JP5569877B2 - キチンオリゴ糖誘導体及びn−アセチルラクトサミン誘導体並びにそれらの製造方法 - Google Patents

キチンオリゴ糖誘導体及びn−アセチルラクトサミン誘導体並びにそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、キチンオリゴ糖誘導体及びN−アセチルラクトサミン誘導体並びにそれらの製造方法に関する。
キチンオリゴ糖は、甲殻類の殻や昆虫の外皮の主成分であるキチンを部分的に分解することにより得られるオリゴ糖である。キチンオリゴ糖については、これまでに、長期投与による大腸運動機能亢進作用による便通改善剤としての有効性(非特許文献1)や、脂質代謝改善作用、軽症高血圧者の降圧作用(非特許文献2)などが報告されている。更に、免疫賦活作用(非特許文献3)や抗腫瘍作用(非特許文献4)、抗感染症作用(非特許文献5)、あるいは植物に対するエリシター作用などの生理活性を示すことが知られ、健康食品・機能性食品等として広く利用されている。
また、N−アセチルラクトサミンは、生体糖鎖の主要なコア骨格となる二糖であり、母乳中には遊離で見出される。N−アセチルラクトサミンには、歯垢歯牙付着抑制作用、整腸作用、インスリン分泌促進作用(特許文献1)、免疫賦活作用(特許文献2)などの生理作用が報告されており、これも健康食品・機能性食品等としての利用に向けて、その量産化が期待されている。
ところで、オリゴ糖の還元末端糖の構造は、オリゴ糖の物理化学的性質や生理学的性質に大きく影響を及ぼすことが知られている。例えば、マルトースを水素添加して得られるマルチトールや、乳糖から調製されるラクチュロースは、還元末端糖の構造変換による性質の違いにより、原料の糖とは異なる目的で、様々な食品あるいは医薬品に応用されている。また、オリゴ糖の高感度分析を目的として、還元末端にピリジルアミノ基を結合させるなど、還元末端糖を誘導化することもよく行われている。
しかしながら、一般に、オリゴ糖の還元末端糖の誘導体化は、還元末端以外の糖との反応の区別の必要性、低溶解性、および工程途中におけるグリコシド結合の分解リスクという点で、単糖に比べて難しいとされていた。
川崎真澄、納富あすか、川崎晃一:キチンキトサン研究,4(3),325−328(1998) 川崎晃一、川崎真澄、納富あすか、伊藤和枝、池山信秀:キチンキトサン研究,4(3),316―324(1998) Suzuki K., Tokoro A., Okawa Y., Suzuki S., Suzuki M.: Microbiol. Immunol., 30(8), 777-787(1986) Tokoro A., Tatewaki N., Suzuki K., Minami T., Suzuki S., Suzuki M.: Chem. Pharm. Bull., 36(2), 784-790(1988) Tokoro A., Kobayashi M., Tatewaki N., Suzuki K., Minami T., Suzuki S., Suzuki M.: Microbiol. Immunol., 33(4), 357-387(1989)
特開2003-292444号公報 特開2006-182665号公報
キチンオリゴ糖やN−アセチルラクトサミンの還元末端糖の構造を改変することは、通常のオリゴ糖には存在しなかった機能の付与や、物性の改善、バイオアベイラビリティーの向上などに基づくオリゴ糖の新たな用途拡大へとつながる。その利用分野は、医療、食品、化粧品、化成品、トイレタリー、農業など多岐にわたる。
したがって、本発明の目的は、還元末端糖の構造が改変された新規キチンオリゴ糖誘導体及び新規N−アセチルラクトサミン誘導体を提供することにある。また、それらの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究した結果、キチンオリゴ糖及び/又はN−アセチルラクトサミンを含む水溶液を加熱することにより、還元末端糖の2位と3位が二重結合とされた誘導体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1] 下記一般式(1)で表される化学構造を有するキチンオリゴ糖誘導体。

[2] 下記式(2)で表される化学構造を有するN−アセチルラクトサミン誘導体。

[3] 下記一般式(3)で表される化学構造を有するキチンオリゴ糖及び下記式(4)で表されるN−アセチルラクトサミンからなる群から選ばれた少なくとも1種のオリゴ糖を含む水溶液を加熱することにより、


下記一般式(1)で表される化学構造を有する化合物及び下記式(2)で表される化学構造を有する化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を得ることを特徴とするオリゴ糖誘導体の製造方法。


[4] 前記水溶液を加熱するにあたり、該水溶液はホウ酸イオンを含む[3]記載のオリゴ糖誘導体の製造方法。
[5] 前記水溶液を加熱するにあたり、該水溶液のpHはpH3〜8である[3]又は[4]記載のオリゴ糖誘導体の製造方法。
[6] 前記水溶液を加熱するにあたり、該水溶液の温度は80〜140℃である[3]〜[5]のいずれかに1つに記載のオリゴ糖誘導体の製造方法。
[7] 下記一般式(5)で表される化学構造を有するキチンオリゴ糖誘導体。

