JP3373601B2 - 建材一体型太陽電池モジュールパネル - Google Patents

建材一体型太陽電池モジュールパネル

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JP3373601B2
JP3373601B2 JP18946693A JP18946693A JP3373601B2 JP 3373601 B2 JP3373601 B2 JP 3373601B2 JP 18946693 A JP18946693 A JP 18946693A JP 18946693 A JP18946693 A JP 18946693A JP 3373601 B2 JP3373601 B2 JP 3373601B2
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佳照 新田
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    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
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    • Y02B10/10Photovoltaic [PV]

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  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Roof Covering Using Slabs Or Stiff Sheets (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は建材一体型太陽電池モジ
ュールパネルに関し、より詳しくは太陽光により発電さ
せられる太陽電池モジュールを一体的に備えた建築材に
関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】近年、ク
リーンエネルギーの利用がますます叫ばれるようにな
り、それに伴い太陽電池の利用の促進が図られる一方
で、太陽電池の量産化に相まって製造コストの低減化が
進みつつある。従来より、太陽電池の利用の一つに屋根
などの上に太陽電池モジュールパネルを配設することが
提案されている。たとえば日本建築を念頭においた屋根
瓦の形状をした太陽電池モジュールが提案されている
が、この太陽電池モジュールは製造が困難であるばかり
か、施工上も困難で、しかもコストが非常に高くなるこ
とから、実用化には至っていない。
【0003】このため、屋根の上にフレームを組み立て
てその上に太陽電池モジュールパネルを配設する構造の
ものが提案され、一部において実用化されている。かか
る構造の太陽電池モジュールパネルは結晶系の太陽電池
をモジュール化したものであり、太陽電池モジュールと
してスーパーストレートタイプ、サブストレートタイプ
及び充填タイプがJISに規定されている。一方、アモ
ルファス系光起電力素子についてのモジュール構造は規
定されていないため、上記結晶系の太陽電池のモジュー
ル構造に準拠して構成していた。たとえばスーパースト
レートタイプを例に太陽電池モジュールを説明すると、
表面カバーガラスと裏面カバーフィルムとの間に直列及
び/又は並列に接続された複数の光起電力素子を樹脂で
封止して構成されている。このような構造の太陽電池モ
ジュールはそのままパネルに組み込むことができないた
め、家屋の屋根の上や外壁の上にフレームを組み立てて
その上に太陽電池モジュールを設置するように構成して
いたのである。
【0004】しかしながら、家屋の屋根の上や外壁の上
にフレームを組み立ててその上に太陽電池モジュールを
設置するのは、既設の家屋にも設置することができる利
点があるが、家屋の外観上、美感を阻害するものであっ
た。しかも、太陽電池モジュールパネルが強風などに煽
られて、フレームの支柱が屋根瓦又はスレートを破壊し
たり、あるいは外壁を破損することがあり、問題となっ
ていた。更に、パネル工法により建築される家屋などに
あっては、通常の外壁の上に太陽電池モジュールパネル
を取り付ける必要があり、コストが高く付くなどの問題
があった。
【0005】また、結晶系シリコン半導体素子から構成
される太陽電池モジュールはその変換効率の低下を防ぐ
ために、作動温度を下げる必要があり、放熱などによる
冷却効果の高い構造が求められていた。このため、上記
フレームによって構成された外部設置形式が最も好まし
