JP2015175829A - 制振機構を有する使用済燃料ラック - Google Patents

制振機構を有する使用済燃料ラック Download PDF

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Abstract

【課題】使用済燃料ラックの板厚や使用済燃料ラック間の距離によらず設置することができ、使用済燃料ラックの耐震性を向上することができる制振機構を有する使用済燃料ラック、およびそれを用いた原子力発電プラントを提供する。
【解決手段】使用済燃料を上方から挿入および抜き取り可能な複数のセル10により方形に構成された使用済燃料ラック1の制振機構において、複数配置された使用済燃料ラック1のそれぞれに対して上方から着脱可能に設けられたダンパ支持部材5と、ダンパ支持部材5の上部に設けられたダンパ取付部材8と、隣接する使用済燃料ラック1に設けられたダンパ支持部材5のダンパ取付部材8同士を接続し、隣接する使用済燃料ラック1間の相対振動を吸収するダンパ機構4とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、原子炉から取り出された使用済燃料棒を一時的に貯蔵する使用済燃料ラックに係り、制振機構を有する使用済燃料ラック、およびそれを用いた原子力発電プラントに関する。
原子力発電プラントの原子炉建屋内には、圧力容器から取り出した使用済燃料を貯蔵しておく使用済燃料プールが設置されている。水で満たされた使用済燃料プールの底部には、使用済燃料を保持するための複数の使用済燃料ラックが水没するよう設置されており、使用済燃料ラックの下部はボルト等で使用済燃料プールの基礎(底部)に固定されている。使用済燃料ラックは、使用済燃料を格納するためのセルと呼ばれる角管を束ねた構造を有しており、各角管の中に使用済燃料が挿入されて保持される。
このような原子力プラントにおける設計地震動の大きさは、耐震性能に対する要求の高まりに伴って増大する傾向にあり、原子炉建屋の上層階に設けられた使用済燃料プールに配置される使用済燃料ラックに対して設計地震動で加わると想定される加速度についても当然ながら増加する。特に、多くの使用済燃料が使用済燃料ラックに保持された状態では、地震発生時に使用済燃料ラックと使用済燃料プールとの結合部に働く応力が非常に大きくなることが予想される。
このような使用済燃料ラックの耐震性に関する技術として、例えば、特許文献1(特開2013−127432号公報)には、隣接する前記複数の使用済燃料ラック同士をダンパ装置により連結することにより、地震などの発生により各使用済燃料ラックが振動して隣接する使用済燃料ラック同士の衝突を抑制する技術が開示されている。
特開2013−127432号公報
しかしながら、上記従来技術においては以下のような問題点がある。
すなわち、上記従来技術では、使用済燃料ラックの外枠部に上方に開口する切欠部を形成し、ダンパ装置の勘合部を鉛直方向に着脱するよう構成しているが、使用済燃料ラックの板厚は非常に薄いため、切欠部を設けるのは困難である。また、使用済燃料プール内のスペースを有効活用するために、隣接する使用済燃料ラック間の隙間をできるだけ小さくする配置となっているため、使用済燃料ラック間にダンパ装置を配置することは困難である。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、使用済燃料ラックの板厚や使用済燃料ラック間の距離によらず設置することができ、使用済燃料ラックの耐震性を向上することができる制振機構を有する使用済燃料ラック、およびそれを用いた原子力発電プラントを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、使用済燃料を上方から挿入および抜き取り可能な複数のセルにより方形に構成された使用済燃料ラックの制振機構において、複数配置された前記使用済燃料ラックのそれぞれに対して上方から着脱可能に設けられたダンパ支持部材と、前記ダンパ支持部材の上部に設けられたダンパ取付部材と、隣接する前記使用済燃料ラックに設けられた前記ダンパ支持部材の前記ダンパ取付部材同士を接続し、隣接する前記使用済燃料ラック間の相対振動を吸収するダンパ機構とを備えたものとする。
