JP5554915B2 - 変性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
〔1〕シンジオタクティックプロピレン重合体(A)100〜50重量部と、
プロピレン・α-オレフィン共重合体(B)0〜50重量部(ただし、(A)と(B)との合計を100重量部とする。)と
を含んでなる樹脂組成物(C)を架橋することによって得られる変性樹脂組成物であって、
溶融粘弾性でのずり速度100rad/secにおける、架橋前のη* 100(initial)と架橋後のη* 100(vulc)の比が式(Eq-1)を満たし、
溶融粘弾性でのずり速度0.1rad/secにおける、架橋前のη* 0.1(initial)と架橋後のη* 0.1(vulc)の比が式(Eq-2)を満たし、
η* 100(vulc)/η* 100(initial)≧0.85・・・(Eq-1)
η* 0.1(vulc)/η* 0.1(initial)≧1.10・・・(Eq-2)
沸騰キシレン抽出残存率が10wt%以下であり、
さらに、該シンジオタクティックプロピレン重合体(A)が下記要件(a)を、該プロピレン・α-オレフィン共重合体(B)が下記要件(b)をそれぞれ充足することを特徴とする変性樹脂組成物。
(a)13C-NMRにより測定されるシンジオタクティックペンタッド分率(rrrr分率)が85%以上であり、DSCより求められる融点(Tm)が145℃以上であり、プロピレンから導かれる構成単位を90モル%(ただし、該シンジオタクティックプロピレン重合体(A)中の構成単位の全量を100モル%とする。)を超える量で含有する。
(b)プロピレンから導かれる構成単位を55〜90モル%の量で含有し、炭素原子数2〜20のα-オレフィン(プロピレンを除く)から導かれる構成単位を10〜45モル%(ただし、プロピレンから導かれる構成単位と炭素原子数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)から導かれる構成単位との合計を100モル%とする。)の量で含有し、JIS K−6721に準拠して230℃、2.16kg荷重にて測定したMFRが0.01〜100g/10分の範囲にあり、かつ下記要件(b-1)および(b-2)のいずれか一つ以上を満たす。
(b-1)13C-NMR法により測定したシンジオタクティックトライアッド分率(rr分率)が60%以上である。
(b-2)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η](dL/g)と前記MFR(g/10分、230℃、2.16kg荷重)とが下記の関係式(Eq-3)を満たす。
1.50×MFR(-0.20)≦[η]≦2.65×MFR(-0.20)・・・(Eq-3)
〔3〕放射線を照射して架橋されたことを特徴とする〔1〕に記載の変性樹脂組成物。
〔4〕前記樹脂組成物(C)が、シンジオタクティックプロピレン重合体(A)95〜50重量部と、プロピレン・α-オレフィン共重合体(B)5〜50重量部(ただし、(A)と(B)との合計を100重量部とする。)とを含んでなることを特徴とする請求項〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の変性樹脂組成物。
〔5〕〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の変性樹脂組成物1〜100重量部と、シンジオタクティックプロピレン重合体(A)0〜99重量部と、プロピレン・α-オレフィン共重合体(B)0〜50重量部(ただし、該変性樹脂組成物と(A)と(B)との合計を100重量部とする。)とからなることを特徴とする変性樹脂組成物。
〔6〕示差走査型熱量計(DSC)で求めた110℃での等温結晶化における半結晶化時間(t1/2)が1000sec以下であることを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の変性樹脂組成物。
〔7〕針侵入温度が145℃以上であることを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の変性樹脂組成物。
〔8〕厚さ1mmのプレスシートの内部ヘイズ値が50%以下であることを特徴とする〔
1〕〜〔7〕のいずれかに記載の変性樹脂組成物。
〔9〕前記シンジオタクティックプロピレン重合体(A)の135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.1〜10dL/gの範囲にあり、示差走査熱量計(DSC)測定により求めた融解熱量(ΔH)が40mJ/mg以上であることを特徴とする〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の変性樹脂組成物。
〔10〕前記プロピレン・α-オレフィン重合体(B)のGPCにより求めた分子量分布(Mw/Mn)が3.5以下であることを特徴とする〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の変性樹脂組成物。
本発明の第1の態様の変性樹脂組成物は、シンジオタクティックプロピレン重合体(A)100〜50重量部と、
プロピレン・α-オレフィン共重合体(B)0〜50重量部(ただし、(A)と(B)との合計を100重量部とする。)と