い形態と考えられ、太陽電池モジュールを建材と一体化
した場合、冷却効果が充分に得られないという問題があ
った。しかしながら、本発明者は非晶質シリコン半導体
素子においては加熱によって太陽電池モジュールの光電
変換効率の劣化が回復することに着目し、その特性の利
用を含め、上記問題を解決するために鋭意研究を重ねた
結果、本発明に係る建材一体型太陽電池モジュールパネ
ルに至ったのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る建材一体型
太陽電池モジュールパネルの要旨とするところは、少な
くとも第1の電極層と光半導体層と第2の電極層とを積
層して成る光起電力素子を複数、直列及び/又は並列に
接続した光起電力素子群により構成された光発電セル
と、該1又は複数の光発電セルを当該受光面が受光可能
に嵌め込んで固定する凹陥部が1又は複数形成され、そ
れ自体が外部建材を成す建材パネルとから構成したこと
にある。
【0007】かかる建材一体型太陽電池モジュールパネ
ルにおいて、前記建材パネルの前記光発電セルの受光面
側に、透光性保護カバーを配設したことにある。
【0008】また、かかる建材一体型太陽電池モジュー
ルパネルにおいて、前記建材パネルに、該複数の凹陥部
において太陽光により加熱された空気を流す流路を設け
たことにある。
【0009】更に、かかる建材一体型太陽電池モジュー
ルパネルにおいて、前記建材パネルが断熱材を主体に構
成されていることにある。
【0010】
【作用】本発明に係る建材一体型太陽電池モジュールパ
ネルはそれ自体が屋根や外壁の一部を構成する外部建材
を成す建材パネルに凹陥部を設け、その凹陥部に光発電
セルを嵌め込んで構成されている。したがって、従来の
工法によってかかる建材パネルを用いて屋根や外壁を建
築することができ、建築された屋根や外壁から水漏れな
どが生ずることはない。一方、この建材パネルに形成さ
れた凹陥部には光起電力素子が複数、直列及び/又は並
列に接続された光起電力素子群により構成された光発電
セルが嵌め込まれていて、使用される光発電セルの個数
によって発電量が設定されることになる。
【0011】建材パネルの凹陥部に嵌め込まれた光発電
セルはそのまま外気に露出させられていても良いが、よ
り好ましくは建材パネルの光発電セルが配設された側の
全面に透光性の保護カバーを配設し、光発電セルを外力
や雨水などから保護するのが好ましい。
【0012】また、建材パネルの凹陥部において、光発
電セルと透光性の保護カバーとの間に形成された空間
や、光発電セルと建材パネルとの間に形成された空間内
の空気が太陽光によって加熱されることから、この加熱
された空気を集めるための流路が凹陥部と凹陥部との間
の側壁部や、凹陥部と枠材との間の側壁部に形成されて
いる。この流路を適宜接続して、太陽光によって加熱さ
れた空気を集めて蓄熱することにより、熱の有効利用が
図られる。一方、光発電セルの表面側に空気の流れを形
成することにより、光発電セルを冷却することができ、
必要以上に温度が上昇するのを防ぎ、発電効率が低下す
るのを抑止することができる。
【0013】更に、建材パネルを断熱材を主体にして構
成することにより、家屋の断熱性が確保されることにな
る。更に、この断熱材を主体とする建材パネルの凹陥部
に嵌め込まれた光発電セルは太陽光によって加熱され、
保温される。この保温される温度は空気の流れを調節す
るなどによって適宜設定され、光発電セルの低下した変
換効率の回復が図られる。これにより、四季を通じてほ
ぼ安定した変換効率を得ることができる。
【0014】
【実施例】次に、本発明に係る建材一体型太陽電池モジ
ュールパネルの実施例を図面に基づいて詳しく説明す
る。
【0015】図1に示すように、本実施例に係る建材一
体型太陽電池モジュールパネル10は概略、複数の光発
電セル12と、これら複数の光発電セル12を埋め込ん
だ建材パネル14と、これら光発電セル12を埋め込ん
だ建材パネル14の上面を覆う透光性の保護カバー16
とから構成されている。
【0016】ここで、光発電セル12は図2に示すよう
に、所定の電圧と電流を得るために、複数の光起電力素
子18を必要に応じて直列に接続するとともに並列に接
続して構成されている。一例として、非晶質の光起電力
素子18は、絶縁基板である透光性絶縁基板20の上に
第1の電極層として透明電極22と、光電変換を行う光
半導体層24と、第2の電極層として金属電極26がそ
れぞれ所定のパターン形状に積層されて構成されてい
て、これら透明電極22と光半導体層24と金属電極2
6から成る光起電力素子18が直列にあるいは並列に接