本発明によれば、使用済燃料ラックの板厚や使用済燃料ラック間の距離によらず設置することができ、使用済燃料ラックの耐震性を向上することができる。
第1の実施の形態に係る使用済燃料ラックの制振機構をその周辺構成とともに概略的に示す上面図である。 第1の実施の形態に係る使用済燃料ラックの制振機構をその周辺構成とともに概略的に示す側面図である。 第1の実施の形態に係るダンパ機構取付部材の構成を模式的に示す図である。 第1の実施の形態に係る使用済燃料ラックの制振機構の装着判定の手順を示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係る使用済燃料ラックの制振機構をその周辺構成とともに概略的に示す上面図である。 第2の実施の形態に係る使用済燃料ラックの制振機構をその周辺構成とともに概略的に示す側面図である。 第3の実施の形態に係る使用済燃料ラックの制振機構をその周辺構成とともに概略的に示す上面図である。 第3の実施の形態に係る使用済燃料ラックの制振機構をその周辺構成とともに概略的に示す側面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態を図1〜図4を参照しつつ説明する。
図1及び図2は、本実施の形態に係る使用済燃料ラックの制振機構をその周辺構成とともに概略的に示す図であり、図1は上面図、図2は側面図である。
図1及び図2において、使用済燃料を上方から挿入および抜き取り可能な複数のセル10により方形に構成された複数(本実施の形態では4つ)の使用済燃料ラック1は、側壁3により囲まれた使用済燃料プール2の底部(基礎)3aにボルト3b等により固定されて、使用済燃料プール2内に収められている。使用済燃料プール2は、冷却用の水2aにより満たされており、複数の使用済燃料ラック1は、完全に水中に没するように配置されている。
使用済燃料ラック1は、複数のセル10を縦横方向(図1における左右上下方向)に並べて構成されている。本実施の形態の使用済燃料ラック1においては、例えば、横方向(図1における左右方向)に10個、縦方向(図1における上下方向)に6個のセル10が並べられて構成されている場合について説明する。使用済燃料ラック1に貯蔵される使用済燃料の数は、使用済燃料ラック1ごとに固有振動数が異なるように調整される。なお、使用済燃料ラック1に用いるセル10の数は上記に限られるものではなく、使用済燃料プール2の形状や大きさなど使用済燃料ラック1の設置環境に応じて適宜選択するものである。
使用済燃料ラック1のうち、後述する制振機構取付判定において取り付け対象であると判定された使用済燃料ラック1には、その上方から着脱可能に設けられたダンパ支持部材5と、ダンパ支持部材5の上部に設けられたダンパ取付部材8と、隣接する使用済燃料ラック1にそれぞれ設けられたダンパ支持部材5のダンパ取付部材8同士を接続し、隣接する使用済燃料ラック間の相対振動を吸収するダンパ機構4とが載置される。なお、本実施の形態では、必要最小単位である4体の使用済燃料ラック1が使用済燃料プール2に収められている場合であり、4体の使用済燃料ラック1が制振機構取付判定において取り付け対象であると判定された場合を例示して説明する。
ダンパ機構4には、金属の弾塑性特性を利用した弾塑性ダンパを用いる。弾塑性ダンパは、水や放射線等の環境下にも強いため、本実施の形態においても容易に用いることができる。
ダンパ支持部材5は、使用済燃料ラック1の上端外周を囲むように配置された枠部材6と、枠部材6の対向する部位の間に渡して配置され、上部にダンパ取付部材8が設けられる梁部材7とから構成されている。
枠部材6は、使用済燃料ラック1の上端外周、すなわち、使用済燃料ラック1の上面を囲む4辺をそれぞれ上方および側方(外方向)から保持するようになっており、使用済燃料ラック1の上方から被せて取り付けることができる。これにより、使用済燃料ラック1に取り付けられた枠部材6は、使用済燃料ラック1に対して水平方向に相対的に固定される。
