JP5352155B2 - 中空管体の製造方法 - Google Patents
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この方法は、中空管体の中空部に加工液を注入し、この加工液に負荷した圧力(内圧)と、中空管体両端からの軸押し力を組み合わせることにより、種々の断面形状に中空管体を加工するというものである(特許文献1,2)。
また、加工部以外が変形することを防ぐために、中空管体内に圧力をかけた状態で加工をしなければならない。
したがって、この液圧成形による方法では、中空管体の形状を全面にわたって管理することができ、かつ、中空管体に圧力をかけた状態での加工が可能な装置が必要となり、装置が大掛かりなものとならざるを得なかった。特に、自動車のステアリングサポートビームのような長さ1メートルを超える中空管体を成形するためには、装置が非常に大掛かりなものとなり、コストが嵩むという不都合があった。
本発明の中空管体の製造方法の基本的な態様は、
中空部を有した管状体である中空管体の中空部内に、周方向に複数に分割され、組み立てた状態において中心部に空洞部が形成される分割金型を配置し、
該分割金型の空洞部に楔を前記中空管体の軸方向に差し込んで、前記分割金型を構成する各型セグメントを、前記中空管体の長手方向に垂直で、該中空管体の内側から外側に向かう方向に移動させ、前記中空管体を押し広げて拡管する工程を有する中空管体の製造方法において、
前記中空管体の断面形状が、多角形状であり、
前記分割金型の外側表面に、少なくとも1つ以上の凹凸な形状をした凹凸部を設け、
前記中空管体外側表面で、前記凹凸部が押し当たる位置に対応した位置に、前記凹凸部と嵌合する形状をした凹凸金型を配置し、
前記凹凸部を、前記分割金型を組み合わせた状態において、該分割金型の長手方向に垂直で、外向きに膨出した形状をした膨出部とし、
さらにその膨出部が、前記分割金型を組み合わせた状態において、該分割金型の長手方向に垂直で、外向きに突出した形状をなす突起部を備え、
前記膨出部の形状に対応した形状の凸状部を前記中空管体に転写して成形するとともに、前記突起部によって中空管体に穴を成形することを特徴とする。
すなわち、中空部を有した管状体である中空管体の中空部内に、周方向に複数に分割され、組み立てた状態において中心部に空洞部が形成される分割金型を配置し、
該分割金型の空洞部に楔を前記中空管体の軸方向に差し込んで、前記分割金型を構成する各型セグメントを、前記中空管体の長手方向に垂直で、該中空管体の内側から外側に向かう方向に移動させ、前記中空管体を押し広げて拡管する工程を有する中空管体の製造方法において、
前記中空管体の断面形状が、多角形状であり、
前記分割金型の外側表面に、少なくとも1つ以上の凹凸な形状をした凹凸部を設け、
前記中空管体外側表面で、前記凹凸部が押し当たる位置に対応した位置に、前記凹凸部と嵌合する形状をした凹凸金型を配置し、
前記凹凸部を、窪んだ形状をした窪み部とし、
前記凹凸金型を、前記窪み部に嵌合する形状に膨出した膨出金型とし、
該窪み部に嵌合する形状に膨出した膨出金型を、前記中空管体外側で、前記窪み部が押し当たる位置に対応した位置から、前記窪み部に向けて押し付けることによって、前記中空管体に、該中空管体の長手方向に垂直で、外側から内側に向かう向きに凹む窪みを成形することを特徴とする中空管体の製造方法である。
すなわち、中空部を有した管状体である中空管体の中空部内に、周方向に複数に分割され、組み立てた状態において中心部に空洞部が形成される分割金型を配置し、
該分割金型の空洞部に楔を前記中空管体の軸方向に差し込んで、前記分割金型を構成する各型セグメントを、前記中空管体の長手方向に垂直で、該中空管体の内側から外側に向かう方向に移動させ、前記中空管体を押し広げて拡管する工程を有する中空管体の製造方法において、
前記中空管体の断面形状が、多角形状であり、
