JP2017026388A - 燃料貯蔵ラックの補強構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】想定地震力が引き上げられる場合であっても、リラッキング作業を行う必要なく、想定地震力に耐え得るように、既設の燃料貯蔵ラックを補強することができる燃料貯蔵ラックの補強構造物を提供する。
【解決手段】燃料貯蔵ピットの床面に配置され、燃料貯蔵セルを複数束ねる燃料貯蔵ラックを補強する燃料貯蔵ラックの補強構造物10であって、最外周に位置する複数の燃料貯蔵セルの上方に設けられる支持フレーム11と、支持フレーム11の下方に位置する複数の燃料貯蔵セルのうち、いずれかの燃料貯蔵セルに上端の開口部から収容され、燃料貯蔵セルに固定される固定部12と、支持フレーム11と、支持フレーム11と対向する燃料貯蔵ピットの壁面と、の間に設けられ、支持フレーム11と燃料貯蔵ピットとを連結する上部支持部13と、を備え、支持フレーム11、固定部12及び上部支持部13は、一体に設けられている。
【選択図】図4

Description

本発明は、既設の燃料貯蔵ラックを補強する燃料貯蔵ラックの補強構造物に関するものである。
原子力施設には、複数の燃料集合体を収容するための燃料貯蔵ラックが、燃料貯蔵ピット内に設置されている。このような燃料貯蔵ラックでは、地震等に対する耐震性を高めるべく、燃料貯蔵ラック同士を連結することにより剛性を高めることが知られている(例えば、特許文献1参照)。具体的に、特許文献1の燃料貯蔵ラックは、互いに隣り合う4つの燃料貯蔵ラックにより形成される十字のギャップに、長棒形状部材が挿嵌されている。これにより、特許文献1では、燃料貯蔵ラックを交換するリラッキング作業を行う必要なく、燃料貯蔵ラックの耐震性を向上させるとしている。
また、燃料貯蔵ラックとしては、重量物の落下による衝撃を吸収するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。この燃料貯蔵ラックは、燃料集合体を収容する本体格子を備えている。また、本体格子の上部には、保護格子及び衝撃吸収格子が設けられており、本体格子に設けられる固定用部材によって、保護格子及び衝撃吸収格子が着脱自在に固定されるとしている。
特開2014−199218号公報 特開2013−124860号公報
ところで、近年、想定される地震により燃料貯蔵ラックに与えられる力、すなわち想定地震力は、以前の想定地震力から引き上げられている。ここで、特許文献1の燃料貯蔵ラックは、長棒形状部材を用いてラック同士を連結して剛性を高めているものの、燃料貯蔵ラックの下部が固定され、燃料貯蔵ラックの上部が自由状態となっている。このため、燃料貯蔵ラックに地震力が与えられると、燃料貯蔵ラックの上部において大きな変位が発生することから、想定地震力に対する健全性が損なわれる可能性がある。
そこで、本発明は、想定地震力が引き上げられる場合であっても、リラッキング作業を行う必要なく、想定地震力に耐え得るように、既設の燃料貯蔵ラックを補強することができる燃料貯蔵ラックの補強構造物を提供することを課題とする。
本発明の燃料貯蔵ラックの補強構造物は、燃料貯蔵ピットの床面に配置される燃料貯蔵ラックを補強する燃料貯蔵ラックの補強構造物であって、前記燃料貯蔵ラックは、上端の開口部から燃料集合体を収容する燃料貯蔵セルと、前記燃料貯蔵セルを複数束ねるラック本体と、を有する単体または複数のラックブロックを含んで構成されており、複数の前記燃料貯蔵セルのうち、単体または複数の前記ラックブロックの最外周に位置する複数の前記燃料貯蔵セルの上方に設けられる支持フレームと、前記支持フレームの下方に位置する複数の前記燃料貯蔵セルのうち、いずれかの前記燃料貯蔵セルに上端の開口部から収容され、前記燃料貯蔵セルに固定される固定部と、前記支持フレームと、前記支持フレームと対向する前記燃料貯蔵ピットの壁面と、の間に設けられ、前記支持フレームと前記燃料貯蔵ピットとを連結する上部支持部と、を備え、前記支持フレーム、前記固定部及び前記上部支持部は、一体に設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、燃料貯蔵ラックの上部を、固定部、支持フレーム及び上部支持部を介して、燃料貯蔵ピットの壁面に接続することができる。このため、燃料貯蔵ラックの上部の振動を抑制することができるため、想定地震力に耐え得るように、既設の燃料貯蔵ラックを補強することができる。また、支持フレーム、固定部及び上部支持部は、一体に設けられていることから、燃料貯蔵ラックに個々に配置する必要がなく、設置作業を簡便なものとすることができる。
また、前記ラックブロックが複数設けられる場合、前記支持フレームは、複数の前記ラックブロックのそれぞれに設けられ、隣接する前記支持フレーム同士を接続するフレーム接続部を、さらに備えることが、好ましい。
この構成によれば、複数の支持フレームが隣接して設けられる場合、支持フレーム同士をフレーム接続部により接続することができるため、複数のラックブロックを連結して補強することができる。
また、前記燃料貯蔵ラックは、前記燃料貯蔵ピットの床面上に配置したスキッド上に設けられ、前記スキッドと、前記スキッドと対向する前記燃料貯蔵ピットの壁面と、の間に設けられ、前記スキッドと前記燃料貯蔵ピットとを連結する下部支持部を、さらに備えることが、好ましい。
この構成によれば、燃料貯蔵ラックの下部に設けられるスキッドを、下部支持部を介して、燃料貯蔵ピットの壁面に接続することができる。このため、燃料貯蔵ラックの下部の振動を抑制することができるため、想定地震力に耐え得るように、既設の燃料貯蔵ラックをより補強することができる。なお、スキッドは、ボルトにより燃料貯蔵ピットの床面に固定されており、下部支持部を設けることで、ボルトに与えられるせん断力を低減することができる。
また、前記固定部は、前記支持フレームに固定され、前記支持フレームから前記燃料貯蔵セルの内部へ向かって突出する突出部材と、前記燃料貯蔵セルの内面と前記突出部材との間において、前記突出部材の突出方向に移動自在に設けられ、前記突出部材に対して上方側に移動することで、前記燃料貯蔵セルの内面と前記突出部材との間が広がるように突っ張る楔部材と、前記楔部材の位置を規制する位置規制部材と、を有することが、好ましい。
この構成によれば、楔部材を上方側に移動させ、燃料貯蔵セルの内面と突出部材とを突っ張り、この状態で、位置規制部材により楔部材の位置を規制することで、固定部を燃料貯蔵セルに、簡単に固定することができる。
また、前記燃料貯蔵セルは、四方の側壁を有する角筒形状に形成され、前記突出部材は、突出方向の先端部が、下方側を頂部として四方の側面を有する四角錐形状に形成され、前記楔部材は、前記突出部材の先端部の四方の側面に対向して4つ設けられ、4つの前記楔部材は、前記燃料貯蔵セルの四方の側壁と前記突出部材の先端部の四方の側面との間が広がるように、それぞれ突っ張ることが、好ましい。
この構成によれば、固定部を、燃料貯蔵セルの四方の内面に突っ張らせることができるため、水平方向における振動をより適切に抑制することができる。
また、前記支持フレームは、前記固定部が収容されない前記燃料貯蔵セルの上方側の部位において、前記燃料集合体を挿通可能な貫通孔が形成されていることが、好ましい。
この構成によれば、支持フレームによって上方が覆われる複数の燃料貯蔵セルのうち、固定部が収容されない燃料貯蔵セルに、貫通孔を介して燃料集合体を収容することができる。このため、使用不能となる燃料貯蔵セルの個数を低減することができる。
また、ラックブロックが複数設けられる場合、前記支持フレームは、複数の前記ラックブロックの最外周に位置する複数の前記燃料貯蔵セルの上方に設けられ、隣接する前記ラックブロック同士を接続するブロック接続部を、さらに備えることが、好ましい。
この構成によれば、複数のラックブロックが隣接して設けられる場合、ラックブロック同士をブロック接続部により接続することができるため、複数のラックブロックを連結して補強することができる。
また、前記上部支持部は、前記固定部が収容される前記燃料貯蔵セルの上方側の前記支持フレームの部位に設けられていることが、好ましい。
この構成によれば、固定部が設けられる支持フレームの部位に上部支持部を設けることができるため、固定部から支持フレーム及び上部支持部を経て燃料貯蔵ピットまでに至る荷重伝達経路を、剛性の高いものとすることができる。このため、燃料貯蔵ラックの上部の振動をより好適に抑制することができる。
また、上方に前記支持フレームが配置されない複数の前記燃料貯蔵セルの間に格子状に設けられ、重量物の落下による衝撃を吸収する衝撃吸収格子を、さらに備えることが、好ましい。
この構成によれば、燃料貯蔵ラックへ重量物が落下しても、衝撃吸収格子により、落下する重量物によって与えられる衝撃を吸収することができる。
本発明の他の燃料貯蔵ラックの補強構造物は、燃料貯蔵ピットの床面に配置される燃料貯蔵ラックを補強する燃料貯蔵ラックの補強構造であって、前記燃料貯蔵ラックは、上端の開口部から燃料集合体を収容する燃料貯蔵セルと、前記燃料貯蔵セルを複数束ねるラック本体と、を有する複数のラックブロックを含んで構成されており、複数の前記ラックブロックの上部側の外周を取り囲んで設けられ、複数の前記ラックブロックを束ねる上部外枠と、隣接する前記ラックブロック同士を接続する接続部と、前記上部外枠と、前記上部外枠と対向する前記燃料貯蔵ピットの壁面と、の間に設けられ、前記上部外枠と前記燃料貯蔵ピットとを連結する連結部材と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、燃料貯蔵ラックの上部を、上部外枠及び連結部材を介して、燃料貯蔵ピットの壁面に接続することができ、また、接続部によりラックブロック同士を接続することができる。このため、燃料貯蔵ラックの上部の振動を抑制することができるため、想定地震力に耐え得るように、既設の燃料貯蔵ラックを補強することができる。なお、複数のラックブロックの下部側の外周を取り囲む下部外枠を設けてもよいし、上部外枠と下部外枠との中間に設けられる中間外枠を設けてもよい。
また、前記接続部は、前記ラックブロック同士の間隙に設けられ、隣接する前記ラックブロック同士の前記間隙が広がるように突っ張る複数の固定部材を有することが、好ましい。
この構成によれば、複数の固定部材を、ラックブロック同士の間隙に突っ張らせることで、ラックブロックの間の剛性を高めつつ、簡単に接続することができる。
