JP5562784B2 - 使用済燃料貯蔵ラックの耐震補強装置及び耐震補強方法 - Google Patents

使用済燃料貯蔵ラックの耐震補強装置及び耐震補強方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5562784B2
JP5562784B2 JP2010215360A JP2010215360A JP5562784B2 JP 5562784 B2 JP5562784 B2 JP 5562784B2 JP 2010215360 A JP2010215360 A JP 2010215360A JP 2010215360 A JP2010215360 A JP 2010215360A JP 5562784 B2 JP5562784 B2 JP 5562784B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel storage
spent fuel
storage rack
gap
seismic reinforcement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010215360A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012068203A (ja
Inventor
学 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2010215360A priority Critical patent/JP5562784B2/ja
Publication of JP2012068203A publication Critical patent/JP2012068203A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5562784B2 publication Critical patent/JP5562784B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)
  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)

Description

本発明は、原子力発電プラントで発生する使用済燃料を貯蔵する使用済燃料貯蔵ラックの耐震補強を図る使用済燃料貯蔵ラックの耐震補強装置及び耐震補強方法に関する。
一般に、原子力発電プラントでは、原子炉を一定期間運転した後に炉心から取り出した使用済燃料集合体を、再処理を行うまでの間、燃料貯蔵プールに予め設置されている使用済燃料貯蔵ラックに収納貯蔵し、冷却して使用済燃料集合体の崩壊熱を除去するようにしている。
使用済燃料貯蔵ラックは、使用済燃料集合体を1体ずつ内部に収納するセルを複数体平行に配列した直方体形状のものが知られており、これらの使用済燃料貯蔵ラックが燃料貯蔵プール内に複数台設置されている。
使用済燃料貯蔵ラックは、耐震重要度分類の最上位クラスに分類されており、使用済燃料貯蔵ラックが設置される燃料貯蔵プールは、原子炉建屋の上階に位置するため、地震時に想定される震度が大きいことが知られており、耐震性を向上させた使用済燃料貯蔵ラックが提案されている。
また、近年、耐震基準の大幅な見直しにより、既設の使用済燃料貯蔵ラックの耐震裕度が少なくなる可能性があり、耐震性を向上させるための耐震補強を実施するための計画がある。特に、初期に導入された原子力発電プラントに設置されている使用済燃料貯蔵ラックは、構造的に耐震裕度が少なく、この対策が喫緊の課題となっている。
使用済燃料貯蔵ラックの耐震性を向上させるための構造としては、例えば特許文献1に記載された技術がある。この技術は、使用済燃料貯蔵ラック間、及び使用済燃料貯蔵ラックと燃料貯蔵プール壁面との間に使用済燃料貯蔵ラックを支持するためのサポートを、使用済燃料貯蔵ラックに固定して設置するものである。
特開平10−39087号公報
既設の使用済燃料貯蔵ラックは、燃料貯蔵プールの床面に基礎ボルトによって固定されており、ラック高さ方向中間位置に既設の水平方向ビームが配置されている。この水平方向ビームの両端は、プール側壁にボルトを介して支持されている。
