JP5564407B2 - 巻芯および巻体の製造方法 - Google Patents

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この発明は、巻芯および巻体の製造方法に関するものである。
一般に、線材やシート材等の巻材の巻体は、巻取り装置の回転軸に巻芯を装着して回転軸回りに巻芯を回転させ、巻芯で巻材を巻き取ることにより製造される。通常巻芯には、紙や樹脂、金属等により形成された円筒状の部材が使用されている。
ところで、ユーザが巻体から巻材を引き出して使用した後は、巻芯は不要となる。そこで、巻材を巻き取った後に巻体から巻芯を引き抜いて、芯無しの巻体をユーザに提供している。しかし、巻材を巻き取った後は、巻材の張力により、巻芯の径方向中心に向かって収縮力が作用する。特に、巻材の巻き数が多くなるほどこの収縮力は大きくなるため、巻体から巻芯を引き抜くのはきわめて困難である。
上述の問題を解決するために、例えば特許文献1の巻物支持軸(本願の「巻芯」に相当)は、巻取り装置の本体側端部に設けられた第一の押圧板と、その反対側端部に設けられた第二の押圧板との間に着脱可能に配置される軸本体と、その軸本体に接近・遠離可能にリンク部材により連結された複数の羽根部とを備え、前記羽根部は、前記軸本体の長手方向と平行に長手方向を有している。そして、前記第一の押圧板と前記第二の押圧板の両方が装着されている時に、前記羽根部が前記軸本体から遠ざかって巻物支持軸が拡径し、前記第二の押圧板が取り外された時に、前記羽根部が前記軸本体に近づいて巻物支持軸が縮径する構造を有している。
特許文献1によれば、第一の押圧板と第二の押圧板とを装着して巻物支持軸を拡径した状態で巻材を巻き取る。巻取りが完了したら、第二の押圧板を巻取り装置から取り外す。それに伴い、リンク部材が巻物支持軸に近づいていき、羽根部が軸本体に接近して、巻物支持軸が縮径する。巻物支持軸が縮径することで、巻体を巻物支持軸から容易に取り外すことができる。これにより、巻体と巻芯とを離脱させて、巻芯の無い巻体を提供することができるとされている。
特開2003−321151号公報
しかし、特許文献1の巻物支持軸は、複数の羽根部および複数のリンク部材が必要である。また、巻材の収縮荷重が大きい場合には、収縮荷重を分散するため、さらに多くの羽根部およびリンク部材が必要となる。したがって、部品点数が多くなり高コストである。
そこで本発明は、部品点数が少なく低コストに縮径可能な巻芯およびこの巻芯を使用した巻体の製造方法の提供を課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明の巻芯は、巻材を巻き取って、巻体を形成するために使用する略円筒状の巻芯であって、前記巻芯は、前記巻芯の周方向に沿って分割された一対の第1巻胴部材および一対の第2巻胴部材を連結して形成され、前記各巻胴部材は、隣接する前記巻胴部材に連結された状態で、前記巻芯の中心軸の軸方向に沿って、隣接する前記巻胴部材に対して摺動可能となっており、前記各巻胴部材の一端側から前記各巻胴部材の他端側に向かって、前記周方向の幅が先細る先細り形状に形成されており、前記第1巻胴部材および前記第2巻胴部材は、先細り方向が互いに逆方向とされ、前記周方向に沿って交互に配置されており、前記第1巻胴部材の前記周方向における両端面には、前記周方向に凹んだ溝部が前記一端側から前記他端側に向かって延設され、前記第2巻胴部材の前記周方向における両端面には、前記周方向に突出した凸部が前記一端側から前記他端側に向かって延設され、前記巻芯の径方向における前記溝部の開口の幅は、前記径方向における前記溝部の底面の幅よりも狭く形成されており、前記径方向における前記凸部の頂面の幅は、前記径方向における前記凸部の基端側の幅よりも広く形成されており、前記凸部の前記頂面の幅は、前記溝部の前記開口の幅よりも広く形成されており、前記第1巻胴部材および前記第2巻胴部材は、前記第1巻胴部材の前記溝部と、前記第2巻胴部材の前記凸部と、を係合することで連結されていることを特徴とする。
本発明によれば、一対の第1巻胴部材および一対の第2巻胴部材は、第1巻胴部材に延設された溝部と、第2巻胴部材に延設された凸部と、を係合することにより、隣接する各巻胴部材に対して摺動可能に連結されている。ここで、第1巻胴部材および第2巻胴部材は先細り形状に形成されている。したがって、先細り方向とは逆方向に、各巻胴部材のうち少なくとも1個の巻胴部材を移動させると、巻胴部材の移動量に略比例して巻芯の外周長が短くなる。これにより、各巻胴部材は、隣接する巻胴部材と連結された状態のまま内径側に変位していくため、巻芯が縮径する。このように、一対の第1巻胴部材に形成された溝部と、一対の第2巻胴部材に形成された凸部とを係合し、各巻胴部材のうち少なくとも1個の巻胴部材を移動させるだけで、簡単に巻芯を縮径することができる。したがって、部品点数が少なく低コストに縮径可能な巻芯を提供することができる。
また、溝部の開口の幅は、溝部の底面の幅よりも狭く形成されており、凸部の頂面の幅は、凸部の基端側の幅よりも広く形成されている。さらに、凸部の頂面の幅は、溝部の開口の幅よりも広く形成されている。このように形成された溝部と凸部とを係合すると、凸部の頂面は、溝部の開口から周方向に外れることがない。したがって、巻芯を縮径しても、各巻胴部材が外れることなく、連結を維持することができる。
