JP5749665B2 - 建物 - Google Patents

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本発明は、建物に関する。
建物の構築においては、建物の工業化が進み、例えば、壁や床、屋根といった構成要素を予め工場にてパネル化しておき、施工現場でこれらのパネルを組み立てることにより、建物を構築するといったパネル工法が知られている。
そして、このようなパネル工法により構築された建物には、例えば、特許文献1に記載されているように、下階部より上方が外部側に突出しているオーバーハング部を有してなるものがある。この建物は、二階部の外壁を、一階部の外壁よりも外部側に所定長さ突出させることで、この二階部をいわゆるオーバーハング部として構成したものである。特許文献1では、通常使用される床パネルの枠体を構成する桟材のせいに比べて比較的大きくした成の桟材を有する床パネルを室内側からオーバーハング部まで延設することが記載されている。これによって、オーバーハング部の強度を確保できる。
特開2004−3192号公報
しかし、このように、前記枠体を構成する桟材のせいを比較的大きくした床パネルを使用すると、オーバーハング部の強度を確保できる一方で、床からの所定の天井高を確保するために、前記枠体を構成する桟材のせいを大きくした分だけ、屋根が高なり、道路斜線制限または隣地斜線制限等を超えてしまう。そのため、二階の天井の高さを一部低くしなければならないことがある。また、同様の問題が、バルコニーのオーバーハング部、屋根のオーバーハング部においても生じ得る。
また、パネル工法に限らず、例えば、在来工法において、2階の床を支持する梁を外壁から突出させてオーバーハング部を構成し、当該梁の梁成を大きくした場合も、同様の問題が生じる。
本発明は、オーバーハング部の強度を確保しつつ、上部構造に影響が及ぶのを抑えられる構造を有する建物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、例えば、図1〜図に示すように、
第1の壁1と、この第1の壁1より低い第2の壁2とを有する建物躯体から梁3Aが突出してなるオーバーハング部3aを有する建物100であって、
前記オーバーハング部3aは前記建物100の軒先部分30を構成しており、
前記梁3Aは前記第2の壁2の上端面に、前記第2の壁2と平行にして設けられ、
前記梁3A,3Bは前記第2の壁2の厚さと同等な厚さおよび前記第1の壁1より第2の壁2が低い分の梁成を有する断面矩形であ
前記梁3Aは、前記オーバーハング部3aの基端下の前記第2の壁2の側端面に設けられた金物6で、前記第2の壁2と連結され、
前記金物6は羽子板ボルトであり、前記第2の壁2の側端面に取り付けられる取付部6aと、ボルトであって前記梁3Aを貫通するとともに上端部が前記梁3Aの上面から突出してナット6dが締結される延設部6bと、を有する、
ことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、前記第2の壁2の上端面に、前記第2の壁2と平行にして設けられている前記梁3Aは前記第2の壁2の厚さと同等な厚さおよび前記第1の壁1より第2の壁2が低い分の梁成を有する断面矩形であるので、梁成を大きくしても、当該梁3Aの上面を第1の壁1の上端面と同じ高さにできる。したがって、梁3Aのオーバーハング部3aの強度を確保しつつ、上部構造に影響が及ぶのを抑えられる。
また、前記オーバーハング部3aは前記建物100の軒先部分30を構成しているので、梁3Aの強度に合わせた広い軒先部分30を設けることができる。
また、前記梁3Aは、前記オーバーハング部3aの基端下の前記第2の壁2の側端面に設けられた金物6で、前記第2の壁2と連結されているので、前記オーバーハング部3aをより強固に建物躯体に固定できる。
請求項2に記載の発明は、例えば、図1,図5〜図に示すように、
第1の壁1と、この第1の壁1より低い第2の壁2とを有する建物躯体から梁3Bが突出してなるオーバーハング部3bを有する建物100であって、
前記オーバーハング部3bはバルコニー20を構成しており、
前記梁3Bは前記第2の壁2の上端面に、前記第2の壁2と平行にして設けられ、
前記梁3Bは、当該梁3Bの長さ方向に連続して、前記第2の壁2の厚さと同等な厚さおよび前記第1の壁1より第2の壁2が低い分の梁成を有する断面矩形であり
前記梁3Bの突出方向先端側と基端側に前記第2の壁2が配置されている、
