JP2018003244A - 屋根パネルおよび建物の屋根構造 - Google Patents
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Abstract
Description
このような屋根パネルを用いて片流れの屋根構造を形成する場合、屋根の勾配と遮蔽板状部材との勾配とを同方向に傾斜させていた。
一方、建物の南側面は、採光などのために建物の周りのスペースを広く確保するのが一般的であり、建物の外観として最も目立つ面となりやすい。このような、建物の外観として目立つ面となりやすい南側面に排水のための構造物が付加されることで、このような付加物が無いものと比較して外観品質が低下するおそれがあった。
なお、前記屋根ふき材は、前記一対の屋根フレームの内側面側に設けられたガイド部に支持されているのが好ましい。
そして、前記ガイド部は、前記一対の屋根フレームにそれぞれ固定された支持材と、それらの支持材に両側縁を支持された下地板とを有することが好ましい。
また、前記遮蔽板状部材が太陽電池モジュールとすることができる。
また、前記遮蔽板状部材の両側部にそれぞれ複数の受金具が取り付けられ、前記受金具は、側方に張り出したフランジ部を備え、このフランジ部が前記屋根フレームの上に重ねて取り付けられているとともに、この屋根フレームへの取付位置により前記遮蔽板状部材の支持高さを異ならせることにより前記勾配が形成されていることが好ましい。
さらに、前記梁材の上面に前記屋根フレームが接合されていることが好ましい。
加えて、第1の屋根パネルの前記屋根フレームの上面と、それに隣接して配置される第2の屋根パネルの前記屋根フレームの上面とが、両方に跨るカバー材によって覆われていることが好ましい。
これにより、屋根勾配の向きが遮蔽板状部材の勾配の向きに制約されることが無くなり、設計自由度を向上できる。しかも、建物の遮蔽板状部材の勾配の下側が屋根勾配の上側となり、その軒先部分に排水のための構造物を設置する必要が無くなり、本発明を設置した建物における遮蔽板状部材の勾配の下側の軒先部分の外観品質を向上させることが可能となる。
さらに、屋根ふき材をガイド部により支持したものでは、屋根ふき材の勾配をガイド部材により設定でき、作業性に優れる。
また、前記ガイド部が、支持材と下地板とを備えるものでは、屋根ふき材が下地材で支持されるため、支持材の選択肢が増え、設計自由度が向上する。
そして、遮蔽板状部材を太陽電池モジュールとしたものでは、屋根勾配を勾配の向きが制約される太陽電池モジュールの向きと逆方向とすることが可能となり、屋根勾配の自由度を向上できる。さらに、太陽モジュールの勾配を発電効率が良好な南方向下がりとした場合に、片流れの屋根ではこの南側の軒先が屋根勾配の上端となり、排水のための構造を南側に設ける必要が無くなり、このような付加物が存在する場合と比較して、建物外観品質を向上させることができる。
また、太陽電池モジュールの周囲に水が溜まらないようにでき、水がたまることを原因とする故障や漏電の発生を防ぐことができる。
また、遮蔽板状部材の両側部に取り付けられた複数の受金具が、側方に張り出したフランジ部を備え、このフランジ部が前記屋根フレームの上に重ねて取り付けられて勾配が形成されているものでは、屋根フレームの上方から、遮蔽板状部材を下方に移動させるだけで、遮蔽板状部材を所望の勾配として設置できる。このため、作業性に優れる。
さらに、前記梁材の上面に前記屋根フレームを接合したものでは、梁材の上面に屋根フレームを接合し、確実に固定することができる。
加えて、隣接配置された第1、第2の屋根パネルの前記屋根フレームの上面が、両方に跨るカバー材によって覆われたものでは、屋根パネル間の防水をカバー材により行うことができる。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1の屋根パネル10が設置された建物としてのユニット建物Hを示す斜視図である。
まず、図1に示すユニット建物Hについて説明する。
このユニット建物Hは、図1に示すように1階部分を形成する複数の建物ユニットH1・・・と、2階部分を形成する複数の建物ユニットH2・・・とを、それぞれ水平方向に隣接させるとともに、上下方向に重ねて結合して構築された住宅などの建物である。また、このユニット建物Hは、矩形の四面をそれぞれ、東西南北方向に向けて設置されている。
次に、ユニット建物Hの屋根構造について説明する。
ユニット建物Hの屋根構造は、図4に示すように、バルコニーユニットH2aを含む建物ユニットH2の水平に延びる桁屋根梁H12の上に屋根パネル10を設置して構築されている。なお、屋根パネル10は、1枚がユニット建物Hの一辺の長さに相当する長さとしてもよいし、それよりも短い屋根パネル10を長手方向に複数並べてユニット建物Hの一辺の長さとしてもよい。
