JP5568423B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、カーカスのクラウン部外周側に、タイヤ円周を含む平面に対し傾斜して延びる複数本のコードを平行配列状態でゴム被覆してなる、幅の異なる2枚以上の主ベルト層を、コードが前記平面を挟んで互いに交差するように順次積層して形成してなる交差ベルトを具える空気入りタイヤに関するものである。
空気入りタイヤには、ラジアルカーカスとインナーライナとの間の、少なくともサイドウォール部に対応する位置に、ほぼ断面三日月状の補強ゴム層が設けられたランフラットタイヤがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−182036号公報
こうした空気入りタイヤは、タイヤ幅方向に曲率を有してトロイド状に形成されていることから、トレッド部におけるタイヤ半径は、トレッド端側からタイヤ赤道側に向かうに従って大きくなり、トレッド端側とタイヤ赤道側との間で径差(寸法差)が生じる。即ち、こうしたタイヤは、タイヤ赤道側の周長がトレッド端側の周長よりも長くなるため、タイヤ半径の最も大きいタイヤ赤道位置を面圧中心として転動する。
このため、タイヤ負荷転動時には、タイヤ赤道を面圧中心としてタイヤ周方向に沿った変形(伸び変形)が生じることから、タイヤ周方向に生じるせん断力も、タイヤ幅方向の位置によってそれぞれ異なり、不均一なものとなる。この結果、タイヤ赤道から遠いトレッド部のショルダ域には、制動方向のせん断力が発生する。従って、こうしたタイヤには、ショルダ域内に位置するトレッド接地端を含む部分での摩耗が、他のトレッド部の部分に比べて顕著に生じるという問題がある。
これに対し、上記空気入りタイヤは、トロイド状に延びるカーカスのクラウン部外周側に、タイヤ円周を含む平面に対し傾斜して延びる複数本のコードを平行配列状態でゴム被覆してなる、幅の異なる2枚以上の主ベルト層を、コードが前記平面を挟んで互いに交差するように順次積層して形成してなる交差ベルトを具えている。
こうした交差ベルトは、タイヤ負荷転動時に、コード同士が互いに協働しながら、パンタグラフのように変形することで、タイヤ赤道を面圧中心としたタイヤ周方向に沿った伸びを、タイヤ幅方向に沿って順次、伝える。従って、コードの交差する領域(交差部)では、トレッド接地端に生じる、制動方向のせん断力が軽減されるため、当該トレッド接地端を含む部分の摩耗量を低減できる。
ところが、トレッド接地面は、タイヤの使用条件、組み付け及びアライメント等によって変動する。このため、トレッド接地端が交差部を越えてコードの交差しない最広幅ベルト層の端部に位置すると、タイヤ周方向に生じる伸びはタイヤ幅方向に伝播され難い。この場合は、結果的に、トレッド接地端を含む部分の摩耗量は低減されないことになる。
本発明の目的は、トレッド部のショルダ域、特に、トレッド接地端を含む領域に生じる摩耗を抑制し、トレッド部全体に亘って摩耗の均一化を図った空気入りタイヤを提供することにある。
本発明の空気入りタイヤは、カーカスのクラウン部外周側に、タイヤ円周を含む平面に対し傾斜して延びる複数本のコードを平行配列状態でゴム被覆してなる、幅の異なる2枚以上の主ベルト層を、コードが前記平面を挟んで互いに交差するように順次積層して形成してなる交差ベルトを具える空気入りタイヤであって、前記2枚以上の主ベルト層のうち、最も幅広のベルト層である最幅広ベルト層の両端部のうち、少なくとも一方の端部の内周面または外周面のいずれかに隣接し、かつ、前記少なくとも一方の端部の端縁位置を含むタイヤ幅方向内外に亘って、前記最広幅ベルト層を構成するコードと前記平面を挟んで交差するように延びる複数本のコードを平行配列状態でゴム被覆してなる幅狭の補助ベルト層を配設し、タイヤを適用リムに装着し、所定空気圧で、静止した状態で平板に対し、所定角度で、所定負荷を適用した接地条件下での、トレッド接地端から補助ベルト層のタイヤ幅方向内側端縁までの寸法を、トレッド接地幅の0.1倍〜0.5倍に設定する一方、トレッド接地端から補助ベルト層のタイヤ幅方向外側端縁までの寸法を、トレッド接地幅の0.15倍以下(トレッド接地端と補助ベルト層のタイヤ幅方向外側端縁が一致する場合も含む)に設定したことを特徴とするものである。
