JP5557776B2 - 吐出容器 - Google Patents
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この種の吐出容器として、例えば下記特許文献1に示されるような、押下ヘッドの下方に位置して容器本体の口部を囲繞する有頂筒状のカバー体を配設し、このカバー体の頂壁部に、押下ヘッドがその上下動に伴い進退する挿通孔を形成するとともに、これらの押下ヘッドおよび挿通孔の各上面視形状を互いに同等の大きさの楕円形状にし、かつ押下ヘッドをカバー体に対して容器軸回りに回転自在に配設した構成が知られている。
この吐出容器では、押下ヘッドをカバー体に対して容器軸回りに回転させることで、押下ヘッドおよび挿通孔の各向きを互いに一致させ、押下ヘッドが、挿通孔内を進退可能でかつステムとともに容器本体およびカバー体に対して押下可能となる解除状態と、押下ヘッドおよび挿通孔の各向きを互いに不一致にし、押下ヘッドが、挿通孔内に進入不能でかつ容器本体およびカバー体に対して押下不能となるロック状態と、が切り替えられる。
この際、弾性突起の下端が、剛体突起の下端よりも上方に位置しているので、カバー体を容器本体に対して押下しても、剛体突起の下端がストッパ壁部に当接することにより、弾性突起がストッパ壁部に押し当てられるのを防ぐことができる。
そして、カバー体を容器本体に対して容器軸回りに周方向に沿う他方側に回転させて、一対の剛体突起の下端をストッパ壁部から周方向の他方側に離間させた解除状態では、ストッパ壁部が収容凹部の下端面より上方に位置していることから、カバー体を容器本体に対して押圧すると、一対の剛体突起が、収容凹部内をストッパ壁部よりも下方に移動することで、カバー体およびステムが容器本体に対して下降し、容器本体内の内容液がステム内を通して吐出孔から吐出される。
ここで、前述のロック状態と解除状態との切り替えに際し、弾性突起が弾性変形しながら被摺接部を周方向に乗り越えるので、使用者に、この切り替えを、目視によって切り替え後に確認させなくても、切り替える際の聴覚や触覚を通じて確実に把握させることができる。
さらに、カバー体を容器本体に対して容器軸回りに回転移動させて、弾性突起が被摺接部を周方向に乗り越えれば、前述のロック状態と解除状態とが切り替えられるので、この切り替えに際し、カバー体および容器本体の相対的な周方向の位置を合わせる必要がなく、切り替えの操作性を向上させることができる。
ここで、弾性突起が、一対の剛体突起同士の間に配設されているので、前述の切り替えに際し、カバー体を容器本体に対して容器軸回りに大きく回転させても、収容凹部を画成する壁面のうち周方向を向く周端面に、剛体突起を当接させることにより、弾性突起が押し当てられるのを防ぐことができる。
以上のように弾性突起が、剛体突起によって、収容凹部の周端面やストッパ壁部に押し当てられるのを防ぐことが可能になることから、弾性突起の突出量を高くしても、この弾性突起が破損し易くなるのを防ぐことができる。
なお、弾性突起の突出量を高くすることによって、例えば、弾性突起に高い柔軟性を具備させることで、使用者に前述の切り替えをより一層容易かつ確実に把握させることができ、また、容器本体の収容凹部の被摺接部を、カバー体の周壁部に向けて大きく突出させ難い等、高精度に形成することが困難である場合にも、カバー体の容器本体に対する容器軸回りの回転移動時に、弾性突起を被摺接部に確実に摺接させることが可能になり、前述の作用効果が確実に奏功される。
またこのように、収容凹部が上方に向けて開口していることから、金型構造を複雑にすることなく容器本体を容易に形成することができる。
本実施形態に係る吐出容器1は、図1、図2および図3に示されるように、内容液が収容される容器本体11と、上方付勢状態で下方移動可能に立設されるとともに内部が容器本体11内と連通可能なステム26を有し容器本体11の口部21に装着された吐出器12と、有頂筒状に形成され容器本体11の口部21および吐出器12が内挿され、かつ頂壁部13にステム26内に連通可能で内容液が吐出される吐出孔14が形成されたカバー体15と、を備えている。
容器本体11は、有底筒状の胴部16と、胴部16の上方に位置し該胴部16より小径の口部21と、これらの胴部16と口部21とを連結し、下方から上方に向かうに従いなだらかに漸次縮径された肩部17と、を備えている。
これらの装着キャップ18、シリンダ35およびヘッド体19は容器軸Oと同軸に位置している。
装着キャップ18の天壁部18aには、上方に向けて囲繞筒18bが立設されており、この囲繞筒18bの径方向の内側に、ヘッド体19の周壁部19aが容器軸O方向に進退自在に配設されている。
