JP5926883B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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この発明は、空気入りタイヤ、なかでも、トラック、バス等の重荷重用車両に用いて好適な重荷重用空気入りタイヤに関し、特に、タイヤにスリップ角を付与した場合に、タイヤの発生横力を高めて操縦安定性を向上させることができる空気入りタイヤに関する。
従来、ラジアル構造とすることができるカーカスのクラウン域の外周側に、例えば、トレッド周方向に対して5°以下の角度でコードを延在させることによって、実質的にトレッド周方向に延びるコードからなるベルト補強層を一層以上設け、かかるベルト補強層をもってタイヤの径成長を抑制するタイヤが知られている。このようなタイヤとして、例えば、特許文献1〜3に開示されたものがある。
なお、ここで、ベルト補強層を形成するコードは、トレッド周方向に直線状、ジグザグ状、波形状等の形態で延在するものや、伸長率が2%前後に到るまでは小さな引張力で大きく伸長する一方、その伸長率を越えると大きな入力によっても伸長率が少なくなる、所謂、初期伸びの大きいもの、例えば、ラング撚りコード、ハイエロンゲーションコード等を用いることができる。
ところで、ベルト補強層のコードを、ジグザグ状、波形状等の迂曲した延在形態とすることで、初期伸びを確保するときは、リム組みしたタイヤに、JATMA(Tha Japan Automobile Tyre Manufacturers Association,Inc.)、TRA(The Tire and Rim Association,Inc.)、ETRTO(The European Tyre and Rim Technical Organisation)等の規格のYEAR BOOKその他で規定される最高空気圧を充填した状態で、迂曲形態が消失するものとすることが好ましい。これにより、ベルト補強層に、タイヤの径成長を抑制する機能を十分に発揮させることができる。
上述した特許文献1〜3に開示された空気入りタイヤでは、操縦安定性能の向上のため、コードが相互に交差して延びるベルト層を広幅として面内剪断剛性を高めること、即ち、タイヤが発生する横力を高めることが行なわれているが、ベルト補強層についても、ベルト補強層側縁のベルト層からのセパレーションを抑制すると共に、ベルト補強層それ自体の耐久性能の向上を目的として、ベルト補強層の広幅化を図る傾向にある。
特開2000−62411号公報 特開2009−184371号公報 特開2009−126363号公報
しかしながら、ベルト補強層の広幅化によって、ベルト補強層の最外側縁を跨ぐ領域にショルダ陸部、例えば、ショルダリブを形成したときは、タイヤへのスリップ角の付与によりタイヤに横力SFを発生させるに当り、荷重の直下部分、特に、図4に示すショルダリブ100のトレッドセンタ側の側部において、所謂、クラッシング剪断力CSが大きく増加することになる。図4は、ショルダリブのトレッド幅方向部分を拡大して例示する断面説明図である。
クラッシング剪断力CSが大きく増加するのは、ショルダ陸部の荷重の直下部分が、ベルト補強層102(図4参照)によるタイヤ周方向の高剛性化に基く高い「たが作用」の故に、ベルト補強層102によって圧潰変形されるかの如くトレッドセンタ側へ大きく膨出変形されることになるためである。
クラッシング剪断力CSが大きく増加することになると、タイヤへのスリップ角の付与によってタイヤに発生する横力SFが、そのクラッシング剪断力CSで相殺されることになるため、先に述べたように、ベルト層104(図4参照)の幅を広くして横力SFの増加を企図してなお、横力SFを期待したほどに高めることが困難であり、この結果、操縦安定性能を必要に応じて十分に向上させることが難しかった。
