JP5239613B2 - 蒸気生成システム - Google Patents

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Description

本発明は、蒸気生成システムに関する。
特許文献1には、ヒートポンプからの伝達熱によって蒸気を生成する蒸気生成システムが開示されている。
特開2007−120914号公報
ヒートポンプを用いた蒸気生成システムでは、吸熱部に供給される熱媒体の温度及び流量の少なくとも1つに応じて成績係数(COP:coefficient of performance)が変化する場合がある。
本発明は、高いエネルギー効率を安定的に発揮することができる蒸気生成システムを提供することを目的とする。
本発明の態様に従えば、第1流体が流れるヒートポンプであり、吸熱部、圧縮部、放熱部、及び膨張部を含む前記ヒートポンプと、第2流体が流れる蒸発ユニットであり、前記第1流体からの伝達熱を受けた前記第2流体が蒸発する蒸発部を含む前記蒸発ユニットと、前記蒸発部に向かう前記第2流体を前記放熱部からの前記第1流体が暖める加温器、前記圧縮部に向かう前記第1流体を前記放熱部からの前記第1流体が暖める再生器、及び前記圧縮部の段間を流れる前記第1流体を前記放熱部からの前記第1流体が冷却する中間冷却器を含む熱回収機構と、を備えることを特徴とする蒸気生成システムが提供される。
この蒸気生成システムによれば、加温器、再生器、及び中間冷却器にて作動流体の熱が有効利用され、したがって、高いエネルギー効率を安定的に発揮することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、第1実施形態にかかる蒸気生成システムを示す概略図である。図1において、蒸気生成システムS1は、作動流体(加熱媒体、第1流体)が流れるヒートポンプ10と、被加熱流体(被加熱媒体、第2流体)の供給系20(蒸発ユニット)と、制御装置70とを備える。本実施形態において、蒸気生成システムS1はさらに、それぞれ後述する熱交換器41(加温器)、再生器18、及び中間冷却器83を有する熱回収機構80を備える。本実施形態において、被加熱流体は水である。制御装置70は、システム全体を統括的に制御する。蒸気生成システムS1の構成は、蒸気生成システムS1の設計要求に応じて様々に変更可能である。
ヒートポンプ10は、蒸発、圧縮、凝縮、及び膨張の各工程からなるサイクルにより、低温の物体から熱を汲み上げ、高温の物体に熱を与える装置である。ヒートポンプは一般に、エネルギー効率が比較的高く、結果として、二酸化炭素等の排出量が比較的少ないという利点を有する。
本実施形態において、ヒートポンプ10は、吸熱部11、圧縮部12、放熱部(第1放熱部13A、第2放熱部13B、第3放熱部13E)、及び膨張部14を有し、これらは導管を介して接続されている。
吸熱部11では、主経路15内を流れる作動流体がサイクル外の熱源の熱を吸収する。本実施形態において、ヒートポンプ10の吸熱部11は、冷熱供給装置90の放熱管91に熱的に接続されている。冷熱供給装置90において、放熱管91を流れる媒体(冷媒など)の熱(温排熱)がヒートポンプ10の吸熱部11に吸収される。冷却された媒体が冷熱供給装置90から所定の設備に供給される。ヒートポンプ10の吸熱部11が大気など他の熱源の熱を吸収する構成とすることもできる。
圧縮部12は、圧縮機等によって作動流体を圧縮する。この際、通常、作動流体の温度が上がる。本実施形態において、圧縮部12は、作動流体を複数段に圧縮する多段圧縮構造を有し、すなわち、第1圧縮部12A及び第2圧縮部12Bを含む2段圧縮構造を有する。圧縮の段数は、蒸気生成システムS1の仕様に応じて設定され、2、3、4、5、6、7、8、9、あるいは10以上である。圧縮部12は、軸流圧縮機、遠心圧縮機、レシプロ式圧縮機、ロータリー式圧縮機などの様々な圧縮機のうち、作動流体の圧縮に適するものが適用される。圧縮機には動力が供給される。圧縮部12は、各圧縮部12A及び12Bに対応する回転数が個々に制御される多軸圧縮構造を有することができる。あるいは、圧縮部12は、同軸圧縮構造を有することができる。圧縮部12の圧縮比(圧力比)は、蒸気生成システムS1の仕様に応じて設定される。
放熱部13A、13B、13Eは、圧縮部12で圧縮された作動流体が流れる導管を有し、主経路15内を流れる作動流体の熱をサイクル外の熱源に与える。本実施形態において、作動流体の流れ方向に沿って、3つの放熱部13A,13B,及び13Eが実質的に直列に配置されている。放熱部の数は、蒸気生成システムS1の仕様に応じて設定され、3、4、5、6、7、8、9、10、あるいは11以上である。第1放熱部13Aは圧縮部12Aと12Bとの段間に配置され、第2放熱部13Bは圧縮部12Bの下流位置に配置され、第3放熱部13Eは、第2放熱部13Bの下流位置に配置される。
