JP6484065B2 - 使用済燃料ラックおよび原子力発電プラントならびに使用済燃料ラックの運用方法 - Google Patents

使用済燃料ラックおよび原子力発電プラントならびに使用済燃料ラックの運用方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6484065B2
JP6484065B2 JP2015034934A JP2015034934A JP6484065B2 JP 6484065 B2 JP6484065 B2 JP 6484065B2 JP 2015034934 A JP2015034934 A JP 2015034934A JP 2015034934 A JP2015034934 A JP 2015034934A JP 6484065 B2 JP6484065 B2 JP 6484065B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spent fuel
fuel rack
rack
dynamic vibration
spent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015034934A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016156716A (ja
Inventor
芳郎 浪田
芳郎 浪田
唯司 飯島
唯司 飯島
成良 岩倉
成良 岩倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Original Assignee
Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi GE Nuclear Energy Ltd filed Critical Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Priority to JP2015034934A priority Critical patent/JP6484065B2/ja
Publication of JP2016156716A publication Critical patent/JP2016156716A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6484065B2 publication Critical patent/JP6484065B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Description

本発明は、より一層の耐震健全性を確保することができる高耐震の使用済燃料ラックおよび原子力発電プラントならびに使用済燃料ラックの運用方法に関するものである。
原子力発電プラントの原子炉建屋内には、圧力容器から取り出した使用済燃料を貯蔵しておく使用済燃料プールがあり、使用済燃料プールの底部には、使用済燃料を貯蔵する使用済燃料ラックが置かれている。使用済燃料プールを有効に利用するため、燃料ラックは狭い隙間で稠密に配置されている。
この燃料ラックは使用済燃料を格納するセルと呼ばれる角管を数十本束ねた構造をしており、燃料ラック全体の断面形状は正方形もしくは長方形である。燃料ラックは燃料プールの基礎に対して底部がボルトで固定されている。燃料プールは水で満たされており、燃料ラックは水没した状態にある。
巨大地震が近年多発しており、原子力発電プラントの耐震安全性をより一層確保することは重要な課題である。上述した燃料プールは原子炉建屋の上層階にあるため、建屋の振動増幅を受けて燃料ラックに加わる地震加速度はますます大きくなる。特に燃料ラックのセルすべてに燃料が格納されている場合、燃料ラック自体の質量が一番大きくなるため、大きな地震加速度を受けた場合に燃料ラック下部やボルトの応力が大きくなる可能性がある。
これに対する技術としては以下のような文献が挙げられる。
燃料ラックをダンパで支持することにより耐震性を向上させる技術は、特許文献1に示されている。この特許文献1では、使用済燃料を鉛直方向に沿って上方から挿入可能な複数のセルを有し、下部が使用済燃料プールの底部に固定された使用済燃料ラックにて、使用済燃料プールの壁面と使用済燃料ラックの側面との間にダンパ装置を設けている。
また、特許文献2には、使用済燃料を鉛直方向に沿って上方から挿入可能なセル収納部を複数の脚部により使用済燃料プール内に載置可能に構成し、隣接する複数の使用済燃料ラック同士を複数のダンパ装置により連結する技術が示されている。