[8] 下記式(6)で表される化学構造を有するN−アセチルラクトサミン誘導体。

[9] 下記一般式(3)で表される化学構造を有するキチンオリゴ糖及び下記式(4)で表されるN−アセチルラクトサミンからなる群から選ばれた少なくとも1種のオリゴ糖を含む水溶液を加熱することにより、


下記一般式(1)で表される化学構造を有する化合物及び下記式(2)で表される化学構造を有する化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を生成し、


これに活性炭素及び/又はパラジウム炭素を作用させることにより、下記一般式(5)で表される化学構造を有する化合物及び下記式(6)で表される化学構造を有する化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を得ることを特徴とするオリゴ糖誘導体の製造方法。

本発明によれば、キチンオリゴ糖及び/又はN−アセチルラクトサミンを含む水溶液を加熱するという簡便な処理で、還元末端糖の2位と3位が二重結合とされた誘導体が得られる。また、そのようにして得られた誘導体に活性炭素及び/又はパラジウム炭素を作用させることにより、還元末端糖の2位と3位が二重結合とされ、かつ還元末端糖の1位にケト基を有する誘導体が得られる。
実施例1における活性炭−セライトクロマトグラフィーの溶出画分のクロマトグラムである。
本発明においては、まず、キチンオリゴ糖及びN−アセチルラクトサミンからなる群から選ばれた少なくとも1種のオリゴ糖を含む水溶液を調製する。
本発明に用いられるキチンオリゴ糖としては、重合度2〜6のものが挙げられ、例えば下記のようにして得ることができる。
すなわち、キチンを酸または酵素で分解することにより得られるオリゴ糖混合物を、活性炭クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ODSクロマトグラフィー等の周知の分離精製手法を用いて精製することにより、各重合度のキチンオリゴ糖を得ることができる。また、キチンを酸または酵素で分解することにより得られるオリゴ糖混合物をそのまま、あるいは周知の分離精製手法を用いて部分精製したオリゴ糖混合物を用いることもできる。また、市販のものを用いてもよい。
N−アセチルラクトサミンは、例えば下記のようにして得ることができる。
すなわち、乳糖とN-アセチルグルコサミンにβ‐ガラクトシダーゼを作用させて生成するN-アセチルラクトサミンを活性炭クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ODSクロマトグラフィーなどの周知の分離精製手法を用いて精製した高純度のN-アセチルラクトサミンを得ることができる。あるいは、乳糖とN-アセチルグルコサミンにβ‐ガラクトシダーゼを作用させたN-アセチルラクトサミン含有溶液をそのまま、あるいは周知の分離精製手法を用いて部分精製したN-アセチルラクトサミン混合物を用いることもできる。また、天然のケラタン硫酸を分解することにより得られるN-アセチルラクトサミンまたはN-アセチルラクトサミン混合物や、周知の有機合成手法により合成されたN-アセチルラクトサミンまたはN-アセチルラクトサミン混合物を用いることができる。また、市販のものを用いてもよい。
本発明においては、上記キチンオリゴ糖及び/又はN−アセチルラクトサミンを含む水溶液を加熱する。これにより、下記一般式(7)で表される、還元末端糖の2位と3位が二重結合とされた還元末端構造を有するオリゴ糖が生成する。
また、後述の実施例で示すように、下記一般式(1)で表される化学構造を有するキチンオリゴ糖誘導体、又は下記式(2)で表される化学構造を有するN−アセチルラクトサミン誘導体を得ることができる。
本発明においては、そのようにして得られた誘導体に、更に活性炭素及び/又はパラジウム炭素を作用させることにより、下記一般式(8)で表される、還元末端糖の2位と3位が二重結合とされ、かつ還元末端糖の1位にケト基を有する還元末端構造を有するオリゴ糖を生成させることができる。
また、後述の実施例で示すように、下記一般式(5)で表される化学構造を有するキチンオリゴ糖誘導体、又は下記式(6)で表される化学構造を有するN−アセチルラクトサミン誘導体を得ることができる。
活性炭素及び/又はパラジウム炭素を作用させる方法としては、バッチ法、カラム法など、通常の方法で行えばよく、具体的には、例えば、活性炭、パラジウム炭素担体、活性炭−セライトクロマトグラフィーなどを用いて行うことができる。
上記キチンオリゴ糖及び/又はN−アセチルラクトサミンを含む水溶液を加熱するにあたり、上記水溶液には、ホウ酸イオンを含有させることが好ましい。ホウ酸イオンの由来としては、例えば、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、及び四ホウ酸二カリウムを好ましく例示できる。
上記水溶液中のホウ酸イオンの濃度としては、生成物の選択性や収率などを考慮して適宜選択することができるが、1〜1000mM程度であることが好ましく、25〜900mM程度であることがより好ましく、100〜900mM程度であることが最も好ましい。
また、上記水溶液を加熱するにあたり、上記水溶液のpHは、生成物の選択性や収率などを考慮して適宜選択することができるが、pH3〜8程度であることが好ましく、pH6〜8程度であることがより好ましく、pH6〜7程度であることが最も好ましい。
また、上記水溶液を加熱するにあたり、上記水溶液の温度は、生成物の選択性や収率などを考慮して適宜選択することができるが、およそ80〜140℃であることが好ましく、およそ80〜120℃であることがより好ましく、およそ90〜110℃であることが最も好ましい。なお、通常当業者に周知の技術によって加圧下に加熱等することで、上記水溶液を、大気圧の沸点以上の温度に加熱することができる。
