JP5568838B2 - 産業用乾燥システム - Google Patents

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Description

本発明は、産業用乾燥システムに関する。
産業用乾燥システムとしては、ボイラで燃料を燃焼させて対象物を乾燥する構成が一般的に知られている。
また、空気調和機からの加熱空気を対象物に供給する構成を有する乾燥機がある(例えば、特許文献1参照)。
特許第3957652号
本発明は、エネルギー効率の高い乾燥システムを提供することを目的とする。
本発明の態様に従えば、作動流体が流れるヒートポンプであり、吸熱部、圧縮部、放熱部、及び膨張部を有し、前記圧縮部が第1圧縮部及び第2圧縮部を含む多段構造を有し、前記放熱部が第1放熱部及び第2放熱部を有する、前記ヒートポンプと、乾燥の対象物が配置される1つの乾燥室であり、前記第1放熱部及び前記第2放熱部を熱源とする温風を前記乾燥室内にそれぞれ吹き出すことで前記対象物に熱を伝える、前記乾燥室と、を備え、前記第1圧縮部で圧縮された前記作動流体が段間に位置する前記第1放熱部に流れることで前記乾燥室内に前記温風を吹き出して前記対象物に熱を与え、前記第1放熱部からの温度低下した前記作動流体が前記第2圧縮部に入り、前記第2圧縮部で圧縮された前記作動流体が前記第2放熱部を流れることで前記乾燥室内に前記温風を吹き出して前記対象物に熱を与え、前記第1放熱部及び前記第2放熱部は、前記乾燥室内に入力された前記対象物が外部に排出されるまでの経路の少なくとも一部を挟持するように前記乾燥室の両側に配置され、各々の放熱温度が制御される産業用乾燥システムが提供される。
この乾燥システムによれば、ヒートポンプを用いることにより、ボイラに比べて高いエネルギー効率を得ることができる。また、ヒートポンプの圧縮部が多段構造を有し、複数の放熱部が乾燥室の熱源であることから、圧縮効率の向上に加え、ヒートポンプから乾燥対象物への熱伝達の効率の向上が図られる。
以下、本発明の実施形態における、乾燥システムについて図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態における乾燥システム10を示す概略図である。
乾燥システム10は、作動流体が流れるヒートポンプ(ヒートポンプ回路)20を有するヒートポンプユニット12と、乾燥対象物が移送されかつ乾燥される乾燥ユニット30と、制御装置70とを備える。制御装置70は、システム全体を統括的に制御する。乾燥システム10の構成は設計要求に応じて様々に変更可能である。
本実施形態において、乾燥対象物は汚泥である。なお、木材、樹脂、砂、家庭ごみ、産業ごみ、塗装物、産業用衣類、機械部品、食料品など、様々な物体を乾燥対象にできる。
ヒートポンプユニット12において、ヒートポンプ20は、蒸発、圧縮、凝縮、及び膨張の各工程からなるサイクルにより、作動流体の状態変化を利用して複数の物体間で熱の授受を行う回路である。ヒートポンプサイクルは一般に、エネルギー効率が比較的高いという利点を有する。
本実施形態において、ヒートポンプ20は、吸熱部21、圧縮部22、放熱部(第1放熱部23A、第2放熱部23B、第3放熱部23C)、及び膨張部24を有し、これらは導管を介して接続されている。
吸熱部21では、主経路25内を流れる作動流体がサイクル外の熱源の熱を吸収する。本実施形態において、ヒートポンプ20の吸熱部21は、乾燥処理に伴い排出される排出流体の熱を吸収することができる。他の実施形態において、ヒートポンプ20の吸熱部21が排出流体以外の熱源(例えば大気、冷熱供給装置)の熱を吸収する構成とすることもできる。
圧縮部22は、圧縮機等によって作動流体を圧縮する。この際、通常、作動流体の温度が上がる。本実施形態において、圧縮部22は、作動流体を複数段に圧縮する構造を有する。圧縮の段数は、乾燥システム10の仕様に応じて設定され、2、3、4、5、6、7、8、9、あるいは10以上である。圧縮部22は、軸流圧縮機、遠心圧縮機、レシプロ式圧縮機、ロータリー式圧縮機などの様々な圧縮機のうち、作動流体の圧縮に適するものが適用される。圧縮機には動力が供給される。