また、前記第1巻胴部材は、前記巻芯の内径側に配置される第1内径側部材と、前記巻芯の外径側に配置される第1外径側部材とを、前記径方向に沿って重ねることにより形成され、前記第2巻胴部材は、前記内径側に配置される第2内径側部材と、前記外径側に配置される第2外径側部材とを、前記径方向に沿って重ねることにより形成され、前記溝部の前記内径側の側壁は、前記第1内径側部材によって形成され、前記第2巻胴部材の前記周方向の端面のうち、前記凸部よりも前記外径側の部分は、前記第2外径側部材によって形成されていることが望ましい。
本発明によれば、第1巻胴部材の溝部における内径側の側壁は、第1内径側部材によって形成されている。したがって、第1内径側部材および第1外径側部材は、前記径方向に金型を離型する際にアンダーカット形状とならない。したがって、第1内径側部材および第1外径側部材をインジェクション成型する際に、スライド型を使用する必要がないので金型の構造を単純化できる。また、金型の離型作業を容易に行うことができる。さらに、第1巻胴部材は、第1内径側部材および第1外径側部材を径方向に沿って重ねることにより、簡単に形成できる。したがって、第1巻胴部材を低コストに形成できる。
また、第2巻胴部材の凸部の頂面の幅は、凸部の基端側の幅よりも広く形成されている。このため、前記径方向に金型を離型しようとすると、凸部の外径側の側壁を形成するためのスライド型が必要となり、離型工程が煩雑となる。しかし、本発明によれば、第2巻胴部材の周方向の端面のうち、凸部よりも外径側の部分が第2外径側部材によって形成されている。これにより、前記径方向に金型を離型する際にスライド型を使用する必要がない。したがって、金型の構造を単純化でき、金型の離型作業を容易に行うことができる。さらに、第2巻胴部材は、第2内径側部材および第2外径側部材を前記径方向に沿って重ねることにより、簡単に形成できる。したがって、第2巻胴部材を低コストに形成できる。
このように、第1巻胴部材および第2巻胴部材を低コストに形成できるので、低コストで縮径可能な巻芯を提供することができる。
また、前記第1巻胴部材に延設された前記溝部は、ダブテール溝部であり、前記第2巻胴部材に延設された前記凸部は、ダブテール凸部であることが望ましい。
本発明によれば、第1巻胴部材および第2巻胴部材は、ダブテール溝部とダブテール凸部により連結されているので、巻芯を縮径しても、確実に各巻胴部材の連結を維持することができる。
また、本発明の巻芯を使用した巻体の製造方法は、前記巻芯に前記巻材を巻き付ける巻付工程と、前記各巻胴部材のうち少なくとも1個の前記巻胴部材を、前記先細り方向とは逆方向に、隣接する他の前記巻胴部材に対して摺動させて、前記巻芯を縮径させる縮径工程と、前記巻芯を前記巻材から引き抜く巻芯引抜工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、縮径工程では、隣接する巻胴部材との連結を維持しつつ、先細り方向とは逆方向に先細り巻胴部材を移動させることで、簡単に巻芯を縮径することができる。そして、縮径された巻芯を巻芯引抜工程で引き抜くことにより、巻芯の無い巻体を低コストでユーザに提供することができる。
本発明によれば、一対の第1巻胴部材および一対の第2巻胴部材は、第1巻胴部材に延設された溝部と、第2巻胴部材に延設された凸部と、を係合することにより、隣接する各巻胴部材に対して摺動可能に連結されている。ここで、第1巻胴部材および第2巻胴部材は先細り形状に形成されている。したがって、先細り方向とは逆方向に、各巻胴部材のうち少なくとも1個の巻胴部材を移動させると、巻胴部材の移動量に略比例して巻芯の外周長が短くなる。これにより、各巻胴部材は、隣接する巻胴部材と連結された状態のまま内径側に変位していくため、巻芯が縮径する。このように、一対の第1巻胴部材に形成された溝部と、一対の第2巻胴部材に形成された凸部とを係合し、各巻胴部材のうち少なくとも1個の巻胴部材を移動させるだけで、簡単に巻芯を縮径することができる。したがって、部品点数が少なく低コストに縮径可能な巻芯を提供することができる。
また、溝部の開口の幅は、溝部の底面の幅よりも狭く形成されており、凸部の頂面の幅は、凸部の基端側の幅よりも広く形成されている。さらに、凸部の頂面の幅は、溝部の開口の幅よりも広く形成されている。このように形成された溝部と凸部とを係合すると、凸部の頂面は、溝部の開口から周方向に外れることがない。したがって、巻芯を縮径しても、各巻胴部材が外れることなく、連結を維持することができる。
巻芯の斜視図である。 第1巻胴部材の斜視図である。 図2のA−A線における断面図である。 第1内径側部材および金型の説明図である。 第1外径側部材および金型の説明図である。 第2巻胴部材の斜視図である。 図6のB−B線における断面図である。 第2内径側部材および金型の説明図である。 第2外径側部材および金型の説明図である。 軸方向から見た巻芯の説明図であり、図10(a)は一方側から見た巻芯の説明図であり、図10(b)は他方側から見た巻芯の説明図である。 巻体の製造工程のフローチャートである。 巻付工程の説明図であり、図12(a)は巻材を巻き付けている時の説明図であり、図12(b)は巻材を巻き付けた後の説明図である。 縮径工程の説明図であり、径方向から見た説明図である。 図13のD−D線における断面図である。 縮径時の第1巻胴部材と第2巻胴部材との連結部分の拡大図である。