膨張部14は、減圧弁またはタービン等によって作動流体を膨張させる。この際、通常、作動流体の温度が下がる。タービンを使用した場合には膨張部14から動力を取り出すことができ、その動力を例えば圧縮部12に供給してもよい。ヒートポンプ10に使用される作動流体として、フロン系媒体(HFC 245fa、R134aなど)、アンモニア、水、二酸化炭素、空気などの公知の様々な熱媒体が、蒸気生成システムS1の仕様及び熱バランスなどに応じて用いられる。ヒートポンプ10の放熱部13A,13Bを流れる作動流体の少なくとも一部が超臨界状態であってもよい。
本実施形態において、ヒートポンプ10はさらに、バイパス経路17と、再生器18とを有する。バイパス経路17の入口端がヒートポンプ10の主経路15における放熱部13A,13Bと第3放熱部13Eとの間の導管に流体的に接続される。バイパス経路17の出口端が主経路15における第3放熱部13Eと膨張部14との間の導管に流体的に接続される。バイパス経路17の入口に、作動流体のバイパス流量を制御する流量制御弁を設けることができる。バイパス経路17において、第1及び第2放熱部13A,13Bからの作動流体の一部が、第3放熱部13Eを迂回し、膨張部14の手前で第3放熱部13Eからの作動流体と合流する。第1及び第2放熱部13A,13Bからの別の作動流体は、第3放熱部13Eを流れ、後述する熱交換器41においてその作動流体と供給系20内の水とが熱交換する。
再生器18は、バイパス経路17の導管の一部と、ヒートポンプ10の主経路15の導管(吸熱部11と圧縮部12との間の導管)の一部とが熱的に接続された構成を有する。例えば、両導管が互いに接触あるいは隣接して配置される。ヒートポンプ10において、吸熱部11からの作動流体に比べて、第1及び第2放熱部13A,13Bからの作動流体は高温である。再生器18において、バイパス経路17を流れる第1及び第2放熱部13A,13Bからの作動流体と、ヒートポンプ10の主経路15を流れる吸熱部11からの作動流体とが熱交換する。この熱交換により、バイパス経路17内の作動流体の温度が降下し、主経路15内の作動流体の温度が上昇する。再生器18は、低温の流体(主経路15内の作動流体)と高温の流体(バイパス経路17内の作動流体)とが対向して流れる向流型の熱交換方式を有することができる。あるいは、再生器18は、高温流体と低温流体とが並行して流れる並行流型の熱交換方式を有してもよい。
本実施形態において、ヒートポンプ10はさらに、圧縮機30の段間を流れる作動流体を冷却するための中間冷却器83を有する。本実施形態において、中間冷却器83は、第2放熱部13Bからの作動流体の一部を減圧する減圧弁(膨張弁)84と、第2放熱部13Bからの作動流体の一部を減圧弁84に導く導管85と、減圧弁84からの作動流体を貯溜するタンク86と、タンク86内の気相部から圧縮部12に作動流体を導く導管87と、タンク86内の液相部から膨張部14に作動流体を導く導管88とを有する。
本実施形態において、導管85の入口端がバイパス経路17の導管に流体的に接続される。他の実施形態において、導管85の入口端はヒートポンプ10の主経路15における放熱部13A,13Bと第3放熱部13Eとの間の導管に流体的に接続できる。導管85の入口に、作動流体のバイパス流量を制御する流量制御弁を設けることができる。本実施形態において、導管85の出口端が減圧弁84の入口部に流体的に接続される。減圧弁84の出口部は、タンク86に流体的に接続される。
導管87の入口端がタンク86の気相位置に流体的に接続される。導管87の出口端が第1圧縮部12Aと第2圧縮部12Bとの間の段間に流体的に接続される。より具体的には、導管87の出口端は、第2圧縮部12Bの入口付近(第1放熱部13Aと第2圧縮部12Bとの間)に流体的に接続される。導管88の入口端がタンク86の液相位置に流体的に接続される。導管88の出口端が膨張部14又はその近傍に流体的に接続される。
中間冷却器83において、第2放熱部13B(第2圧縮部12B)からの作動流体の一部が減圧弁84に向けて導管85を流れる。減圧弁84において、作動流体は、所定の圧力に減圧される。本実施形態において、作動流体は、第1圧縮部12Aと第2圧縮部12Bとの間の段間内の圧力と実質的に同程度の圧力に減圧される。減圧された作動流体の温度が降下する。例えば、減圧弁84の入口における流体温度は約102℃であり、出口における流体温度は約70℃である。上記数値は理解を助けるための一例であって本発明はこれに限定されない。タンク86内に、飽和液(液相)と飽和蒸気(気相)とが貯溜される。
ここで、本実施形態において、膨張部14は、第1膨張弁14A及び第2膨張弁14Bを有する。第1膨張弁14Aは、第3放熱部13Eからの作動流体とバイパス経路17からの作動流体との合流地点の下流位置に配置される。第1膨張弁14Aの出口圧力は、減圧弁84の出口圧力と実質的に同程度(すなわち、第1圧縮部12Aと第2圧縮部12Bとの間の段間内の圧力と実質的に同程度)である。第2膨張弁14Bは、第1膨張弁14Aの下流位置に配置される。第1膨張弁14Aと第2膨張弁14Bとの間の導管14Zに中間冷却器83の導管88の出口端が流体的に接続される。導管14Zにおいて、第1膨張弁14Aからの作動流体と中間冷却器83からの飽和液とが合流する。合流した流体が第2膨張弁14Bに入る。第2膨張弁14Bはその流体をさらに減圧する。