また、特許文献3には、保管物を収容する収容物を、保管容器の液体中に保管する保管構造であって、保管物を収容する複数の収容物がすべり架構の上に固定されており、このすべり架構の側面と保管容器の内壁面との間に付勢手段が設けられているとともに、収容物の側面それぞれに、その上端部を中心として揺動し得るように構成された平板が取り付けられている技術が示されている。
また、特許文献4には、燃料集合体が収納されるラックセルを多数格納するベースプレート及びセル格納部からなるラック本体部と、ラック本体部を支持する複数のラック脚部とを備えて貯蔵ピット内に整列配置される使用済燃料貯蔵ラックにおいて、ラック脚部が貯蔵ピットの床面に対して摺動可能にラック本体部を支持するとともに、少なくとも一つの燃料集合体が、上下方向に弾性を有する下部弾性部材及び上部弾性部材を介してラック本体部に支持され、下部弾性部材及び上部弾性部材の剛性が、燃料集合体の固有振動数が、ラック本体のロッキングによる固有振動数と一致するように調整されるようにした技術が示されている。
2013−104738号公報 2013−127432号公報 2011−095043号公報 2013−156044号公報
上述の特許文献1−4に記載のように、燃料ラックと燃料プール側壁との間にダンパを設けたり、燃料ラック同士をつなぎ合わせたり、動吸振器を設置して地震荷重を低減させる方法が提案されている。
しかし、特許文献1では、燃料プール側壁にダンパを固定する必要があり、建屋を改造することになるため、対策に多くの費用がかかる。また、特許文献2では、燃料ラック間の実際の隙間を考えると、ダンパを燃料ラックの間に設置することは困難である。その上、ダンパを取付けるために燃料ラックの外枠部に上方に開口する切欠部を設けて、ダンパの端部に設けた嵌合部と着脱する構造となっているが、燃料ラックの外枠部に切欠部を設けるほどの板厚はないため、実施困難である。また、特許文献3では、平板からなる制振装置は燃料ラックの外側面の上端部を中心として揺動するように設置されているため、狭い燃料ラック間に平板からなる制振装置を設置することは困難である。また、特許文献4では、制振する対象がラックの下部を固定しないフリースタンディングラックのロッキング振動であり、制振方向が鉛直方向であり、水平方向に対しては考慮されておらず、水平方向に地震荷重が付加された際に対して対処することが困難である。
このように、これらの特許文献1−4に記載された技術には、地震荷重が大きくなると、底部を固定された使用済燃料ラックの下部やボルトの応力が大きくなる可能性がある、という問題点がある。このため、より一層の耐震信頼性を確保するために使用済燃料ラックの地震応答を更に低減することが求められている。
本発明は、大きな地震入力に対しても地震応答を低減でき、耐震信頼性を増加させることができる使用済燃料ラックおよび原子力発電プラントならびに使用済燃料ラックの運用方法を提供する。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、使用済燃料を上方から挿入および抜き取り可能な複数のセルにより方形に構成された使用済燃料ラックであって、前記使用済燃料ラックの複数のセルのうち、任意のセルに挿入・抜き取り可能に構成された動吸振器を備え、この動吸振器は、外枠と、この外枠に対して一端が固定されたはりと、前記外枠に接しないように前記はりの前記外枠に固定された前記一端とは反対側の端部に設けられた先端質量とを有し、前記はりの水平方向の辺の固有振動数を、前記使用済燃料ラックの前記セル内に前記使用済燃料を最大数挿入した状態での前記使用済燃料ラックの水平方向の辺の固有振動数に同調させることを特徴とする。
本発明によれば、大きな地震入力に対しても使用済燃料ラックの地震応答を低減でき、耐震信頼性を増加させることができる。
本発明の実施例1における原子力発電プラントの概要の一例を示す図である。 本発明の実施例1における使用済燃料ラックのセル内に取付け可能な片持ちはりタイプの動吸振器を設置した高耐震使用済燃料ラックの上面図である。 本発明の実施例1における使用済燃料ラックのセル内に取付け可能な片持ちはりタイプの動吸振器を設置した高耐震使用済燃料ラックの側面図である。 本発明の実施例1における片持ちはりタイプの動吸振器の側面図である。 本発明の実施例2における使用済燃料ラックのセル内に取付け可能な片持ちはりタイプの動吸振器を設置した高耐震使用済燃料ラックの上面図である。 本発明の実施例2における使用済燃料ラックのセル内に取付け可能な片持ちはりタイプの動吸振器を設置した高耐震使用済燃料ラックの他の上面図である。
以下に本発明の使用済燃料ラックおよび原子力発電プラントならびに使用済燃料ラックの運用方法の実施例を、図面を用いて説明する。
<実施例1>
