JP5568902B2 - 表示素子 - Google Patents

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Description

本発明は、非発光型で目への負担が少ない反射型の表示素子に関し、特に、コントラストが高く画像や文字などの情報の視認性に優れたカラー表示素子に関するものである。
近年、可搬性のある電子デバイスの需要の伸びが目覚しく、中でも紙に替わる媒体となりうる軽量で低価格な表示素子が特に注目されている。このような表示素子は、時間や場所の制限を受けずに情報の送受信や参照を可能にし、社会において重要な役割を担うことが強く期待されている。
前記したような表示素子に要求される特性としては、長時間参照しても目への負担が少ない反射型(非発光型)であることに加え、高い白反射率とコントラスト比を有すること、精細度の高い表示ができること、カラー表示ができること等が挙げられる。
従来の表示素子としては白黒の表示素子にカラーフィルターを組み合わせたもの、複数のカラー表示層を縦に積層したものが知られている。
一般的に、反射型でカラー表示を実現させるためにはカラーフィルターが用いられることが多い。例えば、特許文献1においては、分散媒中に分散させた白色と黒色の帯電粒子を移動させることで表示を行う電気泳動表示素子にカラーフィルターを形成することが提案されている。しかしながら、電気泳動方式の原理上、白色粒子あるいは黒色粒子のみを表示面に近接させることが可能にならない限り、高反射率、高コントラストを得ることは困難である。従って、このような電気泳動表示素子にカラーフィルターを組み合わせても、コントラストの高い高品質な表示を得ることはできない。
また、特許文献2及び3においては、電気毛管あるいはエレクトロウェッティング現象を利用したカラーディスプレイシートが提案されている。
特許文献2に開示されているディスプレイシートにおいては、透明なシート間に封入された着色液体と透明液体をリザーバーから選択的に出入りさせることでカラー画素を創出し、これに導電性のR、G、Bインクを封入することによってフルカラー表示が可能であるとされている。しかしながら、特許文献2に記載の方法では、素子構造が複雑であるゆえに素子厚みの低減が難しく、結果として高い白反射率を得ることができなかった。
また、特許文献3の表示装置においては、支持プレート間の空間に着色液体と透明液体が封入され、着色液体が支持プレートに隣接する状態と、透明液体が部分的に支持プレートに隣接する状態とを切り替えることによって表示を行う。これに、R、G、Bに着色されオイルを用いることによってカラーディスプレイの可能性があるとされている。しかしながら、特許文献3の表示装置では、厚みの薄いオイル層では充分な光吸収が難しく、高いコントラストを得ることが困難である。また、特許文献3の表示装置では、透明液体が支持プレートに隣接する状態、即ち下地の白色を呈示する状態においても、原理上開口率が2/3程度までしか上げられないため高い白反射率を得ることも困難であった。
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、高い白反射率とコントラスト比を有し、高品質、高精細な表示が可能な反射型表示素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明に係る表示素子は、具体的には下記(1)〜(4)に記載の技術的特徴を有する。
(1):第一の基板と、該第一の基板に対向して設けられ、光反射材料から構成される第二の支持層を具備する第二の基板と、前記第一の基板上に形成され、光透過状態と光吸収状態とに切り替わる第一の光学スイッチング層と、前記第二の基板上に形成され、光透過状態と光吸収状態とに切り替わる第二の光学スイッチング層と、前記第一の光学スイッチング層と前記第二の光学スイッチング層との間に形成され、光透過材料から構成される第一の支持層を具備する透明中間層と、前記第一の光学スイッチング層及び第二の光学スイッチング層に電圧を印加して夫々を駆動させる駆動手段と、を有する表示素子であって、前記第一の光学スイッチング層は、光透過状態と光吸収状態とに切り替わり、且つ、一対の第一の透明電極層と、独立に駆動可能な複数の第一の画素と、を備え、該複数の第一の画素は夫々、少なくとも複数の隔壁と、該複数の隔壁により区画された保持空間に含有されてなるエレクトロクロミック材料の分散液と、から構成されてなり、且つ、光吸収状態においてフルカラー表示が可能な少なくとも三色の原色の中の何れか一色を呈し、前記第二の光学スイッチング層は、光反射状態と光吸収状態とに切り替わり、且つ、一対の第二の透明電極層と、独立に駆動が可能な複数の第二の画素と、を備え、該複数の第二の画素は夫々、少なくとも複数の隔壁と、該複数の隔壁により区画された保持空間に含有されてなる互いに混合しない第三の流体と第四の流体と、から構成されてなり、且つ、光反射状態においては白色を呈し、光吸収状態においては黒色を呈し、前記第三の流体は、光透過性を有し、前記第四の流体は、黒色に着色され、前記第一の光学スイッチング層が有する複数の第一の画素と前記第二の光学スイッチング層が有する複数の第二の画素とは、ピッチが等しく、いずれもマトリクス状に規則的に配置されていると共に、互いが前記第一の基板の垂直方向に揃って配置されていることを特徴とする表示素子である。
上記(1)に記載の構成を有することで、以下のような反射型表示素子を提供することができる。
高い白反射率とコントラスト比を有する
・各々の光学スイッチング層を独立に駆動
・高い白反射率とコントラスト比に加えカラー表示が可能
・簡単な構成で光透過状態と光吸収状態を切り替えることが可能
