JP2009208388A - 金型装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小径で、かつ、内周壁のアンダーカット量の大きい中空部を有する成型品を成型し、成型状態が良好な金型装置を提供する。
【解決手段】レンズ鏡筒1の中空部の成型面が形成された円柱状の金型5を構成するコア11、12は、ロッキングブロック10の退避方向である−Z方向に対してそれぞれ異なる角度で傾斜した方向に延びている。コア11、12は、ロッキングブロック10を固定する作動プレート33に挿通されている。コア11、12は、ガイドプレート32によって、中空部の半径方向内側に案内される。作動プレート33を−Z方向に移動させると、ロッキングブロック10が−Z方向に移動するようになるが、コア11、12が、−Z方向に対して傾斜しているため、この移動によって、コア11、12が、作動プレート33から力を受け、コア11、12が半径方向内側に移動する。
【選択図】図9

Description

本発明は、円柱状の中空部を有する成型品を成型するための金型装置に関する。
レンズ用鏡筒部品などのように、円筒状の成型品の内周壁にアンダーカット(逃げ溝)が設けられたものを成型する際には、アンダーカットに対応する凹凸のある成型面を有する円柱状の内側スライドコアが金型の一部として用いられる。成型後、成型品は金型から脱型されるが、その際には、成型品の内周壁と金型の凹凸面とが干渉しないようにする必要がある。そこで、内側スライドコアを複数の分割コアで構成し、脱型時において、各分割コアを、成型品の中空部の半径方向内側に、少なくともアンダーカット量以上退避させることができる金型装置が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特公平1−46296号公報 特開平5−261776号公報 特開2001−26040号公報
近年では、中空部が小径で、その内周壁のアンダーカット量が大きい成型品を成型できるようにすることが求められている。中空部が小径になると、各分割コアを退避できる最大ストロークが必然的に短くなるうえ、アンダーカット量が大きくなると、各分割コアを退避させるのに必要なストロークが長くなる。したがって、中空部が小径化し、その内周壁のアンダーカット量が大きくなると、各分割コアを退避させにくくなり、脱型が困難になる。
また、射出成型金型の中に、金型装置が複数個設置される場合、各金型装置における成型品の成型状態を良好なものとするためには、射出成型機における樹脂注入口と各金型装置との距離をできるだけ短くするのが望ましい。射出成型機の構造上、設置されたすべての金型装置を樹脂注入口に近づけるには、複数の金型装置の配列面に関して各金型装置を小型化する必要がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、小径で、かつ、内周壁のアンダーカット量の大きい中空部を有する成型品を成型することができ、射出成型機の中に複数個設置されても、成型品の成型状態を良好なものとすることができる金型装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の金型装置は、円柱状の中空部を有する成型品を成型するための金型装置であって、脱型方向である第1の方向に延びる棒状体であって、先端に向かって細くなる勾配部が形成されたロッキングブロックと、前記ロッキングブロックの側面周方向に沿って環状に、かつ、互いに離間して配列される複数の棒状体であって、当該棒状体の先端近傍の側面に前記成型品の内周壁の一部に対応する第1の成型面が形成され、当該棒状体の先端近傍で前記勾配部に当接し、前記第1の方向に対して第1の角度で傾斜して延びる複数の第1のコアと、前記ロッキングブロックの側面周方向に沿って環状に、かつ、前記各第1のコアと交互に配列された複数の棒状体であって、当該棒状体の先端近傍の側面に、前記成型品の内周壁の一部に対応する第2の成型面が形成され、前記先端近傍で、隣接する前記各第1のコア及び前記勾配部と当接し、前記第1の方向に対して前記第1の角度より小さい第2の角度で傾斜して延びる複数の第2のコアと、前記ロッキングブロックが固定され、前記各第1のコア及び前記各第2のコアを挿通し、前記第1の方向に移動可能な移動体と、前記各第1のコア及び前記各第2のコアを、前記中空部の半径方向である第2の方向に案内するガイドと、を備え、前記移動体が前記第1の方向へ移動するのに伴って、前記各第1のコアと前記各第2のコアとが、前記第2の方向へと移動する。