以下に、本実施形態の巻芯につき、図面を参照して説明する。
図1は、巻芯1の斜視図である。
なお、以下の説明では、巻芯1の径方向をR方向とし、巻芯1の中心軸Cの軸方向をZ方向とし、巻芯1の周方向をθ方向と定義する。また、Z方向の一方側を+Z側とし、他方側を−Z側とする。R方向の外周側を+R側とし、内周側を−R側とする。−Z側から見て、時計回り方向を+θ側とし、半時計周り方向を−θ側とする。必要に応じてこれらR,Zおよびθの円筒座標系を使用して説明する。
図1に示すように、巻芯1は、巻材3a(図12(a)参照)を巻き取って、巻体3(図12(b)参照)を形成するために使用する略円筒形の部材である。巻材3aの具体例としては、電線や紐等の線材やプラスチックフィルムや紙、布、金属薄板等のシート材が挙げられる。本実施形態では、後述するように巻芯1に紐を巻き付けて巻体3を形成する場合を例にして説明する。
本実施形態の巻芯1は、直径が例えば60mm程度、Z方向の長さが例えば190mm程度、R方向の肉厚が例えば15mm程度に形成されている。この各部の寸法は一例であり、巻芯1の直径やZ方向の長さ、巻芯1の肉厚等は、巻体3の大きさや巻材3aを巻き付けた後に、巻材3aの張力により作用する収縮力等により決定される。
本実施形態の巻芯1は、一対の第1巻胴部材10と、一対の第2巻胴部材20とにより形成されている。
(第1巻胴部材)
図2は第1巻胴部材10の斜視図である。
図3は図2のA−A線における断面図である。
第1巻胴部材10は、+Z側から見て略円弧形状をした樹脂等からなる部材である。第1巻胴部材10の+Z側端部11は、θ方向の円弧長が短い幅狭部11aとなっており、第1巻胴部材10の−Z側端部13はθ方向の円弧長が長い幅広部13aとなっている。また、幅狭部11aから幅広部13aまでの第1巻胴部材10の縁は、直線状に形成されている。このように、第1巻胴部材10は、−Z側から+Z側に向かってθ方向の幅が漸次狭くなる先細り形状に形成されている。このため、第1巻胴部材10の先細り方向は+Z方向となる。
第1巻胴部材10の+θ側端面17には、+Z側から−Z側に向かって+θ側溝部35(請求項の「ダブテール溝部」に相当)が延設されている。また、第1巻胴部材10の−θ側端面15には、+Z側から−Z側に向かって−θ側溝部30(請求項の「ダブテール溝部」に相当)が延設されている。なお、−θ側溝部30および+θ側溝部35は同一形状であるため、以下では、−θ側溝部30を説明し、+θ側溝部35については説明を省略する。
図3に示すように、第1巻胴部材10の−θ側溝部30は、第1巻胴部材10の−θ側端面15を+θ側に凹ませることにより形成されている。具体的に−θ側溝部30は、底面30aと、−R側壁部30bと、+R側壁部30cと、で形成されている。−θ側溝部30の底面30aは、−θ側端面15のR方向における略中央において、−θ側端面15と略並行に、−θ側端面15から深さαとなるように形成されている。また、−θ側溝部30の−R側壁部30bおよび+R側壁部30cは、+θ側から−θ側に向かってR方向の間隔が狭くなるように形成されている。したがって、−θ側溝部30は、第1巻胴部材10における−θ側溝部30のR方向の開口幅が底面30aのR方向の幅よりも狭くなる、いわゆるダブテール溝部となる。
ところで、上述のように、第1巻胴部材10の+θ側溝部35および−θ側溝部30を形成すると、+θ側溝部35および−θ側溝部30は、θ方向でアンダーカット形状となる。したがって、第1巻胴部材10をインジェクション成型しようとすると、θ方向に金型を離型することができない。また、Z方向に金型を離型する構成にすると、金型の抜き勾配により+θ側溝部35および−θ側溝部30の断面形状が不均一になる。そこで、+R側に配置された第1外径側部材10bおよび−R側に配置された第1内径側部材10aの2部材により、第1巻胴部材10を形成している。
(第1内径側部材)
図4は、第1内径側部材10aおよび金型の説明図である。
第1内径側部材10aは、Z方向から見て、内周面14aと外周面16aとを有する略円弧形状の部材である。第1内径側部材10aの外周面16aにおけるθ方向の両端には、θ方向の外側にかけて+R方向に傾斜する傾斜面が形成されている。この傾斜面は、各溝部30,35の−R側(内径側)壁部30b,35bとなる。
第1内径側部材10aは、R方向のうち、第1内径側部材10aの最大幅となる2点を結ぶ直線に垂直な方向において、アンダーカット形状とはならない。したがって、図4に示すように、キャビティ型90aと、コア型91aとをR方向に離型させて、第1内径側部材10aをインジェクション成型することができる。本実施形態では、キャビティ型90aで、第1内径側部材10aの内周面14a、+θ側端面17aおよび−θ側端面15aを形成している。また、コア型91aで、第1内径側部材10aの外周面16aおよび各溝部30,35の−R側壁部30b,35bを形成している。
(第1外径側部材)
図5は、第1外径側部材10bおよび金型の説明図である。
第1外径側部材10bは、Z方向から見て、内周面14bと外周面16bとを有する略円弧形状の部材である。各溝部30,35の底面30a,35aは、第1外径側部材10bの+θ側端面17bおよび−θ側端面15bの内周側をθ方向に凹ませることで形成される。また、内径側に傾斜する傾斜面は、第1外径側部材10bの内周面14bにおけるθ方向の両端をR方向に凹ませることで形成される。この傾斜面は、各溝部30,35の+R側(外径側)壁部30c,35cとなる。