・各原色に着色された流体が混合することなく独立に駆動でき、所望のフルカラー画像の表示が可能
・簡単な構成で白色表示と黒色表示を切り替えることが可能
・各画素にて三色の表示状態を呈することができ、表示品質が高い
(2):前記光反射材料は、外光を散乱させることにより白色を呈する材料であることを特徴とする上記(1)に記載の表示素子である。
上記(2)に記載の構成を有することで、視認性の良い白色表示が可能な表示素子を提供することができる。
(3):前記光反射材料は、光線や電子線の照射により物性が変化するフォトレジスト材料を用いて形成されていることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の表示素子である。
上記(3)に記載の構成を有することで、平易なプロセスで製造できるとともに強度に優れた表示素子を提供することができる。
(4):前記第一の透明電極層及び前記第二の透明電極層は、いずれも前記複数の画素夫々に対応して設けられてなり、各画素毎に電気的に分断されていることを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれか1項に記載の表示素子である。
上記(4)に記載の構成を有することで、分断された各部位を別々の駆動手段を接続することにより各画素を独立に駆動することが可能な表示素子を提供することができる。
本発明によれば、高い白反射率とコントラスト比を有し、高品質、高精細な表示が可能な反射型表示素子を提供することができる。
本発明に係る表示素子の第1の実施の形態における基本構成を示す概略断面図である。 本発明に係る表示素子の第1の実施の形態における第一の光学スイッチング層3の構成を示す概略断面図である。 本発明に係る表示素子の第1の実施の形態における第二の光学スイッチング層4の構成を示す概略断面図である。 本発明に係る表示素子の第2の実施の形態における第一の光学スイッチング層13の構成を示す概略断面図である。 本発明に係る表示素子の第2の実施の形態における第二の光学スイッチング層14の構成を示す概略断面図である。 実施例1のカラー表示素子の構成を示す概略断面図である。 実施例2のカラー表示素子の構成を示す概略断面図である。 実施例2のカラー表示素子における第一の光学スイッチング層203の構成を示す概略断面図である。 実施例3のカラー表示素子の構成を示す概略断面図である。 実施例4のカラー表示素子の構成を示す概略断面図である。
本発明は、光透過状態と光吸収状態とに切り替わる第一の光学スイッチング層と、光反射状態と光吸収状態とに切り替わる第二の光学スイッチング層と、を積層することによって、従来よりも高い白反射率とコントラスト比を有する反射型表示素子を作製できることを実験的に見出し完成するに至ったものである。
即ち、本発明に係る表示素子は、第一の基板1と、第二の基板2と、第一の光学スイッチング層3と、第二の光学スイッチング層4と、前記第一の光学スイッチング層3及び前記第二の光学スイッチング層4に電圧を印加して夫々を独立して駆動させる駆動手段と、を備え、前記第一の基板1は、透明基板であり、前記第一の光学スイッチング層3及び前記第二の光学スイッチング層4は、前記第一の基板1と前記第二の基板2との間に前記第一の基板側1から、第一の光学スイッチング層3、第二の光学スイッチング層4の順で積層されてなり、前記第一の光学スイッチング層3は、光透過状態と光吸収状態とに切り替わり、前記第二の光学スイッチング層4は、光反射状態と光吸収状態とに切り替わることを特徴とする。
次に、本発明に係る表示素子についてさらに詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
〔第1の実施の形態〕
図1は本発明に係る表示素子の第1の実施の形態における基本構成を示す概略断面図である。
本実施の形態における表示素子は、第一の透明基板(第一の基板)1と第二の基板2との間に二層の光学スイッチング層(3,4)が積層されている。より詳しくは、透明基板側1に位置する第一の光学スイッチング層3は光透過状態と光吸収状態に、第二の基板2側に位置する第二の光学スイッチング層4は光反射状態と光吸収状態にそれぞれ切り替わる構成を有する。この構成により、第一の光学スイッチング層3が光透過状態で第二の光学スイッチング層4が光反射状態の時には第二の光学スイッチング層4による外光の反射色を、第一の光学スイッチング層3が光透過状態で第二の光学スイッチング層4が光吸収状態の時には第二の光学スイッチング層4の吸収波長に応じた色調を、第一の光学スイッチング層3が光吸収状態の時にはその吸収波長に応じた色調を呈示することができる。このために、二層の光学スイッチング層(3,4)の間には第一の透明電極5b(またはこれを備えた透明な中間層5)が存在することが望ましい。これにより、第一、第二の光学スイッチング層(3,4)の状態を独立して切り替えることができるので、前記のように単位領域あたり三通りの表示状態をつくることが可能になる。
さらに、第一の光学スイッチング層3がフルカラー可能な三原色、具体的にはシアン、マゼンタ、イエローあるいは赤、緑、青を呈する複数の画素を備えていることによりカラー表示素子を構成することができる。
より具体的には、第一の光学スイッチング層3としては光の透過と吸収を切り替えることが可能であればその手段に制限は無く、例えばエレクトロウェッティング、電気泳動、エレクトロクロミック、コレステリック液晶などの各方式を適用することができる。
第一の透明基板1および中間層5の材料は、用いる光学スイッチング層(3,4)の種類に応じ、ガラスあるいは各種プラスチック基板等から適合性のある材料を選択して用いるのが良い。
