JP5569091B2 - 多孔質半導体および色素増感太陽電池 - Google Patents
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Description
中でも、太陽光エネルギーを利用する太陽電池は、資源が無限であるのみならず、環境調和型デバイスであるため大きな注目を集めている。
特に、色素増感太陽電池は、使用する材料が安価であること、製造プロセスに真空装置を用いなくても済むことなどの利点から、グレッツェルらにより提案されて以来、実用化に向けた研究が盛んに行われている。
太陽電池の光電変換効率は、太陽光の吸収によって発生した電子量に比例することから、変換効率を向上させるためには、半導体電極上の色素吸着量を大きくする必要がある。
このため、色素増感太陽電池用の色素には、金属酸化物に対する、高い親和性や密着性を有することが求められる。
しかしながら、色素を段階的に吸着させることにより、多孔質半導体上に積層構造を作り、エネルギー取り出し効率を改善する試みはなされていない。
1. 金属酸化物と、その表面の少なくとも一部を覆う、電子バンド構造の異なる2種類以上の色素を含む増感剤層とを有し、前記増感剤層内において、前記2種以上の色素のうち、最低空軌道のエネルギー準位の最も低いものが、前記金属酸化物の表面側に偏在しており、前記色素が、式(1)で表されるカルボニルチオフェン化合物および式(5)で表されるフォスフォリルチオフェン化合物であることを特徴とする多孔質半導体、
2. 前記Zが、前記式(2)で表される2価の有機基であり、前記Yが、前記式(6)で表される2価の有機基である1の多孔質半導体、
3. 前記2種類以上の色素が、前記金属酸化物の表面側から最低空軌道のエネルギー準位の低い順に階層状に偏在する1または2の多孔質半導体、
4. 前記増感剤層が、前記2種以上の色素を、最低空軌道のエネルギー準位の低い順に前記金属酸化物上に吸着させて形成された1〜3のいずれかの多孔質半導体、
5. 光透過性を有する基板と、この基板に積層された透明導電膜と、この透明導電膜に積層された金属酸化物からなる多孔質半導体とを有し、前記多孔質半導体が1〜4のいずれかの多孔質半導体であることを特徴とする半導体電極、
6. 5の半導体電極と、対極と、これら半導体電極および対極間に介在する電解質と、を備えて構成される色素増感太陽電池
を提供する。
なお、本明細書中、「n」はノルマルを、「i」はイソを、「s」はセカンダリーを、「t」はターシャリーを、「c」はシクロを、「o」はオルトを、「m」はメタを、「p」はパラを意味し、「Me」はメチル基を、「Et」はエチル基を、「Pr」はプロピル基を、「Bu」はブチル基を、「Ph」はフェニル基を意味する。
このように、LUMOのエネルギー準位のより低い色素を、金属酸化物側に偏在させることで、増感剤層内に、その外側から内側に向かって段階的に低下するエネルギーレベルを構築できる結果、電荷分離の効率化を図ることができる結果、得られる太陽電池において、エネルギー取り出し効率等の諸特性を改善することができる。
さらには、上記式(1)で示されるカルボニルチオフェン化合物系色素を用いることもできる。
そして、本発明においては、任意に選択した2種以上の色素のうち、LUMOのエネルギー準位の最も低いものが金属酸化物の表面側に偏在するような態様で増感剤層を形成すればよい。
この場合、式(1)で示されるカルボニルチオフェン化合物のエネルギー準位は、チオフェン環上の置換基によっても変動するが、一般的に、HOMO(最高占有軌道),LUMOともに、式(5)で示されるフォスフォリルチオフェン化合物のそれらよりも0.2eV程度低い(深い)ため、カルボニルチオフェン化合物を金属酸化物側に偏在させた増感剤層とする。
また、式(5)において、R17〜R24としては、上記と同様の理由から、カルボニルチオフェン化合物に対する吸着性や、ワニス調製時の有機溶媒に対する溶解性をより高めることを考慮すると、水素原子、炭素数1〜10アルキル基が好ましい。
また、式(1)および式(5)において、R5、R6、R25およびR26としては、水素原子、炭素数1〜10アルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