を含んでなる樹脂組成物(C)を架橋することによって得られる変性樹脂組成物であって、
溶融粘弾性でのずり速度100rad/secにおける、架橋前のη* 100(initial)と架橋後のη* 100(vulc)との比が式(Eq-1)を満たし、
溶融粘弾性でのずり速度0.1rad/secにおける、架橋前のη* 0.1(initial)と架橋後のη* 0。1(vulc)との比が式(Eq-2)を満たし、
η* 100(vulc)/η* 100(initial)≧0.85 ・・・(Eq-1)
η* 0.1(vulc)/η* 0.1(initial)≧1.10 ・・・(Eq-2)
沸騰キシレン抽出残存率が10wt%以下であり、
さらに、該シンジオタクティックプロピレン重合体(A)が下記要件(a)を、該プロピレン・α-オレフィン共重合体(B)が下記要件(b)をそれぞれ充足することを特徴とする。
(b)プロピレンから導かれる構成単位を55〜90モル%の量で含有し、炭素原子数2〜20のα-オレフィン(プロピレンを除く)から導かれる構成単位を10〜45モル%(ただし、プロピレンから導かれる構成単位と炭素原子数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)から導かれる構成単位との合計を100モル%とする。)の量で含有し、JIS K−6721に準拠して230℃、2.16kg荷重にて測定したMFRが0.01〜100g/10分の範囲にあり、かつ下記要件(b-1)および(b-2)のいずれか一つ以上を満たす。
(b-1)13C-NMR法により測定したシンジオタクティックトライアッド分率(rr分率)が60%以上である。
(b-2)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η](dL/g)と前記MFR(g/10分、230℃、2.16kg荷重)とが下記の関係式(Eq-3)を満たす。
以下、上記第1の態様の変性樹脂組成物を変性樹脂組成物(D)と記す。
本発明の第2の態様の変性樹脂組成物は、上記変性樹脂組成物(D)1〜100重量部と、シンジオタクティックプロピレン重合体(A)0〜99重量部と、プロピレン・α-オレフィン共重合体(B)0〜50重量部(ただし、(D)と(A)と(B)との合計を100重量部とする。)とからなることを特徴とする。
本発明の変性樹脂組成物の原料樹脂組成物(C)を構成する成分について、それぞれ詳細に説明する。
本発明で用いられるシンジオタクティックプロピレン重合体(A)は、ホモポリプロピレンであっても、プロピレンおよび炭素原子数2〜20のα-オレフィン(プロピレンを除く)のランダム共重合体であっても、プロピレンブロック共重合体であってもよいが、好ましくはホモポリプロピレンあるいはプロピレンおよび炭素原子数2〜20のα-オレフィン(プロピレンを除く)のランダム共重合体であり、特に好ましくはホモポリプロピレンあるいはプロピレンおよび炭素原子数2〜10のα-オレフィン(プロピレンを除く)のランダム共重合体であり、最も好ましくは、耐熱性などの点からホモポリプロピレンである。
η* 100(vulc)/η* 100(initial)≧0.85 ・・・(Eq-1)
η* 0.1(vulc)/η* 0.1(initial)≧1.10 ・・・(Eq-2)
このシンジオタクティックペンタッド分率(rrrr分率)は、以下のようにして測定される。
rrrr分率は、13C-NMRスペクトルにおけるPrrrr(プロピレン単位が5単位連続してシンジオタクティック結合した部位における第3単位目のメチル基に由来する吸収強度)およびPw(プロピレン単位の全メチル基に由来する吸収強度)の吸収強度から下記式(Eq-4)により求められる。
rrrr分率(%)=100×Prrrr/Pw ・・・(Eq-4)
本発明で用いられるプロピレン・α-オレフィン共重合体(B)はプロピレンから導かれる構成単位を55〜90モル%の量で含有し、炭素原子数2〜20のα-オレフィン(プロピレンを除く)から導かれる構成単位を10〜45モル%の量で含有する。
また、炭素原子数2〜20のα-オレフィン(プロピレンを除く)としては、エチレン、3-メチル-1-ブテン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセンおよび1-エイコセンなどが挙げられる。特にエチレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテンおよび1-オクテンが好ましい。
(b-1)13C-NMR法により測定したシンジオタクティックトライアッド分率(rr)が60%以上である。
(b-2)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η](dL/g)とJIS K−6721に準拠して230℃、2.16kg荷重にて測定したMFR(g/10分)とが下記の関係式(Eq-3)を満たす。
1.50×MFR(-0.20)≦[η]≦2.65×MFR(-0.20) ・・・(Eq-3)
(b-1)プロピレン・α-オレフィン共重合体(B)の13C−NMR法により測定したシンジオタクティックトライアッド分率(rr分率、トライアッドシンジオタクティシティー)が60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上である。rr分率がこの範囲にあるプロピレン・α-オレフィン共重合体(B)は、シンジオタクティックプロピレン重合体(A)と相溶性が良好で好ましい。
