JP5559409B1 - 高層の建築物、及びそのメンテナンス方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】昇降足場を用いての建築物のメンテナンスを、マストの安定性や、マストの立てる位置についての制限なしに行えるようにする。
【解決手段】建築物100の側壁101には、予め複数の接続金具110が取付けられている。接続金具110は、昇降足場のマスト200が立てられることが予定された位置に、マスト200を安定して支えられるだけ設けられている。昇降足場を用いて建築物100のメンテナンスを行う場合には、立てたマスト200を接続金具110と連結金具300を介して接続する。マスト200にはマスト200を昇降する足場210が取付けられ、作業員はその上でメンテナンス作業を行う。
【選択図】図3

Description

本発明は、高層の建築物のメンテナンス方法に関する。なお、本願における「高層の建築物」の「建築物」の語には、人がその内部に入る用いられ方が本来的な用途として想定されているビルディング等に限らず、人がその内部に入る用いられ方が本来的な用途として想定されていない煙突や、橋梁等も含むものとする。また、本願における「高層の建築物」の「高層の」の語は、その外壁のメンテナンスに技術的な困難が生じる程度の高さ、少なくとも20m以上の高さを意味するものとする。
高層の建築物に限られないが、高層の建築物においては特に、点検、清掃、塗料の塗りなおし等を含む建築物の外壁等のメンテナンスが困難になりがちである。
それほど高層でない建築物であれば、ビテイ足場などの足場を場合によっては建築物の外壁に固定しつつ建築物の外壁等に沿って立て、足場の上に乗った作業員が建築物のメンテナンスを行う。しかしながら、この方法は、建築物が高層になると足場の構築の労力が過大になるか、そのような高層の足場の構築自体が不可能となるから実用が難しい。
そのような事情から、高層の建築物のメンテナンスは一般に、建築物の最上方から吊り下げられたゴンドラに乗った作業員が行う。例えば、ビルディングの場合であれば、屋上に設けたウインチで吊り下げられたゴンドラに乗った作業員がビルディングのメンテナンスを行う。
ゴンドラに乗った作業員に建築物のメンテナンスを行わせるのは上述のように一般的であるが、ゴンドラを吊り下げる箇所に制限があったり、揺れにより足場の悪くなりがちなゴンドラに乗っての作業員が行う作業に危険が生じやすい点で課題を残す。
他方、建築物のメンテナンスに、昇降足場を応用することも最近はある。昇降足場は、高いマストと、マストを昇降できる足場とを備えており、足場に乗った作業員がメンテナンス等の作業を行えるようなものとされている。昇降足場は、基本的に建築物の外壁の全面に沿って配することが必要となるビテイ足場と異なり、昇降足場を支えるために必要なだけのマストを立てそれに足場を取付けるだけで使用のための準備が済むのでその使用に際しての労力やコストが小さい。また、昇降足場は、その足場の安定性が宙吊りにされるゴンドラよりも良いから、ゴンドラを用いる場合に比べて、建築物のメンテナンスを行う作業員の安全性の確保が容易となる。
しかしながら、マストがある程度以上高くなると、マストをその下端で支えるだけではマストの安定性を保つのが難しくなる。他方、マストの上方(本願で「マストの上方」の語は、マストの下端ではない部分を意味する。以下も同じである。)を建築物の適当な部分と固定できればマストの安定性を高めることが可能となるが、一般的に建築物の側壁にはそのような固定が可能な場所がない。また、仮にそのような場所が存在していたとしても、建築物の側壁にマストの上方を固定できる場所が限られているから、マストを立てる場所に制限が生じる、という課題は残ってしまう。また、マストを固定するための何らかの部材を建築物の側壁に後付け的に設けることも考えられるが(実際、ビテイ足場等の足場を、建築物に後付けした第1の金具と、その一端を第1の金具にその他端を足場に固定する第2の金具を用いて、建築物の側壁に接続する技術は実用されている。)、その部材と建築物との接続の強度を必ずしも十分なものとすることが難しく、またそのような部材を建築物の側壁の所望の位置に常に取付けられるわけでもなく、また何よりそのようなことをして建築物を傷つけることを例えば建築物の所有者が嫌う、という事情がある。
本願発明は、高層の建築物の側壁の所望の部分とマストの上方とを固定できるようにするための技術を提供することをその直接的な目的とし、それにより昇降足場を用いての建築物のメンテナンスを、マストの安定性や、マストの立てる位置についての従来の不具合なしに行えるようにすることをその間接的な目的とする。
上述の課題を解決するため、本願発明者は以下の発明を提案する。
本願発明者が提案するのは、高層の建築物であって、前記建築物の側壁に並行して立てられることが想定されている少なくとも一つのマストと接続するための接続金具が、その側壁の、前記接続金具と接続された前記マストを前記接続金具が安定して支持できるだけの位置に、前記接続金具と接続された前記マストを前記接続金具が安定して支持できるだけの数、取付けられており、前記接続金具のそれぞれの基端が前記側壁に前記建築物の完成時から埋め込まれている、建築物、である。
この建築物は、上述のように、当初から、マストの上方と接続することのできる接続金具をその側壁に備えている。したがって、この建築物によれば、その接続金具を用いることにより、高層の建築物の側壁の所望の部分とマストの上方とを固定できるようになる。また、それにより昇降足場を用いての建築物のメンテナンスを、マストの安定性を保ちながら行えるようになる。更に、マストの上方を固定できる場所が接続金具のある位置に制限されはするものの、接続金具を適当な位置に当初から設けておくことにより、マストの立てる位置についての制限を事実上なきものにできる。
