JP5564140B1 - 屋根パネル及び建物の屋根構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】陸屋根であっても高い防水性能と排水性能を確保できるうえに、屋根ふき材の上面を所望する勾配に容易に形成することが可能な屋根パネルを提供する。
【解決手段】太陽電池モジュール1が組み込まれた屋根パネル10である。そして、側縁を形成するために略平行に配置される一対の屋根フレーム2,2と、屋根フレーム間を塞ぐように配置される屋根ふき材4と、屋根ふき材の上方を跨ぐように屋根フレームに固定される太陽電池モジュールと、屋根フレームの長手方向に向けた勾配が形成されるように一対の屋根フレームの内側面側に形成されるガイド部3とを備えている。
また、屋根ふき材はガイド部に支持されるとともに、屋根ふき材の上面は太陽電池モジュールの下面から離隔している。
【選択図】図1

Description

本発明は、建物の屋根に太陽電池モジュールなどの遮蔽板状部材を設置するための屋根パネル、及びその屋根パネルを設置して構築される建物の屋根構造に関するものである。
建物の屋根に太陽電池モジュールを設置するために、屋根と太陽電池モジュールとを一体化させた様々な屋根構造が知られている(特許文献1−6など参照)。
例えば特許文献1−5には、切妻屋根、片流れ屋根、寄棟屋根などの傾斜屋根に太陽電池モジュールを設置するための屋根構造が開示されている。傾斜屋根は、屋根構造自体に傾斜があるため、特許文献1に開示されているようにアスファルトルーフィングと太陽電池モジュールとの間に隙間を設ければ、雨水を流下させることができる。
一方、特許文献5の実施例(図5)及び特許文献6には、平坦な陸屋根に太陽電池モジュールを設置した屋根構造が開示されている。特許文献5の図5に開示された屋根構造は、吹き抜けを塞ぐように陸屋根の中央部分にのみ太陽電池モジュールを設置する構造になっているが、排水勾配については明記されておらず、太陽電池モジュールの上面に勾配をつけて排水を行うものと考えられる。また、特許文献6には、陸屋根の上面を形成する平板部に、太陽電池モジュールの下面を密着させて設置する取付構造が開示されている。
特開平10−317622号公報 特開平10−169130号公報 特開2000−345670号公報 特開2000−345671号公報 特開平9−60227号公報 特開2000−220258号公報 特開2009−203742号公報
しかしながら特許文献6の取付構造では、屋根の上面を雨水が流下する際に太陽電池モジュールが流下阻害となって排水が滞るおそれがある。また、それによって太陽電池モジュールが浸水した状態が続くと、故障や漏電の原因となる。
なお、特許文献7には、上面に排水勾配が形成された屋根パネルが開示されているが、パネル基板の両側の支持突片を屋根フレームの上面に引っ掛けてぶら下げる構造となっているために、パネル基板に要求される剛性は高くなる。また、予め成形された勾配に限定されるため、パネル基板を製作し直さなければ勾配を微調整することもできない。
そこで、本発明は、陸屋根であっても高い防水性能と排水性能を確保できるうえに、屋根ふき材の上面を所望する勾配に容易に形成することが可能な屋根パネル、及びその屋根パネルを備えた建物の屋根構造を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の屋根パネルは、遮蔽板状部材が組み込まれた屋根パネルであって、側縁を形成するために略平行に配置される一対の屋根フレームと、前記屋根フレーム間を塞ぐように配置される屋根ふき材と、前記屋根ふき材の上方を跨ぐように前記屋根フレームに固定される前記遮蔽板状部材と、前記屋根フレームの長手方向に向けた勾配が形成されるように前記一対の屋根フレームの内側面側に形成されるガイド部とを備え、前記屋根ふき材は前記ガイド部に支持されるとともに、前記屋根ふき材の上面は前記遮蔽板状部材の下面から離隔していることを特徴とする。