本発明の使用済燃料ラックおよび原子力発電プラントならびに使用済燃料ラックの運用方法の実施例1を、図1乃至図4を用いて説明する。ここでは簡単のため、燃料ラック4体が使用済燃料プール2に置かれている場合について説明する。
図1は本発明に係る原子力発電プラントの概略構成図である。図2は燃料ラックが使用済燃料プールに置かれている場合の上面図である。図3は燃料ラックが使用済燃料プールに置かれている場合の側面図である。図4に片持ちはりタイプの動吸振器の側面図を示す。
図1において、沸騰水型原子力発電プラント21は、大きくは原子炉建屋22とタービン建屋23とから構成されている。
原子炉建屋22の内部には原子炉圧力容器24(以下、圧力容器24という)が中心部に存在し、この圧力容器24は原子炉格納容器25で覆われている。
タービン建屋23の内部にはタービン26が設けられ、このタービン26の回転により発電機27が回転するようになっている。タービン26の下方には復水器28が設けられている。
圧力容器24とタービン26の近傍とは主蒸気管29とで連結されている。また圧力容器24と復水器28とは戻り配管30で連結されている。復水器28には海水を循環するために海水循環配管31が取り付けられており、取水口31aから海水が取り込まれて復水器28を循環した後、散水口31bから海に戻される。
使用済燃料プール2は原子炉格納容器25の上方脇に設けられている。
つまり、沸騰水型原子力発電プラント21は圧力容器24内でウラン燃料が核分裂する際に発生する高温度を利用して水を沸騰させ、この沸騰によって発生する蒸気を主蒸気管30でタービン建屋23内のタービン26に送り込んでタービンを回転させる。回転するタービン26によって発電機27が回転して発電させるものである。
タービン26の回転に使用した蒸気は復水器28で冷却されることによって凝縮されて水に戻り、戻り配管29によって再び圧力容器24内にもどされて蒸気として使用される。
さて、圧力容器24で使用したウラン燃料は約4年で使用済燃料として交換することになる。しかしウラン燃料は再生することで再びウラン燃料として使用することができる。そのため、使用済みとなったウラン燃料棒(以下、使用済燃料棒という)は使用済燃料プール2内において2年〜5年ほど保管されることになる。
図2および図3において、使用済燃料を上方から挿入および抜き取り可能な複数のセル8により方形に構成された複数(本実施の形態では4つ)の使用済燃料ラック1は、側壁3により囲まれた使用済燃料プール2の底部(基礎)3aにボルト3b等により固定されて、使用済燃料プール2内に収められている。使用済燃料プール2は、冷却用の水により満たされており、複数の使用済燃料ラック1は、完全に水中に没するように配置されている。
使用済燃料ラック1は、複数のセル8を縦横方向(図2における左右上下方向)に並べて構成されている。本実施の形態の使用済燃料ラック1においては、例えば、横方向(図2における左右方向)に10個、縦方向(図2における上下方向)に6個のセル8が並べられて構成されている場合について説明する。なお、使用済燃料ラック1に用いるセル8の数は上記に限られるものではなく、使用済燃料プール2の形状や大きさなど使用済燃料ラック1の設置環境に応じて適宜選択するものである。
図2において使用済燃料ラック1の4隅のセル8内に設置されている片持ちはりタイプの動吸振器4は、図4に示すように、外枠7と、この外枠7に対して固定された水平板9と、この水平板9に一端が固定されたことによって外枠7に対して固定された支持はり5と、外枠7に接しないように支持はり5の水平板9に固定された一端とは反対側の端部に設けられた先端質量6とから構成される。この動吸振器4は、使用済燃料ラック1と略同じ高さとなっており、使用済燃料ラック1の上端から突出しないような高さとなっている。
この片持ちはりタイプの動吸振器4は、使用済燃料ラック1内の任意のセル8に挿入したり、挿入されているセル8から引き抜いて別のセル8に移し変えたりすることが可能な構造となっている。
支持はり5の断面は、図2に示すように長方形であり、長辺5bの方向と短辺5aの方向とで剛性が異なる。同様に、使用済燃料ラック1も長方形であり、長辺1bの方向と短辺1aの方向とで異なる固有振動数を持っている。片持ちはりタイプの動吸振器4の支持はり5の長辺5b方向の固有振動数は使用済燃料ラック1の長辺1b方向の固有振動数に同調させてあり、支持はり5の短辺5a方向の固有振動数は使用済燃料ラック1の短辺1a方向の固有振動数に同調させてある。これにより、使用済燃料ラック1の長辺方向と短辺方向の両方向をより効率的に制振することが可能としている。