本発明では、交差ベルトは、2枚の主ベルト層で構成され、該主ベルト層のうち、タイヤ径方向内側に位置する方の主ベルト層が最幅広ベルト層であるものとすることができる。
本発明では、補助ベルト層は、最広幅ベルト層の内周面とカーカスとの間に配置させることができる。
本発明では、少なくとも、補助ベルト層のコード延在方向は、タイヤ周方向(回転方向)に対して30°〜80°が好ましく、より好ましくは30°〜60°の範囲である。
本発明によれば、最広幅ベルト層の内周面または外周面のいずれかに隣接して配設された補助ベルト層のコードが最広幅ベルト層のコードと協働することで、タイヤ幅方向中央域部分で生じたタイヤ周方向の伸びを、タイヤ幅方向外側に伝播し、最幅広ベルト層の端部にもタイヤ周方向の伸びを生じさせることができる。この結果、トレッド部のショルダ域に位置する最幅広ベルト層の端部のタイヤ周長を実質的に長くすることが可能となる。
即ち、本発明のタイヤは、トレッド部のショルダ域側の転動がタイヤ幅方向中央域部分の転動に遅れることなく、タイヤ幅方向に沿ってほぼ同一タイミングで転動させることができることから、トレッド接地端を含む部分に生じる制動方向のせん断力が低減されることで、当該トレッド接地端を含む部分の摩耗量も低減させることができる。
従って、本発明によれば、トレッド部のショルダ域、特にトレッド接地端を含む領域部分で生じる摩耗を抑制し、トレッド部全体に亘って摩耗の均一化を図った空気入りタイヤを提供することができる。
本発明の一実施形態である、ランフラットタイヤをタイヤ幅断面で示す模式断面図である。 図1に示すタイヤを構成する交差ベルト及び補助ベルト層のみを抜き出して、交差ベルト及び補助ベルト層の配置関係を説明するための図である。 図1に示すタイヤのトレッド部における、タイヤ幅方向中央域からショルダ域を拡大して示す要部断面図である。 (a)は、図2に示す主ベルト層相互間、並びに、最幅広ベルト層及び補助ベルト層を構成するコードの配列状態を示す図であり、(b)は、タイヤ負荷転動時にコード同士が協働したときの作用を模式的に示す説明図である。 本実施例及び、比較例1,2について、タイヤ赤道位置を基準としたタイヤ幅方向距離を横軸にとり、タイヤ周方向引っ張り歪を縦軸にとってプロットした図である。
以下、図面を参照して、本発明に従う、空気入りタイヤの一実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に従う、空気入りタイヤの一例である、ランフラットタイヤ(以下、「タイヤ」)1を示す摸式断面図である。タイヤ1は、通常のランフラットタイヤと同様、トレッド部2、ショルダ部3、サイドウォール部4及びビード部5で構成されている。
トレッド部2のトレッド踏面2aには、タイヤ周方向Cに沿って延在する4本のタイヤ周方向主溝31〜34が配設されている。4本の周方向主溝31〜34のうち、トレッド端に隣接するタイヤ周方向主溝31,34はそれぞれ、トレッド端との間にリブ状陸部35,36を区画形成する。これにより、トレッド部踏面2aには、タイヤ幅方向中央に位置する赤道CLを挟んで、2つのリブ状陸部35,36が形成される。
