以下、ロボットのティーチングペンダントに具体化した各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、ティーチングペンダントの正面図である。同図に示すように、ティーチングペンダント10(操作器)は、直方体状の本体11を備えており、本体11の正面中央付近には液晶表示器14(表示部)が設けられている。液晶表示器14は、その表示面に作業者が触れることにより操作可能なタッチパネル15を備えている。
本体11の左側面部には、作業者がティーチングペンダント10を携帯する時に左手で把持する左把持部12が設けられている。本体11の右側面部には、作業者がティーチングペンダント10を携帯する時に右手で把持する右把持部13が設けられている。
本体11の左上隅部には、モード切替スイッチ21が設けられている。モード切替スイッチ21は、手動モードと自動モードとティーチチェックモードとの3つのモードにおいて、作業者がいずれか1つのモードに切替可能に構成されている。手動モードはロボットを手動で動作させるモードであり、自動モードはロボットを自動で動作させるモードであり、ティーチチェックモードはロボットにティーチング等を行うモードである。
本体11の右上隅部には、ロボットを非常停止させる非常停止スイッチ22と、回転させることによりメニュー選択や数値の増減を行うジョグダイヤル23とが設けられている。液晶表示器14の左側には、ロボットを手動操作する際などに使用するカーソルキー24が設けられている。液晶表示器14の右側上部には、ロボットの動作を停止させる停止キー25が設けられている。液晶表示器14の下側には、各種機能を実行するファンクションキーF1〜F6と、シフトキーSHIFTが設けられている。そして、シフトキーSHIFTを押した状態でファンクションキーF1〜F6を押すと、ファンクションキーF7〜F12の機能が実行される。その他、液晶表示器14の周囲には、各種キーが設けられている。
図2は、ティーチングペンダント10の電気的構成を示すブロック図である。同図に示すように、ティーチングペンダント10は制御部30を備えている。制御部30(表示制御装置)は、CPU、RAM及びROMを含むマイクロコンピュータから構成されている。制御部30には、上記の液晶表示器14、モード切替スイッチ21、非常停止スイッチ22、ジョグダイヤル23、カーソルキー24、停止キー25、及び通信インタフェース部32が接続されている。通信インタフェース部32は、ロボットコントローラ60に接続されており、ロボットコントローラ60はロボット70に接続されている。ロボットコントローラ60は、ティーチングペンダント10から手動動作指令を入力すると、ロボット70が手動で動作するように制御する。一方、ロボットコントローラ60は、ティーチングペンダント10から自動動作指令を入力すると、予め記憶している自動プログラムを起動することでロボット70が自動で動作するように制御する。
制御部30は、入力される各種信号に基づいて、液晶表示器14に表示させる画像の制御等、各種制御を実行する。そして、制御部30(操作子表示手段)は、ロボット70の各機能の実行に用いられる各ボタン(各操作子)を、液晶表示器14に表示させる(操作子表示工程)。詳しくは、制御部30は、ロボット70の各機能の実行に用いられるボタンを階層に分け、その階層を切り替えつつ1つの階層に含まれるボタンを液晶表示器14に表示させる。すなわち、制御部30は、上位側の階層に含まれるボタンを液晶表示器14に表示させ、その階層内のボタンを作業者が押す(操作する)と、その下位側の階層に含まれるボタンを液晶表示器14に表示させる。
図3は、第1階層の画像を示す図である。同図に示すように、第1階層では、「ロード」ボタン、「ログ表示」ボタン、「USBメモリ」ボタン、「メモリ情報」ボタン、「通信設定」ボタン、「保守」ボタン、「オプション」ボタン、「保存」ボタン、及び「プログラム保存」ボタンが表示されている。これらのボタンは、それぞれの機能に対応しており、作業者が各ボタンを押すことにより、上記制御部30がそのボタンに対応する機能を実行する。その際、そのボタンに対して下位の階層(第2階層)のボタンが存在する場合には、第2階層に含まれるボタンを表示する。各ボタンは、それぞれの下に表示されているファンクションキーの番号(F1〜F9)に対応しており、上述した各ファンクションキーF1〜F9が押された場合と同様の機能が実行される。
上記各ボタンは、各ボタンの内容を明示するアイコンI(内容明示部)と、アイコンIの周囲に設けられた反応領域A(反応部)とを備えている。各アイコンIは、互いに略等しい第1の大きさで表示されている。各反応領域Aは、矩形状を有しており、互いに等しい第2の大きさで表示されている。そして、作業者がアイコンI又は反応領域Aを押すと、そのアイコンI及び反応領域Aを備えるボタンに対応する機能が実行される。このため、作業者の操作に反応する部分の面積が反応領域Aにより拡大され、各ボタンの操作性を向上させることができる。なお、アイコンIは、各ボタンの内容を明示するものであればよく、絵で構成されたものに限らず、文字で構成されたものや、絵と文字との組み合わせで構成されたものでもよい。
各ボタンは、横方向及び縦方向に等間隔で配置されている。すなわち、各ボタンの間、詳しくは各ボタンの各反応領域Aの間には、所定の隙間が設けられている。このため、作業者が各ボタンを素早く操作したとしても、誤って隣のボタンが操作されること等を抑制でき、意図しないボタンが操作されることを抑制することができる。
なお、同図では、カーソルが「ロード」ボタン合わせられた状態を示しており、作業者が各ボタンを押すことにより、又は作業者が上述したカーソルキー24を操作することにより、カーソルが移動させられる。そして、カーソルの合わせられたボタンを作業者が押すことにより、そのボタンに対応する機能が実行される。
また、第1階層では、画像の右下部分に「チュートリアル」ボタンと、「HELP」ボタンとが表示されている。「チュートリアル」ボタンは、制御部30(指導手段)がチュートリアル機能を実行するチュートリアルモードへ移行するボタンである。「HELP」ボタンは、制御部30が能動的にヘルプ(各ボタンの説明)を表示するヘルプモードへ移行するボタンである。なお、第1階層では、その他の各種ボタンも表示されている。
図4は、第1階層に含まれるボタンの機能の関連性を示す図である。同図に示すように、互いに関連の強い機能のボタン同士が線で結ばれている。他のボタンを介さず線で結ばれたボタンの機能同士は、互いに強い関連があり、これらは1親等の関係にあるとする。そして、他のボタンを1つ介して結ばれたボタンの機能同士は、1親等の関係に次いで互いの関連が強く、これらを2親等の関係にあるとする。同様にして、他のボタンを2つ介して結ばれたボタンの機能同士は3親等の関係にあり、他のボタンを3つ介して結ばれたボタンの機能同士は4親等の関係にある。また、線で結ばれていないボタンの機能同士は、互いに関連が弱い。
