JP5562044B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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Description

本発明は冷蔵庫に関するものであり、特に、扉を引き出すことで開放を行う開放機構に特徴を有する冷蔵庫に関するものである。
病院の病室やホテルの客室などでは滞在者の利用を目的とした小型の冷蔵庫が設置されている。このような小型の冷蔵庫は、その高さが50cm程度であって、テーブル下などに適宜な場所に設置することが可能となっている。
従来、このような小型の冷蔵庫には、扉の片側にヒンジ部を備えた開閉機構が採用されることが多く、テーブル下などの低い位置に設置された場合には、冷蔵庫内に収納された食品を確認するためには一度しゃがんで覗き込む必要があり、特に病院の患者や高齢者にとっては利用しにくい場合がある。このような状況を鑑み、家庭用冷蔵庫の冷凍庫や野菜室などに採用される引出式の開放機構を利用することが考えられる。引出式の開放機構を利用すれば、扉を引き出すことで冷蔵庫内の収納物を上方から容易に確認できるとともに収納物の取り出しを容易にすることができる。
特許文献1には、このような冷蔵庫における引出式の開放機構として、冷蔵庫の扉に設けられたハンドルと、扉内部に押圧部を有するレバーが設けられ、ハンドルが操作されることで、レバーの押圧部により貯蔵庫本体の前面を押圧し、引出式の冷蔵庫の扉を開放させる際の操作力の低減することが開示されている。また、特許文献2にも同様の開放機構が開示されている。
特開2001−50645号公報 特開2003−287362号公報
しかしながら、特許文献1(特許文献2においても同様)に開示される引出式の開放機構は、扉の中央付近に設けられたレバーの押圧部の1点で貯蔵庫本体の前面を押圧するため、扉の左右をバランスよく引き出すことができない場合がある。中央付近の1点を押圧してバランスよく扉を引き出すためには、扉を引き出すための引出機構の精度を向上させておく必要があり、製造コストが高くなってしまう。また、開放機構自体も複雑な構造が必要とされると共に、レバー復帰のためのコイルバネを必要とされ、製造コスト増大の原因となっている。
本発明では、簡易な構成でスムースな開放を可能とする引出式の扉開放機構を有する冷蔵庫を提供することを目的としている。そのため、本発明は、外箱と扉を備え、扉を引き出すことで収納部が開放される冷蔵庫において、扉の両側面に配設されるテコ部材と、把持部材を備える開放機構部を有し、各テコ部材は、扉の側面に回動可能に取り付けられる支持部と、外箱の周縁部と対向する側の端に設けられた押圧部と、支持部を挟んで他端に設けられた作用部とを有し、把持部材は、扉表面側において各テコ部材の作用部を接続し、把持部材を操作したとき、両方の押圧部が外箱の周縁部を押圧することを特徴とするものである。
さらに、本発明の冷蔵庫は、各テコ部材において、支持部から作用部までの長さは、支持部から押圧部までの長さよりも長いことを特徴とするものである。
さらに、本発明の冷蔵庫において、扉表面には、把持部材の少なくとも一部を収容可能な収納凹部が形成され、開放機構部の自重により、把持部材の少なくとも一部が収納凹部に収納されることを特徴とするものである。
さらに、本発明の冷蔵庫において、各テコ部材の押圧部には、ローラーを有することを特徴とするものである。
さらに、本発明の冷蔵庫において、扉の両側面には、テコ部材の回動範囲を所定範囲に規制する凹部が形成されていることを特徴とするものである。
さらに、本発明の冷蔵庫において、テコ部材の回動部分を覆うカバー部材を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、引出式の扉開放機構を有する冷蔵庫において、簡易な扉開放機構でスムースな扉の開放を可能とするものである。具体的には、把持部を操作することで、扉の両側面に配設されるテコ部材を、冷蔵庫外箱の周縁部に押圧させ、バランスよく冷蔵庫扉を開放することを可能としている。このように冷蔵庫扉をバランスよく開放することができるため、冷蔵庫扉の引出機構にも引き出し精度の高い部材を配する必要が無く、製造コストの低減を図ることが可能となる。
