JP5239284B2 - 蒸気生成システム - Google Patents

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本発明は、蒸気生成システムに関する。
蒸気生成システムとしては、ボイラで燃料を燃焼させて被加熱流体を加熱する構成が一般的に知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−249450号公報
ボイラのエネルギー効率は一般に約0.8(80%)である。環境問題に対する意識の高まりとともに、蒸気生成システムに関して、より一層のエネルギー効率の向上が望まれている。
本発明は、エネルギー効率の高い蒸気生成システムを提供することを目的とする。
本発明の態様に従えば、第1流体が流れるヒートポンプを有する第1ユニットと、第2流体が流れる第2ユニットと、を備え、前記第2ユニットは、前記ヒートポンプに熱的に接続され、前記第2流体が蒸発する第1蒸発部と、前記ヒートポンプに熱的に接続され、前記第1蒸発部に比べて低い内部圧力を有し、前記第2流体が蒸発する第2蒸発部と、少なくとも前記第2蒸発部内のガスを吸引する圧縮機と、を備え、前記第1及び第2蒸発部は、前記ヒートポンプの放熱部における前記第1流体の温度変化に応じて設定された異なる内部圧力を有し、前記第1蒸発部は、大気圧と同等の内部圧力又は大気圧に比べて高い前記内部圧力を有し、前記第2蒸発部は、大気圧に比べて低い前記内部圧力を有し、前記第2ユニットは、前記ヒートポンプに熱的に接続され、前記ヒートポンプからの伝達熱によって前記第2流体を加温する加温部と、前記加温部からの前記第2流体を前記第1蒸発部及び前記第2蒸発部に導く分岐経路と、前記分岐経路上に配設されるポンプと、をさらに備え、前記第1蒸発部の前記内部圧力は、前記ポンプが前記分岐経路に供給される前記第2流体の加圧を制御することで設定され、且つ前記加圧により前記第2流体が温度上昇する蒸気生成システムが提供される。
本発明の態様によれば、ヒートポンプを用いることにより、ボイラに比べて高いエネルギー効率が得られる。また、異なる内部圧力を有する複数の蒸発部を供給ユニットが有することにより、第1流体と第2流体との間の熱バランスが適性化され、その結果、熱交換効率が高まる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、第1実施形態にかかる蒸気生成システムS1を示す概略図である。図1において、蒸気生成システムS1は、作動流体(作動媒体、第1流体)が流れるヒートポンプ10(第1ユニット)と、被加熱流体(被加熱媒体、第2流体)の供給ユニット20(第2ユニット)と、制御装置70とを備える。本実施形態において、被加熱流体は水である。制御装置70は、システム全体を統括的に制御する。蒸気生成システムS1の構成は、蒸気生成システムS1の設計要求に応じて様々に変更可能である。
ヒートポンプ10は、蒸発、圧縮、凝縮、及び膨張の各工程からなるサイクルにより、低温の物体から熱を汲み上げ、高温の物体に熱を与える装置である。ヒートポンプは一般に、エネルギー効率が比較的高く、結果として、二酸化炭素等の排出量が比較的少ないという利点を有する。
本実施形態において、ヒートポンプ10は、吸熱部11、圧縮部12、放熱部(第1放熱部13A、第2放熱部13B、第3放熱部13C)、及び膨張部14を有し、これらは導管を介して接続されている。
吸熱部11では、主経路15内を流れる作動流体がサイクル外の熱源の熱を吸収する。本実施形態において、ヒートポンプ10の吸熱部11は、冷熱供給装置90の放熱管91に熱的に接続されている。冷熱供給装置90において、放熱管91を流れる媒体(冷媒など)の熱(温排熱)がヒートポンプ10の吸熱部11に吸収される。冷却された媒体が冷熱供給装置90から所定の設備に供給される。ヒートポンプ10の吸熱部11が大気など他の熱源の熱を吸収する構成とすることもできる。
圧縮部12は、圧縮機等によって作動流体を圧縮する。この際、通常、作動流体の温度が上がる。圧縮部12は、作動流体を単段又は複数段に圧縮する構造を有する。圧縮の段数は、蒸気生成システムS1の仕様に応じて設定され、1、2、3、4、5、6、7、8、9、あるいは10以上である。圧縮部12は、軸流圧縮機、遠心圧縮機、レシプロ式圧縮機、ロータリー式圧縮機などの様々な圧縮機のうち、作動流体の圧縮に適するものが適用される。圧縮機には動力が供給される。圧縮部12の圧縮比(圧力比)は、蒸気生成システムS1の仕様に応じて設定される。
放熱部13A、13B、13Cは、圧縮部12で圧縮された作動流体が流れる導管を有し、主経路15内を流れる作動流体の熱をサイクル外の熱源に与える。本実施形態において、作動流体の流れ方向に沿って、第1放熱部13A、第2放熱部13B、及び第3放熱部13Cがその順に並んでいる。放熱部の数は、蒸気生成システムS1の仕様に応じて設定され、2、3、4、5、6、7、8、9、10、あるいは11以上である。