また、接続金具のそれぞれの基端は、建築物の側壁に建築物の完成時から埋め込まれている。つまり、本願発明の接続金具は、建築物に対して後付けするものではない。したがって、昇降足場のマストからの荷重が掛かる接続金具と建築物の側壁との接続を十分強固にすることができるし、適切な設計を行うことで接続金具を建築物の側壁の所望の位置に取付けることが可能となるし、また、完成した建築物を傷つけることもない。
なお、マストは、建築物の側壁に並行して立てられることが想定されているが、ここで言う「並行」はマストと建築物の側壁とが「平行」である場合も含むが、必ずしも両者が「平行」であることを要しない。マストは、例えば地面に対して垂直に立てられるが、立てられたマストが側壁に、完全ではないものの「沿う」状態となることが想定されていれば、「マストが建築物の側壁に並行して立てられることが想定されている」、という要件が充足されるものとする。例えば、建築物の側面がその縦方向に多少波打っており、マストが地面に対して垂直である場合であっても、「マストが建築物の側壁に並行して立てられることが想定されている」、という要件が充足されるものとする。
また、接続金具は、マストと固定できるようになっていればその具体的な構成は問わない。ただし、その基端は、接続金具と建築物の側壁との接続を強固にするために、側壁に埋め込まれたものとする。前記接続金具の基端には、前記側壁から前記接続金具が抜けるのを防止するアンカーが設けられていても良い。アンカーの形状は、接続金具の側壁からの抜け止めを実現できるようなものであれば、その詳細を問わない。
前記接続金具の少なくとも一つの基端は、建築物の柱又は梁に埋め込まれていてもよい。こうすることで、接続金具と側壁との固定をより強固にすることができるようになる。接続金具のすべての基端が、建築物の柱又は梁に埋め込まれていても良い。また、後述するように建築物はビルディングである場合がある。そして最近のビルディングは、その側壁が、予め工場等で製造されたパネルである場合がある。ビルディングの側壁がパネルで構築されている場合、接続金具の少なくとも一部の基端はパネルに埋め込まれていても良い。また、建築物がビルディングであり、且つその側壁がパネルで構築されている場合、すべての前記接続金具の基端は、前記建築物の側壁の外面を構成するパネルか、前記建築物の柱又は梁のいずれかに埋め込まれていても良い。接続金具の基端にアンカーが設けられていれば、側壁と接続金具の結合は益々強固になる。
接続金具の建築物の側壁への埋め込みは、側壁の製造時に行うことができる。例えば、側壁がコンクリート製なのであれば、コンクリートを打設する時点で接続金具の基端を打設されるコンクリートの中に埋め込んでおき、養生後コンクリートが硬化したときには既に接続金具が側壁の内部に埋め込まれているようにすることができる。また、建築物がビルディングであり、その側壁がパネルでできている場合、接続金具は、その基端をパネルの製造時にパネルに埋め込まれるようにすることができる。ビルディングの外壁を構成するためのパネルとしては例えば、ALC(Autoclaved Lightweight Concrete/軽量コンクリート)パネル、PC(Prestressed Concrete/高強度コンクリート)パネルというコンクリート製のパネルが知られている。ALCパネルであれば、その厚さが数百mm程度あるのが一般的なので、コンクリートの打設時にその内部に、接続金具の基端を埋め込んで、その固定を十分に強固なものとすることが可能である。接続金具の基端にアンカーが設けられていれば、パネルと接続金具の結合、ひいては建築物の側壁と接続金具の結合は益々強固になる。
接続金具とマストの固定は、接続金具とマストが直接固定されるものでも、また接続金具が他の金具などの他の手段を介してマストと間接的に固定されるものでも良い。また、マストと接続金具の固定は、基本的には着脱自在なものとすべきである。
前記接続金具は、ナットであってもよい。ナットである前記接続金具は、ネジ切りされたその内周面の一方の開口を前記側壁から露出させるようにして、少なくともその基端側を前記側壁に埋め込まれていてもよい。なお、ナットの他方の開口は存在しなくても(つまり、覆われている状態となっていても)良い。建築物の側壁の、上述した位置に、上述した数のナットを埋め込んでおくだけで、マストを立てる位置についての制限なく、安定した状態でマストを立てられるようになる。
前記接続金具は、前記マストと接続されるときに除去可能とされた、前記接続金具の露出を防ぐカバーによりその表面を覆われていてもよい。
接続金具が建築物の側壁に設けられていると、建築物の美観が損ねられる可能性がある。また、何らかの原因で舞い上がった何らかの物体が例えば高い位置に位置する接続金具に引っかかる可能性がないとも限らない。上述の如きカバーがあれば、そのような事態を防ぐことが可能となる。例えば、カバーの外観を、建築物の外壁との馴染みの良いものとすることで、建築物の外観を損なう可能性を小さくすることができる。カバーは、建築物の美観を維持する機能と、何らかの物体が接続金具に引っかかる可能性を低減できる機能の一方のみを備えるものであっても良い。
前記カバーは、前記側壁に対して着脱自在とされていても良い。そのようなカバーであれば、マストと接続金具を接続するときにはカバーを外し、マストと接続金具の接続を解除するときにはカバーを再度取付けることにより、繰り返しカバーを用いることができるようになる。
また、前記カバーは、それが破壊されることで(不可逆に除去される場合を含む。)その内部にあった前記接続金具が露出するようなものとされていてもよい。例えば、粘土を始めとする粘土状のもの、モルタルを始めとするモルタル状のもの、発泡ウレタン、ウレタン、発泡スチロールなどの樹脂などをカバーとして用いることが可能である。これらの一つをカバーとして用いた場合には、雨水の含浸を防止することにより、雨水による接続金具への影響を低減することが可能となる。
