ネジ部113aは、後述する吊持・押付けボルト117の第1雄ネジ部117aのねじ径と同じねじ径(例えばM8)を有する。また、逃げ部113dは、第1雄ネジ部117aの山径より大径の、例えばφ10に形成されている。また、スタッド113が接地板33の上面に設けられ、接地部31が台輪7の内部空間内で床面5に配置されるとき、スタッド113は、接地部31を吊り上げるのに充分な距離(例えば5mm)だけスタッド113の上面と本体部3の底面12とが離間するような長さを有している。
ナット部115は、本体部3の底板12に埋め込まれて構成され、スタッド113の雌ネジ部113a、及び、吊持・押付けボルト117の第2雄ネジ部117bと同径の雌ネジ部115a(例えばM10)を有する。
吊持・押付けボルト117は、一方の端部に形成され、スタッド113の被当接部113bに当接する当接部117cと、スタッド113の雌ネジ部113aに螺合する第1雄ネジ部117a(例えばM8)と、第1雄ネジ部117aの谷径より小径の軸部117d(φ6)と、軸部117dを挟んで第1雄ネジ部117aとは反対側に形成され、第1雄ネジ部117aと同軸で同径の第2雄ネジ部117b(例えばM10)と、当接部117cとは反対側の端部に形成された回転部の一例としてのドライバ溝117eとを有する。
吊上げナット119は、第1実施形態の吊持手段51の吊上げナット59と同様、手回し式の操作グリップ119aを一体に備えたナット(例えばM10)によって構成されている。吊持・押付けボルト117の第2雄ネジ部117bに螺合する。
ここで、吊持・押付けボルト117の第1雄ネジ部117aのネジ部長さは、スタッド113の逃げ部113dの軸方向長さよりも短く形成されている。これにより、吊持・押付けボルト117の第1雄ネジ部117aがスタッド113の逃げ部113dに完全に入り込むとき、吊持・押付けボルト117は、上下方向に裕度を確保することができる(図11)。また、吊持・押付けボルト117の軸部117dは、スタッド113の雌ネジ部113aの下側端面とナット部115の雌ネジ部115aの上側端面との間の距離より長く形成されている(図11)。これにより、吊持・押付けボルト117の第1雄ネジ部117aがスタッド113の雌ネジ部113aに螺合し、同時に、吊持・押付けボルト117の第2雄ネジ部117bがナット部115の雌ネジ部115aに螺合する状態を回避することができる(図12(b))。更に、吊持・押付けボルト117は、吊持・押付けボルト117の第1雄ネジ部117aがスタッド113の雌ネジ部113aに螺合するとき、吊持・押付けボルト117の第2雄ネジ部117bが本体部3の底板12から上方に突出し(図12(a))、吊持・押付けボルト117の当接部117cがスタッド113の被当接部113bに当接して接地部31を床面5に押し付けるとき、吊持・押付けボルト117の第2雄ネジ部117bの端部が本体部3の底板12から上方に突出しない長さに形成されている(図12(c))。
次に、図12に基づいて、このようにして構成される第2実施形態に係る転倒防止家具1Bが取り得る状態を説明する。
(A)吊持状態(図12(a)参照)
転倒防止家具1Bを据え付ける前の段階では、図12(a)に示すように、接地部31は、床面5から浮いた吊持状態で転倒防止家具1Bに固定されて、本体部3及び台輪7と一体になっている。吊持・押付けボルト117の第1雄ネジ部117aは、スタッド113の雌ネジ部113aに螺合接続されている。本体部3の底板12から上方に突き出ている第2雄ネジ部117bは、吊上げナット119に螺合接続されている。
(B)吊持解除状態(図12(b)参照)
台輪7単体、または、転倒防止家具1Bの全体を据付け位置に移動した後、左右の吊上げナット119の操作グリップ119aを持って、吊上げナット119を所定の方向に回して吊持・押付けボルト117を下げる。接地板33の下面に取り付けられた粘着マット35が床面5に接触したら(吊持解除)、吊上げナット119を更に回して、吊上げナット119を吊持・押付けボルト117の第2雄ネジ部117bから取り外す(図12(b))。
(C)押付け状態(図12(c)参照)
その後、ドライバ(不図示)を使って吊持・押付けボルト117を更に回して、吊持・押付けボルト117の第1雄ネジ部117aをスタッド113内の逃げ部113dに向けて進め、第1雄ネジ部117aをスタッド113の雌ネジ部113aとの螺合状態から解除する。そして、吊持・押付けボルト117の第2雄ネジ部117bをナット部115の雌ネジ部115aに螺合させて、吊持・押付けボルト117の当接部117cをスタッド113の被当接部113b(穴部の底面)に当接させる。
この状態から更にドライバ(不図示)を締付け方向に回して、粘着マット35に圧力を加え、粘着マット35を圧縮して床面5に密着させた状態にする。そして、粘着マット35が所定の粘着力を発揮する密着状態にした後、吊持・押付けボルト117の締め付けを終了する(図12(c))。例えば、吊持・押付けボルト117の当接部117cがスタッド113の被当接部113b(穴部の底面)に当接した状態から、ドライバ(不図示)を締付け方向に更に2回して、適切な押し付け力を発生させることが考えられる。
次に、転倒防止家具1Bにおける各種作業を、流れに従って説明する。
(台輪の内部空間に接地部を取り付ける作業)
1.粘着マット35を取付けプレート37に貼り付ける。取付けナット39を使用して、粘着マット35及び取付けプレート37を接地板33に取り付ける。これにより、接地部31の組み立てが完了する。
2.粘着マット35の下面の非粘着シート(不図示)を剥離した後、粘着マット35及び取付けプレート37よりも厚い板(不図示)の上に、粘着マット35が厚い板(不図示)に触れないように、接地部31を置く。これにより、粘着マット35が床面5から離れた状態で、接地部31を床面5の上に置くことが可能となる。
3.接地板33に取り付けられた第1連結金具65の係止リング69に連結ワイヤ63を係止させ、台輪7の枠板21の開口部23を通して転倒防止家具1Bの背面側に出した状態で、接地部31を台輪7の内部空間内に配置する。