梁部材7は、枠部材6の強度の向上を目的としたものであり、枠部材6の対向する辺の中央部同士を繋ぐように配置されており、枠部材6の縦方向(図1における上下方向)に延在する部位同士、及び横方向(図1における左右方向)に延在する部位同士を繋いで、十字に配置されている。この枠部材6の上部にダンパ取付部材8が設けられる。これにより、使用済燃料ラック1の水平方向の重心の上方にダンパ取付部材8が配置される。
上記のように枠部材6及び梁部材7を構成することにより、ダンパ支持部材5が使用済燃料ラック1に取り付けられた状態において、使用済燃料の使用済燃料ラック1への挿入および抜き取りが可能なセル10の数を確保しつつ、ダンパ支持部材5の強度を向上することができる。
図3は、ダンパ取付部材の構成例を模式的に示す図である。
図3において、ダンパ取付部材8は、継手8aを有しており、ダンパ機構4は、継手8aを介してピン4a等により固定されている。ダンパ機構4のピン4aが貫通する部分は球面継手になっており、軸周り方向の回転運動や、軸方向に垂直な方向への運動等を吸収することができる。なお、図3においては説明の簡単のために、ダンパ機構4をダンパ取付部材の1方向のみ接続する場合を例示して説明したが、本実施の形態のダンパ取付部材8の他のダンパ機構4の取り付け部分も同様の構成を有している。
ここで、ダンパ支持部材5、ダンパ取付部材8、及びダンパ機構4により構成される使用済燃料ラック1の制振機構の取り付け対象であるかどうかを、使用済燃料ラック1ごとに判定する制振機構取付判定について説明する。
図4は、本実施の形態に係る使用済燃料ラックの制振機構の装着判定の手順を示すフローチャートである。
図4においては、まず、判定対象の使用済燃料ラック1を決定し(ステップS10)、その判定対象の使用済燃料ラック1について予め設定されている使用済燃料の数の閾値を確認する(ステップS20)。ここで、使用済燃料ラック1に貯蔵されている使用済燃料の数が閾値以上であるかどうかを判定し(ステップS30)、判定結果がYESの場合、すなわち、使用済燃料ラック1に貯蔵されている使用済燃料の数が閾値として定めた、ある一定数以上である場合には、制振機構の取り付け対象であると判定する(ステップS40)。また、ステップS30での判定結果がNOである場合、すなわち、使用済燃料ラック1に貯蔵されている使用済燃料の数が閾値として定めた、ある一定数に満たない場合には、制振機構の取り付け対象外であると判定する(ステップS31)。
以上のように構成した本実施の形態における効果を説明する。
例えば、使用済燃料ラックの外枠部に上方に開口する切欠部を形成し、ダンパ装置の勘合部を鉛直方向に着脱するよう構成する従来技術においては、使用済燃料ラックの板厚は非常に薄いため、切欠部を設けるのは困難である。また、使用済燃料プール内のスペースを有効活用するために、隣接する使用済燃料ラック間の隙間をできるだけ小さくする配置となっているため、使用済燃料ラック間にダンパ装置を配置することは困難である。
これに対して本実施の形態においては、複数配置された使用済燃料ラック1のそれぞれに対して上方から着脱可能に設けられたダンパ支持部材5と、ダンパ支持部材の上部に設けられたダンパ取付部材8とを備え、隣接する使用済燃料ラック1に設けられたダンパ支持部材5のダンパ取付部材8同士をダンパ機構4で接続して、隣接する使用済燃料ラック間の相対振動を吸収するように構成したので、使用済燃料ラックの板厚や使用済燃料ラック間の距離によらず設置することができ、使用済燃料ラックの耐震性を向上することができる。
すなわち、地震入力が増大しても地震応答を低減することができるので、使用済燃料ラック1の下部やボルト3bに発生する応力を抑制することができ、耐震信頼性を大きく増加させることができる。
また、本実施の形態では、使用済燃料ラック1の上部にダンパ機構4を配置し、使用済燃料ラック1同士を接続する構成としたので、より高い位置で使用済燃料ラック1をダンパ機構4で接続することになり、ダンパ機構4に作用する変位がより大きくなり、従って、より大きな減衰効果をえることができる。
