JP5437748B2 - スピニング加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スピニング加工方法に関する。より詳しくは、円筒状部材を縮管し所定の形状に成形するスピニング加工方法に関する。
従来、自動車のホイールリムは、円筒状のワークの略中央を縮径し、外周面を凹状の断面形状にすることで形成される。円筒状のワークからこのようなホイールリムを形成する方法の1つとして、いわゆるスピニング加工方法が知られている。このスピニング加工方法では、円筒状のワークを回転させながら、このワークに外周面から内側へ向かってローラを押し当てることにより、このワークを縮径加工する。
このようなスピニング加工方法では、加工中のワークと金型との相対位置がずれないように、ワークの両端は例えばクランプやプレートにより金型に固定される。一方、スピニング加工により円筒状のワークの略中央に凹状の縮径部を形成すると、ワークには軸方向に沿った延びが発生する。そこで、特許文献1には、一対のプレートでワークの両端を固定しつつ、ワークの加工中に発生する延びに追従してこれらプレートの間隔を拡げる技術が提案されている。
特許第3929200号公報
しかしながら、この方法では、プレートの精密な位置制御が必要となるため、装置が大掛かりなものとなってしまうおそれがある。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、簡易な構成によりワークの位置を固定しつつ、その延びを許容できるスピニング加工方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明は、円筒状部材(例えば、後述のワークW)を、その内側に設けられた金型(例えば、後述の第1分割型21および第2分割型22)に固定する固定ステップと、前記金型とともに前記円筒状部材を回転させながら、へら(例えば、後述のローラR)を当該円筒状部材の外周面に中心軸(O)側へ押し当てることにより、所定の形状に成形する成形ステップと、を含むスピニング加工方法を提供する。前記固定ステップでは、前記円筒状部材の少なくとも一部を拡管するとともに、当該拡管した部分を前記金型で支持することにより、当該円筒状部材を前記金型の所定の位置に固定する。
この発明によれば、円筒状部材を金型の所定の位置に固定する際、円筒状部材の少なくとも一部を拡管するとともに、この拡管した部分を金型で支持する。このように円筒状部材を拡管することにより、この円筒状部材を金型に密着させることができるので、円筒状部材と金型との間で作用する摩擦力を利用し、クランプを用いることなく円筒状部材を金型に固定することができる。また、摩擦力を利用して円筒状部材を固定することにより、円筒状部材の延びを妨げずに、この円筒状部材を金型の所定の位置に固定することができる。また、クランプやプレートなどで円筒状部材を金型に固定する必要がないので、従来の方法と比較して、円筒状部材の着脱にかかる分だけサイクルタイムを短くすることができる。
この場合、前記金型は、円筒状部材の軸(O)方向一端側が接する第1分割型(例えば、後述の第1分割型21)と、当該第1分割型と同軸にして設けられ、円筒状部材の軸方向他端側が接する第2分割型(例えば、後述の第2分割型22)と、を含んで構成され、前記第1、第2分割型には、それぞれ、前記円筒状部材の内径よりも大きな外径を有する拡径部(例えば、後述の第1テーパ部31および第2テーパ部32)が形成され、前記固定ステップでは、前記第1、第2分割型を前記円筒状部材の内部に両端側から挿入し、前記円筒状部材の両端部を、前記第1、第2分割型のそれぞれの拡径部で拡管しながら、これら拡径部に密着させることが好ましい。
この発明によれば、円筒状部材の内径よりも大きな外径を有する拡径部が形成された第1分割型および第2分割型を、円筒上部材の内部に両側から挿入する。そして、円筒状部材の両端部を第1、第2分割型のそれぞれの拡径部で拡管しながら、これら拡径部に密着させることで円筒状部材を金型の所定の位置に固定する。これにより、第1分割型および第2分割型に対し同軸にしながら、これら分割型に対し円筒状部材を固定することができるので、円筒状部材を金型に対し常に同じ位置で固定することができる。