例えば、「ロード」は、「保存」及び「プログラム保存」とそれぞれ1親等の関係にある。同様に、「保存」は、「ロード」及び「プログラム保存」とそれぞれ1親等の関係にある。また、「保守」は、「メモリ情報」及び「通信設定」とそれぞれ1親等の関係にあり、「USBメモリ」及び「オプション」とはそれぞれ2親等の関係にあり、「ログ表示」とはそれぞれ3親等の関係にある。
図3で示した第1階層の画像では、第1階層に含まれるボタンの機能の関連性に基づいて、互いに関連性の強い機能のボタン同士の距離が、互いに関連性の弱い機能のボタン同士の距離よりも短くなるように各ボタンが配置されている。すなわち、互いに関連性の強い機能のボタン同士が集まるように、各ボタンが配置されている。
以上は、各実施形態に共通の構成であり、以下に、特徴の異なる各実施形態について説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態では、ロボット70の各機能のうち選択された機能の操作を指導するチュートリアル機能の実行時において、ティーチングペンダント10の液晶表示器14に各ボタンの説明を表示する。
図5は、その処理手順を示すフローチャートである。この一連の処理は、ティーチングペンダント10の制御部30によって実行される。
まず、現在の状態がチュートリアルモードに移行した状態であるか否か判定する(S11)。具体的には、作業者が「チュートリアル」ボタンを押すことにより、チュートリアルモード(指導工程)へ移行された状態であるか否かを判定する。この判定において、現在の状態がチュートリアルモードに移行した状態でないと判定した場合には(S11:NO)、この一連の処理を終了する。
一方、この判定において、現在の状態がチュートリアルモードに移行した状態であると判定した場合には(S11:YES)、現在、液晶表示器14に表示されている画像についての情報を取得する(S12)。具体的には、液晶表示器14に表示されている現在の階層の画像において、どのボタンが表示されているかを取得する。
続いて、チュートリアルモードで選択された機能に関連する機能のボタンと、関連しない機能のボタンとに、表示されているボタンを分類する(S13)。具体的には、チュートリアルモードでは、作業者が指導を要求する機能を選択することにより、制御部30は、その選択された機能を実行するためのボタンである主ボタン(主操作子)が作業者により押されるように誘導する。
このチュートリアルモード中に、主ボタンの機能に関連する機能のボタンである副ボタン(副操作子)と、関連しない機能のボタンとに、現在の階層の画像において表示されているボタンを分類する。詳しくは、主ボタンの機能に対して、2親等以内の関係にある機能のボタンを副ボタンに分類し、2親等よりも遠い関係にあるボタンを関連しないボタンに分類する。すなわち、制御部30(副操作子選択手段)は、現在の階層の画像において表示されているボタンのうち、主ボタンの機能に関連する機能のボタン(副ボタン)を選択する(副操作子選択工程)。そして、主ボタン及び副ボタンをヘルプ表示すべきボタンとし、主ボタンの機能に関連しない機能のボタンを、ヘルプ表示する必要のないボタンとする。
上記分類に基づいて、ヘルプを表示する領域を設定する(S14)。具体的には、主ボタン及び副ボタンの表示されている領域を、ヘルプの表示を禁止するヘルプ表示禁止領域とする。これに対して、主ボタンの機能に関連しない機能のボタンの表示されている領域及びその周辺の領域を、ヘルプの表示を許可するヘルプ表示許可領域とする。
続いて、ヘルプ表示許可領域に上記ヘルプ表示すべきボタンの説明を表示する(S15)。具体的には、制御部30(説明表示手段)は、矩形状のヘルプ表示ウインドウをヘルプ表示許可領域に表示し、そのウインドウ内にヘルプ表示すべきボタンの説明と、そのボタンを選択するための選択欄とを表示する(説明表示工程)。すなわち、主ボタン及び副ボタンを表示したままの状態とし、主ボタンの機能に関連しない機能のボタンの上に、ヘルプ表示ウインドウを重ねて表示した状態とする。このとき、ヘルプ表示許可領域内にヘルプ表示ウインドウを表示すればよく、ヘルプ表示許可領域の全体にわたってヘルプ表示ウインドウを表示する必要はない。このため、一部の関連しない機能のボタンが、表示されたままの状態となることがある。
このようにヘルプ表示ウインドウを表示した後、主ボタン及び副ボタンのいずれかが作業者により押されたか、又はヘルプ表示ウインドウ内の選択欄が作業者により押されたかを判定する(S16)。このとき、制御部30(操作無効化手段)は、主ボタン及び副ボタンの双方と異なるボタン、すなわち一部の関連しない機能のボタンが押された場合に、そのボタン操作を無効化してそのボタンの機能を実行しないようにする。
そして、主ボタン及び副ボタンのいずれも作業者により押されておらず、且つヘルプ表示ウインドウ内の選択欄が作業者により押されていない場合には(S16:NO)、それらのいずれかが押されるまで待機する。なお、この待機状態においても、上述した非常停止スイッチ22が押された場合にはロボット70を非常停止させ、停止キー25が押された場合にはロボット70の動作を停止させる。
一方、主ボタン及び副ボタンのいずれかが作業者により押されたか、又はヘルプ表示ウインドウ内の選択欄が作業者により押された場合には(S16:YES)、そのボタンの下位の階層に含まれるボタンを表示させる(S17)。すなわち、押されたボタンに対して下位の階層のボタンが存在しない場合には、押されたボタンに対応する機能を実行し、押されたボタンに対して下位の階層のボタンが存在する場合には、その下位の階層のボタンを液晶表示器14に表示する。
続いて、上記の結果として、目的の作業を実行することができたか否か判定する(S18)。具体的には、最下位の階層に含まれるボタンが作業者によって押されることにより、そのボタンに対応する機能が実行された場合には、目的の作業を実行することができたと判定する。一方、押されたボタンに対して更に下位の階層が存在する場合には、未だ目的の作業が実行されていないと判定する。
上記判定において、目的の作業を実行することができたと判定した場合には(S18:YES)、この一連の処理を終了する(END)。一方、目的の作業を実行することができていないと判定した場合には(S18:NO)、上述したS11〜S17の処理を再度実行する。
次に、図6〜9を参照して、上述したチュートリアル機能実行時のヘルプ表示の処理により、各階層においてボタンの説明を表示する態様を説明する。
図6は、チュートリアル機能実行時の初期画像を示す図である。同図に示すように、「チュートリアル」ボタンが作業者により押されると、チュートリアルモードへ移行して、指導すべき機能を選択するチュートリアルウインドウが表示される。チュートリアルウインドウでは、「プログラムを起動・作成」、「ロボット動作」、及び「設定・メンテナンス」の各メニューが用意されている。各メニューの下側には、各メニューの簡単な説明「・・・・」が表示されている。各メニューの左側に、正方形の選択欄が設けられており、作業者がいずれかの選択欄を押すことにより、指導メニューが選択される。ここでは、「設定・メンテナンス」のメニューが選択されている。