第1外径側部材10bは、R方向でアンダーカット形状とはならない。したがって、図5に示すように、キャビティ型90bと、コア型91bとをR方向に離型させて、第1外径側部材10bをインジェクション成型することができる。キャビティ型90bは、第1外径側部材10bの内周面14b、+θ側端面17b、−θ側端面15b、底面30a,35aおよび+R側壁部30c,35cを形成している。また、コア型91bは、第1外径側部材10bの外周面16bを形成している。
第1巻胴部材10は、上述の第1内径側部材10aおよび第1外径側部材10bにより形成される。具体的には、まず、第1内径側部材10aの外周面16aと、第1外径側部材10bの内周面14bとを当接させる。そして、第1内径側部材10aと第1外径側部材10bとを、タッピングネジ(不図示)や接着剤等で接合することにより第1巻胴部材10が形成される。
上述のように、第1内径側部材10aおよび第1外径側部材10bをインジェクション成型する際に、スライド型を使用する必要がないので金型の構造を単純化できる。また、金型の離型作業を容易に行うことができる。さらに、第1巻胴部材10は、インジェクション成型した第1内径側部材10aおよび第1外径側部材10bを径方向に沿って重ねて接合することで簡単に形成される。したがって、第1巻胴部材10を低コストに形成することができる。
(第2巻胴部材)
図6は第2巻胴部材20の斜視図である。
図7は図6のB−B線における断面図である。
図6および図7に示すように、第2巻胴部材20は、+Z側から見て略円弧形状をした樹脂等からなる部材である。第2巻胴部材20の+Z側端部21は、θ方向の円弧長が長い幅広部21aとなっており、第2巻胴部材20の−Z側端部23はθ方向の円弧長が短い幅狭部23aとなっている。また、幅広部21aから幅狭部23aまでの第2巻胴部材20の縁は、直線状に形成されている。このように、第2巻胴部材20は、+Z側から−Z側に向かってθ方向の幅が漸次狭くなる先細り形状に形成される。このため、第2巻胴部材20の先細り方向は−Z側となる。
第2巻胴部材20の+θ側端面27には、+Z側から−Z側に向かって+θ側凸部45(請求項のダブテール凸部に相当)が延設されている。また、第2巻胴部材20の−θ側端面25には、+Z側から−Z側に向かって−θ側凸部40(請求項のダブテール凸部に相当)が延設されている。なお、+θ側凸部45および−θ側凸部40は同一形状であるため、以下では、−θ側凸部40を説明し、+θ側凸部45については説明を省略する。
図7に示すように、第2巻胴部材20の−θ側凸部40は、第2巻胴部材20の−θ側端面25を−θ側に突出させることにより形成されている。具体的に−θ側凸部40は、頂面40aと、−R側壁部40bと、+R側壁部40cと、で形成されている。
第2巻胴部材20の−θ側凸部40における頂面40aは、−θ側端面25のR方向における略中央において、第2巻胴部材20の−θ側端面25と略並行に、−θ側端面25から距離βだけ−θ側に突出して形成されている。ここで、第2巻胴部材の−θ側凸部40における−θ側端面25と、頂面40aとの距離βは、第1巻胴部材10の+θ側溝部35における+θ側端面17と底面35aとの距離α(図3参照)よりも短くなるように形成される。これにより、+θ側凸部45を−θ側溝部30に連結し、−θ側凸部40を+θ側溝部35に連結して巻芯1を形成した際に、第1巻胴部材10と第2巻胴部材20との間でθ方向に遊びを設けることができる。
また、第2巻胴部材20における−θ側凸部40の−R側壁部40bおよび+R側壁部40cは、+θ側から−θ側に向かってR方向の間隔が広くなるように形成されている。したがって、第2巻胴部材20の−θ側凸部40は、−θ側凸部40における頂面40aのR方向の幅が−θ側凸部40の基端側の幅よりも広くなる、いわゆるダブテール凸部となる。
ここで、第2巻胴部材20の−θ側凸部40における−R側壁部40bと+R側壁部40cとのR方向の間隔は、第1巻胴部材の+θ側溝部35における−R側壁部35bと+R側壁部35cとのR方向の間隔よりも狭くなるように形成されている。これにより、第1巻胴部材10の+θ側溝部35に第2巻胴部材20の−θ側凸部40を連結し、第1巻胴部材10の−θ側溝部30に第2巻胴部材20の+θ側凸部45を連結して巻芯1を形成した際に、第1巻胴部材10と第2巻胴部材20との間でR方向にも遊びを設けることができる。
ところで、上述のように、第2巻胴部材20の+θ側凸部45および−θ側凸部40を形成すると、+θ側凸部45および−θ側凸部40は、θ方向でアンダーカット形状となる。したがって、第2巻胴部材20をインジェクション成型しようとすると、θ方向に金型を離型することができない。また、R方向に金型を離型する構成にすると、+θ側凸部45の+R側壁部45cおよび−θ側凸部40の+R側壁部40cを形成するために、+R側に移動するスライド型が少なくとも2個必要となり、離型作業が煩雑となる。また、Z方向に金型を離型する構成にすると、前述の様に、金型の抜き勾配によって+θ側凸部45および−θ側凸部40の断面形状が不均一になる。
そこで、本実施形態では、−R側に配置された第2内径側部材20aと、+R側に配置された第2外径側部材20bと、の2部材により第2巻胴部材20を形成している。
(第2内径側部材)