また、既設の水平方向ビームには、一つの使用済燃料貯蔵ラックの短辺方向片側に対応する位置に2つずつブラケットが固定されている。一方、使用済燃料貯蔵ラックは、短辺方向両側にデバイダが強固に取り付けられ、このデバイダがラック短辺方向片側に対応する位置に2つずつ設けられたブラケット間に配置されている。
したがって、上記デバイダは、既設の水平方向ビームに設置されたブラケットで使用済燃料貯蔵ラックの短辺方向における大きな倒れを抑制している。これらデバイダとブラケットとの間は、ラック短辺方向に大きな隙間を有するため、使用済燃料貯蔵ラックは基本的には、自立型の構造となる。
近年の耐震基準の大幅な見直しにより、短辺方向直方体の縦横比(平面視で短辺方向と長辺方向があり、その縦横比をいう。)が大きい使用済燃料貯蔵ラックでは、短辺方向の揺れにより基礎ボルトに転倒モーメントがかかることによって、地震時に大きな応力を生じることで耐震裕度が小さくなる可能性がある。このため、このような使用済燃料貯蔵ラックの耐震性を向上させるため、既設の水平方向ビームを補強に積極的に使用することが望まれている。
このように使用済燃料貯蔵ラックの耐震性を向上させるため、ラック自身の構造を補強する場合、例えばデバイダと既設ブラケットとの間の短辺方向の隙間を埋めるための部材を取り付けることによってデバイダ位置で短辺方向を支持する場合、既設の水平方向ビームのボルトには、短辺方向の揺れにより引張力がかかる。これにより、地震時に大きな応力を生じることで耐震裕度が小さくなる可能性があるという問題があった。
さらに、デバイダと既設ブラケットとの間の短辺方向の隙間を埋めるための部材は、水中で取り付けなければならず、隙間を極小に調節する作業が非常に困難になるという問題点があった。
本発明は上述した事情を考慮してなされたものであり、直方体の縦横比が大きい既設の使用済燃料貯蔵ラックの耐震性を向上させるとともに、その耐震性を向上させるための現地施工性の向上を図ることのできる使用済燃料貯蔵ラックの耐震補強装置及び耐震補強方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る使用済燃料貯蔵ラックの耐震補強装置は、使用済燃料集合体を1体ずつ内部に収納するセルを複数体平行に配列した直方体形状の使用済燃料貯蔵ラックを燃料貯蔵プール内で耐震補強する使用済燃料貯蔵ラックの耐震補強装置であって、前記燃料貯蔵プール内において前記使用済燃料貯蔵ラックの短辺方向に固着された保持部と同等の高さ位置に固定された補強ビームと、前記補強ビームに固定され前記保持部の両側に前記使用済燃料貯蔵ラックの短辺方向の隙間を空けて設置された追設ブラケットと、前記保持部と前記追設ブラケットとの間の前記隙間が小さくなるように水中遠隔にて調節する隙間調節機構と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る使用済燃料貯蔵ラックの耐震補強方法は、使用済燃料集合体を1体ずつ内部に収納するセルを複数体平行に配列した直方体形状の使用済燃料貯蔵ラックを燃料貯蔵プール内で耐震補強する使用済燃料貯蔵ラックの耐震補強方法であって、前記燃料貯蔵プール内において前記使用済燃料貯蔵ラックの短辺方向に固着された保持部と同等の高さ位置に補強ビームを固定する補強ビーム固定ステップと、前記補強ビーム固定ステップの後に、前記補強ビームに固定され前記保持部の両側に前記使用済燃料貯蔵ラックの短辺方向の隙間を空けて追設ブラケットを設置する追設ブラケット設置ステップと、前記追設ブラケット設置ステップの後に、前記保持部と前記追設ブラケットとの間の前記隙間が小さくなるように水中遠隔にて隙間調節機構により調節する隙間調節ステップと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、使用済燃料貯蔵ラックの短辺方向地震力に対しては、保持部と追設ブラケットとの間の隙間を隙間調節機構により極小に調節して保持するため、直方体の縦横比が大きい既設の使用済燃料貯蔵ラックの耐震性を向上させることができる。
また、本発明によれば、隙間調節機構を水中遠隔で操作することにより、耐震性を向上させるための現地での施工性を大幅に向上させることが可能となる。