第二の光学スイッチング層4としては、光反射状態において白色を、光吸収状態において黒色を呈する構成とすることで、より高コントラストの表示が可能となるため、かかる構成が最も好ましい。ここで言う白色、黒色とは、一般的に人がそう視認できる明度の範囲に含まれるものであれば十分であり、一部の特定波長の反射あるいは吸収が強いことで色味を帯びていても構わないが、理想的には可視光領域の外光を均一に反射あるいは吸収する材料を用いることでより高品質な表示を実現する。特に白色材料に関しては、外光を散乱させる材料を用いることで、より紙に類似した表示品質で目が疲れにくい表示素子とすることができる。
第二の光学スイッチング層4としては、光の反射と吸収、すなわち白色表示と黒色表示を切り替えることができる材料であればその手段に制限は無く、高分子分散型液晶、エレクトロウェッティング、電気泳動、ツイストボール、エレクトロデポジションなどの各方式を適用することができる。
次に、本実施の形態における第一の光学スイッチング層3の構成についてより詳細に説明する。
図2は本発明に係る表示素子の第1の実施の形態における第一の光学スイッチング層3の構成を示す概略断面図である。
第一の光学スイッチング層3としては、エレクトロウェッティング現象を利用した素子を好適に適用することができる。第一の光学スイッチング層3は、第一の透明基板1と透明中間層5、(第一の光学スイッチング層の一部である)隔壁3cにて構成される単位画素内に流体(3a,3b)を保持する保持空間を有し、その中には互いに混合しない第一の流体3aと第二の流体3bを含有する。
ここで、「互いに混合しない」とは、表示素子として使用する条件において互いが界面をもって分離している状態であることを言い、特に、一方が他方の中の多数の箇所に分散したような状態を含まず、1または2の連続した界面をもって分離してなる状態であることが好ましい。
また透明中間層5は、図2に示すように少なくとも第一の表面層5a、第一の透明電極層5b、光透過材料から構成される第一の支持層5cを有する。尚、第一の透明基板1の第二の基板2側には、透明電極層をさらに積層しても良い。また、透明中間層5の第二の基板2側には、透明電極層をさらに積層しても良い。
画素間の隔壁3cは、隣接する保持空間内の流体の混合を防止するという目的に合致する材料を用いてフォトリソグラフィあるいは従来公知の印刷手法を用いてパターニング形成される。隔壁3c(及び後述する隔壁4c)は、上述の保持空間を区画するものであって、単位画素の形状に応じて適宜設けることができる。例えば正方の画素であれば、4の隔壁3cを正方の画素の周囲に設けて保持空間を形成すれば良い。いずれにせよ隣接画素間の境界に隔壁を設ければ良い。
透明中間層5に含まれる第一の表面層5aは撥水性を有するものが適し、フッ素系樹脂が好適に用いられる。具体的には、旭硝子社製のサイトップ樹脂、デュポン社製のテフロン(登録商標)、あるいはスパッタリングあるいは気相反応法によりにより蒸着した過フッ素化ポリマーなどが適する。また、第一の表面層5aや後述する第二の表面層2a等の表面層はパリレン等の透明絶縁材料に前記樹脂を重ねた複層構造であっても構わない。
第一の透明電極層5bは、酸化インジウムスズ(ITO)をはじめとした各種材料にて形成する。
光透過材料から構成される第一の支持層5cについては、光学スイッチング層(3,4)の構造や製造プロセス等の諸条件などを考慮の上で適した材料を適宜選択して使用することができる。
図2に示す第1の実施の形態における第一の光学スイッチング層3の構成例においては、第一の流体3aが導電性または極性を示す透明流体であり、例えば水やアルコール類を用いることができる。第二の流体3bは、第一の流体3aと混合しない流体が着色されたものであり、シリコーンオイル、炭化水素オイル、フルオロカーボンオイル等に染料を含ませたものを用いることができる。オイルの色を、例えばシアン、マゼンタ、イエローのように色のスペクトルを創出可能な3つの補色としてそれらを保持した画素を規則的に配列することで、フルカラー表示が可能となる。
定常状態(定常時)においては、第一の流体3aと第二の流体3bは二層に分かれて存在し、第二の流体3bが第一の表面層5aに隣接しているため第一の光学スイッチング層3は第二の流体3bの色を呈する。ここに電圧が印加されると(電圧印加時)、第一の表面層5aの界面張力すなわち濡れ性が変化することによって第二の流体3bが第一の表面層5aとの接触面積を減少させるように移動し、第一の流体3aの一部が第一の表面層5aに隣接する。これにより、第一の光学スイッチング層3の第一の流体3aが第一の表面層5aと隣接するエリアにおいては光透過状態となる。このような電気的な手段(駆動手段)により、光吸収状態と透過状態を可逆的にスイッチングすることが可能である。
さらに、本実施の形態における第二の光学スイッチング層4の構成についてより詳細に説明する。
図3は本発明に係る表示素子の第1の実施の形態における第二の光学スイッチング層4の構成を示す概略断面図である。
本発明における第二の光学スイッチング層4に関しても、前述のような第一の光学スイッチング層3と同様のエレクトロウェッティング現象を使用した素子を適用することができる。
第二の光学スイッチング層4は、透明な中間層5と第二の基板2、隔壁4cにて構成される単位画素内に流体(4a,4b)を保持する保持空間を有し、その中には互いに混合しない第三の流体4aと第四の流体4bを含有する。
また第二の基板2は、図3に示すように第二の表面層2a、第二の透明電極層2b、光反射材料から構成される第二の支持層2cを有する。
図2のように支持層が光透過材料からなる構成の下地に光反射材料を別途配置した構成ももちろん可能であるが、より高い反射率の確保と製造プロセス簡略化の観点より支持層が光反射材料である方が好ましい。