また、前記第1のコアが前記第2の方向への移動により、前記第1のコアと前記第2のコアとが干渉しないように、かつ、前記第1のコアの前記第2の方向への移動により、前記第1のコアと前記第2のコアとの間に空隙が生じるように、前記ロッキングブロックと前記第1のコアと前記第2のコアとが構成されていることが望ましい。
また、前記第2の成型面の円弧長が、前記第1の成型面の円弧長より長くなっていることが望ましい。
本発明によれば、成型品の中空部の成型面が形成された円柱状の金型を構成する分割コアである第1、第2のコアが、ロッキングブロックの退避方向である第1の方向に対してそれぞれ第1、第2の角度で傾斜した方向に延びている。また、延長された第1、第2のコアは、ロッキングブロックを固定する移動体に挿通されている。そして、第1、第2のコアは、ガイドによって第1の方向への移動が制限され、中空部の半径方向内側である第2の方向に案内されるようになっている。移動体を第1の方向に移動させると、ロッキングブロックも第1の方向に移動する。また、これと同時に、第1、第2のコアが第1の方向に対して傾斜しているため、この移動により第1、第2のコアは、移動体から力を受けるようになり、第1、第2のコアは、ガイドの案内により第2の方向へ移動し、中空部の半径方向内側に退避するようになる。この結果、成型品の内周壁にアンダーカットが設けられていても、脱型が可能となる。
本発明によれば、第1、第2のコアとロッキングブロックとの間にアリ溝などの係止部を設ける必要がなくなるため、その分だけ第1、第2のコアの第2の方向の移動量を長くすることができるようになる。この結果、小型で、かつ、アンダーカット量の大きい成型品を成型することが可能となる。
また、本発明によれば、第1、第2のコアを成型品の中空部の半径方向内側へ退避させるための特別な部材、例えばアンギュラピンなどを、第1、第2のコアの外周に設ける必要がなくなるため、金型装置をその配列面に関して小型化することができる。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1(A)には、本発明の一実施形態に係る金型装置を用いて成型されるレンズ鏡筒1が示されている。図1(A)に示されるように、レンズ鏡筒1は、円筒形であり、中心に円柱状の中空部を有している。その中空部の内周壁2には溝部Lが形成されており、この溝部Lがアンダーカットとなっている。
図1(B)には、レンズ鏡筒1の内周壁2を成型するための円柱状の金型5が示されている。この金型5は、本発明の一実施形態に係る金型装置の一部である。図1(B)に示されるように、金型5は、ロッキングブロック10と、第1のコアとしての3つのコア11と、第2のコアとしての3つのコア12とを備えている。
ロッキングブロック10は、金型5の中心(すなわち、レンズ鏡筒1の中空部の中心)に配置されている。ロッキングブロック10の外周側面に沿って、3つのコア11と3つのコア12とが環状に交互に配列されている。ロッキングブロック10は、所定の位置において、コア11とコア12とによって円柱状に形成される金型5の外形を保持するために設けられている。ロッキングブロック10は、後述するように、第1の方向としての−Z方向に退避可能である。
3つのコア11と3つのコア12とによって、円柱側面が形成され、その円柱側面にレンズ鏡筒1の内周壁2の成型面が形成されている。すなわち、コア11、12は、レンズ鏡筒1の中空部の内周壁の一部に対応する成型面をそれぞれ形成する複数の分割コアである。各コア11、12の成型面には、レンズ鏡筒1の内周壁2の溝部Lの凹凸に対応してかみ合う関係にある凹凸が形成されている。なお、各コア11、12は、同種のコアが互いに離間するように、かつ異種のコアが隣接するように配置されている。隣接するコア11とコア12とは、成型時に樹脂がしみ込まないように密着している。