続されて、一つの光発電セル12が構成されている。更
に、これら光起電力素子18などの上には必要に応じて
絶縁保護膜28が被着されている。
【0017】なお、より具体的に非晶質から成る光発電
セル12の製造方法を説明すると、光発電セル12はガ
ラス基板などの透光性絶縁基板20の上に透明電極22
が被着され、透明電極22は光を透過し得るようにIT
Oや SnO2 あるいはそれらの積層体であるITO/ SnO
2 などが用いられ、所定のパターン形状に形成されてい
る。パターン化された透明電極22の上には光半導体層
24が被着され、この光半導体層24についても透明電
極22に対応してパターン化されている。光半導体層2
4は主として非晶質シリコン半導体層によって構成さ
れ、この非晶質シリコン半導体層は非晶質シリコンa-S
i、水素化非晶質シリコンa-Si:H、水素化非晶質シリコ
ンカーバイドa-SiC:H、非晶質シリコンナイトライドな
どの他、シリコンと炭素、ゲルマニウム、スズなどの他
の元素との合金から成る非晶質シリコン系半導体の非晶
質あるいは微結晶をpin型、nip型、ni型、pn
型、MIS型、ヘテロ接合型、ホモ接合型、ショットキ
ーバリアー型あるいはこれらを組み合わせた型などに構
成した半導体層が用いられる。その他、光半導体層24
は CdS系、GaAs系、 InP系などであっても良く、なんら
限定されない。更に、これらパターン化された光半導体
層24の上には金属電極26が常法により被着され、金
属電極26は透明電極22及び光半導体層24に対応し
てパターン化されていて、それぞれ光起電力素子18を
構成し、全体として一つの光発電セル12を構成してい
るのである。
【0018】したがって、光発電セル12に入射した光
によって、複数の光起電力素子18は発電させられ、直
列あるいは並列に電気的に接続されることにより、必要
とする電圧と電流を得ることができる。これにより、太
陽光は電気的利用に供せられることになる。
【0019】一方、建材パネル14は図3及び図1に示
すように、これら光発電セル12をその受光面30を開
放させた状態、すなわち受光可能に嵌め込んで固定する
凹陥部32と、その凹陥部32と凹陥部32との間に空
気を流す流路34とが断熱材36に形成され、この断熱
材36は枠材38や裏打材40によって補強されて構成
されている。ここで、断熱材36は断熱性及び耐候性に
優れた発泡ポリスチレンなどの発泡体などで形成されて
いて、凹陥部32や流路34は成形時に一体的に形成さ
れている。凹陥部32の縦横方向の寸法はそれに嵌め込
まれる光発電セル12の縦横方向の寸法とほぼ同一か又
は若干小さく形成されていて、凹陥部32に嵌め込まれ
た光発電セル12は発泡体の有する弾力性によって強固
に固定されている。なお、凹陥部32の大きさを光発電
セル12より大きく形成し、光発電セル12を接着剤な
どによって接着しても良いのは言うまでもない。また、
枠材38は断熱材36を補強するとともに、建材パネル
14を屋根を形成するフレームなどに固定するために設
けられている。更に、裏打材40は断熱材36を補強す
るとともに、不燃性の材料により形成されていて、防火
のために設けられている。
【0020】これら光発電セル12を嵌め込んだ建材パ
ネル14の上面を覆う透光性の保護カバー16は光発電
セル12が外力によって破壊されたり、あるいは雨や雪
などによって光発電セル12や配線が濡れて漏電したり
しないようにするためのものである。したがって、透光
性の保護カバー16はガラス板や樹脂板、あるいはこれ
らの中に網が入ったものなどが用いられる。また、無色
透明の他に、たとえば発電に寄与する波長の光を選択的
に透過させるたとえば有色のフィルター機能を有するも
のなどが用いられても良い。
【0021】光発電セル12が嵌め込まれた凹陥部32
と保護カバー16との間には空間42が形成されてい
て、太陽光によって加熱された光発電セル12は空間4
2内の空気を温める。この温められた空気は上昇気流と
なって一方の流路34から排出され、また、他方の流路
34からは外気が流入させられ、加熱された光発電セル
12を冷却するとともに流入させられた空気は加熱され
て、上記一方の流路34からの排出が繰り返される。こ
の作用によって、太陽光の集熱効果が得られ、前記光発
電セル12による電気的利用に併せて熱的利用が図られ
るように構成されている。
【0022】以上の構成に係る建材一体型太陽電池モジ
ュールパネル10は図4に示すように、家屋44の屋根
のフレーム46の上に配設され、建材パネル14の枠材
38とフレーム46とをボルトや釘などの締結材によっ