本発明の第1実施形態による使用済燃料貯蔵ラックの耐震補強装置を示す立断面構成図である。 図1の耐震補強装置を示す平面図である。 図1の耐震補強装置の隙間調節機構を示す立断面構成図である。 図3の耐震補強装置の隙間調節機構を示す平断面構成図である。 本発明の第2実施形態による使用済燃料貯蔵ラックの耐震補強装置の隙間調節機構を拡大して示す立断面構成図である。 図5の耐震補強装置の隙間調節機構を示す平断面構成図である。 本発明の第3実施形態による使用済燃料貯蔵ラックの耐震補強装置を示す縦断面構成図である。
以下に、本発明に係る使用済燃料貯蔵ラックの耐震補強装置の各実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、使用済燃料貯蔵ラックの底部を水平に設置した姿勢に基づいて説明する。
(第1実施形態)
(構 成)
図1は本発明の第1実施形態による使用済燃料貯蔵ラックの耐震補強装置を示す立断面構成図である。図2は図1の耐震補強装置を示す平面図である。
本実施形態は、使用済燃料集合体を1体ずつ内部に収納するセルを複数体平行に配列した直方体状の使用済燃料貯蔵ラックを燃料貯蔵プール内で耐震補強する装置である。
図1及び図2に示すように、既設の複数の使用済燃料貯蔵ラック1は、原子炉建屋内の燃料貯蔵プール2内における底部の床面3上に格子状に配列するように設置されている。燃料貯蔵プール2内は、水が収容された状態となっている。
使用済燃料貯蔵ラック1は、図1に示すように鉛直方向に縦長(図1には使用済燃料貯蔵ラック1の短辺方向の幅狭の外側面を示している。)であって、図2に示すように平面視長方形状の角筒状に形成されている。各使用済燃料貯蔵ラック1の短辺方向側面と長辺方向側面とは互いに直交するように一定方向を向き、各使用済燃料貯蔵ラック1の相互間には、それぞれ縦横方向に一定の間隔が空けられている。
各使用済燃料貯蔵ラック1は、内部格子を有し、この内部格子により使用済燃料集合体を1体ずつ内部に収納するセルが形成されている。すなわち、複数体平行に配列した直方体状の使用済燃料貯蔵ラック1内の格子間に複数本の燃料が収納されるように構成されている。
図1に示すように、使用済燃料貯蔵ラック1は、燃料貯蔵プール2の床面3に基礎ボルト4によって固定される自立型の構造物である。使用済燃料貯蔵ラック1の高さ方向中間位置には、既設の水平方向ビーム5が設置されている。この水平方向ビーム5の両端は、プール側壁6にボルト7を介して支持されている。
図2に示すように、使用済燃料貯蔵ラック1の短辺方向両側には、それぞれ保持部としてのデバイダ8が強固に取り付けられる一方、既設の水平方向ビーム5上には、一つの使用済燃料貯蔵ラック1の短辺方向片側に対応する位置に2つずつ既設のブラケット9がデバイダ8の両側に位置するように設置されていることから、ブラケット9とデバイダ8との間には、使用済燃料貯蔵ラック1の短辺方向の大きな倒れを抑制する目的で短辺方向の隙間G1が設けられている。
ここで、デバイダ8は、使用済燃料貯蔵ラック1の短辺方向両側から突出するように強固に取り付けられ、地震などの揺れに対して追設の補強ビーム14に設置された追設ブラケット11に保持され、使用済燃料貯蔵ラック1の短辺方向における大きな倒れを抑制するものである。
燃料貯蔵プール2の床面3には、両側に補強ビーム受台15が鉛直方向に立設され、この補強ビーム受台15の上端が既設の水平方向ビーム5の下面まで延びている。この補強ビーム受台15の鉛直方向の延長線上には、水平方向ビーム5を介して支持部材15aが設置され、この支持部材15aが追設の補強ビーム14を支持している。なお、補強ビーム受台15は、追設の補強ビーム14の設置位置まで長く形成し、補強ビーム14を直接支持するようにしてもよい。
追設の補強ビーム14は、水平方向ビーム5の上段であって、この水平方向ビーム5との間にデバイダ8が配置されるように上下方向の位置が設定される。補強ビーム14と燃料貯蔵プール2の側壁6との間には、補強ビーム14の全長を調節するための楔状に形成された突張り部材16が設置されている。
なお、突張り部材16は、図1に示すような単体の楔ではなく、楔を複数個組み合わせてボルトで締め込むことにより突っ張り方向の変位を生じさせるもの、空気などの流体により変位を生じさせるもの、さらにボルトとリンク機構で構成されるジャッキ状のものなどにしてもよい。