膨張部14は、減圧弁またはタービン等によって作動流体を膨張させる。この際、通常、作動流体の温度が下がる。タービンを使用した場合には膨張部14から動力を取り出すことができ、その動力を例えば圧縮部12に供給してもよい。ヒートポンプ10に使用される作動流体として、フロン系媒体、アンモニア、水、二酸化炭素、空気などの公知の様々な熱媒体が、蒸気生成システムS1の仕様及び熱バランスなどに応じて用いられる。
本実施形態において、ヒートポンプ10はさらに、バイパス経路17と、再生器18とを有する。バイパス経路17の入口端がヒートポンプ10の主経路15における放熱部13A,13Bと第3放熱部13Cとの間の導管に流体的に接続される。バイパス経路17の出口端が主経路15における第3放熱部13Cと膨張部14との間の導管に流体的に接続される。バイパス経路17の入口に、作動流体のバイパス流量を制御する流量制御弁を設けることができる。バイパス経路17において、第1及び第2放熱部13A,13Bからの作動流体の一部が、第3放熱部13Cを迂回し、膨張部14の手前で第3放熱部13Cからの作動流体と合流する。第1及び第2放熱部13A,13Bからの残りの作動流体は、第3放熱部13Cを流れ、第3放熱部13Cからの熱が供給ユニット20内の水に伝わる。
再生器18は、バイパス経路17の導管の一部と、ヒートポンプ10の主経路15の導管(吸熱部11と圧縮部12との間の導管)の一部とが熱的に接続された構成を有する。例えば、両導管が互いに接触あるいは隣接して配置される。ヒートポンプ10において、吸熱部11からの作動流体に比べて、第1及び第2放熱部13A,13Bからの作動流体は高温である。再生器18において、バイパス経路17を流れる第1及び第2放熱部13A,13Bからの作動流体と、ヒートポンプ10の主経路15を流れる吸熱部11からの作動流体とが熱交換する。この熱交換により、バイパス経路17内の作動流体の温度が降下し、主経路15内の作動流体の温度が上昇する。再生器18は、低温の流体(主経路15内の作動流体)と高温の流体(バイパス経路17内の作動流体)とが対向して流れる向流型の熱交換構造を有することができる。あるいは、再生器18は、高温流体と低温流体とが並行して流れる並行流型の熱交換構造を有してもよい。
供給ユニット20は、加温部21と、蒸発ユニット22と、圧縮機30とを有する。
加温部21は、ヒートポンプ10の第3放熱部13Cに熱的に接続されかつ供給源(不図示)からの水が流れる導管を含む。例えば、加温部21の導管が第3放熱部13Cの導管に接触あるいは隣接して配置される。加温部21と第3放熱部13Cとを含んで第1熱交換器41が構成される。第1熱交換器41は、低温の流体(供給ユニット20内の水)と高温の流体(ヒートポンプ10内の作動流体)とが対向して流れる向流型の熱交換方式を有することができる。あるいは、第1熱交換器41は、高温流体と低温流体とが並行して流れる並行流型の熱交換方式を有してもよい。本実施形態において、ヒートポンプ10の第3放熱部13Cの導管の内部に、加温部21の導管が配設されている。加温部21において、ヒートポンプ10の第3放熱部13Cからの伝達熱によって、供給ユニット20内の水が温度上昇する。なお、他の実施形態において、第1熱交換器41は、別の熱交換構造を採用することができる。例えば、第3放熱部13Cの導管を、加温部21の導管の外周面に配設することができる。
蒸発ユニット22は、加温部21からの水(温水)がそれぞれ蒸発する第1蒸発部22A及び第2蒸発部22Bと、加温部21からの水を分ける分岐部24と、分岐部24からの水を第1蒸発部22Aに導く分岐経路25Aと、分岐部24からの水を第2蒸発部22Bに導く分岐経路25Bと、分岐経路25A上に配設されるポンプ26と、分岐経路25B上に必要に応じて配設される減圧弁27とを有する。なお、脱気装置を、例えば加温部21と第1及び第2蒸発部22A,22Bとの間に設けてもよい。蒸発部の数は、蒸気生成システムS1の仕様に応じて設定され、2、3、4、5、6、7、8、9、あるいは10以上である。
第1蒸発部22Aは、ヒートポンプ10の第1放熱部13Aに熱的に接続されかつ加温部21からの水が流れる導管を含む。例えば、第1蒸発部22Aの導管が第1放熱部13Aの導管に接触あるいは隣接して配置される。同様に、第2蒸発部22Bは、ヒートポンプ10の第2放熱部13Bに熱的に接続されかつ加温部21からの水が流れる導管を含む。例えば、第2蒸発部22Bの導管が第2放熱部13Bの導管に接触あるいは隣接して配置される。第1蒸発部22Aと第1放熱部13Aとを含んで第2熱交換器42が構成される。第2蒸発部22Bと第2放熱部13Bとを含んで第3熱交換器43が構成される。第2及び第3熱交換器42,43は、低温の流体(供給ユニット20内の水)と高温の流体(ヒートポンプ10内の作動流体)とが対向して流れる向流型の熱交換方式を有することができる。あるいは、第2及び第3熱交換器42,43は、高温流体と低温流体とが並行して流れる並行流型の熱交換方式を有してもよい。本実施形態において、ヒートポンプ10の第1放熱部13A(第2放熱部13B)の導管の内部に、第1蒸発部22A(第2蒸発部22B)の導管が配設されている。なお、後述するように、第2及び第3熱交換器42,43は、別の熱交換構造を採用してもよい。