このように指導メニューが選択されると、選択された「設定・メンテナンス」のメニューについて、チュートリアルモードでの指導が開始される。チュートリアルモードでは、指導する機能が予め設定されており、その設定されている機能について上位の階層から下位の階層へ順を追って指導が行われる。この指導する機能のボタンが、主ボタンに相当する。
図7は、ヘルプ表示ウインドウを含む第1階層の画像を示す図である。同図に示すように、各ボタンの表示の上に矩形状のヘルプ表示ウインドウが重ねて表示されている。そして、そのウインドウ内には、指導する機能である「オプション設定」と、それに関連する機能である「通信設定」及び「保守」が表示されている。各機能の下側には、各機能の説明「・・・・」が表示されている。例えば、各機能の説明として、機能の内容についての説明や、機能を使用する方法の説明、機能を実行する操作手順の説明等が表示されている。各機能の左側に、正方形の選択欄が設けられており、作業者がいずれかの選択欄を押すことにより、その機能が選択される。ここでは、「オプション設定」が指導する機能として予め設定されており、「オプション設定」の左側の選択欄が網掛け(他の選択欄と異なる態様)で表示されている。この網掛け表示により作業者が押すべき選択欄を指示し、作業者がその選択欄又は「オプション設定」ボタンを押すように誘導する。
図4に示すように、「オプション設定」に関連する機能として、これに対して1親等の関係にある「通信設定」と、これに対して2親等の関係にある「保守」が選択される。これらの「通信設定」ボタン及び「保守」ボタンが、副ボタンに相当する。同図に示されるその他の機能は、「オプション設定」とは関連しない機能とされる。
図7に戻り、上記の関係に基づいて、ヘルプ表示ウインドウが、「オプション設定」に関連しない機能のボタンの表示されている領域及びその周辺領域、すなわちヘルプ表示許可領域に表示されている。換言すれば、主ボタンである「オプション設定」ボタン、副ボタンである「通信設定」ボタン及び「保守」ボタンの表示されている領域が、ヘルプ表示禁止領域とされている。このヘルプ表示禁止領域以外の領域に、ヘルプ表示ウインドウが表示されている。このため、「オプション設定」ボタン(主ボタン)、「通信設定」ボタン及び「保守」ボタン(副ボタン)が表示されるとともに、それらの機能の説明がヘルプ表示ウインドウ内に表示されている。
また、「オプション設定」ボタン、「通信設定」ボタン及び「保守」ボタンは、表示されたままの状態となっているが、それ以外のボタンでは「ロード」ボタンのみが表示された状態となっている。そして、「ロード」ボタンが作業者により押された場合には、そのボタン操作は無効化され、「ロード」の機能は実行されない。すなわち、ヘルプ表示ウインドウ内に表示されている機能以外の機能のボタンが作業者により押された場合には、そのボタン操作は無効化される。
これに対して、ヘルプ表示ウインドウ内に表示されている機能のボタン、又はそれらの機能の選択欄が押された場合には、そのボタンの下位の階層に含まれるボタンが表示される。ここでは、チュートリアルモードでの誘導により、「オプション設定」ボタンが作業者により押される。なお、各機能の選択欄は、「OK」ボタンが作業者により押されることで有効化され、「END」ボタンが作業者により押された場合には、チュートリアル機能が終了される。
図8は、ヘルプ表示ウインドウを含む第2階層の画像を示す図である。同図に示すように、第2階層においても、上記第1階層と同様にして、ヘルプ表示ウインドウが表示される。すなわち、第2階層では、「機能拡張」が指導する機能として予め設定されており、「機能拡張」の左側の選択欄が網掛けで表示されている。そして、関連性の説明は省略するが、「機能拡張」に対して、「言語設定」及び「アップデート」が関連しており、その他の機能は関連していない。「機能拡張」ボタンが主ボタンに相当し、「言語設定」ボタン及び「アップデート」ボタンが副ボタンに相当する。
ヘルプ表示許可領域にヘルプ表示ウインドウが表示されており、ヘルプ表示禁止領域にある「機能拡張」ボタン、「言語設定」ボタン及び「アップデート」ボタンは、表示されたままの状態となっている。このため、「機能拡張」ボタン(主ボタン)、「言語設定」ボタン及び「アップデート」ボタン(副ボタン)が表示されるとともに、それらの機能の説明がヘルプ表示ウインドウ内に表示されている。そして、「拡張機能」に関連しない機能のボタンは、ヘルプ表示ウインドウで全て隠された状態となっており、それらの機能のボタンに対する作業者の操作が無効化されている。ここでは、チュートリアルモードでの誘導により、「機能拡張」ボタンが作業者により押される。「拡張機能」については、この第2階層が最下位の階層となっており、「拡張機能」のボタンが押されることにより、「拡張機能」の機能が実行される。
図9は、機能拡張の実行時の画像を示す図である。同図に示すように、「拡張機能」の実行時には、ヘルプ表示ウインドウに代えて、「拡張機能」を実行するための入力ウインドウが表示されている。すなわち、チュートリアル機能の実行が終了して、ヘルプ表示ウインドウ、すなわち各ボタンの説明表示が消去されている。そして、入力ウインドウに作業者により数値等が入力されることにより、「拡張機能」が実行される。
以上詳述した本実施形態は以下の利点を有する。
・ロボット70の各機能の実行に用いられる各ボタンが、ロボット70を操作するティーチングペンダント10の液晶表示器14に表示される。そして、ボタンのうち説明表示が要求されているボタンである主ボタンが存在する場合に、主ボタンに関連する副ボタンが選択される。
さらに、主ボタン及び副ボタンの説明が、液晶表示器14のうち主ボタン及び副ボタンが表示されていない部分、すなわちヘルプ表示許可領域に表示される。そして、ヘルプ表示許可領域において、主ボタン及び副ボタンの双方と異なるボタンを含む領域に、主ボタン及び副ボタンの説明が表示される。すなわち、主ボタンや副ボタンの間の隙間を利用するとともに、主ボタン及び副ボタンの双方と異なるボタンに重ねて、主ボタン及び副ボタンの説明が表示される。このため、主ボタン及び副ボタンを液晶表示器14に表示させた状態で、それら主ボタン及び副ボタンの説明を液晶表示器14に表示させることができる。このとき、上記説明が主ボタン及び副ボタンの双方と異なるボタンに重ねて表示されたとしても、主ボタン及び副ボタンの操作には支障がない。したがって、作業者は、互いに関連するボタンの説明が十分に表示された状態で、その説明を見ながら主ボタン及び副ボタンの操作を行うことができる。その結果、最低限の大きさの液晶表示器14しか備えられないティーチングペンダント10であっても、作業者の操作性を向上させることができる。
・ボタンのうち、主ボタン及び副ボタンの双方と異なるボタンに対する操作が無効化されるため、主ボタンに関連のないボタンが作業者により誤って操作されたとしても、意図しない機能が実行されることを抑制することができる。その結果、作業者の操作性を更に向上させることができる。
・ヘルプ表示ウインドウには、ボタンのうち主ボタン及び副ボタンのみの説明が表示されるため、ヘルプ表示ウインドウを小さくすることができる。したがって、主ボタン及び副ボタンを液晶表示器14に表示させつつ、主ボタン及び副ボタンの説明を液晶表示器14に表示させることが容易となる。さらに、説明の表示されているボタンの操作が促されることにより、それ以外のボタンが操作されることを抑制することができるため、作業者の誤操作を抑制することができる。