また、上記水溶液を加熱するにあたり、上記水溶液中のキチンオリゴ糖及び/又はN−アセチルラクトサミンの濃度は、生成物の選択性や収率などを考慮して適宜選択することができるが、0.1〜30質量%程度であることが好ましく、0.5〜25質量%程度であることがより好ましく、1〜20質量%程度であることが最も好ましい。反応時間は、0〜600分程度であることが好ましく、5〜240分程度であることがより好ましく、30〜180分程度であることが最も好ましい。
本発明においては、上記以外の諸条件も、生成物の収率などを考慮して適宜選択することができる。
本発明においては、反応途中のサンプルの少量をHPLC分析等することにより、反応の進行状況を適宜確認することができる。
本発明においては、目的によって、生成したものをほぼそのまま用いてもよく、あるいは通常当業者に周知の分離精製手段である、例えば、限外ろ過、イオン交換膜電気透析、活性炭、活性炭−セライトクロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、ODSクロマトグラフィー及びイオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィー、HPLC等により、脱塩、濃縮したり、不純物、夾雑物を取り除いたりしてから用いることもできる。あるいは、また、複数種のキチンオリゴ糖誘導体及び/又はN−アセチルラクトサミン誘導体が生成する場合には、これらを個別に分離精製して、又は部分的に分離精製して、又は個別に若しくは部分的に分離精製したものを組合せてから用いることもできる。
また、上記のように分離精製して、生成した各誘導体の純度を、好ましくは30質量%以上、より好ましくは70質量%以上、最も好ましくは95質量%以上にまで高めることもできる。
本発明のキチンオリゴ糖誘導体及び/又はN−アセチルラクトサミン誘導体は、産業用素材として、医療、食品、化粧品、化成品、トイレタリー、農業などに利用できる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの例は本発明の範囲を限定するものではない。
<実施例1> N−アセチルキトビオース誘導体の製造
下記構造式で表されるN−アセチルキトビオース(1g, 2.3mmol)を0.4Mホウ酸ナトリウム緩衝液(pH7.0, 25mL)に溶解後、100℃で1時間反応を行なった。
続いて反応液を、水で平衡化した活性炭−セライトクロマトグラフィー(φ4.5×100cm)に供した。その後、H2O/エタノールの直線濃度勾配法により溶出し、チューブに60mLずつ分取後、各フラクションをN−アセチル基に由来する210nmの吸光度で測定した。そのクロマトグラムを図1に示す。
その結果、図1中F-1で示すように、H2O→40%エタノールの直線濃度勾配(流速:4.8mL/min)により、原料であるN−アセチルキトビオースを含む吸着画分が溶出された。その後、溶出液を50%エタノールに切り替えることにより、図1中F-2で示す溶出画分(フラクション146〜148,8760mL〜8880mL)、及びF-3で示す溶出画分(フラクション157〜159,9420mL〜9540mL)が得られた。
図1中F-2で示す溶出画分を濃縮し、重水に溶解して各種NMR分析により構造解析した。
・NMR分析
分析機器 :JEOL lamda 500FT NMR spectrometer
外部標準 :3-トリメチルシリルプロピン酸ナトリウム(TPS)
溶媒 :D2O
温度 :30℃
サンプル管 :φ3mm
その構造解析の結果は以下のとおりであった。
HRESIMS: m/z 429.14822 [M + Na]+ (calcd for C16H26N2Na1O10, 429.14851); 1H-NMR (D2O, 500 MHz): α-anomer; δ 6.43 (1H, H-3), 5.43 (1H, H-1), 4.67 (d, 1H, J1', 2' = 8.5 Hz, H-1'), 4.37 (1H, H-4), 2.11-2.08 (6H, CH 3CONH-, CH 3CONH-'). β-anomer; δ 6.47 (1H, H-3), 5.47 (1H, H-1), 4.66 (d, 1H, J1', 2' = 8.5 Hz, H-1'), 4.37 (1H, H-4), 2.11-2.08 (6H, CH 3CONH-, CH 3CONH-'). 13C-NMR (D2O, 500 MHz): α-anomer; δ 177.3 (CH3 CONH-'), 176.3 (CH3 CONH-), 136.2 (C-2), 118.4 (C-3), 104.7 (C-1'), 90.3 (C-1), 78.60 (C-5'), 76.4 (C-3'), 75.5 (C-4), 72.7 (C-5), 72.5 (C-4'), 63.5 (C-6'), 63.3 (C-6), 58.5 (C-2'), 25.7 (CH3CONH-), 24.9 (CH3CONH-'). β-anomer; δ 177.3 (CH3 CONH-'), 176.3 (CH3 CONH-), 137.3 (C-2), 117.7 (C-3), 104.3 (C-1'), 92.4 (C-1), 78.9 (C-5), 78.63 (C-5'), 76.4 (C-3'), 75.2 (C-4), 72.5 (C-4'), 63.7 (C-6), 63.5 (C-6'), 58.5 (C-2'), 25.8 (CH3CONH-), 24.9 (CH3CONH-').