また、前記接続部は、隣接する2つの前記ラックブロックのうち、一方の前記ラックブロックの前記燃料貯蔵セルに収容される一方の架構と、一方の前記ラックブロックの前記燃料貯蔵セルに対向する、他方の前記ラックブロックの前記燃料貯蔵セルに収容される他方の架構とを含む一対の架構と、一対の前記架構を連結する連結部材と、一方の前記架構と前記燃料貯蔵セルの内面との間隙、及び他方の前記架構と前記燃料貯蔵セルの内面との間隙にそれぞれ設けられ、一方の前記架構と前記燃料貯蔵セルの内面との前記間隙、及び他方の前記架構と前記燃料貯蔵セルの内面との前記間隙が広がるように突っ張る複数の固定部材と、を有することが、好ましい。
この構成によれば、一対の架構及び連結部材により、ラックブロック同士を接続することができ、また、複数の固定部材を、一対の架構と燃料貯蔵セルの内面とのそれぞれの間隙に突っ張らせることで、ラックブロックの間の剛性を簡単に高めることができる。
また、前記固定部材は、板材を屈曲させることで形成される屈曲部の両側が上板部と下板部となるように形成したものであり、前記間隙において、前記上板部を上方側に位置させ、前記下板部を下方側に位置させた縦置き状態で、前記上板部と前記下板部とが近づく方向に変形することで、前記間隙を広げることが、好ましい。
この構成によれば、固定部材を変形させることで、簡単に固定部材を間隙に突っ張らせることができる。
また、前記固定部材は、板材を屈曲させることで形成される屈曲部の両側が左板部と右板部となるように形成したものであり、前記間隙において、前記左板部を水平方向の一方側に位置させ、前記右板部を水平方向の他方側に位置させた横置き状態で、前記左板部と前記右板部とが広がる方向に変形することで、前記間隙を広げることが、好ましい。
この構成によれば、固定部材を変形させることで、簡単に固定部材を間隙に突っ張らせることができる。
また、前記固定部材は、板材を屈曲させることで形成される屈曲部の両側が底板部と天板部となるように形成したものであり、前記間隙に形成される設置面上に、前記底板部を設置させた状態で、前記天板部が前記底板部に近づく方向に変形することで、前記間隙を広げることが、好ましい。
この構成によれば、固定部材を変形させることで、簡単に固定部材を間隙に突っ張らせることができる。
また、前記固定部材は、厚みが一定となる板材であり、前記間隙において、前記板材の一方側を上方側に位置させ、前記板材の他方側を下方側に位置させた状態で、前記板材の一方側を上方側から下方側に移動することで、前記間隙を広げることが、好ましい。
この構成によれば、固定部材を移動させることで、簡単に固定部材を間隙に突っ張らせることができる。
また、前記固定部材は、厚みが一方側から他方側に向かって厚くなる板材であり、前記間隙において、厚みが薄い前記板材の一方側を上方側に位置させ、厚みが厚い前記板材の他方側を下方側に位置させた状態で、前記板材の一方側を上方側から下方側に移動することで、前記間隙を広げることが、好ましい。
この構成によれば、固定部材を移動させることで、簡単に固定部材を間隙に突っ張らせることができる。このとき、板材の一方側の厚みを薄くして変形し易くすることで、板材の一方側が当接するラックブロック、燃料貯蔵セルの内面または架構に対して、過剰な荷重が加わることを抑制することができる。
また、前記間隙に設けられ、前記間隙に配置される前記固定部材を受ける受け板を、さらに備えることが、好ましい。
この構成によれば、固定部材が受け板に受けられた状態で、固定部材を安定的に変形させることができるため、間隙を適切に広げることができる。
また、前記固定部材は、前記固定部材の一部を折り曲げて形成され、変形時に与えられる外力を受ける折曲部を有することが、好ましい。
この構成によれば、折曲部において外力を適切に受けることができるため、固定部材を適切に変形させることができ、間隙を適切に広げることができる。
また、前記固定部材は、屈曲させた板材と、前記板材に締結力を与えて、前記間隙を広げるように、前記板材を変形させる締結部材と、を有することが、好ましい。
この構成によれば、締結部材により板材を変形させることで、簡単に板材を間隙に突っ張らせることができる。
また、前記締結部材は、前記間隙に設けられ、前記間隙に配置される前記板材を受ける受け板と、前記受け板に締結されるボルトと、を含んで構成され、前記板材は、前記受け板に受けられた状態で、前記ボルトにより前記受け板に締結されることで、前記間隙を広げるように変形することが、好ましい。
この構成によれば、板材が受け板に受けられた状態で、ボルトにより受け板に締結されることで、板材を安定的に変形させることができるため、間隙を適切に広げることができる。
また、前記締結部材は、ボルトとナットとを含んで構成され、前記板材は、前記締結部材により、屈曲した屈曲部の両側が閉じる方向に締結されることで、前記間隙を広げるように変形することが、好ましい。
この構成によれば、ボルトとナットとにより板材を締結して変形させることで、簡単に板材を間隙に突っ張らせることができる。
また、前記連結部材は、支点を有すると共に、前記燃料貯蔵ピットの壁面との間に隙間を空けて配置される本体部と、前記支点を中心に回動し、前記隙間に挿入される作用点となる楔部を有する回動部と、前記支点と前記作用点との間に設けられ、前記本体部と前記回動部とを締結する締結部材と、を有し、前記締結部材により前記本体部と前記回動部とが締結され、前記楔部が前記隙間に挿入されることで、前記燃料貯蔵ピットの壁面と前記上部外枠との間隙が広がるように突っ張ることが、好ましい。
この構成によれば、締結部材を締結し、支点を中心に、本体部に対して回動部を回動させることで、連結部材を、燃料貯蔵ピットの壁面と上部外枠との間隙が広がるように、簡単に突っ張らせることができる。
図1は、原子力発電プラントの原子炉格納容器周りを示す概略図である。 図2は、燃料貯蔵ラックを示す斜視図である。 図3は、ラックブロックを示す斜視図である。 図4は、実施形態1に係る燃料貯蔵ラックの補強構造物を示す斜視図である。 図5は、実施形態1に係る燃料貯蔵ラックの補強構造物を示す平面図である。 図6は、実施形態1に係る燃料貯蔵ラックの補強構造物を示す側面図である。 図7は、実施形態1に係る燃料貯蔵ラックの補強構造物の拡大した一部を示す平面図である。 図8は、実施形態1に係る燃料貯蔵ラックの補強構造物の拡大した一部を示す側面図である。 図9は、固定部を示す平面図である。 図10は、実施形態1の補強構造物に設けられる衝撃吸収格子の斜視図である。 図11は、燃料貯蔵ラックを示す斜視図である。 図12は、実施形態2に係る燃料貯蔵ラックの補強構造物を示す側面図である。 図13は、固定金具を示す側面図である。 図14は、ハンマーを示す側面図である。 図15は、上部外枠周りを示す平面図である。 図16は、上部外枠周りを示す側面図である。 図17は、固定金具の他の一例を示す側面図である。 図18は、固定金具の他の一例を示す側面図である。 図19は、固定金具の他の一例を示す側面図である。 図20は、固定金具の他の一例を示す側面図である。 図21は、固定金具の他の一例を示す側面図である。 図22は、固定金具の他の一例を示す側面図である。 図23は、ハンマーの他の一例を示す側面図である。 図24は、補強構造物の他の一例を示す側面図である。 図25は、下部支持部の他の一例を示す側面図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能であり、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせることも可能である。
[実施形態1]
実施形態1の燃料貯蔵ラックの補強構造物は、原子力発電プラントに設けられる既設の燃料貯蔵ラックに取り付けられる。先ず、図1を参照して、原子力発電プラント100について説明する。
図1は、原子力発電プラントの原子炉格納容器周りを示す概略図である。原子力発電プラント100に適用される原子炉は、軽水を原子炉冷却材及び中性子減速材として使用し、一次系全体にわたって沸騰しない高温高圧水とし、この高温高圧水を蒸気発生器に送って熱交換により蒸気を発生させ、この蒸気をタービン発電機へ送って発電する加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)112である。なお、実施形態1では、加圧水型原子炉112を有する原子力発電プラント100に適用して説明するが、この構成に特に限定されず、沸騰水型原子炉を有する原子力発電プラントに適用してもよい。
図1に示すように、原子力発電プラント100は、原子炉格納容器111と、原子炉格納容器111に隣接する燃料取扱建屋130とを備えている。原子炉格納容器111は、その内部に上述した加圧水型原子炉112が収容される他、蒸気発生器113、加圧器116などが収容される。燃料取扱建屋130は、その内部に燃料貯蔵設備131が設けられ、その天井部に天井クレーン132が設置されている。
次に、図1から図3を参照して、燃料貯蔵設備131について説明する。図2は、燃料貯蔵ラックを示す斜視図であり、図3は、ラックブロックを示す斜視図である。燃料貯蔵設備131は、加圧水型原子炉112で使用された使用済または未使用の燃料集合体を貯蔵するための設備である。燃料貯蔵設備131は、燃料貯蔵ピット133と、スキッド134と、燃料貯蔵ラック135とを備えている。
燃料貯蔵ピット133は、床面133aと、床面133aを取り囲む四方の壁面133bとによって形成される中空の長方体形状となる水槽であり、内部に冷却水が満たされている。この燃料貯蔵ピット133の床面133aには、図示しない床ボルトが設けられている。
スキッド134は、燃料貯蔵ピット133の床面133a上に設けられ、燃料貯蔵ラック135が設置される。スキッド134は、燃料貯蔵ピット133の床面133aに設けられた床ボルトを用いて締結固定されている。
燃料貯蔵ラック135は、複数のラックブロック140を含んで構成され、各ラックブロック140は、図示しない締結ボルトによりスキッド134に締結固定されている。このため、燃料貯蔵ラック135は、スキッド134を介して燃料貯蔵ピット133の床面133aに固定されている。また、この燃料貯蔵ラック135は、燃料貯蔵ピット133の壁面133bと所定の隙間を空けて配置されている。
複数のラックブロック140は、燃料貯蔵ピット133内に、所定の間隔をおいて格子状に配置されている。実施形態1において、ラックブロック140は、5行3列の計15個が格子状に配置されているが、その配置数は15個に限られず任意である。なお、実施形態1の燃料貯蔵ラック135は、隣接するラックブロック140同士の間隙が広いものとなっている。