ここで、前記遮蔽板状部材は、太陽電池モジュールとすることができる。また前記ガイド部は、前記一対の屋根フレームにそれぞれ固定される支持材と、それらの支持材に両側縁を支持させる下地板とを有する構成にすることができる。
さらに、前記屋根フレームの上面に、前記屋根フレーム間を連続して塞ぐ面状の前記屋根ふき材の上縁部が重ねられる構成にすることができる。
また、前記屋根フレームの下面側に、接合用のボルトによってスペーサが組み付けられている構成にすることができる。さらに、前記スペーサは、前記屋根フレームの下面より側方に突出させることが好ましい。
また、本発明の建物の屋根構造は、上記したいずれかの屋根パネルを、水平方向に延びる梁材の上に設置することによって構築することができる。さらに、前記梁材の上面に前記屋根フレームを接合させるのが好ましい。
また、第1の屋根パネルの前記屋根フレームの外側面と、それに隣接して配置される第2の屋根パネルの前記屋根フレームの上面とを、吹上防止金具によって連結させることができる。
さらに、第1の屋根パネルの前記屋根フレームの上面と、それに隣接して配置される第2の屋根パネルの前記屋根フレームの上面とが、両方に跨るカバー材によって覆われる構成にすることができる。
このように構成された本発明の屋根パネルは、防水性能を有する屋根ふき材に対して遮蔽板状部材(例えば太陽電池モジュール)が離隔して配置される。また、屋根フレームの内側面側に勾配に合わせたガイド部を設けておき、そのガイド部に屋根ふき材を支持させることで、屋根ふき材の上面に屋根フレームの長手方向に向けた勾配が形成される。
このため、屋根が陸屋根のように平坦であっても、高い防水性能と排水性能を備えた屋根構造を、屋根パネルを設置するだけで容易に構築することができる。また、屋根ふき材の上面を所望する勾配に容易に形成することができる。
さらに、ガイド部を、屋根フレームにそれぞれ固定される支持材と、それらの支持材に両側縁を支持させる下地板とによって構築すれば下地面が形成されることになるため、どのような形態の屋根ふき材であっても安定して支持させることができる。
また、屋根フレームの上面に面状の屋根ふき材の上縁部を重ねる構成とすることで、一対の屋根フレーム間が隙間なく屋根ふき材で覆われることになって、防水性能を高めることができる。
さらに、屋根フレームの下面側に接合用のボルトによってスペーサが組み付けられていれば、建築現場ではナットをねじ込むだけで梁材に固定させることができる。また、スペーサが屋根フレームの下面より側方に突出されていれば、隣接して設置される屋根フレームを同じ高さに揃えることができる。
そして、上述したような屋根パネルを、水平方向に延びる梁材の上に設置するだけで、防水性能と排水性能に優れた陸屋根を構築することができる。また、屋根パネルは、梁材の上面に屋根フレームを接合させることで、確実に固定することができる。
さらに、隣接して配置される2つ屋根パネルの屋根フレームの外側面と上面とを吹上防止金具によって連結させることによって、下方から吹き上げる風の力に対しても確実に対抗させることができる。
また、隣接して配置される2つの屋根パネルの屋根フレームの上面間をカバー材によって覆うだけで、屋根パネル間の防水処理を容易に行うことができる。
本発明の実施の形態の屋根パネルの概略構成を示した分解斜視図である。 屋根パネルが設置されたユニット建物の全体の概略構成を示した平面図である。 図2のA−A矢視方向で見た屋根パネルが設置された屋根構造の断面図である。 屋根フレームの構成を説明する図であって、(a)は勾配をつけて支持材を取り付ける工程を説明する説明図、(b)は軒先付近に取り付けられる支持金具を示した断面図、(c)は支持材が取り付けられた屋根フレームの構成を示した斜視図である。 屋根フレーム間を屋根ふき材で塞いだ状態を示した断面図である。 太陽電池モジュールを取り付ける工程を説明する斜視図である。 屋根パネルに吹上防止金具を取り付ける工程を説明する斜視図である。 建物ユニットの上に屋根パネルを設置する工程を説明する斜視図である。 屋根パネルの側縁を建物ユニットに固定する工程を説明する斜視図である。 図9のB−B矢視方向で見た屋根パネルが設置された屋根構造の断面図である。 