屋根パネル10は、図2に示すように、側縁を形成するために略平行に配置された一対の屋根フレーム2,2と、屋根フレーム2,2間を塞ぐように配置された屋根ふき材4と、屋根ふき材4の上方を跨ぐように屋根フレーム2,2に固定された遮蔽板状部材としての太陽電池モジュール1,1とを備える。なお、図2では屋根パネル10に搭載されている太陽電池モジュール1の数を「2」としているが、実際には屋根パネル10の長さはこれよりも長い寸法としてよいもので、その場合、搭載される太陽電池モジュール1の数も「2」よりも多い数となる。
屋根フレーム2は、図3に示すように、幅の広い下フランジ21と、それよりも幅が狭い上フランジ23と、平行に配置された下フランジ21と上フランジ23との側縁間を繋ぐウェブ22とによって、断面視略C字形あるいは略コ字形に形成される。
この屋根勾配は、図1に示すように、ユニット建物Hの南側の端部が高く、その反対方向の北側が低くなるように形成されている。なお、支持材31は、図では、屋根フレーム2の略全長に亘る形状に形成したものを示しているが、野地板32の長手方向の複数箇所のみを支持するように、複数に分割されたものを用いてもよい。
図6は、図1のS6−S6線の位置の断面を示すもので、すなわち、ユニット建物Hの最も北側に配置された屋根パネル10の軒先側の構造を示している。
そして、この庇部80の下面が、軒天井パネル8によって塞がれている。なお、この軒天井パネル8は、外壁83に東西方向に延在されている。また、この軒天井パネル8の上方には、軒樋50が敷設されている。
以下、軒先部分の構造を詳細に説明する。
この軒先部分では、屋根フレーム2の先端部が野地板32および屋根ふき材4よりも外方(北方向)に突き出して設けられている。また、この屋根フレーム2の突き出した部分の下方位置には、屋根パネル固定金具51が設けられている。この屋根パネル固定金具51は、基端部が、桁屋根梁H12ならびに屋根フレーム2に、取り付けられている。さらに、屋根パネル固定金具51の先端部および屋根フレーム2の先端部に、軒先受金具52がねじ留めされて固定されている。
次に、工場などで製作された屋根パネル10を、建築現場に搬送し、クレーンで吊り上げて2階の建物ユニットH2,・・・の上に並べて設置する。
以下に、複数の屋根パネル10の建物ユニットH2への設置手順を簡単に説明する。
なお、屋根パネル10は、複数の建物ユニットH2,・・・に跨って設置される。この屋根パネル10の長さと架け渡す建物ユニットH1,・・・の数との関係は、任意に設定することができる。また、図1、図7に示すように屋根パネル10の長手方向端部の軒先を、ユニット建物Hの南北に庇状に張り出させロング庇部を形成する。
以上のようにして複数の屋根パネル10,・・・を設置することによって、図1に示すように、陸屋根の全面が屋根パネル10,・・・で覆われたユニット建物Hの屋根構造が形成される。
次に、本実施の形態の屋根パネル10、およびその屋根パネル10を設置して構築されるユニット建物Hの屋根構造の作用について説明する。
このため、屋根が陸屋根のように平坦であっても、高い防水性能と排水性能を備えた屋根構造を、屋根パネル10,・・・を並べて固定するだけで容易に構築することができる。
一般に、ユニット建物Hは、太陽光を取り入れるために、南側に庭を配置したり、通りに面して配置したりすることが多く、南側が最も建物外観として目立つことが多い。それに対し、上記のようにユニット建物Hの北側に、軒樋50、集水器81、たて樋82を配置することにより、これらが人目に付きにくくなり、ユニット建物Hの人目に付きやすい南側の外観品質を向上できる。
しかも、本実施の形態1では、ユニット建物Hの南側にバルコニーユニットH2aを設置しており、南側にたて樋82を配置した場合、バルコニー内からもたて樋82が視界に入り、外観品質を低下させるおそれがあるが、本実施の形態1では、このような外観品質の低下を防止できる。
そして、屋根ふき材4を屋根勾配に沿うよう北向き傾斜とするのにあたり、屋根ふき材4を、水平に配置された屋根フレーム2に対して傾斜して配置されたガイド部3および屋根フレーム2の上フランジ23の上に設置するだけであり、作業性に優れる。
以下に、実施の形態1の屋根パネルおよび建物の屋根構造の効果を列挙する。
1)実施の形態1の屋根パネルは、
遮蔽板状部材としての太陽電池モジュール1が組み込まれた屋根パネル10であって、
側縁を形成するために略平行に配置された一対の屋根フレーム2,2と、
屋根フレーム2,2間を塞ぐように配置された屋根ふき材4と、
屋根ふき材4の上方を跨ぐとともに、屋根フレーム2の長手方向に向けてPV勾配が形成されて屋根フレーム2に固定された太陽電池モジュール1と、