接続金具は、上述のように、高層の建築物の側壁の、接続金具と接続されたマストを接続金具が安定して支持できるだけの位置に、前記接続金具と接続されたマストを接続金具が安定して支持できるだけの数、取付けられる。その目的が達成される限りにおいて、接続金具の数は一つでも構わないし、複数であっても構わない。
例えば、前記接続金具は、前記側壁の外面の少なくとも一つの縦方向の線上に少なくとも2つ設けられていても良い。そのように接続金具が配置されていれば、1本のマストを側壁に固定する場合において、そのマストの下端以外に、そのマストの上方の2箇所を接続金具と固定することができるようになるので、マストの安定性を増すに有用である。
本願発明による建築物は、オフィス用途の、或いは居住用のマンションであるビルディングであっても良い。もっとも、建築物は、人がその内部に入る用いられ方が本来的な用途として想定されていない煙突や、橋梁等の所謂構築物と呼ばれる建築物であっても構わない。
接続金具は建築物の側壁に設けられる。接続金具はマストと固定できるようになっている必要があるから、上述の、或いは後述するカバーがない状態では外部に少なくともその一部が露出する状態となる。
前記接続金具の少なくとも一つは、前記側壁の外面に設けられた凹部の内部に取付けられており、前記接続金具は、前記側壁の略面一の面である外面から露出しないようになっていてもよい。建築物の美観を維持する機能、或いは何らかの物体が接続金具に引っかかる可能性を低減できる機能を発揮させるための手段として、カバーを用いることができることを既に述べた。同様の機能を、接続金具を凹部の中に設けることにより得られることがある。すべての接続金具が凹部の中にあることも当然に許容される。
上述のように本願の建築物は、ビルディングである場合があり、ビルディングの側壁はパネルにて構成されている場合がある。その場合、接続金具がその内部に設けられる凹部はパネルに設けられていても良い。パネルが例えばALCパネル、PCパネルなどのコンクリート生のパネルであれば、その厚さは上述したように数百mmあるので、凹部を作り、且つその凹部の底に接続金具の基端を埋め込んだとしても、パネルと接続金具の結合を十分に強固なものとするに問題はない。 本願発明者は、また、ビルディングの側壁の外面を構成するパネルであって、その外面に接続金具の基端が埋め込まれており、そのパネルをビルディングである高層の建築物の予定された位置に取付けることで、前記建築物の側壁に並行して立てられることが想定されている少なくとも一つのマストと接続するための接続金具が、その側壁の、前記接続金具と接続された前記マストを前記接続金具が安定して支持できるだけの位置に、前記接続金具と接続された前記マストを前記接続金具が安定して支持できるだけの数、取付けられた建築物を建築することができるようになっている、パネルをも本願発明の一形態として提案する。このパネルにも凹部を設けることができ、接続金具が凹部の中に設けられていて良いのは当然である。また、凹部の有無を問わず、このパネルにも既に説明した、或いは後述するのと同様のカバーが設けられていても良い。
いずれの場合においても前記凹部には、前記接続金具の露出を隠すカバーが設けられていても良い。つまり、パネルの凹部にカバーを設けることもできる。カバーの構成、機能については既に述べた通りである。
前記カバーは、前記凹部の開口を覆う板であっても良い。板は凹部の開口に対して着脱自在であってもよい。それにより、繰り返しカバーを用いることができるようになる。カバーの外観を建築物の外壁との馴染みの良いものとするために、板であるカバーの外側に、建築物の側壁の表面に配された素材(例えばタイル)を配しておくことも可能である。
前記カバーは、前記凹部に充填される充填材であってもよい。この場合のカバーは、それが破壊されることでその内部にあった前記接続金具が露出するようなものとされていてもよい。例えば、粘土を始めとする粘土状のもの、モルタルを始めとするモルタル状のもの、発泡ウレタン、ウレタン、発泡スチロールなどの樹脂などを充填材であるカバーとして凹部に充填することができる。
本願発明者は、また、高層の建築物のメンテナンス方法をも提供する。
その方法は、前記建築物の側壁に並行して立てられることが想定されている少なくとも一つのマストと接続するための接続金具が、その側壁の、前記接続金具と接続された前記マストを前記接続金具が安定して支持できるだけの位置に、前記接続金具と接続された前記マストを前記接続金具が安定して支持できるだけの数、前記接続金具のそれぞれの基端が前記側壁に前記建築物の完成時から埋め込まれた状態で、取付けられている高層の建築物の前記接続金具のうちの少なくとも1つに、少なくとも接続した状態で、その下端を固定された少なくとも1つのマストを前記建築物の側壁に並行して立て、前記マストを昇降することのできる足場を取付け、前記足場を前記マストに沿って昇降させるとともに、前記足場に乗った作業員に前記建築物のメンテナンス作業を行わせる、メンテナンス方法である。
この方法によれば、昇降足場を用いての建築物のメンテナンスを、マストの安定性を保ちながら行えるようになるとともに、マストの立てる位置についての制限を事実上ない状態にできる。
本発明の第1実施形態における建築物の全体構成を概略的に示す側面図。 図1に示した建築物の側壁に設けられた接続金具の配置態様の例を示す正面図。 図1に示した建築物のメンテナンスが行われている状態を概略的に示す側面図。 図3に示した接続金具と連結金具の接続状態を示す斜視図。 変形例1の接続金具を示す側断面図。 変形例2の接続金具を示す側断面図。 変形例2の接続金具の他の例を示す側断面図。 変形例3のパネルの構成を示す(A)正面図と、(B)その開口蓋付近のX−X断面図。 本発明の第2実施形態における建築物のメンテナンスが行われている状態を概略的に示す平面図。 変形例4の接続金具を示す側断面図。 変形例4の接続金具に開口蓋を応用した例を示す側断面図。 図1に示した建築物の側壁に設けられた接続金具の側壁への取付け状態を示す断面図。 図1に示した建築物のメンテナンスが行われている状態を概略的に示す平面図。