図9のC−C矢視方向で見た屋根パネルが設置された屋根構造の断面図である。 図9のD−D矢視方向で見た屋根パネルが設置された屋根構造の断面図である。 屋根パネル間に縦カバーを取り付ける工程を説明する斜視図である。 図13のE部分の防水処理工程を説明する拡大斜視図である。 屋根パネル間に縦カバーが取り付けられた構成を示した断面図である。 屋根パネル間の間隔が広い場合の縦カバーが取り付けられた構成を示した断面図である。 屋根パネルの設置が完了したユニット建物の全体の概略構成を示した斜視図である。 実施例で詳細に説明するスペーサの構成を示した図であって、(a)は取付工程を示した図、(b)はスペーサが組み付けられた屋根フレームを桁屋根梁に載せた状態を示した斜視図である。 スペーサが組み付けられた屋根パネルの設置工程を説明するための断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態の屋根パネル10の概略構成を説明するための分解斜視図である。また、図2は、その屋根パネル10が設置された建物としてのユニット建物Hの屋根構造の概略構成を示した平面図である。そして、図3は、図2のA−A矢視方向で見たユニット建物Hの屋根構造の断面図である。
このユニット建物Hは、図2,16に示すように複数の建物ユニットH1,・・・を隣接させて構築される住宅などの建物である。建物ユニットH1は、図8に示すように、隅角部に配置される4本の鋼製の柱H11,・・・と、柱H11,H11の上端間及び下端間をそれぞれ繋ぐ鋼製の梁材(H12,H13など)とによって直方体状に形成される。また、この建物ユニットH1は、柱材と梁材とがすべて溶接によって剛接合される鉄骨ラーメン構造である。
柱H11,H11の上端間に架け渡される水平方向に延びる梁材は、下階では天井梁であり、最上階では屋根梁となる。ここで、長辺側(桁側)の屋根梁を桁屋根梁H12とし、短辺側の屋根梁を妻屋根梁H13とする。
また、このユニット建物Hには、図2,16に示すように、2階の隅角部にバルコニーユニットH4が設置される。このバルコニーユニットH4によって、2階の隣接する建物ユニットH1から出入りができるテラスバルコニーが形成される。
一方、屋根パネル10は、図1に示すように、側縁を形成するために略平行に配置される一対の屋根フレーム2,2と、屋根フレーム2,2間を塞ぐように配置される屋根ふき材4と、屋根ふき材4の上方を跨ぐように屋根フレーム2,2に固定される遮蔽板状部材としての太陽電池モジュール1とを主に備えている。
また、一対の屋根フレーム2,2の内側面側には、ガイド部3が形成される。このガイド部3は、一対の屋根フレーム2,2にそれぞれ固定される支持材31,31と、それらの支持材31,31に両側縁を支持させる下地板としての野地板32とを有している。
屋根フレーム2は、図4に示すように、幅の広い下フランジ21と、それよりも幅が狭い上フランジ23と、平行に配置された下フランジ21と上フランジ23との側縁間を繋ぐウェブ22とによって、断面視略C字形又はコ字形に形成される。
そして、この屋根フレーム2のウェブ22の内側面に沿って、木桟などを支持材31として取り付ける。この支持材31は、屋根ふき材4の上面に形成される(排水)勾配に合わせて取り付けられる。
具体的には、図4(a)に示すように、角度調整具33の上に支持材31を載せて高さの位置合わせを行い、屋根フレーム2の外側面側から打ち込まれた木ねじ31aによって支持材31をウェブ22に接合させる。
支持材31は、屋根フレーム2の長手方向の位置によって取り付ける高さが異なるため、場所によっては2点鎖線で示した高さに支持材31が取り付けられることになる。
なお、排水勾配の下流側において、支持材31の高さよりも低い位置で屋根ふき材4を支持させる場合は、図4(b)に示すような支持金具34を支持材として使用することができる。この支持金具34は、断面視略L字形をした長尺状の受け金具で、複数のタッピンねじ34aによって屋根フレーム2のウェブ22に接合される。