本実施形態において、第1蒸発部22Aと第2蒸発部22Bとは、供給ユニット20に対して実質的に並列に配置される。一方、ヒートポンプ10において、作動流体の流れ方向に沿って、第1蒸発部22Aとの熱交換位置は上流側であり、第2蒸発部22Bとの熱交換位置は下流側である。
第1及び第2蒸発部22A,22Bは、ヒートポンプ10の放熱部における作動流体の温度変化に応じて設定された互いに異なる内部圧力を有する。本実施形態において、第1蒸発部22Aには、ポンプ26によって加圧された加温部21からの水が供給される。一方、第2蒸発部22B内のガスが圧縮機30によって吸引される。その結果、第2蒸発部22Bは、第1蒸発部22Aに比べて低い内部圧力を有する。本実施形態において、第1蒸発部22Aの内部圧力は、大気圧(1atm=約0.1MPa)に比べて同等もしくは高く、第2蒸発部22Bの内部圧力は、大気圧に比べて低い。例えば、第1蒸発部22Aの内部圧力は1.4気圧(約0.14MPa)であり、第2蒸発部22Bの内部圧力は0.7気圧(約0.07MPa)である。なお、上記数値は理解のための一例であり本発明はこれに限定されない。第1及び第2蒸発部22A,22Bの内部圧力の設定のために、例えば、供給ユニット20上の制御弁(流量制御弁など。不図示)、ポンプ26、及び圧縮機30等が制御される。この制御は、例えば、第1及び第2蒸発部22A,22Bの内部圧力を計測するセンサ(不図示)の計測結果に基づいて制御装置70によって行われる。
図2〜図5は、ヒートポンプ10の放熱部(第1放熱部13A、第2放熱部13B、及び第3放熱部13C)を流れる作動流体の温度変化を模式的に示している。前述したように、作動流体は、第1放熱部13A、第2放熱部13B、及び第3放熱部13Cの順に流れる。
図2〜図5に示すように、本実施形態において、放熱部(第1放熱部13A、第2放熱部13B、及び第3放熱部13C(図1参照))を流れる作動流体は、その流れ方向に沿って温度が低下する。すなわち、第1放熱部13Aにおいて、作動流体の入口温度t1に比べて出口温度t2が低い。第2放熱部13Bにおいて、作動流体の入口温度t3に比べて出口温度t4が低い。第3放熱部13Cにおいて、作動流体の入口温度t5に比べて出口温度t6が低い。また、第1放熱部13Aにおける作動流体の入口温度t1に比べて、第2放熱部13Bにおける作動流体の入口温度t3が低く、第2放熱部13Bにおける作動流体の入口温度t3に比べて第3放熱部13Cにおける作動流体の入口温度t5が低い。ヒートポンプ10の放熱部において、作動流体の相変化が実質的に小さい場合には、放熱に伴って、作動流体の温度が低下する傾向にある。例えば、ヒートポンプ10の放熱部を流れる作動流体の少なくとも一部が超臨界流体、もしくは気体である場合には、放熱に伴って作動流体の温度が比較的漸次的に低下する。
図6は、供給ユニット20(図1参照)における被加熱媒体としての水の温度変化を、ヒートポンプ10(図1参照)における作動流体の温度に対応付けて模式的に示している。
図6に示すように、加温部21(図1参照)において、作動流体との熱交換により、供給源からの水の温度が上昇する(図6の矢印m1)。分岐経路25B(図1参照)を介して第2蒸発部22Bに流入した加温部21からの水は、減圧雰囲気(例えば負圧環境)下にある。比較的低い内部圧力を有する第2蒸発部22Bにおいて、作動流体との熱交換により、第1沸点近くの温度で、水が液体から蒸気に相変化する(矢印m2)。一方、分岐経路25A(図1参照)を介して第1蒸発部22Aに流入する加温部21からの水は、ポンプ26によって加圧されて温度上昇する(図6の矢印m3)。比較的高い内部圧力を有する第1蒸発部22Aにおいて、作動流体との熱交換により、第1沸点よりも高い第2沸点近くの温度で、水が液体から蒸気に相変化する(矢印m4)。
本実施形態において、第2蒸発部22B(図1参照)における沸点(第1沸点)は例えば約90℃であり、第1蒸発部22Aにおける沸点(第2沸点)は例えば約110℃である。また、ヒートポンプ10(図1参照)において、第1放熱部13Aでの作動流体の入口温度は例えば約140℃、第2放熱部13Bでの作動流体の入口温度は例えば約115℃である。なお、上記数値は理解のための一例であって本発明はこれに限定されない。
熱交換時の作動流体と水との温度差が小さいことは、熱交換の向上に有利である。本実施形態によれば、ヒートポンプ10の放熱部における作動流体の温度変化に応じて、異なる内部圧力を有する2つの蒸発部22A,22Bを供給ユニット20が有することにより、作動流体と水との間の熱バランスが適性化される。例えば、ヒートポンプ10の放熱部の全体にわたって熱交換時の作動流体と水との間の過度の温度差が回避される。その結果、熱交換効率が高まる。