以下、本発明の好ましい第1及び第2実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各実施形態、及び変形例の説明において、共通の対象には同一の符号を付すこととし、また、重複する説明は場合により省略することとする。
≪第1実施形態≫
図1に、第1実施形態における建築物100を示す。
建築物100は、ビルディングである。建築物100たるビルディングは、例えば、オフィスビル、マンションである。建築物100は、地盤500に立っている。後述する接続金具を備える点を除き、建築物100の構成はごく一般的なものである。図1には、出入り口、窓等の記載がないが、当然に建築物100は通常の建築物が、或いは通常のビルディングが要求される機能を充足させるための構成を備えている。
建築物100は高層である。建築物100は、その高さが20m以上であり、そのメンテナンスに困難が生じやすい程度の高さである。建築物100の高さは例えば数百m以上であってもよい。
接続金具110は、金属製であり、後述するように、これも後述するマストの上方(マストの下端以外の部分)と接続可能となっている。また、接続金具110は、マストの上方と接続されたときにマストを安定して支持できるだけの強度を備えている。後述のように、マストは、昇降足場の一部をなすものである。
建築物100の側壁101には、少なくとも一つの接続金具110が設けられている。図1の例では複数の、より詳細には7つの接続金具110が建築物100の側壁101に設けられている。なお、図1では理解の容易のために、接続金具110を大きめに記載している。
接続金具110は建築物100の側壁101の所定の位置に設けられている。接続金具110が設けられる側壁101における位置は、追って立てられるマストを、接続金具110と固定することができるような位置である。
つまり、接続金具110は、接続金具110と接続されたマストを接続金具110が安定して支持できるだけの位置に、接続金具110と接続されたマストを接続金具110が安定して支持できるだけの数、側壁101に取付けられる。
建築物100が略直方体形状のビルディングである場合には側壁101は4面存在する。その場合接続金具110は、側壁101の1面にのみ存在する場合もあるし、側壁101の2面又は3面に存在する場合もあるし、或いはすべての側壁101に存在する場合もある。
また、接続金具110は、側壁101の全体に存在している場合もあるし、側壁101の一部の範囲にのみ存在している場合がある。
また、接続金具110が側壁101のある範囲に存在する場合、接続金具110は接続金具110が存在する範囲の全面に一様に配されている場合もあるし、ある範囲では密に、ある範囲では疎に配されている場合もありうる。
接続金具110は、図12に示したようにして側壁101に取付けられている。接続金具110の基端には、アンカー110Aが設けられている。
接続金具110のアンカー110Aは、側壁101を製造する段階で、例えば、側壁101を形成するためにコンクリートを打設する前段階で後に側壁101が位置することとなる空間に位置させられる。その状態でコンクリートを打設し、コンクリートを硬化させることで、接続金具110のアンカー110Aは側壁101の中に埋め込まれた状態となる。アンカー110Aは例えば、傘が開いたような形状をしている。この形状は、アンカー110Aが側壁101から抜け落ちるのを防止する。アンカー110Aの存在により、接続金具110は、強固に側壁101に固定される。なお、アンカー110Aの形状は必ずしも図示したような傘型である必要はなく、アンカー110Aが側壁101から抜け落ちるのを防止できる形状であれば良い。アンカー110Aの形状は、公知のものを採用し得る。アンカー110Aは、建築物100の側壁101、又は図示を省略の柱又は梁に埋め込まれる。
建築物100がビルディングである場合、その側壁101は、パネルの集合により構成されている場合がある。パネルは例えば、ALCパネル又はPCパネルである。パネルは例えば矩形の板状であり、一般的には隣接するもの同士の縦横の長さが揃っている。パネルは、縦横に配列され、側壁101を構成する。接続金具110のアンカー110Aは、パネルの製造時にパネルに埋め込むことができる。パネルが、コンクリートにより形成されている場合には、側壁101の製造時にアンカー110Aを側壁101に埋め込む上述の方法と同様の方法で、パネルの製造時にアンカー110Aを埋め込むことができる。パネルの厚さは、そのようなアンカー110Aの埋め込みを行ってもなおパネルの強度、及びパネルとアンカー110Aの結合の強度が十分な程度にし、例えば300mm程度とする。建築物100の側壁101がパネルの集合により構成されている場合、すべてのパネルに接続金具110が取付けられている必要はないし、また一つのパネルに2つ以上の接続金具110が取付けられている場合もあり得る。パネルは建築物100の建築現場ではなく一般的に工場で製造されるものであるが、工場でパネルを製造する段階で、多数のパネルを配列して建築物100の側壁101を構築した際に、最終的に必要な部分に接続金具110が位置するように設計しておけば良い。
一の側壁101の正面図を図2に示す。図2には、接続金具110が側壁101に取付けられる幾つかのパターンをまとめて示している。