この場合、前記金型のうち、前記第1分割型の拡径部と前記第2分割型の拡径部との間には、軸方向に沿った断面視で凹状のドロップ部(例えば、後述のドロップ部33)が形成され、前記ドロップ部は、底面部(例えば、後述の底面部34)と、当該底面部の軸方向両側に形成された壁部(例えば、後述の第1ドロップ壁部35および第2ドロップ壁部36)と、を備え、前記成形ステップは、円筒状部材に前記金型の底面部の外周面に沿った底面部(例えば、後述の底面部94)をへらで成形する第1成形ステップと、当該底面部が成形された円筒状部材に、前記金型の壁部に沿った壁部(例えば、後述の第1ドロップ壁部95および第2ドロップ壁部96)および前記金型の拡径部に沿った拡径部(例えば、後述の第1テーパ部91および第2テーパ部92)をへらで成形する第2成形ステップと、を含み、前記第1成形ステップでは、円筒状部材のうち底面部を構成する材料となる部分を前記金型の底面部の外周面にへらで当接した後、当該金型の底面部の外周面に当接する部分をしごき加工により軸方向に沿って延ばすことで前記底面部を円筒状部材に成形し、前記第1成形ステップを開始する際におけるへらの挿入位置は、前記しごき加工を施す前の円筒状部材のうち前記金型の底面部の外周面に当接する部分の一方の端部(P1)を起点としかつ前記金型の壁部の外周面と略平行な直線(L1)と、成形前の円筒状部材とが交差する位置(P2)であることが好ましい。
この発明によれば、円筒状部材に金型の底面部の外周面に沿った底面部をへらで成形した後、さらにこの円筒状部材に、金型の壁部の外周面に沿った壁部および拡径部の外周面に沿った拡径部をへらで成形する。このように、壁部および拡径部の成形に先立って、最も深い底面部を成形することにより、円筒状部材を金型の底面部に食いつかせた状態で壁部および拡径部を成形できるので、成形中における円筒状部材の軸方向に沿った位置ずれを抑制することができる。
この発明によれば、上述のように摩擦力を利用して円筒状部材を金型に固定しているので、第1成形ステップおよび第2成形ステップにおいて発生する軸方向に沿った延びが妨げられることもなく、また、円筒状部材の軸方向に沿った位置ずれも抑制される。また、金型の底面部の外周面に円筒状部材の一部が当接した状態でしごき加工を施すので、円筒状部材と金型との間には摩擦力が作用するため、円筒状部材の金型に対する位置ずれを抑制することができる。
また、この発明によれば、第1成形ステップを開始する際におけるへらの挿入位置を、上記しごき加工を施す前の円筒状部材のうち金型の底面部の外周面に当接する部分の一方の端部を起点としかつ金型の壁部の外周面と略平行な直線と、成形前の円筒状部材とが交差する位置とする。すなわち、第1成形ステップを開始する際におけるへらの挿入位置は、成形の結果ドロップ部となる部分の端部に相当する。このため、材料の位置管理の精度を向上することができる。
この場合、前記第2成形ステップにおいて円筒状部材に絞り加工を施す際には、円筒状部材の底面部側から端部側へ向ってへらを移動することが好ましい。
スピニング加工において円筒状部材に絞り加工を施すと、すなわち金型の表面から浮いた状態の円筒状部材に対しへらを中心軸側へ押し当てると、円筒状部材はへらの進行方向と同じ方向に延びる傾向がある。そこでこの発明によれば、第1成形ステップを実行することで底面部が形成された円筒状部材に対し、第2成形ステップにおいて絞り加工を施す際には、円筒状部材の底面部側から端部側へ向ってへらを移動する。これにより、第1成形ステップにおいて底面部を成形した際に、円筒状部材の底面部の両端側に寄せられた肉を、壁部および拡径部へもってゆくことができるので、肉の余りを防ぐことができる。
この場合、前記第2成形ステップにおいて円筒状部材にしごき加工を施す際には、円筒状部材の端部側から底面部側へ向ってへらを移動することが好ましい。