なお、シリンダ35内には、ステム26に連係して上下動するピストンと、ステム26を上方に付勢するスプリングと、が収容されている。
一方、ヘッド体19の押下を解除すると、スプリングの上方付勢力によってステム26が上昇し、かつピストンがシリンダ35の内周面に摺接しつつ上昇することで、シリンダ35内が減圧され、容器本体11内に収容されている内容液がシリンダ35内に流入する。
カバー体15は、頂壁部13と周壁部22とを有する有頂筒状に形成され、頂壁部13には、吐出器12のヘッド体19の周壁部19aに外嵌される装着筒23が下方に向けて突設されている。
そして、カバー体15の頂壁部13において、装着筒23の径方向の内側に位置する部分に、前記吐出孔14が形成されている。図示の例では、吐出孔14に、ヘッド体19の台状突部19dが嵌合されており、この吐出孔14を通して、ノズル部材20のノズル孔20aが外部に露出して上方に向けて開口していて、内容液が外部に吐出されるようになっている。
なお、装着筒23および吐出孔14は容器軸Oと同軸に位置している。また、頂壁部1
3は、径方向の外側から内側に向かうに従い漸次下方に向けて延びる凹曲面状に形成されている。さらに、装着筒23には、ヘッド体19の第1環状突部19bにアンダーカット嵌合する第2環状突部23aが径方向の内側に向けて突設されている。
図示の例では、剛体突起24および弾性突起25は、双方ともにカバー体15の頂壁部13から下方に向けて延在している。剛体突起24および弾性突起25は双方ともに、容器軸O方向に延びる直方体状に形成されている。また、カバー体15の周壁部22の内径は、容器本体11の胴部16の外径と同等になっている。
そして、弾性突起25の下端は、剛体突起24の下端よりも上方に位置している。さらに弾性突起25は、剛体突起24よりも厚さ(周方向の大きさ)が薄くなっていて、弾性突起25および剛体突起24は、カバー体15と同一の材質で一体に形成されている。
この収容凹部30内において、周方向に沿う一方側の端部には、該収容凹部30の下端面30aよりも上方に位置して上方を向くストッパ壁部31が配設されるとともに、周方向に沿う中間部には、カバー体15の容器本体11に対する容器軸O回りの回転移動に伴い、弾性突起25が弾性変形させられつつ摺接して周方向に乗り越える被摺接部32が配設されている。
本実施形態では、ロック状態において、一対の剛体突起24のうちの一方の下端のみがその下方からストッパ壁部31に近接若しくは当接する。また、剛体突起24は、被摺接部32よりも径方向の外側に位置している。図示の例では、収容凹部30の周方向の大きさが、一対の剛体突起24の周方向の大きさの約2倍となっている。なお、収容凹部30の周方向の大きさは、一対の剛体突起24の周方向の大きさの2倍より大きくしてもよい。
また、収容凹部30を画成する壁面のうち、周方向を向く両周端面30c、30dのうちのいずれか一方の周端面30cに、ストッパ壁部31が配設されるとともに、外向き面30bに、被摺接部32が径方向の外側に向けて突設されている。
ストッパ壁部31は、被摺接部32の上端よりも下方に位置している。ストッパ壁部31は、収容凹部30の一方の周端面30cに、他方の周端面30d側に向けて突設された直方体状の台状体33の上端面となっている。なお、台状体33は、収容凹部30の下端面30aから上方に向けて突出している。
この際、弾性突起25の下端が、剛体突起24の下端よりも上方に位置しているので、カバー体15を容器本体11に対して押下しても、剛体突起24の下端がストッパ壁部31に当接することにより、弾性突起25がストッパ壁部31に押し当てられるのを防ぐことができる。
さらに、カバー体15を容器本体11に対して容器軸O回りに回転移動させて、弾性突起25が被摺接部32を周方向に乗り越えれば、前述のロック状態と解除状態とが切り替えられるので、この切り替えに際し、カバー体15および容器本体11の相対的な周方向の位置を合わせる必要がなく、切り替えの操作性を向上させることができる。
以上のように弾性突起25が、剛体突起24によって、収容凹部30の周端面30c、30dやストッパ壁部31に押し当てられるのを防ぐことが可能になることから、弾性突起25の突出量を高くしても、この弾性突起25が破損し易くなるのを防ぐことができる。
