JP5200525B2 - 蒸気生成システム - Google Patents

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Description

本発明は、蒸気生成システムに関する。
蒸気生成システムとしては、ボイラで燃料を燃焼させて被加熱流体を加熱する構成が一般的に知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−249450号公報
ボイラのエネルギー効率は一般に約0.8(80%)である。環境問題に対する意識の高まりとともに、蒸気生成システムに関して、より一層のエネルギー効率の向上が望まれている。
本発明は、エネルギー効率の高い蒸気生成システムを提供することを目的とする。
本発明の態様に従えば、第1流体が流れる管を有するヒートポンプと、第2流体が蒸発する蒸発ユニットであり、その内部に前記管の少なくとも一部が配置される容器と、前記管の外面に前記第2流体を供給する供給部とを有する前記蒸発ユニットと、を備え、前記管は、前記容器内で重力方向に沿って並ぶ複数の層を有し、前記重力方向に沿って、高い位置の層に属する前記管からの前記第2流体が低い位置の層に属する前記管に付着し、前記供給部は、最も高い位置の層に属する前記管に前記第2流体を供給する上部ユニットと、別の層に属する前記管に前記第2流体を供給する中間ユニットとを有し、高い位置の層に属する前記管の外面からの前記第2流体の蒸発量に応じて、低い位置の層に属する前記管に対する前記中間ユニットからの前記第2流体の供給量が設定される蒸気生成システムが提供される。
この態様によれば、被加熱媒体である第2流体が管内を流れる形態に比べて、第1流体−第2流体の界面を広くできる。また、第2流体が流れる空間における圧力損失に起因した蒸発温度の変化が抑制される。これらは、比較的低温度レベルの熱源を用いた蒸発プロセスに有利である。
図1は、第1実施形態にかかる蒸気生成システムS1を示す概略図である。図1において、蒸気生成システムS1は、作動流体(作動媒体、第1流体)が流れるヒートポンプ10と、被加熱流体(被加熱媒体、第2流体)の供給ユニット20と、制御装置70とを備える。本実施形態において、被加熱流体は水である。制御装置70は、システム全体を統括的に制御する。蒸気生成システムS1の構成は、蒸気生成システムS1の設計要求に応じて様々に変更可能である。
ヒートポンプ10は、蒸発、圧縮、凝縮、及び膨張の各工程からなるサイクルにより、低温の物体から熱を汲み上げ、高温の物体に熱を与える装置である。ヒートポンプは一般に、エネルギー効率が比較的高く、結果として、二酸化炭素等の排出量が比較的少ないという利点を有する。
本実施形態において、ヒートポンプ10は、吸熱部11、圧縮部12、放熱部(第1放熱部13A、第2放熱部13B)、及び膨張部14を有し、これらは導管を介して接続されている。
吸熱部11では、主経路15内を流れる作動流体がサイクル外の熱源の熱を吸収する。本実施形態において、ヒートポンプ10の吸熱部11は、大気の熱を吸収する。ヒートポンプ10の吸熱部11が外部の装置からの熱(排熱など)を吸収する構成とすることもできる。
圧縮部12は、圧縮機等によって作動流体を圧縮する。この際、通常、作動流体の温度が上がる。圧縮部12は、作動流体を単段又は複数段に圧縮する構造を有する。圧縮の段数は、蒸気生成システムS1の仕様に応じて設定され、1、2、3、4、5、6、7、8、9、あるいは10以上である。圧縮部12は、軸流圧縮機、遠心圧縮機、レシプロ式圧縮機、ロータリー式圧縮機などの様々な圧縮機のうち、作動流体の圧縮に適するものが適用される。圧縮機には動力が供給される。圧縮部12の圧縮比(圧力比)は、蒸気生成システムS1の仕様に応じて設定される。
放熱部13A,13Bは、圧縮部12で圧縮された作動流体が流れる導管を有し、主経路15内を流れる作動流体の熱をサイクル外の熱源に与える。本実施形態において、作動流体の流れ方向に沿って、第1放熱部13A、及び第2放熱部13Bがその順に並んでいる。放熱部の数は、蒸気生成システムS1の仕様に応じて設定され、2、3、4、5、6、7、8、9、10、あるいは11以上である。
膨張部14は、減圧弁またはタービン等によって作動流体を膨張させる。この際、通常、作動流体の温度が下がる。タービンを使用した場合には膨張部14から動力を取り出すことができ、その動力を例えば圧縮部12に供給してもよい。ヒートポンプ10に使用される作動流体として、フロン系媒体、アンモニア、水、二酸化炭素、空気などの公知の様々な熱媒体が、蒸気生成システムS1の仕様及び熱バランスなどに応じて用いられる。
供給ユニット20は、加温部21と、蒸発ユニット22と、圧縮機30とを有する。