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態を図5及び図6を参照しつつ説明する。
図5及び図6は、本実施の形態に係る使用済燃料ラックの制振機構をその周辺構成とともに概略的に示す図であり、図5は上面図、図6は側面図である。図中、第1の実施の形態と同様の部材には同じ符号を付し、説明を省略する。
図5及び図6において、使用済燃料を上方から挿入および抜き取り可能な複数のセル10により方形に構成された複数(本実施の形態では4つ)の使用済燃料ラック1は、側壁3により囲まれた使用済燃料プール2の底部(基礎)3aにボルト3b等により固定されて、使用済燃料プール2内に収められている。使用済燃料プール2は、冷却用の水2aにより満たされており、複数の使用済燃料ラック1は、完全に水中に没するように配置されている。
使用済燃料ラック1は、複数のセル10を縦横方向(図5における左右上下方向)に並べて構成されている。本実施の形態の使用済燃料ラック1においては、例えば、横方向(図5における左右方向)に10個、縦方向(図5における上下方向)に6個のセル10が並べられて構成されている場合について説明する。使用済燃料ラック1に貯蔵される使用済燃料の数は、使用済燃料ラック1ごとに固有振動数が異なるように調整される。なお、使用済燃料ラック1に用いるセル10の数は上記に限られるものではなく、使用済燃料プール2の形状や大きさなど使用済燃料ラック1の設置環境に応じて適宜選択するものである。
使用済燃料ラック1のうち、制振機構取付判定において取り付け対象であると判定された使用済燃料ラック1には、その上方から着脱可能に設けられたダンパ支持部材5Aと、ダンパ支持部材5A上部に設けられたダンパ取付部材8と、隣接する使用済燃料ラック1にそれぞれ設けられたダンパ支持部材5Aのダンパ取付部材8同士を接続し、隣接する使用済燃料ラック1間の相対振動を吸収するダンパ機構4とが載置される。なお、本実施の形態では、必要最小単位である4体の使用済燃料ラック1が使用済燃料プール2に収められている場合であり、4体の使用済燃料ラック1が制振機構取付判定において取り付け対象であると判定された場合を例示して説明する。
ダンパ機構4には、金属の弾塑性特性を利用した弾塑性ダンパを用いる。弾塑性ダンパは、水や放射線等の環境下にも強いため、本実施の形態においても容易に用いることができる。
ダンパ支持部材5Aは、使用済燃料ラック1の角に配置された4つのセル10のそれぞれに上方から挿入および抜き取り可能に設けられた挿入部材9と、挿入部材9間を使用済燃料ラック1の外周に沿って繋ぐよう配置された枠部材6Aと、枠部材6Aの対向する部位の間に渡して配置され、上部にダンパ取付部材8が設けられる梁部材7Aとから構成されている。
枠部材6Aは、使用済燃料ラック1の角に配置された4つのセル10に挿入された挿入部材9を繋ぐように、使用済燃料ラック1の外周のセル10の上方に配置されている。これにより、使用済燃料ラック1に挿入部材9を介して取り付けられた枠部材6Aは、使用済燃料ラック1に対して水平方向に相対的に固定される。
梁部材7Aは、枠部材6Aの強度の向上を目的としたものであり、枠部材6Aの対向する辺の中央部同士を繋ぐように配置されており、枠部材6Aの縦方向(図5における上下方向)に延在する部位同士、及び横方向(図5における左右方向)に延在する部位同士を繋いで、十字に配置されている。この枠部材6Aの上部にダンパ取付部材8が設けられる。これにより、使用済燃料ラック1の水平方向の重心の上方にダンパ取付部材8が配置される。
上記のように枠部材6A及び梁部材7Aを構成することにより、ダンパ支持部材5Aが使用済燃料ラック1に取り付けられた状態において、使用済燃料の使用済燃料ラック1への挿入および抜き取りが可能なセル10の数を確保しつつ、ダンパ支持部材5Aの強度を向上することができる。
その他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