各ラックブロック140は、複数の燃料貯蔵セル141と、複数の燃料貯蔵セル141を束ねるラック本体142とを含んで構成されている。燃料貯蔵セル141は、角筒形状となっており、その長手方向が鉛直方向となるように配置される。燃料貯蔵セル141は、その上端に開口部が形成され、その下端に底面部が設けられている。また、燃料貯蔵セル141は、その上端に燃料集合体の挿入を案内する案内ガイド143が設けられている。案内ガイド143は、燃料貯蔵セル141の開口部を下端側から上端側へ向かって拡開して形成されている。ラック本体142は、格子状に配置される複数の燃料貯蔵セル141の外周を取り囲むことで、複数の燃料貯蔵セル141を束ねている。
このような燃料貯蔵ラック135は、その下部が燃料貯蔵ピット133の床面133aに固定される一方で、その上部が自由状態となる。実施形態1の補強構造物10は、自由状態となる燃料貯蔵ラック135の上部を、燃料貯蔵ピット133に連結することで、燃料貯蔵ラック135の剛性を高めている。
次に、図4から図9を参照して、燃料貯蔵ラック135を補強する補強構造物10について説明する。図4は、実施形態1に係る燃料貯蔵ラックの補強構造物を示す斜視図である。図5は、実施形態1に係る燃料貯蔵ラックの補強構造物を示す平面図である。図6は、実施形態1に係る燃料貯蔵ラックの補強構造物を示す側面図である。図7は、実施形態1に係る燃料貯蔵ラックの補強構造物の拡大した一部を示す平面図である。図8は、実施形態1に係る燃料貯蔵ラックの補強構造物の拡大した一部を示す側面図である。図9は、固定部を示す平面図である。この補強構造物10は、既設の燃料貯蔵ラック135に取り付けることで、燃料貯蔵ラック135の剛性が高まるように補強するものである。
図4に示すように、補強構造物10は、複数の支持フレーム11と、複数の固定部12と、複数の上部支持部13と、複数のフレーム接続部14とを備えている。このとき、各支持フレーム11には、1以上の固定部12、上部支持部13及びフレーム接続部14が、適宜一体に取り付けられている。また、補強構造物10は、別体となる複数の下部支持部15を備えている。
複数の支持フレーム11は、複数のラックブロック140に応じて設けられている。各支持フレーム11は、各ラックブロック140の最外周に位置する複数の燃料貯蔵セル141の上方に配置される。つまり、支持フレーム11は、最外周に位置する燃料貯蔵セル141に沿う、方形の枠状に形成されている。この支持フレーム11は、例えば、4つの角管を方形の四辺とし、角管の両端部をそれぞれ接続することで、方形の枠状に形成される。
また、支持フレーム11には、燃料貯蔵セル141に収容される燃料集合体を挿通可能な貫通孔17が複数形成されている。複数の貫通孔17は、支持フレーム11の所定の部位に形成されている。所定の部位としては、後述する複数の固定部12が収容されない燃料貯蔵セル141の上方側の部位である。つまり、複数の貫通孔17は、複数の固定部12が取り付けられていない支持フレーム11の部位に形成される。このため、支持フレーム11は、各ラックブロック140の最外周に位置する複数の燃料貯蔵セル141を覆う場合であっても、複数の貫通孔17が形成されることにより、使用不能となる燃料貯蔵セル141の数を低減することが可能となる。
複数の固定部12は、各支持フレーム11の下方に位置する複数の燃料貯蔵セル141のうち、いずれかの燃料貯蔵セル141に設けられており、具体的に、各支持フレーム11の一辺に1以上設けられている。また、複数の固定部12は、支持フレーム11の下面に一体に設けられており、支持フレーム11の下面から下方側に向かって延びている。この固定部12は、燃料貯蔵セル141の上端の開口部から、燃料貯蔵セル141の内部に収容され、燃料貯蔵セル141に固定されることで、支持フレーム11を燃料貯蔵セル141に固定している。
燃料貯蔵セル141に収容される固定部12は、突出部材21と、4つの楔部材22と、4つの楔部材22に応じて設けられる4つの位置規制部材23とを有している。
突出部材21は、支持フレーム11に一体に取り付けており、支持フレーム11の下面から下方側(燃料貯蔵セル141の内部側)へ向かって突出して設けられている。突出部材21は、突出方向(鉛直方向における下方向)において、基端側に設けられる柱状部21aと、先端側に設けられる先端部21bとを有している。柱状部21aは、角柱形状に形成されており、先端部21bは、下方側を頂部として四方の側面を有する四角錐形状に形成されている。そして、四角錐形状となる先端部21bの方形状の底面は、柱状部21aの方形状の断面よりも一回り大きく形成されている。このため、突出部材21は、下方側に向く矢尻形状に形成されている。また、突出部材21の先端部21bの四方の側面は、角筒形状の燃料貯蔵セル141の四方の内面にそれぞれ対向し、鉛直方向の下方側から上方側に向かって、先端部21bの側面と燃料貯蔵セル141の内面との間が狭くなるように傾斜する傾斜面となっている。
4つの楔部材22は、支持フレーム11に固定される突出部材21に対して、鉛直方向に移動自在となっている。4つの楔部材22は、突出部材21の先端部21bの四方の側面と、燃料貯蔵セル141の四方の内面との間に、それぞれ設けられる。各楔部材22は、突出部材21に対して、鉛直方向の上方側に移動することで、燃料貯蔵セル141の内面と突出部材21との間が広がるように突っ張る。具体的に、各楔部材22は、燃料貯蔵セル141の内面に当接する面と、突出部材21の先端部21bの側面に当接する面とを含む台形形状に形成される。そして、各楔部材22は、突出部材21の先端部21bの側面と燃料貯蔵セル141の内面とが対向する方向の厚みが、鉛直方向の下方側から上方側に向かって薄くなるように形成されている。
各楔部材22の上端部には、各楔部材22を鉛直方向に移動させるための支持棒25が接続されている。支持棒25は、各楔部材22から鉛直方向の上方側に延び、支持フレーム11を貫通して、支持フレーム11の上面から突出して設けられる。支持棒25の上端部は、ボルトとなっており、このボルトに、位置規制部材23としてのナットが締結される。また、支持棒25は、複数の回転軸26を有しており、固定部12に固定時において、支持棒25の一部が複数の回転軸26を中心に回転することで、楔部材22が水平方向に移動することを許容している。
位置規制部材23は、支持フレーム11の上面から突出する支持棒25の上端部にそれぞれ締結されるナットであり、各楔部材22の鉛直方向における位置を規制している。位置規制部材23は、支持棒25に対して締結されると、支持棒25を鉛直方向の上方に引き上げることで、楔部材22を鉛直方向の上方側に移動させつつ、楔部材22の位置を規制する。一方で、位置規制部材23は、支持棒25に対して緩められると、楔部材22の位置の規制が解除され、楔部材22の自重により、楔部材22及び支持棒25が鉛直方向の下方に移動する。
このような固定部12が燃料貯蔵セル141に収容され、位置規制部材23が支持棒25に締結されると、支持棒25が引き上げられる。支持棒25が引き上げられると、支持棒25に接続された楔部材22が上方側に移動する。これにより、楔部材22は、燃料貯蔵セル141の内面と、突出部材21との間が広がるように突っ張る。また、支持棒25は、位置規制部材23により位置が規制されることから、引き上げ後の楔部材22は、下方側に移動することなく、位置が規制される。これにより、固定部12は、燃料貯蔵セル141に固定される。
複数の上部支持部13は、支持フレーム11の側面と、支持フレーム11の側面に対向する燃料貯蔵ピット133の壁面133bとの間に設けられ、支持フレーム11の側面に一体に取り付けられている。また、各上部支持部13は、固定部12が収容される燃料貯蔵セル141の上方側の支持フレーム11の部位に設けられている。この上部支持部13は、燃料貯蔵ピット133側となる先端部が、燃料貯蔵ピット133の壁面133b側に向かって伸長することで、支持フレーム11と燃料貯蔵ピット133との間が広がるように突っ張る伸長機構となっている。
具体的に、図7及び図8に示すように、各上部支持部13は、支持部本体31と、支持部本体31の内部に設けられる楔部材32と、支持部本体31から突出する突出部材33と、楔部材32の位置を規制する位置規制部材34とを有している。
支持部本体31は、角筒形状に形成されており、水平方向に延びて設けられている。支持部本体31は、水平方向の一端部が支持フレーム11の側面に一体に接続され、水平方向の他端部が燃料貯蔵ピット133の壁面133bに対向して設けられる。
楔部材32は、支持部本体31の内部に設けられ、支持フレーム11の側面に沿って、鉛直方向に移動自在に設けられている。楔部材32は、突出部材33に対して、鉛直方向の上方側に移動することで、突出部材33を燃料貯蔵ピット133側へ押し出す。具体的に、楔部材32は、支持フレーム11の側面に当接する面と、突出部材33に当接する面とを含む台形形状に形成される。そして、楔部材32は、支持フレーム11と突出部材33とが対向する方向の長さが、鉛直方向の上方側から下方側へ向かって長くなるように形成されている。
楔部材32の上端部には、楔部材32を鉛直方向に移動させるための支持棒35が接続されている。支持棒35は、楔部材32から鉛直方向の上方側に延び、支持部本体31を貫通して、支持部本体31の上面から突出して設けられる。支持棒35の上端部は、ボルトとなっており、このボルトに、位置規制部材34としてのナットが締結される。
突出部材33は、その一部が支持部本体31の内部に設けられ、支持部本体31の内面に沿って水平方向に移動自在に設けられている。具体的に、突出部材33は、楔部材32に当接する面と、燃料貯蔵ピット133の側面に当接する面とを含む台形形状に形成される。そして、突出部材33は、楔部材32と燃料貯蔵ピット133の側面とが対向する方向の長さが、鉛直方向の下方側から上方側へ向かって長くなるように形成されている。
位置規制部材34は、支持部本体31の上面から突出する支持棒35の上端部にそれぞれ締結されるナットであり、楔部材32の鉛直方向における位置を規制している。位置規制部材34は、支持棒35に対して締結されると、支持棒35を鉛直方向の上方に引き上げることで、楔部材32を鉛直方向の上方側に移動させつつ、楔部材32の位置を規制する。一方で、位置規制部材34は、支持棒35に対して緩められると、楔部材32の位置の規制が解除され、楔部材32の自重により、楔部材32及び支持棒35が鉛直方向の下方に移動する。