前記分割金型の外側表面に少なくとも1つ以上の凹凸な形状をした凹凸部を設け、
前記中空管体外側表面で、前記凹凸部が押し当たる位置に対応した位置に、前記凹凸部と嵌合する形状をした凹凸金型を配置し、
前記凹凸部を凹部とし、
前記凹凸金型を、前記凹部に嵌合する形状に突出する突出金型とし、
前記突出金型を、前記中空管体外側で、前記凹部が押し当たる位置に対応した位置から、前記凹部に向けて突き刺すことによって、前記中空管体に穴を成形することを特徴とする中空管体の製造方法である。
すなわち本発明の中空管体の製造方法においては、前記分割金型の前記中空管体を全周にわたって拡管させる部分に、更に凹凸な形状をした前記凹凸部が設けられていることが好ましい。
また、加工時に油を使わないので、油を洗浄する工程を省略することができるという効果も得られる。
更に、分割金型に設けられた凹凸部の位置・形状を調整することで、中空管体の全周の一部分についてのみでも加工することができるという効果も得られる。
図1は、本発明の中空管体の製造方法の前提的な参考形態で用いる中空管体と分割金型の一部を省略した斜視図であり、図2は、分割金型を中空管体内に配置した様子を示した一部を省略した斜視図である。図3は、中空管体の一部を省略した断面図であり、図3(a)は、中空管体内に分割金型が配置された際の様子を、図3(b)は、分割金型が中空管体を押出した際の様子を示している。
次に、分割金型3の空洞部6aに、図示略のマンドレル(楔)を差し込む。これにより、分割金型3を構成する8つの型セグメント4が、それぞれ、中空管体1の半径方向外向き(中空管体1の長手方向に垂直で、中空管体1の内側から外側に向かう方向)に移動し、中空管体1を押し広げ拡管することとなる。
また、加工時に油を使わないので、油を洗浄する工程を省略することができるという効果も得られる。
更に、中空管体の全周の一部分についてのみでも加工することができるという効果も得られる。
また、分割金型3を構成する型セグメント4に設けられた膨出部5の数を1個としたが、複数個設けても構わず、複数の型セグメント4に分けて設けても構わない。
なお、図4(a)は、中空管体1内に分割金型3が配置された際の様子を、図4(b)は、分割金型3が中空管体1を押出した際の様子を示している。
図5は、本発明の第1の実施形態である中空管体の製造方法に用いられる中空管体の一部を省略した断面図であり、図5(a)は、中空管体内に分割金型が配置された際の様子を、図5(b)は、分割金型が、中空管体を押出した際の様子を示している。また、図6は、中空管体と分割金型が接触する部位近傍の断面図であり、図6(a)は、中空管体内に分割金型が配置された際の様子を、図6(b)は、分割金型が、中空管体を押出した際の様子を示している。なお、本発明における中空管体は、本来はその断面形状が多角形であるが、図5では、中空管体の参考例として、断面が略円形のものを示している。
なおまた、本実施形態は、前記第1の参考形態の変形例であり、同様の部分については説明を省略する。
また、中空管体1の外側表面で、突起部8が押し当たる位置に対応した位置に、突起部8と嵌合する形状をした凹部9を有する凹金型10(凹凸金型)が配置されている。
加えて、凹金型10を配置したことにより、穴11を開ける際に、中空管体1の穴11近傍部が盛り上がるのを防ぐことができ、精度よく穴11が開けられるという効果が得られる。
なお、図7(a)は、中空管体1内に分割金型3が配置された際の様子を、図7(b)は、分割金型3が中空管体1を押出した際の様子を示している。
図8は、第2の参考形態である中空管体の製造方法に用いられる中空管体と膨出金型が接触する部位近傍の断面図であり、図8(a)は、膨出金型が、中空管体内に押し付けられる直前の様子を、図8(b)は、膨出金型が中空管体内を押し付けられた際の様子を示している。
なお、本参考形態は、前記第1の参考形態の変形例であり、同様の部分については説明を省略する。