本発明の実施形態に係る冷蔵庫の斜視図。 本発明の実施形態に係る冷蔵庫における開放機構の分解図。 本発明の実施形態に係る冷蔵庫の正面図。 本発明の実施形態に係る冷蔵庫外箱の正面図。 本発明の実施形態に係る冷蔵庫の上面図、及び、内部の様子を示す図。 本発明の実施形態に係る表示部付近の断面図。 本発明の実施形態に係る冷蔵庫の制御ブロック図。 本発明の実施形態に係る開放機構部の構成を示す図。 本発明の実施形態に係る開放機構の動作の様子を示す図。 本発明の他の実施形態に係る開放機構の動作の様子を示す図。
図1には、本発明の実施形態に係る冷蔵庫の斜視図であって、冷蔵庫扉30が一部引き出された状態が示されている。本実施形態の冷蔵庫10は、冷蔵庫外箱20、冷蔵庫扉30、開放機構40を備えて構成される。冷蔵庫外箱20は、内部の収納庫を冷却するための冷却部を背面、あるいは下部に備える。
冷蔵庫扉30は、その内部に断熱材を有し、外気温による収納庫内の温度上昇を防止している。冷蔵庫扉30は、背面の周縁に磁石付きのパッキンなどで構成された吸着部を有し、この吸着部が冷蔵庫外箱20の周縁部に密接に吸着することで、外気の流入、そして収納庫内の冷気の流出を防いでいる。また、冷蔵庫扉30の背面には、食品などの収納物を格納するための引出式収納部が一体に形成されており、冷蔵庫扉30を引き出すことで引出式収納部が引き出され、冷蔵庫10の上方から収納物を取り出す、あるいは、格納することが可能となっている。
冷蔵庫扉30の前面には、冷蔵庫扉30の一側面から他側面にわたって開放機構40が設けられている。利用者が冷蔵庫を開放する際は、この開放機構40を手前に引く操作を行うことで冷蔵庫扉30が開放されるように構成されている。このように本実施形態では、開放機構40が冷蔵庫扉30の前面の広い部分において操作可能となっており、利用者の操作範囲の自由度を高めている。
図2は、本発明の実施形態に係る冷蔵庫における開放機構の分解図を示したものである。開放機構40は、開放機構部43を主要な構成としている。開放機構部43は、ピンなどの係止部材42a、42bにて冷蔵庫扉30の両側面に回動可能に固定される。本実施形態では、開放機構部43の両端部にはローラー41a、41bが回転可能に設けられており、開放機構部43が操作されたとき、このローラー41a、41bが冷蔵庫外箱20の周縁部と当接することで、冷蔵庫扉30のスムースな開放を可能にすると共に冷蔵庫外箱20が傷つくことを防いでいる。
また、本実施形態では、冷蔵庫扉30に開放機構部43において利用者が把持する把持部材の少なくとも一部を収納する収納凹部32が設けられており、把持部材がこの収納凹部32に格納されることで、冷蔵庫のコンパクト化が図られると共に美感上も優れたものとなっている。さらに、本実施形態では、冷蔵庫扉30の中央付近において、収納凹部32が拡大された部分が設けられており、利用者が開放操作時に把持部材を握りやすくしている。
開放機構部43が冷蔵庫扉30に回動可能に固定された後、冷蔵庫扉30の両側面には、開放機構部43の回動部分を覆うようにカバー部材35a、35bが取り付けられる。本実施形態では、冷蔵庫扉30の側面に嵌め込むことで簡易に取り付けることが可能となっている。このようにカバー部材35aで開放機構部43の回動部分が覆われることで、回動部分に指などを挟む事故を防ぐことが可能となっている。
図3は、本発明の実施形態に係る冷蔵庫の正面図を示したものである。図1、図2で説明したように、開放機構40の把持部材は、冷蔵庫扉30の一端から他端に架け渡され、広い範囲にわたって操作可能となっている。また、非操作時において、把持部材の一部は収納凹部32、拡大収納凹部32aに格納されており、コンパクト化が図られている。
冷蔵庫扉30の右上部分には表示部33が設けられている。この表示部33は、冷蔵庫10の動作状況を示すために設けられており、例えば、冷蔵庫10が稼働しているときに点灯するように構成されている。病院などに設置される場合、コイン、あるいは、カードなどを利用した課金方式が採用される場合がある。表示部33は、このような課金方式の冷蔵庫において、利用者に便宜を図ったものであって、外部から冷蔵庫10が稼働状態であるか否かを確認することが可能となっている。また、この表示部33には、冷蔵庫扉30が一定時間以上、開放されている場合に点滅して警告を促す機能を付加してもよい。