中間冷却器83において、タンク86から導管87を介して飽和蒸気が圧縮部12の段間に向けて流れる。圧縮部12の段間に飽和蒸気が供給されることにより、段間を流れる作動流体の温度が下がる。例えば、第1放熱部13Aからの作動流体の温度は約102℃であり、冷却流体が投入された後の作動流体の温度(第2圧縮部12Bの入口温度)は約95℃である。上記数値は理解を助けるための一例であって本発明はこれに限定されない。多段圧縮機において、効果的な中間冷却は、圧縮動力の低減に有利である。
供給系20(蒸発ユニット)は、加温部21と、蒸発部22と、必要に応じて、圧縮機30(吸引装置)と、蒸発部22と圧縮機30とを流体的に接続するダクト23と、必要に応じて流体駆動部(不図示)とを有する。
加温部21は、ヒートポンプ10の第3放熱部13Eに熱的に接続されかつ供給源(不図示)からの水が流れる導管を含む。加温部21と第3放熱部13Eとを含んで熱交換器41(加温器、熱交換装置)が構成される。すなわち、熱交換器41は、供給系20の導管の一部(加温部21)と、ヒートポンプ10の主経路15の導管の一部(第3放熱部13E)とが熱的に接続された構成を有する。熱交換器41は、低温の流体(供給系20内の水)と高温の流体(ヒートポンプ10内の作動流体)とが対向して流れる向流型の熱交換方式を有することができる。あるいは、熱交換器41は、高温流体と低温流体とが並行して流れる並行流型の熱交換方式を有してもよい。本実施形態において、熱交換器41の熱交換構造として、公知の様々なものを採用することができる。加温部21の導管と第3放熱部13Eの導管とは互いに接触あるいは隣接して配置される。例えば、第3放熱部13Eの導管を、加温部21の導管の外周面や内部に配設することができる。加温部21において、ヒートポンプ10の第3放熱部13Eからの伝達熱によって、供給系20内の水が温度上昇する。
蒸発部22は、少なくとも液状の被加熱流体(水)を貯溜するタンク47と、タンク47に流体的に接続された循環導管48とを有する。加温部21とタンク47との間には、必要に応じて脱気槽(不図示)と、流体駆動部(不図示)とが配置される。タンク47は、必要に応じて、液面を計測するレベルセンサ50と、気液分離器(不図示)とを有することができる。
タンク47または循環導管48には、加温部21からの水の供給口と、蒸気の排出口とが設けられる。循環導管48の入口端と出口端とはそれぞれタンク47に接続される。循環導管48は、ヒートポンプ10の第1放熱部13A及び第2放熱部13Bに熱的に接続される被加熱管51と、必要に応じて、ポンプ(不図示)と、バルブ(不図示)とを有する。被加熱流体(水)の熱対流及び/又は外部との差圧などを利用してポンプを省いてもよい。
本実施形態において、被加熱管51と第1放熱部13Aと第2放熱部13Bとを含んで熱交換器45(熱交換装置)が構成される。すなわち、熱交換器45において、ヒートポンプ10の第1放熱部13A及び第2放熱部13Bと蒸発部22の被加熱管51とが熱的に接続される。第1放熱部13A及び第2放熱部13Bを流れる作動流体からの熱が被加熱管51を流れる水に伝わる。熱交換器45は、低温の流体(被加熱管51内の水)と高温の流体(ヒートポンプ10内の作動流体)とが対向して流れる向流型の熱交換方式を有することができる。あるいは、熱交換器41は、高温流体と低温流体とが並行して流れる並行流型の熱交換方式を有してもよい。熱交換器41の熱交換構造として、公知の様々なものを採用することができる。ヒートポンプ10の第1放熱部13A又は第2放熱部13Bの導管と、被加熱管51とは互いに接触あるいは隣接して配置される。例えば、ヒートポンプ10の第1放熱部13A又は第2放熱部13Bの導管を、被加熱管51の外周面や内部に配設することができる。
蒸発部22において、加温部21で温度上昇した水が供給口を介してタンク47に供給され、タンク47及び循環導管48内に水が貯溜される。タンク47内の液面が所定範囲内になるように、タンク47への水の供給量が制御される。例えば、レベルセンサ50の計測結果に基づいて、タンク47への水の供給量が制御される。
タンク47は、ダクト23を介して圧縮機30に流体的に接続されている。タンク47の内部空間は、タンク47の排出口及びダクト23を介して圧縮機30によって吸引される。圧縮機30の吸引作用により、蒸発部22の内部空間が減圧されている。熱を受けた被加熱管51内の水は、少なくとも一部が蒸発する。
圧縮機30は、供給系20上に配設され、その配設位置はタンク47に対して下流である。圧縮機30としては、軸流圧縮機、遠心圧縮機、レシプロ式圧縮機、ロータリー式圧縮機などの様々な圧縮機が適用され、蒸気圧縮に適するものが用いられる。