補強ビーム14は、その下面に固定され、かつデバイダ8の両側に配置される追設ブラケット11と、これらの追設ブラケット11とデバイダ8との間の短辺方向隙間G2を埋めるための隙間調節機構13とが設けられている。したがって、補強ビーム14は、既設の水平方向ビーム5の上段に設置され、燃料貯蔵プール2の床面3に設置した補強ビーム受台15と一体化して構成してある。なお、補強ビーム14は補強ビーム受台15に変えて、燃料貯蔵プール2の上端から壁面に沿って吊り下げたビームにより保持する方法としてもよい。
次に、図3及び図4に基づいて隙間調節機構13の構成について説明する。
図3は図1の耐震補強装置の隙間調節機構を示す立断面構成図である。図4は図3の耐震補強装置の隙間調節機構を示す平断面構成図である。
図3及び図4に示すように、隙間調節機構13は、補強ビーム14の長手方向に対して直交する方向に貫通して回転可能な縦方向回転軸20と、追設ブラケット11に固定したベベルギアボックス19と、補強ビーム14の長手方向に対し平行で追設ブラケット11にねじ込まれた水平移動部材としての横ボルト17と、ベベルギアボックス19の後述するベベルギヤの回転により回転可能であるとともに、横ボルト17の軸心に挿着される角柱状の横棒18とを備えている。
追設ブラケット11の下部には、水平方向に雌ねじ孔が形成されている。この雌ねじ孔に横ボルト17がねじ込まれていることから、横ボルト17の外周面には雄ねじが刻設されている。横ボルト17の軸心には、角柱状の横棒18が挿着される角形の開口部が形成されている。
ベベルギアボックス19は、補強ビーム14の長手方向に対して直交する方向に設置された鉛直軸22を有し、この鉛直軸22の一端は縦方向回転軸20の下端に固定されている。鉛直軸22の他端には、ベベルギヤ22aが取り付けられている。
また、ベベルギアボックス19は、補強ビーム14の長手方向に平行な水平軸21を有し、この水平軸21の一端は横棒18に固定されている。水平軸21の他端には、鉛直軸22の他端に取り付けられたベベルギヤ22aと噛み合うベベルギヤ21aが取り付けられている。
縦方向回転軸20は、上端に操作部23が設けられるとともに、補強ビーム14の上面に当接するように緩み止めナット24が設けられている。操作部23は、例えば回転操作用の摘みの他、上端にボルトレンチが挿入される開口部が形成されている。
(作 用)
次に、隙間調節機構13の作用について説明する。
まず、操作部23を水中遠隔にて操作して縦方向回転軸20を回転させると、鉛直軸22を介してベベルギヤ22aが回転する。すると、このベベルギヤ22aと噛み合うベベルギヤ21aが回転して水平軸21を介して横棒18を回転させる。
そして、横棒18を回転することで、横ボルト17が回転して追設ブラケット11の雌ねじ孔に対して水平方向に移動する。これにより、横ボルト17がデバイダ8に接近して短辺方向の隙間G2を調節することができる。この隙間調節後に緩み止めナット24を回転させて緩み止めをする。
次に、各使用済燃料貯蔵ラック1の耐震補強方法について説明する。
本実施形態では、補強ビーム受台15を燃料貯蔵プール2の床面3に設置する工程と、補強ビーム14を既設の水平方向ビーム5に対して所定高さ位置に配置し、補強ビーム受台15に結合させる工程と、補強ビーム14の全長を突張り部材16によって調節する工程と、使用済燃料貯蔵ラック1のデバイダ8と補強ビーム14に設けた追設ブラケット11との間の短辺方向隙間G2を隙間調節機構13によって調節する工程とを備える。
具体的には、まず、補強ビーム受台15を燃料貯蔵プール2の上端から吊り下ろし、燃料貯蔵プール2内の所定位置に設置する。次に、補強ビーム14を燃料貯蔵プール2の上端から吊り下ろし、既設の水平方向ビーム5に対して所定高さ位置にセットした後、ボルトなどで補強ビーム受台15と結合する。
さらに、補強ビーム14とプール側壁6との間の短辺方向隙間G2を突張り部材16により調節する。この後、使用済燃料貯蔵ラック1のデバイダ8に対し補強ビーム14に備えた隙間調整機構13の上部に設けられた操作部23を回転操作して縦方向回転軸20を回転させると、鉛直軸22を介してベベルギヤ22aが回転する。