本実施形態において、図1に示すように、圧縮部22は、第1圧縮部22A、及び第2圧縮部22Bを含む2段圧縮構造を有する。圧縮部22は、各圧縮部22A,22Bに対応する回転数が個々に制御される多軸圧縮構造を有することができる。あるいは、圧縮部22は、同軸圧縮構造を有することができる。本実施形態において、圧縮部22は、圧縮部22A及び22Bに対応する多軸構造を有し、2軸のそれぞれに動力が供給される。各圧縮部22A,22Bの圧縮比(圧力比)は、乾燥システム10の仕様に応じて設定される。
放熱部(第1放熱部23A、第2放熱部23B、第3放熱部23C)は、圧縮部22で圧縮された作動流体が流れる導管を有し、主経路25内を流れる作動流体の熱をサイクル外の物体に与える。本実施形態において、作動流体の流れ方向に沿って、第1放熱部23A、第2放熱部23B、及び第3放熱部23Cがその順に並んでいる。放熱部の数は、乾燥システム10の仕様に応じて設定され、2、3、4、5、6、7、8、9、10、あるいは11以上である。第1放熱部23Aは、第1圧縮部22Aの下流位置(すなわち、第1圧縮部22Aと第2圧縮部22Bとの間の段間位置)に配置され、第2放熱部23Bは、第2圧縮部22Bの下流位置に配置され、第3放熱部23Cは、第2放熱部23Bの下流位置に配置される。各放熱部23A,23B,23Cは、乾燥ユニット30の一部に熱的に接続されている。
膨張部24は、減圧弁またはタービン等によって作動流体を膨張させる。タービンを使用した場合には膨張部24から動力を取り出すことができ、その動力を例えば圧縮部22に供給してもよい。ヒートポンプ20に使用される作動流体として、フロン系媒体(HFC 245faなど)、アンモニア、水、二酸化炭素、空気などの公知の様々な熱媒体が、乾燥システム10の仕様及び熱バランス等に応じて選択される。ヒートポンプ20の放熱部22A,22B,22Cを流れる作動流体の少なくとも一部が超臨界状態であってもよい。
本実施形態において、ヒートポンプ20はさらに、バイパス経路27と、再生器28とを有する。バイパス経路27の入口端がヒートポンプ20の主経路25における第2放熱部23Bと第3放熱部23Cとの間の導管に流体的に接続される。バイパス経路27の出口端が主経路25における第3放熱部23Cと膨張部24との間の配管に流体的に接続される。バイパス経路27の入口に、作動流体のバイパス流量を制御する流量制御弁を設けることができる。バイパス経路27において、第2放熱部23Bからの作動流体の一部が、第3放熱部23Cを迂回し、膨張部24の手前で第3放熱部23Cからの作動流体と合流する。第2放熱部23Bからの残りの作動流体は、第3放熱部23Cを流れる。
再生器28は、バイパス経路27の導管の一部と、ヒートポンプ20の主経路25の導管(吸熱部21と圧縮部22との間の導管)の一部とが熱的に接続された構成を有する。例えば、両導管が互いに接触あるいは隣接して配置される。ヒートポンプ20において、吸熱部21からの作動流体に比べて、第2放熱部23Bからの作動流体は高温である。再生器28において、バイパス経路27を流れる第2放熱部23Bからの作動流体と、ヒートポンプ20の主経路25を流れる吸熱部21からの作動流体とが熱交換する。この熱交換により、バイパス経路27内の作動流体の温度が降下し、主経路25内の作動流体の温度が上昇する。再生器28は、低温の流体(主経路25内の作動流体)と高温の流体(バイパス経路27内の作動流体)とが対向して流れる向流型の熱交換構造を有することができる。あるいは、再生器28は、高温流体と低温流体とが並行して流れる並行流型の熱交換構造を有することができる。
乾燥ユニット30は、乾燥対象物(汚泥など)の入力部32、脱水室33、予熱室34、乾燥室35、出力部36、排出ダクト37、及び不図示の移送機構を有する。移送機構は、コンベア、搬送車、搬送ロボットなど、様々な形態を有することができる。入力部32からの対象物は、移送機構によって、脱水室33、予熱室34、及び乾燥室35の順に移送される。乾燥した対象物は、出力部36から外部に排出される。乾燥室35などからの排出流体(排ガスなど)は排出ダクト37を経由して外部に排出される。