ボイラのエネルギー効率が一般に約0.7〜0.8(70〜80%)であるのに対して、ヒートポンプのエネルギー効率としての成績係数(COP:coefficient of performance)は一般に2.5〜5.0である。ヒートポンプ10の成績係数は、被加熱媒体(水)の入力温度と出力温度との差に応じて変化し、その温度差が過度に大きいと成績係数(COP)が低下する場合がある。本実施形態において、被加熱媒体及び作動流体の状態に応じて、ヒートポンプが個別の加熱部(放熱部)を有することにより、入出力温度差を抑え、ボイラに比べて高いエネルギー効率で蒸気を発生させることができる。第2蒸発部22Bの内部空間が負圧状態であるという条件により、加熱温度領域(入出力温度差)を比較的狭く設定し、高いCOPでのヒートポンプ10の使用が可能である。例えば、加温部21への水の供給温度は約80℃であり、加温部21からの水の出口温度(第1蒸発部22Aへの水の入口温度)は約90℃である。上記数値は理解のための一例であって本発明はこれに限定されない。
なお、ヒートポンプ10の放熱部及び供給ユニット20の蒸発部の数は、2つに限らず、作動流体の特性に応じて適宜設定される。また、供給源からの水の供給温度が比較的高い場合など、加温部21(第3放熱部13C)を省略することも可能である。
本実施形態において、バイパス経路17を介して作動流体の一部が第1熱交換器41を迂回することにより、第1熱交換器41への作動流体の流入量が制御される。バイパス経路17を流れる作動流体は、再生器18において、ヒートポンプ10の主経路15を流れる吸熱部11からの作動流体と熱交換する。この熱交換により、バイパス経路17内の作動流体の温度が降下し(例えば約20℃)、ヒートポンプ10の主経路15内の作動流体の温度が上昇する(例えば約95℃)。圧縮部12に対する作動流体の入力温度の上昇により、圧縮部12の動力の低減が図られる。なお、作動流体のバイパス量は、被加熱流体及び作動流体の各物性値(比熱など)に応じて定められる。
また、本実施形態において、再生器18で温度降下したバイパス経路17内の作動流体(例えば約20℃)は、膨張部14の手前で、ヒートポンプ10の主経路15を流れる第1熱交換器41(第3放熱部13C)からの作動流体と合流する。前述したように、第1熱交換器41からの作動流体の出力温度は比較的低く設定される(例えば約30℃)。膨張部14に対する作動流体の入力温度の降下により、作動流体の液ガス比の最適化が図られ、その結果、吸熱部11においてサイクル外の熱源(冷熱供給装置90の放熱管91を流れる媒体)から有効に熱が吸収される。
このように、本実施形態において、水の蒸発に用いた後の作動流体が水の加温と作動流体の再生とに用いられることにより、熱の有効利用が図られる。
図1に戻り、第1蒸発部22Aは、ダクト29Aを介して圧縮機30の出口ポートに接続されたダクト37に接続されている。第1蒸発部22Aからの蒸気は、ダクト29Aによって圧縮機30の下流位置に導かれる。第2蒸発部22Bは、ダクト29Bを介して圧縮機30の入口ポートに流体的に接続されている。前述したように、第2蒸発部22Bの内部空間は、ダクト29Bを介して圧縮機30によって吸引される。第2蒸発部22B内の蒸気は、ダクト29B内を介して圧縮機30に導かれる。
圧縮機30としては、軸流圧縮機、遠心圧縮機、レシプロ式圧縮機、ロータリー式圧縮機などの様々な圧縮機が適用され、蒸気圧縮に適するものが用いられる。圧縮機30は、第1蒸発部22Aからの蒸気を圧縮し、昇圧した蒸気を下流に流す。
圧縮機30及び/又は供給ユニット20には、蒸気に対して水(温水)を供給するノズル35が、必要に応じて配設される。ノズル35の配設位置は、例えば、圧縮機30の入口及び/又は出口である。圧縮機30が多段式である場合には、ノズル35を圧縮機30の段間に配設することができる。圧縮機30の多段圧縮構造は、蒸気の高温・高圧化に有利である。圧縮機30は、多段の各圧縮部に対応する回転数が個々に制御される多軸圧縮構造を有することができる。あるいは、圧縮機30は、同軸の多段圧縮構造を有することができる。各圧縮部の圧縮比(圧力比)は、蒸気生成システムS1の仕様に応じて設定される。本実施形態において、ノズル35と分岐経路25Aとを導管36を介して流体的に接続することができる。この導管構成では、ポンプ26で加圧された比較的高温度を有する分岐経路25A内の液体がノズル35への供給に有効利用される。
図7は、蒸気生成システムS1による水の状態変化の一例を示す T-s 線図である。