さらには前記光反射材料には外光を散乱させることにより白色を呈する材料を使用することが望ましく、材料の例としては、高分子樹脂の内部に酸化チタンやアルミナ等の高屈折率微粒子を含有させたものを用いることができる。より望ましくは、第二の支持層2cの材料には、光線や電子線の照射により物性が変化するフォトレジスト材料を用いることにより、第二の支持層2cと画素間の隔壁4cを同時に形成する。隔壁4cの形状や数については前述した第一の光学スイッチング層3と同様のものであれば良い。
隔壁4cを後から形成するプロセスのように隔壁の剥がれの心配が少なく、隔壁4cが画素間の光リークを防止するのでコントラスト比向上の効果も期待できる。フォトレジスト材料としては、プロセス耐性や表面平滑性などの条件が合致するものであれば特に制限は無いが、中でもLED実装用に用いられる白色ソルダーレジストが適用しやすい。図3に示す第二の光学スイッチング層4の構成例では、第三の流体4aは導電性または極性を示す透明液体であり、第四の流体4bは第三の流体4aと混合しない流体が黒色に着色されたものを用いるのが望ましい。これらの具体的な材料はそれぞれ前記の第一の流体3a、第二の流体3bと同様である。
(第2の実施の形態)
本実施の形態では、上記第1の実施の形態とは第一の光学スイッチング層13及び第二の光学スイッチング層14の構成が異なるものである。
図4は本発明に係る表示素子の第2の実施の形態における第一の光学スイッチング層13の構成を示す概略断面図である。
第一の光学スイッチング層13は、隔壁13cにて分割される単位画素内に流体13a,13bを保持する保持空間を有する。特に本実施の形態の場合、保持空間における上部に広がる表示用空間(表示部)と、下部に広がる保持用空間(保持部)とから構成されてなる。この保持空間の中には互いに混合しない第一の流体13aと第二の流体13bが含有される。
本実施の形態では、図4に示すように、透明中間層15cは、光透過材料から構成される第二の支持層(15c)からなる。また、本実施の形態では、一対の第一の透明電極15aと、この上に対向するように積層された一対の第一の表面層15bとを有する。保持部と表示部とは隣接した空間であり、これらを併せた保持空間は、隔壁13cと一対の第一の表面層15bと第一の支持層15cとにより区画された空間である。
ここで、保持部は前述のとおり保持空間における上部に広がってなり、隔壁13cと一対の第一の表面層15bと表示部とにより区画された空間である。一方、表示部は前述のとおり保持空間における下部に広がってなり、一対の第一の表面層15bと第一の支持層15cと保持部とにより区画された空間である。
第一の基板11は、第二の基板12側に透明電極層をさらに積層したものであっても良い。また、透明中間層15の第二の基板12側には、透明電極層をさらに積層しても良い。
一対の第一の透明電極15a、一対の第一の表面層15b、透明中間層15cおよび画素間の隔壁13cなどは、図2の第一の光学スイッチング層3の説明で示したと同様の材料・方法で形成することができる。
図4に示す第2の実施の形態における第一の光学スイッチング層13の構成例においては、第二の流体13bが導電性または極性を示す流体が所定色に着色されたものであり、第一の液体13aは第二の流体13bと混合しない透明流体である。定常状態においては、表示用空間の表面(第一の表面層15b)が撥水性であるために、第二の流体13bは保持用空間内に存在し、表示用空間には第一の流体13aが存在しているため、第一の光学スイッチング層13は巨視的には光透過状態である。ここに電圧が印加されると、第一の表面層15bの界面張力すなわち濡れ性が変化することによって第二の流体13bが表示用空間に濡れ拡がり、第一の流体13aが保持空間へと移動する。これにより、第一の光学スイッチング層13が第二の流体13bの色を呈する。このような電気的な手段(駆動手段)により、光吸収状態と透過状態を可逆的にスイッチングすることが可能である。
図5は本発明に係る表示素子の第2の実施の形態における第二の光学スイッチング層14の構成を示す概略断面図である。
第二の光学スイッチング層14にも図4に示すような構成と同様に、図5に示すような構成の素子を用いることができる。
本実施の形態では、第二の基板12cは光反射材料から構成される第二の支持層(12c)からなる。光透過材料から成る支持層の下地に光反射材料を別途配置した構成も可能であるが、より高い反射率の確保と製造簡略化の観点より支持層が光反射材料であるほうが好ましい。第二の支持層12cに用いる光反射材料は図3の第二の光学スイッチング層4の説明で示したと同様の材料・方法で形成することができる。
また本実施の形態では、第二の光学スイッチング層14は、一対の第二の透明電極12aと、この上に対向するように積層された一対の第二の表面層12bとを有する。保持部と表示部とは隣接した空間であり、これらを併せた保持空間は、隔壁14cと一対の第二の表面層12bと第二の支持層12cとにより区画された空間である。
ここで、保持部は前述のとおり保持空間における上部に広がってなり、隔壁14cと一対の第二の表面層12bと表示部とにより区画された空間である。一方、表示部は前述のとおり保持空間における下部に広がってなり、一対の第二の表面層12bと第二の支持層12cと保持部とにより区画された空間である。一対の第二の透明電極12a、一対の第二の表面層12b、および画素間の隔壁14cなどは、図3の第二の光学スイッチング層4の説明で示したと同様の材料・方法で形成することができる。