本実施形態のリブ状陸部35,36はそれぞれ、タイヤ周方向主溝31(34)とトレッド端とで区画された1本のリブを構成するものである。なお、ここで、「リブ状陸部」とは、タイヤ周方向主溝31,34とトレッド端とで区画された陸部を意味し、横サイプが、リブ状陸部内に終端する場合や、タイヤ周方向主溝31,34とトレッド端に開口する場合も含む他、例えば、タイヤ周方向主溝31,34とトレッド端とに開口して延びる複数本の横溝によって複数のブロックとして区画形成された場合も含む。
カーカス6は、少なくとも1枚のカーカスプライからなり、その断面形状が、図1に示すように、トロイダル状の形状をしている。カーカス6の端部6aはそれぞれ、環状のビードコア7aを基点に折り返して、ビードコア7aの直上に位置するビードフィラー7bに沿って配設されている。なお、カーカス6は、ラジアル構造のカーカス(ラジアルカーカス)である。また、カーカス6としては、ラジアル構造のものを採用することが好適であるが、バイアス構造であってもよい。
更に、タイヤ1には、カーカス6とインナーライナ9との間であって、少なくともサイドウォール部4に亘って補強ゴム層10が設けられている。補強ゴム層10は、その断面がほぼ三日月形の、比較的硬質のゴム等の弾性材料からなる。これにより、補強ゴム層10は、サイドウォール部4の剛性を高めている。
更に、タイヤ1は、トレッド部2に、後述の交差ベルト11及び補助ベルト層14,15と共に、二層のキャップ16(第1キャップ層17,第2キャップ層18)及び単層の1対のレイヤー層19を有する。
交差ベルト11は、トロイド状に延びるカーカス6のクラウン部外周側に配置される第1主ベルト層12と、第1主ベルト層12の外周側に配置される第2主ベルト層13とで構成されている。
交差ベルト11は、トレッド部2の内側で、タイヤ周方向C(図1の紙面に対して直交する方向)に張力を負担して、いわゆる「たが効果」を発揮することで、タイヤ1を補強する部材であって、タイヤ周方向Cに生じる変形(伸び)を許容しつつ、路面からの衝撃に対する一定の保形性(タイヤを変形し難くする性能)を与えている。
第1主ベルト層12は、図2に示すように、複数のコード20を平行配列状態でゴム被覆してなる。コード20は、図4(a)に示すように、タイヤ円周を含む平面(図4では、タイヤ赤道CLを含む平面と平行な面Pとして示す)に対して、傾斜角D1で引き揃えられている。
第2主ベルト層13も、第1主ベルト層12と同様、図2に示すように、複数のコード21を平行配列状態でゴム被覆してなる。コード21も、図4(a)に示すように、タイヤ円周を含む平面Pに対して、傾斜角D2で引き揃えられている。
更に、第1主ベルト層12の延在幅W12は、図2に示すように、第2主ベルト層13の延在幅W13よりも広く構成されており、第1主ベルト層12が主ベルト層12,13のうち、最幅広の主ベルト層である、最広幅ベルト層である。このため、交差ベルト11は、同図に示すように、第1主ベルト層12と第2主ベルト層13とが重なり合う部分(交錯部)Smと、第1主ベルト層12が第2主ベルト層13と重なり合うことなく、第2主ベルト層13からはみ出した部分、即ち、第1主ベルト層12のみの単層部分(第1主ベルト層端部)Sfとで構成されている。
トレッド接地幅WGは、2つのトレッド接地端E,E間のタイヤ幅方向距離によって規定される。
本実施形態では、トレッド接地端Eは、タイヤ1を適用リムに装着し、所定空気圧で、静止した状態で平板に対し、所定角度で、所定負荷を適用した接地条件下で設定されている。本実施形態の場合、「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本では、JATMA(日本自動車タイヤ協会)YEAR BOOK、欧州ではETRTO(European Tyre and Rim Technical Organisation) STANDARD MANUAL、米国ではTRA(THE TIRE and RIM ASSOCIATION INC.)YEAR BOOK等に規定されたリムを指す。