rr分率(%)=100×Prr/Pw ・・・(Eq-4)
。すなわち、試料0.35gをヘキサクロロブタジエン2.0mlに加熱溶解させる。この溶液をグラスフィルター(G2)で濾過した後、重水素化ベンゼン0.5mlを加え、内径10mmのNMRチューブに装入する。そして日本電子製GX-400型NMR測定装置を用い、120℃で13C-NMR測定を行う。積算回数は8,000回以上とする。
(b-2)前記プロピレン・α-オレフィン共重合体(B)は、135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η](dL/g)とJIS K−6721に準拠して230℃、2.16kg荷重にて測定したMFR(g/10分)とが下記の関係式(Eq-3)を満たす。
1.50×MFR(-0.20)≦[η]≦2.65×MFR(-0.20)・・・(Eq-3)
より好ましくは下記関係式(Eq-3')を満たす。
1.80×MFR(-0.20)≦[η]≦2.50×MFR(-0.19)・・・(Eq-3')
この関係式を充足するプロピレン・α-オレフィン共重合体(B)はシンジオタクティックプロピレン重合体(A)との相溶性が良好で好ましい。
これは、「Macromolecules」1998年、第31巻、p.1335−1340に記載されるように、アイソタクティックポリプロピレンの絡み合い点間分子量(論文では、Me=6900(g/mol)と報告されている)と、シンジオタクティックポリプロピレンの絡み合い点間分子量(論文では、Me=2170(g/mol)と報告されている)との違いに起因すると考えられる。すなわち、[η]が同一の場合、シンジオタクティック構造を持つことにより、アイソタクティック構造を有する材料と比べて絡み合い点が多くなるため、MFR値が高くなると考えられる。
アルミパンに詰め、セイコーインスツルメント社製DSCRDC220を用い、30℃から200℃までを200℃/分で昇温し、200℃で5分間保持した後、200℃から−100℃までを10℃/分で降温し、−100℃でさらに5分間保持した後、次いで10℃/分で昇温する際の吸熱曲線より前記ガラス転移温度(Tg)を求める。
本発明に係るシンジオタクティックプロピレン重合体(A)とプロピレン・α-オレフィン共重合体(B)とを含んでなる樹脂組成物(C)には、本発明の目的を損なわない程度であれば必要に応じてアイソタクティックポリプロピレンを含んでもよい。アイソタクティックポリプロピレンを含むことにより、得られる変性樹脂組成物(D)の機械強度が高くなる。
により製造することができる。またメタロセン触媒を用いても同様に製造することができる。
本発明で用いられる樹脂組成物(C)には、発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて耐候安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、核剤、滑剤、顔料、染料、可塑剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤等の添加剤を配合してもよい。
上述のようにして得られた樹脂組成物(C)は、成形性および耐熱性に優れ、さらに透明性、柔軟性および耐傷付き性にも優れる。
ということがある)は以下のようにして測定することができる。すなわち、セイコー社製SS-120またはTA Instrument社製Q-400を用いて、厚さ1mmのプレスシート試験片を用いて、昇温速度5℃/分で1.8mmφの平面圧子に2Kgf/cm2の圧力をかけ、TMA曲線より、針侵入温度(℃)を求めた。
厚さ1mmのプレスシート試験片を用いて、日本電色工業(株)製のデジタル濁度計「NDH-20D」にて内部ヘイズを測定、2回の平均値とした。
国際公開第2006/123759号パンフレットに記載された重合条件および触媒系により得られたシンジオタクティックプロピレン重合体(A)およびプロピレン・α-オレフィン共重合体(B)を上述した比率で配合することで、物性(1)〜(3)を充足するプロピレン系重合体組成物が得られる。
本発明の変性樹脂組成物(D)は、シンジオタクティックプロピレン重合体(A)、プロピレン・α-オレフィン共重合体(B)および必要に応じて上記のアイソタクティックポリプロピレンや各種添加剤を添加してなる樹脂組成物(プロピレン系重合体組成物)(C)に放射線を照射して、あるいは有機過酸化物と、必要に応じ架橋助剤および多官能性ビニルモノマーから選ばれる1種以上の化合物を用いて架橋したものである。
エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートおよびアリルメタクリレート等の多官能性メタクリレートモノマーならびにビニルブチラートおよびビニルステアレート等の多官能性ビニルモノマーが挙げられる。上記の架橋助剤または多官能性ビニルモノマーを含有させることにより、均一かつ緩和な架橋反応が期待できる。特に、ジビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレートおよびトリメチロールプロパントリメタクリレートが安価でかつ入手容易なため好ましい。