この例で示された側壁101への接続金具110の取付け方のパターンは、A〜Dの4つである。各パターンで示された側壁101の縦方向の線上に並ぶ接続金具110はそれぞれ、一本のマストを支えるのに用いられる。A〜Dのパターンとも側壁101の縦方向の線に沿って配列された、或いは垂直方向に配列された、複数の接続金具110が含まれている。各パターンに含まれた一連の接続金具110により、マストは垂直ないしそれに近い状態で、建築物100の側壁101に並行した状態で支えられることになる。
まずAのパターンについて説明する。Aのパターンでは、垂直方向では等間隔となるようにして、接続金具110が側壁101の高さ方向の略全体に亘って、一列に配列されている。各接続金具110は、マストを接続するために使用可能であるが、マストの接続時に、すべての接続金具110がマストと接続されるとは限らない。なお、この点は以下のB〜Dでも同様である。
次にBのパターンについて説明する。Bのパターンでは、垂直方向での間隔が不規則になるようにして、接続金具110が側壁101の高さ方向の略全体に亘って、一列に配列されている。
次にCのパターンについて説明する。Cのパターンでは、垂直方向での間隔が等間隔になるようにして、接続金具110が側壁101の高さ方向の一部に、一列に配列されている。このように接続金具110は側壁101の縦方向の線方向においても一様に存在する必要はない。
次にDのパターンについて説明する。Dのパターンでは、垂直方向では等間隔となるようにして、接続金具110が側壁101の高さ方向の略全体に亘って二列に配列されている。この例では、横並びの2つの接続金具110を用いて、マストの同じ高さを支持することで、マストの固定の強度をあげることができる。
また、パターンCとパターンDの間には接続金具110が存在しない部分がある。このように、接続金具110は、横方向においても一様に存在する必要はない。
接続金具110でマストを固定して、マストを垂直ないしそれに近い状態で、建築物100の側壁101に並行した状態に立てた状態を図3に示す。
図3の側面図に示したように、マスト200は接続金具110と、連結金具300を介して接続することが可能である。
接続金具110と、連結金具300の構造の詳細と、接続の方法とを、図4の斜視図を用いて説明する。なお、連結金具300は、この実施形態では金属製である。また、接続金具110と連結金具300とは、それらを互いに着脱自在に接続できるようになっていれば足りる。つまり、以下に説明する、接続金具110と連結金具300の構成は、あり得る構成の一例に過ぎない。
接続金具110は側壁101から垂直に伸びる接続本体部111と、これには限られないが接続本体部111を上方に折り曲げてなる接続係止部112とからなる。接続本体部111の基端(図4の左奥)側は、適当な方法で側壁101に固定されている。例えば、接続本体部111の基端には板状のベースが設けられており、そのベースに穿たれた孔を貫通したボルトを側壁101に螺合させることにより、或いは接続本体部111の基端は側壁の中に埋め込まれて抜け出さない形状となっているアンカーを備えており、そのアンカーを側壁101中に固定することにより、接続本体部111の基端側は側壁101に固定されている。
他方、連結金具300は、棒状の連結本体部301を備えている。連結本体部301は、図示と詳述を省略するが、適当な構造により、その基端(図4の右手前)側を、マスト200と固定できるようになっている。連結本体部301の先端側には、把持部302が設けられている。把持部302は、連結本体部301と接続金具110の固定をなすものである。把持部302は下が開いたコの字型をしている。また、把持部302の両先端には図示を省略のネジ孔が空けられている。把持部302の下端には、板状の部材である蓋303が取付けられるようになっている。蓋303は把持部302の下側の開口を塞ぐものである。把持部302の両先端部分には、図示を省略の孔が穿たれており、蓋303の両側のその孔に対応する位置には、これも図示を省略のネジ穴が設けられている。2つの把持部302の先端部分に設けられた孔を貫通させたボルト304の先端を、蓋303の両側のネジ穴に螺合させることによって、蓋303は把持部302にしっかりと固定される。そのとき、蓋303でその下側を、把持部302の内側面でその上側と左右両側とを囲まれた矩形の孔ができる。その矩形の孔の断面形状と大きさは、接続金具110の接続本体部111の断面形状に対応したものとなっている。つまり、2つの把持部302で接続金具110の接続本体部111を跨いだ状態で、把持部302に蓋303を固定すると、接続本体部111の先端の太さが接続係止部112を備えているから太くなっていることもあり、把持部302と蓋303に囲まれた上述の矩形の孔から接続本体部111が抜けなくなる。
つまり、上述の矩形の孔(の周囲)が接続係止部112と係止し合うことにより、接続金具110と連結金具300をしっかり固定することができる。
次いで、接続金具110を備えた建築物100のメンテナンス方法について説明する。
メンテナンスには昇降足場を用いる。昇降足場は周知であり、当業者において特に説明を要することはないためその詳細の説明を省略するが、昇降足場は、マストとそれに沿って昇降を自由に行えるようにされた足場とを備えている。足場は駆動装置を含んでいる。駆動装置は、マストに対して昇降するための動力を発生させるものであるとともに、マストに対して任意の高さで固定することができるものとなっている。
メンテナンスを行うためには、メンテナンスのための作業を行うために足場が必要となる部分に足場を位置させられるようにするために、足場を位置させるに適当な位置にマスト200(図3、及び図13を参照。)を立設する。