また、本形態において、「タイヤを適用リムに装着し、所定空気圧及び所定負荷を適用した接地条件」とは、タイヤを適用リムに装着し、適用サイズのタイヤにおけるJATMA等の規格のタイヤ最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)とし、静止した状態で平板に対し、所定の角度0°〜ネガティブキャンバ4°で、JATMA等の規格のタイヤ最大負荷能力の80〜100%の負荷を適用して接地させた状態(キャンバをつけた場合には、接地圧の高い接地端での状態)を指す。
本発明の構成上の主な特徴は、図2等に示すように、最も幅広の第1主ベルト層12の両端部Sfのうち、少なくとも一方の端部Sfの内周面または外周面のいずれかに隣接して、第1主ベルト層12を構成するコード20と前記平面を挟んで交差するように延びる複数本のコード22を平行配列状態でゴム被覆してなる、2枚の幅狭の補助ベルト層14,15を配設したことにある。
図1では、補助ベルト層14,15はそれぞれ、第1主ベルト層端部Sfの内周面とカーカス6との間に配設されている場合を示す。補助ベルト層14,15もそれぞれ、第2主ベルト層13と同様、図2に示すように、複数のコード22を平行配列状態でゴム被覆してなる。コード22も、図4(a)に示すように、タイヤ円周を含む平面Pに対して、傾斜角D3で引き揃えられている。
タイヤ1は、タイヤ幅方向中央のタイヤ赤道CLを含む部分の周長がトレッド端側の周長よりも長くなるため、タイヤ半径の最も大きいタイヤ赤道CL位置を面圧中心として転動する。このため、タイヤ1には、タイヤ赤道CLを面圧中心にタイヤ周方向Cに沿った変形(伸び)が生じる。
このように、タイヤ負荷転動時には、タイヤ赤道CLを面圧中心としてタイヤ周方向Cに沿った変形(伸び変形)が生じることから、タイヤ赤道CLから遠いトレッド部2のショルダ域には、制動方向のせん断力が発生する。従って、こうしたタイヤには、ショルダ域内に位置するトレッド接地端Eを含む部分での摩耗が、トレッド部2の他の部分に比べて顕著に生じるという問題がある。
これに対し、交差ベルト11の交錯部Smでは、コード20,21が互いに協働することで、タイヤ負荷転動時には、図4(b)の実線に示すようなコードの交差角αから破線に示すようなコートの交差角βになるように変形する。この変形は、コード20,21が交錯していることにより、タイヤ幅方向Dwに沿って外側に順次、伝えられる。
このように、交錯部Smでは、第1主ベルト層12に引き揃えられた複数のコード20と、第2主ベルト層13に引き揃えられた複数のコード21がそれぞれ、互いに協働しながら、パンタグラフのように変形することで、張力を伴うタイヤ周方向Cの伸び(特に、タイヤ進行方向Dfの伸び)が、タイヤ赤道CL側から第2主ベルト層13のタイヤ幅方向端縁13a,13bまで伝播される。このため、交錯部Smでは、ショルダ域側でのタイヤ周方向C(タイヤ進行方向Df)の伸び(引っ張り歪)がタイヤ赤道CL側でのタイヤ周方向C(タイヤ進行方向Df)の伸び(引っ張り歪)に近い方向になる。従って、トレッド接地端Eが交錯部Smに存在するときには、タイヤ周方向Cに生じるせん断力が局所的に大きくなることがなく、トレッド接地端Eを含む部分の摩耗量は低減される。
しかしながら、第2主ベルト層13と重なり合わない第1主ベルト層端部Sfでは、図2に示すように、第1主ベルト層12のコード20が、第2主ベルト層13のコード21と交差しないため、タイヤ周方向Cに生じる伸びをタイヤ幅方向Dwの外側にそれぞれ、十分に伝播させることができない。