図7に示すように、加温部21及びポンプ26(図1参照)によって比較的高圧P2下の沸点近くまで温度上昇した水が、第1蒸発部22A(図1参照)において温度一定のまま相変化して飽和蒸気d2が生成される。一方、加温部21によって比較的低圧P0下の沸点近くまで温度上昇した水は、第2蒸発部22B(図1参照)において温度一定のまま相変化し飽和蒸気d0が生成される。第2蒸発部22Bからの飽和蒸気d0は、圧縮機30(図1参照)による圧縮で比較的高圧力かつ高温の蒸気(過熱蒸気e2)になる。その過熱蒸気e2を冷却することにより、第1蒸発部22Aからの飽和蒸気d2と同様の飽和蒸気を得ることができる。過熱蒸気e2の冷却に、液状の水または温水を直接混入することにより、蒸気のボリュームが増加する。この例では、例えば、圧縮機30の出口において蒸気に対して水または温水が供給される。
水または温水の供給量及びタイミングの最適化により、比較的低圧力かつ低温度の飽和蒸気d0から比較的高圧力かつ高温度の飽和蒸気d2への変化を、より直接的にできる。例えば、圧縮機30の入口で適量の水または温水が蒸気に供給されることにより、圧縮機30の入口での飽和蒸気d0が、圧縮機30の出口で飽和蒸気d2に変化する(図7の破線c1(スプレー)及びc2(圧縮))。または、圧縮機30の中間で圧縮機30の段落ごとに適量の水または温水が蒸気に供給されることにより、圧縮機30の入口での飽和蒸気d0が、圧縮機30の出口で飽和蒸気d2に変化する(図7の破線b)。すなわち、圧縮機30による圧縮と水または温水による冷却との組み合わせの最適化により、効率良く圧縮機30から飽和状態に近い蒸気を生成することができる。
図1に戻り、本実施形態において、第1蒸発部22Aからの蒸気と、第2蒸発部22Bからの蒸気が圧縮機30の下流のダクト37において混合される。上述したように、圧縮機30及び水供給によって、第2蒸発部22Bからの蒸気を、第1蒸発部22Aからの飽和蒸気と同様の飽和蒸気にし、ダクト37から比較的高圧の飽和蒸気を排出できる。また、図7を用いた説明から明らかなように、飽和蒸気及び過熱蒸気のいずれも容易に取り出すことができる。つまり、蒸気生成システムS1は、蒸気仕様に対する柔軟性が高い。蒸気生成システムS1からの蒸気は、外部の所定施設、例えば製造プラント、調理施設、空調設備、発電プラントなどに供給される。
次に、本発明の第2実施形態について図面を参照して説明する。
図8は、第1実施形態の変形例である、第2実施形態にかかる蒸気生成システムS2を示す概略図である。以下の説明では、上記実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
図8に示すように、蒸気生成システムS2において、供給ユニット20の第1及び第2蒸発部22A,22Bは、被加熱媒体としての水を貯溜するタンク47A,47Bをそれぞれ有する。各タンク47A,47Bには、水の供給口(不図示)と、蒸気の排出口(不図示)とが設けられる。タンク47Aの供給口には、分岐経路25Aが流体的に接続され、タンク47Aの排出口には、ダクト29Aが流体的に接続される。タンク47Bの供給口には、分岐経路25Bが流体的に接続され、タンク47Bの排出口には、ダクト29Bが流体的に接続される。各タンク47A,47Bは、必要に応じて、液面を計測するレベルセンサ(不図示)と、内部の水(蒸気)の温度に相当する情報を計測するセンサ(不図示)と、必要に応じて気液分離器(不図示)とを有する。レベルセンサ、及びセンサからの情報は、制御装置70に送られる。第1蒸発部22Aのタンク47Aには、ヒートポンプ10の第1放熱部13Aが配設される。第2蒸発部22Bのタンク47Bには、ヒートポンプ10の第2放熱部13Bが配設される。ヒートポンプ10の各放熱部13A,13Bからの熱は、各タンク47A,47B内の水に伝わる。タンクの数は、蒸気生成システムS2の仕様に応じて設定され、2、3、4、5、6、7、8、9、あるいは10以上である。
本実施形態においても、第1及び第2蒸発部22A,22Bは、ヒートポンプ10の放熱部における作動流体の温度変化に応じて設定された互いに異なる内部圧力を有する。すなわち、タンク47Aの内部圧力に比べて、タンク47Bの内部圧力が低い。本実施形態において、第1蒸発部22Aの内部圧力は、大気圧(1atm=約0.1MPa)に比べて同等もしくは高く、第2蒸発部22Bの内部圧力は、大気圧に比べて低い。ヒートポンプ10の放熱部における作動流体の温度変化に応じて、異なる内部圧力を有する2つの蒸発部22A,22Bを供給ユニット20が有することにより、作動流体と水との間の熱バランスが適性化される。例えば、ヒートポンプ10の放熱部の全体にわたって熱交換時の作動流体と水との間の過度の温度差が回避される。その結果、熱交換効率が高まる。
次に、本発明の第3実施形態について図面を参照して説明する。
図9は、第2実施形態の変形例である、第3実施形態にかかる蒸気生成システムS3を示す概略図である。以下の説明では、上記実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