4.吊持・押付けボルト117を、第1雄ネジ部117aを下にして吊持・押付け手段111の位置にセットする。具体的には、例えばドライバ(不図示)を使って、吊持・押付けボルト117の第1雄ネジ部117aを、本体部3の底板12に埋め込まれたナット部115の雌ネジ部115aに通し、その後、吊持・押付けボルト117の第1雄ネジ部117aと、接地板33の上面に取り付けられたスタッド113の雌ネジ部113aとが、接地部31を吊持ちするのに適切な位置関係となるように、第1雄ネジ部117aをスタッド113の雌ネジ部113aに螺合させる。例えば、吊持・押付けボルト117がスタッド113に接触した状態から、吊持・押付けボルト117を所定数だけ回転させる構成としてよい。このとき、吊持・押付けボルト117の軸部117dがナット部115の雌ネジ部115aを通り抜けて、第2雄ネジ部117bが本体部3の底板12から上方に突き出ている(図12(a))。
5.本体部3の底板12から上方に突き出ている吊持・押付けボルト117の第2雄ネジ部117bに吊上げナット119を取り付けて、スタッド113の上面が本体部3の底面12の下面に当接するまで回すことで、接地部31を台輪7の内部空間内で吊り上げる。このとき、ドライバ溝117eにドライバ(不図示)を係合させて、吊持・押付けボルト117の回転を防いでも良い。これにより、接地部31は台輪7の内部空間内で浮いた状態となり、上述の厚い板(不図示)を除去することが可能となる。そして、転倒防止家具1Bを、接地部31と一体として所望の位置に移動して配置することが可能となる。このとき、吊持・押付けボルト117の第2雄ネジ部117bに吊上げナット119が取り付いた状態で本体部3の底板12から上方に突き出ているので、本体部3と台輪7とが一体に構成されている場合、転倒防止家具1Bの最下段の引き出し19(図2)を使用できず、引き出し19を取り外した状態での転倒防止家具1Bの移動作業となる。
(転倒防止家具を設置する作業)
1.転倒防止家具1Bを所望の位置に配置する。
2.吊上げナット119を吊り上げ時とは反対方向に回転して吊持状態を解除し、台輪7の内部空間内で浮いた状態にあった接地部31を床面5に下ろす。このとき、ドライバ(不図示)を吊持・押付けボルト117のドライバ溝117eに係合させて吊持・押付けボルト117の回転を防いでも良い。
3.吊持・押付けボルト117の第2雄ネジ部117bから吊上げナット119を外す。このとき、ドライバ溝117eにドライバ(不図示)を係合させて、吊持・押付けボルト117の回転を防止しても良い。そして、ドライバ(不図示)を使って吊持・押付けボルト117を更に回して、吊持・押付けボルト117の第1雄ネジ部117aを、スタッド113の逃げ部113dに向けて進め、雌ネジ部113aとの螺合から外す(図12(c))。
4.次に、上述のドライバ(不図示)を使って、吊持・押付けボルト117の第2雄ネジ部117bをナット部115の雌ネジ部115aに螺合させて、吊持・押付けボルト117の当接部117cをスタッド113の被当接部113b(穴部の底面)に当接させる。
5.そして、粘着マット35に適切な押し付け力が発生するように、上述のドライバ(不図示)を使って吊持・押付けボルト117を更に回す。これにより、転倒防止家具1Bと接地部31とは一体となる。このとき、吊持・押付けボルト117は本体部3の底板12から上方に突き出ないので、転倒防止家具1Bの最下段の引き出し19(図2)は使用可能となる。
6.続いて、台輪7の背面の枠板21における開口部23から出ている連結ワイヤ63の他端を、転倒防止家具1Bの背面側の壁面6との間の空間に引き出し、更に高さ方向Zに繰り出して、転倒防止家具1Bの天板11に取り付けられた第2連結金具73の長穴75に係止させる。
(既に設置されている転倒防止家具を移動する作業)
1.転倒防止家具1Bの天板11に取り付けられた第2連結金具73の長穴75から連結ワイヤ63を取り外す。また、転倒防止家具1Bの最下段の引き出し19(図2)を取り外す。
2.ドライバ(不図示)を使って吊持・押付けボルト117を押付け時とは反対方向に回し、吊持・押付けボルト117の第2雄ネジ部117bをナット部115の雌ネジ部115aから外し、更に、吊持・押付けボルト117を持ち上げて吊持・押付けボルト117の第1雄ネジ部117aを、本体部3の底板12に埋め込まれたナット部115の雌ネジ部115aを通して、スタッド113から外し、吊持・押付け手段111から完全に外す。これにより、転倒防止家具1Bは移動可能となる。
3.転倒防止家具1Bを別の位置に移動する。このとき、接地部31は床面5に粘着した状態で残る。
4.取付けナット39を外して、接地板33と粘着マット35及び取付けプレート37とを分離する。接地板33を外すと、粘着マット35及び取付けプレート37が床面5に残る。
5.粘着マット35を床面5から剥がす。剥がした粘着マット35は洗浄して再度利用する。或いは、粘着マット35を取付けプレート37から剥がして、他の粘着マット35(新品の粘着マット35)に交換する。
6.その後、上記した「台輪の内部空間に接地部を取り付ける作業」と「転倒防止家具を設置する作業」とを実行することで、転倒防止家具1Bの移動及び再設置ができる。
上記第1及び第2の実施形態では、連結部61が第1連結金具65と第2連結金具73とを備える構成を説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、連結金具を使用することなく、接地板33の上面の縁部の中央と本体部3の背面側の上部とを連結ワイヤ63で直接張設される構成としても良い。また、本体部3の上部と接地部31とを連結する構成に代えて、後述する第3実施形態における固定手段131を用いて、本体部3の底板12と接地部31とを固定する構成としても良い。
第3実施形態(図13、図7、図8参照)