なお、図1(B)では、ロッキングブロック10、コア11、12の先端部分、すなわち金型5を構成する部分しか図示されていないが、実際には、ロッキングブロック10、コア11及びコア12は、−Z方向にさらに延びている。
図2(A)には、図1(B)の金型5を用いて図1(A)のレンズ鏡筒1が成型されたときの様子が示されている。図2(A)に示されるように、+Z方向から見ると、ロッキングブロック10は、レンズ鏡筒1の中空部の中心Oに位置している。また、コア11、12は、ロッキングブロック10を中心として放射状に配置されている。コア11、12は、それぞれロッキングブロック10と当接している。ロッキングブロック10と当接することにより、コア11、12は、成型時に、樹脂圧に抗してその位置に固定されるようになっている。+Z方向から見ると、コア11の成型面の外周方向の幅、すなわち円弧長は、コア12の成型面の円弧長よりも短くなっているのがわかる。
また、図2(A)では、レンズ鏡筒1の内周壁2に成型された溝部Lが、破線で示されている。この溝部Lに対応して各コア11、12の成形面に形成されている凹凸の深さをアンダーカット量Dとする。
図2(A)のA−A’断面図が、図2(B)に示されている。図2(B)に示されるように、金型5は、可動側形状板31から+Z側に張り出しており、その張り出した部分にレンズ鏡筒1が成型される。成型されたレンズ鏡筒1の下部には、レンズ鏡筒1を+Z側に押し出すための突出ピン15が設けられている。また、ロッキングブロック10では、その端部が、先細りになるような勾配がつけられている。コア11、12は、そのロッキングブロック10に当接している。
レンズ鏡筒1の内周壁2の溝部Lは、コア11、12より成る金型5の成型面に形成された凹凸とかみ合っており、このままでは、可動側形状板31に設けられた突出ピン15を用いてレンズ鏡筒1を+Z方向に突き出して取り出すことができない。そこで、金型5は、図2(A)に示される状態から、図3(A)に示される状態に、変形可能となっている。
図3(A)では、ロッキングブロック10は、すでに−Z方向に退避しており、図示されていない。ロッキングブロック10があった場所、すなわちレンズ鏡筒1の中空部の中心O付近に3つのコア11が移動しており、コア12も、コア11の外側に、それらと接するように、レンズ鏡筒1の中空部の中心O付近に移動している。すなわち、コア11、12は、第2方向としての中空部の半径方向内側に退避している。
ここで、コア11、12の移動量は、アンダーカット量D以上となっている。このため、図3(B)に示されるように、レンズ鏡筒1の内周壁2のアンダーカットと、金型5の成型面の凹凸との噛み合いが解消されるようになるので、突出ピン15により、レンズ鏡筒1を、+Z方向に突き出すことができるようになる。
図3(A)、図3(B)に示されるような金型5の変形を可能とするため、コア11、12等は、全体的には、図4に示されるような形状となっている。図4に示されるように、コア11、12は、それぞれの+Z側の端部近傍側面で金型5の成型面を構成しているが、実際には、−Z方向に延びる概略角柱状の棒状体である。コア11、12は、−Z方向に対して所定の角度でロッキングブロック10から離れる方向に傾斜して延びている。この角度は、図5に示されるように、コア11、12とで異なっている。コア11の傾斜角度がθ1であり、コア12の傾斜角度がθ2であり、θ1>θ2となっている。
また、コア11、12には、XY面内に延びる角柱の張り出し部21が設けられている。この張り出し部21は、コア11、12のZ軸方向への移動を規制するとともに、XY面内を案内するために設けられている。
ロッキングブロック10、コア11、12は、図6に示されるように、本発明の一実施形態に係る金型装置100の可動部を構成する複数のプレートから成る構造体の内部に収納されている。この構造体は、可動側形状板31と、ガイドプレート32と、作動プレート33と、バックプレート34とを備えている。各プレートは、柱35、36を介して摺道可能に連結されている。前述の金型5は、この可動側形状板31から張り出している。この可動側形状板31が、レンズ鏡筒1の底辺の成型面となっている。可動側形状板31には、突出ピン15が環状に配列されている。