また、窪み部21に嵌合する形状に膨出した膨出部22を有する膨出金型23が、中空管体1外側で、窪み部21が押し当たる位置に対応した位置に配置されている。
図9は、第3の参考形態である中空管体の製造方法に用いられる中空管体と突出金型が接触する部位近傍の断面図であり、図9(a)は、突出金型が、中空管体内に突き刺さる直前の様子を、図9(b)は、突出金型が中空管体に突き刺さった際の様子を示している。
なお、本参考形態は、第2の参考形態の変形例であり、同様の部分については説明を省略する。
また、凹部25に嵌合する形状に突出した突出部26を有する突出金型27が、中空管体1外側で、凹部25が押し当たる位置に対応した位置に配置されている。この突出部26の先端は、鋭利な先鋭部26aとなっている。
図10は、第4の参考形態である中空管体の製造方法に用いられる中空管体と分割金型が接触する部位近傍の断面図であり、図10(a)は、中空管体内に分割金型が配置された際の様子を、図10(b)は、分割金型が、中空管体内を押出した際の様子を示している。
なお、本参考形態は、第1の参考形態の変形例であり、同様の部分については説明を省略する。
そして、分割金型3によって中空管体1を押し広げて拡管させると、中空管体1の全周にわたって拡管された部分43に、更に外に向けて分割金型3の膨出部42の形状に対応した形状が転写されて凸状部44が成形される。
図11は、第5の参考形態である中空管体の製造方法に用いられる中空管体と分割金型が接触する部位近傍の断面図であり、図11(a)は、中空管体内に分割金型が配置された際の様子を、図11(b)は、分割金型が、中空管体を押出した際の様子を示している。図12は、本参考形態の加工後の中空管体の様子を示している。
ブラケット45は、全て挿通孔46を有した構成となっており、ステアリングサポートビーム本体47は、この挿通孔46に挿通されている。
また、分割金型3によって、ステアリングサポートビーム本体47の挿通部分52が、全周にわたって拡管されたことにより、ステアリングサポートビーム本体47は、ブラケット45の挿通孔46の周縁部に圧接される。加えて、挿通孔46が外向きに広がるようにブラケット45が変形され、これが復元する力も相まって、ステアリングサポートビーム本体47とブラケット45が接合される。
また、分割金型3によって拡管されたことにより、ステアリングサポートビーム本体47の挿通部分52の軸方向両側近傍が、全周にわたって膨出した形状の膨出部53を形成するので、ブラケット45は、ステアリングサポートビーム本体47の軸方向への動きが規制される。
Claims (1)
- 中空部を有した管状体である中空管体の中空部内に、周方向に複数に分割され、組み立てた状態において中心部に空洞部が形成される分割金型を配置し、
該分割金型の空洞部に楔を前記中空管体の軸方向に差し込んで、前記分割金型を構成する各型セグメントを、前記中空管体の長手方向に垂直で、該中空管体の内側から外側に向かう方向に移動させ、前記中空管体を押し広げて拡管する工程を有する中空管体の製造方法において、
前記中空管体の断面形状が、多角形状であり、
前記分割金型の外側表面に、少なくとも1つ以上の凹凸な形状をした凹凸部を設け、
前記中空管体外側表面で、前記凹凸部が押し当たる位置に対応した位置に、前記凹凸部と嵌合する形状をした凹凸金型を配置し、
前記凹凸部を、前記分割金型を組み合わせた状態において、該分割金型の長手方向に垂直で、外向きに膨出した形状をした膨出部とし、
さらにその膨出部が、前記分割金型を組み合わせた状態において、該分割金型の長手方向に垂直で、外向きに突出した形状をなす突起部を備え、
前記膨出部の形状に対応した形状の凸状部を前記中空管体に転写して成形するとともに、前記突起部によって中空管体に穴を成形することを特徴とする中空管体の製造方法。
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