すると、このベベルギヤ22aと噛み合うベベルギヤ21aが回転して水平軸21を介して横棒18を回転させる。この横棒18を回転させることで、横ボルト17が回転して追設ブラケット11の雌ねじ孔に対して水平方向に移動する。そして、横ボルト17の先端をデバイダ8の側面に押し当てることによって、使用済燃料貯蔵ラック1の短辺方向隙間G2を極小に調節する。この後、縦方向回転軸20の上部において緩み止めナット24を締める。全ての隙間調節機構13について本作業を行い、据付を終了する。
なお、上記の据付に際して、補強ビーム14と補強ビーム受台15を予め一体に結合して据付を行うことも可能である。
(効 果)
本実施形態によれば、ラック短辺方向をデバイダ8位置で支持するための追設ブラケット11と、水中遠隔操作が可能でありデバイダ8と追設ブラケット11との間の短辺方向隙間G2を極小に調節するための隙間調節機構13とを備えたことにより、短辺方向地震力に対してはそれぞれの使用済燃料貯蔵ラック1を隙間調節機構13により短辺方向隙間G2を極小に調節して保持するため、基礎ボルト4にかかる転倒モーメント及び既設の水平方向ビーム5のボルト7にかかる引張力を低減させることができる。
また、本実施形態によれば、補強ビーム14に設けた隙間調節機構13を燃料貯蔵プール2の上端から操作することにより、水中遠隔でデバイダ8に対する短辺方向隙間G2を極小に調節することができる。
(第2実施形態)
(構 成)
図5は本発明の第2実施形態による使用済燃料貯蔵ラックの耐震補強装置の隙間調節機構を拡大して示す立断面構成図である。図6は図5の耐震補強装置の隙間調節機構を示す平断面構成図である。なお、前記第1実施形態と同一の部分には、同一の符号を用いて異なる構成のみを説明する。その他の実施形態も同様とする。
本実施形態では、ラック短辺方向における地震力に対してそれぞれの使用済燃料貯蔵ラック1を補強ビーム14に設けた追設ブラケット25及び隙間調節機構26によりデバイダ8に対する短辺方向隙間G3を極小に調節して保持し、短辺方向地震力が過大なため、補強ビーム14に設けた隙間調節機構26の強度部材に十分な耐震裕度を持たせる必要がある場合の耐震補強装置である。
図5及び図6に示すように、隙間調節機構26は、補強ビーム14に固定された追設ブラケット25の下面に固定された支持板28と、この支持板28上に水平方向に移動可能に支持される水平移動部材としての楔状のアジャストブロック29と、補強ビーム14の長手方向に対して直交する方向に貫通する縦ボルト30と、この縦ボルト30下部に回転可能に固定される楔状のアジャストブロック31と、縦ボルト30の上部にねじ込まれたアジャストナット32と、補強ビーム14上面に固定されてアジャストナット32の上下方向の移動を拘束する押え部材33と、隙間調節後に用いる緩み止めナット34と、を備えている。
縦ボルト30の外周面には、雄ねじが刻設されており、この雄ねじがアジャストナット32の内周面に刻設された雌ねじにねじ込まれる。このアジャストナット32は、固定用フランジ27が細径部を介して一体に形成されている。この固定用フランジ27は、押え部材33により保持され、アジャストナット32とともに上下方向の移動が拘束されている。したがって、アジャストナット32を水中遠隔にて回転操作すると、縦ボルト30が鉛直方向に対して上下動する。
縦ボルト30の下端には、アジャストブロック31が回転可能に固定され、このアジャストブロック31が縦ボルト30の上下動に伴って上下に移動する。このアジャストブロック31は、一方の側面が追設ブラケット25の側面に接触することで、この追設ブラケット25の側面に沿って上下動する。
アジャストブロック31の他方の側面には、先端方向にいくに従って幅狭になる傾斜面31aが形成されている。この傾斜面31aに当接する点対称の斜面29aがアジャストブロック29に形成されている。
(作 用)
次に、本実施形態の耐震補強方法について説明する。なお、補強ビーム受台15及び補強ビーム14を据付ける工程までは前記第1実施形態と同様である。
本実施形態は、使用済燃料貯蔵ラック1のデバイダ8を補強ビーム14に設けた追設ブラケット25及び隙間調節機構26により支持させる工程において、隙間調節機構26のアジャストナット32を回転させることで、縦ボルト30に固定されたアジャストブロック31を下降させ、支持板28上に保持されるアジャストブロック29を使用済燃料貯蔵ラック1のデバイダ8側面に押付けることによって、短辺方向隙間G3を極小に調節する。