図9に示すように、蒸気生成システムS3において、供給ユニット20の第1及び第2蒸発部22A,22Bは、図8の第2実施形態と同様に、被加熱媒体としての水を貯溜するタンク47A,47Bをそれぞれ有する。本実施形態において、各タンク47A,47Bには、スプレイノズルを有する散液管48A,48Bが配設される。散液管48Aには、分岐経路25Aが流体的に接続され、タンク47Aに設けられた排出口(不図示)に、ダクト29Aが流体的に接続される。散液管48Bには、分岐経路25Bが流体的に接続され、タンク47Bに設けられた排出口(不図示)に、ダクト29Bが流体的に接続される。各タンク47A,47Bは、必要に応じて、液面を計測するレベルセンサ(不図示)と、内部の水(蒸気)の温度に相当する情報を計測するセンサ(不図示)と、必要に応じて気液分離器(不図示)とを有する。レベルセンサ、及びセンサからの情報は、制御装置70に送られる。第1蒸発部22Aのタンク47Aには、ヒートポンプ10の第1放熱部13Aが配設される。第2蒸発部22Bのタンク47Bには、ヒートポンプ10の第2放熱部13Bが配設される。ヒートポンプ10の各放熱部13A,13Bからの熱は、各タンク47A,47B内の水に伝わる。タンクの数は、蒸気生成システムS3の仕様に応じて設定され、2、3、4、5、6、7、8、9、あるいは10以上である。
本実施形態において、散液管48A,48Bの各スプレイノズルから水が散液される。ノズルの散液パターンは、蒸気生成システムS3の仕様に応じて適宜設定される。各タンク47A,47B内で散液された水は、各放熱部13A,13Bの導管(チューブ)の表面(外面)に付着する。導管内の作動流体の熱が、その表面に付着した水に速やかに伝わり、水が各タンク47A,47B内で蒸発する。
本実施形態においても、第1及び第2蒸発部22A,22Bは、ヒートポンプ10の放熱部における作動流体の温度変化に応じて設定された互いに異なる内部圧力を有する。すなわち、タンク47Aの内部圧力に比べて、タンク47Bの内部圧力が低い。本実施形態において、第1蒸発部22Aの内部圧力は、大気圧(1atm=約0.1MPa)に比べて同等もしくは高く、第2蒸発部22Bの内部圧力は、大気圧に比べて低い。ヒートポンプ10の放熱部における作動流体の温度変化に応じて、異なる内部圧力を有する2つの蒸発部22A,22Bを供給ユニット20が有することにより、作動流体と水との間の熱バランスが適性化される。例えば、ヒートポンプ10の放熱部の全体にわたって熱交換時の作動流体と水との間の過度の温度差が回避される。その結果、熱交換効率が高まる。
次に、本発明の第4実施形態について図面を参照して説明する。
図10は、第1実施形態の変形例である、第4実施形態にかかる蒸気生成システムS4を示す概略図である。以下の説明では、上記実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
図10に示すように、蒸気生成システムS4において、供給ユニット20の第1及び第2蒸発部22A,22Bは、図8の第2実施形態と同様に、被加熱媒体としての水を貯溜するタンク47A,47Bをそれぞれ有する。本実施形態において、第1及び第2蒸発部22A,22Bはさらに、各タンク47A,47Bに流体的に接続された循環配管49A,49Bをそれぞれ有する。各タンク47A,47Bには、水の供給口(不図示)と、蒸気の排出口(不図示)とが設けられる。タンク47Aの供給口には、分岐経路25Aが流体的に接続され、タンク47Aの排出口には、ダクト29Aが流体的に接続される。タンク47Bの供給口には、分岐経路25Bが流体的に接続され、タンク47Bの排出口には、ダクト29Bが流体的に接続される。各タンク47A,47Bは、必要に応じて、液面を計測するレベルセンサ(不図示)と、内部の水(蒸気)の温度に相当する情報を計測するセンサ(不図示)と、必要に応じて気液分離器(不図示)とを有する。レベルセンサ、及びセンサからの情報は、制御装置70に送られる。タンクの数は、蒸気生成システムS4の仕様に応じて設定され、2、3、4、5、6、7、8、9、あるいは10以上である。
本実施形態において、循環配管49A,49Bの各入口端と各出口端とがタンク47A,47Bに流体的にそれぞれ接続される。循環配管の数は、蒸気生成システムS4の仕様に応じて設定され、2、3、4、5、6、7、8、9、あるいは10以上である。循環配管49Aは、ヒートポンプ10の第1放熱部13Aに熱的に接続される蒸発管51Aと、ポンプ52Aと、必要に応じてバルブ53Aとを有する。同様に、循環配管49Bは、ヒートポンプ10の第2放熱部13Bに熱的に接続される蒸発管51Bと、ポンプ52Bと、必要に応じてバルブ53Bとを有する。バルブ53A,53Bは、例えばレギュレータ、流量制御弁、又は開閉バルブである。本実施形態において、蒸発管51A,51Bは、個々に独立してタンク47A又はタンク47Bに流体的に接続される。また、蒸発管51A,51Bは、供給ユニット20に対して並列に配置される。被加熱媒体(水)の熱対流及び/又は外部との差圧などを利用してポンプ52A,52Bの少なくとも1つを省いてもよい。