これに対し、本実施形態は、第1主ベルト層12の内周面に隣接して配設された補助ベルト層14,15のコード22が第1主ベルト層12のコード20と協働することで、タイヤ赤道CL部分で生じたタイヤ周方向C(タイヤ進行方向Df)の伸びを、タイヤ幅方向Dwの外側に伝播し、第1主ベルト層端部Sfにもタイヤ周方向C(タイヤ進行方向Df)の伸びを生じさせることができる。この結果、トレッド部2のショルダ域に位置する第1主ベルト層端部Sfのタイヤ周長を実質的に長くすることが可能となる。
即ち、本実施形態のタイヤ1は、トレッド部2のショルダ域側の転動がタイヤ赤道CLを含む部分の転動に遅れることなく、タイヤ幅方向Dwに沿ってほぼ同一タイミングで転動させることができることから、トレッド接地端Eを含む部分に生じる制動方向のせん断力が低減されることで、当該トレッド接地端Eを含む部分の摩耗量も低減させることができる。
従って、本実施形態によれば、トレッド部2のショルダ域、特にトレッド接地端Eを含む領域部分で生じる摩耗を抑制し、トレッド部2全体に亘って摩耗の均一化を図ったランフラットタイヤを提供することができる。
更に、本実施形態は、上述のとおり、タイヤ表面を改良するのではなく、その内部構造を改良したため、上述した本形態も、本発明の作用効果を、タイヤ使用の末期に至るまで持続させることができる。
また、従来のタイヤはポジティブキャンバ又はネガティブキャンバにて装着した場合、一方のトレッド接地端Eを含む部分の面圧が相対的に高まるため、当該部分で摩耗を顕著に生じ易いが、
本実施形態では、補助ベルト層14,15のコード22がそれぞれ、面圧上昇に応じて第1主ベルト層12のコード20と協働する。このため、キャンバ付与により、トレッド接地端Eを含む一方の部分の面圧が他の部分に比べて相対的に高まる場合も、キャンバ付与によってトレッド接地端Eの一方の部分のみが早期に摩耗してしまうような現象も緩和される。従って、キャンバを付与した場合には、タイヤ寿命(耐久性)の向上に有効である。
このため、本発明に従えば、補助ベルト層14,15は、本実施形態の如く、タイヤ赤道CLを挟んでベルト幅方向Dwの外側両方に配設することが好ましいが、例えば、少なくとも一方に配設することも可能である。具体例としては、タイヤ1をネガティブキャンバにて装着する場合、キャンバ角よりもタイヤ1の車両装着側(車両内側)の面圧が大きくなるため、補助ベルト層14,15のうち、少なくとも、タイヤ装着側の補助ベルト層を配設する。
また、ランフラットタイヤは通常、タイヤ赤道CL側とトレッド端側との間の径差に加え、サイドウォール部4の剛性が高いため、トレッド端側でのタイヤ周方向Cの伸びが小さい。このため、タイヤ赤道CL側の転動に対するショルダ域側の転動遅れが通常のタイヤに比べてより大きくなる。従って、トレッド端側の部分に、タイヤ周方向Cの引き摺りに伴う大きな制動力が発生することから、ショルダ域に近いトレッド接地端Eを含む部分での摩耗が顕著である。
これに対し、本発明によれば、補助ベルト層14,15のコード22がそれぞれ、面圧上昇に応じて第1主ベルト層12のコード20と協働する。このため、タイヤ赤道CL側とトレッド端側との間の径差に加え、サイドウォール部4の剛性が高い、本実施形態のようなランフラットタイヤに有効である。
また、本実施形態の如く、交差ベルト11を、2枚の主ベルト層12,13で構成し、該主ベルト層12,13のうち、タイヤ径方向内側に位置する方の第1主ベルト層12が最広幅主ベルト層であるものとすれば、最広幅主ベルト層のベルト角度(向き)と補助ベルトのベルト角度(向き)が逆である方が、より効果が大きい。
また、本発明では、補助ベルト層14,15は、第1主ベルト層端部Sfの内周面又は外周面に隣接して配置できる。このため、例えば、トレッド部踏面2aと第1主ベルト層12との間に配置することも、第1主ベルト層12とカーカス6との間に配置することも可能である。