ことを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、前記第2の壁2の上端面に、前記第2の壁2と平行にして設けられている前記梁3Bは前記第2の壁2の厚さと同等な厚さおよび前記第1の壁1より第2の壁2が低い分の梁成を有する断面矩形であるので、梁成を大きくしても、当該梁3Bの上面を第1の壁1の上端面と同じ高さにできる。したがって、梁3Bのオーバーハング部3bの強度を確保しつつ、上部構造に影響が及ぶのを抑えられる。
また、前記オーバーハング部3bはバルコニー20を構成しているので、梁3Bの強度に合わせた広いバルコニー20を設けることができる。
請求項3に記載の発明は、例えば、図2〜図4に示すように、
請求項1または2に記載の建物100において、
前記梁3A,3Bの側面と前記第2の壁2の側面との接合部を跨って設けられたガセット5で、前記梁3A,3Bと前記第2の壁2が連結されている、
ことを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、前記梁3A,3Bの側面と前記第2の壁2の側面との接合部を跨って設けられたガセット5で、前記梁3A,3Bと前記第2の壁2が連結されているので、梁3A,3Bと前記第2の壁2とを強固に連結できる。
請求項に記載の発明は、例えば、図1、図5に示すように、
請求項1からのいずれか一項に記載の建物100において、
前記第1の壁1および前記第2の壁2は壁パネルであ
前記壁パネル1,2は木質パネルであり、横框2aと縦框とを矩形状に組み立てるとともに、矩形枠の内部に補助棧材を縦横に組み付け、横框2aと縦框と補助棧材の両面に面材を貼設してなる、
ことを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、前記第1の壁1および前記第2の壁2は壁パネルであるので、予め工場で製造された壁パネルを用いることにより、現場での施工工数を減少することができる。
本発明によれば、オーバーハング部の強度を確保しつつ、上部構造に影響が及ぶのを抑えられる構造を有する建物を提供することができる。
本発明に係る建物の一例を示す図であり、壁パネルおよび床パネル等の施工例を示す斜視図である。 同、図1のA部拡大図である。 同、図2のI−I断面図である。 同、図2に示す建物の内側から見たオーバーハング部周辺の立面図である。 同、1階部分の壁パネル並びに床パネル、2階部分の床パネルの等の施工例を示す斜視図である。 同、図5のB部拡大図である。 同、図6のI−I断面図である。 同、図6に示す建物の内側から見たオーバーハング部周辺の立面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
<実施の形態>
図1は、パネル工法による建物100の構造を示している。パネル工法では、壁パネル、小屋パネル、床パネル、屋根パネル等の木質パネルが用いられる。また、これら各種パネルは、天候や作業者の技量に左右される可能性が高い現場施工ではなく、高品質で安定した性能を実現できる工場で生産されている。前記各種パネルは、主に木質パネルであり、横框と縦框とを矩形状に組み立てるとともに、矩形枠の内部に補助棧材を縦横に組み付け、横框と縦框と補助棧材との両面もしくは片面に、面材を貼設したものである。建物100は、コンクリートの基礎10上に床パネルが固定され、この床パネル上に、壁パネル、小屋パネル等が接着剤、金物等を用いて順次固定され、施工される。
(軒先部分)
図1の斜視図の右側に示すように、軒30aの出を小さくした場合には、壁パネル1上に小屋壁パネル31を設置することができる。これに対して、図1の斜視図の左側に示すように、軒先部分30を大きくし、深い軒の出にすると、風による吹き上げ等に対する強度を確保する必要があるため、軒先部分30の強度を向上する必要がある。その一方で、夏に高温多湿の際に雨が降っても窓を開け放つことができ、また夏の暑い日差しを遮ることができる。
深い軒の出を設けた場合に、軒先に柱を設け、屋根の荷重を支えることもできる。しかし、本実施の形態では、軒先に柱を設けずに、深い軒の出を設け、この軒先部分30を支持するオーバーハング部3aを設ける構造について説明する。
図1、図2に示すように、建物躯体は、壁パネル(本発明の「第1の壁」に相当)1と、この壁パネル1より低い壁パネル(本発明の「第2の壁」に相当)2とを有する。オーバーハング部3aは、建物100であって建物躯体から大梁3Aが突出している部分であり、前記建物100の軒先部分30を構成している。この大梁3Aは前記壁パネル2の上端面に、前記壁パネル2と平行にして設けられている。