なお、クラッシング剪断力CSは、一般に、ショルダリブ100の変形量とショルダリブ100の剛性との積として表わされることなる。
この発明の目的は、広幅化したベルト補強層の最外側縁を跨ぐ領域にショルダ陸部を形成する場合にあっても、そのショルダ陸部に荷重直下で発生するクラッシング剪断力を有効に抑制することで、タイヤに発生する横力を有利に高めて、操縦安定性能を確実に向上させることができる空気入りタイヤを提供することである。
この発明に係る空気入りタイヤは、一対のビード部間にトロイダルに延在する、一枚以上のカーカスプライからなるカーカスと、カーカスのクラウン域の外周側に配設されて、トレッド周方向に延在するコードからなるベルト補強層の少なくとも一層と、ベルト補強層の外周側に配設されて、トレッド周方向に対して傾斜して延びるコードからなるベルト層の一層以上と、ベルト層の外周側に配設されてトレッド接地面を形成するトレッドゴムとを具えるものであって、前記トレッドゴムには、トレッド周方向に延びる6本の周溝が設けられており、前記6本の周溝のうちのタイヤ幅方向最外側に位置する2本のショルダ周溝で、前記トレッドゴムに、ベルト補強層の最外側縁位置を跨いで位置するショルダ陸部を区画するとともに、前記ベルト補強層が、タイヤ赤道から、前記ショルダ陸部のタイヤ幅方向中央よりタイヤ赤道側の部分に対応するタイヤ幅方向位置までにわたって、前記トレッド接地面と略平行に延びているとともに、前記ショルダ陸部のタイヤ幅方向中央よりタイヤ赤道側の部分に対応するタイヤ幅方向位置から、該ベルト補強層外側端に向かうにつれて徐々にタイヤ径方向内側へ延びており、前記ショルダ陸部の前記トレッド接地面から前記ベルト補強層までのタイヤ径方向距離は、前記ショルダ陸部のタイヤ幅方向中央よりタイヤ赤道側の部分に対応するタイヤ幅方向位置から、前記ベルト補強層外側端に向かって漸増しており、タイヤ内圧充填時におけるタイヤ赤道とタイヤ接地端部とにおける直径どうしの差分である、タイヤ内圧充填時におけるタイヤ赤道からタイヤ接地端部迄のタイヤ径方向距離の落ち高さが、タイヤ直径の0%より大きく、1.5%以下として、タイヤ赤道部と前記ショルダ陸部でタイヤ径の差が少ないクラウン形状にすると共に、路面に接地するトレッドショルダ領域のタイヤ接地面形状を矩形状としている。
このベルト補強層を形成するコードは、トレッド周方向に直線状、ジグザグ状、波形状等の形態でトレッド幅方向に螺旋状に延在するものとすることができ、また、コード伸長率が2%前後に到るまでは、小さな引張力で大きく伸長する一方、その伸長率を越えた後は、大きな引張力によっても伸長率が少なくなる、いわゆる初期伸びの大きい、たとえばスチール製撚りコードとすることができる。
なお、ベルト補強層のコードを、ジグザグ状等の迂曲形態で延在させることによって、コードの初期伸びを確保するときは、リムに組み付けたタイヤに、JATMA、TRA、ETRTO等の規格のYEAR BOOKその他で規定される最高空気圧を充填した状態で、迂曲形態が消失するものとすることが、空気入りタイヤの使用状態での径成長抑制機能を、そのベルト補強層に十分発揮させる上で好ましい。
ところで、コードを相互に交差させて延在させてなる二層以上のベルト層のコード交錯幅は、トレッド幅の65〜90%の範囲とすることが好ましい。