この表示部33は、LEDなど自己発光式の素子を冷蔵庫扉30に設けることとしてもよいが、このような形態を採用した場合、冷蔵庫外箱20から冷蔵庫扉30内に配線する必要がある。特に引出式の冷蔵庫扉30を有する本実施形態の冷蔵庫においては、配線のための特別な構成が必要になることや、清掃のための冷蔵庫扉30の取り外しが困難になるなどの問題がある。
本実施形態では、冷蔵庫扉30内に配線を行うことなく、冷蔵庫扉30の表面に表示部33を設ける構成が採用されている。図6は、冷蔵庫扉30が閉まった状態における、表示部30付近の断面図を示したものである。本実施形態では、冷蔵庫外箱20側にLEDなどの発光部33cが設けられている。冷蔵庫扉30側には、冷蔵庫外箱20側に設けられた発光部33cと対向する位置に導光部33bが設けられ、発光部33cから放射された光を冷蔵庫扉表面31側の表示面33aから放射することが可能となっている。
導光部33bには、アクリルなどの透明部材を配してもよいし、発光部33cからの光を拡散、あるいは、集束させるためのレンズを配してもよい。あるいは、中空で形成され
ることとしてもよい。このように本実施形態では、冷蔵庫扉30に配線を行うことなく冷蔵庫扉30に設けられた表示部33にて冷蔵庫の動作状態を確認することが可能となっている。発光部33c、導光部33b、表示面33aを同一軸上に配することが好ましく、発光部33cからの光を効率よく表示面33aにて放射することが可能となる。
図3の冷蔵庫の正面図に戻り、冷蔵庫10は4つの脚部(22a、22bのみ図示)にて設置可能とされている。前方の脚部22a、22bの間には、フットライト21が配されており、夜間など周囲が暗いときに冷蔵庫10周囲を照らすことが可能となっている。本実施形態では、このフットライト21に人感センサーが備えられ、冷蔵庫10に人が近づいたことを感知したときに周囲を照らすように構成されており、省電力化が図られたものとなっている。
図4は、本発明の実施形態に係る冷蔵庫外箱の正面図を示したものであり、ちょうど図3の冷蔵庫の正面図において、冷蔵庫扉30が取り外された状態が示されている。冷蔵庫外箱20は、正面から見たとき中央部に大きな空間で形成された収納庫24を有し、その周囲に平面状の周縁部23が形成されている。この周縁部23に冷蔵庫扉30側に設けられた吸着部が吸着することで冷気の放出を防いでいる。また、右上部分には、図6で説明した発光部33cが設けられており、発光によって冷蔵庫10の動作状態を告知することが可能となっている。そして、収納庫24の右側面上方には、冷蔵庫扉30の解放時に庫内を照明するための庫内灯56が設けられている。
図5は、本発明の実施形態に係る冷蔵庫の上面図、及び、内部の様子を示す図であって、冷蔵庫扉30が開放されている状態が示されている。冷蔵庫外箱20には、空間からなる収納庫24が形成される様子がみてとれる。また、冷蔵庫扉30の裏面には引出式収納部36が一体に形成されている。冷蔵庫扉30を閉めたとき、引出式収納部36が収納庫24に収納されることで、引出式収納部36に収納された食物などの収納物の冷却が可能となる。
また、冷蔵庫扉30を引き出して開放したときには、図に示されるように冷蔵庫10の上方から収納物を取り出すことが可能となる。このような取り出し形態は、小型で低い位置に設置される本実施形態の冷蔵庫においては、利用者が屈んで覗き込む必要が無いため、病院などに設置される冷蔵庫においては都合がよい。なお、本実施形態では、冷蔵庫10の上方からの操作も可能となるよう冷蔵庫扉30の上部に凹部状の上部取手37も形成されている。
以上、本発明の実施形態に係る冷蔵庫の概要について説明を行ったが、次に冷蔵庫10における各種制御について図7を用いて簡単に説明しておく。図7は、本発明の実施形態に係る冷蔵庫の制御ブロック図を示したものである。本実施形態では、冷蔵庫10全体を統括して制御する制御部51が設けられているが、この形態に限ることなく各機能毎に制御部を設けることとしてもよい。
開閉センサー52は、冷蔵庫扉30の開閉状態を確認するために設けられたセンサーであって、簡易には、冷蔵庫扉30が閉状態となったときに押圧されるスイッチで構成することが可能である。この開閉センサー52は、庫内灯56の点灯制御や、冷蔵庫扉30所定時間、開放状態となった場合に警告を発するために利用される。