,1-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンおよびn-ブチル-4,4-ビス(tert-ブチルペルオキシ)バレレートが好ましく、1,3-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンが特に好ましい。
η* 100(vulc)/ η* 100(initial)≧0.85 ・・・(Eq-1)
上記式(Eq-1)は、分子鎖の切断の度合を示し、上記式を満足しないと分子鎖の切断が大きく、低分子量成分が発生し成形体表面のベタツキが発生する。
η* 0.1(vulc)/ η* 0.1(initial)≧1.10・・・(Eq-2)
上記式(Eq-2)は、架橋の度合を示しており、上記式を満足しないと得られる変性樹脂組成物(D)の発泡性能が低下し、発泡体の発泡倍率が低かったり、発泡セルの脱泡が起こり不均一となる。さらに、フィルム成形においては、フィルム成形時のネックインが大きく、フィルムの巾が狭くなる。また、耐熱性の増加も不充分である。
本発明の変性樹脂組成物(E)は、前記樹脂組成物(D)1〜100重量部と、シンジオタクティックプロピレン重合体(A)0〜99重量部と、プロピレン・α-オレフィン共重合体(B)0〜50重量部(ただし、(D)と(A)と(B)との合計を100重量部とする。)とを含み、好ましくは前記樹脂組成物(D)3〜100重量部と、シンジオタクティックプロピレン重合体(A)0〜97重量部と、プロピレン・α-オレフィン共重合体(B)0〜50重量部とを含み、特に好ましくは前記樹脂組成物(D)5〜100重量部と、シンジオタクティックプロピレン重合体(A)0〜95重量部と、プロピレン・α-オレフィン共重合体(B)0〜30重量部とを含んでいる。組成が上記の範囲にあると、耐熱性、機械強度ならびに発泡倍率および発泡セルの均一性が良好である。
本発明の変性樹脂組成物(E)は、公知の方法を任意に採用して製造することができ、押出機、ニーダー等を用いて一括で溶融混練することにより得られる。
本発明の変性樹脂組成物(D)および変性樹脂組成物(E)は、従来公知のポリオレフィン用途に広く用いることができるが、特にシート、未延伸または延伸フィルム、発泡体、パイプ、電線被覆、フィラメントおよびその他種々の形状の成形体に成形して利用することができる。
化学発泡剤としては、アゾジカルボン酸アミドおよびアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、ベンゾスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジドおよびp,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等のヒドラジド化合物、ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物ならびに炭酸水素ナトリウムおよび炭酸ナトリウム等の炭酸水素アルカリ金属塩、炭酸アルカリ金属塩またはこれらの混合物等を例示することができ、これらは成形条件でそれ自身が分解して発泡成形用にガスを発生するものである。また、必要に応じてこれらの発泡剤とともに発泡助剤を使用してもよい。発泡助剤としては、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、サリチル酸、フタル酸、しゅう酸およびクエン酸等の有機酸などが挙げられる。
寄与するものである。発泡剤は、一種類を使用しても、あるいは複数種を併用してもかまわない。
本発明の発泡成形体の発泡倍率は通常0.5〜20倍、好ましくは0.5〜18倍、より好ましくは1〜10倍である。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例において各物性は以下のように測定した。
[極限粘度[η]]
デカリン溶媒を用いて、135℃で測定した。すなわち重合パウダー、ペレットまたは樹脂塊約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定する。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定する。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度として求めた(下式参照)。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)
シンジオタクティックプロピレン重合体(A)のサンプル5gにn-デカン200mlを加え、該重合体を145℃で30分間加熱溶解した。得られた溶液を約3時間かけて、20℃まで冷却させ、30分間放置した。その後、析出物(n-デカン不溶部)をろ別した。ろ液を約3倍量のアセトン中に入れ、n-デカン中に溶解していた成分を析出させた。析出物をアセトンからろ別し、その後乾燥した。なお、ろ液側を濃縮乾固しても残渣は認められなかった。n-デカン可溶部量は、以下の式によって求めた。
n-デカン可溶部量(wt%)=[析出物重量/サンプル重量]×100