図7には、可動側形状板31及び柱35、36が取り除かれた状態が示されている。図7に示されるように、ガイドプレート32には、コア11、12の張り出し部21がはめ込まれた6つの案内溝が放射状に形成されている。コア11、12は、案内溝内を張り出し部21が移動することによって、XY面内を案内される。
作動プレート33には、図8(A)の平面図に示されるように、その中央部にロッキングブロック10を取り付けるための取り付け孔50が設けられている。さらに、作動プレート33には、コア11を挿通する挿通孔41と、コア12を挿通する挿通孔42が3つずつ設けられている。図8(B)には、図8(A)のB−B’断面図が示されている。図8(B)に示されるように、挿通孔41は、コア11の傾斜角度θ1に従って傾斜しており、挿通孔42は、コア12の傾斜角度θ2に従って傾斜している。挿通孔41とコア11、および挿通孔42とコア12とは、それぞれ摺動自在な関係である。
図9(A)及び図9(B)に示されるように、作動プレート33には、取り付けネジ27を介してロッキングブロック10が固定されている。作動プレート33は、Z軸方向に移動可能となっている。作動プレート33が、例えば図9(A)に示される位置から図9(B)に示される位置へ、−Z方向に移動すると、ロッキングブロック10も−Z方向に移動する。
バックプレート34は、コア11、12を−Z側から支持し、それらのZ軸方向の移動を規制している。コア11、12は、バックプレート34上をXY面内にスライド可能である。
以上述べた構成により、本実施形態に係る金型装置100の可動部が形成されている。図9(A)及び図9(B)に示されるように、本実施形態に係る金型装置100は、この可動部に加え、固定部としての固定側形状板60をさらに備えている。可動部と固定部とが、図9(A)に示されるように、PL(パーティングライン)で接合されている状態で、金型5と可動側形状板31と固定側形状板60とで、レンズ鏡筒1の成形空間としてのキャビティが形成される。そして、そのキャビティに不図示の樹脂注入孔より樹脂の注入が行われ、レンズ鏡筒1の成型が行われる。そして、図9(B)に示されるように、作動プレート33が−Z軸方向に移動して金型5が変形し、脱型が可能となる。
次に、本実施形態に係る金型装置100の脱型動作について、図10(A)〜図10(D)を参照して詳細に説明する。図10(A)には、金型5と可動側形状板31と固定側形状板60とで形成されるキャビティ内にレンズ鏡筒1が成型され、脱型が行われる前の状態が示されている。この状態では、可動側形状板31と固定側形状板60とがPL面で接合している。また、作動プレート33は、+Z側に位置しており、ガイドプレート32と接している。
次に、図10(B)に示されるように、可動部全体が−Z方向に退避して固定側形状板60から離される。これにより、レンズ鏡筒1の外周部が、外部に露出するようになる。
次に、図10(C)に示されるように、作動プレート33を−Z方向に移動させる。この移動により、作動プレート33に固定されたロッキングブロック10も−Z方向に退避する。また、これと同時に、作動プレート33上に形成された挿通孔41、42が、コア11、12を押すようになる。この結果、コア11、12が、ガイドプレート32の案内により、レンズ鏡筒1の中空部の半径方向内側(すなわち中心Oに向かって)に移動する。
コア11の傾斜角度θ1は、コア12の傾斜角度θ2よりも大きいため、コア11の方が、コア12よりも作動プレート33の移動に伴う移動量が大きい。従ってコア11は、コア12よりも速く中心Oに向かって移動する。
以上のことから、コア11が、コア12に先行するように、中心Oへ移動し、コア12は、コア11に追従するように、中心Oへ移動するようになる。
ここで、コア11とコア12とは、コア11が中心Oへ移動しても、コア11とコア12とが干渉しないように設計されている。また、各コア11が中心Oへ移動すると、コア11とコア12との間には、空隙(クリアランス)が形成される。このクリアランスにより、コア12の中心Oへの移動が可能となる。