一方、式(5)におけるYは、上記式(6)〜(8)から選ばれる少なくとも1種の2価の有機基であるが、特に、式(6)で表される2価の有機基が好適であり、特に、R27およびR28が共に水素原子である非置換チオフェニル基が好適である。
なお、この化合物は、2≦m+n+o+p≦20を満たす程度のオリゴマーでも、20≦m+n+o+p≦1,000を満たすポリマーでもよい。
カルボニルチオフェン化合物の分子量は特に限定されるものではないが、ポリマーの場合、重量平均分子量1,000〜100,000が好ましく、1,000〜50,000がより好ましい。
なお、この化合物は、2≦m’+n’+o’+p’≦20を満たす程度のオリゴマーでも、20≦m’+n’+o’+p’≦1,000を満たすポリマーでもよい。
フォスフォリルチオフェン化合物の分子量は特に限定されるものではないが、ポリマーの場合、重量平均分子量1,000〜100,000が好ましく、1,000〜50,000がより好ましい。
なお、本発明における重量平均分子量は、ゲル濾過クロマトグラフィーによるポリスチレン換算値である。
炭素数1〜20モノアルキルアミノ基の具体例としては、NHMe、NHEt、NHPr−n、NHPr−i、NHBu−n、NHBu−i、NHBu−s、NHBu−t、NHPen−n、NHCHEt2、NHHex−n、NHHep−n、NHOct−n、NHDec−n等が挙げられる。
炭素数1〜20ジアルキルアミノ基の具体例としては、NMe2、NEt2、N(Pr−n)2、N(Pr−i)2、N(Bu−n)2、N(Bu−i)2、N(Bu−s)2、N(Bu−t)2、N(Pen−n)2、N(CHEt2)2、N(Hex−n)2、N(Hep−n)2、N(Oct−n)2、N(Dec−n)2、N(Me)(Bu−n)、N(Me)(Pen−n)、N(Me)(Hex−n)、N(Me)(Hep−n)、N(Me)(Oct−n)、N(Me)(Dec−n)等が挙げられる。
炭素数1〜10トリアルキルスタニル基の具体例としては、SnMe3、SnEt3、Sn(Pr−n)3、Sn(Pr−i)3、Sn(Bu−n)3、Sn(Bu−i)3、Sn(Bu−s)3、Sn(Bu−t)3等が挙げられる。
炭素数1〜10トリアルキルシリル基の具体例としては、SiMe3、SiEt3、Si(Pr−n)3、Si(Pr−i)3、Si(Bu−n)3、Si(Bu−i)3、Si(Bu−s)3、Si(Bu−t)3等が挙げられる。
一方、式(5)で示されるフォスフォリルチオフェン化合物は、国際公開第2009/119428号パンフレット記載の方法で合成することができる。
カップリング法としては、特に限定されるものでなく、例えば、ビアリールカップリング、Stilleカップリング、Suzukiカップリング、Ullmannカップリング、Heck反応、薗頭カップリング、Grignard反応等を用いることができる。
重合法としては、カルボニルチオフェン化合物を重合できる手法であれば特に限定されるものではなく、例えば、化学酸化重合、電解酸化重合、触媒重合等の公知の重合法から適宜選択すればよいが、本発明においては、触媒重合が好適である。
触媒重合に用いられるカルボニルチオフェンモノマー化合物や、Zを与えるモノマーとしては、末端(重合部位)置換基がハロゲン原子のカルボニルチオフェン化合物が好ましい。中でも、末端が臭素原子のものが好適である。
配位子の使用量は、基質の全モノマー化合物が有するハロゲン原子に対して0.05〜2.0モル倍が好ましく、特に0.5〜0.8モル倍が好ましい。
反応溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド化合物類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル化合物類が好ましい。中でも、1,4−ジオキサンが生成したポリマーの重合度が高いという点で好適である。
反応温度は、使用溶媒の沸点以下であればよく、通常、20〜200℃程度である。
反応時間は、特に限定されるものではないが、通常、1〜48時間程度である。