以上の構造解析の結果から、図1中F-2で示す溶出画分に溶出した物質は、下記構造式を有するN−アセチルキトビオース誘導体であることが明らかとなった。また、その収量は46.4mgであり、収率は4.8%であった。
また、図1中F-3で示す溶出画分について、同様の構造解析を行った。その構造解析の結果は以下のとおりであった。
HRESIMS: m/z 427.13260 [M + Na]+ (calcd for C16H24N2Na1O10, 427.13286); 1H-NMR (D2O, 500 MHz): δ 7.45 (1H, d, H-3), 4.81 (dd, 1H, H-4), 4.74 (d, 1H, J1', 2' = 8.5 Hz, H-1'), 4.61 (1H, H-5), 2.17 (s, 3H, CH 3CONH-), 2.08 (s, 3H, CH 3CONH-'). 13C-NMR (D2O, 500 MHz): δ 177.4 (CH3 CONH-'), 176.4 (CH3 CONH-), 164.7 (C-1), 129.8 (C-3), 128.0 (C-2), 104.2 (C-1'), 83.9 (C-5), 78.7 (C-5'), 76.3 (C-3'), 73.1 (C-4), 72.5 (C-4'), 63.4 (C-6'), 62.9 (C-6), 58.4 (C-2'), 25.9 (CH3CONH-), 24.9 (CH3CONH-').
以上の構造解析の結果から、図1中F-3で示す溶出画分に溶出した物質は、下記構造式を有するN−アセチルキトビオース誘導体であることが明らかとなった。また、その収量は9.7mgであり、収率は1.0%であった。
なお、本実施例1において、図1中F-3で示す溶出画分に溶出した、上記N−アセチルキトビオース誘導体は、図1中F-2で示す溶出画分に溶出すべきN−アセチルキトビオース誘導体が、活性炭−セライトクロマトグラフィーでの分離過程で、カラムに担持された活性炭に作用して生成したものであると考えられた。
<実施例2> N−アセチルキトトリオース誘導体の製造
下記構造式で表されるN−アセチルキトトリオース(2.0g, 3.2mmol)を用いて、実施例1と同様の条件および方法により、上記実施例1における図1中F-2で示す溶出画分に相当する画分を得、実施例1と同様の構造解析を行った。
その構造解析の結果は以下のとおりであった。
HRESIMS: m/z 632.22722 [M + Na]+ (calcd for C24H39N3Na1O15, 632.22789); 1H-NMR (D2O, 500 MHz): α-anomer; δ 6.44 (1H, H-3), 5.41 (1H, H-1), 4.66 (d, 1H, J1', 2' = 8.0 Hz, H-1'), 4.61 (d, 1H, J1'', 2'' = 8.5 Hz, H-1''), 4.36 (1H, H-4), 2.11-2.07 (9H, CH 3CONH-, CH 3CONH-', CH 3CONH-''). β-anomer; δ 6.48 (1H, H-3), 5.46 (1H, H-1), 4.66 (d, 1H, J1', 2' = 8.0 Hz, H-1'), 4.61 (d, 1H, J1'', 2'' = 8.5 Hz, H-1''), 4.36 (1H, H-4), 2.11-2.07 (9H, CH 3CONH-, CH 3CONH-', CH 3CONH-''). 13C-NMR (D2O, 500 MHz): α-anomer; δ 177.5 (CH3 CONH-'), 177.3 (CH3 CONH-''), 176.34 (CH3 CONH-), 136.2 (C-2), 118.1 (C-3), 104.6 (C-1'), 104.3 (C-1''), 90.3 (C-1), 81.9 (C-4'), 78.7 (C-5''), 77.2 (C-5'), 76.3 (C-3''), 75.6 (C-4), 75.1 (C-3'), 72.6 (C-5), 72.5 (C-4''), 63.3 (C-6''), 63.2 (C-6), 62.85 (C-6'), 58.4 (C-2''), 57.9 (C-2'), 25.7 (CH3CONH-), 24.9 (CH3CONH-', CH3CONH-''). β-anomer; δ 177.5 (CH3 CONH-'), 177.3 (CH3 CONH-''), 176.30 (CH3 CONH-), 137.3 (C-2), 117.6 (C-3), 104.3 (C-1''), 104.2 (C-1'), 92.5 (C-1), 82.0 (C-4'), 78.8 (C-5), 78.7 (C-5''), 77.3 (C-5'), 76.3 (C-3''), 75.3 (C-4), 75.1 (C-3'), 72.5 (C-4''), 63.3 (C-6''), 63.6 (C-6), 62.91 (C-6'), 58.4 (C-2''), 57.9 (C-2'), 25.8 (CH3CONH-), 24.9 (CH3CONH-', CH3CONH-'').
以上の構造解析の結果から、本実施例2において、上記実施例1における図1中F-2で示す溶出画分に相当する画分に溶出した物質は、下記構造式を有するN−アセチルキトトリオース誘導体であることが明らかとなった。また、その収率は6.3%であった。
また、上記実施例1における図1中F-3で示す溶出画分に相当する画分ついて、同様の構造解析を行った。その構造解析の結果は以下のとおりであった。