図8は、第2内径側部材20aおよび金型の説明図である。
第2内径側部材20aは、Z方向から見て、内周面24aと外周面26aとを有する略円弧形状の部材である。頂面40aは、第2内径側部材20aの−θ側において、−θ側端面25aと略並行に、−θ側に距離βだけ離間して形成される。また、−θ側凸部40の+R側壁部40cは、頂面40aと外周面26aとを傾斜面で接続することにより形成される。また、−θ側凸部40の−R側壁部40bは、頂面40aと−θ側端面25aとを傾斜面で接続することにより形成される。このようにして、−θ側凸部40が第2内径側部材20aの−θ側端面25aに形成される。なお、同様にして、+θ側凸部45が第2内径側部材20aの+θ側端面27aに形成される。
第2内径側部材20aは、R方向でアンダーカット形状とはならない。したがって、図8に示すように、キャビティ型90cと、コア型91cとをR方向に離型させて、第2内径側部材20aをインジェクション成型することができる。キャビティ型90cは、第2内径側部材20aの外周面26a、+θ側凸部45の+R側壁部45cおよび−θ側凸部40の−R側壁部40cを形成している。また、コア型91cは、第2内径側部材20aの内周面24a、各凸部の頂面40a,45aおよび各凸部40,45の−R側壁部40b,45bを形成している。
(第2外径側部材)
図9は、第2外径側部材20bおよび金型の説明図である。
第2外径側部材20bは、Z方向から見て、内周面24bと外周面26bとを有する略円弧形状の部材である。
第2外径側部材20bは、R方向でアンダーカット形状とはならない。したがって、図5に示すように、キャビティ型90dと、コア型91dとをR方向に離型させて、第2外径側部材20bをインジェクション成型することができる。キャビティ型90dは、第2外径側部材20bの外周面26bを形成している。また、コア型91dは、第2外径側部材20bの内周面24b、+θ側端面27b、−θ側端面25bを形成している。
第2巻胴部材20は、上述の第2内径側部材20aおよび第2外径側部材20bにより形成される。具体的には、第2内径側部材20aの外周面26aと、第2外径側部材20bの内周面24bとを当接させる。そして、第2内径側部材20aと第2外径側部材20bとを、タッピングネジ(不図示)や接着剤等で接合することにより第2巻胴部材20が形成される。
上述のように、第2内径側部材20aおよび第2外径側部材20bは、インジェクション成型でR方向に金型を離型する際に、スライド型を使用する必要がない。したがって、金型の構造を単純化でき、金型の離型作業を容易に行うことができる。さらに、第2巻胴部材20は、第1巻胴部材10と同様に、インジェクション成型した第2内径側部材20aおよび第2外径側部材20bを径方向に沿って重ねて接合することで簡単に形成される。したがって、第2巻胴部材20を低コストに形成することができる。
また、本実施形態の第1巻胴部材10は、第2巻胴部材20よりも外周面積が小さくなるように形成されているのが望ましい。
具体的には、第1巻胴部材10の+Z側端部11に形成された幅狭部11aの周長は、第2巻胴部材20の+Z側端部21に形成された幅広部21aの周長の略半分になるように形成されている(図10(a)参照)。また、第1巻胴部材10の−Z側端部13に形成された幅広部13aの周長は、第2巻胴部材20の−Z側端部23に形成された幅狭部23aの周長と略同一になるように形成されている(図10(b)参照)。
このように第1巻胴部材10の+Z側端部11および−Z側端部13の周長を設定することで、第1巻胴部材10の外周面積を、第2巻胴部材20の外周面積よりも小さくすることができる。これにより、巻材3aを巻き付けた際には、第1巻胴部材10を移動させる方が、第2巻胴部材20を移動させるよりも、巻材から受ける摩擦力は小さくなる。したがって、第2巻胴部材20に対して第1巻胴部材10を摺動させることにより、より小さい力で巻芯1を簡単に縮径させることができる。
(巻芯)
図10は、Z方向から見た巻芯1の説明図であり、図10(a)は+Z側から見た巻芯1の説明図であり、図10(b)は−Z側から見た巻芯1の説明図である。
巻芯1を形成する第1巻胴部材10および第2巻胴部材20は、先細り方向が逆方向とされ、巻芯1のθ方向に沿って交互に配置されている。
具体的には、一対の第1巻胴部材10の幅狭部11aは、巻芯1の+Z側に配置されている。また、一対の第1巻胴部材10の幅広部13aは、巻芯1の−Z側に配置されている。これにより、一対の第1巻胴部材10は、先細り方向が+Z側となるように配置される。
これに対して、一対の第2巻胴部材20の幅狭部23aは、巻芯1の−Z側に配置されている。また、一対の第2巻胴部材20の幅広部21aは、巻芯1の+Z側に配置されている。これにより、一対の第2巻胴部材20は、先細り方向が−Z側となるように配置される。
図10に示すように、第1巻胴部材10と第2巻胴部材20との連結は、Z方向から、第1巻胴部材10の各溝部30,35に、第2巻胴部材20の各凸部40,45を挿入することにより実現される。具体的には、第1巻胴部材10の−θ側溝部30に第2巻胴部材20の+θ側凸部45を連結し、第1巻胴部材10の+θ側溝部35に第2巻胴部材20の−θ側凸部40を連結している。