すなわち、本実施形態は、アジャストナット32を一方の方向に回転させると、縦ボルト30とともにアジャストブロック31が下降する。このとき、アジャストブロック31の傾斜面31aがアジャストブロック29の斜面29aを押圧する。すると、アジャストブロック29は、水平方向に移動してデバイダ8に接近して短辺方向隙間G3を極小に調節する。
次いで、縦ボルト30上部の緩み止めナット34を締めて回り止めを行う。全ての隙間調節機構26について本作業を行い、据付を終了する。
(効 果)
このように本実施形態によれば、前記第1実施形態の作用及び効果に加えて、隙間調節機構26の強度部材として十分な剛性を有したアジャストブロック29,31を使用したので、過大な短辺方向地震力に対して十分な耐震裕度を有した隙間調節機構26を提供することができる。
(第3実施形態)
(構 成)
図7は本発明の第3実施形態による使用済燃料貯蔵ラックの耐震補強装置を示す縦断面構成図である。
前記第1実施形態及び第2実施形態に対して、隙間調節機構の部品点数を削減し、構造を簡素化する必要が生じた場合、また、耐震強度上などの理由により補強ビーム14に貫通穴を設けることが得策ではない場合には、本実施形態を適用する。
なお、使用済燃料貯蔵ラック1のデバイダ8側面に隙間調節機構35の横ボルト36の先端を押し当てる構成は、前記第1実施形態と同様であるのでその説明を省略する。
本実施形態は、横ボルト36の背面に可撓線としてのフレキシブル軸37の一端を固定し、また補強ビーム14の追設ブラケット38側に横ボルト36の抜け止め部39を設けている。
(作 用)
したがって、フレキシブル軸37を補強ビーム14の上方から回転駆動させることにより、横ボルト36が回転して追設ブラケット38の雌ねじ孔に対して水平方向に移動する。これにより、水中遠隔で横ボルト36がデバイダ8に接近して短辺方向の隙間を極小に調節することができる。
(効 果)
このように本実施形態によれば、回転力を受けて水平方向に移動する横ボルト36にフレキシブル軸37を固定し、このフレキシブル軸37を回転可能としたことにより、隙間調節機構の部品点数を削減し、構造を簡素化することができ、また補強ビーム14に貫通穴を設ける必要がなくなるので、工期を短縮することが可能となる。
(他の実施形態)
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることなく、各実施形態を組み合せ、また種々の変更が可能である。例えば、上記第1実施形態では、追設ブラケット11の雌ねじ孔を刻設し、この雌ねじ孔にねじ込むために横ボルト17の外周面に雄ねじを刻設するようにしたが、これに限らず例えば横棒18の外周面に雄ねじを刻設し、横ボルト17の内周面に雌ねじ孔を刻設するようにしても、横棒18の回転により横ボルト17を水平方向に移動させることができる。
また、上記第2実施形態では、縦ボルト30の長手方向全体に雄ねじを刻設するようにしたが、これに限らず縦ボルト30が移動するストローク分だけに雄ねじを刻設するようにしてもよい。
さらに、上記第3実施形態では、横ボルト36にフレキシブル軸37を固定するようにしたが、これに限らず剛性を備えた長尺の棒体を、自在継手を介して複数連結するようにしてもよい。しかし、構造を簡素化するためには、上記第3実施形態のように構成することが望ましい。
1…使用済燃料貯蔵ラック、2…燃料貯蔵プール、3…床面、4…基礎ボルト、5…水平方向ビーム、6…プール側壁、7…ボルト、8…デバイダ(保持部)、9…ブラケット、11…追設ブラケット、13…隙間調節機構、14…補強ビーム、15…補強ビーム受台、16…突張り部材、17…横ボルト(水平移動部材)、18…横棒、19…ベベルギアボックス、20…縦方向回転軸、21…水平軸、22…鉛直軸、23…操作部、24…緩み止めナット、25…追設ブラケット、26…隙間調節機構、28…支持板、29…アジャストブロック(水平移動部材)、30…縦ボルト、31…アジャストブロック、32…アジャストナット、33…押え部材、34…緩み止めナット、35…隙間調節機構、36…横ボルト、37…フレキシブル軸(可撓線)、38…追設ブラケット、39…抜け止め部、G1…短辺方向隙間、G2…短辺方向隙間、G3…短辺方向隙間。