蒸発管51Aと第1放熱部13Aとを含んで第2熱交換器42が構成される。同様に、蒸発管51Bと第2放熱部13Bとを含んで第3熱交換器43が構成される。第2及び第3熱交換器42,43は、低温の流体(蒸発管51A,51B内の水)と高温の流体(ヒートポンプ10内の作動流体)とが対向して流れる向流型の熱交換方式を有することができる。あるいは、第2及び第3熱交換器42,43は、高温流体と低温流体とが並行して流れる並行流型の熱交換方式を有してもよい。第2及び第3熱交換器42,43の熱交換構造として、公知の様々なものを採用することができる。
図11は、蒸発管51Aにおける水の流量を制御する構成の一例を示す。ヒートポンプ10において、蒸発管51Aに対応する放熱部13Aの出口温度を計測するセンサ71が設けられている。制御装置70は、センサ71の計測結果に基づいて、蒸発管51A用のポンプ52Aを介して蒸発管51Aを流れる単位時間あたりの水の流量を制御する。これにより、放熱部13Aにおける作動流体の出口温度を目標値に設定することができる。放熱部13Aの入口温度を計測するセンサ72を用いてもよい。図10に示す蒸発管51B及び対応する放熱部13Bもこれと同様の構成を採用することができる。
図10に戻り、ヒートポンプ10の放熱部13Aからの熱伝達によって蒸発管51A内の水が加熱され、その水の少なくとも一部が蒸発する。同様に、ヒートポンプ10の放熱部13Bからの熱伝達によって蒸発管51B内の水が加熱され、その水の少なくとも一部が蒸発する。
本実施形態においても、第1及び第2蒸発部22A,22Bは、ヒートポンプ10の放熱部における作動流体の温度変化に応じて設定された互いに異なる内部圧力を有する。すなわち、タンク47Aの内部圧力に比べて、タンク47Bの内部圧力が低い。本実施形態において、第1蒸発部22Aの内部圧力は、大気圧(1atm=約0.1MPa)に比べて同等もしくは高く、第2蒸発部22Bの内部圧力は、大気圧に比べて低い。ヒートポンプ10の放熱部における作動流体の温度変化に応じて、異なる内部圧力を有する2つの蒸発部22A,22Bを供給ユニット20が有することにより、作動流体と水との間の熱バランスが適性化される。例えば、ヒートポンプ10の放熱部の全体にわたって熱交換時の作動流体と水との間の過度の温度差が回避される。その結果、熱交換効率が高まる。
次に、本発明の第5実施形態について図面を参照して説明する。
図12は、第1実施形態の変形例である、第5実施形態にかかる蒸気生成システムS5を示す概略図である。以下の説明では、上記実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
図12に示すように、蒸気生成システムS5において、圧縮部12が作動流体を複数段(本例では2段)で圧縮する構造を有する。本実施形態において、圧縮部12は、第1放熱部13Aの前に配置される第1圧縮部12Aと、第1放熱部と第2放熱部との間に配置される第2圧縮部12Bとを有する。圧縮の段数は、2に限定されない。蒸気発生システムの仕様に応じて圧縮の段数を設定することができ、例えば、圧縮の段数は、2、3、4、5、6、7、8、9、あるいは10以上である。圧縮部12は、各圧縮部12A,12Bに対応する回転数が個々に制御される多軸圧縮構造を有することができる。あるいは、圧縮部12は、同軸圧縮構造を有することができる。各圧縮部12A,12Bの圧縮比(圧力比)は、蒸気発生システムの仕様に応じて設定される。
放熱部13A、13B、13Cは、圧縮部12で圧縮された作動流体が流れる導管を有し、主経路15内を流れる作動流体の熱をサイクル外の熱源に与える。本実施形態において、作動流体の流れ方向に沿って、第1放熱部13A、第2放熱部13B、及び第3放熱部13Cがその順に並んでいる。放熱部の数は、蒸気生成システムS5の仕様に応じて設定され、2、3、4、5、6、7、8、9、10、あるいは11以上である。なお、供給源からの水の供給温度が比較的高い場合など、第3放熱部13C(加温部21)を省略することも可能である。
図13は、第5実施形態における、ヒートポンプ10における作動流体の温度変化と、供給ユニット20における被加熱媒体としての水の温度変化とを対応付けて模式的に示している。
図13に示すように、本実施形態において、第1放熱部13A(図12参照)における作動流体の出口温度t2に比べて第2放熱部13B(図12参照)における作動流体の入口温度t3が高い。これは、第1放熱部13A(図12参照)からの作動流体が第2圧縮部12B(図12参照)によって圧縮されるためである。なお、本実施形態において、第1実施形態と同様に、第1放熱部13Aにおいて、作動流体の入口温度t1に比べて出口温度t2が低く、第2放熱部13Bにおいて、作動流体の入口温度t3に比べて出口温度t4が低い。また、第1放熱部13Aにおける作動流体の入口温度t1に比べて、第2放熱部13Bにおける作動流体の入口温度t3が低い。