この発明に係る空気入りタイヤでは、高い「たが機能」を発揮するベルト補強層の最外側縁位置を跨いで位置するショルダ陸部の、トレッド接地面からベルト補強層までの距離は、ショルダ陸部のベルト補強層外側端の方がタイヤ赤道側より長くしていることにより、負荷転動時のタイヤへのスリップ角の付与によって、そのショルダ陸部の、ベルト補強層の半径方向外周側部分が、図4に例示したように、トレッドセンタ側へ膨出変形されても、従来技術に比し、変形量の絶対値を小さく抑えることができる。更に、タイヤ内圧充填時におけるタイヤ幅方向中央からタイヤ接地端部迄のタイヤ径方向距離の落ち高さが、タイヤ幅方向中央のタイヤ径方向距離の0%より大きく1.5%以下とした場合は、タイヤ接地形状を矩形にすることができ、ショルダ外側の接地長を大きくすることができる。そのため、横力SFを発生させる領域が増加することでタイヤ全体の横力SFも増加する。特に、上述したように、ショルダ外側のクラッシング剪断力は横力SF方向であるので、横力SFは、より高まる方向となる。一方、1.5%を越えると、幅広いベルト補強層によりタイヤ接地形状は丸くなるため、横力SFを発生させる面積が減少し横力SFが低下する。更に、0%未満となると、ショルダ外側の接地長が伸び、横力SFを発生させる面積が増加するが、ショルダ部での耐磨耗性能低下への懸念が大きくなる。
このため、一般に、ショルダ陸部の変形量と陸部剛性との積として表わされるクラッシング剪断力を有効に抑制して、スリップ用の付与に基いてタイヤに発生する横力の相殺を効果的に防止し、高い操縦安定性の発揮を十分に担保することができる。
このタイヤにおいて、トレッド接地面からベルト補強層までの距離を、ショルダ陸部のタイヤ赤道側から前記ベルト補強層外側端に向かって漸増するようにしたことにより、ベルトはショルダセンタ側からショルダ外側へ向かい斜めに押すため、トレッド膨出変形がショルダセンタ側で小さく、ショルダ外側で大きくなる。ショルダ陸部の剛性とショルダ陸部の変形量との積で表されて、発生横力を相殺する向きに作用するクラッシング剪断力も、ショルダセンタ側で小さくショルダ外側で大きくすることができる。故に、横力SFを相殺するショルダセンタ側のクラッシング剪断力を小さく抑えることができ、横力SFを向上させることができる。
なおここで、コードを相互に交差させてなる二層以上のベルト層のコード交錯幅を、トレッド幅の65〜90%の範囲としたときは、ベルト層からなるベルトの面内曲げ剛性を高めることができ、この範囲であれば、横力SFを積極的に高めることができるベルト幅とすることができる。即ち、上記数値範囲が65%未満では、ベルトの面内曲げ剛性の低下が著しく、横力SFも低下することになる他、二層以上のベルト層の幅に大きく相違することによって、プライステアフォース(Ply Steer Force:PSF)が大きくなる懸念もある。一方、上記数値範囲が90%を越えると、ベルトの面内曲げ剛性が増加して、横力SFも増大するが、ベルト層間剥離等の耐久性能の低下が懸念されることになる。
この発明の一実施の形態に係る空気入りタイヤの内部構成を概略的に示し、(a)はトレッド幅方向に沿う部分断面図、(b)はベルト補強層及びベルト層の部分展開平面図である。 図1の空気入りタイヤにおけるタイヤ接地端部の落ち高さを示すトレッド幅方向に沿う断面による説明図である。 空気入りタイヤのトレッドの路面接地状態を示し、(a)はこの発明に係る空気入りタイヤのフットプリント図、(b)は従来の空気入りタイヤのフットプリント図である。 ショルダリブのトレッド幅方向部分を拡大して例示する断面説明図である。
以下、この発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施の形態に係る空気入りタイヤの内部構成を概略的に示し、(a)はトレッド幅方向に沿う部分断面図、(b)はベルト補強層及びベルト層の部分展開平面図である。図1に示すように、空気入りタイヤのカーカス1は、図示しない一対のビード部間にトロイダルに延在する、例えば一枚のカーカスプライからなり、ラジアル構造とすることができる。