また、図2〜図4に示すように、前記大梁3Aの側面と前記壁パネル2の側面との接合部を跨って設けられた鋼製ガセット5を用いて、前記大梁3Aと前記壁パネル2が両側面において連結されている。鋼製ガセット5は、前記大梁3Aと前記壁パネル2に、接着剤4と丸釘8aとで、取り付けられている。前記大梁3Aの下面と前記壁パネル2の上端面との接合部は接着剤4でも固定されている。前記壁パネル2の側端面に沿って半割材7が固定されている。前記大梁3Aと壁パネル2の側端面とは、前記オーバーハング部3aの基端下に設けられた羽子板ボルト6(本発明の「金物」に相当)で、前記半割材7を介して、連結されている。羽子板ボルト6は、取付部6aとボルトである延設部6bとを有している。取付部6aが前記壁パネル2の側端面の半割材7にスクリュー釘8で取り付けられている。この取付部6aから上方に延設された延設部6bが、前記大梁3Aに設けられた孔の下方から上方に挿通され、前記延設部6bの先端が前記大梁3Aの上面から突出している。前記大梁3Aは、前記大梁3Aの上面から突出している延設部6bに座金6cとナット6dでボルト接合されている。これにより、風による吹き上げに対する強度を確保することができる。
また、前記大梁3Aは前記壁パネル2の厚さと同等な厚さおよび前記第1の壁1より壁パネル2が低い分の梁成を有する断面矩形である。このように、前記大梁3Aの厚さと梁成を設定することにより、高さについては、壁パネル1の上端面と大梁3Aの上面との高さが等しくなる。また、平面視において、壁パネル2を用いた部分およびオーバーハング部3aにおいても、壁パネル1の厚さと同じ厚さとなる。よって、オーバーハング部3aを除いた部分では、小屋壁パネル32等の屋根部材に対して特別な加工を施す必要はなく、従前通りに屋根の施工が可能となる。
例えば、図4に示すように、オーバーハング部3aでは、大梁3Aの上面に小屋壁パネル31を直接配置せずに、大梁3Aの上面に調整材31aを配置している。具体的には、大梁3Aのオーバーハング部3aの上面に、平面視において大梁3Aの短手と同じ幅の調整材31aが、接着剤4とスクリュー釘8で固定され、この調整材31aの上面に、平面視において大梁3Aの短手と同じ幅の小屋壁パネル31の下端面が、接着剤4とスクリュー釘8で固定されている。調整材31aは、ナット6aが位置している羽子板ボルト6の固定部と小屋壁パネル31が干渉しないような高さを有し、前記固定部と水平方向に間隔を有してオーバーハング部3aの上面に設けられている。
また、図3に示すように、大梁3Aの上面と小屋壁パネル32の下端面とは、接着剤4で固定され、大梁3Aの上部と小屋壁パネル32の下部の横框2aとは、鋼製ガセット5で更に固定されている。鋼製ガセット5は、前記大梁3Aと前記小屋壁パネル32に、接着剤4と丸釘8aとで、取り付けられている。
(バルコニー)
図1に示すように、建物100に、大きなバルコニー20を設ける場合、このバルコニー20を支持するオーバーハング部3bを設ける構造について説明する。
図5、図6に示すように、建物躯体は、壁パネル(本発明の「第1の壁」に相当)1と、この壁パネル1より低い壁パネル(本発明の「第2の壁」に相当)2とを有する。オーバーハング部3bは、建物100において建物躯体から大梁3Bが突出している部分であり、前記建物100のバルコニー20を構成している。この大梁3Bは前記壁パネル2の上端面に、前記壁パネル2と平行にして設けられている。
また、図6〜図8に示すように、前記大梁3Bの側面と前記壁パネル2の側面との接合部を跨って設けられた鋼製ガセット5を用いて、前記大梁3Bと前記壁パネル2が両側面において連結されている。鋼製ガセット5は、前記大梁3Bと前記壁パネル2に、接着剤4と丸釘8aとで、取り付けられている。また、前記大梁3Bの下面と前記壁パネル2の上端面との接合部は接着剤4で固定されている。また、前記壁パネル2の側端面に半割材7が接着剤4、スクリュー釘8で固定されている。
また、前記大梁3Bは前記壁パネル2の厚さと同等な厚さおよび前記壁パネル1より壁パネル2が低い分の梁成を有する断面矩形である。このように、前記大梁3Bの厚さと梁成を設定することにより、高さについては、壁パネル1の上端面と大梁3Bの上面との高さが等しくなる。また、平面視において、壁パネル2を用いた部分およびオーバーハング部3bにおいても、壁パネル1の厚さと同じ厚さとなる。よって、バルコニー20のオーバーハング部3bにおいても、床パネル25A,25B,25Fについて、従前通りに床の施工が可能となる。よって、オーバーハング部3bの強度を向上したことにより、床パネル25A〜25Fは、通常の構造を有する床パネルを用いることができる。
例えば、図6、図7に示すように、大梁3Bのオーバーハング部3bの上面に、平面視において大梁3Bの短手の半分の幅を有する横框2a(床パネル25A)および横框2a(床パネル25B)が、互いに接合するように大梁3Bの上面に接着剤4とスクリュー釘8で固定されている。また、図8に示すように、床パネル25B,25Bの縦框2b,2b上に2階の壁パネル2の横框2aがスクリュー釘8で固定されている。