図5に示す第2の実施の形態における第二の光学スイッチング層14の構成例においては、第四の流体14bとして導電性または極性を示す流体が黒色に着色されたもの、第三の流体14aは第四の流体14bと混合しない透明流体を用いるのが望ましい。定常状態においては、表示用空間の表面が撥水性であるために、第四の流体14bは保持用空間内に存在し、表示用空間には第三の流体14aが存在しているため、第二の光学スイッチング層14は巨視的には光透過状態であり、下層に設けられた光反射材料から構成される第二の支持層12cにより光が反射される。ここに電圧が印加されると、第二の表面層12bの界面張力すなわち濡れ性が変化することによって第四の流体14bが表示用空間に濡れ拡がり、第三の流体14aが保持空間へと移動する。これにより、第二の光学スイッチング層14が第四の流体14bの色を呈する。このような電気的な手段(駆動手段)により、光吸収状態と透過状態を可逆的にスイッチングすることが可能である。
第一の透明電極層15a及び第二の透明電極層12aは、いずれも複数の画素夫々に対応して設けられてなり、各画素毎に電気的に分断されている。換言すると、各隣接する保持空間の間(またはその基板垂直方向位置)で電気的に分断されている。その具体的な達成方法としては、画素の境界部にマスキング材を配置した状態で第一の透明電極層15a及び第二の透明電極層12aを形成する、あるいは、第一の透明電極層15a及び第二の透明電極層12aを形成した後にフォトリソ・エッチングプロセスにて境界部分を除去するなどの方法で行うことができる。
第一の光学スイッチング層13および第二の光学スイッチング層14の各画素は、各々がマトリクス状に規則的に配置されている。第一の光学スイッチング層13は、例えばシアン・マゼンタ・イエローを呈示できるサブ画素を規則的に配置する。さらには、第二の光学スイッチング層14も前記サブ画素とピッチが等しくなるように形成し、縦方向(第一の基板、第二の基板、透明中間層等に対する垂直方向)に第一の光学スイッチング層13および第二の光学スイッチング層14が揃うことによって、各サブ画素が、白・黒・カラーの三色表示をすることが可能になり、フルカラーディスプレイが実現される。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。なお、以下に示す実施例のうち、実施例1〜2および4は本発明の範囲に属しない参考例としての試験例である。
(実施例1)
図6は実施例1のカラー表示素子の構成を示す概略断面図である。
第一の基板101、第二の基板102および第一の支持層105c(透明中間層105の支持層)となる基板として、厚さ0.7mmのガラス基板を三枚準備した。
第一の基板101上には透明電極106bとしてITOを厚さ200nmで形成した。第二の基板上には、外光を吸収するための黒色層108としてカーボンを主成分とする樹脂ブラックを厚さ1μmでコーティングし、その上に第二の透明電極102bとしてのITOを厚さ200nmで形成した。さらに、粒径20μmの樹脂ビーズを散布した。
第一の支持層105c(透明中間層105)の両面に、表裏のパターンが合うようにITO面105b,107bをパターニング形成した。さらに、第一の透明電極105bであるITO上には、市販のフッ素化ポリマー(サイトップ CTL−809M、旭硝子社製)を溶剤であるパーフルオロトリブチルアミンに溶かし、厚み200nmとなるようにコート条件を調整した上でスピンコート塗布、ベークすることで第一の表面層105aを形成した。次いで、第一の支持層105cの第二の基板102側の面に形成されたITO面107bに、表示部となる部分の周囲に注入口を残してシール剤をディスペンサ塗布し、第二の基板102上に形成されたITO面(第二の透明電極)102bと対向するように貼り合わせてシール剤を硬化させることで空セル(保持空間)を作成した。
このセルに、PDLC用の液晶組成物、モノマー組成物、および重合開始剤の混合物である前駆体材料を封入した後、透明中間層105側から、高圧水銀ランプにより波長365nm中心、照射光強度50mW/cmの紫外線を2分間照射することによってPDLCから成る第二の光学スイッチング層104を形成した。
第一の表面層105aの上に、高分子の絶縁材料(ポリイミド)をスクリーン印刷法で転写、乾燥し、画素の境界を定義する隔壁103cを形成した。印刷時には、透明中間層105上の画素となる領域に形成されたITOパターン(第一の透明電極105b)が、隔壁103cによって区画された画素領域と重なるように予め位置合わせを施している。
第一の光学スイッチング層103に用いる流体として、水及び、シアン・マゼンタ・イエローを呈する無極性の染料でそれぞれ着色されたアルカン系オイル(ドデカン)を準備した。まず一画素に一色ずつ各色のオイルを注入した。続いて水を注入し、第一の基板101のITO面(透明電極)106bが内側となるように透明中間層105と貼り合わせて固定し、二種の流体を封入した第一の光学スイッチング層103を形成した。
前記の手順にて得られたカラー表示素子の第一の光学スイッチング層103は、定常状態で染料の色を呈示し電圧印加状態で光を透過する。第二の光学スイッチング層104は、定常状態で白色を呈示し電圧印加状態では光が透過し下地の黒色層108にて吸収されるので黒色が呈示される。二つの光学スイッチング層103,104の所望の部位に適宜電圧を印加することにより、良好なカラー表示特性が得られることを確認した。
(実施例2)
図7は実施例2のカラー表示素子の構成を示す概略断面図である。
第一の基板201、第二の基板202および第一の支持層205c(透明中間層205の支持層)となる基板として、厚さ0.7mmのガラス基板を三枚準備した。
第一の光学スイッチング層203に用いる電気泳動分散液として、シリコーンオイル中にシアンに着色された帯電粒子を所定の割合で混合し、超音波処理にて一時間分散させることで、シアン粒子分散液を得た。同様にして、マゼンタ・イエローの粒子分散液もそれぞれ準備した。