脱水室33は、不図示の脱水装置を有し、入力部32からの対象物を脱水する。脱水の際、対象物に必要に応じて凝集剤を添加することができる。脱水室33は、遠心式、加圧式、圧搾式、振動式など、対象物に応じて様々な形態が適用可能である。脱水により、対象物の容量が減少する。他の実施形態において、含水率が低い場合や脱水が困難な場合などに対応して、脱水室33を省略することができる。
予熱室34は、乾燥室35に入る前の対象物に熱を与える。本実施形態において、予熱の熱源は、ヒートポンプ20の第3放熱部23Cである。予熱室34は、ヒートポンプ20の作動流体が流れる管路(第3放熱部23C)の外表面に対象物が直接的に又は間接的に接する構成を有することができる。代替的又は追加的に、予熱室34は、第3放熱部23Cを熱源とした温風を対象物に吹き付ける構成を有することができる。
予熱室34において、第3放熱部23Cからの熱が対象物に伝わり、対象物の温度が上昇する。予熱は、次のステージである乾燥室35での乾燥の促進に有利である。本実施形態において、予熱は乾燥室35からの作動流体の残りの熱を利用する。これは熱効率の点で有利である。
乾燥室35は、予熱室34からの対象物にさらに熱を与える。本実施形態において、乾燥室35における乾燥の熱源は、ヒートポンプ20の第1放熱部23A及び第2放熱部23Bである。乾燥室35は、ヒートポンプ20の作動流体が流れる管路(第1放熱部23A、第2放熱部23B)の外表面に対象物が直接的又は間接的に接する構成を有することができる。
図2、図3、及び図4は、乾燥室35の構成例を示す。
図2において、乾燥室35は、対象物を搬送するコンベア110と、第1放熱部23Aに対応しかつコンベア110上の対象物に熱を与える第1加熱部112と、第2放熱部23Bに対応しかつコンベア110上の対象物に熱を与える第2加熱部114とを有する。乾燥室35は、対象物に接するコンベア110の部材を介して第1及び第2加熱部112,114(第1及び第2放熱部23A,23B)から実質的に間接的に対象物に熱が伝わる構成を有することができる。あるいは、乾燥室35は、対象物に接するコンベア110の部材が実質的に第1及び第2加熱部112,114(第1及び第2放熱部23A,23B)であり、第1及び第2加熱部112,114(第1及び第2放熱部23A,23B)から実質的に直接的に対象物に熱が伝わる構成を有することができる。
図2の乾燥室35において、第1放熱部23Aの熱が第2放熱部23Bよりも先に対象物に伝わってもよく、第2放熱部23Bの熱が第1放熱部23Aよりも先に対象物に伝わってもよく、あるいは、第1及び第2放熱部23A,23Bからの熱が同時に対象物に伝わってもよい。また、代替的に又は追加的に、乾燥室35は、第1及び第2放熱部23A,23Bを熱源とした温風を対象物に吹き付ける構成を有することができる。追加的に、乾燥室35は、コンベア110上の対象物に振動を与えるなど、対象物を攪拌する構成を有することができる。
図3において、乾燥室35は、回転自在なドラム120と、第1放熱部23Aに対応しかつドラム120内の対象物に熱を与える第1加熱部122と、第2放熱部23Bに対応しかつドラム120内の対象物に熱を与える第2加熱部124とを有する。ドラム120の回転軸は、実質的に水平、垂直、又は斜めに配置される。ドラム120の回転に伴い、ドラム120内の対象物が少なくとも軸方向に移動することができる。
乾燥室35は、ドラム120の内周面が加熱対象物に直接的又は間接的に接する構成を有することができる。例えば、乾燥室35は、ドラム120の内壁が第1及び第2加熱部122,124(第1及び第2放熱部23A,23B)であり、第1及び第2加熱部122,124(第1及び第2放熱部23A,23B)から実質的に直接的又は間接的に対象物に熱が伝わる構成を有することができる。
図3の乾燥室35において、例えばドラム120の内周面が加熱面である。第1放熱部23Aの熱が第2放熱部23Bよりも先に対象物に伝わってもよく、第2放熱部23Bの熱が第1放熱部23Aよりも先に対象物に伝わってもよく、同時に第1及び第2放熱部23A,23Bからの熱が対象物に伝わってもよい。また、代替的又は追加的に、乾燥室35は、第1及び第2放熱部23A,23Bを熱源とした温風を対象物に吹き付ける構成を有することができる。