上記式(1)および(5)で示される色素を用いる場合、それらのLUMOのエネルギー準位と、金属酸化物の伝導体帯のエネルギー準位とを考慮すると、金属酸化物としてはTiO2を用いることが好ましい。
その具体例としては、使用する色素を含む溶液(ワニス)をそれぞれ調製し、各色素をLUMOのエネルギー準位の低い順に、段階的に金属酸化物表面に吸着させ、各色素を積層させる手法が挙げられる。
より具体的には、第1段階として、LUMOのエネルギー準位の最も低い色素含有ワニスに金属酸化物を有する透明導電膜付基板を浸漬し、第2段階以降として、当該色素を吸着させた基板を、さらに、LUMOのエネルギー準位の低い順序で、各色素含有ワニスに浸漬させる方法や、この手法において、各段階におけるワニス中への基板の浸漬に換えて、ワニスを基板に塗布する方法等が挙げられる。
また、金属酸化物を上記各ワニスに浸漬したり、金属酸化物に上記各ワニスを塗布したりして、予め金属酸化物表面に増感剤層を形成させた後で、透明導電膜付基板にそれを付着させてもよい。
なお、本発明では、各色素層の界面において、2種類の色素が混じり合う現象が生じてもよく、そのような場合であっても、金属酸化物の表面側にLUMOのエネルギー準位の最も低い色素が偏在している態様に変わりはなく、また、各色素が階層状に偏在している態様にも変わりはない。
各溶液(ワニス)中の色素濃度は、特に限定されるものではないが、0.01〜10mmol/L程度とすることができる。
色素の全吸着量は、例えば、半導体の単位表面積(1m2)あたり、0.01〜100mmol程度とすることができる。
例えば、式(1)で示されるカルボニルチオフェン化合物と、式(5)で示されるフォスフォリルチオフェン化合物とを用いる場合、それらの使用比率は、質量比でカルボニルチオフェン化合物:フォスフォリルチオフェン化合物=10:1〜1:10程度とすることができるが、5:1〜1:5が好ましく、特に、2:1〜1:2がより好ましい。
その具体例としては、ガラス基板、透明ポリマーフィルム、これらの積層体などを用いることができる。
上記透明ポリマーフィルムの材料としては、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート、ポリスルフォン、ポリエステルスルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、環状ポリオレフィン、ブロム化フェノキシ等を用いることができる。
本発明の色素増感太陽電池においては、上述した半導体電極を用いることにその特徴があるため、その他の太陽電池構成部材としては特に限定されるものではなく、公知のものから適宜選択して用いることができる。
それらの一例を挙げると、対極としては、色素増感太陽電池の正極として作用するものであれば、特に限定はなく、例えば、ガラス基板やプラスチックフィルム等に、白金、金、銀、銅、アルミニウム、およびマグネシウムから選ばれる少なくとも1種の金属を塗布または蒸着させた電極等が挙げられる。
有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート類;ジオキサン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等のエーテル類;メタノール、エタノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等のアルコール類;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類などが挙げられる。
その他、本発明の色素増感太陽電池には、保護層や反射防止層などの機能層を適宜な位置に設けてもよい。
なお、実施例にて使用した分析装置および条件は、下記のとおりである。
機種:JNM−A500(JEOL Ltd.)、またはAVANCE 400S(Bruker)
[2]ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)
機種:TOSOH:HLC−8220GPC,カラム:SHODEX GPC KF−804L+GPC KF−805L,カラム温度:40℃,検出器:UV検出器(254nm)およびRI検出器,溶離液:THF,カラム流速:1.0ml/min.