また、屋根フレーム2の下フランジ21には、桁屋根梁H12と連結させるための連結穴21aが設けられる。この連結穴21aには、後述するようにボルト21bを挿入したり、ナット21cを装着したりすることになる。その作業の際に支持材31が支障とならないように、図4(c)に示すように支持材31,31間に間隔を開けたり、切り欠きを設けたりすることができる。
こうして屋根フレーム2,2の内側面側にそれぞれ取り付けられた支持材31,31の上には、図1に示すように野地板32の両側縁を載せる。野地板32は、一定の厚さに成形されているので、支持材31,31の勾配と同じ勾配の上面が形成されることになる。
この野地板32は、図5に示すように、釘31bによって支持材31に接合させる。また、野地板32の上面は、ポリエチレンルーフィングなどの防水シート32aで覆う。この防水シート32aは、屋根フレーム2の内側面にかかる位置まで敷設されて、野地板32の全面が防水シート32aによって覆われることになる。
そして、この防水シート32aの上から屋根ふき材4を設置する。この屋根ふき材4は、例えば防水性能及び耐食性能に優れた溶融アルミニウムめっき鋼板などによって形成される。
屋根ふき材4は、野地板32の上に重ねる長方形の平板状の平板部40と、平板部40の両側縁からほぼ垂直に立ち上げられる立壁部41,41と、立壁部41,41の上端からほぼ直角に外側に向けて張り出される上縁部42,42とが、一枚の板材を折り曲げ加工することによって形成される。
この屋根ふき材4は、図1に示すように、上面となる平板部40に屋根フレーム2の長手方向に向けた勾配が形成される。すなわち、側面視略台形状の立壁部41の高さは屋根フレーム2の長手方向の位置によって異なっており、それに繋がる平板部40には勾配が形成されたことになる。この屋根ふき材4の平板部40に形成される勾配は、支持材31の取り付け勾配と一致している。
屋根ふき材4は、図5に示すように、上縁部42を屋根フレーム2の上フランジ23に載せて、ドリルねじ24をねじ込んで上縁部42及び上フランジ23を貫通させることによって接合される。
このようにして防水性能が高い屋根ふき材4によって塞がれた屋根フレーム2,2間には、太陽電池モジュール1が配置される。太陽電池モジュール1の両側縁には、図6,15に示すように、屋根フレーム2,2に固定させるための受け金具11A,11Bが締結具12によって取り付けられている。
この受け金具11A,11Bは、屋根フレーム2に対して太陽電池モジュール1を傾斜させて取り付ける場合は長さ(高さ)を変える。ここでは、受け金具11Aの方を短くし、受け金具11Bの方を長くしている。なお、太陽電池モジュール1を屋根フレーム2の上面に対して平行に取り付ける場合は、受け金具11A,11Bの長さ(高さ)を同じにする。
太陽電池モジュール1は、図6に示すように、受け金具11A,11Bに通したドリルねじ13を屋根フレーム2の上フランジに23にねじ込むことによって固定される。このようにして取り付けられた太陽電池モジュール1の下面は、図3に示すように屋根ふき材4の上面からは離隔している。すなわち、屋根ふき材4の上面と太陽電池モジュール1の下面との間には、雨水などを流下させることが可能となる隙間が存在する。
図7は、太陽電池モジュール1が組み付けられた屋根パネル10を示した斜視図である。この屋根パネル10の一方の屋根フレーム2の外側面には、吹上防止金具25が取り付けられる。
吹上防止金具25は、接合片251と突出片252とによって側面視逆L字状に形成された金具で、軒先に近い位置のウェブ22に接合片251がドリルねじ24によって接合される。
以上のようにして工場などで製作された屋根パネル10は、建築現場まで搬送されて、クレーンで吊り上げられて建物ユニットH1,・・・の上に並べて設置される。
以下では、図8−15を参照しながら、複数の屋根パネル10,・・・を並べて構築されるユニット建物Hの屋根構造について説明する。まず、図8に示すように、屋根パネル10を一枚ずつ建物ユニットH1,・・・の上に並べていく。