第2実施形態では、接地部31を吊持状態にする場合と、吊持状態を解除して接地部31を床面5に押し付ける場合とで、吊持・押付け手段111を反転しないで使用する形態を説明した。第3実施形態に係る転倒防止家具1Cは、吊持・押付け手段91を反転させて、吊持状態と押付け状態とを実現する実施形態である。また、第1実施形態や第2実施形態では、連結手段の一例として、第1連結金具65と第2連結金具73と連結ワイヤ63とを有する連結部61を説明した。第3実施形態に係る転倒防止家具1Cは、連結手段の他の一例として、本体部3の底板12に接地板33を固定する固定手段131を備える形態である。尚、その他の構成については第1実施形態や第2実施形態と同様であるので、ここでの詳細な説明は省略し、第1実施形態や第2実施形態と相違する吊持・押付け手段91、固定手段131の構成と、その設置作業の過程と効果を中心にして以下詳述する。また、図13、図7、図8において、第1実施形態や第2実施形態と共通する構成については、第1実施形態や第2実施形態で使用した符号と同じ符号を使用する。
転倒防止家具1Cでは、接地部31と本体部3の底板12との間に、設置準備段階で接地部31を吊持状態で保持し、位置決め完了後に設置段階で床面5上に接地部31を落とす吊持作用と、床面5上に落とした接地部31を更に床面5側に押し付ける押付け作用とを併せ持つ吊持・押付け手段91が設けられている。
吊持・押付け手段91は、接地板33の上面に設けられたスタッド93と、本体部3の底板12に取り付けられたナット部95と、吊持・押付けボルト97と、吊上げナット99とを備えて構成されている。そして、このようにして構成される吊持・押付け手段91は、図13及び図7に示すように台輪7の幅方向Xの左右に二組設けられている。
スタッド93は、第1実施形態の押付け手段41又は吊持手段51において設けられていた押付けスタッド47又は吊持スタッド53と同様、一例として下端部にフランジ状の座板93cを備える六角柱形状の部材で、スタッド93の中心の上面から所定深さの穴部が形成されている。また、穴部の上部には雌ネジ部93aが刻設されており、穴部の底部が被当接部93bになっている。雌ネジ部93aは、後述する吊持・押付けボルト97の第1雄ネジ部97aのねじ径と同じねじ径(例えばM10)を有する。
ナット部95は、本体部3の底板12に埋め込まれて構成され、スタッド93の雌ネジ部93a、及び、吊持・押付けボルト97の第1雄ネジ部97aと同径の雌ネジ部(例えばM10)を有する。
吊持・押付けボルト97は、ナット部95の雌ネジ部を通過しスタッド93の雌ネジ部93aに螺合する第1雄ネジ部97a(例えばM10)と、第1雄ネジ部97aと同軸で第1雄ネジ部97aより小径(例えばM8)の第2雄ネジ部97bと、第2雄ネジ部97b側の端部に形成され、スタッド93の被当接部93bに当接する当接部97cとを有する。また、吊持・押付けボルト97は、第1雄ネジ部97a側の端面と第2雄ネジ部97b側の端面のそれぞれに、第1回転部、第2回転部の一例としての第1ドライバ溝97d、第2ドライバ溝97eを備えて構成されている。
吊上げナット99は、手回し式の操作グリップ99aを一体に備えたナット(M8)によって構成され、吊持・押付けボルト97の第2雄ネジ部97bと螺合して接地部31を吊り上げる。
吊持・押付けボルト97は、第1雄ネジ部97aがスタッド93の雌ネジ部93aに螺合するとき、第2雄ネジ部97bが本体部3の底板12から上方に突出して吊上げナット99に螺合することが可能であり(図8(a))、また、当接部97cがスタッド93の被当接部93bに当接して吊持・押付けボルト97が接地部31を床面5に押し付けるとき、第2雄ネジ部97bの端部が本体部3の底板12から上方に突出しない長さに形成されている(図8(c))。そして、この吊持・押付けボルト97の形状に対応して、スタッド93も雌ネジ部93aの長さが決定されている。
また、本実施形態では、連結手段の一例として、本体部3に対して接地部31を固定する固定手段131を備えて構成されている。固定手段131は、本体部3の底面12に穿かれた貫通穴12a(例えばφ10)と、接地板33の上面に刻設された雌ネジ部33a(例えばM8)と、本体部3の底面12に対して接地板33を固定する固定ねじ133(例えばM8)及びワッシャ135とを備えて構成されている。そして、このようにして構成される固定手段131は、図13及び図7に示すように台輪7の幅方向Xの左右に二組設けられている。
次に、図8に基づいて、このようにして構成される第3実施形態に係る転倒防止家具1Cが取り得る状態を説明する。
(A)吊持状態(図8(a)参照)
転倒防止家具1Cを据え付ける前の段階では、図8(a)に示すように、接地部31は、床面5から浮いた吊持状態で転倒防止家具1Cに固定されて、本体部3及び台輪7と一体になっている。吊持・押付けボルト97の第1雄ネジ部97aは、スタッド93の雌ネジ部93aに螺合接続されており、本体部3の底板12から上方に突出している第2雄ネジ部97bは、吊上げナット99に螺合接続されている。
(B)吊持解除状態(図8(b)参照)
台輪7単体、または、転倒防止家具1C全体を据付け位置に移動した後、左右の吊上げナット99の操作グリップ99aを持って、吊上げナット99を所定の方向に回して吊持・押付けボルト97を下げる。接地板33の下面に取り付けられた粘着マット35が床面5に接触したら(吊持解除)、吊上げナット99を更に回して、吊上げナット99を吊持・押付けボルト97の第2雄ネジ部97bから取り外す(図8(b))。そして、ドライバ(不図示)を使って、吊持・押付けボルト97を所定の方向に回し、吊持・押付けボルト97の第1雄ネジ部97aとスタッド93の雌ネジ部93aとの螺合状態を解除する。その後、吊持・押付けボルト97を引き上げ、更に回してナット部95の雌ネジ部を通過させて、吊持・押付けボルト97を上方に引き抜いてナット部95から取り外す。取り外した吊上げナット99は、設置した転倒防止家具1Cの将来の移動に備えて保管する。
(C)押付け状態(図8(c)参照)