更に、動吸振器4を最も有効に働かせるために、動吸振器4の固有振動数を使用済燃料ラック1の固有振動数に同調させることが望ましい。すなわち、使用済燃料ラック1は使用済燃料がすべてのセル8に満杯に入っている場合が最も地震荷重が大きくなり、使用済燃料ラック1下部やボルト3bに発生する応力が厳しくなる。このため、動吸振器4の固有振動数は、動吸振器4を含めて使用済燃料がすべてのセル8に満杯に入っている場合の使用済燃料ラック1の固有振動数に同調するように設定することが望ましい。
ここで、使用済燃料ラック1と片持ちはりタイプの動吸振器4は水中にあるため、使用済燃料ラック1と片持ちはりタイプの動吸振器4は水の付加質量を考慮する必要がある。使用済燃料ラック1と片持ちはりタイプの動吸振器4の先端質量6の断面は長方形または正方形であり、使用済燃料ラック1の付加質量Mと片持ちはりタイプの動吸振器4の先端質量6の付加質量mは以下の式で与えられる。
Figure 0006484065
Figure 0006484065
ここで、ρ:水の密度
M:使用済燃料ラック1の質量(使用済燃料ラック1のセル8内に使用済燃料を最大数挿入した状態)
m:動吸振器4の質量
:ラックの断面の振動方向と直交する辺長
:ラックの断面の振動方向と振動方向と直交する辺長の比で決まる定数
:ラックの高さ
:先端質量の断面の振動方向と直交する辺長
:先端質量の断面の振動方向と振動方向と直交する辺長の比で決まる定数
:先端質量の長さ
である。
使用済燃料ラック1と片持ちはりタイプの動吸振器4の質量比をμとすると、μは以下に示す式(3)によって求められる。
Figure 0006484065
ここで、最適同調の条件は、以下に示す式(4)のように、
Figure 0006484065
となる。
また、動吸振器4の最適減衰比ζoptは、
Figure 0006484065
となる。
ここで、
:燃料ラックの短辺方向の剛性
:燃料ラックの長辺方向の剛性
:動吸振器のはりの短辺方向の剛性
:動吸振器のはりの長辺方向の剛性
:動吸振器のはりの短辺方向の減衰係数
:動吸振器のはりの長辺方向の減衰係数
Ω:燃料ラックのn次固有振動数
ω:動吸振器のn次固有振動数
ζ:動吸振器のn次振動モード減衰比
である。
このうち、Ωは式(6)、ωは式(7)、ζは式(8)によって求められる。
Figure 0006484065
Figure 0006484065
Figure 0006484065
従って、動吸振器4の固有振動数は、式(4)に示す最適同調の条件を満足するように設定することが望ましい。動吸振器4の減衰比は最適減衰比に設定するのは困難であり、水中にあることによる粘性減衰による減衰比となる。
ここで、使用済燃料ラック1と動吸振器4との質量比は5%程度必要であるので、動吸振器4の1個の質量でこの値が満足できない場合は、複数個の動吸振器4が必要となる。
使用済燃料が使用済燃料ラック1のセル8の中に長辺方向と短辺方向の中心軸に対して対称となるように入っている場合は、使用済燃料ラック1の振動モードは長辺1b方向または短辺1a方向に振れるモードとなり、ねじれの振動モード等は生じない。従って、動吸振器4を有効に働かせるためには、使用済燃料ラック1の振動モードは長辺1b方向または短辺1a方向に振れるモードである必要があるため、複数個の動吸振器4を用いる場合は、動吸振器4を使用済燃料ラック1の長辺方向と短辺方向の中心軸に対して対称に配置することが望ましい。図2および図3では、必要な動吸振器4の数が4つで、使用済燃料ラック1の4隅に配置した例を示している。
次に、本実施例の効果について説明する。
上述のように、本実施例では、使用済燃料ラック1の地震応答を低減するために、使用済燃料ラック1の各セル8内に動吸振器4を設置する。動吸振器4は使用済燃料ラック1の任意のセル8内に挿入・引き抜き可能なように片持ちはりタイプとした。
よって、大きな地震入力に対しても地震応答を低減できるため、底部を固定された燃料ラック1の下部やボルト3bに発生する応力を小さくすることができ、耐震信頼性を増加させることができるという効果がある。そのうえ、使用済燃料ラック1や燃料プール2の改造を必要とせずに対応することができ、使用済燃料ラック1の板厚や使用済燃料ラック1間の距離、使用済燃料プール2の構造によらず使用済燃料ラック1の耐震性を多額の費用をかけることなく簡易に向上させることができる、との効果も奏する。
また、支持はり5の断面形状を長方形とし、動吸振器4の水平2方向の固有振動数を使用済燃料ラック1の長辺1bと短辺1a方向の水平方向の固有振動数と同調させたことによって、使用済燃料ラック1の長辺1b、短辺1aの水平2方向の振動をより効率的に低減することができ、耐震信頼性をより確実に増加させることができる。
<実施例2>
本発明の使用済燃料ラックおよび使用済燃料ラックの運用方法の実施例2を図5および図6を用いて説明する。図1乃至図4と同じ構成には同一の符号を示し、説明は省略する。以下の実施例においても同様とする。