屋根パネル10は、複数の建物ユニットH1,・・・に跨って設置される。この屋根パネル10の長さと架け渡す建物ユニットH1,・・・の数との関係は、任意に設定することができる。
本実施の形態では、図2に示すように一枚の屋根パネル10を3つの建物ユニットH1,H1,H1の妻方向に架け渡して、軒先を庇状に張り出させている。この長く張り出した箇所をロング庇部H3と呼ぶ。また、これ以外のパラペットなどによって形成される屋根の外縁部分を、庇部H2と呼ぶ。
屋根フレーム2の下フランジ21には、図4(c)に示したように連結穴21a,・・・が桁屋根梁H12,・・・の間隔に合わせて穿孔されている。そこで、その連結穴21aに、図8に示すようにボルト21bを通し、桁屋根梁H12に設けられた穴H121に貫通させて、ナット21cを装着する。
図10は、図9のB−B矢視方向で見た断面図である。この断面図に示されているように、下フランジ21の上下には補強プレート21eとスペーサ21dとを介在させる。そしてボルト21bを、補強プレート21e、下フランジ21、スペーサ21d及び桁屋根梁H12のフランジに貫通させて下方に突出させ、ナット21cによって締結する。
一方、桁屋根梁H12に固定されない側の屋根フレーム2の外側面に取り付けられた吹上防止金具25は、隣接して設置された屋根パネル10の上フランジ23の上に突出片252が載せられる。この突出片252が上フランジ23に載せられる側の屋根フレーム2は、桁屋根梁H12にボルト21bによって固定されている。
そして、上方から突出片252にねじ込まれるドリルねじ25aが、屋根ふき材4の上縁部42を貫通して上フランジ23に接合される。この結果、桁屋根梁H12に固定されていない屋根フレーム2のウェブ22と、桁屋根梁H12に固定された屋根フレーム2の上フランジ23とが、吹上防止金具25によって連結されることになる。
また、図11は、図9のC−C矢視方向で見た断面図である。この断面図に示すように、隣接する屋根パネル10,10のウェブ22,22どうしは、連結ボルト27によって接合される。
詳細には、ウェブ22,22間に隙間の広さに合わせて複数枚のスペーサ27b,・・・を介在させ、連結ボルト27をウェブ22、スペーサ27b,・・・及びウェブ22に貫通させて、ナット27aによって締結する。
そして、最も外側に設置される屋根パネル10は、図9に示すように、側縁金具26によって建物ユニットH1の妻屋根梁H13に連結される。図12は、図9のD−D矢視方向で見た断面図である。
側縁金具26は、屋根フレーム2のウェブ22の下部に、先端が支持材31までねじ込まれるドリルねじ26cによって接合される。また、屋根フレーム2より下方に垂下された側縁金具26と妻屋根梁H13との隙間には、必要に応じてスペーサ26dが介在される。
そして、側縁金具26、スペーサ26d及び妻屋根梁H13のウェブを貫通させたボルト26aを、妻屋根梁H13の内側面側から装着されたナット26bによって締結する。
このようにして建物ユニットH1に固定させるとともに隣接する屋根パネル10,10どうしを連結させた後に、図13に示すように、屋根パネル10,10間の隙間をカバー材としての縦カバー5によって覆う。
詳細には、図15に示すように、隣接する屋根フレーム2,2の上フランジ23,23間を止水テープ53で覆う。そして、その上から断面視門形の長尺状の縦カバー5を図13に示すように被せて、端部をドリルねじ51によって上フランジ23,23に固定させる。
この縦カバー5は、屋根フレーム2よりも長さが短いため、図13に円Eで囲った箇所に継目が生じる。図14は、この箇所を拡大した斜視図である。この縦カバー5,5間の隙間は、まず止水テープ52bで覆い、その上から接続カバー52を被せる。
この接続カバー52は、断面視略H字形に形成されており、上方に突出された上壁にドリルねじ52aをねじ込んで、太陽電池モジュール1の側面に接合させる。
一方、図16に示すように、隣接する屋根フレーム2,2間の間隔が広い場合は、構造用合板などの連結板54を介して屋根フレーム2,2間を連結するとともに、幅の広い縦カバー5Aによって屋根パネル10,10間の隙間を覆う。