以上のように構成した本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、使用済燃料ラック1の水平方向の外周よりも外側に部材を配置する必要がないので、隣接する使用済燃料ラック1間の距離の変位の許容範囲が大きくなり、さらに確実に隣接する使用済燃料ラック間の相対振動を吸収することができ、使用済燃料ラックの耐震性を向上することができる。
なお、本実施の形態においては、使用済燃料ラック1の4角のセル10に挿入部材9を挿入する場合を例示して説明したが、これに限られず、ダンパ取付部材8が使用済燃料ラック1の重心の上方に配置されるように構成できれば、使用済燃料ラック1の4角以外のセル10に挿入部材9を挿入してもよい。
<第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態を図7及び図8を参照しつつ説明する。
図7及び図8は、本実施の形態に係る使用済燃料ラックの制振機構をその周辺構成とともに概略的に示す図であり、図7は上面図、図8は側面図である。図中、第1の実施の形態と同様の部材には同じ符号を付し、説明を省略する。
図7及び図8において、使用済燃料を上方から挿入および抜き取り可能な複数のセル10により方形に構成された複数(本実施の形態では4つ)の使用済燃料ラック1は、側壁3により囲まれた使用済燃料プール2の底部(基礎)3aにボルト3b等により固定されて、使用済燃料プール2内に収められている。使用済燃料プール2は、冷却用の水2aにより満たされており、複数の使用済燃料ラック1は、完全に水中に没するように配置されている。
使用済燃料ラック1は、複数のセル10を縦横方向(図7における左右上下方向)に並べて構成されている。本実施の形態の使用済燃料ラック1においては、例えば、横方向(図7における左右方向)に10個、縦方向(図7における上下方向)に6個のセル10が並べられて構成されている場合について説明する。使用済燃料ラック1に貯蔵される使用済燃料の数は、使用済燃料ラック1ごとに固有振動数が異なるように調整される。なお、使用済燃料ラック1に用いるセル10の数は上記に限られるものではなく、使用済燃料プール2の形状や大きさなど使用済燃料ラック1の設置環境に応じて適宜選択するものである。
使用済燃料ラック1のうち、制振機構取付判定において取り付け対象であると判定された使用済燃料ラック1には、その上方から着脱可能に設けられたダンパ支持部材5Bと、ダンパ支持部材5Bの上部に設けられたダンパ取付部材8と、隣接する使用済燃料ラック1にそれぞれ設けられたダンパ支持部材5Bのダンパ取付部材8同士を接続し、隣接する使用済燃料ラック1間の相対振動を吸収するダンパ機構4とが載置される。なお、本実施の形態では、必要最小単位である4体の使用済燃料ラック1が使用済燃料プール2に収められている場合であり、4体の使用済燃料ラック1が制振機構取付判定において取り付け対象であると判定された場合を例示して説明する。
ダンパ機構4には、金属の弾塑性特性を利用した弾塑性ダンパを用いる。弾塑性ダンパは、水や放射線等の環境下にも強いため、本実施の形態においても容易に用いることができる。
ダンパ支持部材5Bは、使用済燃料ラック1の重心に配置された4つのセル10のそれぞれに上方から挿入および抜き取り可能に設けられた挿入部材9Bにより構成されている。この挿入部材9Bの上部にダンパ取付部材8が設けられる。これにより、使用済燃料ラック1の水平方向の重心の上方にダンパ取付部材8が配置される。
その他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
以上のように構成した本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、使用済燃料ラック1の水平方向の外周よりも外側に部材を配置する必要がないので、隣接する使用済燃料ラック1間の距離の変位の許容範囲が大きくなり、さらに確実に隣接する使用済燃料ラック間の相対振動を吸収することができ、使用済燃料ラックの耐震性を向上することができる。