圧縮機30は、タンク47の内部空間を吸引し、タンク47からの蒸気を圧縮し、昇圧した蒸気を下流に流す。すなわち、タンク47内の蒸気は、ダクト23内を圧縮機30に向けて流れ、外部に向けて出力される。蒸気生成システムS1からの熱流体(蒸気)は、外部の所定施設、例えば食品製造設備、電子機器製造プラント、その他製造設備、調理施設、空調設備、発電プラントなどに供給される。なお、他の実施形態において、圧縮機30を省くこともできる。
圧縮機30及び/又は供給系20には、蒸気に対して水を供給するノズル35が、必要に応じて配設される。ノズル35の配設位置は、例えば、圧縮機30の入口及び/又は出口である。圧縮機30が多段式である場合には、ノズル35を圧縮機30の段間に配設することができる。圧縮機30の圧縮比(圧力比)は、蒸気生成システムS1の仕様に応じて設定される。ノズル35とタンク47の液相位置とが導管36を介して流体的に接続することができる。この導管構成では、比較的高温であるタンク47内の液体がノズル35への供給に有効利用される。ノズル35からの液体の排出(スプレイ)には、ポンプ(不図示)などの動力源を用いてもよく、導管36の入口と出口との圧力差を利用してもよい。
本実施形態において、圧縮機30による吸引作用により、供給系20におけるヒートポンプ10による加熱部位での内部空間、すなわちタンク47の内部空間が減圧される。タンク47の内部圧力が大気圧に比べて低い負圧(陰圧)となるように、供給系20上の制御弁(流量制御弁など。不図示)や圧縮機30が制御される。この制御は、例えば、タンク47の内部圧力を計測するセンサ(不図示)の計測結果に基づいて行われる。
このように、本実施形態においては、供給系20内の水が、ヒートポンプ10からの熱伝達によって蒸気になる。まず、熱交換器41において、供給系20内の水がヒートポンプ10の第3放熱部13Eからの熱伝達によって沸点近くまで温度上昇する。その後、熱交換器45において、第1及び第2放熱部13A及び13Bからの熱伝達によってその水が相変化して蒸発する。水の顕熱加熱が主に熱交換器41(加温器)において行われ、水の潜熱加熱が主に熱交換器45において行われる。熱交換器41が顕熱交換に適した形態であり、熱交換器45が潜熱交換に適した形態であるといった、装置構成の最適化が図られ、これに応じて、好ましい加熱プロセスを経て蒸気が発生する。
ボイラのエネルギー効率が一般に約0.7〜0.8(70〜80%)であるのに対して、ヒートポンプのエネルギー効率としての成績係数(COP:coefficient of performance)は一般に2.5〜5.0である。本実施形態において、顕熱交換及び潜熱交換に対応してヒートポンプが個別の加熱部を有することにより、より高いエネルギー効率で蒸気を発生させることができる。
本実施形態において、熱回収機構80は、作動流体の余剰熱をリカバーする。前述したように、熱回収機構80は、蒸発部22に向かう水を第2放熱部13Bからの作動流体が暖める熱交換器41(加温器)と、圧縮部12に向かう作動流体を第2放熱部13Bからの作動流体が暖める再生器18と、圧縮部12の段間を流れる作動流体を第2放熱部13Bからの作動流体が冷却する中間冷却器83とを有する。
本実施形態において、第2放熱部13Bからの作動流体が、熱交換器41(加温器)、再生器18、及び中間冷却器83に分配される。熱交換器41(加温器)、再生器18、及び中間冷却器83のそれぞれにおいて、作動流体の余剰熱が有効利用される。第2放熱部13Bからの作動流体の熱配分、すなわち、熱交換器41(加温器)、再生器18、及び中間冷却器83における作動流体の流量配分は、蒸気生成システムS1の仕様及び熱バランスなどに応じて設定される。本実施形態において、熱交換器41及び再生器18における必要熱が先に定められ、残りの熱が中間冷却器83に利用される。
図2は、蒸気生成システムの比較例を示す。図2のシステムは、図1の蒸気生成システムS1の中間冷却器83を省いた構成を有する。数値計算により、図2のシステムに比べて、図1のシステムS1のCOPの向上が確認された。例えば、冷熱供給装置90から吸熱部11への温排熱の入力温度が35℃、作動流体がR134aのとき、COPの向上率は約3%である。特に、温排熱の入力温度が比較的低い場合において、中間冷却器83が余剰熱を好ましく有効利用できる場合がある。
図3A及び3Bは、図1の蒸気生成システムS1において、余剰熱の配分を調節する調節器77の一例を示す模式図である。図3A及び3Bにおいて、調節器77は、加温器(熱交換器41)、再生器18、及び中間冷却器83に対する、第2放熱部13Bからの作動流体の流量配分を調節可能な流量制御弁75及び76を含む。図3Aにおいて、吸熱部11に供給される外部からの熱量に関する情報(例えば、吸熱部11に供給される熱媒体の温度及び/又は流量に関する情報)が制御装置70に送られる。制御装置70は、少なくともその情報に基づき、調節器77(流量制御弁75及び76)を制御する。例えば、吸熱部11に供給される温排熱の温度に応じて、中間冷却器83への作動流体の流量が変化する。熱配分のための情報は、吸熱部11からの情報に限定されず、例えば、蒸気温度に関する情報など他の情報が利用可能である。図3Bにおいて、制御装置70は、熱交換器41(加温器)及び再生器18における必要熱を決定し、決定された各必要熱に応じて調節器77(流量制御弁75及び76)を制御する。調節器77において、それぞれ必要熱に応じた流量の作動流体が熱交換器41及び再生器18に流れ、残りの作動流体が中間冷却器83に流れる。すなわち、第2放熱部13Bから出る熱媒体のすべての熱量のうち、熱交換器41(加温器)及び再生器18で使用された分の残り分が中間冷却器83で使用される。調節器77での熱配分により、蒸気生成システムS1の熱バランスの最適化が可能となる。