加温部21は、ヒートポンプ10の第2放熱部13Bに熱的に接続されかつ供給源(不図示)からの水が流れる導管を含む。例えば、加温部21の導管が第2放熱部13Bの導管に接触あるいは隣接して配置される。加温部21と第2放熱部13Bとを含んで第1熱交換器41が構成される。第1熱交換器41は、低温の流体(供給ユニット20内の水)と高温の流体(ヒートポンプ10内の作動流体)とが対向して流れる向流型の熱交換方式を有することができる。あるいは、第1熱交換器41は、高温流体と低温流体とが並行して流れる並行流型の熱交換方式を有してもよい。本実施形態において、ヒートポンプ10の第2放熱部13Bの導管の内部に、加温部21の導管が配設されている。加温部21において、ヒートポンプ10の第2放熱部13Bからの伝達熱によって、供給ユニット20内の水が温度上昇する。なお、他の実施形態において、第1熱交換器41は、別の熱交換構造を採用することができる。例えば、第2放熱部13Bの導管を、加温部21の導管の外周面に配設することができる。
蒸発ユニット22は、チャンバ120と、散液機構160とを備える。本実施形態において、蒸発ユニット22は、必要に応じて、ミストセパレータ180などの他の要素を備えることができる。
本実施形態において、ヒートポンプ10の第1放熱部13Aの導管の一部(熱交換チューブ140)がチャンバ120内に配置される。散液機構160は、チューブ140に向けて水を散布する。
蒸発ユニット22において、熱を有する作動流体がチューブ140内を流れるとともに、散液機構160からの水がチューブ140の外表面に供給される。チューブ140を介して熱流体の熱がチューブ140の外面に付着した水に伝わる。チューブ140の外面において、加熱された水が蒸発する。すなわち、チャンバ120の内部空間において、チューブ140の外で水が蒸発する。蒸気は、例えばチャンバ120に設けられた開口122からダクト37を介して外部に排出される。
ここで、チャンバ120における水の飽和温度(沸騰温度)と熱源であるチューブ140(第1放熱部13A)を流れる作動流体の温度との差は、比較的小さく、例えば約5℃〜15℃、約15℃〜25℃、約25℃〜35℃、約35℃〜45℃、約45℃〜55℃、約55℃〜約65℃、約65℃〜約75℃、約75℃〜約85℃、約85℃〜約95℃、又は約95℃以上である。
このような形態の蒸発ユニット22は、被加熱媒体(水)が管内を流れる形態に比べて、水−蒸気の界面を広くできる。これは、比較的低温度レベルの熱源を用いた蒸発プロセスに有利である。
また、このような形態の蒸発ユニット22は、水又は蒸気の流れに対する圧力損失が小さいという利点を有する。水側の圧力損失に起因した蒸発温度の変化が抑制されることにより、ピンチ温度に対する懸念を抑え、蒸発プロセスの安定性の向上が図られる。
また、蒸発ユニット22では、被加熱媒体(水)がチューブ140の外を流れるので、水側で発生したスケール(scale)による詰まりが生じにくい。
チャンバ120の内部空間は、大気圧と同等にでき、これは、チャンバ120の薄肉化・軽量化に有利である。本実施形態において、チャンバ120の内圧は、例えば約0.1MPa(1atm)である。他の実施形態において、チャンバ120の内圧は、大気圧に比べて高く、又は低くすることもできる。負圧の場合、その内圧は、例えば、約0.09、0.08、0.07、又は0.06MPa以下にできる。高圧の場合、その内圧は、例えば、約0.12、0.14、0.16、0.2、0.4、0.8、1.0、又は2.0MPa以上にできる。
チャンバ120の外形は、丸みを帯びた角を必要に応じて有する、概略的な筒形状を有することができる。本実施形態において、筒形状を有するチャンバ120の軸方向は重力方向(Z方向)に実質的に一致する。チャンバ120の周面に、周方向に延びる波形あるいは凹凸を設けることにより、高い耐圧強度を有するチャンバ120を、比較的薄い材料を用いて形成することが可能である。薄い材料で形成されたチャンバ120は、装置コスト低減に有利である。例えば、チャンバ120の構成部材の厚さは、10mm、9mm、8mm、7mm、6mm、5mm、4mm、3mm、2mm、又は1mm以下である。他の実施形態において、チャンバ120の横断面形状は、円状、楕円状、矩形状、又は他の形状を有することができる。
このような蒸気生成システムS1において、供給源からの水が第1熱交換器41でヒートポンプ10の第2放熱部13Bからの熱によって沸点近くまで温度上昇する。その温水は散液機構160に供給される。チャンバ120において、ヒートポンプ10の第1放熱部13Aからの熱によって水が相変化して蒸発する。
ボイラのエネルギー効率が一般に約0.7〜0.8(70〜80%)であるのに対して、ヒートポンプのエネルギー効率としての成績係数(COP:coefficient of performance)は一般に2.5〜5.0である。ヒートポンプの成績係数は、被加熱媒体(水)の入出力温度差に応じて変化し、その温度差が過度に大きいと成績係数(COP)が低下する場合がある。本実施形態において、被加熱媒体及び作動流体の状態に応じて、ヒートポンプが個別の加熱部(放熱部)を有する点などにより、入出力温度差を抑え、ボイラに比べて高いエネルギー効率で蒸気を発生させることができる。加温部21への水の供給温度は例えば約20℃であり、加温部21からの水の出口温度(蒸発ユニット22への水の入口温度)は例えば約90〜95℃である。上記数値は理解のための一例であって本発明はこれに限定されない。