このような上部支持部13が燃料貯蔵ピット133の側面133bに対向して配置され、位置規制部材34が支持棒35に締結されると、支持棒35が引き上げられる。支持棒35が引き上げられると、支持棒35に接続された楔部材32が上方側に移動する。これにより、楔部材32は、突出部材33を燃料貯蔵ピット133側へ押し出し、支持フレーム11の側面と、燃料貯蔵ピット133の側面133bとの間が広がるように突っ張る。また、支持棒35は、位置規制部材34により位置が規制されることから、引き上げ後の楔部材32は、下方側に移動することなく、位置が規制される。これにより、上部支持部13は、支持フレーム11と燃料貯蔵ピット133との間を突っ張ることで固定される。
フレーム接続部14は、隣接する一方の支持フレーム11と、隣接する他方の支持フレーム11との間に設けられ、一方の支持フレーム11の側面に一体に取り付けられている。また、フレーム接続部14は、上部支持部13と同様に、固定部12が収容される燃料貯蔵セル141の上方側の支持フレーム11の部位に設けられている。このフレーム接続部14は、取り付けられる一方の支持フレーム11側から、他方の支持フレーム11側に向かって伸長することで、隣接する支持フレーム11同士の間が広がるように突っ張る伸長機構となっている。
フレーム接続部14は、接続部本体41と、接続部本体41の内部に設けられる楔部材42と、接続部本体41から突出する突出部材43と、楔部材42の位置を規制する位置規制部材44と、楔部材42に接続される支持棒45とを有している。なお、フレーム接続部14は、上部支持部13とほぼ同様の構成であるため、説明を省略する。つまり、接続部本体41と支持部本体31、楔部材42と楔部材32、突出部材43と突出部材33、位置規制部材44と位置規制部材34、支持棒45と支持棒35が、ほぼ同様の構成である。
複数の下部支持部15は、スキッド134と、スキッド134に対向する燃料貯蔵ピット133の壁面133bとの間にそれぞれ設けられている。各下部支持部15は、燃料貯蔵ピット133側となる先端部が、燃料貯蔵ピット133の壁面133b側に向かって伸長することで、スキッド134と燃料貯蔵ピット133との間が広がるように突っ張る伸長機構となっている。
各下部支持部15は、支持部本体51と、支持部本体51の内部に設けられる楔部材52と、支持部本体51から突出する突出部材53と、楔部材52の位置を規制する位置規制部材54と、楔部材52に接続される支持棒55とを有している。なお、下部支持部15も、上部支持部13とほぼ同様の構成であるため、説明を省略する。つまり、支持部本体51と支持部本体31、楔部材52と楔部材32、突出部材53と突出部材33、位置規制部材54と位置規制部材34、支持棒55と支持棒35が、ほぼ同様の構成である。
次に、上記のように構成される補強構造物10の燃料貯蔵ピット133への取り付けについて説明する。先ず、補強構造物10の複数の下部支持部15が、燃料貯蔵ピット133とスキッド134との間に配置される。この後、下部支持部15の位置規制部材54が支持棒55に締結されることで、下部支持部15が伸長する。これにより、複数の下部支持部15は、燃料貯蔵ピット133とスキッド134との間を突っ張った状態で固定される。
続いて、固定部12、上部支持部13及びフレーム接続部14が一体に取り付けられた複数の支持フレーム11が、燃料貯蔵ラック135の複数のラックブロック140の上部にそれぞれ配置される。このとき、各支持フレーム11の複数の固定部12は、燃料貯蔵セル141に収容される。この後、固定部12の位置規制部材23が支持棒25に締結されることで、固定部12は、燃料貯蔵セル141の内面と、突出部材21との間が広がるように突っ張った状態で固定される。これにより、支持フレーム11は、燃料貯蔵ラック135の上部に固定され、また、支持フレーム11と燃料貯蔵ピット133との間に複数の上部支持部13が配置されると共に、隣接する支持フレーム11同士の間に複数のフレーム接続部14が配置される。
次に、複数の上部支持部13の位置規制部材34が支持棒35に締結されると共に、複数のフレーム接続部14の位置規制部材44が支持棒45に締結されることで、複数の上部支持部13及び複数のフレーム接続部14が伸長する。これにより、複数の上部支持部13は、燃料貯蔵ピット133と支持フレーム11との間を突っ張った状態で固定され、複数のフレーム接続部14は、支持フレーム11同士の間を突っ張った状態で固定される。よって、補強構造物10は、燃料貯蔵ラック135の上部及び下部を、燃料貯蔵ピット133に固定することで、燃料貯蔵ラック135が補強される。
以上のように、実施形態1によれば、燃料貯蔵ラック135の上部を、固定部12、支持フレーム11及び上部支持部13を介して、燃料貯蔵ピット133の壁面133bに接続することができる。このため、燃料貯蔵ラック135の上部の振動を抑制することができるため、想定地震力に耐え得るように、既設の燃料貯蔵ラック135を補強することができる。また、支持フレーム11、固定部12及び上部支持部13は、一体に設けられていることから、各部を燃料貯蔵ラック135に個々に配置する必要がなく、設置作業を簡便なものとすることができる。
また、実施形態1によれば、隣接する支持フレーム11同士をフレーム接続部14により接続することができるため、複数のラックブロック140を連結して補強することができる。
また、実施形態1によれば、燃料貯蔵ラック135の下部に設けられるスキッド134を、下部支持部15を介して、燃料貯蔵ピット133の壁面133bに接続することができる。このため、スキッド134がボルトにより燃料貯蔵ピット133の床面133aに固定される場合であっても、下部支持部15を設けることで、ボルトに与えられるせん断力を低減することができる。よって、燃料貯蔵ラック135の下部の振動を抑制することができるため、想定地震力に耐え得るように、既設の燃料貯蔵ラック135をより補強することができる。
また、実施形態1によれば、固定部12の楔部材22を上方側に移動させ、燃料貯蔵セル141の内面と突出部材21とを突っ張り、この状態で、位置規制部材23により楔部材22の位置を規制することで、固定部12を燃料貯蔵セル141に、簡単に固定することができる。
また、実施形態1によれば、突出部材21の先端部21bを四角錐形状に形成すると共に、楔部材22を4つ設けることで、固定部12を、燃料貯蔵セル141の四方の内面に突っ張らせることができるため、水平方向における振動をより適切に抑制することができる。
また、実施形態1によれば、支持フレーム11に複数の貫通孔17を形成することで、支持フレーム11によって上方が覆われる複数の燃料貯蔵セル141のうち、固定部12が収容されない燃料貯蔵セル141に、貫通孔17を介して燃料集合体を収容することができる。このため、使用不能となる燃料貯蔵セル141の個数を低減することができる。
また、実施形態1によれば、固定部12が設けられる支持フレーム11の部位に上部支持部13を設けることができるため、固定部12から支持フレーム11及び上部支持部13を経て燃料貯蔵ピット133までに至る荷重伝達経路を、剛性の高いものとすることができる。このため、燃料貯蔵ラック135の上部の振動をより好適に抑制することができる。
なお、実施形態1では、各ラックブロック140に支持フレーム11をそれぞれ取り付けたが、この構成に限定されない。例えば、ラックブロック140が複数設けられる場合、支持フレーム11は、複数のラックブロック140の最外周に位置する複数の燃料貯蔵セル141の上方に設けてもよい。つまり、支持フレーム11は、複数のラックブロック140に跨って設置される。この場合、隣接するラックブロック140同士を接続するブロック接続部を、さらに備えることが好ましい。この構成によれば、支持フレーム11の数を減らすことができ、また、ラックブロック140同士をブロック接続部により接続することができるため、複数のラックブロック140を連結して補強することができる。
また、実施形態1では、下部支持部15を設けたが、スキッド134を燃料貯蔵ピット133の床面133aに固定するボルトが、振動によって与えられるせん断力に耐え得る構成であれば、下部支持部15を省いてもよい。
また、実施形態1の下部支持部15に代えて、図25に示す下部支持部70を適用してもよい。図25は、下部支持部の他の一例を示す側面図である。図25に示す下部支持部70は、支持部本体71と、板バネ72とを有している。支持部本体71は、箱状に形成され、スキッド134と燃料貯蔵ピット133の壁面133bとの間において、スキッド134側に設けられている。板バネ72は、例えば、鋼板をV字状に折り曲げたものであり、支持部本体71と燃料貯蔵ピット133の壁面133bとの間に設けられ、支持部本体71と燃料貯蔵ピット133の壁面133bとの間を突っ張って固定されている。なお、板バネ72の厚さは、地震力の強さに応じた厚さとなるように適宜選定する。このように、板バネ72は、適切な厚さを選定することで、板バネ72としての反力を選定することができる。
また、実施形態1の補強構造物10に、図10に示す衝撃吸収格子60を、さらに設けてもよい。ここで、図10は、実施形態1の補強構造物に設けられる衝撃吸収格子の斜視図である。図10に示すように、衝撃吸収格子60は、重量物の落下による衝撃を吸収するものであり、方形枠状の支持フレーム11の内側に設けられている。つまり、衝撃吸収格子60は、上方に支持フレーム11が配置されない複数の燃料貯蔵セル141の上方に設けられている。衝撃吸収格子60は、複数の板材を、複数の燃料貯蔵セル141の間に沿って、格子状に組むことで形成される。この構成によれば、燃料貯蔵ラック135へ重量物が落下しても、衝撃吸収格子60により、落下する重量物によって与えられる衝撃を吸収することができる。
[実施形態2]
次に、図11から図16を参照して、実施形態2に係る補強構造物200について説明する。図11は、燃料貯蔵ラックを示す斜視図である。図12は、実施形態2に係る燃料貯蔵ラックの補強構造物を示す側面図である。図13は、固定金具を示す側面図である。図14は、ハンマーを示す側面図である。図15は、上部外枠周りを示す平面図である。図16は、上部外枠周りを示す側面図である。なお、実施形態2では、重複した記載を避けるべく、実施形態1と異なる部分について説明し、実施形態1と同様の構成である部分については、同じ符号を付して説明する。
実施形態2の補強構造物200は、実施形態1の燃料貯蔵ラック135とは異なる燃料貯蔵ラック335を補強するものである。先ず、図11を参照し、実施形態2の燃料貯蔵ラック335について説明する。