HRESIMS: m/z 630.21221 [M + Na]+(calcd for C24H37N3Na1O15, 630.21224); 1H-NMR (D2O, 500 MHz): δ 7.44 (1H, d, H-3), 4.80 (dd, 1H, H-4), 4.73 (d, 1H, J1', 2' = 7.5 Hz, H-1'), 4.61 (d, 1H, J1'', 2'' = 8.5 Hz, H-1''), 4.60 (1H, H-5), 2.17 (s, 3H, CH 3CONH-), 2.09-2.07 (s, 6H, CH 3CONH-', CH 3CONH-''). 13C-NMR (D2O, 500 MHz): δ 177.5 (CH3 CONH-'), 177.4 (CH3 CONH-''), 176.4 (CH3 CONH-), 164.7 (C-1), 129.6 (C-3), 128.0 (C-2), 104.3 (C-1''), 104.0 (C-1'), 83.9 (C-5), 81.9 (C-4'), 78.7 (C-5''), 77.4 (C-5'), 76.3 (C-3''), 75.0 (C-3'), 73.2 (C-4), 72.5 (C-4''), 63.3 (C-6''), 62.8 (C-6', C-6), 58.4 (C-2''), 57.8 (C-2'), 25.9 (CH3CONH-), 24.9 (CH3CONH-', CH3CONH-'').
以上の構造解析の結果から、本実施例2において、上記実施例1における図1中F-3で示す溶出画分に相当する画分に溶出した物質は、下記構造式を有するN−アセチルキトトリオース誘導体であることが明らかとなった。また、その収率は1.0%であった。
なお、本実施例2において、図1中F-3で示す溶出画分に相当する画分に溶出した、上記N−アセチルキトトリオース誘導体は、図1中F-2で示す溶出画分に相当する画分に溶出すべきN−アセチルキトトリオース誘導体が、活性炭−セライトクロマトグラフィーでの分離過程で、カラムに担持された活性炭に作用して生成したものであると考えられた。
<実施例3> N−アセチルキトテトラオース誘導体の製造
下記構造式で表されるN−アセチルキトテトラオース(1.4g, 1.7mmol)を用いて、実施例1と同様の条件および方法により、上記実施例1における図1中F-2で示す溶出画分に相当する画分を得、実施例1と同様の構造解析を行った。
その構造解析の結果は以下のとおりであった。
HRESIMS: m/z 835.30714 [M + Na]+ (calcd for C32H52N4Na1O20, 835.30726); 1H-NMR (D2O, 500 MHz): α-anomer; δ 6.43 (1H, H-3), 5.42 (1H, H-1), 4.66 (d, 1H, J1', 2' = 7.5 Hz, H-1'), 4.60 (d, 2H, J1'', 2'' = 9.0, J1''', 2''' = 9.0 Hz, H-1'', H-1'''), 4.36 (1H, H-4), 2.11-2.07 (12H, CH 3CONH-, CH 3CONH-', CH 3CONH-'', CH 3CONH-'''). β-anomer; δ 6.47 (1H, H-3), 5.46 (1H, H-1), 4.66 (d, 1H, J1', 2' = 7.5 Hz, H-1'), 4.60 (d, 2H, J1'', 2'' = 9.0, J1''', 2''' = 9.0 Hz, H-1'', H-1'''), 4.36 (1H, H-4), 2.11-2.07 (12H, CH 3CONH-, CH 3CONH-', CH 3CONH-'', CH 3CONH-'''). 13C-NMR (D2O, 500 MHz): α-anomer; δ 177.4 (CH3 CONH-'', CH3 CONH-'), 177.3 (CH3 CONH-'''), 176.31 (CH3 CONH-), 136.2 (C-2), 118.2 (C-3), 104.6 (C-1'), 104.3 (C-1'''), 104.1 (C-1''), 90.3 (C-1), 82.0 (C-4''), 81.70 (C-4''), 78.7 (C-5'''), 77.3 (C-5'', C-5'), 76.3 (C-3'''), 75.6 (C-4), 75.0 (C-3'', C-3'), 72.6 (C-5), 72.5 (C-4'''), 63.4 (C-6'''), 63.2 (C-6), 62.8 (C-6'', C-6'), 58.4 (C-2'''), 58.0 (C-2'), 57.8 (C-2''), 25.7 (CH3CONH-), 24.9 (CH3CONH-''', CH3CONH-'', CH3CONH-'). β-anomer; δ 177.4 (CH3 CONH-'', CH3 CONH-'), 177.3 (CH3 CONH-'''), 176.26 (CH3 CONH-), 137.3 (C-2), 117.6 (C-3), 104.3 (C-1'''), 104.2 (C-1'), 104.1 (C-1''), 92.5 (C-1), 82.0 (C-4''), 81.76 (C-4''), 78.8 (C-5), 78.7 (C-5'''), 77.3 (C-5'', C-5'), 76.3 (C-3'''), 75.3 (C-4), 75.0 (C-3'', C-3'), 72.5 (C-4'''), 63.7 (C-6), 63.4 (C-6'''), 62.8 (C-6'', C-6'), 58.4 (C-2'''), 58.0 (C-2'), 57.8 (C-2''), 25.7 (CH3CONH-), 24.9 (CH3CONH-''', CH3CONH-'', CH3CONH-').