スピニング加工において円筒状部材にしごき加工を施すと、すなわち金型の表面に接した状態の円筒状部材に対しへらを中心軸側へ押し当てると、円筒状部材はへらの進行方向に対し反対の方向に延びる傾向がある。このため、底面部が成形された円筒状部材に対し、第2成形ステップにおいて底面部の両側に壁部および拡径部を成形する際に、へらを底面部側から端部側へ移動しながらしごき加工を施すと、円筒状部材が底面部側へ延びて、底面部に座屈が発生したり、壁部および拡径部が金型の表面から起きてしまう場合がある。これに対して本発明によれば、第2成形ステップにおいてしごき加工を施す際には、円筒状部材の端部側から底面部側へ向ってへらを移動することにより、円筒状部材を軸方向に沿って効率的に延ばしながら壁部および拡径部の板厚を調整することができる。またこの際、底面部に座屈を発生させたり、円筒状部材を金型の表面から起こしたりすることもない。
この場合、前記第2成形ステップにおいて円筒状部材にしごき加工を施す際には、円筒状部材の軸方向一端側から前記底面部側へ向って第1のへら(例えば、後述の第1ローラR1)を移動するとともに、円筒状部材の軸方向他端側から前記底面部側へ向って第2のへら(例えば、後述の第2ローラR2)を移動することにより、前記底面部の両側に壁部および拡径部を成形することが好ましい。
上述のように、先立って底面部が成形された円筒状部材に対し、第2成形ステップにおいて底面部の両側に壁部および拡径部を成形する際に、へらを底面部側から端部側へ向って移動しながらしごき加工を施すと、底面部側に肉が集まってしまい座屈および壁部の起き上がりの原因となる。そこで、この発明によれば、第1のへらおよび第2のへらを円筒状部材の端部側から底面部側へ向けて移動させることにより、円筒状部材を軸方向に沿って効率的に延ばしながら壁部および拡径部の板厚を調整することができる。またこの際、底面部に座屈を発生させたり、円筒状部材を金型の表面から起こしたりすることもない。
また、2つのへらで同時にしごき加工を施すことにより、円筒状部材を両端側に効率的に延ばすことができ、また短時間で効率的に加工を行うことができる。
本発明の一実施形態のスピニング加工方法が適用されたスピニング加工システムの構成を示す模式図である。 上記実施形態に係るスピニング加工システムにより製造されたホイールリムの軸線に沿った断面図である。 上記実施形態に係る固定ステップにおけるワークおよび分割型の状態を示す断面図である。 上記実施形態に係る固定ステップにおけるワークおよび分割型の状態を示す断面図である。 上記実施形態に係る第1成形ステップにおけるワークおよび分割型の状態を示す断面図である。 上記実施形態に係る第1成形ステップにおけるワークおよび分割型の状態を示す断面図である。 上記実施形態に係る第2成形ステップにおけるワークおよび分割型の状態を示す断面図である。 上記実施形態に係る第2成形ステップにおけるワークおよび分割型の状態を示す断面図である。 上記実施形態に係る第2成形ステップにおけるワークおよび分割型の状態を示す断面図である。 2つのローラを用いた第2成形ステップにおけるワークおよび分割型の状態を示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明のスピニング加工方法が適用されたスピニング加工システム1の構成を示す模式図である。
スピニング加工システム1は、円筒状のワークWを保持する第1分割型21および第2分割型22と、ワークWを回転駆動する回転装置3と、ワークWを圧縮する圧縮装置4と、ローラRを移動するローラ移動装置6と、システム全体を制御する制御盤(図示せず)と、を含んで構成される。
以下、詳細に説明するように、このスピニング加工システム1は、軸線Oを中心軸として回転するワークWに対し外周面からローラRを当てることで、このワークWを縮管し分割型21,22の外周面に沿った形状に成形するものである。このスピニング加工システム1により縮管加工することで製造された円筒体は、例えば、自動車のホイールリムに用いられる。
第1分割型21および第2分割型22は、同一の軸線O上に沿って、それぞれ図1中左側および図1中右側に設けられている。第1分割型21の外周面は、ホイールリムの左側の形状をかたどった形状に形成され、第2分割型22の外周面は、ホイールリムの右側の形状をかたどった形状に形成されている。したがって、これら分割型21,22を突き合わせることにより、ホイールリムの形状をかたどった一の金型が形成される。第1分割型21は、支柱23を介して回転装置3に連結され、第2分割型22は、支柱24を介して圧縮装置4に連結されている。