そして、図10(D)に示されるように、作動プレート33が、バックプレート34に接するようになったときに、コア11、12は、レンズ鏡筒1の中空部の溝部Lの凹凸よりも内側に位置するようになり、突出ピン15を用いて、レンズ鏡筒1の取り出しが可能となる。
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る金型装置100によれば、成型品であるレンズ鏡筒1の中空部の成型面が形成された円柱状の金型5を構成する分割コアであるコア11、12は、ロッキングブロック10の退避方向である−Z方向に対してそれぞれθ1、θ2で傾斜した方向に延びている。また、延長されたコア11、12は、ロッキングブロック10を固定する作動プレート33に挿通されている。そして、コア11、12は、ガイドプレート32によって−Z方向への移動が制限され、レンズ鏡筒1の中空部の半径方向内側(点Oに向かって)に案内されるようになっている。
作動プレート33を−Z方向に移動させると、ロッキングブロック10もそれに伴って−Z方向に移動するが、コア11、12が、−Z方向に対して傾斜しているため、この移動によって、コア11、12が、作動プレート33から力を受けるようになる。この力により、コア11、12は、半径方向内側に案内され、レンズ鏡筒1の内周壁2にアンダーカットが設けられていても、脱型が可能となる。
なお、コア11、12は、概ね、脱型方向である−Z方向に沿って延びているため、コア11、12をその方向に延ばしても、PL面に沿って装置が大型化することはない。また、コア11、12の長さを延ばせば延ばすほど、すなわち作動プレート33のストロークを長くするほど、コア11、12の傾斜角度θ1、θ2については、小さく設計することができる。
(アリ溝ガイド方式の金型との比較)
本実施形態に係る金型装置100は、脱型に有利である。
本実施形態に係る金型装置100との比較例として、図11には、アリ溝ガイド方式のコアを備える金型5’が示されている。金型5’は、金型5と同じ円筒状であり、半径も同じである。金型5’は、ロッキングブロック10’と、3つのコア11’と、3つのコア12’とを備えており、その位置関係は、金型5のロッキングブロック10と、3つのコア11と、3つのコア12と同じである。また、金型5’の各構成要素の大きさは、対応する金型5の構成要素の大きさとほぼ同じであるが、ロッキングブロック10’には、コア11’、12’を係止するためにアリ溝45が設けられ、コア11’、12’に、そのアリ溝45に係止されるアリ溝係止部材46が設けられている点が、金型5と異なっている。
図11に示されるように、ロッキングブロック10’は、勾配状となっている。そして、ロッキングブロック10’に形成されたアリ溝45も、ロッキングブロック10’の形状に合わせて−Z方向に対して傾斜して延びている。また、本実施形態に係る金型5と同様に、金型5’においても、ロッキングブロック10’は、−Z方向に退避する。この金型装置においても、コア11’、12’は、Z軸方向への移動が規制されている。したがって、ロッキングブロック10’が退避すると、コア11’、12’が中心側に、引き寄せられていくようになり、これにより、コア11’、12’の中心Oへの退避が実現されるようになっている。
図12(A)〜図12(D)には、本実施形態に係る金型装置100における金型5の変形の様子と、コアとロッキングブロックとの間にアリ溝45が設けられた金型5’の変形の様子との違いが示されている。
脱型時において、図12(A)に示されるように、金型5’においても金型5と同様に、中心Oに位置していたロッキングブロック10’は、図12(B)に示されるように、−Z方向に退避する。これに合わせて、図12(C)に示されるように、コア11’がコア12’に先行して中心Oに向かって移動し、それに追従してコア12’が移動するようになる。
しかしながら、図12(C)に示されるように、金型5’の場合には、コア11’と、コア12’のアリ溝係止部材46が干渉し、両コアは、これ以上移動することができなくなる。これに対し、金型5のコア11、コア12は、図12(D)に示されるように、さらに中心Oに向けて移動し、レンズ鏡筒1の内周壁2の溝部Lの凹凸部よりも内側に、退避することができるようになる。