以上の構造解析の結果から、本実施例3において、上記実施例1における図1中F-2で示す溶出画分に相当する画分に溶出した物質は、下記構造式を有するN−アセチルキトテトラオース誘導体であることが明らかとなった。また、その収率は4.4%であった。
また、上記実施例1における図1中F-3で示す溶出画分に相当する画分ついて、同様の構造解析を行った。その構造解析の結果は以下のとおりであった。
HRESIMS: m/z 833.29109 [M + Na]+(calcd for C32H50N4Na1O20, 833.29161); 1H-NMR (D2O, 500 MHz): δ 7.43 (1H, d, H-3), 4.79 (dd, 1H, H-4), 4.73 (d, 1H, J1', 2' = 7.5 Hz, H-1'), 4.61-4.59 (3H, H-1'', H-1''', H-5), 2.17 (s, 3H, CH 3CONH-), 2.08-2.07 (s, 9H, CH 3CONH-', CH 3CONH-'', CH 3CONH-'''). 13C-NMR (D2O, 500 MHz): δ 177.41 (CH3 CONH-'', CH3 CONH-'), 177.37 (CH3 CONH-'''), 176.4 (CH3 CONH-), 164.6 (C-1), 129.6 (C-3), 128.0 (C-2), 104.3 (C-1'''), 104.0 (C-1'', C-1'), 83.9 (C-5), 82.0 (C-4''), 81.7 (C-4'), 78.7 (C-5'''), 77.4 (C-5'), 77.3 (C-5''), 76.3 (C-3'''), 74.96 (C-3'), 74.90 (C-3''), 73.2 (C-4), 72.5 (C-4'''), 63.4 (C-6'''), 62.9 (C-6), 62.8 (C-6'', C-6'), 58.4 (C-2'''), 57.8 (C-2'', C-2'), 25.9 (CH3CONH-), 24.9 (CH3CONH-''', CH3CONH-'', CH3CONH-').
以上の構造解析の結果から、本実施例3において、上記実施例1における図1中F-3で示す溶出画分に相当する画分に溶出した物質は、下記構造式を有するN−アセチルキトテトラオース誘導体であることが明らかとなった。また、その収率は1.3%であった。
なお、本実施例3において、図1中F-3で示す溶出画分に相当する画分に溶出した、上記N−アセチルキトテトラオース誘導体は、図1中F-2で示す溶出画分に相当する画分に溶出すべきN−アセチルキトテトラオース誘導体が、活性炭−セライトクロマトグラフィーでの分離過程で、カラムに担持された活性炭に作用して生成したものであると考えられた。
<実施例4> N−アセチルキトペンタオース誘導体の製造
下記構造式で表わされるN−アセチルキトペンタオース (2.5 g, 2.4 mmol) を用いて、実施例1と同様の条件および方法により、上記実施例1における図1中F-2で示す溶出画分に相当する画分を得、実施例1と同様の構造解析を行った。
その構造解析の結果は以下のとおりであった。
ESIMS: m/z 1038.4 [M + Na]+ ; 1H-NMR (D2O, 500 MHz): α-anomer; δ 6.44 (1H, H-3), 5.41 (1H, H-1), 4.65 (d, 1H, J1', 2'= 8.0 Hz, H-1'), 4.59 (d, 3H, J1'', 2'' = 8.5, J1''', 2'''= 8.5, J1'''', 2'''' = 8.5 Hz, H-1'', H-1''', H-1''''), 4.35 (1H, H-4), 2.10-2.06 (15H, CH 3CONH-, CH 3CONH-', CH 3CONH-'', CH 3CONH-''', CH 3CONH-''''). β-anomer; δ 6.47 (1H, H-3), 5.45 (1H, H-1), 4.65 (d, 1H, J1', 2' = 8.0 Hz, H-1'), 4.59 (d, 3H, J1'', 2'' = 8.5, J1''', 2'''= 8.5, J1'''', 2'''' = 8.5 Hz, H-1'', H-1''', H-1''''), 4.35 (1H, H-4), 2.10-2.06 (15H, CH 3CONH-, CH 3CONH-', CH 3CONH-'', CH 3CONH-''', CH 3CONH-''''). 13C-NMR (D2O, 500 MHz): α-anomer; δ 177.4 (CH3 CONH-''', CH3 CONH-'', CH3 CONH-'), 177.2 (CH3 CONH-''''), 176.29 (CH3 CONH-), 136.2 (C-2), 118.1 (C-3), 104.6 (C-1'), 104.3 (C-1''''), 104.0 (C-1'', C-1'''), 90.3 (C-1), 82.0 (C-4'''), 81.76-81.72 (C-4', C-4''), 78.7 (C-5''''), 77.3 (C-5''', C-5'', C-5'), 76.3 (C-3''''), 75.6 (C-4), 75.0-74.9 (C-3''', C-3'', C-3'), 72.6 (C-5), 72.5 (C-4''''), 63.4 (C-6''''), 63.2 (C-6), 62.8 (C-6''', C-6'', C-6'), 58.4 (C-2''''), 58.0-57.8 (C-2''', C-2'', C-2'), 25.8 (CH3CONH-), 