図2は、スピニング加工システム1により製造されたホイールリム9の軸線Oに沿った断面図である。
図2に示すように、第1分割型21の図2中左側および第2分割型22の図2中右側には、それぞれ、外側に向って拡径する第1テーパ部31および第2テーパ部32が形成されている。また、第1分割型21と第2分割型22とを突き当てた状態では、これら第1テーパ部31と第2テーパ部32との間には、軸O方向に沿った断面視で凹状のドロップ部33が形成されている。また、このドロップ部33は、中心軸Oと略平行な外周面が形成された底面部34と、この底面部34の軸O方向両側に形成された第1ドロップ壁部35および第2ドロップ壁部36と、を含んで構成される。
ホイールリム9は、互いに突き当てた状態の分割型21,22の外周面に沿ってワークを成形することにより形成される。このホイールリム9は、分割型21,22のドロップ部33の外周面に沿って成形されたドロップ部93と、第1分割型21の第1テーパ部31の外周面に沿って形成された第1テーパ部91と、第2分割型22の第2テーパ部32の外周面に沿って形成された第2テーパ部92と、を含んで構成される。また、ドロップ部93は、より具体的には、底面部34の外周面に沿って形成された底面部94と、第1ドロップ壁部35の外周面に沿って成形された第1ドロップ壁部95と、第2ドロップ壁部36の外周面に沿って成形された第2ドロップ壁部96と、で構成される。
図1に戻って、回転装置3は、軸線Oを中心軸として第1分割型21を、ワークWおよび第2分割型22とともに回転駆動する。
ローラ移動装置6は、軸線Oと略平行な軸を中心軸として、円盤状のローラRを回転可能に保持するとともに、このローラRを3次元空間内で移動する。
圧縮装置4は、軸線O方向に沿って所定の推力で第2分割型22を第1分割型21側へ押圧する。
次に、以上のようなスピニング加工システム1によるスピニング加工方法の具体的な手順について説明する。
図3から図9は、それぞれ、各工程におけるワークWおよび分割型21,22の状態を示す断面図である。本実施形態のスピニング加工方法は、ワークWをその内側に設けられた分割型21,22に固定する固定ステップ(図3,4参照)と、分割型21,22とともにワークWを回転させながら、ローラRをワークWの外周面に中心軸O側へ押し当ててワークWの外周面に沿って回転させることにより、分割型21,22の外周面に沿った形状に成形する成形ステップ(図5〜9参照)と、で構成される。以下では、各ステップについて順に説明する。
<固定ステップ>
固定ステップでは、先ず、第1分割型21および第2分割型22を、ワークWの内部に両端側から挿入する。分割型21,22には、それぞれ成形前のワークWの内径よりも大きな外径を有する第1テーパ部31および第2テーパ部32が形成されているので、これら分割型21,22をワークWの内部に挿入すると、図3に示すように、ワークWの両端がテーパ部31,32に当接する。この状態から、互いに突き当たるまで第2分割型22を第1分割型21側へ押し込むと、ワークWの両端部は、テーパ部31,32のテーパ角に合わせて拡管しながら、これらテーパ部31,32の外周面に密着する。これにより、ワークWは、拡管された部分で分割型21,22により支持される。また、以上のように、ワークWをテーパ部31,32で拡管しながら分割型21,22に固定することにより、ワークWは常に中心軸Oと同軸となる。このため、ワークWは分割型21,22に対して常に同じ位置に固定されることとなる。
<成形ステップ>
本実施形態の成形ステップは、分割型21,22の底面部34の外周面に沿った底面部94をローラRによりワークWに成形する第1成形ステップ(図5および図6参照)と、この底面部94が成形されたワークWに、分割型21,22の第1ドロップ壁部35、第1テーパ部31、第2ドロップ壁部36、および第2テーパ部32の外周面に沿った、第1ドロップ壁部95、第1テーパ部91、第2ドロップ壁部96、および第2テーパ部92をローラRにより成形する第2成形ステップ(図7〜図9参照)と、を含む。
<第1成形ステップ>