・ロボット70の各機能の実行に用いられる各ボタンが階層に分けられ、その階層が切り替えられつつ1つの階層に含まれるボタンが液晶表示器14に表示される。このため、各階層において作業者によりボタンが操作されることにより、上位の階層から下位の階層へとボタンの表示が切り替えられる。
ここで、各階層において主ボタンに関連する副ボタンが選択され、各階層の主ボタン及び副ボタンの説明が、液晶表示器14のうちヘルプ表示許可領域に表示させられる。したがって、上位の階層から下位の階層へとボタンの表示が切り替えられる際に、各階層において、主ボタン及び副ボタンを液晶表示器14に表示させた状態で、それら主ボタン及び副ボタンの説明を液晶表示器14に表示させることができる。
・チュートリアルモードにおいて、ロボット70の各機能のうち指導メニューに応じて予め設定された機能の操作が、上記階層の切り替えによるボタンの表示に対応して指導される。そして、ロボット70の各機能のうち指導される機能のボタンを主ボタンとして、各階層において主ボタンに関連する副ボタンが選択される。このため、ティーチングペンダント10のチュートリアル機能の実行時に、各階層において主ボタン及び副ボタンとそれらの説明とを自動的に表示させることができる。その結果、作業者の操作性を更に向上させることができる。
上記実施形態を、以下のように変形して実施することもできる。
・ティーチングペンダント10の本体11に「チュートリアル」キーを設けて、この「チュートリアル」キーが作業者により押されることにより、チュートリアルモードへ移行するようにしてもよい。
・チュートリアルウインドウに表示された各メニューにおいて選択欄の網掛けを省略し、作業者により押された選択欄の機能を指導するようにしてもよい。この場合には、選択された機能のボタンを主ボタンとし、その主ボタンの機能に関連する機能のボタンを副ボタンとすればよい。
(第2実施形態)
第2実施形態では、ヘルプ表示モードの設定時において、ティーチングペンダント10に各ボタンのヘルプ表示を行う。なお、第1実施形態と同様の処理については、その説明を省略又は簡略化する。
図10は、その処理手順を示すフローチャートである。この一連の処理は、ティーチングペンダント10の制御部30によって実行される。
まず、現在の状態がヘルプ表示モードに移行した状態であるか否か判定する(S21)。具体的には、作業者が「HELP」ボタンを押すことにより、ヘルプ表示モードへ移行された状態であるか否かを判定する。この判定において、現在の状態がヘルプ表示モードに移行した状態でないと判定した場合には(S21:NO)、この一連の処理を終了する。
一方、この判定において、現在の状態がヘルプ表示モードに移行した状態であると判定した場合には(S21:YES)、ティーチングペンダント10に対して作業者が所定時間操作をしていないか否か判定する(S22)。具体的には、ティーチングペンダント10の各種キーや、液晶表示器14に表示された各種ボタンに対して、作業者が例えば3秒間以上操作をしていない状態が続いた場合に、所定時間操作をしていないと判定する。この判定において、作業者が所定時間以内に操作をしたと判定した場合には(S22:NO)、S21の処理へ戻る。
一方、この判定において、ティーチングペンダント10に対して、作業者が所定時間操作をしていないと判定した場合には(S22:YES)、現在、液晶表示器14に表示されている画像についての情報を取得する(S23)。この処理は、図5のS12と同一の処理である。
続いて、表示されている画像において現在のカーソル位置を取得する(S24)。ヘルプ表示モードの初期状態では、カーソルが表示されていない状態となっている。初期状態では、カーソル位置の取得なしとして処理する。初期状態から、作業者がいずれかのボタンを押すことにより、そのボタンにカーソルが合わせられた状態となる。この状態では、そのボタンの位置を、カーソル位置として取得する。
続いて、カーソルの合わせられたボタンの機能に関連する機能のボタンと、関連しない機能のボタンとに、表示されているボタンを分類する(S25)。具体的には、カーソルの合わせられたボタンを、現在の階層での主ボタン(主操作子)とする。そして、主ボタンの機能に関連する機能のボタンである副ボタン(副操作子)と、関連しない機能のボタンとに、現在の階層の画像において表示されているボタンを分類する。詳しくは、主ボタンの機能に対して、1親等以内の関係にある機能のボタンを副ボタンに分類し、1親等よりも遠い関係にあるボタンを関連しないボタンに分類する。そして、主ボタン及び副ボタンをヘルプ表示すべきボタンとし、主ボタンの機能に関連しない機能のボタンを、ヘルプ表示する必要のないボタンとする。
上記分類に基づいて、ヘルプを表示する領域を設定し(S26)、ヘルプ表示許可領域にヘルプ表示すべきボタンの説明を表示する(S27)。このようにヘルプ表示ウインドウを表示した後、主ボタン及び副ボタンのいずれかが作業者により押されたか、又はヘルプ表示ウインドウ内の選択欄が作業者により押されたかを判定する(S28)。この判定において、主ボタン及び副ボタンのいずれも作業者により押されておらず、且つヘルプ表示ウインドウ内の選択欄が作業者により押されていない場合には(S28:NO)、それらのいずれかが押されるまで待機する。一方、主ボタン及び副ボタンのいずれかが作業者により押されたか、又はヘルプ表示ウインドウ内の選択欄が作業者により押された場合には(S28:YES)、そのボタンの下位の階層に含まれるボタンを表示させる(S29)。これらのS26〜S29の処理は、図5のS14〜S17と同一の処理である。
その後、上述したS21〜S29の処理を再度実行する。すなわち、押されたボタンに対して下位の階層のボタンが存在しない場合には、押されたボタンに対応する機能を実行し、押されたボタンに対して下位の階層のボタンが存在する場合には、その下位の階層のボタンを液晶表示器14に表示する。これらの処理中に、作業者により再度「HELP」ボタンが押された場合には、ヘルプ表示モードを終了し、S21の判定に基づいて(S21:NO)、この一連処理を終了する(END)。
次に、図11,12を参照して、上述したヘルプ表示モードの設定時のヘルプ表示の処理により、各階層においてボタンの説明を表示する態様を説明する。
図11は、ヘルプ表示モード設定時の初期画像を示す図である。同図に示すように、「HELP」ボタンが作業者により押されるとヘルプ表示モードへ移行されるが、その初期画像ではカーソルが表示されていない。この状態から、作業者がいずれかのボタンを押すことにより、そのボタンにカーソルが合わせられた状態となる。ここでは、第1階層において、「保守」ボタンが作業者により押されたものとする。そして、ティーチングペンダント10に対して、作業者が所定時間操作をしていないと判定されると、カーソルの合わせられたボタンが主ボタンとされて、ヘルプ表示ウインドウが表示される。