本実施の形態によれば、前記壁パネル2の上端面に、前記壁パネル2と平行にして設けられている前記大梁3A,3Bは前記壁パネル2の厚さと同等な厚さおよび前記壁パネル1より壁パネル2が低い分の梁成を有する断面矩形であるので、梁成を大きくしても、当該梁3A,3Bの上面を第1の壁1の上端面と同じ高さにできる。したがって、大梁3A,3Bのオーバーハング部3a,3bの強度を確保しつつ、上部構造に影響が及ぶのを抑えられる。
また、前記大梁3A,3Bの側面と前記壁パネル2の側面との接合部を跨って設けられた鋼製ガセット5で、前記大梁3A,3Bと前記壁パネル2が連結されているので、大梁3A,3Bと前記壁パネル2とを強固に連結できる。
また、前記オーバーハング部3bはバルコニー20を構成しているので、大梁3Bの強度に合わせた広いバルコニー20を設けることができる。
また、前記大梁3Aは、前記オーバーハング部3aの基端下の前記壁パネル2の側端面に設けられた金物6で、前記壁パネル2と連結されているので、前記オーバーハング部3aをより強固に建物躯体に固定できる。
また、前記オーバーハング部3aは前記建物100の軒先部分30を構成しているので、大梁3Aの強度に合わせた広い軒先部分30を設けることができる。
また、予め工場で製造された壁パネル1,2を用いることにより、現場での施工工数を減少することができる。
(変形例)
上記実施の形態においては、パネル工法について説明したが、これに限られない。本発明は、在来工法等にも適用可能である。在来工法等においては、壁パネル2の上端部に大梁3A,3Bを固定する代わりに、他の柱(正角材)より低い柱(正角材)の上端部に、大梁3A,3Bをスクリュー釘、丸釘、金物等を用いて固定するようにしてもよい。
また、上述のパネル工法においても、壁パネル2の上端部に大梁3A,3Bを固定する代わりに、壁パネル1より低い柱(正角材)の上に、大梁3A,3Bをスクリュー釘、丸釘、金物等を用いて固定するようにしてもよい。
なお、変形例においては、上記実施の形態で説明した部材等については、説明を省略する。
1,2 壁パネル
3A,3B 大梁
3a,3b オーバーハング部
4 接着剤
5 鋼製ガセット
6 羽子板ボルト
7 半割材
8 スクリュー釘
8a 丸釘
10 基礎
20 バルコニー
25A〜25F 床パネル
30 軒先部分
31,32 小屋壁パネル
31a 調整材
100 建物

Claims (4)

  1. 第1の壁と、この第1の壁より低い第2の壁とを有する建物躯体から梁が突出してなるオーバーハング部を有する建物であって、
    前記オーバーハング部は前記建物の軒先部分を構成しており、
    前記梁は前記第2の壁の上端面に、前記第2の壁と平行にして設けられ、
    前記梁は前記第2の壁の厚さと同等な厚さおよび前記第1の壁より第2の壁が低い分の梁成を有する断面矩形であ
    前記梁は、前記オーバーハング部の基端下の前記第2の壁の側端面に設けられた金物で、前記第2の壁と連結され、
    前記金物は羽子板ボルトであり、前記第2の壁の側端面に取り付けられる取付部と、ボルトであって前記梁を貫通するとともに上端部が前記梁の上面から突出してナットが締結される延設部と、を有する、
    ことを特徴とする建物。
  2. 第1の壁と、この第1の壁より低い第2の壁とを有する建物躯体から梁が突出してなるオーバーハング部を有する建物であって、
    前記オーバーハング部はバルコニーを構成しており、
    前記梁は前記第2の壁の上端面に、前記第2の壁と平行にして設けられ、
    前記梁は、当該梁の長さ方向に連続して、前記第2の壁の厚さと同等な厚さおよび前記第1の壁より第2の壁が低い分の梁成を有する断面矩形であ
    前記梁の突出方向先端側と基端側に前記第2の壁が配置されている、
    ことを特徴とする建物。
  3. 請求項1または2に記載の建物において、
    前記梁の側面と前記第2の壁の側面との接合部を跨って設けられたガセットで、前記梁と前記第2の壁が連結されている、
    ことを特徴とする建物。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の建物において、
    前記第1の壁および前記第2の壁は壁パネルであ
    前記壁パネルは木質パネルであり、横框と縦框とを矩形状に組み立てるとともに、矩形枠の内部に補助棧材を縦横に組み付け、横框と縦框と補助棧材の両面に面材を貼設してなる、
    ことを特徴とする建物。
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