分子量分布(Mw/Mn)は、Waters社製ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC−2000型を用い、以下のようにして測定した。分離カラムは、TSKgel GNH6−HTを2本およびTSKgel GNH6−HTLを2本であり、カラムサイズはいずれも直径7.5mm、長さ300mmであり、カラム温度は140℃とし、移動相にはo−ジクロロベンゼン(和光純薬工業)および酸化防止剤としてBHT(武田薬品)0.025重量%を用い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は15mg/10mLとし、試料注入量は500μLとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは、分子量がMw<1000およびMw>4×106については東ソー社製を用
い、1000≦Mw≦4×106についてはプレッシャーケミカル社製を用いた。
エチレン、プロピレン、α-オレフィン含量の定量化は日本電子(株)製JNM GX-400型NMR測定装置を用いて、下記のように測定した。試料0.35gをヘキサクロロブタジエン2.0mlに加熱溶解させる。この溶液をグラスフィルター(G2)で濾過した後、重水素化ベンゼン0.5mlを加え、内径10mmのNMRチューブに装入して、120℃で13C-NMR測定を行う。積算回数は8,000回以上とする。得られた13C-NMRスペクトルにより、エチレン、プロピレン、α-オレフィンの組成を定量化した。
パーキンエルマー社製DSCPyris1またはDSC7を用い、窒素雰囲気下(20ml/分)、約5mgの試料を200℃まで昇温、10分間保持した後、10℃/分で30℃まで冷却した。30℃で5分間保持した後、10℃/分で200℃まで昇温させた時の結晶溶融ピークのピーク頂点から融点を、ピークの積算値から融解熱量を計算した。
立体規則性(rrrr、rr、mmmm)は13C−NMRスペクトルから算出した。
[半等温結晶化時間(t1/2)]
試料5mg程度を専用アルミパンに詰め、パーキンエルマー社製DSCPyris1またはDSC7を用い、30℃から200℃までを320℃/分で昇温し、200℃で5分間保持した後、200℃から等温結晶化温度110℃までを320℃/分で降温し、各等温結晶化温度に保持して得られたDSC曲線から半結晶化時間(t1/2)を求めた。半結晶化時間(t1/2)は等温結晶化過程開始時間(200℃から等温結晶化温度に到達した時刻)をt=0として求めた。等温結晶化温度、例えば110℃で結晶化しない場合は、便宜的に110℃以下の等温結晶化温度で測定を数点実施し、その外挿値より半結晶化時間(t1/2)を求めた。
セイコーインスツルメンツ社製DSCを用い、測定用アルミパンに約5mgの試料を詰めて、100℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、10℃/分で−150℃まで降温し、次いで10℃/分で200℃まで昇温した吸熱曲線より求めた。
シンジオタクティックプロピレン重合体(A)およびプロピレン・α-オレフィン共重合体(B)のMFRは、JIS K-6721に準拠して、230℃で2.16kgの荷重にて測定した。
密度測定は、ASTM D1505に準拠して測定した。
[電子線架橋]
日本電子線照射サービス株式会社所有の電子線照射設備を用いて、加速電圧2MeV、照射線量20〜60kGyの照射条件にて、ペレットに電子線を照射し電子線架橋プロピレン系重合体を得た。照射線量については、ペレットを梱包したポリエチレン製の袋の上下に酸化セルローストリアセテートのフィルムを貼り、照射試験後にそのフィルムの280nmでの吸光度を測定し、照射線量を求めた。照射線量は、袋の上下ともに20〜60
kGyであり、サンプルに均一に電子線が照射されていた。
Arton社製MCR−301にて、測定温度230℃、2.5cmのコーンプレートに厚さ2mmのプレスシートを挟み、キャップ間距離0.056mmまでサンプルを押し込み、ずり速度を0.01/secから500/secまで変化させ測定した。
沸騰キシレンでのソックスレー抽出を3時間行い、325メッシュでのステンレスメッシュでろ過後、メッシュを110℃にて1時間減圧乾燥を行い、メッシュ上の残存量より算出した。
200℃に設定した神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、余熱4分、10MPaで3分間加圧した後、20℃に設定した別の神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、10MPaで圧縮し、5分程度冷却して1mmのシートを成形した。熱版として、5mm厚の真鍮板を用いた。上記方法により作製したサンプルを用いて、日本電色工業(株)製のデジタル濁度計「NHD−20D」にて測定した。
水中置換式密度計にて発泡体の比重を測定し、発泡前の原料である変性樹脂組成物(架橋プロピレン系重合体)(D)または変性樹脂組成物(プロピレン系重合体組成物)(E)の密度から算出した。
〔合成例1〕
ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドは、特開2004-189666号公報の合成例3に記載された方法で製造した。
ジ(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドは、特開2007−321102号公報の合成例3に記載された方法で製造した。
イソプロピリデン(3−tert−ブチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドは、国際公開第06/025540号パンフレットの合成例2に記載された方法で製造し、担持触媒のスラリーを同公報の合成例2に記載された方法で製造した。