図3において、追加的に、乾燥室35は、対象物を攪拌する不図示の攪拌機構を有することができる。攪拌機構は、回転又は移動可能な羽根(ブレード)を有する羽根機構、対象物を振動させる振動機構、及び/又は対象物を揺動させる揺動機構を有することができる。
攪拌機構が備えられている場合、乾燥室35は、ドラム120が回転しない構成を有することができる。この場合、攪拌機構が対象物を移動させる機能を有することができる。ドラム120の内周面が加熱面である場合、ドラム120を縦に配置することにより、内周面の広い範囲を加熱のために使用することができる。
図4において、乾燥室35は、流動床を有するチャンバ130と、熱風を吹き出すノズルを有する第1及び第2熱風装置132,134とを有する。第1熱風装置132の熱源は、第1放熱部23Aであり、第2熱風装置134の熱源は、第2放熱部23Bである。第1及び第2熱風装置132,134からの熱風によって対象物が攪拌されかつ加熱される。また、代替的又は追加的に、乾燥室35は、作動流体が流れる第1及び第2放熱部23A,23Bが対象物に直接的又は間接的に接する構成を有することができる。また、追加的に、乾燥室35は、第1及び第2熱風装置132,134とは別に、対象物を攪拌する機構を有することができる。なお、チャンバ130を多段に配置することも可能である。
図1に戻り、出力部36は、ゲート式、旋回式など様々な形態を採用することができる。出力部36は、必要に応じて乾燥した対象物に化学処理などの所定の処理を行う機構を有することができる。
排出ダクト37は、予熱室34、乾燥室35、及び他の場所からの排出流体(排ガス)が流れる流路142と、排熱回収機構144とを有する。排熱回収機構144は、流路142の一部と、ヒートポンプ20の吸熱部21とを有する。排熱回収機構144において、排出ダクト37を流れる排出流体の熱の少なくとも一部が吸熱部21に吸収される。
換言すると、排熱回収機構144において、吸熱部21と排出ダクト37とが熱的に接続されている。排熱回収機構144は、低温の流体(吸熱部21内の作動流体)と高温の流体(排出ダクト37内の排出流体)とが対向して流れる向流型の熱交換方式を有することができる。あるいは、排熱回収機構144は、高温流体と低温流体とが並行して流れる並行流型の熱交換方式を有してもよい。排熱回収機構144は、熱交換構造として、公知の様々なものを採用することができる。これにより、ヒートポンプ20は、乾燥ユニット30の排熱を回収することができる。排熱の回収により、乾燥システム10の全体の熱利用の向上が図られる。排熱回収機構144を流れる流体の多くは、乾燥室35において湿分が蒸発したものであり、蒸発潜熱を有している。この蒸発潜熱の少なくとも一部を吸熱部21によって回収できる。潜熱を回収した場合には、排出流体の少なくとも一部が凝縮することになる。
追加的に、排出ダクト37は、排出流体に化学処理などの所定の処理を行う機構を有することができる。
次に、乾燥システム10の乾燥処理プロセスについて説明する。
図1に示すように、まず、予熱室34において、ヒートポンプ20の第3放熱部23Cからの伝達熱によって対象物が温度上昇する。その後、乾燥室35において、ヒートポンプ20の第1放熱部23A及び第2放熱部23Bからの熱によって対象物に含まれる液分が蒸発する。
予熱室34における対象物の目標温度は、例えば液分(水など)の標準沸点よりも低く設定される(例えば、60〜99℃)。この場合、対象物の液分の顕熱加熱が主に予熱室34において行われ、潜熱加熱が主に乾燥室35において行うことができる。予熱室34が顕熱交換に適した形態であり、乾燥室35が潜熱交換に適した形態であるといった、装置構成の最適化が図られることにより、これに応じて、好ましい加熱プロセスを経て対象物が乾燥される。
ボイラのエネルギー効率が一般に約0.7〜0.8(70〜80%)であるのに対して、ヒートポンプのエネルギー効率としての成績係数(COP:coefficient of performance)は一般に2.5〜5.0である。ヒートポンプの成績係数は、被加熱媒体の入出力温度差に応じて変化し、比較的高い入出力温度差においてその成績係数が低下する傾向がある。本実施形態において、顕熱交換及び潜熱交換に対応してヒートポンプが個別の加熱部を有することにより、入出力温度差を抑え、ボイラに比べて高いエネルギー効率で対象物を乾燥させることができる。