図1に戻り、本実施形態において、バイパス経路17を介して作動流体の一部が熱交換器41を迂回するから、熱交換器41に入る作動流体の流量の最適化が図られる。これは、作動流体の保有熱を有効に使う上で有利である。
バイパス経路17を流れる作動流体は、再生器18において、ヒートポンプ10の主経路15を流れる吸熱部11からの作動流体と熱交換する。この熱交換により、バイパス経路17内の作動流体の温度が降下し(例えば約38℃)、ヒートポンプ10の主経路15内の作動流体の温度が上昇する(例えば約94℃)。圧縮部12に対する作動流体の入力温度の上昇により、圧縮部12の動力の低減化が図られる。
また、本実施形態において、再生器18で温度降下したバイパス経路17内の作動流体は、膨張部14の手前で、ヒートポンプ10の主経路15を流れる熱交換器41(第3放熱部13E)からの作動流体と合流する。前述したように、熱交換器41からの作動流体の出力温度は比較的低く設定される。膨張部14に対する作動流体の入力温度の降下により、作動流体の液ガス比の最適化が図られ、その結果、吸熱部11においてサイクル外の熱源(冷熱供給装置90の放熱管91を流れる媒体)から有効に熱が吸収される。
また、本実施形態において、圧縮部12が多段式である点からも、エネルギー効率の向上が図られる。すなわち、多段式の圧縮部12の段間の放熱部13A,13Bの熱が奪われることによって、作動流体の圧縮過程における作動流体の温度上昇が抑制され、その結果、圧縮部12の圧縮効率の向上及び圧縮機の動力の低減化が図られる。圧縮に伴う作動流体の温度上昇と、段間の放熱部(13A,13B)における作動流体の温度降下との繰り返しの数(再熱の段数)は、2、3、4、5、6、7、8、9、あるいは10以上である。再熱の段数が装置構成上の制約の範囲内で多いのが、エネルギー効率の向上に有利である。
また、本実施形態において、多段式の圧縮部12に対する作動流体の入力温度が再生器18によって高められている点も、圧縮部12の動力低減に有利である。また、段間の放熱部13A,13Bの冷却を利用して、被加熱流体である水を加熱する点からも、熱の有効利用が図られる。
このように、本実施形態において、蒸発生成に用いた後の作動流体が水の加温、作動流体の再生、及び中間冷却に用いられることにより、熱の有効利用が図られる。
また、本実施形態において、供給系20内の水が、ヒートポンプ10(放熱部13A、13B)からの熱伝達によって比較的低圧力かつ低温度の蒸気となり、圧縮機30による圧縮で比較的高圧力かつ高温度の蒸気とすることができる。すなわち、ヒートポンプ10で加熱された水が、圧縮機30による圧縮によってさらに加熱され、これにより、高温蒸気が発生できる。
図4は、蒸気生成システムS1における、蒸気生成プロセスの状態変化の一例を示す T-s 線図である。図4に示すように、水は、温度上昇した後、温度一定のまま相変化する。このとき、大気圧(P1=1atm=約0.1MPa)に比べて低い負圧Pの状態において、飽和蒸気dが発生する。飽和蒸気dの温度は標準沸点よりも低い。
次に、その飽和蒸気dは、圧縮機30(図1参照)による圧縮で比較的高圧力かつ高温の蒸気(過熱蒸気e)になる。すなわち、その圧縮に伴って、蒸気が温度上昇する。過熱蒸気eの圧力Pは大気圧よりも高い、例えば0.8MPaである。
例えば、0.8MPaの過熱蒸気eを定圧下で冷却することにより、約160℃の飽和蒸気を得ることができる(図4の破線a)。同様に、大気圧(約0.1MPa)の過熱蒸気を定圧下で冷却することにより、約100℃の飽和蒸気dを得ることができる。上記数値は理解のための一例であって本発明はこれに限定されない。
過熱蒸気から飽和蒸気への冷却に、液状の水または温水を直接混入することにより、蒸気のボリュームが増加する。この場合、例えば、圧縮機30の出口において蒸気に対して水または温水が供給される。
水または温水の供給量及びタイミングの最適化により、比較的低圧力かつ低温度の飽和蒸気dから比較的高圧力かつ高温度の飽和蒸気dへの変化を、より直接的にできる。例えば、圧縮機30の入口で適量の水または温水が蒸気に供給されることにより、圧縮機30の入口での飽和蒸気dが、圧縮機30の出口で飽和蒸気dに変化する(図4の破線c(スプレー)及びc(圧縮))。または、圧縮機30の中間で圧縮機30の段落ごとに適量の水または温水が蒸気に供給されることにより、圧縮機30の入口での飽和蒸気dが、圧縮機30の出口で飽和蒸気dに変化する(図4の破線b)。すなわち、圧縮機30による圧縮と水または温水による冷却との組み合わせの最適化により、効率良く圧縮機30から飽和状態に近い蒸気を排出することができる。