<重合例1>シンジオタクティックプロピレン重合体(A−1)の製造
充分に窒素置換した内容量500mlのガラス製オートクレーブにトルエン250mlを装入し、プロピレンを150L/時間、水素を0.3L/時間の量で流通させ、25℃で20分間保持させておいた。一方、充分に窒素置換した内容量30mlの枝付きフラスコにマグネティックスターラーを入れ、これにメチルアルミノキサンのトルエン溶液(Al=1.53mol/l)を5.00mmol、次いでジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液5.0μmolを加え、20分間撹拌した。この溶液を、プロピレン、水素を流通させ
ておいたガラス製オートクレーブのトルエンに加え、重合を開始した。プロピレンガスを150L/時間、水素を0.3L/時間の量で連続的に供給し、常圧下、25℃で45分間重合を行った後、少量のメタノールを添加し重合を停止した。ポリマー溶液を大過剰のメタノールに加え、ポリマーを析出させ、80℃で12時間、減圧乾燥を行った結果、ポリマー5.77gが得られた。重合活性は1.25kg-PP/mmol-Zr・hrであり、得られたポリマーの[η]は1.5dl/g、Tm1=152℃、Tm2=158℃であり、rrrr=93.5%であり、Mw/Mn=1.9であった。この操作を繰り返して、必要量のポリマーを得て実施例に使用した。
結果を表1に示す。
Total社製シンジオタクティックポリプロピレン(商品名:FINAPLAS1471、MFR=5.0g/10分)を比較例で用いた。
充分に窒素置換した4000mlの重合装置に、1834mlの乾燥ヘキサンとトリイソブチルアルミニウム(1.0mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を70℃に昇温し、プロピレンで系内の圧力を0.66MPaになるように加圧した後に、エチレンで、系内圧力を1.36MPaに調整した。次いで、ジ(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド0.001mmolとアルミニウム換算で0.3mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温70℃、系内圧力を1.36MPaにエチレンで保ちながら15分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、4Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたポリマーは、105gであり、MFRが0.7(g/10分)であり、135℃、デカリン中で測定した[η]=2.5(dL/g)であった。またrr1値は78%であった。この操作を繰り返して、必要量のポリマーを得て実施例に使用した。
結果を表1に示す。
プライムポリマー社製アイソタクティックポリプロピレン(商品名:F−107BV、MFR=7.0g/10分)を比較例で用いた。
充分に窒素置換した50mlの枝付きフラスコにマグネチックスターラーチップを入れ、これに上記合成例3で調製した担持触媒のスラリー341mgとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(Al=1.0M)1.0mmolおよび脱水ヘキサン5.0mlを加え、充分に窒素置換した内容量2000mlのSUS製オートクレーブに導入した。その後、液体プロピレン500g、水素0.1NLを装入し、70℃で40分間重合を行った後、オートクレーブを冷却およびプロピレン、水素をパージして重合を停止した。ポリマーは80℃で10時間、減圧乾燥を行った。得られたポリマーはアイソタクティックポリプロピレン75.5gであり、重合活性は158.7kg−PP/mmol−Zr・hrであり、[η]=2.1dl/g、Mw/Mn=2.4、mmmm=95.3%、Tm=158.1℃であった。この操作を繰り返して、必要量のポリマーを得て実施例に使用した。
結果を表1に示す。
重合例1で得られたポリマー(A−1)に、加速電圧2MeV、照射線量40kGyの
条件で電子線を照射し、架橋プロピレン系重合体(D−1)を得た。
得られたポリマーの物性を表2に示す。
重合例1で得られたポリマー(A−1)100重量部に対し日本化成(株)社製トリアリルイソシアヌレート(商品名:タイク)0.5重量部を予め溶融混練したペレットに、加速電圧2MeV、照射線量60kGyの条件で電子線を照射し、架橋プロピレン系重合体(D−2)を得た。
得られたポリマーの物性を表2に示す。
重合例1で得られたポリマー(A−1)100重量部に対しタイク1.0重量部を予め溶融混練したペレットに、加速電圧2MeV、照射線量40kGyの条件で電子線を照射し、架橋プロピレン系重合体(D−3)を得た。
得られたポリマーの物性を表2に示す。
溶融粘弾性の測定結果を、図1に示す。
重合例1で得られたポリマー(A−1)85wt%と重合例2で得られたポリマー(B−1)15wt%からなる組成物(C)100重量部に対しタイク1.0重量部を予め溶融混練したペレットに、加速電圧2MeV、照射線量40kGyの条件で電子線を照射し、架橋プロピレン系重合体(D−4)を得た。
得られたポリマーの物性を表2に示す。