この図16の紙面に向かって左側に示した屋根フレーム2の下縁は、ウェブ22にドリルねじ28aによって取り付けられた断面視L字形の固定金具28を介して、桁屋根梁H12に固定されている。
そして、ウェブ22の上縁には、断面視L字形のLアングル54aがドリルねじ54bによって接合される。さらに、対向するウェブ22,22の同じ高さにそれぞれ取り付けられたLアングル54a,54a間は、連結板54によって塞がれる。この連結板54の両側縁は、ドリルねじ54c,54cによってLアングル54a,54aに接合される。
また、屋根フレーム2の上フランジ23は、止水テープ53で覆われる。そして、その上から断面視門形の長尺状の縦カバー5Aを被せて、端部をドリルねじ51によって上フランジ23,23にそれぞれ固定させる(図13参照)。
以上のようにして複数の屋根パネル10,・・・を設置することによって、陸屋根の全面が屋根パネル10,・・・で覆われたユニット建物Hの外観を、図17の斜視図に示した。
次に、本実施の形態の屋根パネル10、及びその屋根パネル10を設置して構築されるユニット建物Hの屋根構造の作用について説明する。
このように構成された本実施の形態の屋根パネル10は、防水性能を有する屋根ふき材4に対して太陽電池モジュール1が離隔して配置されている。また、屋根ふき材4の上面となる平板部40には、屋根フレーム2の長手方向に向けて勾配が形成されている。
このため、屋根が陸屋根のように平坦であっても、高い防水性能と排水性能を備えた屋根構造を、屋根パネル10,・・・を並べて固定するだけで容易に構築することができる。
すなわち、屋根パネル10の下部は、屋根ふき材4によって覆われているので、高い防水性能を確保することができる。また、屋根ふき材4の上面には勾配が形成されているので、屋根パネル10自体を水平に設置しても、平板部40に形成された勾配によって雨水を流下させることができる。
さらに、屋根ふき材4の上面と太陽電池モジュール1の下面とは離隔しているので、太陽電池モジュール1が流下阻害になって排水が滞ることを防ぐことができる。また、太陽電池モジュール1の周囲に水が溜まらないため、故障や漏電の発生を防ぐことができる。
そして、屋根フレーム2のウェブ22の内側面側に、所望する勾配に合わせたガイド部3を設けておくことで、その上に載せる屋根ふき材4の上面を所望する勾配に容易に形成することができる。
さらに、ガイド部3を、屋根フレーム2,2にそれぞれ固定される支持材31,31と、それらの支持材31,31に両側縁を支持させる野地板32とによって構築すれば下地面が形成されることになる。下地面があれば、例えば板厚の薄い(剛性低い)屋根ふき材4を使用しても、安定して支持させることができる。また、屋根ふき材が一枚板によって形成されていなくても、野地板32の上で繋ぎ合わせていけばよいので、どのような形態の屋根ふき材であっても使用することができる。
また、屋根フレーム2の上面となる上フランジ23に、面状に連続する一体の屋根ふき材4の上縁部42を重ねる構成とすることで、一対の屋根フレーム2,2間が隙間なく屋根ふき材4で覆われることになって、防水性能を高めることができる。
そして、上述したような屋根パネル10を、水平方向に延びる屋根梁(H12,H13)の上に設置するだけで、防水性能と排水性能に優れた陸屋根を構築することができる。
また、屋根パネル10は、屋根梁(H12,H13)の上面に屋根フレーム2の下部をボルト21bや側縁金具26によって接合させることで、確実に固定することができる。
さらに、隣接して配置される2つ屋根パネル10,10の一方の屋根フレーム2の外側面となるウェブ22と、他方の屋根フレーム2の上面となる上フランジ23とを吹上防止金具25によって連結させることで、下方から吹き上げる風の力に対しても確実に対抗させることができる。
また、隣接して配置される2つの屋根パネル10,10の屋根フレーム2,2の上フランジ23,23間を縦カバー5によって覆うだけで、屋根パネル10,10間の防水処理を容易に行うことができる。