なお、ヒートポンプ10の放熱部及び供給ユニット20の蒸発部の数は、作動流体の特性に応じて適宜設定される。また、供給源からの水の供給温度が比較的高い場合など、加温部21(第2放熱部13B)を省略することも可能である。
本実施形態において、水の顕熱加熱が主に第1熱交換器41(加温部21)で行われ、水の潜熱加熱が主に蒸発ユニット22で行われる。そのため、第2放熱部13Bを含む第1熱交換器41が顕熱交換に適した形態であり、第1放熱部13A、蒸発ユニット22などを含む熱交換ユニットが潜熱交換に適した形態であるといった、装置構成の最適化が図られ、これに応じて、好ましい加熱プロセスを経て蒸気が発生する。蒸気生成システムS1からの蒸気は、外部の所定施設、例えば製造プラント、調理施設、空調設備、発電プラントなどに供給される。
図2は、蒸発ユニット22を示す模式図である。図2に示すように、熱交換チューブ140は、チャンバ120内に、チャンバ120の軸方向(重力方向)に沿って多段の層状に配置される。チャンバ120内には、ヘッダパイプ142,144が設けられている。ヘッダパイプ142,144は、チャンバ120の軸方向に沿って延びた筒形状を有し、互いに離間して配置されている。
各層のチューブ140の一端が第1ヘッダパイプ142に流体的に接続され、各層のチューブ140の他端が第2ヘッダパイプ144に流体的に接続されている。第1ヘッダパイプ142に供給された高温の熱流体(作動流体)が分岐し、各層のチューブ140を流れる。チューブ140からの熱流体が第2ヘッダパイプ144で合流する。チューブ140の構成部材としては、高い熱伝導率を有する金属チューブ(例えば、銅チューブ、アルミニウムチューブ)が好ましく用いられる。
また、チューブ140は、表面が滑らかな素チューブ、表面に網状の部材が配設された網付チューブ、多数の溝が表面に形成された溝付チューブ、多数のフィンが表面に設けられたフィンチューブのいずれでもよい。網、溝、及びフィンなどがチューブ140の表面に設けられることにより、チューブ140における表面積の拡大、及び熱交換の促進が図られる。また、チューブ140の表面に対して熱交換に適した処理を施してもよい。チューブ140の表面の少なくとも1部を親液処理してもよく、撥液処理してもよい。例えば、チューブ140の表面のうち、上方領域を親液処理し、下方領域を撥液処理してもよい。
図3A、図3B、図3C、及び図3Dは、チューブ140の構成例を模式的に示す平面図である。図3A〜3Dにおいて、X方向及びY方向を含む面(XY平面)は水平面に実質的に一致する。
図3Aにおいて、チューブ140は、X方向に沿って延びかつY方向に沿って互いに並ぶ複数の線要素151と、線要素151同士を流体的につなぐ屈曲要素153とを有する。線要素151は、互いに実質的平行でもよく、互いに非平行でもよい。図3Aにおいて、チャンバ120は、矩形の断面形状を有する。第1ヘッダパイプ142は、チャンバ120における1つの角に隣接して配置される。第2ヘッダパイプ144は、第1ヘッダパイプ142に隣接する角と対向するチャンバ120における別の角に隣接して配置される。例えば、折り曲げ加工あるいは溶接加工を用いることにより、線要素151及び屈曲要素153を有するチューブを形成することができる。重力方向(Z方向)の各層において、チューブ140は、同様の形状を有することができる。
図3Bにおいて、チャンバ120は、円形の断面形状を有する。チューブ140は、図3Bと同様に、X方向に沿って延びかつY方向に沿って互いに並ぶ複数の線要素155と、線要素151同士を流体的につなぐ屈曲要素157とを有する。線要素151は、互いに実質的平行でもよく、互いに非平行でもよい。第1ヘッダパイプ142は、チャンバ120の内周面に隣接して配置される。第2ヘッダパイプ144は、第1ヘッダパイプ142に対向する、チャンバ120の内周面に隣接する位置に配置される。例えば、折り曲げ加工あるいは溶接加工を用いることにより、線要素155及び屈曲要素157を有するチューブを形成することができる。図3Bにおいて、第1ヘッダパイプ142と第2ヘッダパイプ144とを結ぶ線は、チューブ140の線要素155の軸と交差する。チューブ140の屈曲要素157は、チャンバ120の内周面に隣接して配置される。重力方向(Z方向)の各層において、チューブ140は、同様の形状を有することができる。
図3Cにおいて、チャンバ120は、円形の断面形状を有する。チューブ140は、スパイラル状に延びる湾曲要素159を有する。湾曲要素159のスパイラルの中心は、チャンバ120の軸心に概ね一致することができる。換言すると、チャンバ120の径方向に沿って、チューブ140の要素が同心円状に並ぶ。例えば、折り曲げ加工あるいは溶接加工を用いることにより、湾曲要素159を有するチューブを形成することができる。第1ヘッダパイプ142は、チャンバ120の軸心付近に配置される。第2ヘッダパイプ144は、チャンバ120の内周面に隣接して配置される。重力方向(Z方向)の各層において、チューブ140は、同様の形状を有することができる。