第二の光学スイッチング層204に用いる互いに混合しない流体として、所定量の黒色顔料を分散させた導電性液体と、アルカン系オイル(ドデカン)を準備した。
第二の基板202上に、PET樹脂に酸化チタン微粒子を混合した材質の白色シート厚さ100μmを貼り付け固定し、第二の透明電極202b(下側)としてITOが画素となる部分に製膜されるよう厚さ200nmでパターニング形成した。次に、各画素の流体の保持用空間にあたる部分にエキシマレーザー加工を施して白色シートに円柱状の孔を開口させた。続いて、誘電体層としてパリレンを化学気相蒸着法にて500nmの厚みで製膜した上に、フッ素化ポリマー(サイトップ CTL−809M、旭硝子社製)を溶剤であるパーフルオロトリブチルアミンに溶かしたものをスピンコート塗布、ベークすることによって厚み100nmの撥水性の第二の表面層202aを形成した。
第一の支持層205cにはその両面にITOをパターニング形成した。上面側のITOパターン(第一の透明電極)205bは、各画素部分において面積の異なる各二つの領域に分割された構成を有している。分割された二つの領域のうち、一方は他方と比較して小さな面積を有していて、小さい方のITOパターン205bは面積比で大きいほうのITOパターン205bの5分の1である。
下面側のITOパターン(第二の透明電極205bの上側)は第二の基板202と対向させたときに第二の透明電極202bの下側とパターンがあうように調整した。第一の基板201には、透明中間層205と対向させたときに、上面のITOパターン(第一の透明電極)205bのうち、面積の小さいほうと重なり合うようにブラックマトリクス209のパターンを形成しておく。ブラックマトリクスの材料としてチタンブラックを分散させたレジストを用いて、フォトリソグラフィ法で形成した。
しかる後に、透明中間層205の上面側に50μmのスペーサーを散布し、各画素の境界部分に白色のUV硬化接着剤をディスペンサ塗付して隔壁203cを形成した。次いで第一の基板201を位置合わせを施した上で貼り合わせ、接着剤を硬化させることによりセル(保持空間)を作製した。
このセルに、各画素端部に予め形成しておいた注入口より各色の粒子分散液を順次注入することで、着色粒子の電気泳動によりスイッチングが可能な第一の光学スイッチング層(電気泳動層)203を得た。
第二の表面層202aの上の各画素の境界部分に白色のUV硬化樹脂を用いて隔壁204cを形成した。続いて、マイクロキャピラリーを用いて黒色の導電性液体を画素の保持空間へ導入し、その上にオイル(ドデカン)を充填した。これを、前述の第一の光学スイッチング層203の透明中間層205側と位置あわせを施して貼り合わせることで、エレクトロウェッティング現象によりスイッチングが可能な第二の光学スイッチング層(エレクトロウェッティング層)204と第一の光学スイッチング層(電気泳動層)203との積層構造を形成した。
前記の手順にて得られたカラー表示素子の第一の光学スイッチング層203は、透明中間層205の上面部に形成したITOパターン(第一の透明電極)205bのうち面積の小さい方に電圧を印加した状態においては、着色粒子が視認されず、巨視的には光透過状態となる(図8(1)参照)。一方、ITOパターン(第一の透明電極)205bの面積の大きいほうに電圧を印加した状態においては、着色粒子がITO上に拡がり、各画素は封入された着色粒子の色を呈示する(図8(2)参照)。第二の光学スイッチング層204は定常状態では白色を呈示し、電圧印加状態では黒色の導電性液体が表示用空間に濡れ拡がることにより黒色を呈示する。二つの光学スイッチング層203,204の所望の部位に適宜電圧を印加することにより、良好なカラー表示特性が得られることを確認した。
(実施例3)
図9は実施例3のカラー表示素子の構成を示す概略断面図である。
第一の基板301、第二の基板302および第一の支持層305c(透明中間層205の支持層)となる基板として、厚さ0.7mmのガラス基板を三枚準備した。
第一の光学スイッチング層303に用いるエレクトロクロミック材料として、電圧印加によってシアン・マゼンタ・イエローに発色するテレフタル酸系化合物を準備し、エタノールに溶解させた。各溶液にTiOナノ粒子を加えて分散させることで、粒子の表面にエレクトロクロミック材料を吸着させ、エレクトロクロミック複合体材料の分散液とし、さらに少量の界面活性剤を加えた。
第二の光学スイッチング層304に用いる流体として、水及び、黒色を呈する無極性の染料で着色されたアルカン系オイル(ドデカン)を準備した。
第一の基板301上には透明電極としてITO面306bを形成した。第二の基板302上には、ネガ型の光散乱性フォトレジスト(PSR−4000、太陽インキ製造社製)塗布し、画素となる部分をマスクした状態で所定条件にてUV露光後に現像処理を行い、フォトレジスト材料の画素部分が凹状になった構造体を得た。次に、第二の透明電極302bとしてのITOを画素部分に製膜されるようパターニング形成した。続いて、誘電体層としてパリレンを化学気相蒸着法にて300μmの厚みで製膜した上に、フッ素化ポリマー(サイトップ CTL−809M、旭硝子社製)を溶剤であるパーフルオロトリブチルアミンに溶かしたものをスピンコート塗付、ベークすることによって厚み100nmの撥水性の第二の表面層302aを形成した。
第一の支持層305cの両面に、表裏のパターンが合うようにITO面305b,307bが画素となる部分に製膜されるようパターニング形成した。その上面側(第一の基板301側)の画素の境界部には、遮光性材料を含む高分子材料を印刷法にて転写・硬化させることで隔壁303cを形成した。続いて各画素部分に一画素に一色ずつ、予め準備しておいたエレクトロクロミック複合体材料の分散液をインクジェット法にて塗布し、エレクトロクロミックの層(第一の光学スイッチング層)303を形成した。