実施形態2の燃料貯蔵ラック335は、複数のラックブロック340を含んで構成され、実施形態1の燃料貯蔵ラック135に比して、隣接するラックブロック340同士の間隙が狭いものとなっている。各ラックブロック340は、図示しない締結ボルトにより燃料貯蔵ピット133の床面133aに固定されている。複数のラックブロック340は、燃料貯蔵ピット133内に、所定の間隔をおいて格子状に配置されている。
各ラックブロック340は、複数の燃料貯蔵セル341と、複数の燃料貯蔵セル341を束ねるラック本体342とを含んで構成されている。
燃料貯蔵セル341は、角筒状に形成されると共に四方の側面に複数の開口部が形成される籠形状となっており、その長手方向が鉛直方向となるように配置される。燃料貯蔵セル341は、その上端に開口部が形成され、その下端に底面部が設けられている。また、燃料貯蔵セル341は、その上端に燃料集合体の挿入を案内する案内ガイド343が設けられている。案内ガイド343は、燃料貯蔵セル341の開口部を下端側から上端側へ向かって拡開して形成されている。
ラック本体342は、ベースプレート344と、上部支持格子345と、下部支持格子346と、中間支持格子347と、複数のブレース348とを有しており、上部支持格子345、下部支持格子346、中間支持格子347及びブレース348は、断面L字形状のアングル材を用いて構成されている。
ベースプレート344は、燃料貯蔵ピット133の床面133a上に設置され、方形状に形成されている。このベースプレート344上には、複数の燃料貯蔵セル341が格子状に設置される。上部支持格子345は、方形枠状に形成され、複数の燃料貯蔵セル341の上部を取り囲んで設けられている。下部支持格子346は、上部支持格子345と同様に、方形枠状に形成され、複数の燃料貯蔵セル341の下部を取り囲んで設けられている。中間支持格子347は、上部支持格子345及び下部支持格子346と同様に、方形枠状に形成され、上部支持格子345と下部支持格子346との間において、複数の燃料貯蔵セル341を取り囲んで設けられている。複数のブレース348は、ラックブロック340の四方の各側面において、上部支持格子345と中間支持格子347との間、及び中間支持格子347と下部支持格子346との間に2本ずつ設けられ、2本のブレース348を交差させて配置されている。
このような燃料貯蔵ラック335においても、その下部が燃料貯蔵ピット133の床面133aに固定される一方で、その上部が自由状態となる。実施形態2の補強構造物200は、自由状態となる既設の燃料貯蔵ラック335の上部を、燃料貯蔵ピット133に連結することで、既設の燃料貯蔵ラック335の剛性を高めている。
次に、図12から図16を参照して、燃料貯蔵ラック335を補強する補強構造物200について説明する。
図12に示すように、補強構造物200は、複数の固定金具(固定部材)210と、複数の受け板211と、複数の外枠212と、複数の連結部材213とを備えている。
複数の外枠212は、複数のラックブロック340の外周を取り囲んで設けられ、複数のラックブロック340を束ねている。複数の外枠212は、上部外枠212aと、中間外枠212bとを含んで構成されている。上部外枠212aは、ラックブロック340の上部支持格子345と同じ高さに設けられ、上部支持格子345に対向して設けられる。また、中間外枠212bは、ラックブロック340の中間支持格子347と同じ高さに設けられ、中間支持格子347に対向して設けられる。
次に、図15及び図16を参照して、外枠212について説明する。なお、図15及び図16示す外枠212は、上部外枠212aであり、上部外枠212aと中間外枠212bとは、同様の構成であることから、上部外枠212aに適用して説明する。
図15及び図16に示すように、上部外枠212aは、複数の分割外枠215と、複数の締結部材216とを有し、複数の分割外枠215を複数の締結部材216でそれぞれ連結することで、方形の枠状に形成される。複数の分割外枠215は、外枠本体215aと、外枠本体215aの両側に設けられるフランジ部215bとを含んで構成されている。締結部材216は、ボルト及びナットで構成され、隣接する一方の分割外枠215における一方のフランジ部215bと、隣接する他方の分割外枠215における他方のフランジ部215bとを締結する。
複数の固定金具210は、隣接するラックブロック340同士を接続するものであり、外枠212と同じ高さに設けられる。具体的に、複数の固定金具210は、ラックブロック340同士の間隙に設けられ、水平面内において間隙が延在する方向に沿って、所定の間隔を空けて複数設けられている。
各固定金具210は、図14に示すハンマー220により衝撃(外力)が与えられることで、隣接するラックブロック340同士の間隙が広がるように変形し、ラックブロック340同士の間を突っ張って配置される。具体的に、図13に示すように、各固定金具210は、鋼板を屈曲して形成されている。つまり、各固定金具210は、屈曲することで形成される屈曲部210aと、屈曲部210aを挟んで一方側の部位となる上板部210bと、屈曲部210aを挟んで他方側の部位となる下板部210cとを含んで構成されている。この固定金具210は、上板部210bを上方側に位置させ、下板部210cを下方側に位置させた縦置き状態で、ラックブロック340同士の間隙に配置される。
また、固定金具210の上板部210bには、その一部を切り欠いて、下板部210c側に折り曲げた折曲部210dが形成され、また、上板部210bには、折曲部210dが形成されることにより開口する切欠開口部210eが形成されている。この折曲部210dは、ハンマー220によって与えられる衝撃を受けている。
複数の受け板211は、図13に示すように、ラックブロック340同士の間隙に設けられ、複数の固定金具210に対応して設けられている。各受け板211は、方形状の鋼板で構成され、各固定金具210の下方側に設けられ、固定金具210を受けている。つまり、受け板211は、外枠212とほぼ同じ高さに設けられる。具体的に、受け板211は、隣接するラックブロック340同士の間隙に設けられる対向する2つの支持格子345,347上に設けられている。ここで、各支持格子345,347は、断面L字形状のアングル材を用いていることから、一方のラックブロック340に設けられる支持格子345,347の一部は、他方のラックブロック340に向かって水平方向に突出し、同様に、他方のラックブロック340に設けられる支持格子345,347の一部は、一方のラックブロック340に向かって水平方向に突出する。このため、ラックブロック340同士の間隙において、2つの支持格子345,347の一部は、隙間を空けて対向している。そして、受け板211は、一部が水平方向に突出する2つの支持格子345,347の上面(設置面)に設置されている。
次に、図14を参照して、固定金具210に衝撃を与えるハンマー220について説明する。このハンマー220は、受け板211に縦置き状態で設置された固定金具210に衝撃を与えて、固定金具210を変形させるものである。
図14に示すように、ハンマー220は、シャフト221と、シャフト221の先端に設けられる突起222と、シャフト221に沿って移動可能な錘223と、錘223の位置を規制するストッパ234及びリブ235と、シャフト221の基端に設けられる連結部236とを有している。
シャフト221は、円柱形状に形成され、その延在する方向が長手方向となっており、長手方向が鉛直方向となるように配置される。シャフト221は、長手方向における長さが、ラックブロック340同士の間隙に配置される固定金具210に到達可能な長さとなっている。また、シャフト221の直径は、ラックブロック340同士の間隙において、対向する2つの支持格子345,347の間よりも細く形成されている。なお、シャフト221は、円柱形状に限定されず、楕円柱形状または角柱形状に形成してもよい。この場合においても、楕円柱形状のシャフト221の短径、または、角柱形状のシャフト221の短辺は、ラックブロック340同士の間隙において、対向する2つの支持格子345,347の間よりも細く形成されている。
突起222は、鉛直方向が長手方向となるように配置されるシャフト221の下端部(先端部)に設けられ、シャフト221の直径よりも小さな直径に形成されている。この突起222は、固定金具210の折曲部210dに当てられる。
ストッパ234は、シャフト221の長手方向における所定の位置に取り付けられている。このストッパ234は、固定金具210を変形させる際に、燃料貯蔵ラック335の上方側に位置するように、シャフト221に取り付けられる。ストッパ234は、シャフト221の径方向に突出する円環状に形成されている。リブ235は、ストッパ234の先端側(突起222側)に設けられ、シャフト221とストッパ234とを連結している。錘223は、ストッパ234の基端側に設けられ、中心に挿通穴223aが貫通形成される円環状に形成されている。錘223は、挿通穴223aにシャフト221が挿通されることで、シャフト221の長手方向に移動可能となっている。連結部236は、鉛直方向が長手方向となるように配置されるシャフト221の上端部(基端部)に設けられる。連結部236は、燃料貯蔵設備131に設けられる天井クレーン132に連結可能となっており、シャフト221の長手方向が径方向となる円環形状に形成されているアイボルトである。
このように構成されるハンマー220は、その連結部236が天井クレーン132に吊り下げられた状態で、突起222が固定金具210の折曲部210dに当てられる。この状態から、錘223をシャフト221の上端部に移動させた後、錘223を自由落下させる。自由落下した錘223は、ストッパ234に衝突し、衝突により発生する衝撃は、ストッパ234、シャフト221及び突起222を介して、固定金具210に伝達される。
受け板211に縦置きされた固定金具210は、ハンマー220によって衝撃が与えられると、上板部210bと下板部210cとが近づく方向に変形する。このため、変形する固定金具210は、その屈曲部210aが一方のラックブロック340に押し当たり、上板部210b及び下板部210cの端部が他方のラックブロック340に押し当たることで、ラックブロック340同士の間隙を広げる。
複数の連結部材213は、上部外枠212aと、上部外枠212aに対向する燃料貯蔵ピット133の壁面133bとの間に設けられ、上部外枠212aに一体に取り付けられている。この連結部材213は、燃料貯蔵ピット133側となる先端部に楔部材が挿入されることで、上部外枠212aと燃料貯蔵ピット133との間が広がるように突っ張る伸長機構となっている。