このように、本実施形態において、予熱室34と乾燥室35との2段順次加熱により、対象物を効率的に乾燥させることができる。
また、本実施形態において、乾燥室35は、ヒートポンプ20の2つの放熱部(第1放熱部23A及び第2放熱部23B)を熱源としている。すなわち、ヒートポンプ20において、第1圧縮部22Aで圧縮された作動流体が第1放熱部23Aを流れ、乾燥室35内の対象物に熱を与える。熱を奪われた作動流体は、温度低下する。第1放熱部23Aからの温度低下した作動流体が第2圧縮部22Bに入る。第2圧縮部22Bで圧縮された作動流体が第2放熱部23Bを流れ、乾燥室35内の対象物に熱を与える。
第2圧縮部22Bの入力温度が低く設定されることにより、第2圧縮部22Bの圧縮効率の向上が図られる。つまり、段間の第1放熱部23Aの熱が奪われることによって、作動流体の圧縮過程における作動流体の温度上昇が抑制され、その結果、圧縮部22の圧縮効率の向上及び圧縮機の動力の低減化が図られる。
換言すると、乾燥システム10において、ヒートポンプ20の圧縮部22が多段圧縮構造を有し、その段間に位置する放熱部(第1放熱部23A)が乾燥室35の熱源の一部である。段間に位置する第1放熱部23Aにおいて、作動流体が実質的に冷却される。段間冷却は、上記の圧縮効率の向上に加え、ヒートポンプ20を流れる作動流体が圧縮によって過度に温度上昇するのを防止する。放熱温度が適切に制御されることで、ヒートポンプ20の放熱部23A,23Bと対象物との間の熱伝達効率の向上が図られる。すなわち、適切に制御された熱を対象物に供給することができる。また、段間冷却と乾燥処理とを組み合わせる点からも、熱の有効利用が図られる。
このように、乾燥システム10において、多段圧縮構造のヒートポンプ20を採用し、段間の放熱部(第1放熱部23A)を含む複数の放熱部23A,23Bを乾燥熱源としている。これは、ヒートポンプを乾燥システムに適用する上で有利である。
なお、乾燥室35に対応する放熱部の数は、2に限定されず、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10以上にできる。また、予熱室34に対応する放熱部の数は1に限定されず、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10以上にできる。圧縮に伴う作動流体の温度上昇と、段間の放熱部における作動流体の温度降下との繰り返しの数(再熱の段数)は、2、3、4、5、6、7、8、9、あるいは10以上である。再熱の段数が装置構成上の制約の範囲内で多いのが、エネルギー効率の向上に有利である。
また、本実施形態において、ヒートポンプユニット12(20)が乾燥ユニット30の排熱を回収する。これも、熱効率向上に有利である。
また、ヒートポンプ20において、バイパス経路27を介して作動流体の一部が第3放熱部23Cを迂回するから、予熱室34の熱源である第3放熱部23Cに入る作動流体の流量の最適化が図られる。これは、予熱室34に対する放熱温度の適切な制御、及び作動流体の保有熱を有効に使う上で有利である。
バイパス経路27を流れる作動流体は、再生器28において、ヒートポンプ20の主経路25を流れる吸熱部21からの作動流体と熱交換する。この熱交換により、バイパス経路27内の作動流体の温度が降下し、ヒートポンプ20の主経路25内の作動流体の温度が上昇する。圧縮部22に対する作動流体の初期入力温度の上昇により、圧縮部22の動力の低減が図られる。なお、作動流体のバイパス量は、乾燥の対象物の種類や量など、乾燥条件に応じて定められる。
また、ヒートポンプ20において、再生器28で温度降下したバイパス経路27内の作動流体は、膨張部24の手前で、ヒートポンプ20の主経路25を流れる第3放熱部23Cからの作動流体と合流する。第3放熱部23Cからの作動流体の出力温度は比較的低く設定される。膨張部24に対する作動流体の入力温度の低下により、作動流体の液ガス比の最適化が図られ、その結果、吸熱部21においてサイクル外の熱源(排出流体)から有効に熱が吸収される。
すなわち、本実施形態において、乾燥に用いた後の作動流体が予熱と作動流体の再生とに用いられることにより、熱の有効利用が図られる。