このように、本実施形態では、ヒートポンプ10及び圧縮機30による順次加熱により、飽和蒸気及び過熱蒸気のいずれも容易に発生させることができる。つまり、蒸気生成システムS1は、蒸気仕様に対する柔軟性が高い。
また、本実施形態において、蒸気発生のための加熱過程の一部を圧縮機30が補うから、高いCOPでヒートポンプ10が使用される。したがって、蒸気生成システムS1は、全体としての一次エネルギーの節減が期待される。
次に、本発明の第2実施形態について図面を参照して説明する。
図5は、第2実施形態にかかる蒸気生成システムS2を示す概略図である。以下の説明では、上記実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
図5に示すように、本実施形態において、蒸気生成システムS2は、図1の蒸気生成システムS1と異なり、圧縮部12が3段を有する。すなわち、圧縮部12は、第1圧縮部12A、第2圧縮部12B、及び第3圧縮部12Cを含む3段圧縮構造を有する。圧縮部12は、各圧縮部12A、12B、12Cに対応する回転数が個々に制御される多軸圧縮構造を有することができる。あるいは、圧縮部12は、同軸圧縮構造を有することができる。圧縮部12の圧縮比(圧力比)は、蒸気生成システムS2の仕様に応じて設定される。
本実施形態において、作動流体の流れ方向に沿って、4つの放熱部13A,13B,13C、及び13Eが実質的に直列に配置されている。放熱部13Aは圧縮部12Aと12Bとの段間に配置され、放熱部13Bは圧縮部12Bと12Cとの間に配置され、放熱部13Cは圧縮部12Cの下流位置に配置され、放熱部13Eは、放熱部13Cの下流位置に配置される。
加温部21は、ヒートポンプ10の放熱部13Eに隣接して配置されかつ供給源(不図示)からの水が流れる導管を含む。加温部21と放熱部13Eとを含んで熱交換器41が構成される。加温部21において、ヒートポンプ10の放熱部13Eからの熱伝達によって、供給系20内の水が温度上昇する。
蒸発部22は、少なくとも液状の被加熱流体(水)を貯溜するタンク47と、タンク47に流体的に接続された循環導管(第1循環導管48A、第2循環導管48B、第3循環導管48C)とを有する。タンク47には、加温部21からの水の供給口と、蒸気の排出口とが設けられる。タンク47は、必要に応じて、液面を計測するレベルセンサ50と、気液分離器(不図示)とを有する。
本実施形態において、1つのタンク47に対して各循環導管48A,48B,48Cが流体的に接続されている。すなわち、循環導管48A〜48Cの各入口端と各出口端とがタンク47に流体的に接続される。循環導管の数は、蒸気生成システムS2の仕様に応じて設定され、2、3、4、5、6、7、8、9、あるいは10以上である。第1循環導管48Aは、ヒートポンプ10の放熱部13Aに隣接して配置される被加熱管51Aと、必要に応じてポンプ(不図示)とを有する。同様に、第2循環導管48Bは、ヒートポンプ10の放熱部13Bに隣接して配置される被加熱管51Bと、必要に応じてポンプ(不図示)とを有する。第3循環導管48Cは、ヒートポンプ10の放熱部13Cに隣接して配置される被加熱管51Cと、必要に応じてポンプ(不図示)とを有する。本実施形態において、被加熱管51A〜51Cは、個々に独立してタンク47に流体的に接続される。被加熱管51A〜51Cは、タンク47及び供給系20に対して並列に配置される。被加熱流体(水)の熱対流及び/又は外部との差圧などを利用してポンプを省いてもよい。
被加熱管51Aと放熱部13Aとを含んで熱交換器42が構成される。同様に、被加熱管51Bと放熱部13Bとを含んで熱交換器43が構成される。被加熱管51Cと放熱部13Cとを含んで熱交換器44が構成される。熱交換器42〜44は、低温の流体(被加熱管51A〜51C内の水)と高温の流体(ヒートポンプ10内の作動流体)とが対向して流れる向流型の熱交換方式を有することができる。熱交換器42〜44は、高温流体と低温流体とが並行して流れる並行流型の熱交換方式を有してもよい。熱交換器42〜44の熱交換構造として、公知の様々なものを採用することができる。例えば、ヒートポンプ10の各放熱部13A,13B,13Cの導管を、被加熱管51A,51B,51Cの外周面や内部に配設することができる。
蒸発部22において、加温部21で温度上昇した水が供給口を介してタンク47に供給され、タンク47及び循環導管48A〜48C内に水が貯溜される。タンク47内の液面が所定範囲内になるように、タンク47への水の供給量が制御される。ヒートポンプ10の放熱部13A〜13Cからの熱伝達によって被加熱管51A〜51C内の水が加熱され、その水の少なくとも一部が蒸発する。タンク47は、ダクト23を介して圧縮機30に流体的に接続されている。タンク47の内部空間は、タンク47の排出口及びダクト23を介して圧縮機30によって吸引される。タンク47内の蒸気は、ダクト23内を圧縮機30に向けて流れる。