図12は、ヘルプ表示ウインドウを含む第1階層の画像を示す図である。同図に示すように、各ボタンの表示の上に矩形状のヘルプ表示ウインドウが重ねて表示されている。そして、そのウインドウ内には、主ボタンの機能である「保守」と、それに関連する機能である「メモリ情報」及び「通信設定」が表示されている。各機能の下側には、各機能の説明「・・・・」が表示されている。各機能の左側に、正方形の選択欄が設けられており、「保守」が選択されている。
図4に示すように、「保守」に関連する機能として、これに対して1親等の関係にある「メモリ情報」及び「通信設定」が選択される。これらの「メモリ情報」ボタン及び「通信設定」ボタンが、副ボタンに相当する。同図に示されるその他の機能は、「保守」とは関連しない機能とされる。
図12に戻り、上記の関係に基づいて、ヘルプ表示ウインドウが、「保守」に関連しない機能のボタンの表示されている領域及びその周辺領域、すなわちヘルプ表示許可領域に表示されている。換言すれば、主ボタンである「保守」ボタン、副ボタンである「メモリ設定」ボタン及び「通信設定」ボタンの表示されている領域が、ヘルプ表示禁止領域とされている。このヘルプ表示禁止領域以外の領域に、ヘルプ表示ウインドウが表示されている。このため、「保守」ボタン(主ボタン)、「メモリ情報」ボタン及び「通信設定」ボタン(副ボタン)が表示されるとともに、それらの機能の説明がヘルプ表示ウインドウ内に表示されている。ここで、「保守」に関連しない機能のボタンは、ヘルプ表示ウインドウで全て隠された状態となっており、それらの機能のボタンに対する作業者の操作が無効化されている。
そして、ヘルプ表示ウインドウ内に表示されている機能のボタン、又はそれらの機能の選択欄が押された場合には、そのボタンの下位の階層に含まれるボタンが表示される。なお、各機能の選択欄は、「OK」ボタンが作業者により押されることで有効化され、「END」ボタンが作業者により押された場合には、ヘルプ表示モードが終了される。
同様にして、下位の階層においても各ボタンの表示が行われ、作業者が所定時間操作をしていないと判定された場合に、ヘルプ表示ウインドウが表示される。
以上詳述した本実施形態は以下の利点を有する。ここでは、第1実施形態と異なる利点についてのみ述べる。
・ヘルプ表示モード設定時において、ティーチングペンダント10に対して作業者が所定時間操作をしていないことを条件として、ヘルプ表示ウインドウが表示される。したがって、作業者がヘルプ表示を必要としていると考えられる場合にのみ、ヘルプ表示ウインドウを表示することができる。
・作業者がカーソルを任意のボタンに合わせる場合であっても、ヘルプ表示ウインドウがヘルプ表示許可領域に表示される。このため、任意の主ボタン及び副ボタンに対して、それら主ボタン及び副ボタンを液晶表示器14に表示させた状態で、それら主ボタン及び副ボタンの説明を液晶表示器14に表示させることができる。
上記実施形態を、以下のように変形して実施することもできる。
・ティーチングペンダント10の本体11に「HELP」キーを設けて、この「HELP」キーが作業者により押されることにより、ヘルプ表示モードへ移行するようにしてもよい。
・ヘルプ表示モードの初期状態において、カーソルを予め設定した初期位置に表示しておくようにしてもよい。
・作業者が所定時間操作をしていないか否か判定する際の判定値を、3秒間よりも長くしたり、短くしたりしてもよく、また判定値を可変設定することができるようにしてもよい。
(第3実施形態)
第3実施形態では、「HELP」ボタンの操作により、ティーチングペンダント10に各ボタンのヘルプ表示を行う。すなわち、第2実施形態では、「HELP」ボタンが押されることにより、ヘルプ表示モードへ移行したが、第3実施形態では、「HELP」ボタンが押されることにより、その都度ヘルプ表示ウインドウを表示する。なお、第1実施形態又は第2実施形態と同様の処理については、その説明を省略又は簡略化する。
図13は、その処理手順を示すフローチャートである。この一連の処理は、ティーチングペンダント10の制御部30によって実行される。
まず、「HELP」ボタンが押されたか否か判定する(S31)。具体的には、液晶表示器14から入力される信号に基づいて、作業者が「HELP」ボタンを押したことを検出したか否か判定する。この判定において、「HELP」ボタンが押されていないと判定した場合には(S31:NO)、この一連の処理を終了する。
一方、「HELP」ボタンが押されたと判定した場合には(S31:YES)、現在、液晶表示器14に表示されている画像についての情報を取得する(S33)。この処理は、図5のS12と同一の処理である。
続いて、表示されている画像において現在のカーソル位置を取得する(S34)。初期状態では、カーソルが予め設定された初期位置に表示されている。ここでは、カーソルの初期位置が、「ロード」ボタンの位置に設定されている。そして、作業者がいずれかのボタンを押すことにより、そのボタンにカーソルが合わせられた状態となる。現在の状態において、そのボタンの位置を、カーソル位置として取得する。
そして、カーソルの合わせられたボタンの機能に関連する機能のボタンと、関連しない機能のボタンとに、表示されているボタンを分類する(S35)。この処理は、図10のS25と同一の処理である。
上記分類に基づいて、ヘルプを表示する領域を設定し(S36)、ヘルプ表示許可領域にヘルプ表示すべきボタンの説明を表示する(S37)。このようにヘルプ表示ウインドウを表示した後、主ボタン及び副ボタンのいずれかが作業者により押されたか、又はヘルプ表示ウインドウ内の選択欄が作業者により押されたかを判定する(S38)。この判定において、主ボタン及び副ボタンのいずれも作業者により押されておらず、且つヘルプ表示ウインドウ内の選択欄が作業者により押されていない場合には(S38:NO)、それらのいずれかが押されるまで待機する。一方、主ボタン及び副ボタンのいずれかが作業者により押されたか、又はヘルプ表示ウインドウ内の選択欄が作業者により押された場合には(S38:YES)、そのボタンの下位の階層に含まれるボタンを表示させる(S39)。これらのS36〜S39の処理は、図5のS14〜S17と同一の処理である。
その後、ヘルプ表示ウインドウを消去し(S40)、上述したS31〜S39の処理を再度実行する。すなわち、押されたボタンに対して下位の階層のボタンが存在しない場合には、押されたボタンに対応する機能を実行し、押されたボタンに対して下位の階層のボタンが存在する場合には、その下位の階層のボタンを液晶表示器14に表示する。
次に、図14,15を参照して、上述したヘルプ表示モードの設定時のヘルプ表示の処理により、各階層においてボタンの説明を表示する態様を説明する。
図14は、第1階層の画像を示す図である。同図に示すように、初期画像ではカーソルが「ロード」ボタンに合わせられた状態となっている。そして、「HELP」ボタンが作業者により押されると、カーソルの合わせられたボタンが主ボタンとされて、ヘルプ表示ウインドウが表示される。