その後、取り外した吊持・押付けボルト97を反転し、第2雄ネジ部97bを下にして(第1雄ネジ部97aを上にして)ナット部95に挿入して通過させ、更に、第2雄ネジ部97bをスタッド93に挿入する。ドライバ(不図示)を使って、吊持・押付けボルト97の第1雄ネジ部97aをナット部95の雌ネジ部に螺合させて、吊持・押付けボルト97先端の当接部97cをスタッド93の穴部底部の被当接部93bに当接させる。
この状態から更にドライバ(不図示)を締付け方向に回すと、粘着マット35に圧力が加わり、粘着マット35を圧縮して床面5に密着させた状態になる。そして、例えば更に2回しすることで、粘着マット35が所定の粘着力を発揮する密着状態にした後、吊持・押付けボルト97の締め付けを終了する(図8(c))。
続いて、本体部3の底板12に穿かれた貫通穴12aに固定ねじ133及びワッシャ135を配し、固定ねじ133を接地板33の雌ネジ部33aに螺合する(図8(c))。これにより、接地部31を本体部3に固定する。
次に、転倒防止家具1Cにおける各種作業を、流れに従って説明する。
(台輪の内部空間に接地部を取り付ける作業)
1.粘着マット35を取付けプレート37に貼り付ける。取付けナット39を使用して、粘着マット35及び取付けプレート37を接地板33に取り付ける。これにより、接地部31の組み立てが完了する。
2.粘着マット35の下面の非粘着シート(不図示)を剥離した後、粘着マット35及び取付けプレート37よりも厚い板(不図示)の上に、粘着マット35が厚い板(不図示)に触れないように、接地部31を置く。これにより、粘着マット35が床面5から離れた状態で、接地部31を床面5の上に置くことが可能となる。
3.吊持・押付けボルト97を、第1雄ネジ部97aを下にして吊持・押付け手段91の位置にセットする。具体的には、例えばドライバ(不図示)を吊持・押付けボルト97の第2ドライバ溝97eに係合させて、吊持・押付けボルト97の第1雄ネジ部97aを、本体部3の底板12に埋め込まれたナット部95の雌ネジ部にねじ回しして通し、その後、ドライバ(不図示)を更に回して、接地板33の上面に取り付けられたスタッド93の雌ネジ部93aに最後まで螺合させる。このとき、吊持・押付けボルト97はナット部95の雌ネジ部を通り抜けて、第2雄ネジ部97bが本体部3の底板12から上方に突き出ている。
4.本体部3の底板12から上方に突き出ている吊持・押付けボルト97の第2雄ネジ部97bに吊上げナット99を取り付けて回すことで、接地部31を台輪7の内部空間内で吊り上げる。このとき、ドライバ(不図示)を吊持・押付けボルト97の第2ドライバ溝97eに係合させて、吊持・押付けボルト97の回転を防いでも良い。これにより、接地部31は台輪7の内部空間内で浮いた状態となり、上述の厚い板(不図示)を除去することが可能となる。そして、転倒防止家具1Cを、接地部31と一体として所望の位置に移動して配置することが可能となる。吊持・押付けボルト97の第2雄ネジ部97bに吊上げナット99が取り付いた状態で本体部3の底板12から上方に突き出ているので、本体部3と台輪7とが一体に構成されている場合、転倒防止家具1Cの最下段の引き出し19(図2)を使用できず、引き出し19を取り外した状態での転倒防止家具1Cの移動作業となる。
(転倒防止家具を設置する作業)
1.転倒防止家具1Cを所望の位置に配置する。
2.吊上げナット99を吊り上げ時とは反対方向に回転して吊持状態を解除し、台輪7の内部空間内で浮いた状態にあった接地部31を床面5に下ろす。このとき、ドライバ(不図示)を吊持・押付けボルト97の第2ドライバ溝97eに係合させて、吊持・押付けボルト97の回転を防いでも良い。
3.吊持・押付けボルト97の第2雄ネジ部97bから吊上げナット99を外す。そして、上述のドライバ(不図示)を吊持・押付けボルト97の第2ドライバ溝97eに係合させて吊持・押付けボルト97を回して、スタッド93の雌ネジ部93aに螺合していた吊持・押付けボルト97の第1雄ネジ部97aをスタッド93から取り外し、更に、ナット部95からも取り外す。即ち、吊持・押付けボルト97を吊持・押付け手段91から、一旦、完全に取り外す。
4.次に、吊持・押付けボルト97を反転し第2雄ネジ部97bを下にして、吊持・押付け手段91の位置にセットする。具体的には、吊持・押付けボルト97の第2雄ネジ部97bを、ナット部95の雌ネジ部に通して、スタッド93の穴部に入れる。ドライバ(不図示)を吊持・押付けボルト97の第1ドライバ溝97dに係合させて、第1雄ネジ部97aを、本体部3の底板12に埋め込まれたナット部95の雌ネジ部に螺合させる。吊持・押付けボルト97の当接部97cは、接地板33の上面に取り付けられたスタッド93の内部の被当接部93bに当接する。このとき、吊持・押付けボルト97の第2雄ネジ部97bは、スタッド93内で何とも螺合しない。
5.そして、粘着マット35に適切な押し付け力が発生するように、上述のドライバ(不図示)を使って吊持・押付けボルト97を更に回す。これにより、転倒防止家具1Cと接地部31とは一体となる。このとき、吊持・押付けボルト97は本体部3の底板12から上方に突き出ないので、転倒防止家具1Cの最下段の引き出し19(図2)は使用可能となる。
6.続いて、本体部3の底板12に穿かれた貫通穴12aに固定ねじ133及びワッシャ135を配し、固定ねじ133を接地板33の雌ネジ部33aに螺合する。これにより、接地部31は、本体部3に固定される。
(既に設置されている転倒防止家具を移動する作業)
1.転倒防止家具1Cの最下段の引き出し19(図2)を取り外す。そして、固定ねじ133を接地板33の雌ネジ部33aから外し、固定ねじ133及びワッシャ135を本体部3の底面12から取り外す。
2.ドライバ(不図示)を使って吊持・押付けボルト97を押付け時とは反対方向に回し、吊持・押付けボルト97の第2雄ネジ部97bをスタッド93の穴部から外して、更に、吊持・押付けボルト97をスタッド93から完全に外す。これにより、転倒防止家具1Cと接地部31とは別体となり、転倒防止家具1Cは移動可能となる。
3.転倒防止家具1Cを別の位置に移動する。このとき、接地部31は床面5に粘着した状態で残る。