以上述べたように、本実施形態に係る金型装置100によれば、コア11、12とロッキングブロック10との間にアリ溝係止部材46及びアリ溝45などの係止部が不要となり、コア11、12と、ロッキングブロック10との間にそのためのスペースを設ける必要がなくなるため、小型で、かつ、アンダーカット量Dの大きい成型品を成型することが可能となる。
金型5’を用いて、小型で、かつ、アンダーカット量Dの大きい成型品を成型するには、各コアの肉厚を薄くするしかなく、製品の離型抵抗で、コアの最も薄い部分(金型5でいえば、図5のMで示されるくびれ部に対応する部分)が破損するなど、強度的な問題が生じる。これに対して、金型5については、各コア11、12の肉厚を薄くする必要はなく、そのような問題は生じない。
また、アリ溝係止部材46やアリ溝45は、加工が困難である。したがって、金型5’よりも金型5の方が、加工が容易であるといえる。
(アンギュラピン方式の金型との比較)
さらに、本実施形態に係る金型装置100は、小型化することが可能である。図13には、本実施形態に係る金型装置100と、アンギュラピン方式の金型装置100’とが示されている。金型装置100’を構成する金型5”は、金型装置100を構成する金型5と同じ円筒状であり、半径も同じである。
図13に示されるように、金型装置100’では、金型5”の分割コアを成型品の中空部の半径方向内側へ退避させるためのアンギュラピン80が、金型5”の周囲に設けられている。アンギュラピン80は、金型5”の分割コアを、成型品の中空部の半径方向内側に退避させるために−Z方向に対して傾斜して設けられている。なお、アンギュラピン80については、例えば特開2001−26040号公報に開示されているので、ここでは、詳細な説明を省略する。
成型品を離型させるために成形品の近傍に突出ピン15を配置する必要があるため、アンギュラピン80は、その突出ピン15よりも外周側に配置されるようになる。このため、金型装置100’の各分割コアには、アンギュラピン80を挿通するための張り出し部分が必要となる。これにより、金型装置100’は、XY面に関して必然的に大きくなる。これに対し、本実施形態に係る金型装置100では、アンギュラピン80を設ける必要がないので、XY面に関して、コンパクトに設計することが可能である。
すなわち、本実施形態に係る金型装置100によれば、分割コアを、レンズ鏡筒1の中空部の半径方向へ退避させるための特別な部材、例えば、傾斜ピン(アンギュラピン)などを、コア11、12の外周に設ける必要がなくなるため、各金型装置のXY面内のサイズを小さくすることができる。この結果、射出成型金型の中に、金型装置が複数個設置されても、射出成型機における樹脂注入口70と各金型装置との距離をできるだけ短くすることができるので、樹脂注入口70と各金型装置とを結ぶためのランナーを短くすることができる。そのため捨てる材料を少なくすることができる。また、ランナーが短くなると、成型時の温度や圧力を下げることができるようになるので、成型条件を緩やかなものとすることもでき、成型を安定して行うことができる。従って成型品の歩留まりが向上する。さらに、より多くの金型装置100を射出成型金型内に配列することができるようになり、一度に成型できる成型品の数を増やすことができるようにもなる。
また、逆に、金型装置100では、アンギュラピンを設ける必要がなくなるので、突出ピン15の配置の自由度を高めることもできる。
金型装置100では、作動プレート33の動作距離を長くすれば、コア11、12の傾斜角度θ1、θ2を緩やかにすることができる。このようにすれば、コア11、12のくびれ部(図5のMで示されるくびれ部)の厚みを、過度に薄くしないようにして、コア11、12の破損を防止することができる。
なお、上記実施形態では、コア11、12は、角柱状の棒状体であったが、円柱状の棒状体であってもよい。ロッキングブロック10も同様である。
また、上記実施形態では、コア11、12を3つずつとしたが、2つずつであってもよいし、4つずつ又はそれ以上であってもよい。