図3Dにおいて、チューブ140は、水平方向に並びかつ水がそれぞれ流れる複数の水平群140A,140Bを有する。各水平群140A,140Bは、X方向に沿って延びかつY方向に沿って互いに並ぶ複数の線要素151と、線要素151同士を流体的につなぐ屈曲要素153とを有する。線要素151は、互いに実質的平行でもよく、互いに非平行でもよい。図2Dにおいて、チャンバ120は、矩形の断面形状を有する。例えば、折り曲げ加工あるいは溶接加工を用いることにより、線要素151及び屈曲要素153を有するチューブを形成することができる。
第1ヘッダパイプ142からの熱流体の一部は、第2ヘッダパイプ144に向けて水平群140Aを流れる。第1ヘッダパイプ142からの熱流体の別の一部は、第2ヘッダパイプ144に向けて水平群140Bを流れる。ある層において、チューブ140の流路が複数の水平群140A,140Bに分かれていることにより、所定領域内における、第1ヘッダパイプ142から第2ヘッダパイプ144までのチューブ140の軸長さ、すなわち熱交換長さを比較的短くできる。これにより、チューブ140を流れる熱流体が放熱に伴って温度変化する場合における、チューブ140の下流領域での熱流体の温度低下が抑制される。これは、チューブ140の下流領域での熱伝達の低下を抑制するのに有利である。
チューブ140の複数の水平群は、X方向、Y方向、及びその傾き方向のいずれに沿って並んでもよい。他の実施形態において、複数の水平群は、X方向、Y方向の両方に沿って並ぶことができる。水平群140A,140Bの数は2に限定されない。水平群の数は、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10以上にできる。また、水平群140A,140Bは、図2Dに示される形態に限定されず、様々な形態が適用可能である。
図2Dにおいて、重力方向(Z方向)の各層において、チューブ140は、同様の形状を有することができる。チューブ140の複数の層の間で、チューブ140の分割形態が異なっていてもよい。あるいは、チューブ140は、複数の水平群に分割された流路を有する層と、非分割の層との両方を有することができる。
図3A〜3Dにおいて、最も高い位置の層に属するチューブ140の真下に、次の層に属するチューブ140の少なくとも1部が位置する。同様に、他の隣接する2つの層の間でもチューブ140同士が少なくとも部分的に重なる。本実施形態において、高い位置の層に属するチューブ140の真下に次の層に属するチューブ140の概ねすべてが位置する。他の実施形態において、その真下の位置からチューブ140の一部がずれて配置できる。すなわち、隣接する2つの層の間で概ねチューブ140全体の配列位置(線要素151の配列位置)が一致してもよく、部分的に不一致でもよい。
なお、図3A〜3Dに示されるチューブ140の構成は例であって、他の構成も適用可能である。
図2に戻り、本実施形態において、チューブ140の層の数は、装置仕様に応じて設定される。層の数は、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10以上にできる。あるいは、層の数は、15、20、25、30、35、40、45、又は50以上にできる。
図2に示すように、散液機構160は、ポンプ162と、複数のノズル164を有する散液配管166と、ポンプ162と配管166とを流体的につなぐ供給配管168とを有する。ポンプ162は、チャンバ120に貯溜した水を汲み上げ、供給配管168を介して散液配管166にその水を送る。配管166のノズル164から水が出る。配管166のノズル164から落下した水がチューブ140の表面(外面)に付着する。チューブ140内の高温流体の熱が、チューブ140の表面に付着した水に伝わり、水の一部がチャンバ120内で蒸発する。
ノズル164は、スプレーノズルでもよく、液柱用ノズル(例えば、孔)でもよい。スプレータイプでは、比較的広い範囲に水を散布することができる。液柱タイプは、液柱の調整(液柱の径、流速、空間密度などの調整)が容易であるという利点を有する。スプレータイプと液柱タイプ以外のタイプのノズルを用いてもよい。複数タイプのノズルを組み合わせてもよい。
散液配管166は、最も高い位置の層に属するチューブ140に向けて水を供給する上部配管166Aと、別の層に属するチューブ140に向けて水を供給する中間配管166B,166C,166D,...とを有する。
本実施形態において、上部配管166Aから最上層に属するチューブ140の外面に向けて水が供給される。最上層のチューブ140で蒸発した水の残りは落下し、次の層のチューブ140の外面に付着する。また、最上層のチューブ140からの水に加えて、次の層に属するチューブ140の外面に向けて中間配管166Bから水が供給される。残りの層に属するチューブ140についても同様に、上段のチューブ140からの水と、中間配管166C,166D,...からの水とがその外面に供給される。