なお、弾性突起25の突出量を高くすることによって、例えば、弾性突起25に高い柔軟性を具備させることで、使用者に前述の切り替えをより一層容易かつ確実に把握させることができ、また、容器本体11の収容凹部30の被摺接部32を、カバー体15の周壁部22に向けて大きく突出させ難い等、高精度に形成することが困難である場合にも、カバー体15の容器本体11に対する容器軸O回りの回転移動時に、弾性突起25を被摺接部32に確実に摺接させることが可能になり、前述の作用効果が確実に奏功される。
さらに本実施形態では、ストッパ壁部31が、収容凹部30の両周端面30c、30dのうちの一方30cに配設されるとともに、被摺接部32が、収容凹部30の外向き面30bに配設されているので、金型構造を複雑にすることなくより一層容易に容器本体11を形成することができる。
また、収容凹部30、ストッパ壁部31、被摺接部32、弾性突起25および剛体突起24は、1箇所に配設してもよいし、周方向にランダムに間隔をあけて複数配設してもよい。
さらに、収容凹部30は、上方に向けて開口しなくてもよいし、容器本体11に肩部17を配設しなくてもよい。
また、ストッパ壁部31や被摺接部32は、前記実施形態に限らず、収容凹部30を画成する壁面であればいずれの壁面に配設してもよい。
さらに、ロック状態では、一対の剛体突起24の下端を双方ともにその下方からストッパ壁部31に近接若しくは当接させてもよい。
また、カバー体15とヘッド体19とを一体に形成してもよい。
11 容器本体
12 吐出器
13 カバー体の頂壁部
14 吐出孔
15 カバー体
16 胴部
17 肩部
21 口部
22 カバー体の周壁部
24 剛体突起
25 弾性突起
26 ステム
30 収容凹部
30a 収容凹部の下端面
30b 外向き面
30c 一方の周端面
30d 他方の周端面
31 ストッパ壁部
32 被摺接部
O 容器軸
Claims (5)
- 内容液が収容される容器本体と、
上方付勢状態で下方移動可能に立設されるとともに内部が前記容器本体内と連通可能なステムを有し前記容器本体の口部に装着された吐出器と、
有頂筒状に形成され前記容器本体の口部および吐出器が内挿され、かつ頂壁部に前記ステム内に連通可能で内容液が吐出される吐出孔が形成されたカバー体と、
を備え、
前記カバー体をステムとともに容器本体に対して押下することで、容器本体内の内容液がステム内を通して前記吐出孔から吐出される吐出容器であって、
前記カバー体は、容器本体に対して容器軸回りに回転自在に配設され、
該カバー体の周壁部には、容器軸回りに沿う周方向に間隔をあけて配設された一対の剛体突起と、これらの剛体突起同士の間に配設されるとともに、該剛体突起より径方向の内側に突出し弾性変形可能に形成された弾性突起と、がそれぞれ径方向の内側に向けて突設され、
前記弾性突起の下端は、剛体突起の下端よりも上方に位置し、
前記容器本体には、径方向の内側に向けて窪み前記剛体突起および弾性突起が収容される収容凹部が形成され、
該収容凹部内において、周方向に沿う一方側の端部には、該収容凹部の下端面よりも上方に位置して上方を向くストッパ壁部が配設されるとともに、周方向に沿う中間部には、カバー体の容器本体に対する容器軸回りの回転移動に伴い、前記弾性突起が弾性変形させられつつ摺接して周方向に乗り越える被摺接部が配設され、
前記弾性突起が前記被摺接部を周方向に乗り越えたときに、前記一対の剛体突起のうちの少なくとも一方の下端がその下方からストッパ壁部に近接若しくは当接するロック状態と、前記一対の剛体突起の下端がストッパ壁部から周方向に離間した解除状態と、が切り替えられることを特徴とする吐出容器。 - 請求項1記載の吐出容器であって、
前記弾性突起は、前記収容凹部を画成する壁面のうち、径方向の外側を向く面から径方向の外側に離間していることを特徴とする吐出容器。 - 請求項1または2に記載の吐出容器であって、
前記収容凹部、ストッパ壁部、被摺接部、弾性突起および剛体突起は、容器軸を基準に軸対称となる複数個所に配設されていることを特徴とする吐出容器。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の吐出容器であって、
前記容器本体は、口部と胴部とを接続する肩部を備え、
前記収容凹部は、肩部と胴部との接続部分に形成されて上方に向けて開口していることを特徴とする吐出容器。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の吐出容器であって、
前記収容凹部を画成する壁面のうち、周方向を向く両周端面のうちのいずれか一方に、前記ストッパ壁部が配設されるとともに、径方向の外側を向く面に、前記被摺接部が径方向の外側に向けて突設されていることを特徴とする吐出容器。
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