カーカス1のクラウン域における外周側に配設されたベルト補強層2は、トレッド周方向に延在するコード、例えば、並列に配置した複数本のコードをゴム被覆した、3〜20mm幅のリボン状のストリップを、タイヤ軸線周りに螺旋状に巻回した、トレッド周方向に対して5°以下の角度で延在するコードにより、形成することができる。
なお、ベルト補強層2は二層以上配設することも可能である。
ここで、ベルト補強層2のコード2aは、前述したような、初期延びの大きいラング撚りスチールコードやハイエロンゲーションスチールコード等の他、有機繊維コードとすることができ、また、トレッド周方向に対してジグザグ状、クランク状、波形状等の迂曲形態で延在するスチールコードとすることもできる。
ベルト補強層2の外周側には、トレッド周方向に対し、例えば35〜55°の傾斜角度で延びるコードからなるベルト層が一層以上(図1では、二層のベルト層3,4を例示)配設されており、ここでは、ベルト層3,4のそれぞれを形成するコード3a,4aを、トレッド周方向に対して相互に逆方向に延在させている。
これらベルト層3,4の外周側には、トレッド接地面5aを形成するトレッドゴム5が配設されており、かかるトレッドゴム5に、例えば、2本のトレッド幅方向外側の周溝(ショルダ周溝)6と4本のトレッド幅方向内側の周溝7a,7bの計6本の周溝を形成することにより、トレッド接地面5aは、七条の陸部、例えば、トレッド幅方向中央の1本のリブ8と、リブ8両側の4本のリブ9a,9bと、トレッド幅方向両端の2本のリブ(ショルダリブ)10により区画される。
ところで、このような空気入りタイヤでは、ベルト補強層2は、その配設層数が一層或いは複数層の別なく、トレッド幅方向の最外側縁を、リムに組付けた製品タイヤにJATMA、TRA、ETRTO等の規格のYEAR BOOKその他で規定される最高空気圧を充填したときのタイヤ径成長率が、後述するA%となる位置よりも、トレッド幅方向外側に位置させることが好ましい。ここでのこのA%は、ベルト補強層2を形成するコードを引張試験したとき、そのコードが破断弾性率EIの10%の弾性率を示すときの伸長率(%)に対応する、タイヤ径成長率をいうものとする。
この空気入りタイヤでは、トレッド幅方向の最も外側に配設されトレッド周方向に連続して延びるショルダ周溝6によって、トレッドゴム5に、ベルト補強層2の最外側縁位置Eを跨いで位置する、ショルダ陸部としてのショルダリブ10が区画されている。このショルダリブ10は、トレッドショルダ側からトレッドセンタ側へ向かってなだらかな上り傾斜の、曲面を可とする傾斜面により形成されている。
そして、この空気入りタイヤにあっては、タイヤ内圧充填時の、トレッドゴム5のトレッド幅方向外側端部に位置するショルダリブ10において、ショルダリブ10の任意の場所でのトレッド接地面5aからベルト補強層2までの距離が、タイヤ接地面5aの外側端(トレッド幅方向外側)に向かって長くなるように、ベルト補強層2のショルダリブ10に配置されている部分をタイヤ径方向内側に屈曲させている。
即ち、図1に示すように、タイヤ内圧充填時のショルダリブ10のトレッド幅方向に沿う断面において、ショルダリブ10のタイヤ赤道側であるトレッド幅方向中央側端部S1における、トレッド接地面5aからベルト補強層2表面までのタイヤ径方向距離Aに比べ、ショルダリブ10のベルト補強層外側端である、トレッド幅方向中央側端部S1よりトレッド幅方向外側のトレッド幅方向外側位置S2における、トレッド接地面5aからベルト補強層2表面までのタイヤ径方向距離Bの方が長くなる(A<B)ように、ベルト補強層2を配置している。
また、トレッド接地面5aからベルト補強層2表面までのタイヤ径方向距離は、ショルダリブ10のタイヤ赤道(トレッドセンタ)CL側からベルト補強層2の外側端に向かって徐々に長くなるように、漸増している
に、この空気入りタイヤでは、タイヤ内圧充填時におけるタイヤ接地端部のタイヤ赤道CLからの落ち高さを規定している。