具体的に、図15及び図16に示すように、各連結部材213は、本体部251と、回動部252と、締結部253とを含んで構成され、支点、力点及び作用点を有する3点支持の構造となっている。
本体部251は、上部外枠212aから燃料貯蔵ピット133の壁面133bへ向かって突出して設けられている。また、本体部251は、燃料貯蔵ピット133側となる先端部と燃料貯蔵ピット133の壁面133bとの間に、隙間を空けて設けられている。本体部251は、その上面から突出する突起251aが設けられ、この突起251aが支点となっている。
回動部252は、本体部251の上方に設けられると共に、本体部251に沿って設けられる。回動部252は、上部外枠212a側となる基端部が、本体部251の突起251aに接して配置され、燃料貯蔵ピット133側となる先端部が、本体部251と燃料貯蔵ピット133との間の隙間に挿入可能に配置される。そして、回動部252は、本体部251と燃料貯蔵ピット133との間の隙間に挿入される先端部が、本体部251と燃料貯蔵ピット133との隙間を広げる楔部252aとなっており、この楔部252aが作用点となっている。この楔部252aは、上方側から下方側に向かって先細りとなる三角形状となっている。この回動部252は、支点となる突起251aを中心に回動可能となっている。
締結部253は、ボルト253a及びナット253bで構成される締結部材であり、本体部251と回動部252を締結する。締結部253は、支点となる突起251aと、作用点となる楔部252aとの間に設けられ、力点となっている。締結部253は、本体部251と回動部252を締結することで、本体部251に対して回動部252を回動させる。また、ボルト253aと回動部252との間には、座金253cが設けられている。座金253cは、回動部252の回動によるボルト253aの水平移動を許容すべく、回動部252に接する面が曲面となる、半円柱形状に形成されている。
このような連結部材213が燃料貯蔵ピット133の側面133bに対向して配置された状態で、連結部材213の締結部253が締結されると、回動部252が支点を中心に回動し、回動部252の楔部252aが、本体部251と燃料貯蔵ピット133との間の隙間に挿入される。このため、楔部252aは、本体部251と燃料貯蔵ピット133との間隙を広げる。よって、連結部材213は、燃料貯蔵ピット133の壁面133bと上部外枠212aとの間を突っ張って固定される。
なお、実施形態2において、複数の連結部材213は、上部外枠212aに設けたが、この構成に特に限定されず、中間外枠212bに設けてもよい。また、座金253cは、半円柱形状に形成したが、ボルト253aの水平移動を許容可能な形状であれば、いずれの形状であってもよく、例えば、半球形状であってもよい。なお、連結部材213の本体部251には、ボルト253aを挿通させるためのボルト挿通孔を有しているが、このボルト挿通孔の形状は長穴とすることが好ましい。また、本体部251に設けられている突起251aは、回動部252の楔部252aの下面に設けてもよい。
次に、上記のように構成される補強構造物200の燃料貯蔵ピット133への取り付けについて説明する。先ず、補強構造物200の複数の外枠212を、複数のラックブロック340の外周を取り囲むように取り付ける。このとき、複数の外枠212のうち、上部外枠212aが上部支持格子345と対向するように、また、中間外枠212bが中間支持格子347と対向するように、複数のラックブロック340を取り囲んで取り付けられる。
続いて、固定金具210及び受け板211を、ラックブロック340同士の間隙に設置する。具体的に、ラックブロック340同士の間隙において、受け板211を、一部が水平方向に突出する2つの支持格子345,347上に設置する。この後、固定金具210を、受け板211上に設置する。この後、ハンマー220を用いて、固定金具210に衝撃を与えて変形させることにより、固定金具210は、ラックブロック340同士を突っ張って固定される。
次に、複数の連結部材213の締結部253が締結されることで、連結部材213は、燃料貯蔵ピット133の壁面133bと上部外枠212aとの間を突っ張って固定される。よって、補強構造物200は、燃料貯蔵ラック335の上部を、燃料貯蔵ピット133に固定することで、燃料貯蔵ラック335が補強される。
以上のように、実施形態2によれば、燃料貯蔵ラック335の上部を、上部外枠212a及び連結部材213を介して、燃料貯蔵ピット133の壁面133bに接続することができ、また、固定金具210によりラックブロック340同士を接続することができる。このため、燃料貯蔵ラック335の上部の振動を抑制することができるため、想定地震力に耐え得るように、既設の燃料貯蔵ラック335を補強することができる。
また、実施形態2によれば、複数の固定金具210を、ラックブロック340同士の間隙に突っ張らせることで、ラックブロック340の間の剛性を高めつつ、簡単に接続することができる。
また、実施形態2によれば、縦置きされる固定金具210をハンマー220により変形させることで、簡単に固定金具210を、ラックブロック340同士の間隙に突っ張らせることができる。
また、実施形態2によれば、ラックブロック340同士の間隙に受け板211を配置することで、固定金具210が受け板211に受けられた状態で、固定金具210を安定的に変形させることができるため、間隙を適切に広げることができる。
また、実施形態2によれば、固定金具210に折曲部210dを形成することで、折曲部210dにおいてハンマー220の衝撃を適切に受けることができる。このため、固定金具210を適切に変形させることができ、間隙を適切に広げることができる。
また、実施形態2によれば、支点、力点及び作用点を有する3点支持の構造となる連結部材213を用いることで、締結部253を締結することにより、連結部材213を、燃料貯蔵ピット133の壁面133bと上部外枠212aとの間隙が広がるように、簡単に突っ張らせることができる。
なお、実施形態2では、複数の外枠212として、上部外枠212aと中間外枠212bとを設けたが、複数のラックブロック340の下部側の外周を取り囲む下部外枠を設けてもよく、少なくとも上部外枠212aを含む構成であれば、特に限定されない。
また、固定金具210の折曲部210dには、ハンマー220の突起222が挿入される突起挿入孔を貫通形成してもよい。
また、実施形態2の固定金具210に代えて、図17に示す固定金具410を適用してもよい。図17は、固定金具の他の一例を示す側面図である。図17に示す固定金具410は、鋼板を屈曲して形成されている。つまり、固定金具410は、屈曲することで形成される屈曲部410aと、屈曲部410aを挟んで一方側の部位となる天板部410bと、屈曲部410aを挟んで他方側の部位となる底板部410cとを含んで構成されている。なお、固定金具410の折曲部410d及び切欠開口部410eについては、固定金具210と同様であるため、説明を省略する。
この固定金具410は、その底板部410cが、ラックブロック340同士の間隙において、一部が水平方向に突出する2つの支持格子345,347の上面(設置面)に設置されている。このため、固定金具410の下方側に、受け板211を設ける必要がなく、受け板211を省くことができる。
固定金具410は、ハンマー220によって衝撃が与えられると、天板部410bが底板部410cに近づく方向に変形する。そして、変形する固定金具410は、その屈曲部410aが一方のラックブロック340に押し当たり、天板部410bの端部が他方のラックブロック340に押し当たることで、ラックブロック340同士の間隙を広げる。
以上のように、上記の固定金具410によれば、固定金具410をハンマー220により変形させることで、簡単に固定金具410を、ラックブロック340同士の間隙に突っ張らせることができる。このとき、受け板211を設置する必要がないことから、補強構造物200の取付をより簡単に行うことができる。
また、実施形態2の固定金具210に代えて、図18に示す固定金具420を適用してもよい。図18は、固定金具の他の一例を示す側面図である。図18に示す固定金具420は、厚みが一定となる鋼板を用いて形成されている。この固定金具420には、固定金具210と同様に、折曲部420d及び切欠開口部420eが形成されている。
この固定金具420は、ラックブロック340同士の間隙において、一方側を上方側に位置させ、他方側を下方側に位置させた状態で、2つの支持格子345,347の上面(設置面)に設置されている。このとき、固定金具420の下方側には、受け板211を設けてもよいし、受け板211を設けなくてもよく、特に限定されない。
固定金具420は、ハンマー220によって衝撃が与えられると、上方側となる一方側が下方側に移動することで、ラックブロック340同士の間隙を広げる。
以上のように、上記の固定金具420によれば、ハンマー220により固定金具420に衝撃を与えることで、簡単に固定金具420を、ラックブロック340同士の間隙に突っ張らせることができる。
また、実施形態2の固定金具210に代えて、図19に示す固定金具430を適用してもよい。図19は、固定金具の他の一例を示す側面図である。図19に示す固定金具430は、厚みが一方側から他方側に向かって厚くなる鋼板で形成されている。この固定金具430には、固定金具420と同様に、折曲部430d及び切欠開口部430eが形成されている。
この固定金具430は、ラックブロック340同士の間隙において、厚みが薄い一方側を上方側に位置させ、厚みが厚い他方側を下方側に位置させた状態で、2つの支持格子345,347の上面(設置面)に設置されている。このとき、固定金具430の下方側には、受け板211を設けてもよいし、受け板211を設けなくてもよく、特に限定されない。
固定金具430は、ハンマー220によって衝撃が与えられると、上方側となる一方側が下方側に移動することで、ラックブロック340同士の間隙を広げる。このとき、固定金具430の一方側は、厚みが薄いことから、変形し易いものとなる。
以上のように、上記の固定金具430によれば、ハンマー220によって衝撃が与えられることにより、固定金具430からラックブロック340に対して過剰な荷重が与えられたとしても、固定金具430の一方側が変形することで、ラックブロック340に対して過剰な荷重が加わることを抑制することができる。