[3]吸収スペクトル
機種:UV−3600、島津製作所(株)製
[4]IPCE(incident−photon conversion efficiency)スペクトル
500WのXeランプを分光器(SM−250、分光計器(株)製)を用い、300〜1,100nmの範囲で分光し、10nm間隔で単色光を照射し、セルからの光電流を電流計(6487、Keithley製)で検出し、この光電流スペクトルを基準シリコン受光素子で計測したスペクトルを分光感度で補正し、測定した。
[5]電流電圧測定
ソーラーシミュレーター(YSS−80、山下電装(株)製)を用い、擬似太陽光源(AM1.5,100mW/cm2)を照射し、太陽電池セルの電流電圧特性(HSV−100、HOKUTO DENKO製)を測定した。
[6]STEM測定
機種:HT−2700(日立ハイテクノロジーズ製)
[7]EDS分析
機種:X max−80(堀場製作所製)、ディテクター受光面積:80mm
反応終了後、反応液をセライトでろ過し、クロロホルムで残渣を洗浄した。ろ液を10質量%塩酸水溶液で1回、10質量%食塩水で3回洗浄し、有機層に無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、ろ過後、溶媒を留去した。留去後の残渣にクロロホルムを加えて溶解し、n−ヘキサンに滴下し、析出した固体をろ過で回収し、n−ヘキサンで洗浄した。これを真空ポンプで減圧して乾燥させ、赤色固体を0.351g得た。
Mw(GPC):9,232
1H−NMR(CDCl3):1.29−1.35(br), 4.11−4.21(br), 7.13−7.22(br), 7.50−7.83(br)
1H−NMR(CD3OD):1.14−1.32(br), 3.82−4.16(br), 7.22−7.78(br)
1H−NMR(CDCl3):3.87(s,3H),7.35(s,1H)
Mw(GPC):2,700
Mw(GPC):2,700
[1]光電変換電極の作製
図4に示されるように、表面抵抗値10Ω/sqのFTO(F:SnO2)膜12付きガラス基板11(サイズ:15mm×25mm)上に、チタニアペースト(Ti−Nanoxide T/S,SOLARONIXS社製)をスクリーン印刷法により塗布し、120℃で3分間乾燥させた後、500℃で30分間焼成し、チタニア半導体層13を形成した。焼成後のチタニア半導体層13の膜厚を触針式膜厚計(型番:ET4000A、(株)小阪研究所製)で計測したところ、8μmであった。
次に、合成例5で得られたポリチオフェン誘導体PT−Cのジメチルスルホキシド溶液(濃度:0.1mM)に、上記焼成後の基板を浸漬し、ポリチオフェン誘導体PT−C(色素)(図示省略)をチタニア半導体層13に吸着させ、さらに、合成例2で得られたポリチオフェン誘導体PT−Pのジメチルスルホキシド溶液(濃度:0.1mM)に、PT−Cを吸着させた基板を浸漬し、ポリチオフェン誘導体PT−CおよびPT−Pの階層構造を持つ光電変換電極10を作製した。
実施例1で得られた光電変換電極10の断面STEM像およびEDS分析結果を図1に示した。実施例1で使用したポリチオフェン誘導体PT−Pはリンを含有しているのに対し、ポリチオフェン誘導体PT−Cはリンを含有していないことに注目し、EDSの分析結果を見ると、A層(上層)にはリン含有量が多いのに対し、B層(下層)にはリンの含有量が少ないため、チタニア上にPT−C、PT−Pの順に階層構造が形成されていることが確認された。
直径0.7mmの電解液注入孔を2つ有するFTO膜付きガラス基板15上に、Pt層14を成膜(膜厚:1nm)した対極20の周囲にエチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂膜(ハイミラン、三井・デュポンポリケミカル(株)製)(膜厚:30nm)を配置し、上記で得られた光電変換電極10と貼り合わせた。その後、電解液注入孔から、0.1mol/Lのヨウ化リチウム、0.025mol/Lのヨウ素、0.5mol/Lのジメチルプロピルイミダゾリウムアイオダイド、および0.5mol/Lのt−ブチルピリジンを含むアセトニトリル溶液からなる電解質30を注入し、色素増感太陽電池セル1を作製した。