図15は、ヘルプ表示ウインドウを含む第1階層の画像を示す図である。同図に示すように、各ボタンの表示の上に矩形状のヘルプ表示ウインドウが重ねて表示されている。そして、そのウインドウ内には、主ボタンの機能である「ロード」と、それに関連する機能である「保存」及び「プログラム保存」が表示されている。各機能の下側には、各機能の説明「・・・・」が表示されている。各機能の左側に、正方形の選択欄が設けられており、「ロード」が選択されている。
図4に示すように、「ロード」に関連する機能として、これに対して1親等の関係にある「保存」及び「プログラム保存」が選択される。これらの「保存」ボタン及び「プログラム保存」ボタンが、副ボタンに相当する。同図に示されるその他の機能は、「ロード」とは関連しない機能とされる。
図15に戻り、上記の関係に基づいて、ヘルプ表示ウインドウは、「ロード」に関連しない機能のボタンの表示されている領域及びその周辺領域、すなわちヘルプ表示許可領域に表示されている。換言すれば、主ボタンである「ロード」ボタン、副ボタンである「保存」ボタン及び「プログラム保存」ボタンの表示されている領域が、ヘルプ表示禁止領域とされている。このヘルプ表示禁止領域以外の領域に、ヘルプ表示ウインドウが表示されている。このため、「ロード」ボタン(主ボタン)、「保存」ボタン及び「プログラム保存」ボタン(副ボタン)が表示されるとともに、それらの機能の説明がヘルプ表示ウインドウ内に表示されている。ここで、「ログ表示」ボタン、「USBメモリ」ボタン、及び「オプション」ボタンのいずれかが作業者により押された場合には、そのボタン操作は無効化され、それらの機能は実行されない。すなわち、ヘルプ表示ウインドウ内に表示されている機能以外の機能のボタンが作業者により押された場合には、そのボタン操作は無効化される。
そして、ヘルプ表示ウインドウ内に表示されている機能のボタン、又はそれらの機能の選択欄が押された場合には、そのボタンの下位の階層に含まれるボタンが表示された後、ヘルプ表示ウインドウが消去される。なお、各機能の選択欄は、「OK」ボタンが作業者により押されることで有効化され、「END」ボタンが作業者により押された場合には、ヘルプ表示ウインドウが消去される。
同様にして、下位の階層においても各ボタンの表示が行われ、「HELP」ボタンが作業者により押された場合に、その都度ヘルプ表示ウインドウが表示される。
以上詳述した本実施形態は以下の利点を有する。ここでは、第1実施形態及び第2実施形態と異なる利点についてのみ述べる。
・「HELP」ボタンが作業者により押されたことを条件として、ヘルプ表示ウインドウが表示される。したがって、作業者がヘルプ表示を必要としていると考えられる場合にのみ、その都度ヘルプ表示ウインドウを表示することができる。
上記実施形態を、以下のように変形して実施することもできる。
・ティーチングペンダント10の本体11に「HELP」キーを設けて、この「HELP」キーが作業者により押されることにより、その都度ヘルプ表示ウインドウを表示するようにしてもよい。
・初期状態において、カーソルを表示しないようにしてもよい。
(第4実施形態)
第4実施形態では、ヘルプを表示する領域の設定処理(図5のS14、図10のS26、図13のS36)を、以下のように変更している。その他の処理については、第1〜第3のいずれの実施形態を採用することもできる。したがって、第1〜第3のいずれかの実施形態において、現在の画像情報が取得され(図5のS12、図10のS23、図13のS33)、表示されているボタンが分類された状態で(図5のS13、図10のS25、図13のS35)、以下の処理が実行される。ここでは、「メモリ情報」ボタンが主ボタンとされ、それと2親等以内の関係にある「USBメモリ」ボタン、「ログ表示」ボタン、「保守」ボタン、及び「通信設定」ボタンが副ボタンに分類されたとする。
図16,17は、ヘルプを表示する領域の設定の処理手順を示すフローチャートである。この一連の処理は、ティーチングペンダント10の制御部30(操作子表示手段)によって実行される。
まず、取得された現在の画像情報に基づいて左端のボタン列をチェックする(S51)。具体的には、左端のボタン列に、どのボタンが表示されているかを取得する。そして、そのボタン列に主ボタン又は副ボタンが含まれているか否か判定する(S52)。
この判定において、そのボタン列に主ボタン又は副ボタンが含まれていないと判定した場合には(S52:NO)、その1つ右側のボタン列をチェックし(S53)、再度、そのボタン列に主ボタン又は副ボタンが含まれているか否か判定する(S52)。一方、上記判定において、そのボタン列に主ボタン又は副ボタンが含まれていると判定した場合には(S52:YES)、左端からその主ボタン又は副ボタンまでの距離が、ヘルプ表示ウインドウの横幅よりも大きいか否か判定する(S54)。
この判定において、左端からその主ボタン又は副ボタンまでの距離が、ヘルプ表示ウインドウの横幅よりも大きいと判定した場合には(S54:YES)、画像において左側にヘルプを表示する領域を設定する(S55)。具体的には、主ボタン及び副ボタンの表示されている領域を、ヘルプの表示を禁止するヘルプ表示禁止領域とする。これに対して、ヘルプ表示禁止領域の左側において、主ボタンの機能に関連しない機能のボタンの表示されている領域及びその周辺の領域を、ヘルプの表示を許可するヘルプ表示許可領域とする。そして、この一連の処理を終了する。
一方、上記判定において、左端からその主ボタン又は副ボタンまでの距離が、ヘルプ表示ウインドウの横幅よりも大きくないと判定した場合には(S54:NO)、取得された現在の画像情報に基づいて右端のボタン列をチェックする(S56)。具体的には、右端のボタン列に、どのボタンが表示されているかを取得する。そして、そのボタン列に主ボタン又は副ボタンが含まれているか否か判定する(S57)。
この判定において、そのボタン列に主ボタン又は副ボタンが含まれていないと判定した場合には(S57:NO)、その1つ左側のボタン列をチェックし(S58)、再度、そのボタン列に主ボタン又は副ボタンが含まれているか否か判定する(S57)。一方、上記判定において、そのボタン列に主ボタン又は副ボタンが含まれていると判定した場合には(S57:YES)、右端からその主ボタン又は副ボタンまでの距離が、ヘルプ表示ウインドウの横幅よりも大きいか否か判定する(S59)。
この判定において、右端からその主ボタン又は副ボタンまでの距離が、ヘルプ表示ウインドウの横幅よりも大きいと判定した場合には(S59:YES)、画像において右側にヘルプを表示する領域を設定する(S60)。具体的には、主ボタン及び副ボタンの表示されている領域を、ヘルプの表示を禁止するヘルプ表示禁止領域とする。これに対して、ヘルプ表示禁止領域の右側において、主ボタンの機能に関連しない機能のボタンの表示されている領域及びその周辺の領域を、ヘルプの表示を許可するヘルプ表示許可領域とする。そして、この一連の処理を終了する。
一方、上記判定において、右端からその主ボタン又は副ボタンまでの距離が、ヘルプ表示ウインドウの横幅よりも大きくないと判定した場合には(S59:NO)、左側及び右側のうち主ボタン又は副ボタンまでの距離が長い側を選択する(S61)。そして、選択された側の端から主ボタン又は副ボタンまでの距離と、その反対側に含まれる全ての隙間の幅との合計が、ヘルプ表示ウインドウの横幅よりも大きいか否か判定する(S62)。具体的には、選択された側と反対側に含まれる全ての隙間として、各ボタンの間にそれぞれ存在する所定の隙間と、端のボタンよりも更に端側に存在する隙間とが含まれる。