次に、第2実施形態について図面を参照して説明する。
図5は、第2実施形態における、乾燥システム200を示す概略図である。以下の説明では、上記実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
図5に示すように、乾燥システム200において、乾燥室35の内部空間を減圧する減圧装置210を備える点が第1実施形態と異なる。
本実施形態において、減圧装置210は、排出ダクト37に配置され、乾燥室35の内部空間を吸引する。この吸引により、乾燥室35の内部空間が減圧される。また、減圧装置210は、乾燥室35からの排出流体を加圧して排出ダクト37を流す。この加圧により、排出ダクト37における排出流体の流動が促進される。
乾燥室35の内部空間が減圧された状態において、対象物の乾燥温度が比較的低く設定可能である。これに伴い、乾燥のための加熱温度領域(入出力温度差)を比較的狭く設定し、高いCOPでのヒートポンプ20の使用が可能である。
すなわち、大気圧(P1=1atm=約0.1MPa)に比べて低い負圧下において、対象物の液分(水など)が標準沸点よりも低い温度で蒸発する。そのため、乾燥室35に対するヒートポンプ20(第1及び第2放熱部23A,23B)の放熱温度を低く設定できる。ヒートポンプ20の成績係数は、被加熱対象物の入力温度と出力温度との差に応じて変化し、その温度差が過度に大きいと成績係数(COP)が低下する場合がある。減圧環境下において、加熱温度領域(入出力温度差)を比較的狭く設定し、高いCOPでのヒートポンプ20の使用が可能である。
追加的に、乾燥システム200は、予熱室34など他の内部空間を減圧する構成を有することができる。
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。上記説明において使用した数値は一例であって、本発明はこれに限定されない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の請求の範囲によってのみ限定される。
第1実施形態を示す概略図である。 乾燥室の構成例を示す模式図である。 乾燥室の別の構成例を示す模式図である。 乾燥室の別の構成例を示す模式図である。 第2実施形態を示す概略図である。
符号の説明
10,200…乾燥システム、12…ヒートポンプユニット、20…ヒートポンプ、21…吸熱部、22…圧縮部、22A…第1圧縮部、22B…第2圧縮部、23A…第1放熱部、23B…第2放熱部、23C…第3放熱部、24…膨張部、25…主経路、27…バイパス経路、28…再生器、30…乾燥ユニット、32…入力部、33…脱水室、34…予熱室、35…乾燥室、36…出力部、37…排出ダクト、70…制御装置、112,122…第1加熱部、114,124…第2加熱部、132…第1熱風装置、134…第2熱風装置、144…排熱回収機構、200…乾燥システム、210…減圧装置。

Claims (1)

  1. 作動流体が流れるヒートポンプであり、吸熱部、圧縮部、放熱部、及び膨張部を有し、前記圧縮部が第1圧縮部及び第2圧縮部を含む多段構造を有し、前記放熱部が第1放熱部及び第2放熱部を有する、前記ヒートポンプと、
    乾燥の対象物が配置される1つの乾燥室であり、前記第1放熱部及び前記第2放熱部を熱源とする温風を前記乾燥室内にそれぞれ吹き出すことで前記対象物に熱を伝える、前記乾燥室と、
    を備え、
    前記第1圧縮部で圧縮された前記作動流体が段間に位置する前記第1放熱部に流れることで前記乾燥室内に前記温風を吹き出して前記対象物に熱を与え、前記第1放熱部からの温度低下した前記作動流体が前記第2圧縮部に入り、前記第2圧縮部で圧縮された前記作動流体が前記第2放熱部を流れることで前記乾燥室内に前記温風を吹き出して前記対象物に熱を与え
    前記第1放熱部及び前記第2放熱部は、前記乾燥室内に入力された前記対象物が外部に排出されるまでの経路の少なくとも一部を挟持するように前記乾燥室の両側に配置され、各々の放熱温度が制御されることを特徴とする産業用乾燥システム。
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