て締結したり、あるいは溶接などによって固着される。
また、建材パネル14と建材パネル14との接続部や、
建材パネル14と家屋44の枠材との接続部にはコーキ
ング材が充填され、水漏れなどが生じないようにされて
いる。
【0023】更に、建材一体型太陽電池モジュールパネ
ル10内の光発電セル12は適宜、直列あるいは並列に
電気的に接続されていて、また複数の建材一体型太陽電
池モジュールパネル10同士についても適宜、直列ある
いは並列に電気的に接続されていて、所定の電圧と電流
が得られるように構成されている。複数の建材一体型太
陽電池モジュールパネル10からの電気配線は直流によ
って作動させられる電気機器やバッテリーに接続されて
利用に供されても良いが、図5に示すように、インバー
タ48に接続されて、直流を商用電源と同じ電圧の交流
に変換して、利用に供しても良い。すなわち、太陽光が
照射している間は建材一体型太陽電池モジュールパネル
10によって発電された電力はインバータ48により交
流電力に変換され、交流電気機器が作動させられる。一
方、夜間などの太陽光が照射していない時間帯は商用電
源によって、交流電気機器が作動させられることにな
り、電力が安定して供給されることになる。
【0024】次に、建材一体型太陽電池モジュールパネ
ル10内の凹陥部32で加熱された空気は流路34に導
かれて少なくとも1箇所に集められた後、蓄熱床50に
蓄熱される。蓄熱床50に蓄熱された熱は冬季、室内の
暖房や湯水の供給などに利用されることになる。また、
夏期においては、湯水の供給などに利用される他、流路
34に導かれて集められた加熱空気を必要に応じて換気
用ファン52などによって大気に放出して、建材一体型
太陽電池モジュールパネル10の表面温度を下げ、室温
の上昇を防ぐように構成することも可能である。
【0025】また、流路34による集熱は常時行われる
必要はなく、たとえば建材一体型太陽電池モジュールパ
ネル10における光発電セル12の温度が所定の温度、
たとえば70℃以上になったとき、流路34に空気を流
通させて光発電セル12の温度を下げるとともに集熱を
行い、逆に、光発電セル12の温度が70℃以下のとき
は、流路34における空気の流通を遮断し、光発電セル
12を昇温させるように構成することができる。この温
度制御は温度センサからの信号に基づいてアクチュエー
タを作動させ、流路34の開閉弁を開閉させたり、ある
いは流路34の開閉弁を可逆性を有する形状記憶合金あ
るいは形状記憶樹脂にて形成し、開閉弁自体が温度に応
じて開閉し得るように構成しても良い。
【0026】このように構成された建材一体型太陽電池
モジュールパネル10は太陽光に直接曝されて、発電を
行うと同時にパネル10全体が加熱される。冬期などの
気温が低い季節や時間帯において、建材一体型太陽電池
モジュールパネル10は充分その温度が上がっていない
ときは、開閉弁は閉じたままで保温状態に置かれ、太陽
光により加熱されて昇温させられ、熱処理を施すのと同
等の状態に置かれる。これにより、光発電セル12の変
換効率の回復が図られるとともに、家屋44の断熱性が
保持される。他方、夏期などの気温が高い季節や時間帯
においては、建材一体型太陽電池モジュールパネル10
の温度が予め設定された温度たとえば70℃に達した
時、開閉弁が開けられ流路34に空気が流れて、建材一
体型太陽電池モジュールパネル10の温度を下げ、光発
電セル12が予め設定された温度範囲内になるように調
整される。これにより、光発電セル12の変換効率の回
復が図られるとともに、家屋44の温度が上昇するのを
防止することができる。
【0027】以上、本発明に係る建材一体型太陽電池モ
ジュールパネルの一実施例を詳述したが、本発明はその
他の態様でも実施し得るものである。
【0028】たとえば図6に示すように、建材一体型太
陽電池モジュールパネル54は光発電セル12を建材パ
ネル56の凹陥部58に嵌め込み、保護カバー16との
間に空間42を形成した構造であっても良い。かかる実
施例にあっては流路がないため、太陽熱の集熱利用が図
れないが、太陽光の電気的利用などのその他の点につい
ては充分であり、特に高緯度地方などにあっては、断熱
効果が充分に得られる利点がある。
【0029】また、図7に示すように、建材一体型太陽
電池モジュールパネル60は、建材パネル56の凹陥部
58に嵌め込まれた光発電セル12が建材パネル56の
表面と面一になるように構成されていても良い。本例に
おいては、光発電セル12がガラス基板20上に形成さ
れたアモルファスシリコン系光起電力素子18などから
成る場合にあっては、ガラス基板20が受光側となるよ