以下、前記実施の形態で説明したスペーサ21dの詳細について、図18,19を参照しながらさらに説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一符号を付して説明する。
図18(a)は、スペーサ21dの取付工程を示した斜視図である。この長方形板状のスペーサ21dには、ボルト21bを通すためのねじ溝が刻まれた穴21fが穿孔されている。
工場で組み付けを行う際には、屋根フレーム2の下フランジ21の下にスペーサ21dを挿し込み、補強プレート21eの上から通したボルト21bを穴21fにねじ込むことでスペーサ21dを屋根フレーム2に取り付ける。
このようにボルト21bを先に挿し込んだ後に、ガイド部3の支持材31を屋根フレーム2に接合させる手順であれば、図19に示すようにボルト21bの真上に支持材31を配置することができるようになる。
そして、建築現場では、図18(b)に示すように、屋根フレーム2の長手方向に略直交させたスペーサ21dの下面が、桁屋根梁H12の長手方向に沿うように屋根パネル10(屋根フレーム2)を設置する。
この際、ボルト21bの先端は桁屋根梁H12の穴H121を通り、下方に突出する。そこで、ナット21cを下から装着して、締結することによって屋根フレーム2が桁屋根梁H12に固定されることになる。
図19は、図の右側から順に屋根パネル10,10,10を設置していく状態を示している。この図からわかるように、右側の屋根パネル10のスペーサ21dの上に左側の屋根パネル10の屋根フレーム2の下フランジ21が載せられるので、隣接する屋根パネル10,10どうしを同じ高さにすることができる。
このように、屋根フレーム2の下面側に接合用のボルト21bによってスペーサ21dが組み付けられていれば、建築現場ではナット21cをねじ込むだけで、桁屋根梁H12に屋根フレーム2を固定させることができる。
また、スペーサ21dが組み付けられた屋根フレーム2の下面より次に設置する屋根パネル10側にスペーサ21dが突出されていれば、隣接して設置される屋根フレーム10,10どうしを同じ高さに揃えることが容易にできる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態と略同様であるので説明を省略する。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態又は実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、建物としてユニット建物Hを例に説明したが、これに限定されるものではなく、在来工法などによって構築される建物にも屋根パネル10を設置して屋根構造を構築することができる。
また、前記実施の形態では、複数枚の屋根パネル10,・・・を並べることによって平坦な陸屋根を構築する場合について説明したが,これに限定されるものではなく、傾斜屋根にも本実施の形態の屋根パネル10を設置することができる。
さらに、前記実施の形態では、1枚がユニット建物Hの一辺の長さに相当する長さの屋根パネル10を使用する場合について説明したが、これに限定されるものではない。長手方向に複数の屋根パネルを繋ぐことで建物の一辺の長さを構成させることもできる。例えば、2枚の屋根パネルを長手方向に繋いで、図2に示す屋根パネル10と同じ長さにすることもできる。
また、前記実施の形態では、屋根ふき材4の上面に形成される勾配を一方向の勾配として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図2のユニット建物Hのように、建物ユニットH1から長く張り出すロング庇部H3がある場合は、建物ユニットH1,H1,H1上に設置されている範囲をロング庇部H3との境界に向けた一方向の下り勾配とし、ロング庇部H3の範囲を建物ユニットH1に向かう下り勾配という逆勾配にすることができる。このようにロング庇部H3の軒元側が谷底となるようなV字勾配を屋根ふき材4の上面に形成することで、谷底に設置される樋に水を集めることができる。