Claims (5)

  1. 使用済燃料集合体を1体ずつ内部に収納するセルを複数体平行に配列した直方体形状の使用済燃料貯蔵ラックを燃料貯蔵プール内で耐震補強する使用済燃料貯蔵ラックの耐震補強装置であって、
    前記燃料貯蔵プール内において前記使用済燃料貯蔵ラックの短辺方向に固着された保持部と同等の高さ位置に固定された補強ビームと、
    前記補強ビームに固定され前記保持部の両側に前記使用済燃料貯蔵ラックの短辺方向の隙間を空けて設置された追設ブラケットと、
    前記保持部と前記追設ブラケットとの間の前記隙間が小さくなるように水中遠隔にて調節する隙間調節機構と、
    を備えることを特徴とする使用済燃料貯蔵ラックの耐震補強装置
  2. 前記隙間調節機構は、水中遠隔にて回転される縦方向回転軸と、この縦方向回転軸と機械的に連結され前記縦方向回転軸の回転駆動力を受けて水平方向に移動して前記隙間を小さくする水平移動部材と、を有することを特徴とする請求項1に記載の使用済燃料貯蔵ラックの耐震補強装置
  3. 前記隙間調節機構は、水中遠隔にて上下に移動可能な上下移動部材と、この上下移動部材の下降に伴って水平方向に移動して前記隙間を小さくする水平移動部材と、を有することを特徴とする請求項1に記載の使用済燃料貯蔵ラックの耐震補強装置
  4. 前記隙間調節機構は、水中遠隔にて回転可能な可撓線と、この可撓線の一端が固定され前記可撓線の回転駆動力を受けて水平方向に移動して前記隙間を小さくする水平移動部材と、を有することを特徴とする請求項1に記載の使用済燃料貯蔵ラックの耐震補強装置
  5. 使用済燃料集合体を1体ずつ内部に収納するセルを複数体平行に配列した直方体形状の使用済燃料貯蔵ラックを燃料貯蔵プール内で耐震補強する使用済燃料貯蔵ラックの耐震補強方法であって、
    前記燃料貯蔵プール内において前記使用済燃料貯蔵ラックの短辺方向に固着された保持部と同等の高さ位置に補強ビームを固定する補強ビーム固定ステップと、
    前記補強ビーム固定ステップの後に、前記補強ビームに固定され前記保持部の両側に前記使用済燃料貯蔵ラックの短辺方向の隙間を空けて追設ブラケットを設置する追設ブラケット設置ステップと、
    前記追設ブラケット設置ステップの後に、前記保持部と前記追設ブラケットとの間の前記隙間が小さくなるように水中遠隔にて隙間調節機構により調節する隙間調節ステップと、
    を備えることを特徴とする使用済燃料貯蔵ラックの耐震補強方法。
JP2010215360A 2010-09-27 2010-09-27 使用済燃料貯蔵ラックの耐震補強装置及び耐震補強方法 Active JP5562784B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010215360A JP5562784B2 (ja) 2010-09-27 2010-09-27 使用済燃料貯蔵ラックの耐震補強装置及び耐震補強方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010215360A JP5562784B2 (ja) 2010-09-27 2010-09-27 使用済燃料貯蔵ラックの耐震補強装置及び耐震補強方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012068203A JP2012068203A (ja) 2012-04-05
JP5562784B2 true JP5562784B2 (ja) 2014-07-30