第1成形ステップでは、先ず、図5に示すように、ワークWのうち底面部を構成する材料となる部分941が、分割型21,22の底面部34の外周面に当接するように、ローラRにより図5中破線で示す成形前のワークに縮管加工を施す。次に、図6に示すように、ローラRを軸O方向に沿って往復動することで、この分割型21,22の底面部34の外周面に当接する部分941にしごき加工を施し、これにより底面部34の外周面に当接する部分を軸O方向に沿って延ばし、ワークWに底面部94を成形する。
また、この第1成形ステップを開始する際におけるローラRの挿入位置は、底面部34の外周面に当接する部分941の図5中右側の端部P1を起点としかつ第2分割型22の第2ドロップ壁部36の外周面と略平行な直線L1と、図5中破線で示す成形前のワークとが交差する位置P2とする。
<第2成形ステップ>
第2成形ステップでは、先立って底面部94が成形されたワークWに対し、絞り加工を施した後(図7および図8参照)、さらにしごき加工を施すことにより(図9参照)、底面部94の両側にドロップ壁部とテーパ部とを成形する。
上述の第1成形ステップにおいて、しごき加工を施すことでワークWに底面部94を成形することにより、ワークWのうち底面部94の両側は肉がたまった状態となる。そこで第2成形ステップでは、ワークWに絞り加工を施すことにより、底面部94の両側にたまった肉を両端部側へもってゆく。
具体的には、第2分割型22の第2ドロップ壁部36および第2テーパ部32の外周面にワークWを沿わせるようにして、底面部94側から第2分割型22側の端部側へローラRを移動しワークWに絞り加工を施す。これにより、底面部94の第2分割型22側にたまった肉を、へらRで端部側へもってゆきながら、ワークWに第2ドロップ壁部96および第2テーパ部92を成形する(図7および図8参照)。
次に、第1分割型21の第1ドロップ壁部35および第1テーパ部31の外周面にワークWを沿わせるようにして、底面部94側から第1分割型21側の端部側へローラRを移動しワークWに絞り加工を施す。これにより、底面部94の第1分割型21側にたまった肉を、へらRで端部側へもってゆきながら、ワークWに第1ドロップ壁部95および第1テーパ部91を成形する。
次に、以上のようにして絞り加工が施されたワークWに対し、しごき加工を施す。
具体的には、ローラRを中心軸O側へ押し当てながら、このローラRをワークWの第1分割型21側の端部側から底面部94側へ向って移動し、ワークWの第1テーパ部91および第1ドロップ壁部95にしごき加工を施す。これにより、ワークWを端部側に延ばしながら、第1テーパ部91および第1ドロップ壁部95の板厚を調整する(図9参照)。
次に、ローラRを中心軸O側へ押し当てながら、このローラRをワークWの第2分割型22側の端部側から底面部94側へ向って移動し、ワークWの第2テーパ部92および第2ドロップ壁部96にしごき加工を施す。これにより、ワークWを端部側に延ばしながら、第2テーパ部92および第2ドロップ壁部96の板厚を調整する。
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)本実施形態によれば、ワークを分割型21,22の所定の位置に固定する際、ワークの少なくとも一部を拡管するとともに、この拡管した部分を分割型21,22で支持する。このようにワークを拡管することにより、このワークWを分割型21,22に密着させることができるので、ワークと分割型21,22との間で作用する摩擦力を利用し、クランプを用いることなくワークを分割型21,22に固定することができる。また、摩擦力を利用してワークを固定することにより、ワークWの延びを妨げずに、このワークを分割型21,22の所定の位置に固定することができる。また、クランプやプレートなどでワークを金型に固定する必要がないので、従来の方法と比較して、ワークの着脱にかかる分だけサイクルタイムを短くすることができる。
(2)本実施形態によれば、ワークの内径よりも大きな外径を有する第1テーパ部31および第2テーパ部32が形成された第1分割型21および第2分割型22を、ワークの内部に両側から挿入する。そして、ワークの両端部を分割型21,22のそれぞれのテーパ部31,32で拡管しながら、これらテーパ部31,32に密着させることでワークを分割型21,22の所定の位置に固定する。これにより、第1分割型21および第2分割型22に対し同軸にしながら、これら分割型21,22に対しワークを固定することができるので、ワークを分割型21,22に対し常に同じ位置で固定することができる。