本実施形態において、熱回収機構80は、蒸発部22に向かう水を放熱部13Cからの作動流体が暖める熱交換器41(加温器)と、圧縮部12に向かう作動流体を放熱部13Cからの作動流体が暖める再生器18と、圧縮部12の段間を流れる作動流体を放熱部13Cからの作動流体が冷却する中間冷却器83とを有する。
本実施形態において、中間冷却器83は、2つの減圧弁(膨張弁)84A,84Bと、タンク86と、導管85,87A,87B,88とを有する。
本実施形態において、導管85の入口端がバイパス経路17の導管に流体的に接続される。他の実施形態において、導管85の入口端はヒートポンプ10の主経路15における放熱部13A,13B,13Cと放熱部13Eとの間の導管に流体的に接続できる。導管85の入口に、作動流体のバイパス流量を制御する流量制御弁を設けることができる。本実施形態において、導管85の出口端が減圧弁84Bの入口部に流体的に接続される。減圧弁84Bの出口部は、タンク86Bに流体的に接続される。また、別の減圧弁84Aの入口部がタンク86Bの液相位置に流体的に接続され、その減圧弁84Aの出口部が別のタンク86Aに流体的に接続される。
導管87Aの入口端がタンク86Aの気相位置に流体的に接続される。導管87Aの出口端が第1圧縮部12Aと第2圧縮部12Bとの間の段間に流体的に接続される。より具体的には、導管87の出口端は、第2圧縮部12Bの入口付近(放熱部13Aと第2圧縮部12Bとの間)に流体的に接続される。導管87Bの入口端がタンク86Bの気相位置に流体的に接続される。導管87Bの出口端が第2圧縮部12Bと第3圧縮部12Cとの間の段間に流体的に接続される。より具体的には、導管87Bの出口端は、第3圧縮部12Cの入口付近(放熱部13Bと第3圧縮部12Cとの間)に流体的に接続される。導管88の入口端がタンク86Aの液相位置に流体的に接続される。導管88の出口端が膨張部14又はその近傍に流体的に接続される。
図5の中間冷却器83において、放熱部13C(第3圧縮部12C)からの作動流体の一部が減圧弁84Bに向けて導管85を流れる。減圧弁84Bにおいて、作動流体は、第2圧縮部12Bと第3圧縮部12Cとの間の段間内の圧力と実質的に同程度の圧力に減圧される。減圧された作動流体の温度が降下する。タンク86B内に、飽和液(液相)と飽和蒸気(気相)とが貯溜される。また、タンク86Bからの飽和液が減圧弁84Aに入る。減圧弁84Aにおいて、作動流体は、第1圧縮部12Aと第2圧縮部12Bとの間の段間内の圧力と実質的に同程度の圧力にさらに減圧される。減圧された作動流体の温度が降下する。タンク86A内に、飽和液(液相)と飽和蒸気(気相)とが貯溜される。
中間冷却器83において、タンク86A,86Bから導管87A,87Bを介して飽和蒸気が圧縮部12の2つの段間に向けてそれぞれ流れる。圧縮部12の段間に飽和蒸気が供給されることにより、段間を流れる作動流体の温度が下がる。多段圧縮機において、効果的な中間冷却は、圧縮動力の低減に有利である。
本実施形態において、放熱部13Cからの作動流体は、高圧側(後側)の段間に対応した中間冷却器83Bに投入される。中間冷却器83Bのドレンは減圧弁でさらに減圧され、低圧側(前側)の段間に対応した中間冷却器83Aに投入される。中間冷却器83Aのタンク86Aから圧縮部12の段間(前側の段間)に供給される冷却流体の流量は、中間冷却器83Bのタンク86Bから圧縮部12の段間(後側の段間)に供給される冷却流体の流量に比べて少ない。中間冷却器83において、圧縮部12の複数の段間に適した状態にそれぞれ冷却流体が調整されることにより、効果的な中間冷却が実現される。
本実施形態において、供給系20が複数の被加熱管(蒸発管)51A〜51Cを有することから、エネルギー効率の向上が図られる。被加熱管では、水の流れの方向に沿って、液体に対する気体(蒸気)の比率が高くなり、蒸気発生の進行に伴って、熱伝達率が低下する場合がある。管内では、質量及びボリュームとして水が支配的であるのが好ましい。供給系20が複数の被加熱管51A〜51Cを有することにより、気体の比率が高い水に対する加熱が回避され、その結果、蒸気生成に伴う熱伝達率の低下が抑制される。また、熱交換面積の拡大のために被加熱管(蒸発管)の長さを長くすると、管の入口部と出口部との圧力差が大きくなり、管に水を流すための必要動力が増える可能性がある。複数の被加熱管(蒸発管)51A〜51Cが個々に独立していると差圧が小さくて済み、熱交換面積の拡大に伴う水輸送動力の増加が抑制される。被加熱管51A〜51Cが並列配置されていることは、独立した配管構成を実現しやすく、装置の簡素化に有利である。