図5および図6は本発明を実施するための別の形態の燃料ラック1が4体、使用済燃料プール2に置かれている場合の上面図である。
動吸振器の数が4つの場合で説明すると、図5、図6に示すように、使用済燃料ラック1の4隅ではなく、使用済燃料ラック1の長辺1b方向と短辺1a方向の中心軸に対して対称となるように動吸振器4を配置することができる。
このように、使用済燃料ラック1の長辺1b方向と短辺1a方向の中心軸に対して対称となるように動吸振器4を配置することでも、前述した使用済燃料ラックおよび使用済燃料ラックの運用方法の実施例1と同様の効果を得ることができる。
また、動吸振器4の数が2つや4つ以上であっても、上記と同様の考え方で動吸振器4を配置することで、同様の効果を得ることができる。
<実施例3>
本発明の使用済燃料ラックおよび使用済燃料ラックの運用方法の実施例3を説明する。
実施例1でも記載したように、使用済燃料ラック1は、格納した使用済燃料の体数が多いほど使用済燃料ラック1全体の質量は大きくなる。そのため、質量が大きいほど地震慣性力を受けたとき荷重が大きくなり、使用済燃料ラック1の下部を固定した場合、使用済燃料ラック1下部やボルト3bの応力が厳しくなる。
上述の実施例に記載されたような動吸振器4を用いて使用済燃料ラック1の水平方向の振動を制振する場合、使用済燃料ラック1の固有振動数に動吸振器4の固有振動数を同調させることが望ましいが、使用済燃料ラック1に格納されている使用済燃料の体数によって使用済燃料ラック1の固有振動数は異なる。
このため、動吸振器4を用いる場合は、1つの使用済燃料ラック1に格納する使用済燃料の体数は、なるべくどのような状態にあっても同じ体数とすることが望ましい。
ここで、格納した使用済燃料の体数が多い方が使用済燃料ラック1下部やボルト3bの応力が厳しくなるため、動吸振器4を含めて最大数の使用済燃料をできるだけ1つの使用済燃料ラック1で格納するようにする。
また、上述のように、使用済燃料や動吸振器4は、使用済燃料ラック1の振動モードが長辺方向と短辺方向にきれいに分かれてねじりの振動モードが生じないように、長辺方向や短辺方向の中心軸に対して対象となるように配置することが望ましい。
これらのことを考慮すると、使用済燃料ラック1を複数用いて使用済燃料を保管する場合は、使用済燃料ラック1への使用済燃料の格納をできるだけ多くなるよう管理し、余った使用済燃料は別の使用済燃料ラック1に少なめに格納するように運用することが望ましい。すなわち、使用済燃料を複数の使用済燃料ラック1に均等に配置せずに、ある使用済燃料ラック1にできるだけ多くの使用済燃料を挿入し、全てのセル8が埋まった後に次の使用済燃料ラック1のセル8に使用済燃料を挿入するよう使用済燃料を保管する。
なお、格納する使用済燃料の体数が少ない使用済燃料ラック1においては、地震による荷重も小さいために動吸振器4は必ずしも必要でない。
本発明の使用済燃料ラックおよび使用済燃料ラックの運用方法の実施例3においても、前述した使用済燃料ラックおよび使用済燃料ラックの運用方法の実施例1とほぼ同様な効果が得られる。
また、使用済燃料を複数の使用済燃料ラック1に均等に配置せずに、ある使用済燃料ラック1に最大数使用済燃料を挿入した後に次の使用済燃料ラック1のセル8に使用済燃料を挿入するよう使用済燃料を保管することにより、動吸振器4の効果を最大限に生かしながら、大きな地震入力に対しても地震応答を低減でき、耐震信頼性を増加させることができる。
<その他>
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
例えば、実施例1,2では、使用済燃料ラックのセル数が長辺方向および短辺方向が偶数の場合について説明したが、セル数が奇数であっても、使用済燃料ラック1の長辺1b方向の中心軸に対して軸対称と、および短辺1a方向の中心軸に対して軸対称となるように動吸振器4を挿入・抜き取りすることが望ましい。
また、使用済燃料ラックが正方形の場合であっても、実施例1,2の場合と同様に、支持はり5の辺の固有振動数を使用済燃料ラック1の辺の固有振動数に同調させ、また使用済燃料ラック1の各辺の中心軸に対して軸対称になるように動吸振器4を挿入・抜き取りすることが望ましい。
1…使用済燃料ラック、
1a…使用済燃料ラックの短辺、
1b…使用済燃料ラックの長辺、
2…使用済燃料プール、
3…燃料プール側壁、
3a…底部(基礎)、
3b…ボルト、
4…片持ちはりタイプの動吸振器、
5…支持はり、
5a…はりの短辺、
5b…はりの長辺、
6…先端質量、
7…外枠、
8…セル、
9…水平板、
21…沸騰水型原子力発電プラント。