なお、上記実施形態に係る金型装置100は、レンズ鏡筒1を成型するための金型装置であったが、円柱状の中空部を有する成型品を成型するための金型装置であれば、本発明を適用することが可能である。
図1(A)は、本発明の一実施形態の金型装置を用いて成型されるレンズ鏡筒を示す斜視図であり、図1(B)は、図1(A)のレンズ鏡筒の中空部の成型面が形成された金型を示す斜視図である。 図2(A)は、図1(B)の金型を用いて図1(A)のレンズ鏡筒が成型されたときの様子を示す図であり、図2(B)は、図2(A)のA−A’断面図である。 図3(A)は、変形後の金型を示す図であり、図3(B)は、図3(A)のA−A’断面図である。 各コアの全体形状を示す斜視図である。 各コアの傾斜角度を示す図である。 本発明の金型装置の可動部の構成を示す図である。 ガイドプレートを説明するための図である。 図8(A)は、作動プレートの平面図であり、図8(B)は、B−B’断面図である。 図9(A)は、成型時の金型装置を示す図であり、図9(B)は、脱型時の金型装置を示す図である。 図10(A)〜図10(D)は、金型装置の脱型動作を示す図である。 アリ溝ガイド型の金型の斜視図である。 図12(A)〜図12(D)は、本発明の一実施形態に係る金型装置と、アリ溝ガイド型の金型装置とを比較する図である。 本発明の一実施形態に係る金型装置と、アンギュラピン方式の金型装置とを比較する図である。
符号の説明
1 レンズ鏡筒
2 内周壁
5、5’、5” 金型
10、10’ ロッキングブロック
11、11’ コア
12、12’ コア
15 突出ピン
21 張り出し部
31 可動側形状板
32 ガイドプレート
33 作動プレート
34 バックプレート
35、36 柱
41、42 挿通孔
45 アリ溝
46 アリ溝係止部材
50 取り付け孔
60 固定側形状板
70 樹脂注入口
80 アンギュラピン
100、100’ 金型装置
L 溝部

Claims (3)

  1. 円柱状の中空部を有する成型品を成型するための金型装置であって、
    脱型方向である第1の方向に延びる棒状体であって、先端に向かって細くなる勾配部が形成されたロッキングブロックと、
    前記ロッキングブロックの側面周方向に沿って環状に、かつ、互いに離間して配列される複数の棒状体であって、当該棒状体の先端近傍の側面に前記成型品の内周壁の一部に対応する第1の成型面が形成され、当該棒状体の先端近傍で前記勾配部に当接し、前記第1の方向に対して第1の角度で傾斜して延びる複数の第1のコアと、
    前記ロッキングブロックの側面周方向に沿って環状に、かつ、前記各第1のコアと交互に配列された複数の棒状体であって、当該棒状体の先端近傍の側面に、前記成型品の内周壁の一部に対応する第2の成型面が形成され、前記先端近傍で、隣接する前記各第1のコア及び前記勾配部と当接し、前記第1の方向に対して前記第1の角度より小さい第2の角度で傾斜して延びる複数の第2のコアと、
    前記ロッキングブロックが固定され、前記各第1のコア及び前記各第2のコアを挿通し、前記第1の方向に移動可能な移動体と、
    前記各第1のコア及び前記各第2のコアを、前記中空部の半径方向である第2の方向に案内するガイドと、を備え、
    前記移動体が前記第1の方向へ移動するのに伴って、前記各第1のコアと前記各第2のコアとが、前記第2の方向へと移動する、
    ことを特徴とする金型装置。
  2. 前記第1のコアの前記第2の方向への移動により、前記第1のコアと前記第2のコアとが干渉しないように、かつ、前記第1のコアの前記第2の方向への移動により、前記第1のコアと前記第2のコアとの間に空隙が生じるように、前記ロッキングブロックと前記第1のコアと前記第2のコアとが構成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の金型装置。
  3. 前記第2の成型面の円弧長が、前記第1の成型面の円弧長より長いことを特徴とする請求項1または2に記載の金型装置。
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