また、本実施形態において、独立した複数の被加熱管(蒸発管)51A〜51Cを供給系20が有することにより、熱バランス制御の向上が図られる。ヒートポンプ10においては、放熱部13A〜13Cの間で、作動媒体の状態(圧力など)が異なる。各放熱部13A〜13Cに対応する複数の被加熱管(蒸発管)51A〜51Cを流れる水の単位時間あたりの流量が個々に制御されることにより、放熱部13A〜13Cを有する多段式の圧縮部12における再熱制御の最適化が図られる。
図6は、被加熱管(蒸発管)51Aにおける水の流量を制御する構成の一例を示す。ヒートポンプ10において、被加熱管51Aに対応する第1放熱部13Aの出口温度を計測するセンサ71が設けられている。制御装置70は、センサ71の計測結果に基づいて、被加熱管51A用のポンプ52Aを介して被加熱管51Aを流れる単位時間あたりの水の流量を制御する。これにより、第1放熱部13Aにおける作動媒体の出口温度を目標値に設定することができる。第1放熱部13Aの入口温度を計測するセンサ72を用いてもよい。図5において、他の被加熱管51B,51C及び対応する放熱部13B,13Cもこれと同様の構成を採用することができる。
上記説明において使用した数値及び図面に記載した温度は一例であって、本発明はこれに限定されない。
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の請求の範囲によってのみ限定される。
第1実施形態にかかる蒸気生成システムを示す概略図である。 蒸気生成システムの比較例を示す概略図である。 熱配分を調節する調節器の一例を示す模式図である。 熱配分を調節する調節器の一例を示す模式図である。 蒸気生成システムによる水の状態変化の一例を示す T-s 線図である。 第2実施形態にかかる蒸気生成システムを示す概略図である。 蒸発管における水の流量を制御する構成の一例を示す。
符号の説明
S1,S2…蒸気生成システム、10…ヒートポンプ、11…吸熱部、12,12A,12B,12C…圧縮部、13A,13B,13C,13E…放熱部、14…膨張部、14A,14B…膨張弁、15…主経路、17…バイパス経路、18…再生器、20…供給系(蒸発ユニット)、21…加温部、22…蒸発部、23…ダクト、30…圧縮機、35…ノズル、41…熱交換器(加温器)、42,43,44…熱交換器、47…タンク、70…制御装置、80…熱回収機構、83,83A,83B…中間冷却器、84,84A,84B…減圧弁、86,86A,86B…タンク。

Claims (6)

  1. 第1流体が流れるヒートポンプであり、吸熱部、圧縮部、放熱部、及び膨張部を含む前記ヒートポンプと、
    第2流体が流れる蒸発ユニットであり、前記第1流体からの伝達熱を受けた前記第2流体が蒸発する蒸発部を含む前記蒸発ユニットと、
    前記蒸発部に向かう前記第2流体を前記放熱部からの前記第1流体が暖める加温器、前記圧縮部に向かう前記第1流体を前記放熱部からの前記第1流体が暖める再生器と、前記圧縮部の段間を流れる前記第1流体を前記放熱部からの前記第1流体が冷却する中間冷却器と、前記加温器、前記再生器、及び前記中間冷却器に対する前記放熱部からの前記第1流体の熱配分を調節する調節器とを含む熱回収機構と、
    前記ヒートポンプの前記吸熱部に供給される熱媒体の温度及び流量の少なくとも1つに関する情報に基づき、前記加温器及び前記再生器において必要とされる必要熱をそれぞれ決定し、決定された前記必要熱の各々に応じて前記熱配分を調節するように前記調節器を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする蒸気生成システム。
  2. 前記圧縮部は、複数段を有する多段圧縮機を含み、
    前記中間冷却器は、前記放熱部からの前記第1流体の一部を減圧して前記圧縮部の段間に供給することを特徴とする請求項1に記載の蒸気生成システム。
  3. 前記中間冷却器は、前記放熱部からの前記第1流体の一部を減圧する減圧弁と、前記減圧弁からの前記第1流体を貯溜するタンクと、前記タンク内の気相部から前記圧縮部に前記第1流体を導く導管と、を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蒸気生成システム。
  4. 前記減圧弁は、前記圧縮部の段間内の圧力に応じて前記放熱部からの前記第1流体の一部を減圧することを特徴とする請求項3に記載の蒸気生成システム。
  5. 前記膨張部は、前記加温器からの前記第1流体と前記再生器からの前記第1流体とを含む流体が膨張する第1膨張弁と、前記第1膨張弁からの前記第1流体と前記中間冷却器からの流体とを含む流体が膨張する第2膨張弁とを含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の蒸気生成システム。
  6. 前記蒸発部で蒸発した前記第2流体を圧縮する圧縮機をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の蒸気生成システム。
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