設定部53は、利用者が各種設定を行うための構成であって、冷却部54に対する温度設定、冷蔵庫扉30が開放状態となった場合の警告時に、放音部55から警告音を出力するか否か、あるいは、警告音の種類や音量の選択などを行うことが可能となっている。病院では、ブザーなど、院内に設置された各種医療機器と類似する警告音を不用意に発する
ことは、病院側そして患者にとっても好ましいものとはいえない。そのため警告音としてメロディ音を採用することで、冷蔵庫扉30が開放状態となっていることを、医療機器の警告音と峻別して利用者に知らせることが可能となる。
設定部53としては、各種スイッチや表示部を有するインターフェイスで構成されるものであってもよいし、簡易にはディップスイッチで構成されるものであってもよい。さらに簡易には、ケーブルコネクタを接続、非接続状態とするような形態であってもよい。
放音部55は、スピーカーや圧電素子などで構成され、冷蔵庫扉30の開放状態の警告などを音で利用者に伝達するために設けられている。庫内灯56は、開閉センサー52と連動し、冷蔵庫扉30が開状態となっているときに冷蔵庫庫内を照らすために設けられる照明部材である。簡易には庫内灯56を冷蔵庫扉30の開閉状態と無関係に常時点灯状態とすることとしてもよい。
発光部33cは、図6で説明したように冷蔵庫10の動作状態を表示する照明であって、本実施形態では、冷蔵庫10が稼働状態であるときに点灯するように構成されるとともに、冷蔵庫扉30が所定時間以上、開放状態となった場合に点滅して利用者に警告を促すこととしている。発光部33cは、図4に示されるように冷蔵庫扉30が開放状態となる場合、利用者にとって眩しい場合もあるため、冷蔵庫扉30が開放状態となったことが開閉センサー52で検知されたときには、この発光部33cを消灯するように制御することとしてもよい。
フットライト21は、図3で説明したように冷蔵庫10の下部に設けられる照明部材であって、本実施形態では、照明部21aと人感センサー21bにて構成されている。人感センサー21bにて人が所定範囲内に近づいたことを感知した場合に、照明部21aにて冷蔵庫10の周囲を照らすことで、利用者の足下の安全を確保すると共に、冷蔵庫10利用の便宜を図っている。人感センサー21bが人の検出を終了して所定時間経過後には、照明部21aは消灯する。なお、このフットライト21の照明部21aについても開閉センサー52と連動させることとしてもよい。開閉センサー52が冷蔵庫扉30の開状態を検出することで、照明部21aを消灯し庫内灯56で冷蔵庫10周囲の照明が代用される。
以上、本実施形態の冷蔵庫における制御構成について説明したが、次に、本実施形態の冷蔵庫における開放機構に付いて図8、図9を用いて説明を行う。図8は、開放機構の主要構成である開放機構部の構成を示す図であって、図9は、本発明の実施形態に係る開放機構の動作の様子を示す図である。
図8は、本発明の実施形態に係る開放機構部の構成を示す図であって、その組み立ての様子が(a)〜(c)に示されている。(a)示されるように、開放機構部43は、把持部材44の一部となる基材44cと、その両端に取り付けられるテコ部材45a、45bにて構成される。これら基材44c、テコ部材45a、45bにはある程度の強度が必要とされるため、その素材に鉄など剛性の高いものが利用される。
基材44cと各テコ部材45a、45bとはネジ46a〜46dにて互いに固定される。ネジ46aは、固定穴47aを貫通した状態でネジ穴48aに固定される。ネジ46、固定穴47、ネジ穴48の符号に添えられたアルファベットは、共通するものが同じ固定に利用されことを示したものであって、図8(b)においても同様としている。
図8(b)は、図8(a)でテコ部材45a、45bに連結された基材44cに、化粧部材44aがネジ46e〜46lでネジ止めされる状態を示している。化粧部材44a、
44bにはスチロール樹脂などの樹脂部材を利用することで、利用者が握ったときの感触を良好なものにすると共に、滑りを防いでしっかりと保持させることを可能としている。図8(c)は、図8(b)で固定された化粧部材44aに対して、反対側から化粧部材44bが嵌め込まれる様子が示されている。このように、化粧部材44bにてネジ止めされた部分を全て覆うことで、美感上優れたものとなっている。