本発明では、少なくとも、補助ベルト層14,15のコード延在方向は、図4に示すように、角度D3がそれぞれ、タイヤ周方向Cに対して30°〜80°の範囲であることが好ましく、より好ましくは、30°〜60°の範囲である。タイヤ周方向Cに対して30°〜80°の範囲で傾斜させれば、角度D3の下限が30°であることで、周方向に伸びることが可能となる一方、上限が80°であることで、パンタグラフ変形の外側への伝達が可能となる。
また、本発明では、前述の接地条件下での、トレッド接地端Eから補助ベルト層14,15のタイヤ幅方向内側端縁14a,15aまでの寸法L1を、トレッド接地幅WGの0.1倍〜0.5倍に設定する一方、トレッド接地端Eから補助ベルト層14,15のタイヤ幅方向外側端縁14b,15bまでの寸法L2を、トレッド接地幅WGの0.15倍以下に設定することが好ましい。
具体例としては、少なくとも、上記接地条件下での、寸法L1を、トレッド接地幅WGの0.15倍(15%)に設定する一方、寸法L2を、トレッド接地幅WGの0.05倍(5%)に設定すれば、トレッド接地端Eから、トレッド接地幅WGの0.1倍(10%)分だけ、タイヤ幅方向内側の位置でのタイヤ周方向に生じる伸びを、タイヤ幅方向Dwの外側に伝播させることができる。
なお、本発明に従えば、上記接地条件下での、トレッド接地端Eから第1主ベルト層12のタイヤ幅方向端縁12a,12bまでの寸法Laを、トレッド接地幅WGの0.15倍以下に設定し、また、トレッド接地端Eから第2主ベルト層13のタイヤ幅方向端縁13a,13bまでの寸法Lbを、トレッド接地幅WGの0.15倍以下に設定すれば、運転操作や路面状態等のタイヤの使用条件、組み付け及びアライメント等に起因してトレッド接地端Eが多少変動しても、トレッド接地端Eが変動することによる影響を吸収することができる。このため、第1主ベルト層12及び第2主ベルト層13を上記のとおり設定すれば、トレッド接地端Eを含む部分で生じる摩耗の抑制に有効である。しかし、基本的には、第2主ベルト層13の延在幅W13を広くして、トレッド接地端Eを含むことが理想である。
上述したところは、本発明の一実施形態の例を示したにすぎず、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
次に、本発明の一実施例である、サイズ255/35ZR19のランフラットタイヤについて摩耗テストを行なったので、以下で説明する。
本実施例のランフラットタイヤは、図1に示すタイヤ構造を有し、適用リム(9J)に組み付け、290kPaの空気圧で、駆動輪として車両に装着したものである。図5は、傾斜角2度のネガティブキャンバで装着した状態で、タイヤ周方向Cに生じる引っ張り歪ε(%)を、タイヤの幅方向距離Lw(mm)に応じて測定したものをプロットした図である。
図5において、本実施例の歪特性は実線で示す。また、比較例1の歪特性は一点鎖線で示す。比較例1は、本実施例と同様のベルト構造を有するものの、本発明に従う補助ベルト層及びサイドウォール部に補強ゴム層を設けない通常の空気入りタイヤの歪特性である。また、比較例2の歪特性は二点鎖線で示す。比較例2は、本実施例と同様のベルト構造を有するものの、本発明に従う補助ベルト層を設けないランフラットタイヤの解析データである。
図5の結果から、比較例1に生じる引っ張り歪Sc1は、一点鎖線で示すように、トレッド接地端Eを含む部分、即ち、トレッド部のショルダ域で、大きな引っ張り歪Sc1(max)を生じており、これに伴って、タイヤ赤道CLとショルダ域の径差により、タイヤ周方向C(制動方向Db)の大きなせん断力が生じることが予想される。
また、比較例2も同様で、トレッド接地端Eを含む部分、即ち、トレッド部のショルダ域に生じる引っ張り歪Sc2は、二点鎖線で示すように、比較例1に生じる引っ張り歪Sc1よりも全体的に小さいものの、基本的な特性は、比較例1と同様である。即ち、比較例2でも、トレッド接地端Eに、制動方向Dbの大きなせん断力が生じることが予想される。