この実施形態では、建築物100の各側壁101の幅方向の両端付近に、マスト200を立てることとしている。ある側壁101の幅方向の両端付近に立てられたマスト200は、その側壁101の横幅に略相当する足場210の両端付近をそれぞれ支持するものとなっている。ある側壁101に面した足場210は、その足場210が面した側壁101をメンテナンスするのに用いられる。側壁101に設けられる接続金具110の配列の仕方については図2を用いて例示的に説明したが、図13の位置にマスト200を立てるのであれば、接続金具110は、側壁101の幅方向の両端付近、言い換えれば側壁101のマスト200と対面する部分の垂直方向に、複数の接続金具110が設けられていれば良い。
なお、図13では、4つの側壁101のすべてに対して2本のマスト200が立てられ、そこに足場210が取付けられることになっているが、建築物100のメンテナンスは必ずしもすべての側壁101に対して同時に行う必要はない。つまり、そのときメンテナンスの対象となっている側壁101に対してのみ、2本のマスト200を立て足場210を取付けることも可能である。例えば、図13で言えば、実線で描かれた足場210がそれに面するようにされている左側の側壁101のメンテナンスをこの段階で行い、二点鎖線で示された足場210がそれに面するようにされているその他3つの側壁101のメンテナンスを追って行うことが可能である。
マスト200は通常、長さ方向の適当な位置で分割されたマスト体の集合とされており、それを接続していくことで、必要な高さまで上方に伸ばしていくことができる。
まず、マスト体の下端を、地盤500(図3参照)に公知の方法で固定する。次いで、マスト200(地盤500に固定したマスト体)に足場210を取付ける(図3、及び図13参照)。図3に示したように、足場210は上述の駆動装置220を備えている。なお、足場210は本来、足場210に乗った作業員の安全性を確保するための、その周囲を囲む柵等の設備を備えているが、その図示も説明も省略する。
次いで、その足場210に、その上に取付けるべきマスト体を載せ、足場210を地盤に固定されたマスト体の上方付近まで上げ、足場210に載せられていたマスト体を、その下のマスト体の上方に接続する。これを繰り返しながら、マスト200は、上へ上へと伸びていく。
また、接続金具110があり、マスト200の安定性を増すためにマスト200と接続金具110の接続が必要な場合には、その接続金具110とマスト200の接続を行う。マスト200と接続金具110の接続の方法は上述した通りであるが、マスト200と連結金具300とを固定するとともに、連結金具300と接続金具110とを接続することにより、それを行う。なお、マスト200と連結金具300の接続と、連結金具300と接続金具110の接続とは、いずれを先に行なっても構わない。
以上の作業を繰り返すことにより、図3に示したように、側壁101に並行した状態で、略垂直にマスト200が立てられる。
次いで、マスト200に取付けられた足場210に作業者が乗り、足場を上下させ、適当な高さで足場を止める。作業者は安全に、建築物100のメンテナンスを行うことができる。
メンテナンスが終わったら、マスト200を上述の手順とは逆の作業を行うことによりマスト体に解体し、マスト体、足場210を搬出する。
<変形例1>
次に、第1実施形態の変形例について説明する。
第1実施形態における接続金具110は、側壁101に固定された状態で外部に露出していた。接続金具110は露出していない方が、建築物100の美観という点で好ましい場合が多く、また、接続金具110に対して何らかの物体が係止されるという不具合も軽減される。
変形例1の建築物100は第1実施形態の建築物100と略同じであり、第1実施形態の場合と同様に接続金具110を備えているが、変形例1の接続金具110は、側壁101に設けられた凹部102の内部に固定されている(図5参照)。それにより、接続金具110は、凹部102の周囲に広がる側壁101の略面一の面である側壁101の外面から露出しないようになっている。
この限りではないが、変形例1の建築物100における凹部102は、その開口に対して着脱自在に取付けることのできる板状の開口蓋103を備えている。開口蓋103を開口に対して着脱自在に取付けるための方法は、周知の方法を応用することができる。開口蓋103が存在している場合には、接続金具110は、完全に外部に露出しない状態となる。また、この限りではないが、開口蓋103の外面は、側壁101の外面と同様に仕上げられている。例えば、側壁101の外面にタイルが貼り付けられているのであれば、それと同様のタイルが開口蓋103の外面に貼り付けられている。そうすることにより開口蓋103は、側壁101との馴染みの良いものとなるため、その存在が建築物100の外観に与える影響を小さくすることができる。
なお、接続金具110を凹部102の内部に設け、凹部102の開口に開口蓋103を設けるという以上の構造は、少なくとも一つの接続金具110について採用すれば良いが、この変形例1ではすべての接続金具について採用している。
変形例1の建築物100のメンテナンス方法は、基本的に第1実施形態の場合と同じである。異なるのは、マスト200と接続金具110とを連結金具300を介して接続するにあたり、接続金具110を外部に露出させるために、開口蓋103を凹部102の開口から外さないといけないという点である。
また、メンテナンスが終了して昇降足場を撤収するに際しては、開口蓋103を凹部102の開口に再び取付けても良い、という点も変形例1と第1実施形態の相違点である。
なお、変形例1では、凹部102の内部に接続金具110を取付けたが、凹部102の内部に接続金具110を取付ける構成は採用せず、側壁101の外面に接続金具110を取付けるともに、例えば一面の開口した箱状、或いはドーム状のカバーを側壁101に取付け、そのカバーの内部に接続金具110が位置するようにすることで、接続金具110の露出を防ぐというのも可能である。
<変形例2>
次に、変形例2について説明する。
変形例2の建築物100は概ね変形例1の場合と同様である。
図6に示されたように、接続金具110は、凹部102の内部に取り付けられる。