この判定において、選択された側の端から主ボタン又は副ボタンまでの距離と、その反対側に含まれる全ての隙間の幅との合計が、ヘルプ表示ウインドウの横幅よりも大きいと判定した場合には(S62:YES)、選択された側と反対側に各ボタンを寄せて表示させる(S63)。そして、選択された側にヘルプを表示する領域を設定する(S64)。例えば、図18に示すように、各ボタンの間の隙間を上述した所定の隙間よりも狭くするように、各ボタンを選択された側(ここでは左側が選択される)と反対側(右側)に寄せて表示させる。詳しくは、左右方向において、各ボタンの間に隙間がない状態とされている。また、主ボタン及び副ボタンの表示されている領域を、ヘルプの表示を禁止するヘルプ表示禁止領域とする。これに対して、破線の矩形で示すように、ヘルプ表示禁止領域の左側において、主ボタンの機能に関連しない機能のボタンの表示されている領域及びその周辺の領域を、ヘルプの表示を許可するヘルプ表示許可領域とする。なお、各ボタンの下にそれぞれ表示されている各ボタンの名称及びファンクションキーの番号(F1〜F9)は、各ボタンの横幅内に収まるように縮小して表示されている。そして、この一連の処理を終了する。
一方、上記判定において、選択された側の端から主ボタン又は副ボタンまでの距離と、その反対側に含まれる全ての隙間の幅との合計が、ヘルプ表示ウインドウの横幅よりも大きくないと判定した場合には(S62:NO)、ボタンの縮小率を算出する(S65)。具体的には、主ボタン及び副ボタンとヘルプ表示ウインドウとを表示するために、各ボタンを縮小して表示する際の縮小率を算出する。詳しくは、ヘルプ表示ウインドウの横幅が、縮小前の主ボタン及び副ボタンの横幅の合計よりも、どれだけ大きいかという重なり幅を算出する。そして、縮小前の主ボタン及び副ボタンの横幅の合計からこの重なり幅を引いて、縮小後の主ボタン及び副ボタンの横幅の合計を算出する。この縮小後の主ボタン及び副ボタンの横幅の合計を、縮小前の主ボタン及び副ボタンの横幅の合計で割ることにより、ボタンの縮小率を算出する。
続いて、算出された縮小率で各ボタンが表示されるように反応領域Aを縮小する(S66)。具体的には、アイコンIを上述した第1の大きさで表示するとともに、反応領域Aを上述した第2の大きさよりも小さく表示して、各ボタンが全体として上記縮小率で縮小されて表示されるようにする。
続いて、選択された側と反対側に各ボタンを寄せて表示させる(S67)。そして、選択された側にヘルプを表示する領域を設定する(S68)。例えば、図19に示すように、各ボタンの間の隙間を上述した所定の隙間よりも狭くするように、各ボタンを選択された側(ここでは左側が選択される)と反対側(右側)に寄せて表示させる。詳しくは、左右方向において、各ボタンの間に隙間がない状態とされている。ここでは、図18と比較してヘルプ表示ウインドウの横幅が大きいものとする。さらに、各ボタンにおいて、アイコンIの大きさは第1の大きさから変更されておらず、反応領域Aの大きさが第2の大きさよりも小さくされている。その結果、各ボタンは、全体として上記の縮小率で縮小されて表示されている。また、主ボタン及び副ボタンの表示されている領域を、ヘルプの表示を禁止するヘルプ表示禁止領域とする。これに対して、破線の矩形で示すように、ヘルプ表示禁止領域の左側において、主ボタンの機能に関連しない機能のボタンの表示されている領域及びその周辺の領域を、ヘルプの表示を許可するヘルプ表示許可領域とする。なお、各ボタンの下にそれぞれ表示されている各ボタンの名称及びファンクションキーの番号(F1〜F9)は、各ボタンの横幅に応じて縮小して表示されている。そして、この一連の処理を終了する。
以上詳述した本実施形態は以下の利点を有する。ここでは、第1〜第3実施形態と異なる利点についてのみ述べる。
・ヘルプ表示ウインドウが表示されていない場合に、各ボタンの間に所定の隙間を設けて各ボタンが液晶表示器14に表示させられる。そして、ヘルプ表示ウインドウが表示される場合に、各ボタンの間の隙間を上記所定の隙間よりも狭くするように各ボタンが寄せられて液晶表示器14に表示させられる。このため、液晶表示器14のうち主ボタン及び副ボタンが表示されていない部分を拡大することができ、ヘルプ表示ウインドウを液晶表示器14に表示させることが容易となる。さらに、各ボタンの間の隙間を狭くするように各ボタンを寄せることで、ヘルプ表示ウインドウを表示する部分を確保しているため、各ボタンの並び順を維持することができる。したがって、液晶表示器14にヘルプ表示ウインドウが表示されている場合とそうでない場合とで、各ボタンの表示状態が大きく変化しないようにすることができる。その結果、液晶表示器14にヘルプ表示ウインドウが表示されていない状態で操作する場合に、作業者が操作を行い易くなる。
・ヘルプ表示ウインドウが表示されていない場合に、各ボタンの間に所定の隙間を設けて各ボタンが液晶表示器14に表示させられる。この状態において、液晶表示器14のうち主ボタン及び副ボタンが表示されていない部分の領域内に、ヘルプ表示ウインドウを表示することができない場合に、各ボタンの間の隙間を所定の隙間よりも狭くするように各ボタンが寄せられて液晶表示器14に表示させられる。一方、上記状態において、液晶表示器14のうち主ボタン及び副ボタンが表示されていない部分の領域内に、ヘルプ表示ウインドウを表示することができる場合には、各ボタンの間の隙間を所定の隙間よりも狭くするように各ボタンが寄せられることはない。このため、各ボタンを寄せて表示する必要がない場合には、各ボタンの配置を維持することができ、各ボタンの表示状態が変化することを抑制することができる。その結果、液晶表示器14にヘルプ表示ウインドウが表示されていない状態で操作する場合に、作業者が更に操作を行い易くなる。
・ヘルプ表示ウインドウが表示されていない場合に、所定の大きさで各ボタンが液晶表示器14に表示させられる。そして、ヘルプ表示ウインドウが表示される場合に、各ボタンの大きさを所定の大きさよりも小さくして各ボタンが液晶表示器14に表示させられる。このとき、上述したように、各ボタンの間の隙間を上記所定の隙間よりも狭くするように各ボタンが寄せられて液晶表示器14に表示させられる。すなわち、各ボタンが小さくされるとともに各ボタンの間の隙間が狭くされるため、液晶表示器14のうち主ボタン及び副ボタンが表示されていない部分を更に拡大することができる。さらに、各ボタンの並び順を維持することができるため、液晶表示器14にヘルプ表示ウインドウが表示されている場合とそうでない場合とで、各ボタンの表示状態が大きく変化しないようにすることができる。なお、ヘルプ表示ウインドウを参照しながら主ボタン及び副ボタンを操作する場合は、ボタンが素早く操作されることは少ないため、各ボタンが小さくされたとしても誤操作される可能性は低い。