Claims (7)

  1. 使用済燃料を上方から挿入および抜き取り可能な複数のセルにより方形に構成された使用済燃料ラックであって、
    前記使用済燃料ラックの複数のセルのうち、任意のセルに挿入・抜き取り可能に構成された動吸振器を備え、
    この動吸振器は、外枠と、この外枠に対して一端が固定されたはりと、前記外枠に接しないように前記はりの前記外枠に固定された前記一端とは反対側の端部に設けられた先端質量とを有し、
    前記はりの水平方向の辺の固有振動数を、前記使用済燃料ラックの前記セル内に前記使用済燃料を最大数挿入した状態での前記使用済燃料ラックの水平方向の辺の固有振動数に同調させ
    ことを特徴とした使用済燃料ラック。
  2. 請求項1に記載の使用済燃料ラックにおいて、
    前記使用済燃料ラックが長方形であるときは、前記はりの水平方向断面を長方形とする
    ことを特徴とした使用済燃料ラック。
  3. 請求項2に記載の使用済燃料ラックにおいて、
    前記はりの長辺方向の固有振動数を前記使用済燃料ラックの長辺方向の固有振動数に同調させ、前記はりの短辺方向の固有振動数を前記使用済燃料ラックの短辺方向の固有振動数に同調させる
    ことを特徴とした使用済燃料ラック。
  4. 請求項1に記載の使用済燃料ラックにおいて、
    前記動吸振器は、前記使用済燃料を前記使用済燃料ラックの各辺の中心軸に対して対称となるように挿入・抜き取りされた
    ことを特徴とした使用済燃料ラック。
  5. 請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載した使用済燃料ラックを備えた
    ことを特徴とした原子力発電プラント。
  6. 使用済燃料を上方から挿入および抜き取り可能な複数のセルにより方形に構成された使用済燃料ラックの運用方法であって、
    動吸振器は、外枠と、この外枠に対して一端が固定されたはりと、前記外枠に接しないように前記はりの前記外枠に固定された前記一端とは反対側の端部に設けられた先端質量とを有する動吸振器を、前記使用済燃料ラックの複数のセルのうち、任意のセルに挿入・抜き取りし、
    前記はりの水平方向の辺の固有振動数を、前記使用済燃料ラックの前記セル内に前記使用済燃料を最大数挿入した状態での前記使用済燃料ラックの水平方向の辺の固有振動数に同調させ
    ことを特徴とした使用済燃料ラックの運用方法。
  7. 請求項6に記載の使用済燃料ラックの運用方法において、
    前記使用済燃料ラックを複数用いて前記使用済燃料を保管する場合は、前記使用済燃料を前記複数の使用済燃料ラックに均等に配置せずに、前記使用済燃料ラックに最大数使用済燃料を挿入した後に次の使用済燃料ラックに使用済燃料を挿入する
    ことを特徴とした使用済燃料ラックの運用方法。
JP2015034934A 2015-02-25 2015-02-25 使用済燃料ラックおよび原子力発電プラントならびに使用済燃料ラックの運用方法 Active JP6484065B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015034934A JP6484065B2 (ja) 2015-02-25 2015-02-25 使用済燃料ラックおよび原子力発電プラントならびに使用済燃料ラックの運用方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015034934A JP6484065B2 (ja) 2015-02-25 2015-02-25 使用済燃料ラックおよび原子力発電プラントならびに使用済燃料ラックの運用方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016156716A JP2016156716A (ja) 2016-09-01
JP6484065B2 true JP6484065B2 (ja) 2019-03-13