また、実施形態2の固定金具210に代えて、図20に示す固定金具440を適用してもよい。図20は、固定金具の他の一例を示す側面図である。図20に示す固定金具440は、鋼板を屈曲して形成されている。つまり、固定金具440は、屈曲することで形成される屈曲部440aと、屈曲部440aを挟んで一方側の部位となる左板部440bと、屈曲部440aを挟んで他方側の部位となる右板部440cとを含んで構成されている。また、屈曲部440aには、ハンマー220の突起222が挿入される突起挿入孔440dが貫通形成されている。
この固定金具440は、ラックブロック340同士の間隙において、左板部440bを水平方向の一方側に位置させ、右板部440cを水平方向の他方側に位置させた横置き状態で、屈曲部440aが上方側となるように、2つの支持格子345,347の上面(設置面)に設置されている。このとき、固定金具440の下方側には、受け板211を設けてもよいし、受け板211を設けなくてもよく、特に限定されない。
固定金具440は、ハンマー220によって屈曲部440aに衝撃が与えられると、左板部440bと右板部440cとが広がる方向に変形する。そして、変形する固定金具440は、その左板部440bが一方のラックブロック340に押し当たり、右板部440cが他方のラックブロック340に押し当たることで、ラックブロック340同士の間隙を広げる。
以上のように、上記の固定金具440によれば、固定金具440をハンマー220により変形させることで、簡単に固定金具440を、ラックブロック340同士の間隙に突っ張らせることができる。
なお、固定金具210,410,420,430においては、固定金具440の突起挿入孔440dと同様に、固定金具210,410,420,430の折曲部210d,410d,420d,430dに、突起挿入孔を設けてもよい。突起挿入孔には、ハンマー220のシャフト221の先端に設けられている突起222が挿入される。なお、突起挿入孔は突起222の横断面形状よりも広く、シャフト221の横断面形状よりも狭く設定される。
また、実施形態2の固定金具210に代えて、図21に示す固定金具450を適用してもよい。図21は、固定金具の他の一例を示す側面図である。図21に示す固定金具450は、屈曲させた鋼板(板材)451と、鋼板451を変形させる締結部材455と、を有する。
鋼板451は、屈曲することで形成される屈曲部451aと、屈曲部451aを挟んで一方側の部位となる左板部451bと、屈曲部451aを挟んで他方側の部位となる右板部451cとを含んで構成されている。また、屈曲部451aには、後述する締結部材455のボルト452が挿通されるボルト挿通孔451dが貫通形成されている。
締結部材455は、ラックブロック340同士の間隙に設けられる受け板453と、受け板453に締結されるボルト452とを含んで構成されている。受け板453には、ボルト452が締結される締結孔453aが形成されている。
この固定金具450は、ラックブロック340同士の間隙において、受け板453が2つの支持格子345,347の上面(設置面)に設置される。この後、固定金具450は、鋼板451が受け板453上に設置される。このとき、鋼板451は、左板部451bを水平方向の一方側に位置させ、右板部451cを水平方向の他方側に位置させた横置き状態で、屈曲部451aが上方側となるように、受け板453上に設置される。そして、固定金具450は、ボルト452が、鋼板451のボルト挿通孔451dに挿通されると共に、受け板453の締結孔453aに締結される。固定金具450は、ボルト452が締結されると、鋼板451の左板部451bと右板部451cとが広がる方向に変形する。そして、変形する鋼板451は、その左板部451bが一方のラックブロック340に押し当たり、右板部451cが他方のラックブロック340に押し当たることで、ラックブロック340同士の間隙を広げる。
以上のように、上記の固定金具450によれば、ボルト452を締結することで、簡単に固定金具450を、ラックブロック340同士の間隙に突っ張らせることができる。
また、実施形態2の固定金具210に代えて、図22に示す固定金具460を適用してもよい。図22は、固定金具の他の一例を示す側面図である。図22に示す固定金具460は、屈曲させた鋼板(板材)461と、鋼板461を変形させる締結部材465と、を有する。
鋼板461は、固定金具210とほぼ同様となる屈曲部461aと、上板部461bと、下板部461cとを含んで構成され、縦置き状態で、ラックブロック340同士の間隙に配置される。鋼板461の上板部461b及び下板部461cには、固定金具210と同様に、折曲部461d及び折曲部461fが形成されている。また、上板部461bには、折曲部461dが形成されることにより開口する切欠開口部461eが形成され、下板部461cには、折曲部461fが形成されることにより開口する切欠開口部461gが形成される。また、折曲部461d及び折曲部461fには、締結部材465のボルト462が挿通されるボルト挿通孔461h,461iがそれぞれ貫通形成されている。
締結部材465は、ボルト462及びナット463を含んで構成されている。ボルト462は、鋼板461のボルト挿通孔461h,461iに挿通された状態で、その先端部にナット463が締結される。
この固定金具460は、ラックブロック340同士の間隙において、鋼板461が縦置きに設置され、締結部材465が締結されることで、上板部461bと下板部461cとが近づく方向に変形する。このため、固定金具460の鋼板461は、その屈曲部461aが一方のラックブロック340に押し当たり、上板部461b及び下板部461cの端部が他方のラックブロック340に押し当たることで、ラックブロック340同士の間隙を広げる。
以上のように、上記の固定金具460によれば、ボルト462を締結することで、簡単に固定金具460を、ラックブロック340同士の間隙に突っ張らせることができる。
また、実施形態2のハンマー220は、シャフト221の先端部に突起222を設けた構成となっていたが、図23に示すハンマー220を適用してもよい。図23は、ハンマーの他の一例を示す側面図である。図23に示すハンマー220は、シャフト221の先端部に複数の突起242を設けた構成となっている。具体的に、ハンマー220は、シャフト221の先端に設けられる棒部材240と、リブ241と、複数の突起242とを含んで構成されている。
棒部材240は、シャフト221の径方向に延びて設けられる。リブ241は、棒部材240の基端側に設けられ、棒部材240とシャフト221とを連結している。突起242は、棒部材240が延在する方向(シャフト221の径方向)に沿って、所定の間隔を空けて配置されている。なお、上記の固定金具210,410,420,430,440は、ハンマー220の先端形状に応じて、複数の突起242により変形可能な形状とすることが好ましい。
以上のように、図23に示すハンマー220を用いることで、複数の突起242を固定金具210,410,420,430,440に当てた状態で、固定金具210,410,420,430,440に衝撃を与えることができるため、衝撃を分散して固定金具210,410,420,430,440に伝達することができる。このため、固定金具210,410,420,430,440を均等に変形させることができる。
上記した実施形態2によれば、燃料貯蔵セル141の上端を塞ぐことなく、すべての燃料貯蔵セル141に燃料集合体を貯蔵することができる。
また、実施形態2の補強構造物200では、ラックブロック340同士の間隙を、複数の固定金具210を用いて接続したが、図24に示す補強構造物550としてもよい。図24に示す補強構造物550は、複数の固定金具210の他、一対の架構551及び連結部材552を用いて、ラックブロック340同士を接続している。
一対の架構551は、隣接する2つのラックブロック340の対向する2つの燃料貯蔵セル341にそれぞれ収容されている。つまり、一対の架構551のうち、一方の架構551は、一方のラックブロック340に設けられる1つの燃料貯蔵セル341に収容され、他方の架構551は、他方のラックブロック340に設けられ、一方の架構551が収容された燃料貯蔵セル341に対向する、1つの燃料貯蔵セル341に収容されている。
各架構551は、燃料貯蔵セル341の内部において鉛直方向に延びて設けられる架構本体551aと、架構本体551aの上端部に設けられるフランジ部551bと、を有している。隣接する一対の架構551の2つのフランジ部551bは、連結部材552によって締結される。連結部材552は、例えば、ボルト及びナットにより構成される締結部材である。
複数の固定金具210は、各架構551が収容される各燃料貯蔵セル341内に設けられ、各架構551と各燃料貯蔵セル341の内面との間隙に設けられる。各固定金具210は、複数の外枠212と同じ高さに設けられ、各架構551と各燃料貯蔵セル341の内面と間隙が広がるように突っ張って固定される。なお、固定金具210は、図13に示すものと同様であるため説明を省略する。
以上のように、上記の補強構造物550によれば、一対の架構551及び連結部材552により、ラックブロック340同士を接続することができ、また、複数の固定金具210を、一対の架構551と燃料貯蔵セル341の内面とのそれぞれの間隙に突っ張らせることで、ラックブロック340の間の剛性を簡単に高めることができる。
10 補強構造物
11 支持フレーム
12 固定部
13 上部支持部
14 フレーム接続部
15 下部支持部
17 貫通孔
21 突出部材
22 楔部材
23 位置規制部材
60 衝撃吸収格子
71 本体部
72 板バネ
100 原子力発電プラント
111 原子炉格納容器
112 加圧水型原子炉
130 燃料取扱建屋
131 燃料貯蔵設備
132 天井クレーン
133 燃料貯蔵ピット
134 スキッド
135 燃料貯蔵ラック
140 ラックブロック
141 燃料貯蔵セル
142 ラック本体
200 補強構造物(実施形態2)
210,410,420,430,440,450,460 固定金具
211 受け板
212 外枠
212a 上部外枠
213 連結部材
220 ハンマー
251 本体部
252 回動部
253 締結部
335 燃料貯蔵ラック
340 ラックブロック
341 燃料貯蔵セル
342 ラック本体
345 上部支持格子
346 下部支持格子
347 中間支持格子
551 架構
552 連結部材

Claims (23)