ただし、変形例2では、凹部102の開口に開口蓋103はない。
凹部102の内部に取付けられた接続金具110は、変形例1における開口蓋103を用いるのとは異なる方法で、その外部への露出を完全に防止されている。
変形例2では、凹部102の内部に、充填材104を充填させることにより、接続金具110は、その外部への露出を完全に防止されている。充填材104は、粘土を始めとする粘土状のもの、モルタルを始めとするモルタル状のもの、発泡ウレタン、ウレタン、発泡スチロールなどの樹脂などである。
変形例2の建築物100のメンテナンス方法は、基本的に変形例1の場合と同じである。異なるのは、マスト200と接続金具110とを連結金具300を介して接続するにあたり、接続金具110を外部に露出させるために、開口蓋103を凹部102の開口から外す代わりに、凹部102内の充填材104を除去乃至破壊して除去しないといけないという点である。つまり、この充填材104は、その破壊により、その内部にあった接続金具110を露出させるようなものとなっている。
また、メンテナンスが終了して昇降足場を撤収するに際しては、開口蓋103を凹部102の開口に再び取付ける代わりに、凹部102内に充填材104を再度充填しても良い、という点も変形例2と変形例1の相違点であるといえる。変形例2の場合、充填材104の色彩や風合いを、側壁101の外壁のそれと合わせておくことにより、充填材104の外観を建築物100の外観により馴染ませることが可能となる。
なお、変形例2では、凹部102の内部に接続金具110を取付けたが、凹部102の内部に接続金具110を取付ける構成は採用せず、側壁101の外面に取付けられた接続金具110を、そのまま上述の充填材104と同様の物質で覆うことも可能である。
また、変形例2の凹部102の開口に、変形例1と同様の開口蓋103を更に取付けることも可能である(図7)。
<変形例3>
次に、変形例3について説明する。
変形例3の建築物100は概ね変形例1、2の場合と同様である。
変形例3の建築物100の側壁100は、図8に示したようなパネル101Pを縦横に配列することにより構成されている。図8に示したパネル101Pには、変形例1で説明したのと同様の凹部102が設けられている。凹部102の内部には接続金具110が取付けられており、且つ凹部102の開口には開口蓋103が取付けられている。
このようなパネル101Pを用いて、変形例3の建築物100は、側壁101がパネル101Pに分割されている点を除き、凹部102や接続金具110の位置も含めて、変形例1の建築物と同様の構成を持つものとされる。パネル101Pのうち、凹部102が存在しない(それにともなって、接続金具110及び開口蓋103も存在しない。)パネル101Pが存在しても良い。また、パネル101Pに複数の凹部102(それに加えて、接続金具110及び開口蓋103)が存在しても良い。また、パネル101Pの正面における凹部102(及び、接続金具110、並びに開口蓋103)の位置は、パネル101P毎に異なる場合もある。
なお、変形例1、変形例2で説明した他の工夫を、変形例3のパネル101Pに応用することができる。
<変形例4>
次に、変形例4について説明する。
変形例4の建築物100は概ね第1実施形態の建築物100と同様である。変形例4の建築物100が第1実施形態の建築物100と異なるのでは、接続金具110の構成である。
この接続金具110は、ナットである。ナットであるこの接続金具110は、その内周面にネジ切りのなされたネジ穴117を備えている。ネジ穴117の、フランジで囲まれたその先端側の開口は、建築物100の側壁101から外部に露出している。例えば、側壁101がコンクリートである場合、ナットである接続金具110は、その位置を図10に示した位置に固定した状態でコンクリートを打設することにより、側壁101の中に埋め込まれる。接続金具110の基端には、幅広のフランジとして形成されたアンカー110Aが設けられている。このアンカー110Aの存在により、接続金具110Aは側壁101から抜け落ちにくくなっている。
変形例4で接続金具110と連結される連結金具300は、図示を省略するが、その先端側に、ネジ穴117と螺合するボルトを備えている。そのボルトを、ネジ穴117に螺合させることにより、連結金具300は接続金具110と固定される。
なお、変形例4の接続金具110は、ある意味、側壁101に設けられた凹部に嵌め込まれているとも言える。そのようにされた接続金具110は、変形例1、変形例3の場合と同様に、開口蓋103によって、隠されていても良い。この開口蓋103は、変形例1、変形例3の場合と同様に側壁101に対して着脱自在となっていても良い(図11)。
≪第2実施形態≫
第2実施形態の建築物100は、所謂構築物と呼ばれる類のものであり、より詳細には煙突である。焼却炉の煙突などには、高さ20mを超える高層のものがある。
第2実施形態の建築物100の曲面である側壁101には、第1実施形態の場合と同様に多数の接続金具110が設けられている。
第2実施形態の建築物110のメンテナンス方法も、第1実施形態の場合と同様に、マスト200に取付けた足場210に乗った作業員が行う。
第2実施形態の足場210は、複数の足場板211からできている。足場板211は隣接する足場板211との重なり幅を調節でき、且つ隣接する足場板211との角度を可変とされている。それにより足場210は、煙突である建築物100の側壁101の曲率に合わせて曲折させることができる。なお、このような、伸縮と曲折を行うことのできる複数の足場板211を有する足場210を持つ昇降足場も、既に実用されている。
図9に示した場合であれば、足場210は、側壁101の半周分に略対応するので、接続金具110は、煙突の中心を挟む位置に縦に2列設けられていれば、昇降足場を用いて建築物100の側壁101全面のメンテナンスを行える。