を備え、
太陽電池モジュール1は、その下面が屋根ふき材4の上面から離隔して配置され、
屋根ふき材4は、屋根フレーム2の長手方向に向けて太陽電池モジュール1に形成されたPV勾配とは逆方向に勾配(屋根勾配)が形成されていることを特徴とする。
したがって、屋根パネル10により片流れの屋根勾配を有した屋根を形成した場合に、太陽電池モジュール1のPV勾配を、屋根勾配と逆の勾配とすることができる。
これにより、屋根勾配がPV勾配の向きに制約されることが無くなり、設計自由度が向上する。
さらに、太陽電池モジュール1のPV勾配を発電特性として好ましい南向きに形成した場合に、屋根勾配は逆向きとして、屋根勾配の下側に必要な軒樋などの構成要素を、建物の南側に配置しない構造として、外観品質を向上させることができる。
また、屋根ふき材4の上面と太陽電池モジュール1の下面とが離隔しているため、太陽電池モジュール1が流下阻害になって排水が滞ることを防ぐことができる。
屋根ふき材4は、一対の屋根フレーム2,2の内側面側に設けられたガイド部3に支持されていることを特徴とする。
したがって、屋根フレーム2,2に対して、ガイド部3を所望する勾配に合わせて設置しておくことで、これに支持される屋根ふき材4の上面の勾配を所望の勾配とすることができ、作業性に優れる。
ガイド部3は、一対の屋根フレーム2,2にそれぞれ固定された支持材31と、それらの支持材31に両側縁を支持された下地板としての野地板32とを有することを特徴とする。
したがって、屋根ふき材4は、野地板32による下地面に支持されるため、屋根ふき材4として、剛性の低いものを使用したり、不連続のものをつなぎ合わせて使用したりでき、屋根ふき材4の選択肢が増え、設計自由度が向上する。
遮蔽板状部材が太陽電池モジュール1であることを特徴とする。
したがって、上記1)のように、PV勾配方向を南向きとした太陽電池モジュール1に対して、屋根パネル10の勾配方向すなわち屋根勾配の方向を北向きとし、ユニット建物Hの南側面の外観品質を向上できる。特に、南東角部にバルコニーユニットH2aを配置したユニット建物Hにおいて、バルコニーユニットH2aに、排水構造を設置する必要が無く、このバルコニーユニットH2aに排水構造を設置した場合と比較して、外観品質を向上できる。
さらに、上記1)のように、屋根ふき材4の上面と太陽電池モジュール1の下面とが離隔しているため、太陽電池モジュール1の周囲に水が溜まらないようにでき、水がたまることを原因とする故障や漏電の発生を防ぐことができる。
屋根フレーム2の上に、屋根フレーム2,2間を連続して塞ぐ面状の屋根ふき材4の上縁部42が重ねられていることを特徴とする。
したがって、一対の屋根フレーム2,2間が、屋根ふき材4により隙間なく覆うことが可能であり、これにより、防水性能を高めることができる。
太陽電池モジュール1の側部に受金具11A,11Bが取り付けられ、
受金具11A,11Bは、側方に張り出したフランジ部11fを備え、このフランジ部11fが屋根フレーム2の上に重ねて取り付けられているとともに、この屋根フレーム2への取付位置の違いにより太陽電池モジュール1の支持高さを異ならせることによりPV勾配が形成されていることを特徴とする。
したがって、屋根フレーム2,2の上方から、太陽電池モジュール1を下方に移動させるだけで、太陽電池モジュール1を所望のPV勾配として設置でき、作業性に優れる。
また、実施の形態1の屋根パネルは、各太陽電池モジュール1に取り付けた受金具11A,11Bにより、図5Aに示すように、1つ1つの太陽電池モジュール1を、PV勾配で傾けた。これにより、図5Bに比較例を示すように、1つの屋根パネル10の全ての太陽電池モジュール1を連続して傾けた場合と比較して、太陽電池モジュール1の高さ、および、屋根の高さを抑えることができる。
屋根フレーム2の下面に、接合用のボルト21bによって予めスペーサ21dが組み付けられていることを特徴とする。
このように、屋根フレーム2の下面に接合用のボルト21bによって予めスペーサ21dが組み付けられていれば、建築現場ではナット21cをねじ込むだけで梁材(桁屋根梁H12)に固定させることができ、作業性に優れる。
スペーサ21dは、屋根フレーム2の下面よりも側方に突出されていることを特徴とする。
したがって、隣接して設置される屋根フレーム2の下面をスペーサ21dの側方への突出部分上に設置することで、両屋根フレーム2,2の高さを同じ高さに揃えることができ、作業性に優れる。
屋根パネル10が、水平方向に延びる梁材としての桁屋根梁H12の上に設置されて構築されていることを特徴とする。
したがって、屋根パネル10を、水平方向に延びる桁屋根梁H12の上に設置するだけで、外観品質に優れ、また、防水性能、排水性能を有した陸屋根を構築することができる。