以上、開放機構部43の組み立ての様子について説明したが、本実施形態では、基材44c、化粧部材44a、44bにて把持部材44が形成されている。なお、本実施形態では、いくつかのパーツを組み合わせることで、開放機構部43を形成しているが、開放機構部43の形成方法については、この形態に限られるものではなく、適宜パーツを一体、あるいは、別体にて形成されるものであってもよく、把持部材44、テコ部材45a、45bを一体で形成することとしても構わない。
図8(c)に示されるように、テコ部材45a、45bの一端には、把持部材44が接続されて形成される。テコ部材45a、45bにおいて、把持部材44が接続される部分が、本発明における作用部に対応している。各テコ部材45a、45bの中央付近には、それぞれ回動穴49a、49bが設けられている。開放機構部43は、この回動穴49a、49bを介して冷蔵庫扉30の両側面に回動可能に取り付けられる。このテコ部材45a、45bにおける回動穴49a、49bが、本発明における支持部に対応している。
また、各テコ部材45a、45bの他端には、ローラー41a、41bが回動可能に設けられている。このローラー41a、41bは、開放機構部43を冷蔵庫扉30に取り付けたときに、冷蔵庫外箱20の周縁部23と対向するように設けられている。本実施形態では、このローラー41a、41bが押圧部に対応している。なお、このローラー41a、41bは、冷蔵庫扉30の開閉をスムースにするとともに、周縁部23が傷つくことを防止するために設けられたものであって必ずしも必要とされるものではない。
図9は、本発明の実施形態に係る開放機構の動作の様子を示す図であって、図9(a)には、開放機構40が非操作時であって、冷蔵庫扉30が閉状態における冷蔵庫10の側面拡大図が示されている。なお、図示はしないが反対側の側面も同様の構成としている。冷蔵庫扉30は、その背面の周縁に磁石付きのパッキンなどで構成された吸着部38によって、冷蔵庫外箱20の周縁部23に吸着した状態となっている。また、図2で説明したように開放機構40は、係止部材42bにて冷蔵庫扉30の側面に回動可能に固定されている。本実施形態では、冷蔵庫扉30の側面に凹部39bが形成されており、テコ部材45bの回動範囲を所定範囲に規制することとしている。テコ部材45bの回動範囲を必要最小限に抑えることで、テコ部材45で指を挟むなどの事故を防ぐことが可能となる。
冷蔵庫扉30の表面には、把持部材44の少なくとも一部を収容する収納凹部32が設けられている。開放機構40の非操作時において、把持部材44の少なくとも一部が収納凹部32内に収納されることで、冷蔵庫扉30の表面の凹凸を少なくし、冷蔵庫10のコンパクト化を図ると共に美感上においても優れたものとすることができる。なお、非操作時において、把持部材44は、開放機構部43の自重により収納凹部32に収納されることとしている。本実施形態では、ローラー41b側よりも把持部材44側が重く構成されており、冷蔵庫10を平坦部に設置したとき、係止部材42b回りに矢印で示す向きの力が作用することで把持部材44が収納凹部32内に自動的に収納されるように構成されている。このような構成によれば、バネ部材などの追加構成を要することなく、把持部材44を所定位置に戻すことが可能となる。
図9(b)は、開放機構40の操作時であって、冷蔵庫30が開状態となった場合の冷蔵庫10の側面拡大図が示されている。この図に示されるように開放機構40は、矢印で示すように把持部材44を引き出すようにして操作される。把持部材44の引き出しに伴
い、テコ部材45bは係止部材42bを中心として時計回りに回動する。他端に設けられているローラー41bは、冷蔵庫外箱20の周縁部41bを押圧し、冷蔵庫扉30を冷蔵庫外箱20から引き離す力を作用させる。好ましくは、テコ部材45bの最大可動位置において形成される吸着部38と冷蔵庫外箱20の開放幅が、冷蔵庫外箱20に対する吸着部38の吸引力が十分小さくなる距離となるとよい。