(3)本実施形態によれば、ワークに分割型21,22の底面部34の外周面に沿った底面部94をローラRで成形した後、さらにこのワークに、分割型21,22のドロップ壁部35,36の外周面に沿ったドロップ壁部95,96およびテーパ部31,32の外周面に沿ったテーパ部91,92をローラRで成形する。このように、ドロップ壁部35,36およびテーパ部31,32の成形に先立って、最も深い底面部34を成形することにより、ワークを分割型21,22の底面部34に食いつかせた状態でドロップ壁部35,36およびテーパ部31,32を成形できるので、成形中におけるワークの軸O方向に沿った位置ずれを抑制することができる。
本実施形態によれば、上述のように摩擦力を利用してワークを分割型21,22に固定しているので、第1成形ステップおよび第2成形ステップにおいて発生する軸O方向に沿った延びが妨げられることもなく、また、ワークの軸O方向に沿った位置ずれも抑制される。また、分割型21,22の底面部34の外周面にワークの一部が当接した状態でしごき加工を施すので、ワークと分割型21,22との間には摩擦力が作用するため、ワークの分割型21,22に対する位置ずれを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、第1成形ステップを開始する際におけるローラRの挿入位置を、上記しごき加工を施す前のワークのうち分割型21,22の底面部34の外周面に当接する部分941の一方の端部P1を起点としかつ分割型21,22の第2ドロップ壁部36の外周面と略平行な直線L1と、成形前のワークとが交差する位置P2とする。すなわち、第1成形ステップを開始する際におけるローラRの挿入位置は、成形の結果ドロップ部93となる部分の端部に相当する。このため、材料の位置管理の精度を向上することができる。
(4)本実施形態によれば、第1成形ステップを実行することで底面部94が形成されたワークWに対し、第2成形ステップにおいて絞り加工を施す際には、ワークWの底面部94側から端部側へ向ってローラRを移動する。これにより、第1成形ステップにおいて底面部94を成形した際に、ワークWの底面部94の両端側に寄せられた肉を、ドロップ壁部95,96およびテーパ部91,92へもってゆくことができるので、肉の余りを防ぐことができる。
(5)本実施形態によれば、第2成形ステップにおいてしごき加工を施す際には、ワークWの端部側から底面部94側へ向ってローラRを移動することにより、ワークWを軸O方向に沿って効率的に延ばしながらドロップ壁部95,96およびテーパ部91,92の板厚を調整することができる。またしごき加工を施す際、ワークWはローラRの進行方向とは反対側に延びるので、底面部94に座屈を発生させたり、ワークWを分割型21,22の表面から起こしたりすることもない。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
上記実施形態では、1つのローラを用いてワークを成形するスピニング加工方法について説明したが、用いるローラの数はこれに限らず2つ以上であってもよい。
図10を参照して、第2成形ステップを、第1ローラR1と第2ローラR2との2つのローラを用いる例を説明する。
図10は、2つのローラR1,R2を用いた第2成形ステップにおけるワークおよび分割型の状態を示す断面図である。
2つのローラR1,R2を用いる場合、第2成形ステップでワークWにしごき加工を施す際には、図10に示すように、ワークWの軸O方向一端側(第1分割型21側)から底面部94側へ向って第1ローラR1を移動することにより、第1テーパ部91および第1ドロップ壁部95を成形する。一方、ワークWの軸O方向他端側(第2分割型22側)から底面部94側へ向って第2ローラR2を移動することにより、第2テーパ部92および第2ドロップ壁部96を成形する。
この場合、上記(1)〜(4)の効果に加えて、以下の効果を奏する。