また、得られた太陽電池セルの電流電圧特性を測定した。その結果と450nmにおけるIPCEを併せて表1に示す。表1に示されるように、測定時によってデータに多少のばらつきはあるものの、1.55%の光電変換効率が得られており、450nmにおけるIPCEは67.6%であることがわかる。
チタニア半導体層13へ吸着させる色素をポリチオフェン誘導体PT−Pのみに変更した以外は、実施例1と同様にして、光電変換電極および太陽電池セルを作製した。
比較例1で得られた太陽電池セルについて、300〜800nmの範囲でIPCEを計測した。得られたIPCEスペクトルを図6に示す。図6に示されるように、紫外から600nmにわたって光吸収に対応した領域でIPCEが得られていることがわかる。
また、得られた太陽電池セルの電流電圧特性を測定した。その結果と450nmにおけるIPCEを併せて表1に示す。表1に示されるように、1.04%の光電変換効率が得られており、450nmにおけるIPCEは54.8%であることがわかる。
チタニア半導体層13へ吸着させる色素をポリチオフェン誘導体PT−Cのみに変更した以外は、実施例1と同様にして、光電変換電極および太陽電池セルを作製した。
比較例2で得られた光電変換電極10の吸収スペクトルを図3に示す。
比較例2で得られた太陽電池セルについて、300〜800nmの範囲でIPCEを計測した。得られたIPCEスペクトルを図7に示す。図7に示されるように、紫外から650nmにわたって光吸収に対応した領域でIPCEが得られていることがわかる。
また、得られた太陽電池セルの電流電圧特性を測定した。その結果と450nmにおけるIPCEを併せて表1に示す。表1に示されるように、1.46%の光電変換効率が得られており、450nmにおけるIPCEは56.1%であることがわかる。
10 光電変換電極
11 ガラス基板(光透過性を有する基板)
12 FTO膜(透明導電膜)
13 光増感色素が吸着したチタニア半導体層(多孔質半導体)
14 Pt層
15 ガラス基板
20 対極
30 電解質
Claims (6)
- 金属酸化物と、その表面の少なくとも一部を覆う、電子バンド構造の異なる2種類以上の色素を含む増感剤層とを有し、
前記増感剤層内において、前記2種以上の色素のうち、最低空軌道のエネルギー準位の最も低いものが、前記金属酸化物の表面側に偏在しており、
前記色素が、式(1)で表されるカルボニルチオフェン化合物および式(5)で表されるフォスフォリルチオフェン化合物であることを特徴とする多孔質半導体。
m、n、oおよびpは、それぞれ独立して、0または1以上の整数を表し、1≦m+n+o、かつ、2≦m+n+o+p≦1,000を満足し、
Zは、下記式(2)〜(4)から選ばれる2価の有機基であり、
m’、n’、o’およびp’は、それぞれ独立して、0または1以上の整数を表し、1≦m’+n’+o’、かつ、2≦m’+n’+o’+p’≦1,000を満足し、
Yは、下記式(6)〜(8)から選ばれる2価の有機基であり、
- 前記Zが、前記式(2)で表される2価の有機基であり、前記Yが、前記式(6)で表される2価の有機基である請求項1記載の多孔質半導体。
- 前記2種類以上の色素が、前記金属酸化物の表面側から最低空軌道のエネルギー準位の低い順に階層状に偏在する請求項1または2記載の多孔質半導体。
- 前記増感剤層が、前記2種以上の色素を、最低空軌道のエネルギー準位の低い順に前記金属酸化物上に吸着させて形成された請求項1〜3のいずれか1項記載の多孔質半導体。
- 光透過性を有する基板と、この基板に積層された透明導電膜と、この透明導電膜に積層された金属酸化物からなる多孔質半導体とを有し、
前記多孔質半導体が請求項1〜4のいずれか1項記載の多孔質半導体であることを特徴とする半導体電極。 - 請求項5記載の半導体電極と、対極と、これら半導体電極および対極間に介在する電解質と、を備えて構成される色素増感太陽電池。
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