重合例1で得られたポリマー(A−1)70wt%と重合例2で得られたポリマー(B−1)30wt%からなる組成物(C)100重量部に対しタイク1.0重量部を予め溶融混練したペレットに、加速電圧2MeV、照射線量40kGyの条件で電子線を照射し、架橋プロピレン系重合体(D−5)を得た。
得られたポリマーの物性を表2に示す。
ポリマー(A−2)100重量部に対しタイク1.0重量部を予め溶融混練したペレットに、加速電圧2MeV、照射線量40kGyの条件で電子線を照射し、架橋プロピレン系重合体(G−1)を得た。
得られたポリマーの物性を表3に示す。
ポリマー(F−1)100重量部に対しタイク1.0重量部を予め溶融混練したペレットに、加速電圧2MeV、照射線量40kGyの条件で電子線を照射し、架橋プロピレン系重合体(G−2)を得た。
得られたポリマーの物性を表3に示す。
溶融粘弾性の測定結果を、図2に示す。
重合例3で得られたポリマー(F−2)に、加速電圧2MeV、照射線量40kGyの条件で電子線を照射し、架橋プロピレン系重合体(G−3)を得た。
得られたポリマーの物性を表3に示す。
重合例3で得られたポリマー(F−2)100重量部に対し、タイク1.0重量部を予め溶融混練したペレットに、加速電圧2MeV、照射線量40kGyの条件で電子線を照射し、架橋プロピレン系重合体(G−4)を得た。
得られたポリマーの物性を表3に示す。
重合例1で得られたポリマー(A−1)100重量部に対し、日油(株)製2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3(商品名:パーヘキシン25B)0.025重量部、和光純薬(株)製ジビニルベンゼン0.5重量部を溶融混練し、架橋プロピレン系重合体(D−6)を得た。
得られたポリマーの物性を表4に示す。
重合例1で得られたポリマー(A−1)100重量部に対し、パーヘキシン25B 0.025重量部、ジビニルベンゼン1.0重量部を溶融混練し、架橋プロピレン系重合体(D−7)を得た。
得られたポリマーの物性を表4に示す。
重合例1で得られたポリマー(A−1)100重量部に対し、パーヘキシン25B 0.025重量部、タイク1.0重量部を溶融混練し、架橋プロピレン系重合体(D−8)を得た。
得られたポリマーの物性を表4に示す。
重合例1で得られたポリマー(A−1)70wt%と重合例2で得られたポリマー(B−1)30wt%からなる組成物(C)100重量部に対し、パーヘキシン25B 0.025重量部、ジビニルベンゼン0.5重量部を溶融混練し、架橋プロピレン系重合体(D−9)を得た。
得られたポリマーの物性を表4に示す。
ポリマー(A−2)100重量部に対し、パーヘキシン25B 0.025重量部、ジビニルベンゼン0.5重量部を溶融混練し、架橋プロピレン系重合体(H−5)を得た。
得られたポリマーの物性を表5に示す。
ポリマー(F−1)100重量部に対し、パーヘキシン25B 0.025重量部、ジビニルベンゼン0.5重量部を溶融混練し、架橋プロピレン系重合体(H−6)を得た。
得られたポリマーの物性を表5に示す。
ポリマー(F−1)100重量部に対し、パーヘキシン25B 0.025重量部、ジビニルベンゼン1.0重量部を溶融混練し、架橋プロピレン系重合体(H−7)を得た。
得られたポリマーの物性を表5に示す。
重合例3で得られたポリマー(F−2)100重量部に対し、パーヘキシン25B 0.025重量部、ジビニルベンゼン0.5重量部を溶融混練し、架橋プロピレン系重合体(H−8)を得た。
得られたポリマーの物性を表5に示す。
実施例3で得られたポリマー(D−3)100重量部に対し、重曹1.5重量部、クエン酸1.5重量部をブレンドし、単軸押出機の先端に直径5mmのノズルを装備し、シリンダー温度170℃、シリンダーヘッド温度220℃、ノズル温度150℃の温度条件でストランド押出発泡成形を実施した。
得られた発泡体の発泡倍率を表6に示す。
実施例4で得られたポリマー(D−4)100重量部に対し、重曹1.5重量部、クエン酸1.5重量部をブレンドし、実施例10と同条件でストランド押出発泡成形を実施した。
得られた発泡体の発泡倍率を表6に示す。
実施例3で得られたポリマー(D−3)80wt%と重合例1で得られたポリマー(A−1)20wt%からなるプロピレン系重合体組成物(変性樹脂組成物)(E−1)100重量部に対し、重曹1.5重量部、クエン酸1.5重量部をブレンドし、実施例10と同条件でストランド押出発泡成形を実施した。
得られた発泡体の発泡倍率を表6に示す。
実施例7で得られたポリマー(D−7)100重量部に対し、重曹1.5重量部、クエン酸1.5重量部をブレンドし、実施例10と同条件でストランド押出発泡成形を実施した。
得られた発泡体の発泡倍率を表6に示す。
比較例2で得られたポリマー(G−2)100重量部に対し、重曹1.5重量部、クエン酸1.5重量部をブレンドし、実施例10と同条件でストランド押出発泡成形を実施した。
得られた発泡体の発泡倍率を表7に示す。
比較例7で得られたポリマー(H−7)100重量部に対し、重曹1.5重量部、クエン酸1.5重量部をブレンドし、実施例10と同条件でストランド押出発泡成形を実施した。
得られた発泡体の発泡倍率を表7に示す。
比較例2で得られたポリマー(G−2)80wt%と重合例1で得られたポリマー(A−1)20wt%からなるプロピレン系重合体組成物100重量部に対し、重曹1.5重量部、クエン酸1.5重量部をブレンドし、実施例10と同条件でストランド押出発泡成形を実施した。
Claims (9)