チューブ140の外面に存在する水の膜厚が適正値に比べて小さいと、チューブ140の外面に濡れていない部分が生じる可能性がある。水の膜厚が適正値に比べて大きいと、チューブ140の外面から水が蒸発しにくくなる可能性がある。これらは、熱効率の点で不利である。散液機構160からの水の適切な散布が、高い熱伝達と効率的な蒸気生成とをもたらす。
本実施形態において、中間配管166B,166C,166D,...から水が補充されることにより、各層のチューブ140の外面における水の量の最適化が図られる。高い位置の層に属するチューブ140の外面からの水の蒸発量に応じて、低い位置の層に属するチューブ140に対する中間配管166B,166C,166D,...からの水の供給量が設定される。例えば、ある中間層のチューブ140に対して、その上の層のチューブ140で蒸発した水の量に比べて同程度または多い量の水が中間配管166B,166C,166D,...から供給される。その結果、チューブ140の外表面における部分的な渇きが防止される。適切な量の水が供給された各層のチューブ140の外表面において、水が好ましく蒸発する。
本実施形態において、チューブ140の2つの層に対して1つの中間配管166B,166C,166D,...が配置されている。すなわち、チューブ140の2つの層ごとに、層同士の間のスペースに中間配管166B,166C,166D,...が配置されている。他の実施形態において、チューブ140の層同士の間の各スペースに中間配管が配置することができる。他の実施形態において、層間の複数のスペースの一部に中間配管が配置されてもよい。例えば、複数の層ごとに1つの中間配管が配置されてもよい。
また、散液配管166(上部配管166A,中間配管166B,166C,166D,...)は、チューブ140から離間して配置されてもよく、チューブ140に近接あるいは密着してもよい。散液配管166とチューブ140とが、抱き合わせ構造及び/又は密着構造を有することにより、散液配管166のノズル164が確実にチューブ140の真上に配置されるとともに、散液配管166のノズル164からの水がチューブ140の表面(外面)に確実に付着する。
図4は、ノズル164の配置の一例を示す模式図であり、二次元平面(水平面)内でのノズル164のそれぞれの位置を示している。図4において、ノズル164は、チューブ140に面しかつ互いに離間して配置されている。各ノズル164は、チューブ140のいずれかの部分の真上に位置することができる。こうしたノズル164の配置により、配管166からの水が確実にチューブ140上に落下する。できるだけ多くのノズル164がチューブ140の真上の位置に配置されることが好ましいが、一部のノズル164がチューブ140の真上の位置からずれていてもよい。
本実施形態において、散液機構160は、チューブ140の少なくとも一部の領域においてチューブ140の軸方向において水の供給量がさまざまとなるような(異なるような)形態を有する。すなわち、チューブ140の少なくとも一部の領域に対して、チューブ140内を流れる熱流体の流れ方向に沿って散液機構160からの水の供給量が変化する。本実施形態において、チューブ140における上流側の部分では水の供給量が比較的多く、チューブ140における下流側の部分では水の供給量が比較的少ない。
図4に示すように、チューブ140の軸方向において、ノズル164の配列ピッチがさまざまである。具体的には、チューブ140における熱流体の上流側(第1ヘッダパイプ142に近い側の部分)に配置されるノズル164(水の出口)は、比較的狭い配列ピッチを有し、下流側(第2ヘッダパイプ144に近い側の部分)に配置されるノズル164(水の出口)は、比較的広い配列ピッチを有する。図4において、各ノズル164の散液量(所定の圧力に対する時間あたりの散液量)が実質的に同程度である場合、チューブ140における上流側の部分では水の供給量が比較的多く、下流側の部分では水の供給量が比較的少ない。
図5は、ノズル164の配置の別の例を示す模式図である。図5に示すように、チューブ140の軸方向において、ノズル164の種類及び/又は特性がさまざまである。具体的には、チューブ140における熱流体の上流側(第1ヘッダパイプ142に近い側の部分)には、散液量(所定の圧力に対する時間あたりの散液量)が比較的多いノズル164(水の出口)が配置され、熱流体の下流側(第2ヘッダパイプ144に近い側の部分)には、散液量が比較的少ないノズル164(水の出口)が配置される。図5において、チューブ140の軸方向に沿ったノズル164の配列ピッチが実質的にほぼ一様である場合、チューブ140における上流側の部分では水の供給量が比較的多く、下流側の部分では水の供給量が比較的少ない。
図6は、散液機構160の別の例を示す模式図である。図6に示すように、散液機構160は、チューブ140の軸方向における複数の位置での水の供給量を変化させることができる制御装置70を有する。図6において、散液配管166及びノズル164は、複数の群(ノズル群171A〜171D)にグループ化されている。制御装置70は、第1ノズル群171Aに供給される水量及び/又は圧力を調整する弁172Aと、第2ノズル群171Bに供給される水量及び/又は圧力を調整する弁172Bと、第3ノズル群171Cに供給される水量及び/又は圧力を調整する弁172Cと、第4ノズル群171Dに供給される水量及び/又は圧力を調整する弁172Dと、各弁172A〜172Dを制御するコントローラ174とを有する。