4.取付けナット39を外して、接地板33と粘着マット35及び取付けプレート37とを分離する。接地板33を外すと、粘着マット35及び取付けプレート37が床面5に残る。
5.粘着マット35を床面5から剥がす。剥がした粘着マット35は洗浄して再度利用する。或いは、粘着マット35を取付けプレート37から剥がして、他の粘着マット35(新品の粘着マット35)に交換する。
6.その後、上記した「台輪の内部空間に接地部を取り付ける作業」と「転倒防止家具を設置する作業」とを実行することで、転倒防止家具1Cの移動及び再設置ができる。
そして、このようにして構成される第3実施形態に係る転倒防止家具1Cによっても、第1実施形態に係る転倒防止家具1Aと同様の作用、効果が発揮され、更に本実施形態にあっては、吊持作用と押付け作用を併せ持つ吊持・押付け手段91の採用によって部品点数を削減して、よりコンパクトな転倒防止家具1Cが提供できるようになる。
尚、上述の固定手段131に代えて、第1又は第2実施形態で説明した本体部3の上部と接地部31とを連結する構成を用いても、吊持・押付け手段91を反転させて吊持状態と押付け状態とを実現することは可能である。
第4実施形態(図9及び図10参照)
例えば、前述した第1実施形態乃至第3実施形態の構成に加えて、本発明に係る転倒防止機能を有する家具の他の例として、図9及び図10に示すような構成を追加することが可能である。即ち、図9及び図10に示す第4実施形態に係る転倒防止家具1Dでは、接地板33と本体部3の底板12との間に、底板12の下面と接地板33の上面の一方に横断面方向に湾曲した凸面101aを有する第1凸部101を設け、底板12の下面と接地板33の上面の他方に横断面方向に湾曲した凹陥面103aを有し、常時第1凸部101に当接している第2凹部103を対向するように設けることが可能である。接地板33の下に粘着マットと取付けプレートがない点で、上記した第1乃至第3実施形態と相違する。ここで、接地板33は、台輪7の内部空間における前面寄りのスペースに配置されることが好ましい。これにより、家具を幾分後方に傾けた姿勢を保持することができる。
また、第1凸部101と第2凹部103は、接地板33に設けられている連結部61との連結点Oに対して、本体部3の重心Gを通る鉛直線Lを挟んでその反対側に位置するように配置されている。
尚、第1凸部101と第2凹部103は、図10(a)に示すように接地板33と本体部3の底板12の幅方向Xの全長に亘って連続して配置することが可能であり、あるいは図10(b)に示すように幅方向Xの一部、例えば左右両端に分断して配置することが可能である。
更に、本実施形態では、第1凸部101の凸面101aが第2凹部103の凹陥面103aに当接している平常時の状態において、第1凸部101と第2凹部103近傍の台輪7の底面(例えば前面側の枠板21の底面)が床面5から浮き上がって、床面5の上方に位置するように構成されている。その結果、転倒防止家具1Dの自重によって、常に接地板33を押し付けることとなり、第1乃至第3実施形態のような、ボルトで接地板33に押し付け力を印加する構成を省くことができる。
平常時、連結ワイヤがピンと張った状態にあるときに地震が来れば、家具が回転して連結ワイヤに引っ張られて接地板が持ち上げられることも考えられるが、本実施形態では、連結ワイヤにわずかな緩みを設け、地震が来て家具が回転したときに初めて連結ワイヤがピンと張るような構成とすることもできる。このような構成により、接地板に連結された連結ワイヤによって家具の倒れを防止する力が家具に作用する。
従って、このように構成される図9及び図10に示す転倒防止家具1Dによっても、第1乃至第3実施形態と同様の作用と効果が発揮され、更に本実施形態にあっては、転倒防止家具1Dの姿勢が幾分、後方に傾いた姿勢で保持されることになるから、地震等の揺れ発生によって生ずる転倒防止家具1Dの前方への転倒のおそれがより軽減される。
また、連結部61を一ヶ所のみに設ける他、転倒防止家具1Dの幅方向Xの左右に一組ずつ二ヶ所に設ける等、複数箇所に設けることが可能である。また、転倒防止家具1Dの据付け位置が部屋のコーナ部や隣接する転倒防止家具1Dが存在する場合には、転倒防止家具1Dの背面側に加えて転倒防止家具1Dの外観に現れない側面側にも連結部61を配置することが可能である。
また、台輪7に形成する開口部23(図2)は、背面側の枠板21を取り外して台輪9の背面のすべてを開口部23としてもよいし、背面側の枠板21に形成した孔部やスリットを開口部23として使用することも可能である。
更に、図9及び図10に示す第1凸部101と第2凹部103の取付け位置を逆にして底板12の下面に凸面101aを下に向けた第1凸部101を設け、接地板33の上面に凹陥面103aを上に向けた第2凹部103を配置することも可能である。
〔態様1〕
〔書類名〕特許請求の範囲
〔態様1〕
物を収納する本体部と、当該本体部と床面との間に配置されて当該本体部を支承する台輪と、を備えた転倒防止機能を有する家具であって、
前記台輪の内部空間内で床面に配置される接地部と、
前記接地部を前記本体部に連結する連結手段と、
を備える、転倒防止機能を有する家具。
〔態様2〕
態様1に記載の転倒防止機能を有する家具において、
前記台輪は、前記本体部の背面側に開口部が形成されており、
一端が前記接地部に連結され、他端が前記開口部から前記本体部の前記背面を通って当該背面の上部に連結される連結部を更に備える、転倒防止機能を有する家具。
〔態様3〕
態様2に記載の転倒防止機能を有する家具において、
前記連結部は、
前記接地部に取り付けられる第1連結具と、
前記本体部の前記背面側の上部に取り付けられる第2連結具と、
前記第1連結具と前記第2連結具との間に張設される連結ワイヤと、
を備える、転倒防止機能を有する家具。
〔態様4〕
態様1乃至3のいずれか一項に記載の転倒防止機能を有する家具において、
前記接地部は、
前記台輪とは別体に設けられる接地板と、
前記接地板の下面に取り付けられ、床面に密着されることで粘着力を発揮する粘着マットと、