桁屋根梁H12の上面に前記屋根フレームが接合されていることを特徴とする建物の屋根構造。
したがって、屋根パネル10は、桁屋根梁H12の上面に屋根フレーム2を接合させることで、確実に固定することができる。
第1の屋根パネル10の屋根フレーム2の外側面と、それに隣接して配置される第2の屋根パネル10の屋根フレームの上面とが、両方に跨る縦カバー5によって覆われていることを特徴とする。
隣接して配置される2つの屋根パネル10,10の屋根フレーム2,2の上面間を縦カバー5によって覆うだけで、屋根パネル10,10間の防水処理を行うことができる。
次に、他の実施の形態について説明する。
なお、他の実施の形態の説明において、他の実施の形態と共通する構成には当該実施の形態と同じ符号を付して説明を省略し、当該実施の形態との相違点のみ説明する。
実施の形態2は、ガイド部の支持材の変形例を示す。
実施の形態2では、屋根フレーム202のウェブ22に、角柱形状の支持材231が所定の勾配で取り付けられている。この支持材231は、例えば、木製のもので、野地板(図示省略)の端縁部を釘などで固定することができる。
2 屋根フレーム
3 ガイド部
4 屋根ふき材
5 縦カバー(カバー材)
10 屋根パネル
11A,11B 受金具
11f フランジ部
31 支持材
32 野地板(下地材)
50 軒樋
82 たて樋
83 外壁
H ユニット建物
H12 桁屋根梁(梁材)
H13 妻屋根梁(梁材)
H2 (2階の)建物ユニット
Claims (9)
- 遮蔽板状部材が組み込まれた屋根パネルであって、
側縁を形成するために略平行に配置された一対の屋根フレームと、
前記屋根フレーム間を塞ぐように配置された屋根ふき材と、
前記屋根ふき材の上方を跨ぐとともに、前記屋根フレームの長手方向に向けて勾配が形成されて前記屋根フレームに固定された前記遮蔽板状部材と、
を備え、
前記遮蔽板状部材は、その下面が前記屋根ふき材の上面から離隔して配置され、
前記屋根ふき材は、前記屋根フレームの長手方向に向けて前記遮蔽板状部材に形成された前記勾配とは逆方向に勾配が形成されていることを特徴とする屋根パネル。 - 請求項1に記載の屋根パネルにおいて、
前記屋根ふき材は、前記一対の屋根フレームの内側面側に設けられたガイド部に支持されていることを特徴とする屋根パネル。 - 請求項2に記載の屋根パネルにおいて、
前記ガイド部は、前記一対の屋根フレームにそれぞれ固定された支持材と、それらの支持材に両側縁を支持された下地板とを有することを特徴とする屋根パネル。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の屋根パネルにおいて、
前記遮蔽板状部材が太陽電池モジュールであることを特徴とする屋根パネル。 - 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の屋根パネルにおいて、
前記屋根フレームの上に、前記屋根フレーム間を連続して塞ぐ面状の前記屋根ふき材の上縁部が重ねられていることを特徴とする屋根パネル。 - 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の屋根パネルにおいて、
前記遮蔽板状部材の両側部にそれぞれ複数の受金具が取り付けられ、
前記受金具は、側方に張り出したフランジ部を備え、このフランジ部が前記屋根フレームの上に重ねて取り付けられているとともに、この屋根フレームへの取付位置により前記遮蔽板状部材の支持高さを異ならせることにより前記勾配が形成されている
ことを特徴とする屋根パネル。 - 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の屋根パネルが、水平方向に延びる梁材の上に設置されて構築されていることを特徴とする建物の屋根構造。
- 請求項7に記載の建物の屋根構造において、
前記梁材の上面に前記屋根フレームが接合されていることを特徴とする建物の屋根構造。 - 請求項7または請求項8に記載の建物の屋根構造において、
第1の屋根パネルの前記屋根フレームの上面と、それに隣接して配置される第2の屋根パネルの前記屋根フレームの上面とが、両方に跨るカバー材によって覆われていることを特徴とする建物の屋根構造。
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- 2016-06-27 JP JP2016126257A patent/JP2018003244A/ja active Pending
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