また、一対の第1巻胴部材10のおよび一対の第2巻胴部材20は、それぞれ先細り方向が同一である。したがって、+Z側から−Z側に向かって、一対の第2巻胴部材20に対して一対の第1巻胴部材10を摺動させることができる。また、−Z側から+Z側に向かって、一対の第1巻胴部材10に対して、一対の第2巻胴部材20を摺動させることができる。本実施形態では、+Z側から−Z側に向かって、一対の第2巻胴部材20に対して、一対の第1巻胴部材10を摺動させている。これにより、隣接する巻胴部材に対して1個の巻芯部材のみを摺動させて巻芯1を縮径する場合と比較して、簡単に巻芯1を縮径することができる。
(巻芯を使用した巻体の製造方法)
次に、上述の巻芯1を使用した巻体3(図12(b)参照)の製造方法について説明する。
図11は、巻体3の製造工程のフローチャートである。
図11に示すように、本実施形態の巻体3の製造方法は、巻芯1に巻材3a(図12(a)参照)を巻き付ける巻付工程S10と、巻芯1を縮径させる縮径工程S20と、巻芯1を巻体3から引き抜く巻芯引抜工程S30と、を有している。
(巻付工程S10)
図12は、巻付工程S10の説明図であり、図12(a)は巻材3aを巻き付けている時の説明図であり、図12(b)は巻材3aを巻き付けた後の説明図である。なお、以下の図面ではわかりやすくするために、巻材3aおよび巻体3を破線で表し、巻芯1が見えるようにしている。
巻付工程S10では、不図示の巻取り装置に巻芯1をセットし、巻芯1に巻材3aである紐を巻き付けている。
具体的には、まず、巻取り装置のシャフト50に巻芯1を外挿して、巻取り装置に巻芯1をセットする。
シャフト50は、その直径が巻芯1の内周面1a(図1参照)の直径よりも若干小径に形成されている。また、シャフト50は、油圧等により拡径する構造となっている。シャフト50に巻芯1を外挿した後、油圧によりシャフト50を拡径させて、シャフト50の外周面と巻芯1の内周面1aとを当接させる。これにより、シャフト50によって巻芯1が拘束されるので、シャフト50と巻芯1とが各方向に相対移動するのを規制できる。
続いて、巻取り装置を起動し、所定の回転数でシャフト50を中心軸回りに回転させる。これにより、シャフト50と共に巻芯1が中心軸C周りに回転するので、巻芯1の外表面1bに紐を巻き付けることができる。このとき、紐を引っ張って所定のテンションをかけつつ、紐をZ方向に沿って+Z側および−Z側に往復移動させて巻付工程S10を行う。これにより、巻芯1のZ方向において均一の巻数となるように紐を巻き付けることができる。
そして、シャフト50を所定回数回転させることで、図12(b)に示すように所定巻数の巻体3が形成される。巻体3が形成された後、シャフト50を縮径し、シャフト50から巻体3および巻芯1を取り外す。以上で、巻付工程S10が終了する。
(縮径工程S20)
図13は縮径工程S20の説明図であり、R方向から見た説明図である。
図14は、図13のD−D線における断面図である。
図15は、縮径時の第1巻胴部材10と第2巻胴部材20との連結部分の拡大図である。
なお、第1巻胴部材10と第2巻胴部材20との各連結部分は同一形状である。したがって、図15では、第1巻胴部材10の+θ側溝部35と第2巻胴部材20の−θ側凸部40との連結部分のみ表示し、第1巻胴部材10の−θ側溝部30と第2巻胴部材20の+θ側凸部45と連結部分の表示は省略している。
縮径工程S20では、第2巻胴部材20に対して第1巻胴部材10を摺動させることで巻芯1を縮径させる。
前述のとおり、一対の第1巻胴部材10は、−Z側から+Z側に向かって先細る先細り形状となっている。また、一対の第2巻胴部材20は、+Z側から−Z側に向かって先細る先細り形状となっている。このため、一対の第2巻胴部材20に対して、+Z側から−Z側に一対の第1巻胴部材10を摺動させると、図13および図14に示すように、第1巻胴部材10の移動量に略比例して巻芯1の外周長が短くなる。すなわち、第1巻胴部材10および第2巻胴部材20は、お互いに連結された状態のまま内径側に変位していく。これにより、巻芯を縮径することができる。
ここで、第1巻胴部材10の−θ側溝部30および+θ側溝部35におけるR方向の開口幅は、底面30a,35aのR方向の幅よりも狭くなっている。また、第2巻胴部材20の−θ側凸部40および+θ側凸部45における頂面40a,45aのR方向の幅は、−θ側凸部40および+θ側凸部45の基端側の幅よりも広くなっている。さらに、−θ側凸部40および+θ側凸部45の頂面40a,45aの幅は、−θ側溝部30および+θ側溝部35の開口の幅よりも広く形成されている。これにより、第1巻胴部材10の−θ側溝部30と第2巻胴部材20の+θ側凸部45とが係合し、第1巻胴部材10の+θ側溝部35と第2巻胴部材20の−θ側凸部40とが係合すると、θ方向で第1巻胴部材10および第2巻胴部材20が外れることがない。
また、第1巻胴部材10の摺動により、各巻胴部材は内径側に移動する。このため、図14および図15に示すように、巻芯1の外周面における第1巻胴部材10と第2巻胴部材20との境界には隙間が生じる。ここで、第1巻胴部材10の+θ側溝部35と第2巻胴部材20の−θ側凸部40とは、遊びを持ちつつ係合している。このため、第1巻胴部材10の+θ側溝部35と第2巻胴部材20の−θ側凸部40とは、+θ側溝部35内で−θ側凸部40の姿勢を変化させつつ、連結を維持することができる。したがって、図14および図15に示すように、第1巻胴部材10および第2巻胴部材20は、θ方向で外れることなくお互いの連結を維持したまま、相互に摺動することができる。