を備える、転倒防止機能を有する家具。
〔態様5〕
態様4に記載の転倒防止機能を有する家具において、
前記接地板と前記本体部の底板との間に、当該接地板を床面に押し付ける押付け手段が設けられている、転倒防止機能を有する家具。
〔態様6〕
態様5に記載の転倒防止機能を有する家具において、
前記押付け手段は、
前記接地板の上面に設けられた押付けスタッドであって、穴部を備えた押付けスタッドと、
前記本体部の前記底板に埋め込まれた押付けナット部と、
前記押付けナット部に螺合する雄ネジ部と、当該雄ネジ部側の端面に形成された回転部と、当該回転部とは反対側の端部に形成された当接部とを有する押付けボルトと、
を備え、
前記押付けボルトの前記当接部は、前記押付けスタッドの前記穴部の内部に形成される被当接部に当接し、
前記押付けボルトの前記当接部が前記押付けスタッドの前記穴部の内部に形成された前記被当接部に当接して前記接地部を床面に押し付けるとき、当該押付けボルトの前記雄ネジ部側の端面が前記本体部の前記底板から上方に突出しない、転倒防止機能を有する家具。
〔態様7〕
態様5又は6に記載の転倒防止機能を有する家具において、
前記接地板と前記本体部の前記底板との間に、前記接地部を吊持状態で保持し、位置決め完了後に吊持状態を解除する吊持手段が設けられている、転倒防止機能を有する家具。
〔態様8〕
態様7に記載の転倒防止機能を有する家具において、
前記吊持手段は、
前記接地板の上面に設けられた吊持スタッドであって、内部に雌ネジ部が刻設された吊持スタッドと、
前記本体部の前記底板に設けられた吊持部と、
第1雄ネジ部、及び、当該第1雄ネジ部と同軸で前記吊持スタッドの前記雌ネジ部に螺合する第2雄ネジ部、当該第1雄ネジ部側の端面に形成された回転部を有する吊持ボルトと、
前記吊持ボルトの前記第1雄ネジ部に螺合して前記接地部を吊り上げる吊上げナットと、
を備える、転倒防止機能を有する家具。
〔態様9〕
態様4に記載の転倒防止機能を有する家具において、
前記接地板と前記本体部の底板との間に、前記接地部を吊持状態で保持し、位置決め完了後に吊持状態を解除する吊持作用、及び、吊持状態が解除された当該接地部の当該接地板を当該床面に更に押し付ける押付け作用を併せ持つ吊持・押付け手段が設けられている、転倒防止機能を有する家具。
〔態様10〕
態様9に記載の転倒防止機能を有する家具において、
前記吊持・押付け手段は、
前記接地板の上面に設けられたスタッドであって、穴部を備え、当該穴部の側面に刻設された所定の深さの雌ネジ部、及び、当該雌ネジ部の奥に形成され当該雌ネジ部の谷径より大径の逃げ部を備えたスタッドと、
前記本体部の前記底板に埋め込まれ、前記スタッドの前記雌ネジ部と同径の雌ネジ部を有するナット部と、
一方の端部に形成された当接部、及び、前記スタッドの前記雌ネジ部に螺合する第1雄ネジ部、当該第1雄ネジ部の谷径より小径の軸部、当該軸部を挟んで当該第1雄ネジ部とは反対側に形成された第2雄ネジ部、当該当接部とは反対側の端部に形成された回転部を有する吊持・押付けボルトと、
前記吊持・押付けボルトの前記第2雄ネジ部に螺合して前記接地部を吊り上げる吊上げナットと、
を備え、
前記吊持・押付けボルトの前記当接部は、前記スタッドの前記穴部の内部に形成される被当接部に当接し、
前記吊持・押付けボルトの前記第1雄ネジ部のねじ長さは、前記スタッドの前記逃げ部の軸方向長さより短く、
前記吊持・押付けボルトの前記軸部は、前記スタッドの前記雌ネジ部の下側端面と前記ナット部の前記雌ネジ部の上側端面との間の距離より長く形成され、
前記接地部を吊持ちするために、前記吊持・押付けボルトの前記第1雄ネジ部が前記スタッドの前記雌ネジ部に螺合するとき、当該吊持・押付けボルトの前記第2雄ネジ部が前記本体部の前記底板から上方に突出し、
前記吊持・押付けボルトの前記当接部が前記スタッドの前記穴部の内部に形成された前記被当接部に当接して前記接地部を床面に押し付けるとき、当該吊持・押付けボルトの前記第2雄ネジ部側の端面が前記本体部の前記底板から上方に突出しない、転倒防止機能を有する家具。
〔態様11〕
態様9に記載の転倒防止機能を有する家具において、
前記吊持・押付け手段は、
前記接地板の上面に設けられたスタッドであって、穴部を備え、当該穴部の側面に所定の深さの雌ネジ部が刻設されたスタッドと、
前記本体部の前記底板に埋め込まれたナット部であって、前記スタッドの前記雌ネジ部と同径の雌ネジ部を有するナット部と、
前記スタッドの前記雌ネジ部に螺合する第1雄ネジ部、及び、当該第1雄ネジ部側の端面に形成された第1回転部、当該第1雄ネジ部と同軸で反対側に形成され、当該第1雄ネジ部より小径の第2雄ネジ部、当該第2雄ネジ部側の端部に形成された当接部、当該当接部の端面に形成された第2回転部を有する吊持・押付けボルトと、
前記吊持・押付けボルトの前記第2雄ネジ部に螺合して前記接地部を吊り上げる吊上げナットと、
を備え、
前記吊持・押付けボルトの前記当接部は、前記スタッドの前記穴部の内部に形成される被当接部に当接し、
前記吊持・押付けボルトの前記第1雄ネジ部が前記スタッドの前記雌ネジ部に完全に螺合するとき、当該吊持・押付けボルトの前記第2雄ネジ部が前記本体部の前記底板から上方に突出し、
前記吊持・押付けボルトの前記当接部が前記スタッドの前記穴部の内部に形成された前記被当接部に当接して前記接地部を床面に押し付けるとき、当該吊持・押付けボルトの前記第1雄ネジ部側の端面が前記本体部の前記底板から上方に突出しない、転倒防止機能を有する家具。
〔態様12〕
態様1に記載の転倒防止機能を有する家具において、
前記連結手段は、前記本体部に対して前記接地部を固定する固定手段を備える、転倒防止機能を有する家具。
〔態様13〕
態様12に記載の転倒防止機能を有する家具において、
前記固定手段は、
前記本体部の底面に穿かれた貫通穴と、
前記接地部を構成する接地板の上面に刻設された雌ネジ部と、
前記接地部を前記本体部に固定する固定ねじと、を備える、転倒防止機能を有する家具。
〔態様14〕
態様2又は3に記載の転倒防止機能を有する家具において、