図6において、第1ノズル群171Aは、チューブ140における熱流体の上流側(第1ヘッダパイプ142に近い側の部分)に対応しており、第4ノズル群172Bは、熱流体の下流側(第2ヘッダパイプ144に近い側の部分)に対応している。コントローラ174は、第1ノズル群171Aからの時間あたりの散液量が比較的多く、第2ノズル群171B、第3ノズル群171C、及び第4ノズル群171Dの順に散液量が少なくなるように、各弁171A〜171Dを制御する。
図4〜図6の例で示された1つの形態、または2つ以上を組み合わせた形態を用いることにより、チューブ140内を流れる熱流体の流れ方向に沿って散液機構160からの水の供給量が変化する。すなわち、散液機構160は、チューブ140の少なくとも一部の領域に対して、チューブ140における上流側の部分では水の供給量が比較的多く、チューブ140における下流側の部分では水の供給量が比較的少なくなるように、チューブ140に向けて水を供給する。
本実施形態において、チューブ140の少なくとも一部の領域に対して熱流体が流れるチューブ140の軸方向において水の供給量がさまざまであることにより、比較的低温度レベルの熱源であっても、効率的に水を蒸発させることができる。すなわち、チューブ140の軸方向に沿った全体にわたり、チューブ140の単位長さあたりの水の散布量が適正化され、その結果、熱利用効率の向上が図られる。
チューブ140を流れる熱流体が放熱に伴って温度変化する場合、温度が比較的高いチューブ140の外面部分には、比較的多い量の水が供給され、温度が比較的低いチューブ140の外面部分には、比較的少ない量の水が供給されることができる。例えば、チューブ140を流れる熱流体の少なくとも一部が超臨界流体、もしくは気体である場合には、放熱に伴って熱流体の温度が比較的漸次的に低下しやすい。熱流体の温度変化に応じて、チューブ140の部分ごとに水の供給量が適正化されることにより、高い熱伝達と効率的な蒸気生成とがもたらされる。
本実施形態において、チューブ140に対する水の供給量のプロファイルは、層ごとに変化させることができる。すなわち、低い位置に属するチューブ140に対する軸方向における水の供給量の変化を、高い位置の層に属するチューブ140に対するそれと異なるように設定できる。これにより、チューブ140の軸方向に加え、重力方向においても、チューブ140の全体にわたり、チューブ140の単位長さあたりの水供給量が適正化され、その結果、熱利用効率の向上が図られる。
例えば、最も高い位置の層に属するチューブ140において、軸方向における水の供給量が実質的に一定であり、少なくとも1つの他の層に属するチューブ140において、軸方向における水の供給量がさまざまであるように設定できる。最上段の層に軸方向に一定供給量の水を供給しかつチューブ140を流れる熱流体が放熱に伴って温度変化する場合、その層から落下する水の量(供給量−蒸発量)は、軸方向で異なる。これに対応して、下段の層において、散液機構160は、落下水量が比較的少ない領域に比較的多い量の水を供給することができる。これにより、チューブ140の単位長さあたりの水供給量が適正化され、その結果、熱利用効率の向上が図られる。
次に、本発明の第2実施形態について図面を参照して説明する。
図7は、第2実施形態にかかる蒸気生成システムS2を示す概略図である。以下の説明では、上記実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
本実施形態の蒸気生成システムS2において、蒸発ユニット22のチャンバ120の内部空間が、ダクト23を介して圧縮機30によって吸引される。チャンバ120内で発生した蒸気は、ダクト23を介して圧縮機30に導かれる。
圧縮機30は、ダクト23及びチャンバ120の開口122を介してチャンバ120の気相空間に流体的に接続されている。圧縮機30としては、軸流圧縮機、遠心圧縮機、レシプロ式圧縮機、ロータリー式圧縮機などの様々な圧縮機が適用され、蒸気圧縮に適するものが用いられる。圧縮機30は、チャンバ120からの蒸気を圧縮し、昇圧した蒸気を下流に流す。
圧縮機30による吸引作用により、チャンバ120の内部空間が減圧される。チャンバ120の内部圧力が大気圧に比べて低い負圧(陰圧)となるように、不図示の制御弁(流量制御弁など)や圧縮機30が制御される。この制御は、例えば、チャンバ120の内部圧力を計測するセンサ(不図示)の計測結果に基づいて行われる。
