JP5198396B2 - スピニング加工方法 - Google Patents
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Description
図8は、加工前のワークWuと加工後のワークWpの構成を示す断面図である。より具体的には、図8は、円筒状のワークWuに対して、従来のスピニング加工を施すことにより、凹状の断面形状を有する製品Wpを成形した例を示す図である。スピニング加工では、軸方向と平行な軸を中心として回転するワークWuに対し、径方向に沿ってワークWuにローラRを押し当てながら、このローラRを軸方向に沿って移動することにより、製品Wpを成形する。
例えば、図8に示すような、狭く深い断面形状の凹部をワークに形成した場合、図8中、破線で示す最も縮径した部分における板厚が薄くなる傾向がある。また、この中でも一点鎖線で示す曲率の大きな部分では、板厚が特に薄くなる傾向がある。
ここで、製品に薄肉部が生じる場合、すなわち、円筒状部材にスピニング加工を施すと板厚が薄くなる部分が生じる場合、円筒状部材のうち薄肉部となる部分を特定箇所として、この特定箇所を上記手順により肉厚にする。成形の結果、板厚が薄くなることを見越して円筒状部材を製品形状に成形する前の成形初期の段階で、このような肉厚化加工を円筒状部材に施しておくことにより、製品の板厚を均一にすることができる。また、製品に薄肉部が発生しないので、必要な強度を確保しながら、従来と比較して板厚の薄い円筒状部材を用いることができる。
図1は、本発明のスピニング加工方法が適用されたスピニング加工システム1の構成を示す模式図である。
図2に示すように、ホイールリム9は、互いに突き当てた状態の分割型21,22の外周面に沿ってワークを成形することにより形成される。このホイールリム9の略中央には、凹状の縮径部91が形成されている。より具体的には、この縮径部91は、軸O方向に沿った断面視で、図2中左側から右側へ向って順に、第1テーパ部92と、第1テーパ部92よりも大きなテーパ角で縮径する第2テーパ部93と、軸方向と平行に延びる直線部96と、第3テーパ部94と、第3テーパ部94よりも小さなテーパ角で拡径する第4テーパ部95とにより構成される。これらテーパ部92〜95のうち、第2テーパ部93のテーパ角が最も大きくなっている。このため、第2テーパ部93と直線部96との間には、ホイールリム9のうち最も鋭い鋭角が形成される。
ローラ移動装置6は、軸線Oと略平行な軸を中心軸として、円盤状のローラRを回転可能に保持するとともに、このローラRを3次元空間内で移動する。
圧縮装置4は、軸線O方向に沿って所定の推力で第2分割型22を第1分割型21側へ押圧する。これにより、ワークWを分割型21,22にセットした状態では、ワークWには軸線O方向に沿った圧縮力が作用する。
図3から図6は、それぞれ、各工程におけるワークWおよび分割型21,22の状態を示す断面図である。
次に、所定の推力で第2分割型22を第1分割型21側へ軸線Oに沿って駆動することにより、ワークWに対し両端側から所定の大きさの圧縮力を付与する。そして、軸線Oを中心軸として第1分割型21を回転駆動することにより、ワークWに圧縮力を付与しながらこれを回転する。
ところで、上述したように、円筒状のワークWを縮径すると、ワークWが径方向に縮むことで材料が余り結果として板厚が増加する部分と、ワークが中心軸O方向に沿って延びることで材料が不足し結果として板厚が減少する部分とが、製品の形状に応じて発生してしまう。特に本実施形態の例では、製品のうち第2テーパ部93と直線部96との間に、薄肉部が生じやすい(上述の図2参照)。
先ず、第1工程では、図4に示すように、ローラRをワークWの中心軸O側へ外周面から押し当てながら、このローラRを軸O方向に沿って第2分割型22側から第1分割型21側へ向かって移動する。
次に、第2工程では、ローラRがワークWの特定箇所にさしかかったときに、ローラRの移動を停止するとともにこのローラRをワークWから離間する。これにより、成形初期のワークWのうち特定箇所Pに径方向外側へ隆起する隆起部97が形成される。
図7は、図4の線VII−VIIに沿った断面図である。
(1)ローラRをワークWの中心軸O側へ押し当てながら軸O方向に沿って第1分割型21側へ移動し、このローラRがワークWの特定箇所Pにさしかかったときに、ローラRの移動を停止するとともにワークWから離間する。これにより特定箇所Pに、径方向外側へ隆起する隆起部97を形成することができる。そして、ローラRをワークWに中心軸O側へ押し当てながら軸O方向に沿って隆起部97よりも第1分割型21側から第2分割型92側へ移動し、隆起部97を圧縮する。このように、特定箇所Pの周長が長くなるように隆起部97を形成しこの特定箇所Pを拡径した後、再びこの周長が短くなるように圧縮しこの特定箇所Pを縮径することにより、周長を一旦延ばした分に応じて特定箇所Pを肉厚にすることができる。
ここで、成形の結果、板厚が薄くなることを見越してワークWを製品形状に成形する前の成形初期の段階で、このような肉厚化加工をワークWに施しておくことにより、製品の板厚を均一にすることができる。また、製品に薄肉部が発生しないので、必要な強度を確保しながら、従来と比較して板厚の薄いワークを用いることができる。
21…第1分割型
22…第2分割型
9…ホイールリム
97…隆起部
R…ローラ(へら)
P…特定箇所
Claims (2)
- 回転する円筒状部材にへらを当てることで当該円筒状部材を縮管し所定の形状に成形するスピニング加工方法であって、
前記へらを前記円筒状部材に中心軸側へ押し当てながら、当該へらを軸方向に沿って他端側へ移動する第1工程と、
前記へらが前記円筒状部材の特定箇所にさしかかったときに、前記へらの移動を停止するとともに当該へらを前記円筒状部材から離間し、前記円筒状部材の特定箇所に径方向外側へ隆起する隆起部を形成する第2工程と、
前記へらを前記円筒状部材に中心軸側へ押し当てながら、当該へらを軸方向に沿って移動し、前記隆起部を圧縮することにより、前記円筒状部材の特定箇所を肉厚にする第3工程と、を含むことを特徴とするスピニング加工方法。 - 前記第1、第2工程において、前記へらを軸方向に沿って移動する際には、当該円筒状部材を軸方向に沿って圧縮することを特徴とするスピニング加工方法。
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2009
- 2009-09-09 JP JP2009208019A patent/JP5198396B2/ja not_active Expired - Fee Related
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