なお、巻付工程S10終了直後は、巻材3aは巻芯1に強固に巻き付けられた状態となっており、第1巻胴部材10は移動し難い状態となっている。したがって、縮径工程S20では、まず一方の第1巻胴部材10の+Z側端部11を打撃して、+Z側から−Z側に向かって第1巻胴部材10に大きな荷重を与える。これにより、+Z側から−Z側に向かって一方の第1巻胴部材10を微少距離だけ移動させることができる。このとき、巻芯1は、第1巻胴部材10の移動量に略比例して縮径するため、その後は容易に一対の第1巻胴部材10を移動させることができる。
続いて、第1巻胴部材10と、第2巻胴部材20との連結を維持しつつ、一対の第1巻胴部材10を+Z側から−Z側に移動させる。例えば、不図示の棒部材を使用し、一対の第1巻胴部材10の+Z側端部11を−Z側に向かって押すことにより、一対の第1巻胴部材10を+Z側から−Z側に移動させることができる。
上述のように一対の第1巻胴部材10を移動させることで、図13に示すように、巻芯1の直径L1は、寸法L2に縮径する。これにより、巻体3の内周面3bと、一対の第1巻胴部材10を移動させた後の巻芯1との間には、θ方向の全領域においてクリアランスが形成される。以上で、縮径工程S20が終了する。
(巻芯引抜工程S30)
最後に、巻芯1を巻体3から引き抜く巻芯引抜工程S30を行う。巻芯引抜工程S30では、巻芯1を縮径させた状態でZ方向に移動させ、巻体3から巻芯1を引き抜く。巻体3の内周面3bと巻芯1との間にはクリアランスが生じているので、巻体3から巻芯1を容易に引き抜くことができる。これにより、巻芯1のない巻体3を製造することができる。以上で、巻芯引抜工程S30が終了する。巻芯引抜工程S30が終了した時点で、巻体3の製造工程が全て終了する。
本実施形態によれば、図1に示すように、
一対の第1巻胴部材10および一対の第2巻胴部材20は、第1巻胴部材10に延設された各溝部30,35と、第2巻胴部材20に延設された各凸部40,45と、を係合することにより、隣接する各巻胴部材に対して摺動可能に連結されている。ここで、第1巻胴部材10および第2巻胴部材20は先細り形状に形成されている。したがって、先細り方向とは逆方向に、各巻胴部材のうち少なくとも1個の巻胴部材を移動させると、巻胴部材の移動量に略比例して巻芯1の外周長が短くなる。これにより、各巻胴部材は、隣接する巻胴部材と連結された状態のまま内径側に変位していくため、巻芯1が縮径する。このように、一対の第1巻胴部材10に形成された各溝部30,35と、一対の第2巻胴部材20に形成された各凸部40,45とを係合し、各巻胴部材のうち少なくとも1個の巻胴部材を移動させるだけで、簡単に巻芯1を縮径することができる。したがって、部品点数が少なく低コストに縮径可能な巻芯1を提供することができる。
また、各溝部30,35の開口の幅は、各溝部30,35の底面30a,35aの幅よりも狭く形成されており、各凸部40,45の頂面40a,45aの幅は、各凸部40,45の基端側の幅よりも広く形成されている。さらに、各凸部40,45の頂面40a,45aの幅は、各溝部30,35の開口の幅よりも広く形成されている。このように形成された各溝部30,35と各凸部40,45とを係合すると、各凸部40,45の頂面40a,45aは、各溝部30,35の開口からθ方向に外れることがない。したがって、巻芯1を縮径しても、各巻胴部材が外れることなく、連結を維持することができる。
また、本実施形態によれば、第1巻胴部材10の溝部における−R側壁部30b,35bは、第1内径側部材10aによって形成されている。したがって、第1内径側部材10aおよび第1外径側部材10bは、R方向に金型を離型する際にアンダーカット形状とならない。したがって、第1内径側部材10aおよび第1外径側部材10bをインジェクション成型する際に、スライド型を使用する必要がないので金型の構造を単純化できる。また、金型の離型作業を容易に行うことができる。さらに、第1巻胴部材10は、第1内径側部材10aおよび第1外径側部材10bをR方向に沿って重ねることにより、簡単に形成できる。したがって、第1巻胴部材10を低コストに形成できる。
また、第2巻胴部材20の各凸部40,45の頂面40a,45aの幅は、各凸部40,45の基端側の幅よりも広く形成されている。このため、R方向に金型を離型しようとすると、各凸部40,45の+R側壁部40c,45cを形成するためのスライド型が必要となり、離型工程が煩雑となる。しかし、本発明によれば、第2巻胴部材20のθ側端面25,27のうち、各凸部40,45よりも外径側の端面25b,27bが第2外径側部材20bによって形成されている。これにより、R方向に金型を離型する際にスライド型を使用する必要がない。したがって、金型の構造を単純化でき、金型の離型作業を容易に行うことができる。さらに、第2巻胴部材20は、第2内径側部材20aおよび第2外径側部材20bをR方向に沿って重ねることにより、簡単に形成できる。したがって、第2巻胴部材20を低コストに形成できる。
このように、第1巻胴部材10および第2巻胴部材20を低コストに形成できるので、低コストで縮径可能な巻芯1を提供することができる。
なお、この発明は上述した実施の形態に限られるものではない。