第二の表面層302a上の各画素に黒色を呈する無極性の染料で着色されたアルカン系オイル(ドデカン)と水を注入した後、透明中間層305の下面側と対向させて貼り合わせて固定することで、二種の流体を封入した第二の光学スイッチング層(エレクトロウェッティング層)304を形成した。
前記の手順で得られた、エレクトロクロミック層(第一の光学スイッチング層)303を上面に有する第二の光学スイッチング層304と、第一の基板301を、厚さ20μmのスペーサーを介して対向させて固定した。エレクトロクロミック層304と第一の基板301との間の空間に、液状の電解質(過塩素酸テトラブチルアンモニウムのプロピレンカーボネート溶液)を封入して電解質層を形成し、周囲を封止することで、第一の光学スイッチング層303と第二の光学スイッチング層304の積層構造を得ることができた。
前記の手順にて得られたカラー表示素子の第一の光学スイッチング層303は、電圧非印加状態では光を透過し、電圧を印加すると各エレクトロクロミック材料の吸収波長に応じた色を呈示する。第二の光学スイッチング層304は、定常状態では黒色を呈示し電圧印加状態では第二の基板302上の光散乱性レジストの白色を呈示する。二つの光学スイッチング層303,304の所望の部位に適宜電圧を印加することにより、良好なカラー表示特性が得られることを確認した。
(実施例4)
図10は実施例4のカラー表示素子の構成を示す概略断面図である。
第一の基板401、第二の基板402、第三の基板405c2、第四の基板405c3、第五の基板である第一の支持層405c1、第六の基板419となる基板として、厚さ0.7mmのガラス基板を六枚準備した。
第一の光学スイッチング層403に用いる互いに混合しない流体として、シアン・マゼンタ・イエローの顔料を所定量分散させた導電性液体3種と、透明なアルカン系オイル(ドデカン)を準備した。第二の光学スイッチング層304に用いる互いに混合しない流体として、所定量の黒色顔料を分散させた導電性液体と、アルカン系オイル(ドデカン)を準備した。
第一の基板401および透明中間層405を構成する第四の基板405c3には、ITO(第一の透明電極402bの下部,第二の透明電極405bの下部)が画素となる部分に製膜されるようにパターニング形成した後に、誘電体層としてパリレンを化学気相蒸着法にて300μmの厚みで製膜した上に、フッ素化ポリマー(サイトップ CTL−809M、旭硝子社製)を溶剤であるパーフルオロトリブチルアミンに溶かしたものをスピンコート塗付、ベークすることによって厚み100nmの撥水性の第一の表面層405a(の上部)及び第二の表面層402a(の上部)を夫々形成した。
第二の基板402の一部、及び透明中間層405を構成する第五の基板である第一の支持層405c1の一部として、画素の流体保持用空間となる場所に予め導電材料(銀ペースト)を充填した直径50μmのビアホール411,411’が形成されたものを準備した。
次いで、この第一の支持層405c1の一部の上に透明厚膜レジストを塗布し、流体保持用空間となる部分をネガマスクで遮光した状態でUV露光後、現像を行い、各画素に保持用空間となるスペースを開口させて、第五の基板である第一の支持層405c1を作製した。次に、第一の透明電極405b(の下部)としてITOが画素となる部分に製膜され、隣り合う画素間にて分断されるようにパターニング形成した。続いて、誘電体層としてパリレンを化学気相蒸着法にて500nmの厚みで製膜した上に、フッ素化ポリマー(サイトップ CTL−809M、旭硝子社製)を溶剤であるパーフルオロトリブチルアミンに溶かしたものをスピンコート塗布、ベークすることによって厚み100nmの撥水性の第一の表面層405a(の下部)を形成した。第一の表面層405aの上の各画素の境界部分に白色のUV硬化樹脂(PSR−4000、太陽インキ製造社製)を用いて隔壁403cを形成した。
続いて、マイクロキャピラリーを用いて着色され導電性液体を第一の支持層405c1(とこの上に積層された第一の表面層405aの下部)と隔壁403cにより形成された画素の保持空間へ導入し、その上にオイルを充填した。3色の導電性液体が規則的に配列するよう、この作業を繰り返した。これを第一の基板401上に積層された第一の表面層405a側と位置合わせをして貼り合わせた。
透明中間層405の一部を構成する第三の基板405c2上に、ゲート電極415となるITOを形成し、SiONのゲート絶縁膜418を厚み300nmでスパッタリングにて形成した。さらに、酸化物半導体材料であるa−InGaZnO(416)をスパッタリングにてパターン形成した後、ソース電極414・ドレイン電極413としてITOをパターニング形成した。また、a−InGaZnO(416)の上面にSiONからなる保護層417を形成した。これにより、ボトム・ゲート型の透明TFTが得られた。
得られたTFT上のソース電極413と第五の基板405c1のビアホール411部分で位置合わせを施し、透明異方性導電接着シート412を介してこれらを貼り合わせることで、第一の光学スイッチング層403を得た。
また、上記の第二の基板402の一部の上に、白色厚膜レジストを塗布し、流体保持用空間となる部分をネガマスクで遮光した状態でUV露光後、現像を行い、各画素に保持用空間となるスペースを開口させて、第二の基板402を作製した。次に、第二の透明電極402b(の下部)としてITOが画素となる部分に製膜され、隣り合う画素間にて分断されるようにパターニング形成した。続いて、誘電体層としてパリレンを化学気相蒸着法にて500μmの厚みで製膜した上に、フッ素化ポリマー(サイトップ CTL−809M、旭硝子社製)を溶剤であるパーフルオロトリブチルアミンに溶かしたものをスピンコート塗布、ベークすることによって厚み100nmの撥水性の第二の表面層402a(の下部)を形成した。第二の表面層402aの上の各画素の境界部分に白色のUV硬化樹脂(PSR−4000、太陽インキ製造社製)を用いて隔壁404cを形成した。