うに構成され、そのガラス基板20と建材パネルの凹陥
部との接合部はコーキング材などによって完全にシール
されているのが好ましい。なお、光発電セル12の保護
のために、更に保護カバーを配設するのは好ましい。
【0030】更に、図8に示すように、建材一体型太陽
電池モジュールパネル62は、建材パネル64の凹陥部
66に嵌め込まれた光発電セル12が建材パネル64の
表面と面一になるように構成されるとともに、凹陥部6
6の内部に空間68が形成され、更にこの空間68が流
路70により導通させられるように構成されていても良
い。かかる構成により、第1実施例と同様の作用効果が
得られる。なお、本例においても、建材パネル64の表
面側に保護カバーを配設するのは好ましい。
【0031】また、図1に示す実施例と図8に示す実施
例とを組み合わせた形態、すなわち建材パネルの凹陥部
に嵌め込まれた光発電セルと保護カバーとの間、及び凹
陥部の内部である光発電セルと凹陥部との間のそれぞれ
に空間を設けて構成しても良い。かかる構成により、光
発電セルは空気層に挟まれた状態となり、光発電セルの
温度制御がより容易となるとともに、空気層による断熱
効果が一層期待できることになる。
【0032】以上、本発明に係る建材一体型太陽電池モ
ジュールパネルの基本的構成に関する実施例を図面に基
づいて種々説明したが、本発明は上述の図示した実施例
に限定されるものではないのは言うまでもない。たとえ
ば、建材パネルを主体として構成する発泡体は発泡ポリ
スチレン系樹脂に限らず、発泡ポリエチレンや発泡ポリ
プロピレンなどの発泡ポリオレフィン系樹脂、スチレン
とエチレンやプロピレンとの共重合体を発泡させた発泡
樹脂、発泡ポリウレタンなどが用いられても良く、何ら
限定されるものではないが、太陽光に対する耐熱性、耐
候性を備えているのが好ましい。
【0033】また、建材パネルを構成する枠材は木製の
他、金属製であっても良く、その形状あるいは構造は接
続部において、漏水などを生じさせないような構造に構
成されているのが好ましい。かかる構造は公知の構造を
含め、何ら限定されるものではない。更に、裏打材は防
火などの観点から不燃材によって構成されているのが好
ましく、たとえばアルミニウム板、銅板、鉄板などの金
属板や、不燃性の樹脂板などであっても良く、特に限定
されるものではない。
【0034】次に、本発明に係る光発電セルは、ガラス
基板上に積層形成されたアモルファスシリコン系光起電
力素子によって構成されたものの他、単結晶タイプある
いは非晶質タイプの光起電力素子をスーパーストレート
タイプや、サブストレートタイプや充填タイプの太陽電
池モジュールに構成したものを用いても良い。なお、ア
モルファスシリコン系光起電力素子などのアモルファス
系の光起電力素子は大面積で形成することが容易にで
き、本発明には特に好ましい。
【0035】その他、本発明に係る建材一体型太陽電池
モジュールパネルは上述の実施例を適宜組み合わせて実
施することが可能であり、更に、本発明の実施にあた
り、耐湿性などの耐候性や耐久性などを向上させるため
に、保護カバーのガラスなどの厚みを厚くしたり、枠材
の構造などを適宜設計することが可能である等、本発明
はその趣旨を逸脱しない範囲内で、当業者の知識に基づ
き種々なる改良、修正、変形を加えた態様で実施し得る
ものである。
【0036】
【発明の効果】本発明に係る建材一体型太陽電池モジュ
ールパネルは光発電セルと建材パネルとから構成されて
いるため、太陽電池モジュールとしての機能と、建材と
して満たすべき機能を併せ有していて、かかる構成によ
り施工性に優れたものとなる。また、通常の建材パネル
と異なり、太陽電池モジュールを備えているため、建材
パネルとしてのコストは高く付くが、本発明に係る建材
一体型太陽電池モジュールパネルの断熱性、及び光発電
セルによる電気的利用を図り、更に凹陥部及び流路から
の集熱利用を図ることができることから、光熱費を大幅
に削減できるだけでなく、余剰電力を売電することによ
る利益も期待できる。
【0037】また、本発明に係る建材一体型太陽電池モ
ジュールパネルにおける建材パネルを断熱性に優れた発
泡性樹脂を用いて構成することにより、家屋における屋
根部下らの熱の流入又は流出を防ぐことができ、省エネ
ルギー住宅を提供することができる。更に、建材パネル
の断熱性とともに光発電セルを所定の温度に保持させる
ことによって、変換効率の回復と維持を図ることができ
るなどの優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建材一体型太陽電池モジュールパ
ネルの一実施例を示す斜視図である。