図2は、図1の空気入りタイヤにおけるタイヤ接地端部の落ち高さを示すトレッド幅方向に沿う断面による説明図である。図2に示すように、タイヤ内圧充填時のトレッドリブ10のトレッド幅方向に沿う断面において、タイヤ赤道CLのタイヤ径方向距離をR、タイヤ接地面5aの接地端部であるタイヤ接地端部における、タイヤ赤道CLのタイヤ径方向距離Rとの差、即ち、タイヤ赤道CLからの落ち高さをrとした場合のr/Rが、0[%]以上、1.5[%]以下(0≦r/R≦1.5)となる、トレッドリブ10におけるタイヤ赤道CLのタイヤ径方向長さRを有するタイヤクラウンを形成する。
なお、「タイヤ赤道CLのタイヤ径方向距離R」とは、タイヤ直径を指す。
つまり、タイヤ内圧充填時におけるタイヤ幅方向中央であるタイヤ赤道CLからタイヤ接地端部迄のタイヤ径方向距離の落ち高さが、タイヤ赤道CLを基準(100%)としてタイヤ赤道CLのタイヤ径方向距離Rの0[%]以上、1.5[%]以下である。
このような構成を有する空気入りタイヤによれば、トレッドゴム5のショルダリブ10のゴム量を増やすこと、即ち、トレッドショルダ領域のゴム量を増やすことができるので、トレッド幅方向に沿う断面において、タイヤ赤道部CLとショルダリブ10でタイヤ径の差が少ないクラウン形状になると共に、ベルト補強層2の表面からタイヤ接地面5aまでの厚みは、ショルダリブ10のタイヤ赤道CL側よりベルト補強層2の端部側の方が大きいことになる。
図3は、空気入りタイヤのトレッドの路面接地状態を示し、(a)はこの発明に係る空気入りタイヤのフットプリント図、(b)は従来の空気入りタイヤのフットプリント図である。図3に示すように、この発明に係る空気入りタイヤにあっては、トレッド幅方向に沿う断面において、タイヤ赤道部CLとショルダリブ10でタイヤ径の差が少なく、且つ、トレッドゴム5の厚みは、ショルダリブ10のタイヤ赤道CL側よりベルト補強層2の端部側の方が大きいことから、タイヤ接地面5aは、タイヤ赤道CL側からベルト補強層2の端部側まで略全域が路面に接地することになる((a)参照)。
つまり、従来の空気入りタイヤの場合、トレッドショルダ領域(ベルト補強層2の端部側)が路面に接地せず、タイヤ接地面形状は四隅が欠けたラウンド形状((b)参照)となるのに対し、この発明に係る空気入りタイヤの場合、トレッドショルダ領域(ベルト補強層2の端部側、即ち、両ショルダリブ10の外側角部)も路面に確実に接地して、タイヤ接地面形状は四隅が明確な矩形状((a)参照)となる。
このため、ショルダリブ10の負荷荷重に対する剛性を高めることになって、タイヤを負荷転動させる際に、荷重直下でベルト補強層2によって圧潰変形されるショルダリブ10の、トレッドセンタ側への膨出変形を、従来技術に比べて有効に抑制することができることになる。これにより、ショルダリブ変形量とショルダリブ剛性の積として表わされる、横力を相殺する向きのクラッシング剪断力も効果的に低減されることになるので、タイヤにスリップ角を付与して横力を発生させるに当っての、クラッシング剪断力による横力の相殺分を十分小さく抑えて、操縦安定性を有利に向上させることができる。
トラック・バス用の、サイズが435/45R22.5のタイヤを、14.00×22.5のリムに組み付けるとともに、充填空気圧を900Paに負荷加重を49kNとして、ドラム試験を行い、タイヤを50km/hの速度で、1°のスリップ角を付与して回転させたときの、タイヤが発生するコーナリングパワ(CP)を、従来タイヤ及び実施例タイヤ1,2のそれぞれについて測定し、従来タイヤをコントロールとして指数評価したところ、表1に諸元とともに示す結果を得た。