続いて、マイクロキャピラリーを用いて黒色顔料を分散させた導電性液体を第二の基板(とこの上に積層された第二の表面層402aの下部)と隔壁404cにより形成された画素の保持空間へ導入し、その上にオイルを充填した。これを第四の基板405c3の第二の表面層402a側と位置合わせをして貼り合わせた。
第六の基板419上に、ナノ銀インクをインクジェット法により印刷形成・乾燥させてゲート電極415’を形成した。次に、スピンコート法を用いて熱重合型ポリイミドを塗布し、熱処理することによって、ゲート絶縁膜418’を形成した。ソース電極414’・ドレイン電極413’を形成する領域に、フォトマスクを介して、紫外線を照射することにより、表面改質を実施した。さらに、ナノ銀インクをインクジェット法にて印刷形成し、乾燥させることによって、ソース電極414’・ドレイン電極413’を形成した。
次に、インクジェット法を用いて、下記式1の構造式で表される有機半導体材料をキシレンに溶解させることによりインク化したものを膜形成することによって、有機半導体層416’を形成し、その上面を絶縁ポリマー(ポリイミド)からなる保護層417’で覆うことにより、有機TFTが得られた。
Figure 0005568902
得られたTFTのソース電極413’と第二の基板402のビアホール411’部分で位置合わせを施し、異方性導電接着シート(ACF)412’を介してこれらを貼り合せることで、第二の光学スイッチング層404を得た。
第一の光学スイッチング層403と第二の光学スイッチング層404を、各画素が縦方向に(各基板の垂直方向において)揃うように積層し固定することでカラー表示素子とすることができた。二つのトランジスタを駆動することで、明るく応答性に優れた表示特性が得られることを確認することができた。
以上の実施例1〜4によれば、高い白反射率とコントラスト比を有し、高品質、高精細な表示が可能なカラー表示素子が得られた。
1,11 第一の基板
2,12 第二の基板
2a,12a 第二の表面層
2b,12b 第二の透明電極層
2c,12c 第二の支持層
3,13 第一の光学スイッチング層
3a,13a 第一の流体
3b,13b 第二の流体
3c,13c 隔壁
4,14 第二の光学スイッチング層
4a,14a 第三の流体
4b,14b 第四の流体
4c,14c 隔壁
5,15 透明中間層
5a,15a 第一の表面層
5b,15b 第一の透明電極層
5c,15c 第一の支持層
特開2003−161964号公報 特許第3831474号 特開2005−517993号公報

Claims (4)

  1. 第一の基板と、
    該第一の基板に対向して設けられ、光反射材料から構成される第二の支持層を具備する第二の基板と、
    前記第一の基板上に形成され、光透過状態と光吸収状態とに切り替わる第一の光学スイッチング層と、
    前記第二の基板上に形成され、光透過状態と光吸収状態とに切り替わる第二の光学スイッチング層と、
    前記第一の光学スイッチング層と前記第二の光学スイッチング層との間に形成され、光透過材料から構成される第一の支持層を具備する透明中間層と、
    前記第一の光学スイッチング層及び第二の光学スイッチング層に電圧を印加して夫々を駆動させる駆動手段と、を有する表示素子であって、
    前記第一の光学スイッチング層は、光透過状態と光吸収状態とに切り替わり、且つ、一対の第一の透明電極層と、独立に駆動可能な複数の第一の画素と、を備え、
    該複数の第一の画素は夫々、少なくとも複数の隔壁と、該複数の隔壁により区画された保持空間に含有されてなるエレクトロクロミック材料の分散液と、から構成されてなり、且つ、光吸収状態においてフルカラー表示が可能な少なくとも三色の原色の中の何れか一色を呈し、
    前記第二の光学スイッチング層は、光反射状態と光吸収状態とに切り替わり、且つ、一対の第二の透明電極層と、独立に駆動が可能な複数の第二の画素と、を備え、
    該複数の第二の画素は夫々、少なくとも複数の隔壁と、該複数の隔壁により区画された保持空間に含有されてなる互いに混合しない第三の流体と第四の流体と、から構成されてなり、且つ、光反射状態においては白色を呈し、光吸収状態においては黒色を呈し、
    前記第三の流体は、光透過性を有し、
    前記第四の流体は、黒色に着色され、
    前記第一の光学スイッチング層が有する複数の第一の画素と前記第二の光学スイッチング層が有する複数の第二の画素とは、ピッチが等しく、いずれもマトリクス状に規則的に配置されていると共に、互いが前記第一の基板の垂直方向に揃って配置されていることを特徴とする表示素子。
  2. 前記光反射材料は、外光を散乱させることにより白色を呈する材料であることを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
  3. 前記光反射材料は、光線や電子線の照射により物性が変化するフォトレジスト材料を用いて形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の表示素子。
  4. 前記第一の透明電極層及び前記第二の透明電極層は、いずれも前記複数の画素夫々に対応して設けられてなり、各画素毎に電気的に分断されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の表示素子。
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