これに対し、本実施例に生じる引っ張り歪S1は、実線に示すように、トレッド接地端Eでもある程度生じていて、タイヤ幅方向Dw全体に見て引っ張り歪S1の均一化が図られている。
また、本実施例及び比較例2をそれぞれ、傾斜角2度のネガティブキャンバで、テストコースを5000km走行した後に、トレッド部における各部位の摩耗量の結果を表1に示す。
Figure 0005568423
表1の結果から、本実施例は、比較例2に比べてトレッド部全体に亘って摩耗の均一化が図られていることが分かる。なお、本発明は、図5を参照すれば明らかなように、ランフラットタイヤ以外にも採用できることは明らかである。
本発明は、空気入りタイヤであれば、ランフラットタイヤや、例えば扁平比が5.5%以下の低扁平タイヤに適用できる。また、本発明は、乗用車用タイヤに限定されるものではなく、例えば、バス・トラック等の大型車用タイヤに適用することができる。
1 ランフラットタイヤ(本発明タイヤ)
2 トレッド部
2a トレッド踏面
3 ショルダ部
4 サイドウォール部
5 ビード部
6 カーカス
7a ビードコア
7b ビードフィラー
9 インナーライナ
10 補強ゴム層
11 交差ベルト
12 第1主ベルト層
13 第2主ベルト層
14 補助ベルト層
15 補助ベルト層
16 キャップ
17 第1キャップ層
18 第2キャップ層
19 レイヤー層
20 第1主ベルト層のコード
21 第1主ベルト層のコード
22 補助ベルト層のコード
E トレッド接地端
f 第1主ベルト層の端部(単層部分)
m 交差部
CL タイヤ赤道
P タイヤ円周を含む平面

Claims (4)

  1. カーカスのクラウン部外周側に、タイヤ円周を含む平面に対し傾斜して延びる複数本のコードを平行配列状態でゴム被覆してなる、幅の異なる2枚以上の主ベルト層を、コードが前記平面を挟んで互いに交差するように順次積層して形成してなる交差ベルトを具える空気入りタイヤであって、
    前記2枚以上の主ベルト層のうち、最も幅広のベルト層である最幅広ベルト層の両端部のうち、少なくとも一方の端部の内周面または外周面のいずれかに隣接し、かつ、前記少なくとも一方の端部の端縁位置を含むタイヤ幅方向内外に亘って、前記最広幅ベルト層を構成するコードと前記平面を挟んで交差するように延びる複数本のコードを平行配列状態でゴム被覆してなる幅狭の補助ベルト層を配設し
    タイヤを適用リムに装着し、所定空気圧で、静止した状態で平板に対し、所定角度で、所定負荷を適用した接地条件下での、
    トレッド接地端から補助ベルト層のタイヤ幅方向内側端縁までの寸法を、トレッド接地幅の0.1倍〜0.5倍に設定する一方、
    トレッド接地端から補助ベルト層のタイヤ幅方向外側端縁までの寸法を、トレッド接地幅の0.15倍以下に設定したことを特徴とする、空気入りタイヤ。
  2. 交差ベルトは、2枚の主ベルト層で構成され、該主ベルト層のうち、タイヤ径方向内側に位置する方の主ベルト層が最幅広ベルト層である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記補助ベルト層は、最広幅ベルト層の内周面とカーカスとの間に配置する、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 補助ベルト層のコード延在方向は、タイヤ周方向に対して30°〜80°の範囲であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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