24.9 (CH3CONH-'''', CH3CONH-''', CH3CONH-'', CH3CONH-'). β-anomer; δ 177.4 (CH3 CONH-''', CH3 CONH-'', CH3 CONH-'), 177.2 (CH3 CONH-''''), 176.2 (CH3 CONH-), 137.3 (C-2), 117.5 (C-3), 104.6 (C-1'), 104.3 (C-1''''), 104.0 (C-1'', C-1'''), 92.5 (C-1), 82.0 (C-4'''), 81.76-81.72 (C-4', C-4''), 78.7 (C-5''''), 77.3 (C-5''', C-5'', C-5'), 76.3 (C-3''''), 75.3 (C-4), 75.0-74.9 (C-3''', C-3'', C-3'), 78.8 (C-5), 72.5 (C-4''''), 63.4 (C-6''''), 63.7 (C-6), 62.8 (C-6''', C-6'', C-6'), 58.4 (C-2''''), 58.0-57.8 (C-2''', C-2'', C-2'), 25.8 (CH3CONH-), 24.9 (CH3CONH-'''', CH3CONH-''', CH3CONH-'', CH3CONH-').
以上の構造解析の結果から、本実施例4において、上記実施例1における図1中F-2で示す溶出画分に相当する画分に溶出した物質は、下記構造式で表わされる化学構造を有するN−アセチルキトペンタオース誘導体であることが明らかとなった。また、その収率は、6.6%であった。
また、上記実施例1における図1中F-3で示す溶出画分に相当する画分について、同様の構造解析を行った。その構造解析の結果は以下のとおりであった。
ESIMS: m/z 1036.4 [M + Na]+ ; 1H-NMR (D2O, 500 MHz): δ 7.42 (1H, d, H-3), 4.78 (dd, 1H, H-4), 4.71 (d, 1H, J1', 2'= 8.0 Hz, H-1'), 4.60-4.58 (4H, H-1'', H-1''', H-1'''', H-5), 2.15 (s, 3H, CH 3CONH-), 2.07-2.06 (s, 12H, CH 3CONH-', CH 3CONH-'', CH 3CONH-''', CH 3CONH-''''). 13C-NMR (D2O, 500 MHz): δ 177.37 (CH3 CONH-''', CH3 CONH-'', CH3 CONH-'), 177.34 (CH3 CONH-''''), 176.4 (CH3 CONH-), 164.6 (C-1), 129.6 (C-3), 128.0 (C-2), 104.3 (C-1''''), 104.0 (C-1''', C-1'', C-1'), 83.9 (C-5), 82.0-81.7 (C-4''', C-4'', C-4'), 78.7 (C-5''''), 77.4 (C-5'), 77.3 (C-5''', C-5''), 76.3 (C-3''''), 74.94 (C-3'), 74.89 (C-3''', C-3''), 73.2 (C-4), 72.6 (C-4''''), 63.4 (C-6''''), 62.9 (C-6), 62.8 (C-6''', C-6'', C-6'), 58.4 (C-2''''), 57.9-58.0 (C-2''', C-2'', C-2'), 25.9 (CH3CONH-), 25.0 (CH3CONH-'''', CH3CONH-''', CH3CONH-'', CH3CONH-').
以上の構造解析の結果から、本実施例4において、上記実施例1における図1中F-3で示す溶出画分に相当する画分に溶出した物質は、下記構造式で表わされる化学構造を有するN−アセチルキトペンタオース誘導体であることが明らかとなった。また、その収率は、1.2%であった。
なお、本実施例4において、図1中F-3で示す溶出画分に相当する画分に溶出した、上記N−アセチルキトペンタオース誘導体は、図1中F-2で示す溶出画分に相当する画分に溶出すべきN−アセチルキトペンタオース誘導体が、活性炭−セライトクロマトグラフィーでの分離過程で、カラムに担持された活性炭に作用して生成したものであると考えられた。
<実施例5> N−アセチルラクトサミン誘導体の製造
下記構造式で表されるN−アセチルラクトサミン(1.2g, 3.1mmol)を用いて、実施例1と同様の条件および方法により、上記実施例1における図1中F-2で示す溶出画分に相当する画分を得、実施例1と同様の構造解析を行った。
その構造解析の結果は以下のとおりであった。
HRESIMS: m/z 388.12195 [M + Na]+ (calcd for C14H23N1Na1O10, 388.12196); 1H-NMR (D2O, 500 MHz): α-anomer; δ 6.39 (1H, H-3), 5.46 (1H, H-1), 4.534 (d, 1H, J1', 2' = 7.5 Hz, H-1'), 4.45 (1H, H-4), 2.09 (3H, CH 3CONH-). β-anomer; δ 6.46 (1H, H-3), 5.49 (1H, H-1), 4.527 (d, 1H, J1', 2' = 8.0 Hz, H-1'), 4.45 (1H, H-4), 2.10 (3H, CH 3CONH-). 13C-NMR (D2O, 500 MHz): α-anomer; δ 176.3 (CH3 CONH-), 136.2 (C-2), 118.9 (C-3), 106.4 (C-1'), 90.3 (C-1), 77.9 (C-5'), 75.4 (C-3'), 75.0 (C-4), 73.7 (C-2'), 73.0 (C-5), 71.3 (C-4'), 63.7 (C-6'), 63.3 (C-6), 25.7 (CH3CONH-). β-anomer; δ 176.3 (CH3 CONH-), 137.3 (C-2), 117.9 (C-3), 105.9 (C-1'), 92.1 (C-1), 79.1 (C-5), 77.9 (C-5'), 75.5 (C-3'), 74.6 (C-4), 73.6 (C-2'), 71.3 (C-4'), 63.8 (C-6), 63.7 (C-6'), 25.8 (CH3CONH-).