圧縮機30及び/又は供給ユニット20には、蒸気に対して水(温水)を供給するノズル35が、必要に応じて配設される。ノズル35の配設位置は、例えば、圧縮機30の入口及び/又は出口である。圧縮機30が多段式である場合には、ノズル35を圧縮機30の段間に配設することができる。圧縮機30の多段圧縮構造は、蒸気の高温・高圧化に有利である。圧縮機30は、多段の各圧縮部に対応する回転数が個々に制御される多軸圧縮構造を有することができる。あるいは、圧縮機30は、同軸の多段圧縮構造を有することができる。各圧縮部の圧縮比(圧力比)は、蒸気生成システムS2の仕様に応じて設定される。ノズル35からの液体の排出には、ポンプなどの動力源を用いてもよく、液体が流れる導管の入口と出口との圧力差を利用してもよい。
本実施形態において、供給源からの水が、ヒートポンプ10(放熱部13A,13B)による加熱で比較的低圧力かつ低温度の蒸気となり、圧縮機30による圧縮で比較的高圧力かつ高温度の蒸気となる。すなわち、ヒートポンプ10で加熱された水が、圧縮機30による圧縮によってさらに加熱され、これにより、100℃以上の高温蒸気が発生する。
図8は、図7に示す蒸発ユニット22及び圧縮機30における水の状態変化の一例を示す T-s 線図である。図7に示すように、水は、沸点近くまで温度上昇した後、温度一定のまま相変化する。このとき、大気圧(P1=1atm=約0.1MPa)に比べて低い負圧P0の状態において、飽和蒸気d0が発生する。飽和蒸気d0の温度は標準沸点よりも低い、例えば約90℃である。
次に、その飽和蒸気d0は、圧縮機30(図7参照)による圧縮で比較的高圧力かつ高温の蒸気(過熱蒸気e2)になる。すなわち、その圧縮に伴って、蒸気が温度上昇する。過熱蒸気e2の圧力P2は大気圧よりも高い、例えば0.8MPaである。
0.8MPaの過熱蒸気e2を定圧下で冷却することにより、約160℃の飽和蒸気を得ることができる(図8の破線a)。同様に、大気圧(約0.1MPa)の過熱蒸気を定圧下で冷却することにより、約100℃の飽和蒸気d1を得ることができる。上記数値は理解のための一例であって本発明はこれに限定されない。
過熱蒸気から飽和蒸気への冷却に、液状の水または温水を直接混入することにより、蒸気のボリュームが増加する。この場合、例えば、圧縮機30の出口において蒸気に対して水または温水が供給される。
水または温水の供給量及びタイミングの最適化により、比較的低圧力かつ低温度の飽和蒸気d0から比較的高圧力かつ高温度の飽和蒸気d2への変化を、より直接的にできる。例えば、圧縮機30の入口で適量の水または温水が蒸気に供給されることにより、圧縮機30の入口での飽和蒸気d0が、圧縮機30の出口で飽和蒸気d2に変化する(図8の破線c1(スプレー)及びc2(圧縮))。または、圧縮機30の中間で圧縮機30の段落ごとに適量の水または温水が蒸気に供給されることにより、圧縮機30の入口での飽和蒸気d0が、圧縮機30の出口で飽和蒸気d2に変化する(図8の破線b)。すなわち、圧縮機30による圧縮と水または温水による冷却との組み合わせの最適化により、効率良く圧縮機30から飽和状態に近い蒸気を排出することができる。
このように、本実施形態では、ヒートポンプ10及び圧縮機30による順次加熱により、飽和蒸気及び過熱蒸気のいずれも容易に発生させることができる。つまり、蒸気生成システムS2は、蒸気仕様に対する柔軟性が高い。蒸気生成システムS2からの蒸気は、外部の所定施設、例えば製造プラント、調理施設、空調設備、発電プラントなどに供給される。
また、本実施形態において、蒸気発生のための加熱過程の一部を圧縮機30が補うから、高いCOPでヒートポンプ10が使用される。したがって、蒸気生成システムS2は、全体としての一次エネルギーの節減が期待される。
本実施形態において、ヒートポンプ10はさらに、バイパス経路17と、再生器18とを有する。バイパス経路17の入口端がヒートポンプ10の主経路15における第1放熱部13Aと第2放熱部13Bとの間の導管に流体的に接続される。バイパス経路17の出口端が主経路15における第2放熱部13Bと膨張部14との間の導管に流体的に接続される。バイパス経路17の入口に、作動流体のバイパス流量を制御する流量制御弁を設けることができる。バイパス経路17において、第1放熱部13Aからの作動流体の一部が、第2放熱部13Bを迂回し、膨張部14の手前で第2放熱部13Bからの作動流体と合流する。第1放熱部13Aからの残りの作動流体は、第2放熱部13Bを流れ、第2放熱部13Bからの熱が供給ユニット20内の水に伝わる。
再生器18は、バイパス経路17の導管の一部と、ヒートポンプ10の主経路15の導管(吸熱部11と圧縮部12との間の導管)の一部とが熱的に接続された構成を有する。例えば、両導管が互いに接触あるいは隣接して配置される。ヒートポンプ10において、吸熱部11からの作動流体に比べて、第1放熱部13Aからの作動流体は高温である。再生器18において、バイパス経路17を流れる第1放熱部13Aからの作動流体と、ヒートポンプ10の主経路15を流れる吸熱部11からの作動流体とが熱交換する。この熱交換により、バイパス経路17内の作動流体の温度が降下し、主経路15内の作動流体の温度が上昇する。再生器18は、低温の流体(主経路15内の作動流体)と高温の流体(バイパス経路17内の作動流体)とが対向して流れる向流型の熱交換構造を有することができる。あるいは、再生器18は、高温流体と低温流体とが並行して流れる並行流型の熱交換構造を有してもよい。