【図2】同図(a) 及び(b) は図1に示す建材一体型太陽
電池モジュールパネルに用いられる光発電セルの実施例
を示す要部拡大断面説明図である。
【図3】図1に示す建材一体型太陽電池モジュールパネ
ルの要部拡大断面斜視図である。
【図4】図1に示す建材一体型太陽電池モジュールパネ
ルの取り着け例を示す要部斜視図である。
【図5】図1に示す建材一体型太陽電池モジュールパネ
ルの作動を説明するための断面説明図である。
【図6】本発明に係る建材一体型太陽電池モジュールパ
ネルの他の実施例を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る建材一体型太陽電池モジュールパ
ネルの更に他の実施例を示す要部断面斜視図である。
【図8】本発明に係る建材一体型太陽電池モジュールパ
ネルの更に他の実施例を示す要部断面斜視図である。
【符号の説明】
10,54,60,62;建材一体型太陽電池モジュー
ルパネル 12;光発電セル 14,56,64;建材パネル 16;保護カバー 18;光起電力素子 20;透光性絶縁基板 22;透明電極(第1の電極層) 24;光半導体層 26;金属電極(第2の電極層) 28;絶縁保護膜 30;受光面 32,58,68;凹陥部 34,70;流路 36;断熱材 42;空間 44;家屋 50;蓄熱床
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平1−65154(JP,U) 実開 昭62−52610(JP,U) 実開 昭61−194039(JP,U) 実開 昭60−174732(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04D 3/40 E04D 13/18

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも第1の電極層と非晶質シリコン
    半導体層と第2の電極層と、 を積層して成る光起電力素子を複数、直列及び/又は並
    列に接続した光起電力素子群により構成された光発電セ
    ルと、 前記1又は複数の光発電セルを当該受光面が受光可能に
    嵌め込んで固定する凹陥部が1又は複数形成され、それ
    自体が外部建材を成す建材パネルと、 から構成される太陽電池モジュールパネルであって、前記光発電セルと前記建材パネルの間に空間を有し、 該空間に空気を導入して、該空間の空気の温度を調節す
    ることにより前記非晶質シリコン半導体層を加熱、冷
    却、保温可能とし、 該非晶質シリコン半導体の光電変換効率の劣化を回復す
    ることができることを特徴とする 建材一体型太陽電池モ
    ジュールパネル。
  2. 【請求項2】少なくとも第1の電極層と非晶質シリコン
    半導体層と第2の電極層と、 を積層して成る光起電力素子を複数、直列及び/又は並
    列に接続した光起電力素子群により構成された光発電セ
    ルと、該光発電セルの受光面側に配設された透過性保護カバー
    と、 前記1又は複数の光発電セルを当該受光面が受光可能に
    嵌め込んで固定する凹陥部が1又は複数形成され、それ
    自体が外部建材を成す建材パネルと、 から構成される太陽電池モジュールパネルであって、前記光発電セルと前記透過性保護カバーの間に空間を有
    し、 該空間に空気を導入して、該空間の空気の温度を調節す
    ることにより前記非晶質シリコン半導体層を加熱、冷
    却、保温可能とし、 該非晶質シリコン半導体の光電変換効率の劣化を回復す
    ることができることを特徴とする 建材一体型太陽電池モ
    ジュールパネル。
  3. 【請求項3】 前記建材パネルの前記光発電セルの受光
    面側に、透光性保護カバーを配設したことを特徴とする
    請求項1に記載する建材一体型太陽電池モジュールパネ
    ル。
  4. 【請求項4】 前記建材パネルに、該複数の凹陥部にお
    いて太陽光により加熱された空気を流す流路を設けたこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載する建材一
    体型太陽電池モジュールパネル。
  5. 【請求項5】 前記建材パネルが断熱材を主体に構成さ
    れていることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載
    する建材一体型太陽電池モジュールパネル。
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