前記接地部を構成する接地板と前記本体部の底板との間に、
前記底板の下面と前記接地板の上面のいずれか一方に横断面方向に湾曲した凸面を有する第1凸部が設けられ、
前記底板の前記下面と前記接地板の前記上面の他方に横断面方向に湾曲した凹陥面を有し、常時前記第1凸部に当接している第2凹部が対向するように設けられており、
前記第1凸部と前記第2凹部とは、前記接地板に設けられた前記連結部との連結点に対して、前記本体部の重心を通る鉛直線を挟んでその反対側に位置すると共に、当該接地板と当該本体部の前記底板の幅方向の全長に連続して、あるいは当該幅方向の一部に分断して配置されていて、
前記第1凸部の前記凸面が前記第2凹部の前記凹陥面に当接している平常時の状態では、当該第1凸部及び当該第2凹部の近傍の前記台輪の底面が床面から浮き上がっている、転倒防止機能を有する家具。
本発明は、地震等の揺れで家具が大きく傾いて転倒するのを防止する転倒防止家具の製造、使用分野等で利用でき、特に部屋の壁や床面等を傷付けることなく、家具の外観を害することなく設置が可能であり、設置後の家具の移動が容易で耐震性に優れる転倒防止家具を提供したい場合に利用可能性を有する。
1(1A,1B,1C):転倒防止家具、3:本体部、5:床面、6:壁面、7:台輪、11:天板、12:底板、12a:貫通穴、13:左側板、14:右側板、15:背板、16:棚板、17:扉、19:引き出し、21:枠板、23:開口部、31:接地部、33:接地板、33a:雌ネジ部、35:粘着マット、37:取付けプレート、39:取付けナット、
41:押付け手段、43:押付けナット部、45:押付けボルト、45a:雄ネジ部、45b:当接部、47:押付けスタッド、47a:穴部、47b:被当接部、47c:座板、51:吊持手段、53:吊持スタッド、53a:雌ネジ部、53c:座板、55:吊持部、57:吊持ボルト、57a:第1雄ネジ部、57b:第2雄ネジ部、57c:ドライバ溝(回転部)、59:吊上げナット、59a:操作グリップ、61:連結部(連結手段)、63:連結ワイヤ、65:第1連結金具(第1連結具)、67:座板、69:係止リング、71:取付けネジ、73:第2連結金具(第2連結具)、75:長穴、77:取付けネジ、
91:吊持・押付け手段、93:スタッド、93a:雌ネジ部、93b:被当接部、93c:座板、95:ナット部、97:吊持・押付けボルト、97a:第1雄ネジ部、97b:第2雄ネジ部、97c:当接部、97d:第1ドライバ溝(回転部)、97e:第2ドライバ溝(回転部)、99:吊上げナット、99a:操作グリップ、
101:第1凸部、101a:凸面、103:第2凹部、103a:凹陥面、
111:吊持・押付け手段、113:スタッド、113a:雌ネジ部、113b:被当接部、113c:座板、113d:逃げ部、115:ナット部、115a:雌ネジ部、117:吊持・押付けボルト、117a:第1雄ネジ部、117b:第2雄ネジ部、117c:当接部、117d:軸部、117e:ドライバ溝(回転部)、119:吊上げナット、119a:操作グリップ、
131:固定手段(連結手段)、133:固定ねじ、135:ワッシャ、
A:収納物、B:載置物、X:幅方向、Y:奥行き方向、Z:高さ方向、O:連結点、G:重心、L:鉛直線

Claims (14)

  1. 物を収納する本体部と、当該本体部と床面との間に配置されて当該本体部を支承する台輪と、を備えた転倒防止機能を有する家具であって、
    前記台輪の内部空間内で床面に配置される接地部と、
    前記接地部を前記本体部に連結する連結手段と、
    を備える、転倒防止機能を有する家具。
  2. 請求項1に記載の転倒防止機能を有する家具において、
    前記台輪は、前記本体部の背面側に開口部が形成されており、
    一端が前記接地部に連結され、他端が前記開口部から前記本体部の前記背面を通って当該背面の上部に連結される連結部を更に備える、転倒防止機能を有する家具。
  3. 請求項2に記載の転倒防止機能を有する家具において、
    前記連結部は、
    前記接地部に取り付けられる第1連結具と、
    前記本体部の前記背面側の上部に取り付けられる第2連結具と、
    前記第1連結具と前記第2連結具との間に張設される連結ワイヤと、
    を備える、転倒防止機能を有する家具。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の転倒防止機能を有する家具において、
    前記接地部は、
    前記台輪とは別体に設けられる接地板と、
    前記接地板の下面に取り付けられ、床面に密着されることで粘着力を発揮する粘着マットと、
    を備える、転倒防止機能を有する家具。
  5. 請求項4に記載の転倒防止機能を有する家具において、
    前記接地板と前記本体部の底板との間に、当該接地板を床面に押し付ける押付け手段が設けられている、転倒防止機能を有する家具。
  6. 請求項5に記載の転倒防止機能を有する家具において、
    前記押付け手段は、
    前記接地板の上面に設けられた押付けスタッドであって、穴部を備えた押付けスタッドと、
    前記本体部の前記底板に埋め込まれた押付けナット部と、
    前記押付けナット部に螺合する雄ネジ部と、当該雄ネジ部側の端面に形成された回転部と、当該回転部とは反対側の端部に形成された当接部とを有する押付けボルトと、
    を備え、
    前記押付けボルトの前記当接部は、前記押付けスタッドの前記穴部の内部に形成される被当接部に当接し、
    前記押付けボルトの前記当接部が前記押付けスタッドの前記穴部の内部に形成された前記被当接部に当接して前記接地部を床面に押し付けるとき、当該押付けボルトの前記雄ネジ部側の端面が前記本体部の前記底板から上方に突出しない、転倒防止機能を有する家具。
  7. 請求項5又は6に記載の転倒防止機能を有する家具において、
    前記接地板と前記本体部の前記底板との間に、前記接地部を吊持状態で保持し、位置決め完了後に吊持状態を解除する吊持手段が設けられている、転倒防止機能を有する家具。