- 変性樹脂組成物(D)1〜100重量部と、
シンジオタクティックプロピレン重合体(A)0〜99重量部と、
プロピレン・α-オレフィン共重合体(B)0〜50重量部(ただし、該変性樹脂組成
物(D)と(A)と(B)との合計を100重量部とする。)とからなることを特徴とする変性樹脂組成物(E)(但し、前記変性樹脂組成物(E)が、変性樹脂組成物(D)100重量部、(A)0重量部、かつ(B)0重量部からなる場合を除く)。
ここで、前記変性樹脂組成物(D)は、シンジオタクティックプロピレン重合体(A)100〜50重量部と、
プロピレン・α-オレフィン共重合体(B)0〜50重量部(ただし、(A)と(B)との合計を100重量部とする。)とを含んでなる樹脂組成物(C)を架橋することによって得られる変性樹脂組成物(D)であって、
溶融粘弾性でのずり速度100rad/secにおける、架橋前のη* 100(initial)と架橋後のη* 100(vulc)との比が式(Eq-1)を満たし、
溶融粘弾性でのずり速度0.1rad/secにおける、架橋前のη* 0.1(initial)と架橋後のη* 0.1(vulc)との比が式(Eq-2)を満たし、
η* 100(vulc)/η* 100(initial)≧0.85・・・(Eq-1)
η* 0.1(vulc)/η* 0.1(initial)≧1.10・・・(Eq-2)
沸騰キシレン抽出残存率が10wt%以下であり、
さらに、該シンジオタクティックプロピレン重合体(A)が下記要件(a)を、該プロピレン・α-オレフィン共重合体(B)が下記要件(b)をそれぞれ充足することを特徴とする変性樹脂組成物(D)である。
(a)13C-NMRにより測定されるシンジオタクティックペンタッド分率(rrrr分率)が85%以上であり、DSCより求められる融点(Tm)が145℃以上であり、プロピレンから導かれる構成単位を90モル%(ただし、該シンジオタクティックプロピレン重合体(A)中の構成単位の全量を100モル%とする。)を超える量で含有する。
(b)プロピレンから導かれる構成単位を55〜90モル%の量で含有し、炭素原子数2〜20のα-オレフィン(プロピレンを除く)から導かれる構成単位を10〜45モル%(ただし、プロピレンから導かれる構成単位と炭素原子数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)から導かれる構成単位との合計を100モル%とする。)の量で含有し、JIS K−6721に準拠して230℃、2.16kg荷重にて測定したMFRが0.01〜100g/10分の範囲にあり、かつ下記要件(b-1)および(b-2)のいずれか一つ以上を満たす。
(b-1)13C-NMR法により測定したシンジオタクティックトライアッド分率(rr分率)が60%以上である。
(b-2)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η](dL/g)と前記MFR(g/10分、230℃、2.16kg荷重)とが下記の関係式(Eq-3)を満たす。
1.50×MFR(-0.20)≦[η]≦2.65×MFR(-0.20)・・・(Eq-3) - 変性樹脂組成物(D)が有機過酸化物(P)と、必要に応じて架橋助剤(Q)および多官能性ビニルモノマー(R)から選ばれる1種以上の化合物との存在下で架橋したことを特徴とする請求項1に記載の変性樹脂組成物(E)。
- 変性樹脂組成物(D)が放射線を照射して架橋されたことを特徴とする請求項1に記載の変性樹脂組成物(E)。
- 前記樹脂組成物(C)が、
シンジオタクティックプロピレン重合体(A)95〜50重量部と、
プロピレン・α-オレフィン共重合体(B)5〜50重量部(ただし、(A)と(B)との合計を100重量部とする。)と
含んでなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の変性樹脂組成物(E)。 - 示差走査型熱量計(DSC)で求めた110℃での等温結晶化における半結晶化時間(t1/2)が1000sec以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の変性樹脂組成物(E)。
- 針侵入温度が145℃以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の変性樹脂組成物(E)。
- 厚さ1mmのプレスシートの内部ヘイズ値が50%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の変性樹脂組成物(E)。
- 前記シンジオタクティックプロピレン重合体(A)の135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.1〜10dL/gの範囲にあり、示差走査熱量計(DSC)測定により求めた融解熱量(ΔH)が40mJ/mg以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の変性樹脂組成物(E)。
- 前記プロピレン・α-オレフィン重合体(B)のGPCにより求めた分子量分布(Mw/Mn)が3.5以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の変性樹脂組成物(E)。
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