さらに、前記実施の形態では、支持材31,31と野地板32とによって構成されるガイド部3を設ける場合について説明したが、これに限定されるものではなく、支持材31,31のみであってもよいし、野地板32の両側縁を直接屋根フレーム2,2に接合させてもよい。
そして、前記実施の形態では、遮蔽板状部材として太陽電池モジュール1を使って説明したが、これに限定されるものではない。例えば、雪の多い地域では、遮蔽板状部材として積雪用の遮蔽板を使用することができる。この遮蔽板を屋根パネルの上面に組み込むことによって、屋根フレーム2に取り付けられる野地板32に作用する積雪荷重を低減させることができる。
また、軒先などの雨水の吹き上げが起き易い箇所において、遮蔽板状部材としての遮蔽板を組み込むことができる。すなわち、屋根ふき材4の上方が遮蔽板で覆われていれば、屋根ふき材4上の雨水が吹き上がって隣接する屋根フレーム2,2間の隙間から漏れ落ちるのを未然に防ぐことができるので、屋根全体の防水性能が高められる。
H ユニット建物(建物)
H1 建物ユニット
H12 桁屋根梁(梁材)
H13 妻屋根梁(梁材)
1 太陽電池モジュール(遮蔽板状部材)
10 屋根パネル
2 屋根フレーム
21b ボルト
21d スペーサ
25 吹上防止金具
3 ガイド部
31 支持材
32 野地板(下地板)
4 屋根ふき材
40 平板部(上面)
42 上縁部
5 縦カバー(カバー材)

Claims (10)

  1. 遮蔽板状部材が組み込まれた屋根パネルであって、
    側縁を形成するために略平行に配置される一対の屋根フレームと、
    前記屋根フレーム間を塞ぐように配置される屋根ふき材と、
    前記屋根ふき材の上方を跨ぐように前記屋根フレームに固定される前記遮蔽板状部材と、
    前記屋根フレームの長手方向に向けた勾配が形成されるように前記一対の屋根フレームの内側面側に形成されるガイド部とを備え、
    前記屋根ふき材は前記ガイド部に支持されるとともに、前記屋根ふき材の上面は前記遮蔽板状部材の下面から離隔していることを特徴とする屋根パネル。
  2. 前記遮蔽板状部材が太陽電池モジュールであることを特徴とする請求項1に記載の屋根パネル。
  3. 前記ガイド部は、前記一対の屋根フレームにそれぞれ固定される支持材と、それらの支持材に両側縁を支持させる下地板とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の屋根パネル。
  4. 前記屋根フレームの上面に、前記屋根フレーム間を連続して塞ぐ面状の前記屋根ふき材の上縁部が重ねられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の屋根パネル。
  5. 前記屋根フレームの下面側に、接合用のボルトによってスペーサが組み付けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の屋根パネル。
  6. 前記スペーサは、前記屋根フレームの下面より側方に突出させることを特徴とする請求項5に記載の屋根パネル。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の屋根パネルを、水平方向に延びる梁材の上に設置することによって構築されることを特徴とする建物の屋根構造。
  8. 前記梁材の上面に前記屋根フレームを接合させることを特徴とする請求項7に記載の建物の屋根構造。
  9. 第1の屋根パネルの前記屋根フレームの外側面と、それに隣接して配置される第2の屋根パネルの前記屋根フレームの上面とを、吹上防止金具によって連結させることを特徴とする請求項7又は8に記載の建物の屋根構造。
  10. 第1の屋根パネルの前記屋根フレームの上面と、それに隣接して配置される第2の屋根パネルの前記屋根フレームの上面とが、両方に跨るカバー材によって覆われることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載の建物の屋根構造。
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