Family

ID=46165642

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010215360A Active JP5562784B2 (ja) 2010-09-27 2010-09-27 使用済燃料貯蔵ラックの耐震補強装置及び耐震補強方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5562784B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7445801B2 (ja) 2019-12-26 2024-03-07 文化シヤッター株式会社 開閉装置用収納構造

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6096691B2 (ja) * 2014-02-26 2017-03-15 株式会社東芝 使用済燃料貯蔵ラック

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5642189A (en) * 1979-09-13 1981-04-20 Tokyo Shibaura Electric Co Fuel rack fixing device
JPS60219590A (ja) * 1984-04-14 1985-11-02 株式会社東芝 燃料チヤンネルボツクス測定装置
JPS6140698U (ja) * 1984-08-20 1986-03-14 三菱重工業株式会社 使用済み燃料貯蔵ラツク
JPH1039087A (ja) * 1996-07-19 1998-02-13 Hitachi Ltd 使用済燃料貯蔵設備
JPH1184070A (ja) * 1997-09-10 1999-03-26 Hitachi Ltd 使用済燃料貯蔵ラック用壁サポート
JP2000275385A (ja) * 1999-03-24 2000-10-06 Hitachi Ltd 燃料ラック上部支持構造
JP4940103B2 (ja) * 2007-10-29 2012-05-30 株式会社東芝 使用済燃料貯蔵ラックの耐震補強装置および耐震補強方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7445801B2 (ja) 2019-12-26 2024-03-07 文化シヤッター株式会社 開閉装置用収納構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012068203A (ja) 2012-04-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9322396B2 (en) Foundation for a wind turbine
CN107110281B (zh) 用于模块化的工业设备的安装系统
US10847274B2 (en) Earthquake-resistant fuel storage rack system for fuel pools in nuclear plants
JP2010160154A (ja) 核燃料要素を貯蔵するための貯蔵ラック構造体
JP5562784B2 (ja) 使用済燃料貯蔵ラックの耐震補強装置及び耐震補強方法
CN111910933A (zh) 一种建筑施工用辅助安装装置
JP4940103B2 (ja) 使用済燃料貯蔵ラックの耐震補強装置および耐震補強方法
JP2003215294A (ja) 構造物の取扱方法と構造物の取扱設備
KR101080646B1 (ko) 전기/전자제어설비 상부 내진보강 시스템
JP2014077319A (ja) 太陽光パネル架台および太陽光パネル架台の施工方法
JP6746861B2 (ja) スクリュー杭接合部材および杭基礎
JP6139831B2 (ja) 太陽光パネル架台の設置構造及び施工方法
JP2017026388A (ja) 燃料貯蔵ラックの補強構造物
CN214576115U (zh) 一种装配式抗震钢管混凝土韧性柱
JP5854821B2 (ja) 水中ボルト・ナット締緩装置及び該装置を用いた水中リラッキング工法
TW200404943A (en) Double-floor structure
JP5558757B2 (ja) クライミングクレーンの盛り替え機構およびフロアクライミング工法
KR101613844B1 (ko) 해상 풍력발전 중간구조물 및 이를 구비한 해상 풍력발전 구조물
JP3194681U (ja) 太陽電池パネルの設置用基礎架台
CN210049272U (zh) 钢筋混凝土框架柱插入式柱脚结构
JP5166632B1 (ja) 基礎架台を用いた基礎土台の構成方法およびこれに用いられる基礎架台
JP5901281B2 (ja) 水中穴計測装置及び該装置を用いた水中リラッキング工法
JP2004132112A (ja) 鉄塔の最下構造
JPH0868890A (ja) 使用済み燃料貯蔵ラックおよび使用済み燃料貯蔵設備
JP2006090078A (ja) 免震建物及び築造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130411

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20140110

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140331

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140401

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140407

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140513

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140611

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5562784

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151