  1. 燃料貯蔵ピットの床面に配置される燃料貯蔵ラックを補強する燃料貯蔵ラックの補強構造物であって、
    前記燃料貯蔵ラックは、上端の開口部から燃料集合体を収容する燃料貯蔵セルと、前記燃料貯蔵セルを複数束ねるラック本体と、を有する単体または複数のラックブロックを含んで構成されており、
    複数の前記燃料貯蔵セルのうち、単体または複数の前記ラックブロックの最外周に位置する複数の前記燃料貯蔵セルの上方に設けられる支持フレームと、
    前記支持フレームの下方に位置する複数の前記燃料貯蔵セルのうち、いずれかの前記燃料貯蔵セルに上端の開口部から収容され、前記燃料貯蔵セルに固定される固定部と、
    前記支持フレームと、前記支持フレームと対向する前記燃料貯蔵ピットの壁面と、の間に設けられ、前記支持フレームと前記燃料貯蔵ピットとを連結する上部支持部と、を備え、
    前記支持フレーム、前記固定部及び前記上部支持部は、一体に設けられていることを特徴とする燃料貯蔵ラックの補強構造物。
  2. 前記ラックブロックが複数設けられる場合、
    前記支持フレームは、複数の前記ラックブロックのそれぞれに設けられ、
    隣接する前記支持フレーム同士を接続するフレーム接続部を、さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の燃料貯蔵ラックの補強構造物。
  3. 前記燃料貯蔵ラックは、前記燃料貯蔵ピットの床面上に配置したスキッド上に設けられ、
    前記スキッドと、前記スキッドと対向する前記燃料貯蔵ピットの壁面と、の間に設けられ、前記スキッドと前記燃料貯蔵ピットとを連結する下部支持部を、さらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料貯蔵ラックの補強構造物。
  4. 前記固定部は、
    前記支持フレームに固定され、前記支持フレームから前記燃料貯蔵セルの内部へ向かって突出する突出部材と、
    前記燃料貯蔵セルの内面と前記突出部材との間において、前記突出部材の突出方向に移動自在に設けられ、前記突出部材に対して上方側に移動することで、前記燃料貯蔵セルの内面と前記突出部材との間が広がるように突っ張る楔部材と、
    前記楔部材の位置を規制する位置規制部材と、を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の燃料貯蔵ラックの補強構造物。
  5. 前記燃料貯蔵セルは、四方の側壁を有する角筒形状に形成され、
    前記突出部材は、突出方向の先端部が、下方側を頂部として四方の側面を有する四角錐形状に形成され、
    前記楔部材は、前記突出部材の先端部の四方の側面に対向して4つ設けられ、
    4つの前記楔部材は、前記燃料貯蔵セルの四方の側壁と前記突出部材の先端部の四方の側面との間が広がるように、それぞれ突っ張ることを特徴とする請求項4に記載の燃料貯蔵ラックの補強構造物。
  6. 前記支持フレームは、前記固定部が収容されない前記燃料貯蔵セルの上方側の部位において、前記燃料集合体を挿通可能な貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の燃料貯蔵ラックの補強構造物。
  7. 前記ラックブロックが複数設けられる場合、
    前記支持フレームは、複数の前記ラックブロックの最外周に位置する複数の前記燃料貯蔵セルの上方に設けられ、
    隣接する前記ラックブロック同士を接続するブロック接続部を、さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の燃料貯蔵ラックの補強構造物。
  8. 前記上部支持部は、前記固定部が収容される前記燃料貯蔵セルの上方側の前記支持フレームの部位に設けられていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の燃料貯蔵ラックの補強構造物。
  9. 上方に前記支持フレームが配置されない複数の前記燃料貯蔵セルの間に格子状に設けられ、重量物の落下による衝撃を吸収する衝撃吸収格子を、さらに備えることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の燃料貯蔵ラックの補強構造物。
  10. 燃料貯蔵ピットの床面に配置される燃料貯蔵ラックを補強する燃料貯蔵ラックの補強構造であって、
    前記燃料貯蔵ラックは、上端の開口部から燃料集合体を収容する燃料貯蔵セルと、前記燃料貯蔵セルを複数束ねるラック本体と、を有する複数のラックブロックを含んで構成されており、
    複数の前記ラックブロックの上部側の外周を取り囲んで設けられ、複数の前記ラックブロックを束ねる上部外枠と、
    隣接する前記ラックブロック同士を接続する接続部と、
    前記上部外枠と、前記上部外枠と対向する前記燃料貯蔵ピットの壁面と、の間に設けられ、前記上部外枠と前記燃料貯蔵ピットとを連結する連結部材と、を備えることを特徴とする燃料貯蔵ラックの補強構造物。
  11. 前記接続部は、
    前記ラックブロック同士の間隙に設けられ、隣接する前記ラックブロック同士の前記間隙が広がるように突っ張る複数の固定部材を有することを特徴とする請求項10に記載の燃料貯蔵ラックの補強構造物。
  12. 前記接続部は、
    隣接する2つの前記ラックブロックのうち、一方の前記ラックブロックの前記燃料貯蔵セルに収容される一方の架構と、一方の前記ラックブロックの前記燃料貯蔵セルに対向する、他方の前記ラックブロックの前記燃料貯蔵セルに収容される他方の架構とを含む一対の架構と、
    一対の前記架構を連結する連結部材と、
    一方の前記架構と前記燃料貯蔵セルの内面との間隙、及び他方の前記架構と前記燃料貯蔵セルの内面との間隙にそれぞれ設けられ、一方の前記架構と前記燃料貯蔵セルの内面との前記間隙、及び他方の前記架構と前記燃料貯蔵セルの内面との前記間隙が広がるように突っ張る複数の固定部材と、を有することを特徴とする請求項10に記載の燃料貯蔵ラックの補強構造物。
  13. 前記固定部材は、板材を屈曲させることで形成される屈曲部の両側が上板部と下板部となるように形成したものであり、前記間隙において、前記上板部を上方側に位置させ、前記下板部を下方側に位置させた縦置き状態で、前記上板部と前記下板部とが近づく方向に変形することで、前記間隙を広げることを特徴とする請求項11または12に記載の燃料貯蔵ラックの補強構造物。
  14. 前記固定部材は、板材を屈曲させることで形成される屈曲部の両側が左板部と右板部となるように形成したものであり、前記間隙において、前記左板部を水平方向の一方側に位置させ、前記右板部を水平方向の他方側に位置させた横置き状態で、前記左板部と前記右板部とが広がる方向に変形することで、前記間隙を広げることを特徴とする請求項11または12に記載の燃料貯蔵ラックの補強構造物。
  15. 前記固定部材は、板材を屈曲させることで形成される屈曲部の両側が底板部と天板部となるように形成したものであり、前記間隙に形成される設置面上に、前記底板部を設置させた状態で、前記天板部が前記底板部に近づく方向に変形することで、前記間隙を広げることを特徴とする請求項11または12に記載の燃料貯蔵ラックの補強構造物。
  16. 前記固定部材は、厚みが一定となる板材であり、前記間隙において、前記板材の一方側を上方側に位置させ、前記板材の他方側を下方側に位置させた状態で、前記板材の一方側を上方側から下方側に移動することで、前記間隙を広げることを特徴とする請求項11または12に記載の燃料貯蔵ラックの補強構造物。
  17. 前記固定部材は、厚みが一方側から他方側に向かって厚くなる板材であり、前記間隙において、厚みが薄い前記板材の一方側を上方側に位置させ、厚みが厚い前記板材の他方側を下方側に位置させた状態で、前記板材の一方側を上方側から下方側に移動するように変形することで、前記間隙を広げることを特徴とする請求項11または12に記載の燃料貯蔵ラックの補強構造物。
  18. 前記間隙に設けられ、前記間隙に配置される前記固定部材を受ける受け板を、さらに備えることを特徴とする請求項11から17のいずれか1項に記載の燃料貯蔵ラックの補強構造物。
  19. 前記固定部材は、前記固定部材の一部を折り曲げて形成され、変形時に与えられる外力を受ける折曲部を有することを特徴とする請求項11から18のいずれか1項に記載の燃料貯蔵ラックの補強構造物。
  20. 前記固定部材は、
    屈曲させた板材と、
    前記板材に締結力を与えて、前記間隙を広げるように、前記板材を変形させる締結部材と、を有することを特徴とする請求項11または12に記載の燃料貯蔵ラックの補強構造物。
  21. 前記締結部材は、
    前記間隙に設けられ、前記間隙に配置される前記板材を受ける受け板と、
    前記受け板に締結されるボルトと、を含んで構成され、
    前記板材は、前記受け板に受けられた状態で、前記ボルトにより前記受け板に締結されることで、前記間隙を広げるように変形することを特徴とする請求項20に記載の燃料貯蔵ラックの補強構造物。
  22. 前記締結部材は、ボルトとナットとを含んで構成され、
    前記板材は、前記締結部材により、屈曲した屈曲部の両側が閉じる方向に締結されることで、前記間隙を広げるように変形することを特徴とする請求項20に記載の燃料貯蔵ラックの補強構造物。
  23. 前記連結部材は、
    支点を有すると共に、前記燃料貯蔵ピットの壁面との間に隙間を空けて配置される本体部と、
    前記支点を中心に回動し、前記隙間に挿入される作用点となる楔部を有する回動部と、
    前記支点と前記作用点との間に設けられ、前記本体部と前記回動部とを締結する締結部材と、を有し、
    前記締結部材により前記本体部と前記回動部とが締結され、前記楔部が前記隙間に挿入されることで、前記燃料貯蔵ピットの壁面と前記上部外枠との間隙が広がるように突っ張ることを特徴とする請求項10から22のいずれか1項に記載の燃料貯蔵ラックの補強構造物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108735318A (zh) * 2018-06-04 2018-11-02 江苏核电有限公司 一种pwr燃料组件贮存栅元的不锈钢硼铝复合板及制造方法
JP2019007792A (ja) * 2017-06-22 2019-01-17 三菱重工業株式会社 核燃料貯蔵設備
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