本実施形態では、巻芯1は、一対の第1巻胴部材10および一対の第2巻胴部材20により合計4個の巻胴部材で形成されている。しかし、巻芯1は、少なくとも3個の巻胴部材で形成されていればよい。また、巻芯1は、5個以上の巻胴部材で形成されていてもよい。そして、複数の各巻胴部材のうち、少なくとも1個が先細り形状となっていればよい。
本実施形態では、一対の第2巻胴部材20に対して一対の第1巻胴部材10を摺動させている。しかし、一対の第1巻胴部材10のうち一方の第1巻胴部材10のみを移動させて巻芯1を縮径してもよい。ただし、簡単に巻芯1を縮径することができる点で、本実施形態に優位性がある。
本実施形態では、第1巻胴部材10の−θ側溝部30および+θ側溝部35は、Z方向からみて略台形状のダブテール溝部として形成されている。また、第2巻胴部材20の−θ側凸部40および+θ側凸部45は、Z方向からみて略台形状のダブテール凸部として形成されている。しかし、各溝部および各凸部はこの形状に限定されることはなく、例えば、Z方向からみて略円形状の凸部および溝部に形成されていてもよい。
本実施形態の第1巻胴部材10は、第2巻胴部材20よりも外周面積が小さくなるように形成されている。しかし、複数の各巻胴部材の外周面積を全て略同一となるように形成してもよい。ただし、小さい力で第1巻胴部材10を移動させ、巻芯1を簡単に縮径させることができる点で、本実施形態に優位性がある。
本実施形態の縮径工程S20では、第1巻胴部材10の+Z側端部11を打撃して、+Z側から−Z側に向かって第1巻胴部材10に荷重を与えることにより、第1巻胴部材10を微少距離だけ移動させている。しかし、例えばエアシリンダや油圧シリンダ等の装置を使用して、第1巻胴部材10に大きな荷重を与えることにより、第1巻胴部材10を移動させてもよい。ただし、製造装置が低コストで済む点で本実施形態に優位性がある。
1・・・巻芯 3・・・巻体 3a・・・巻材 10・・・第1巻胴部材 10a・・・第1内径側部材 10b・・・第1外径側部材 20・・・第2巻胴部材 20a・・・第2内径側部材 20b・・・第2外径側部材 30・・・−θ側溝部(ダブテール溝部) 35・・・+θ側溝部(ダブテール溝部) 40・・・−θ側凸部(ダブテール凸部) 45・・・+θ側凸部(ダブテール凸部) C・・・中心軸 S10・・・巻付工程 S20・・・縮径工程 S30・・・巻芯離脱工程

Claims (4)

  1. 巻材を巻き取って、巻体を形成するために使用する略円筒状の巻芯であって、
    前記巻芯は、前記巻芯の周方向に沿って分割された一対の第1巻胴部材および一対の第2巻胴部材を連結して形成され、
    前記各巻胴部材は、
    隣接する前記巻胴部材に連結された状態で、前記巻芯の中心軸の軸方向に沿って、隣接する前記巻胴部材に対して摺動可能となっており、
    前記各巻胴部材の一端側から前記各巻胴部材の他端側に向かって、前記周方向の幅が先細る先細り形状に形成されており、
    前記第1巻胴部材および前記第2巻胴部材は、先細り方向が互いに逆方向とされ、前記周方向に沿って交互に配置されており、
    前記第1巻胴部材の前記周方向における両端面には、前記周方向に凹んだ溝部が前記一端側から前記他端側に向かって延設され、
    前記第2巻胴部材の前記周方向における両端面には、前記周方向に突出した凸部が前記一端側から前記他端側に向かって延設され、
    前記巻芯の径方向における前記溝部の開口の幅は、前記径方向における前記溝部の底面の幅よりも狭く形成されており、
    前記径方向における前記凸部の頂面の幅は、前記径方向における前記凸部の基端側の幅よりも広く形成されており、
    前記凸部の前記頂面の幅は、前記溝部の前記開口の幅よりも広く形成されており、
    前記第1巻胴部材および前記第2巻胴部材は、前記第1巻胴部材の前記溝部と、前記第2巻胴部材の前記凸部と、を係合することで連結されていることを特徴とする巻芯。
  2. 請求項1に記載の巻芯であって、
    前記第1巻胴部材は、前記巻芯の内径側に配置される第1内径側部材と、前記巻芯の外径側に配置される第1外径側部材とを、前記径方向に沿って重ねることにより形成され、
    前記第2巻胴部材は、前記内径側に配置される第2内径側部材と、前記外径側に配置される第2外径側部材とを、前記径方向に沿って重ねることにより形成され、
    前記溝部の前記内径側の側壁は、前記第1内径側部材によって形成され、
    前記第2巻胴部材の前記周方向の端面のうち、前記凸部よりも前記外径側の部分は、前記第2外径側部材によって形成されていることを特徴とする巻芯。
  3. 請求項1または請求項2に記載の巻芯であって、
    前記第1巻胴部材に延設された前記溝部は、ダブテール溝部であり、
    前記第2巻胴部材に延設された前記凸部は、ダブテール凸部であることを特徴とする巻芯。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の巻芯を使用した巻体の製造方法であって、
    前記巻芯に前記巻材を巻き付ける巻付工程と、
    前記各巻胴部材のうち少なくとも1個の前記巻胴部材を、前記先細り方向とは逆方向に、隣接する他の前記巻胴部材に対して摺動させて、前記巻芯を縮径させる縮径工程と、
    前記巻芯を前記巻材から引き抜く巻芯引抜工程と、
    を有することを特徴とする巻体の製造方法。
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