Family

ID=56825796

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015034934A Active JP6484065B2 (ja) 2015-02-25 2015-02-25 使用済燃料ラックおよび原子力発電プラントならびに使用済燃料ラックの運用方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6484065B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7048414B2 (ja) * 2018-05-25 2022-04-05 株式会社東芝 核燃料貯蔵ラックおよび核燃料貯蔵ラックの振動抑制方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03117745A (ja) * 1989-09-29 1991-05-20 Toshiba Corp 動的吸振器
US5384813A (en) * 1993-03-05 1995-01-24 Ionics, Inc. Highly damped storage rack for nuclear fuel assemblies
JP2004028939A (ja) * 2002-06-28 2004-01-29 Mitsubishi Heavy Ind Ltd キャスクの耐震装置
JP2005090739A (ja) * 2003-08-12 2005-04-07 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 制振装置
JP4070213B2 (ja) * 2004-06-07 2008-04-02 学校法人金沢工業大学 制振装置および長尺構造物
JP4434846B2 (ja) * 2004-06-10 2010-03-17 駒井鉄工株式会社 板ばね式動吸振器
JP5622378B2 (ja) * 2009-10-28 2014-11-12 三菱重工業株式会社 保管構造
JP6004386B2 (ja) * 2012-01-27 2016-10-05 三菱重工業株式会社 使用済燃料貯蔵ラック
JP2014141314A (ja) * 2013-01-22 2014-08-07 Shimizu Corp ラック倉庫の制振構造および既存ラック倉庫の制振化方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016156716A (ja) 2016-09-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Politopoulos et al. Horizontal floor response spectra of base‐isolated buildings due to vertical excitation
JP6484065B2 (ja) 使用済燃料ラックおよび原子力発電プラントならびに使用済燃料ラックの運用方法
Alotta et al. Seismic protection of land-based wind turbine towers using the tuned inerter damper
JP5622378B2 (ja) 保管構造
Liu et al. Seismic response of column supported tanks considering uplift effect and soil‐structure interaction
JPH08166486A (ja) 原子炉機器の共通床方式上下免震構造
US4287426A (en) Nuclear fuel storage apparatus for seismic areas
JP2016075652A (ja) 核燃料貯蔵設備および核燃料貯蔵方法
JP5959846B2 (ja) 使用済燃料ラックの支持構造
JP5806977B2 (ja) 燃料貯蔵ラック
JP6211432B2 (ja) 貯蔵用ラック
JP6276556B2 (ja) 燃料貯蔵設備
JP2018141660A (ja) 使用済燃料ラック、および原子力発電プラント
Konar Seismic Vibration Control of a Building by Overhead Water Tank Designed as Slender Tuned Sloshing Damper
Zhang et al. Study on vibration control and parameters influence of cable inerter viscous damping system
JP2018043760A (ja) 構造物支持装置及び構造物支持装置の取替え方法
JP7068145B2 (ja) 減衰付加装置および減衰付加方法
Jung et al. Development of 3D Shell Model of APR1400 Reactor Vessel and Closure Head and Modal Analysis
JP2015175829A (ja) 制振機構を有する使用済燃料ラック
JP2014048134A (ja) 使用済燃料プール及び仕切り壁構成体
JP6878218B2 (ja) 燃料貯蔵施設、燃料貯蔵施設の改造方法および原子炉建屋
JP2011099538A (ja) 上下免震システム
JP6920100B2 (ja) 耐震補強方法
Peter et al. Seismic Protection of NPP Structures by 3-D Base Control Systems
Zhao et al. Experimental investigation on liquid sloshing in a water tank containing free-standing structures

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170925

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180717

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180731

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180905

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6484065

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150