なお、上記各タイヤは、タイヤ赤道面に沿う、深さが15mmの六本の周方向溝を有するものとし、それらの周方向溝によって区画されるリブの幅の相対比は、トレッドセンタ側からトレッドショルダ側に向けて、1:1:1:1.8とした。
Figure 0005926883
表1に示すところによれば、タイヤ接地端部の落ち高さの割合(r/R)が1.73[%]である従来タイヤに対し、0[%]以上、1.5[%]以下(0≦r/R≦1.5)である、この発明に係る実施例タイヤ1,2は、従来タイヤに比べ、横力SFを相殺するクラッシング剪断力の発生を抑制して横力SFを有効に高めることができるので、結果として、コーナリングパワ(CP)の増加、ひいては操縦安定性の向上を実現することができる。
この発明によれば、負荷転動時のタイヤへのスリップ角の付与によって、そのショルダ陸部の、ベルト補強層のタイヤ半径方向外周側部分が、トレッドセンタ側へ膨出変形したとしても、従来技術に比べ、変形量の絶対値を小さく抑えることができるので、タイヤにスリップ角を付与した場合に、タイヤの発生横力を高めて操縦安定性を向上させることができることになり、トラック、バス等の重荷重用車両に用いる重荷重用空気入りタイヤに最適である。
1 カーカス
2 ベルト補強層
2a ベルト補強層コード
3,4 ベルト層
3a,4a ベルト層コード
5 トレッドゴム
5a トレッド接地面
6 ショルダ周溝
7a,7b 周溝
8,9a,9b リブ
10 ショルダリブ
A,B タイヤ径方向距離
CL タイヤ赤道
E ベルト補強層最外側縁位置
R タイヤ赤道CLのタイヤ径方向距離
r タイヤ赤道CLからの落ち高さ
S1 トレッド幅方向中央側端部
S2 トレッド幅方向外側位置

Claims (2)

  1. 一対のビード部間にトロイダルに延在する、一枚以上のカーカスプライからなるカーカスと、カーカスのクラウン域の外周側に配設されて、トレッド周方向に延在するコードからなるベルト補強層の少なくとも一層と、ベルト補強層の外周側に配設され、トレッド周方向に対し傾斜して延びるコードからなるベルト層の一層以上と、ベルト層の外周側に配設されてトレッド接地面を形成するトレッドゴムとを具える空気入りタイヤであって、
    前記トレッドゴムには、トレッド周方向に延びる6本の周溝が設けられており、前記6本の周溝のうちのタイヤ幅方向最外側に位置する2本のショルダ周溝で、前記トレッドゴムに、ベルト補強層の最外側縁位置を跨いで位置するショルダ陸部を区画するとともに、
    前記ベルト補強層が、タイヤ赤道から、前記ショルダ陸部のタイヤ幅方向中央よりタイヤ赤道側の部分に対応するタイヤ幅方向位置までにわたって、前記トレッド接地面と略平行に延びているとともに、前記ショルダ陸部のタイヤ幅方向中央よりタイヤ赤道側の部分に対応するタイヤ幅方向位置から、該ベルト補強層外側端に向かうにつれて徐々にタイヤ径方向内側へ延びており、
    前記ショルダ陸部の前記トレッド接地面から前記ベルト補強層までのタイヤ径方向距離は、前記ショルダ陸部のタイヤ幅方向中央よりタイヤ赤道側の部分に対応するタイヤ幅方向位置から、前記ベルト補強層外側端に向かって漸増しており、
    タイヤ内圧充填時におけるタイヤ赤道とタイヤ接地端部とにおける直径どうしの差分である、タイヤ内圧充填時におけるタイヤ赤道からタイヤ接地端部迄のタイヤ径方向距離の落ち高さが、タイヤ直径の0%より大きく、1.5%以下として、タイヤ赤道部と前記ショルダ陸部でタイヤ径の差が少ないクラウン形状にすると共に、路面に接地するトレッドショルダ領域のタイヤ接地面形状を矩形状とする空気入りタイヤ。
  2. コードを交互に交差させてなる二層以上のベルト層のコード交錯幅を、トレッド幅の65〜90%の範囲としてなる請求項1に記載の空気入りタイヤ。
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