本実施形態においても、第1及び第2蒸発部22A,22Bは、ヒートポンプ10の放熱部における作動流体の温度変化に応じて設定された互いに異なる内部圧力を有する。すなわち、第1蒸発部22Aの内部圧力に比べて、第2蒸発部22Bの内部圧力が低い。本実施形態において、第1蒸発部22Aの内部圧力は、大気圧(1atm=約0.1MPa)に比べて同等もしくは高く、第2蒸発部22Bの内部圧力は、大気圧に比べて低い。ヒートポンプ10の放熱部における作動流体の温度変化に応じて、異なる内部圧力を有する2つの蒸発部22A,22Bを供給ユニット20が有することにより、作動流体と水との間の熱バランスが適性化される。例えば、ヒートポンプ10の放熱部の全体にわたって熱交換時の作動流体と水との間の過度の温度差が回避される。その結果、熱交換効率が高まる。
さらに、本実施形態において、第1放熱部13Aと第2放熱部13Bとの間に設けられた圧縮部12Bによって、作動流体の温度が上昇する。放熱部における作動流体が多段階な温度変化を有することにより、作動流体と水との間の熱バランスがさらに適性化される。例えば、図13に示すように、第2蒸発部22B(図12参照)における作動流体と水との間の温度差を比較的大きく設定することができる。その結果、蒸発部22A,22Bのそれぞれに対して比較的高温度の作動流体が供給される。これは水の蒸発促進に有利である。
上記説明において使用した数値は一例であって、本発明はこれに限定されない。
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。上記説明において使用した数値は一例であって、本発明はこれに限定されない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の請求の範囲によってのみ限定される。
第1実施形態を示す概略図である。 ヒートポンプの放熱部を流れる作動流体の温度変化を模式的に示す図である。 ヒートポンプの放熱部を流れる作動流体の温度変化を模式的に示す図である。 ヒートポンプの放熱部を流れる作動流体の温度変化を模式的に示す図である。 ヒートポンプの放熱部を流れる作動流体の温度変化を模式的に示す図である。 供給ユニットにおける被加熱媒体としての水の温度変化を、ヒートポンプにおける作動流体の温度に対応付けて模式的に示す図である。 蒸気生成システムによる水の状態変化の一例を示す T-s 線図である。 第2実施形態を示す概略図である。 第3実施形態を示す概略図である。 第4実施形態を示す概略図である。 蒸発管における水の流量を制御する構成の一例を示す図である。 第5実施形態を示す概略図である。 第5実施形態における、ヒートポンプにおける作動流体の温度変化と、供給ユニットにおける被加熱媒体としての水の温度変化とを対応付けて模式的に示す図である。
符号の説明
S1,S2,S3,S4…蒸気生成システム、10…ヒートポンプ、11…吸熱部、12…圧縮部、13A〜13C…放熱部、14…膨張部、15…主経路、17…バイパス経路、18…再生器、20…供給ユニット、21…加温部、22A…第1蒸発部、22B…第2蒸発部、30…圧縮機、41〜43…熱交換器、47A,47B…タンク、70…制御装置。

Claims (3)

  1. 第1流体が流れるヒートポンプを有する第1ユニットと、
    第2流体が流れる第2ユニットと、を備え、
    前記第2ユニットは、
    前記ヒートポンプに熱的に接続され、前記第2流体が蒸発する第1蒸発部と、
    前記ヒートポンプに熱的に接続され、前記第1蒸発部に比べて低い内部圧力を有し、前記第2流体が蒸発する第2蒸発部と、
    少なくとも前記第2蒸発部内のガスを吸引する圧縮機と、を備え、
    前記第1及び第2蒸発部は、前記ヒートポンプの放熱部における前記第1流体の温度変化に応じて設定された異なる内部圧力を有し、
    前記第1蒸発部は、大気圧と同等の内部圧力又は大気圧に比べて高い前記内部圧力を有し、前記第2蒸発部は、大気圧に比べて低い前記内部圧力を有し、
    前記第2ユニットは、前記ヒートポンプに熱的に接続され、前記ヒートポンプからの伝達熱によって前記第2流体を加温する加温部と、前記加温部からの前記第2流体を前記第1蒸発部及び前記第2蒸発部に導く分岐経路と、前記分岐経路上に配設されるポンプと、をさらに備え、
    前記第1蒸発部の前記内部圧力は、前記ポンプが前記分岐経路に供給される前記第2流体の加圧を制御することで設定され、且つ前記加圧により前記第2流体が温度上昇することを特徴とする蒸気生成システム。
  2. 前記圧縮機の少なくとも出口には、前記分岐経路における前記ポンプの下流に導管を介して流体的に接続されたノズルから前記第2流体が供給されることを特徴とする請求項1に記載の蒸気生成システム。
  3. 前記第2ユニットは、前記第1蒸発部からの前記第2流体を前記圧縮機の下流位置に導く経路をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の蒸気生成システム。
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