本実施形態において、バイパス経路17を介して作動流体の一部が第1熱交換器41を迂回することにより、第1熱交換器41への作動流体の流入量が制御される。バイパス経路17を流れる作動流体は、再生器18において、ヒートポンプ10の主経路15を流れる吸熱部11からの作動流体と熱交換する。この熱交換により、バイパス経路17内の作動流体の温度が降下し(例えば約20℃)、ヒートポンプ10の主経路15内の作動流体の温度が上昇する(例えば約95℃)。圧縮部12に対する作動流体の入力温度の上昇により、圧縮部12の動力の低減が図られる。なお、作動流体のバイパス量は、被加熱流体及び作動流体の各物性値(比熱など)に応じて定められる。
また、本実施形態において、再生器18で温度降下したバイパス経路17内の作動流体(例えば約20℃)は、膨張部14の手前で、ヒートポンプ10の主経路15を流れる第1熱交換器41(第2放熱部13B)からの作動流体と合流する。前述したように、第1熱交換器41からの作動流体の出力温度は比較的低く設定される(例えば約30℃)。膨張部14に対する作動流体の入力温度の降下により、作動流体の液ガス比の最適化が図られ、その結果、吸熱部11においてサイクル外の熱源(冷熱供給装置90の放熱管91を流れる媒体)から有効に熱が吸収される。
このように、本実施形態において、水の蒸発に用いた後の作動流体が水の加温と作動流体の再生とに用いられることにより、熱の有効利用が図られる。
なお、ヒートポンプ10の放熱部及び供給ユニット20の蒸発部の数は、作動流体の特性に応じて適宜設定される。また、供給源からの水の供給温度が比較的高い場合など、加温部21(第2放熱部13B)を省略することも可能である。
上記説明において使用した数値は一例であって、本発明はこれに限定されない。
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。上記説明において使用した数値は一例であって、本発明はこれに限定されない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の請求の範囲によってのみ限定される。
第1実施形態を示す概略図である。 蒸発器を示す断面模式図である。 チューブの構成例を模式的に示す平面図である。 チューブの構成例を模式的に示す平面図である。 チューブの構成例を模式的に示す平面図である。 チューブの構成例を模式的に示す平面図である。 ノズルの配置の一例を示す模式図である。 ノズルの配置の別の例を示す模式図である。 散液機構の別の例を示す模式図である。 第2実施形態を示す概略図である。 水の状態変化の一例を示す T-s 線図である。
符号の説明
S1,S2…蒸気生成システム、10…ヒートポンプ、11…吸熱部、12…圧縮部、13A,13B…放熱部、14…膨張部、15…主経路、17…バイパス経路、18…再生器、20…供給ユニット、21…加温部、22…蒸発部、30…圧縮機、41,42…熱交換器、70…制御装置、110…蒸発器、120…チャンバ、122…開口、140…チューブ、142,144…ヘッダパイプ、160…散液機構、162…ポンプ、164…ノズル、166…配管、166A…上部配管(上部ユニット)、166B,166C,166D…中間配管(中間ユニット)、168…供給配管、170…制御装置。

Claims (4)

  1. 第1流体が流れる管を有するヒートポンプと、
    第2流体が蒸発する蒸発ユニットであり、その内部に前記管の少なくとも一部が配置される容器と、前記管の外面に前記第2流体を供給する供給部とを有する前記蒸発ユニットと、
    を備え
    前記管は、前記容器内で重力方向に沿って並ぶ複数の層を有し、
    前記重力方向に沿って、高い位置の層に属する前記管からの前記第2流体が低い位置の層に属する前記管に付着し、
    前記供給部は、最も高い位置の層に属する前記管に前記第2流体を供給する上部ユニットと、別の層に属する前記管に前記第2流体を供給する中間ユニットとを有し、
    高い位置の層に属する前記管の外面からの前記第2流体の蒸発量に応じて、低い位置の層に属する前記管に対する前記中間ユニットからの前記第2流体の供給量が設定されることを特徴とする蒸気生成システム。
  2. 前記複数の層における前記管の蒸発量に応じて、各層に属する前記管に対して軸方向における前記第2流体の供給量が設定されることを特徴とする請求項に記載の蒸気生成システム。
  3. 前記蒸発ユニットにおける前記第1流体の温度と前記容器内における前記第2流体の飽和温度との間の差は、約5℃以上約95℃以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蒸気生成システム。
  4. 前記容器内の圧力は、大気圧と同程度又は大気圧よりも低いことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の蒸気生成システム。
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