さらに、ダンパ支持部材5Bが使用済燃料ラック1に取り付けられた状態においても、使用済燃料の使用済燃料ラック1への挿入および抜き取りが可能なセル10の数をより多く確保することができる。
1 使用済燃料ラック
2 使用済燃料プール
2a 水
3 側壁
3a 底部(基礎)
3b ネジ
4 ダンパ
4a ピン
5,5A,5B ダンパ支持部材
6,6A 枠部材
7,7A 梁部材
8 ダンパ取付部材
8a 継手
9,9B 挿入部材
10 セル

Claims (9)

  1. 使用済燃料を上方から挿入および抜き取り可能な複数のセルにより方形に構成された使用済燃料ラックの制振機構において、
    複数配置された前記使用済燃料ラックのそれぞれに対して上方から着脱可能に設けられたダンパ支持部材と、
    前記ダンパ支持部材の上部に設けられたダンパ取付部材と、
    隣接する前記使用済燃料ラックに設けられた前記ダンパ支持部材の前記ダンパ取付部材同士を接続し、隣接する前記使用済燃料ラック間の相対振動を吸収するダンパ機構と
    を備えたことを特徴とする使用済燃料ラックの制振機構。
  2. 請求項1記載の使用済燃料ラック制振機構において、
    前記ダンパ支持部材は、
    前記使用済燃料ラックの上端外周を囲むように配置された枠部材と、
    前記枠部材の対向する部位の間に渡して配置され、上部に前記ダンパ取付部材が設けられる梁部材と
    を備えたことを特徴とする使用済燃料ラック制振機構。
  3. 請求項1記載の使用済燃料ラック制振機構において、
    前記ダンパ支持部材は、
    前記使用済燃料ラックの角に配置された4つの前記セルに上方から挿入および抜き取り可能に設けられた挿入部材と、
    前記挿入部材間を前記使用済燃料ラックの外周に沿って繋ぐよう配置された枠部材と、
    前記枠部材の対向する部位の間に渡して配置され、上部に前記ダンパ取付部材が設けられる梁部材と
    を備えたことを特徴とする使用済燃料ラック制振機構。
  4. 請求項1記載の使用済燃料ラック制振機構において、
    前記ダンパ支持部材は、
    前記使用済燃料ラックの中央部に配置された前記セルに上方から挿入および抜き取り可能に設けられ、上部に前記ダンパ取付部材が設けられる挿入部材を備えたことを特徴とする使用済燃料ラック制振機構。
  5. 請求項1〜4の何れか1項記載の使用済燃料ラックの制振機構において、
    前記ダンパは、金属の弾塑変形を利用した弾塑性ダンパであることを特徴とする使用済燃料ラックの制振機構。
  6. 請求項1記載の制振機構を備えた使用済燃料ラック。
  7. 請求項6記載の使用済燃料ラックにおいて、
    前記複数の使用済燃料ラックの固有振動数がそれぞれ異なるような数の使用済燃料が前記複数の使用済燃料ラックのそれぞれに貯蔵されることを特徴とする使用済燃料ラック。
  8. 請求項6又は7記載の使用済燃料ラックを備えた原子力発電プラント。
  9. 使用済燃料を上方から挿入および抜き取り可能な複数のセルにより方形に構成された使用済燃料ラックの制振方法において、
    前記使用済燃料ラックに貯蔵された前記使用済燃料の数が予め定めた閾値以上である場合に、複数配置された前記使用済燃料ラックのそれぞれに対して上方から着脱可能に設けられたダンパ支持部材と、前記ダンパ支持部材の上部に設けられたダンパ取付部材と、隣接する前記使用済燃料ラックに設けられた前記ダンパ支持部材の前記ダンパ取付部材同士を接続し、隣接する前記使用済燃料ラック間の相対振動を吸収するダンパ機構とを備えた使用済燃料ラックの制振機構を装着する手順を備えたことを特徴とする使用済燃料ラックの制振方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114593902A (zh) * 2022-03-04 2022-06-07 西安热工研究院有限公司 一种基于大数据的核电站阻尼器的自动检测系统

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