(6)本実施形態によれば、第1ローラR1および第2ローラR2をワークWの端部側から底面部94側へ向けて移動させることにより、ワークWを軸O方向に沿って効率的に延ばしながら、ドロップ壁部95,96およびテーパ部91,92の板厚を調整することができる。また、しごき加工を施す際、ワークWはローラRの進行方向とは反対側に延びるので、底面部94に座屈を発生させたり、ワークWを分割型21,22の表面から起こしたりすることもない。
また、2つのローラR1,R2で同時にしごき加工を施すことにより、ワークWを両端側に効率的に延ばすことができ、また短時間で効率的に加工を行うことができる。
1…スピニング加工システム
21…第1分割型
22…第2分割型
31…第1テーパ部(金型の拡径部)
32…第2テーパ部(金型の拡径部)
33…ドロップ部
34…底面部
35…第1ドロップ壁部(金型の壁部)
36…第2ドロップ壁部(金型の壁部)
9…ホイールリム
91…第1テーパ部(拡径部)
92…第2テーパ部(拡径部)
93…ドロップ部
94…底面部
95…第1ドロップ壁部(壁部)
96…第2ドロップ壁部(壁部)
R…ローラ(へら)
R1…第1ローラ(第1のへら)
R2…第2ローラ(第2のへら)

Claims (4)

  1. 円筒状部材を、その内側に設けられた金型に固定する固定ステップと、
    前記金型とともに前記円筒状部材を回転させながら、へらを当該円筒状部材の外周面に中心軸側へ押し当てることにより、所定の形状に成形する成形ステップと、を含むスピニング加工方法であって、
    前記金型は、円筒状部材の軸方向一端側が接する第1分割型と、当該第1分割型と同軸にして設けられ、円筒状部材の軸方向他端側が接する第2分割型と、を含んで構成され、
    前記第1、第2分割型には、それぞれ、前記円筒状部材の内径よりも大きな外径を有する拡径部が形成され、
    前記金型のうち、前記第1分割型の拡径部と前記第2分割型の拡径部との間には、軸方向に沿った断面視で凹状のドロップ部が形成され、
    前記ドロップ部は、底面部と、当該底面部の軸方向両側に形成された壁部と、を備え、
    前記固定ステップでは、前記第1、第2分割型を前記円筒状部材の内部に両端側から挿入し、前記円筒状部材の両端部を、前記第1、第2分割型のそれぞれの拡径部で拡管しながら、これら拡径部に密着させることにより、当該円筒状部材を前記金型の所定の位置に固定し、
    前記成形ステップでは、円筒状部材を前記金型に固定したまま、当該金型とともに前記円筒状部材を回転させながら、へらを当該円筒状部材の外周面に中心軸側へ押し当てることにより、所定の形状に成形し、
    前記成形ステップは、円筒状部材に前記金型の底面部の外周面に沿った底面部をへらで成形する第1成形ステップと、当該底面部が成形された円筒状部材に、前記金型の壁部に沿った壁部および前記金型の拡径部に沿った拡径部をへらで成形する第2成形ステップと、を含み、
    前記第1成形ステップでは、円筒状部材のうち底面部を構成する材料となる部分を前記金型の底面部の外周面にへらで当接した後、当該金型の底面部の外周面に当接する部分をしごき加工により軸方向に沿って延ばすことで前記底面部を円筒状部材に成形し、
    前記第1成形ステップを開始する際におけるへらの挿入位置は、前記しごき加工を施す前の円筒状部材のうち前記金型の底面部の外周面に当接する部分の一方の端部を起点としかつ前記金型の壁部の外周面と略平行な直線と、成形前の円筒状部材とが交差する位置であることを特徴とするスピニング加工方法。
  2. 前記第2成形ステップにおいて円筒状部材に絞り加工を施す際には、円筒状部材の底面部側から端部側へ向ってへらを移動することを特徴とする請求項に記載のスピニング加工方法。
  3. 前記第2成形ステップにおいて円筒状部材にしごき加工を施す際には、円筒状部材の端部側から底面部側へ向ってへらを移動することを特徴とする請求項に記載のスピニング加工方法。
  4. 前記第2成形ステップにおいて円筒状部材にしごき加工を施す際には、円筒状部材の軸方向一端側から前記底面部側へ向って第1のへらを移動するとともに、円筒状部材の軸方向他端側から前記底面部側へ向って第2のへらを移動することにより、前記底面部の両側に壁部および拡径部を成形することを特徴とする請求項に記載のスピニング加工方法。
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