冷蔵庫扉30の他端側においてもテコ部材45bが同様の動作を行うこととなる。両テコ部材45aと45bは同形状に形成されているため、把持部材44の操作時において、ローラー41a、41bは、ほぼ同時、そして、ほぼ等力で冷蔵庫外箱20を押圧する。よって、冷蔵庫扉30は、傾いた状態となることなくスムースに引き出されることとなる。本実施形態のテコ部材42は、から把持部材44の取付位置(作用部)までの長さ(図に矢印で示すA)が、係止部材42bの位置(支持部)からローラー41bが周縁部23に当接する位置(押圧部)までの長さ(図に矢印で示すB)よりも長く構成されている。よって把持部材44の操作により大きな押圧力を働かせることも可能となり、冷蔵庫扉30をスムースに引き出すことが可能となっている。
図10は、他の実施形態に係る開放機構の動作の様子を示す図であって、図9で説明したものに対し、テコ部材45bの取付方向が上下逆向きになっている点で異なった実施形態となっている。このように開放機構43の取付方向は適宜選択することが可能である。この実施形態の動作説明は、図9で説明したものと略同様であるが、収納凹部32に対する把持部材44の自動収納の点において構成を異にしている。本実施形態では、把持部材44側よりもローラー41b側が重く構成されており、冷蔵庫10を平坦部に設置したとき、係止部材42b回りに矢印で示す向きの力が作用することで把持部材44が収納凹部32内に自動的に収納されるように構成されている。
以上、本発明によれば、引出式の扉開放機構を有する冷蔵庫において、簡易な扉開放機構でスムースな扉の開放を可能とするものである。具体的には、把持部を操作することで、扉の両側面に配設されるテコ部材を、冷蔵庫外箱の周縁部に押圧させ、バランスよく冷蔵庫扉を開放することを可能としている。このように冷蔵庫扉をバランスよく開放することができるため、冷蔵庫扉の引出機構にも引き出し精度の高い部材を配する必要が無く、製造コストの低減を図ることが可能となる。
以上、本発明の種々の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
10…冷蔵庫、20…冷蔵庫外箱、21…フットライト、21a…照明部、21b…人感センサー、22…脚部、23…周縁部、24…収納庫、30…冷蔵庫扉、31…冷蔵庫扉表面、32…収納凹部、32a…拡大収納凹部、33…表示部、33a…表示面、33b…導光部、33c…発光部、35…カバー部材、36…引出式収納部、37…上部取手、38…吸着部、39…凹部、40…開放機構、41…ローラー、42…係止部材、43…開放機構部、44…把持部材、44a…化粧部材1、44b…化粧部材2、44c…基材、45…テコ部材、46…ネジ、47…固定穴、48…ネジ穴、49…回動穴、51…制御部、52…開閉センサー、53…設定部、54…冷却部、55…放音部、56…庫内灯

Claims (5)

  1. 外箱と扉を備え、扉を引き出すことで収納部が開放される冷蔵庫において、
    扉の両側面に配設されるテコ部材と、把持部材を備える開放機構部を有し、
    各テコ部材は、扉の側面に回動可能に取り付けられる支持部と、外箱の周縁部と対向する側の端に設けられた押圧部と、支持部を挟んで他端に設けられた作用部とを有し、
    把持部材は、扉表面の一端から他端に架け渡すように各テコ部材の作用部を接続し、
    把持部材を操作したとき、両方の押圧部が外箱の周縁部を押圧することを特徴とする
    冷蔵庫。
  2. 各テコ部材において、支持部から作用部までの長さは、支持部から押圧部までの長さよりも長いことを特徴とする
    請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 扉表面には、把持部材の少なくとも一部を収容可能な収納凹部が形成され、
    開放機構部の自重により、把持部材の少なくとも一部が収納凹部に収納されることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
  4. 扉の両側面には、テコ部材の回動範囲を所定範囲に規制する凹部が形成されていることを特徴とする
    請求項1から請求項3の何れか1項に記載の冷蔵庫。
  5. テコ部材の回動部分を覆うカバー部材を有することを特徴とする
    請求項1から請求項4の何れか1項に記載の冷蔵庫。
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