100 建築物
101 側壁
101P パネル
102 凹部
103 開口蓋
104 充填材
110 接続金具
111 接続本体部
112 接続係止部
200 マスト
210 足場
220 駆動装置
300 連結金具
301 連結本体部
302 把持部
303 蓋

Claims (13)

  1. ビルディングである高層の建築物であって、
    前記建築物の側壁に並行して立てられることが想定されている少なくとも一つのマストと接続するための接続金具が、その側壁の、前記接続金具と接続された前記マストを前記接続金具が安定して支持できるだけの位置に、前記接続金具と接続された前記マストを前記接続金具が安定して支持できるだけの数、取付けられており、
    前記接続金具のそれぞれの基端が前記側壁に前記建築物の完成時から埋め込まれており、
    前記接続金具は、前記側壁の外面の少なくとも一つの縦方向の線上に少なくとも2つ設けられており、
    前記接続金具の少なくとも一部の基端は、前記建築物の側壁の外面を構成するコンクリートでできたパネルの当該コンクリートに、当該パネルの製造時におけるコンクリートの打設の時点で打設されたコンクリートに包まれることにより、コンクリートが養生後硬化させられた時点から埋め込まれたものとなっているとともに
    前記接続金具は、前記マストと接続されるときに除去可能とされた、前記接続金具の露出を防ぐカバーによりその表面を覆われている、
    建築物。
  2. 前記カバーは、前記側壁に対して着脱自在とされている、
    請求項記載の建築物。
  3. 前記カバーは、それが破壊されることでその内部にあった前記接続金具が露出するようなものとされている、
    請求項記載の建築物。
  4. 前記接続金具はナットである、
    請求項1記載の建築物。
  5. ナットである前記接続金具は、ネジ切りされたその内周面の一方の開口を前記側壁から露出させるようにして、少なくともその基端側を前記側壁に埋め込まれている、
    請求項記載の建築物。
  6. 前記接続金具の少なくとも一つは、前記側壁の外面に設けられた凹部の内部に取付けられており、前記接続金具は、前記側壁の略面一の面である外面から露出しないようになっている、
    請求項1記載の建築物。
  7. 前記凹部には、前記接続金具の露出を隠すカバーが設けられている、
    請求項記載の建築物。
  8. 前記カバーは、前記凹部の開口を覆う板である、
    請求項記載の建築物。
  9. 前記カバーは、前記凹部に充填される充填材である、
    請求項記載の建築物。
  10. 前記接続金具の基端には、前記側壁から前記接続金具が抜けるのを防止するアンカーが設けられている、
    請求項1記載の建築物。
  11. 前記接続金具の少なくとも一つの基端は、建築物の柱又は梁に埋め込まれている、
    請求項1記載の建築物。
  12. ビルディングである高層の建築物の側壁の外面を構成するパネルであって、その外面に接続金具の基端が埋め込まれ、且つ前記接続金具は、前記マストと接続されるときに除去可能とされた、前記接続金具の露出を防ぐカバーによりその表面を覆われており、そのパネルを前記建築物の予定された位置に取付けることで、
    前記建築物の側壁に並行して立てられることが想定されている少なくとも一つのマストと接続するための接続金具が、その側壁の、前記接続金具と接続された前記マストを前記接続金具が安定して支持できるだけの位置に、前記接続金具と接続された前記マストを前記接続金具が安定して支持できるだけの数、取付けられており、且つ前記接続金具は、前記側壁の外面の少なくとも一つの縦方向の線上に少なくとも2つ設けられているとともに、前記接続金具は、前記マストと接続されるときに除去可能とされた、前記接続金具の露出を防ぐカバーによりその表面を覆われている建築物を建築することができるようになっているとともに、
    前記接続金具の基端は、前記建築物の側壁の外面を構成するコンクリートでできたパネルの当該コンクリートに、当該パネルの製造時におけるコンクリートの打設の時点で打設されたコンクリートに包まれることにより、コンクリートが養生後硬化させられた時点から埋め込まれたものとなっている、
    パネル。
  13. ビルディングである高層の建築物のメンテナンス方法であって、
    前記建築物の側壁に並行して立てられることが想定されている少なくとも一つのマストと接続するための接続金具が、その側壁の、前記接続金具と接続された前記マストを前記接続金具が安定して支持できるだけの位置に、前記接続金具と接続された前記マストを前記接続金具が安定して支持できるだけの数、前記接続金具のそれぞれの基端が前記側壁に前記建築物の完成時から埋め込まれた状態で、取付けられており、且つ前記接続金具は、前記建築物の側壁の外面を構成するコンクリートでできたパネルの当該コンクリートに、当該パネルの製造時におけるコンクリートの打設の時点で打設されたコンクリートに包まれることにより、コンクリートが養生後硬化させられた時点から埋め込まれたものとなっているとともに、前記接続金具は、前記マストと接続されるときに除去可能とされた、前記接続金具の露出を防ぐカバーによりその表面を覆われている、高層の建築物の前記接続金具のうちの、少なくとも1つの縦方向の線上にある少なくとも2つに、前記カバーを除去してから接続した状態で、その下端を固定された少なくとも1つのマストを前記建築物の側壁に並行して立て、
    前記マストを昇降することのできる足場を取付け、
    前記足場を前記マストに沿って昇降させるとともに、前記足場に乗った作業員に前記建築物のメンテナンス作業を行わせる、
    メンテナンス方法。
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