  8. 請求項7に記載の転倒防止機能を有する家具において、
    前記吊持手段は、
    前記接地板の上面に設けられた吊持スタッドであって、内部に雌ネジ部が刻設された吊持スタッドと、
    前記本体部の前記底板に設けられた吊持部と、
    第1雄ネジ部、及び、当該第1雄ネジ部と同軸で前記吊持スタッドの前記雌ネジ部に螺合する第2雄ネジ部、当該第1雄ネジ部側の端面に形成された回転部を有する吊持ボルトと、
    前記吊持ボルトの前記第1雄ネジ部に螺合して前記接地部を吊り上げる吊上げナットと、
    を備える、転倒防止機能を有する家具。
  9. 請求項4に記載の転倒防止機能を有する家具において、
    前記接地板と前記本体部の底板との間に、前記接地部を吊持状態で保持し、位置決め完了後に吊持状態を解除する吊持作用、及び、吊持状態が解除された当該接地部の当該接地板を当該床面に更に押し付ける押付け作用を併せ持つ吊持・押付け手段が設けられている、転倒防止機能を有する家具。
  10. 請求項9に記載の転倒防止機能を有する家具において、
    前記吊持・押付け手段は、
    前記接地板の上面に設けられたスタッドであって、穴部を備え、当該穴部の側面に刻設された所定の深さの雌ネジ部、及び、当該雌ネジ部の奥に形成され当該雌ネジ部の谷径より大径の逃げ部を備えたスタッドと、
    前記本体部の前記底板に埋め込まれ、前記スタッドの前記雌ネジ部と同径の雌ネジ部を有するナット部と、
    一方の端部に形成された当接部、及び、前記スタッドの前記雌ネジ部に螺合する第1雄ネジ部、当該第1雄ネジ部の谷径より小径の軸部、当該軸部を挟んで当該第1雄ネジ部とは反対側に形成された第2雄ネジ部、当該当接部とは反対側の端部に形成された回転部を有する吊持・押付けボルトと、
    前記吊持・押付けボルトの前記第2雄ネジ部に螺合して前記接地部を吊り上げる吊上げナットと、
    を備え、
    前記吊持・押付けボルトの前記当接部は、前記スタッドの前記穴部の内部に形成される被当接部に当接し、
    前記吊持・押付けボルトの前記第1雄ネジ部のねじ長さは、前記スタッドの前記逃げ部の軸方向長さより短く、
    前記吊持・押付けボルトの前記軸部は、前記スタッドの前記雌ネジ部の下側端面と前記ナット部の前記雌ネジ部の上側端面との間の距離より長く形成され、
    前記接地部を吊持ちするために、前記吊持・押付けボルトの前記第1雄ネジ部が前記スタッドの前記雌ネジ部に螺合するとき、当該吊持・押付けボルトの前記第2雄ネジ部が前記本体部の前記底板から上方に突出し、
    前記吊持・押付けボルトの前記当接部が前記スタッドの前記穴部の内部に形成された前記被当接部に当接して前記接地部を床面に押し付けるとき、当該吊持・押付けボルトの前記第2雄ネジ部側の端面が前記本体部の前記底板から上方に突出しない、転倒防止機能を有する家具。
  11. 請求項9に記載の転倒防止機能を有する家具において、
    前記吊持・押付け手段は、
    前記接地板の上面に設けられたスタッドであって、穴部を備え、当該穴部の側面に所定の深さの雌ネジ部が刻設されたスタッドと、
    前記本体部の前記底板に埋め込まれたナット部であって、前記スタッドの前記雌ネジ部と同径の雌ネジ部を有するナット部と、
    前記スタッドの前記雌ネジ部に螺合する第1雄ネジ部、及び、当該第1雄ネジ部側の端面に形成された第1回転部、当該第1雄ネジ部と同軸で反対側に形成され、当該第1雄ネジ部より小径の第2雄ネジ部、当該第2雄ネジ部側の端部に形成された当接部、当該当接部の端面に形成された第2回転部を有する吊持・押付けボルトと、
    前記吊持・押付けボルトの前記第2雄ネジ部に螺合して前記接地部を吊り上げる吊上げナットと、
    を備え、
    前記吊持・押付けボルトの前記当接部は、前記スタッドの前記穴部の内部に形成される被当接部に当接し、
    前記吊持・押付けボルトの前記第1雄ネジ部が前記スタッドの前記雌ネジ部に完全に螺合するとき、当該吊持・押付けボルトの前記第2雄ネジ部が前記本体部の前記底板から上方に突出し、
    前記吊持・押付けボルトの前記当接部が前記スタッドの前記穴部の内部に形成された前記被当接部に当接して前記接地部を床面に押し付けるとき、当該吊持・押付けボルトの前記第1雄ネジ部側の端面が前記本体部の前記底板から上方に突出しない、転倒防止機能を有する家具。
  12. 請求項1に記載の転倒防止機能を有する家具において、
    前記連結手段は、前記本体部に対して前記接地部を固定する固定手段を備える、転倒防止機能を有する家具。
  13. 請求項12に記載の転倒防止機能を有する家具において、
    前記固定手段は、
    前記本体部の底面に穿かれた貫通穴と、
    前記接地部を構成する接地板の上面に刻設された雌ネジ部と、
    前記接地部を前記本体部に固定する固定ねじと、を備える、転倒防止機能を有する家具。
  14. 請求項2又は3に記載の転倒防止機能を有する家具において、
    前記接地部を構成する接地板と前記本体部の底板との間に、
    前記底板の下面と前記接地板の上面のいずれか一方に横断面方向に湾曲した凸面を有する第1凸部が設けられ、
    前記底板の前記下面と前記接地板の前記上面の他方に横断面方向に湾曲した凹陥面を有し、常時前記第1凸部に当接している第2凹部が対向するように設けられており、
    前記第1凸部と前記第2凹部とは、前記接地板に設けられた前記連結部との連結点に対して、前記本体部の重心を通る鉛直線を挟んでその反対側に位置すると共に、当該接地板と当該本体部の前記底板の幅方向の全長に連続して、あるいは当該幅方向の一部に分断して配置されていて、
    前記第1凸部の前記凸面が前記第2凹部の前記凹陥面に当接している平常時の状態では、当該第1凸部及び当該第2凹部の近傍の前記台輪の底面が床面から浮き上がっている、転倒防止機能を有する家具。
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