・ヘルプ表示ウインドウが表示されていない場合に、所定の大きさで各ボタンが液晶表示器14に表示させられる。この状態において、液晶表示器14のうち主ボタン及び副ボタンが表示されていない部分の領域内に、ヘルプ表示ウインドウを表示することができない場合に、各ボタンの大きさを所定の大きさよりも小さくして各ボタンが液晶表示器14に表示させられる。一方、上記状態において、液晶表示器14のうち主ボタン及び副ボタンが表示されていない部分の領域内に、ヘルプ表示ウインドウを表示することができる場合には、各ボタンの大きさを所定の大きさよりも小さくして各ボタンが液晶表示器14に表示させられることはない。このため、各ボタンを小さくして表示する必要がない場合には、各ボタンの大きさを維持することができ、各ボタンの表示状態が変化することを抑制することができる。
・ヘルプ表示ウインドウが表示されていない場合に、アイコンIの大きさを第1の大きさにするとともに反応領域Aの大きさを第2の大きさにして各ボタンが液晶表示器14に表示させられる。そして、ヘルプ表示ウインドウが表示される場合に、アイコンIの大きさを第1の大きさにするとともに反応領域Aの大きさを第2の大きさよりも小さくして各ボタンが液晶表示器14に表示させられる。このとき、上述したように、各ボタンの間の隙間を上記所定の隙間よりも狭くするように各ボタンが寄せられて液晶表示器14に表示させられる。すなわち、各ボタンにおいて反応領域Aが小さくされるとともに各ボタンの間の隙間が狭くされるため、液晶表示器14のうち主ボタン及び副ボタンが表示されていない部分を更に拡大することができる。さらに、アイコンIの大きさは第1の大きさから変更されていないため、アイコンIの視認性を維持することができるとともに、各ボタンの表示状態が大きく変化しないようにすることができる。
・ヘルプ表示ウインドウが表示されていない場合に、アイコンIの大きさを第1の大きさにするとともに反応領域Aの大きさを第2の大きさにして各ボタンが液晶表示器14に表示させられる。この状態において、液晶表示器14のうち主ボタン及び副ボタンが表示されていない部分の領域内に、ヘルプ表示ウインドウを表示することができない場合に、アイコンIの大きさを第1の大きさにするとともに反応領域Aの大きさを第2の大きさよりも小さくして各ボタンが液晶表示器14に表示させられる。一方、上記状態において、液晶表示器14のうち主ボタン及び副ボタンが表示されていない部分の領域内に、ヘルプ表示ウインドウを表示することができる場合には、反応領域Aの大きさを第2の大きさよりも小さくして各ボタンが液晶表示器14に表示させられることはない。このため、各ボタンにおいて反応領域Aを小さくして表示する必要がない場合には、各ボタンにおいて反応領域Aの大きさを維持することができ、各ボタンの操作性を維持することができる。
上記実施形態を、以下のように変形して実施することもできる。
・上記実施形態では、各ボタンの間に所定の隙間を設けて各ボタンを液晶表示器14に表示させている状態において、液晶表示器14のうち主ボタン及び副ボタンが表示されていない部分の領域内に、ヘルプ表示ウインドウを表示することができないことを条件として、各ボタンの間の隙間を所定の隙間よりも狭くするように各ボタンを寄せて液晶表示器14に表示させるようにした。しかしながら、各ボタンの間に所定の隙間を設けて各ボタンを液晶表示器14に表示させている状態において、液晶表示器14のうち主ボタン及び副ボタンが表示されていない部分の領域内に、ヘルプ表示ウインドウを表示することができるか否かにかかわらず、各ボタンの間の隙間を所定の隙間よりも狭くするように各ボタンを寄せて液晶表示器14に表示させるようにしてもよい。
・上記実施形態では、各ボタンの大きさを所定の大きさにして各ボタンを液晶表示器14に表示させている状態において、液晶表示器14のうち主ボタン及び副ボタンが表示されていない部分の領域内に、ヘルプ表示ウインドウを表示することができないことを条件として、各ボタンの大きさを所定の大きさよりも小さくして各ボタンを液晶表示器14に表示させるようにした。しかしながら、各ボタンの大きさを所定の大きさにして各ボタンを液晶表示器14に表示させている状態において、液晶表示器14のうち主ボタン及び副ボタンが表示されていない部分の領域内に、ヘルプ表示ウインドウを表示することができるか否かにかかわらず、各ボタンの大きさを所定の大きさよりも小さくして各ボタンを液晶表示器14に表示させるようにしてもよい。
・上記実施形態では、アイコンIの大きさを第1の大きさにするとともに反応領域Aの大きさを第2の大きさにして各ボタンを液晶表示器14に表示させている状態において、液晶表示器14のうち主ボタン及び副ボタンが表示されていない部分の領域内に、ヘルプ表示ウインドウを表示することができないことを条件として、アイコンIの大きさを第1の大きさにするとともに反応領域Aの大きさを第2の大きさよりも小さくして各ボタンを液晶表示器14に表示させるようにした。しかしながら、アイコンIの大きさを第1の大きさにするとともに反応領域Aの大きさを第2の大きさにして各ボタンを液晶表示器14に表示させている状態において、液晶表示器14のうち主ボタン及び副ボタンが表示されていない部分の領域内に、ヘルプ表示ウインドウを表示することができるか否かにかかわらず、アイコンIの大きさを第1の大きさにするとともに反応領域Aの大きさを第2の大きさよりも小さくして各ボタンを液晶表示器14に表示させるようにしてもよい。
・各ボタンの間の隙間を所定の隙間よりも狭くするように各ボタンを寄せて液晶表示器14に表示させる際に、各ボタンが寄せられる過程(途中経過)を液晶表示器14に表示させてもよい。これにより、各ボタンの並び順は変化しておらず、各ボタンが寄せられただけであることを、作業者が理解し易くなる。
・各ボタンの大きさを所定の大きさよりも小さくて液晶表示器14に表示させる際に、各ボタンが小さくされる過程(途中経過)を液晶表示器14に表示させてもよい。これにより、各ボタンの並び順は変化しておらず、各ボタンが小さくされただけであることを、作業者が理解し易くなる。
・上記実施形態では、各ボタンにおいて、アイコンIの大きさを第1の大きさから変更せず、反応領域Aの大きさを第2の大きさよりも小さくしたが、アイコンIの大きさを第1の大きさよりも小さくするとともに、反応領域Aの大きさを第2の大きさよりも小さくしてもよい。また、ボタンの縮小率を適宜変更して、各ボタンの間に隙間を設けた状態でヘルプ表示ウインドウが表示されるようにしてもよい。
また、上記の各実施形態に限定されず、例えば次のように実施することもできる。
・各ボタンの機能の関連性を、図4に示す関係以外に適宜変更することもできる。その場合には、関連の強い機能のボタン同士を集めるように、各ボタンの配置を併せて変更するとよい。
・ヘルプ表示ウインドウにおいて、各機能の選択欄を省略することもできる。その場合であっても、ヘルプ表示ウインドウ内に表示されている各機能のボタンが、液晶表示器14に表示されている。このため、作業者がそのボタンを押すことにより、そのボタンに対応する各機能を実行することができる。
・ロボット70のティーチングペンダント10に限らず、工作機械等、他の動作機械の操作器に具体化することもできる。