以上の構造解析の結果から、本実施例5において、上記実施例1における図1中F-2で示す溶出画分に相当する画分に溶出した物質は、下記構造式を有するN−アセチルラクトサミン誘導体であることが明らかとなった。また、その収率は4.8%であった。
また、上記実施例1における図1中F-3で示す溶出画分に相当する画分ついて、同様の構造解析を行った。その構造解析の結果は以下のとおりであった。
HRESIMS: m/z 386.10635 [M + Na]+ (calcd for C14H21N1Na1O10, 386.10631); 1H-NMR (D2O, 500 MHz): δ 7.43 (1H, d, H-3), 4.88 (dd, 1H, H-4), 4.61 (d, 1H, J1', 2' = 8.0 Hz, H-1'), 2.17 (s, 3H, CH 3CONH-). 13C-NMR (D2O, 500 MHz): δ 176.4 (CH3 CONH-), 164.8 (C-1), 130.4 (C-3), 128.0 (C-2), 105.9 (C-1'), 84.3 (C-5), 78.1 (C-5'), 75.4 (C-3'), 73.5 (C-2'), 72.9 (C-4), 71.3 (C-4'), 63.7 (C-6'), 63.0 (C-6), 25.8 (CH3CONH-).
以上の構造解析の結果から、本実施例5において、上記実施例1における図1中F-3で示す溶出画分に相当する画分に溶出した物質は、下記構造式を有するN−アセチルラクトサミン誘導体であることが明らかとなった。また、その収率は1.3%であった。
なお、本実施例5において、図1中F-3で示す溶出画分に相当する画分に溶出した、上記N−アセチルラクトサミン誘導体は、図1中F-2で示す溶出画分に相当する画分に溶出すべきN−アセチルラクトサミン誘導体が、活性炭−セライトクロマトグラフィーでの分離過程で、カラムに担持された活性炭に作用して生成したものであると考えられた。
<実施例6> N−アセチルキトビオース誘導体の製造 その2
実施例1の方法により調整された、還元末端糖の2位と3位が二重結合である下記構造式で表わされるN−アセチルキトビオース誘導体(20 mg, 0.047mmol)を0.4Mホウ酸ナトリウム緩衝液(pH 7.0, 0.40mL)に溶解後、10%パラジウム炭素(60 mg)をN−アセチルキトビオース誘導体に対して15%(w/w)となるように添加し、その後空気封入下40℃で攪拌しながら反応を行った。
TLC(クロロホルム:メタノール:水=6:4:1)にて反応を追跡し反応開始後6時間で反応を終了した。その後、反応液を0.45 μmフィルターに通し不純物濾過した後、50%エタノールで目的物をパラジウム炭素担体から溶出させた。溶出液を濃縮し、重水に溶解して各種NMR分析により構造解析したところ、下記構造式で表わされる化学構造を有するN−アセチルキトビオース誘導体であることを確認した。また、その収率は87%であった。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表されるキチンオリゴ糖誘導体。
  2. 下記式(2)で表されるN−アセチルラクトサミン誘導体。
  3. 下記一般式(3)で表されるキチンオリゴ糖及び下記式(4)で表されるN−アセチルラクトサミンからなる群から選ばれた少なくとも1種のオリゴ糖を含むpH3〜8である水溶液を加熱することにより、


    下記一般式(1)で表される化合物及び下記式(2)で表される化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を得ることを特徴とするオリゴ糖誘導体の製造方法。

  4. 前記水溶液を加熱するにあたり、該水溶液はホウ酸イオンを含む請求項3記載のオリゴ糖誘導体の製造方法。
  5. 前記水溶液を加熱するにあたり、該水溶液の温度は80〜140℃である請求項3又は4記載のオリゴ糖誘導体の製造方法。
  6. 下記一般式(5)で表されるキチンオリゴ糖誘導体。
  7. 下記式(6)で表されるN−アセチルラクトサミン誘導体。
  8. 下記一般式(3)で表されるキチンオリゴ糖及び下記式(4)で表されるN−アセチルラクトサミンからなる群から選ばれた少なくとも1種のオリゴ糖を含む水溶液を加熱することにより、


    下記一般式(1)で表される化合物及び下記式(2)で表される化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を生成し、


    これに活性炭素及び/又はパラジウム炭素を作用させることにより、下記一般式(5)で表される化合物及び下記式(6)で表される化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を得ることを特徴とするオリゴ糖誘導体の製造方法。



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