JP3053458B2 - シンジオタクチックポリプロピレンの立体規則性の低下方法 - Google Patents
シンジオタクチックポリプロピレンの立体規則性の低下方法Info
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- JP3053458B2 JP3053458B2 JP3130985A JP13098591A JP3053458B2 JP 3053458 B2 JP3053458 B2 JP 3053458B2 JP 3130985 A JP3130985 A JP 3130985A JP 13098591 A JP13098591 A JP 13098591A JP 3053458 B2 JP3053458 B2 JP 3053458B2
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- polypropylene
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- syndiotactic polypropylene
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシンジオタクチック構造
のポリプロピレンの立体規則性の低下方法に関する。詳
しくは特定の立体規則性の乱れをポリマー鎖中に導入す
る方法に関する。 【0002】 【従来の技術】アイソタクチックポリプロピレンは安価
でしかも物性のバランスが比較的良好であり種々の用途
に利用されている。一方シンジオタクチックポリプロピ
レンについては古くよりその存在は知られていたが、従
来のバナジウム化合物とエーテルおよび有機アルミニウ
ムからなる触媒で低温重合する方法はシンジオタクティ
シティーが悪く、エラストマー的な特性を有すると言わ
れていたが、それが本来的にシンジオタクチックなポリ
プロピレンの特徴を表しているとは言い難かった。 【0003】これに対して、J.A.EWENらにより非対称な
配位子を有する遷移金属化合物とアルミノキサンからな
る触媒によってシンジオタクチックペンタッド分率が0.
7 を越えるようなタクティシティーの良好なポリプロピ
レンを得られることが初めて発見された(J. Am.Chem.So
c.,1988,110,6255-6256)。この立体規則性の良好なシン
ジオタクチックポリプロピレンは剛性と耐衝撃性のバラ
ンスに優れており、従来のアイソタクチックなポリプロ
ピレンの用途にも充分に利用可能なレベルであるが、用
途によっては立体規則性の乱れを制御してポリマー鎖中
に導入することで物性を変えることが望まれる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】重合反応で立体規則性
の低下を実現するには、重合温度を上げたり、立体規則
性の低い触媒を使用する方法などがあるが、規則的な乱
れをポリマー鎖中に導入することは極めて困難である。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決して実質的にシンジオタクチック構造のポリプロピ
レンのポリマー鎖中に特定の乱れを導入する方法につい
て鋭意探索し本発明を完成した。 【0006】即ち本発明は、実質的にシンジオタクチッ
ク構造であるポリプロピレンに酸素の不存在下に100 ℃
以下の温度で放射線を照射し、ついで水素供与性の化合
物で処理することでメソトリアッドを形成することを特
徴とするシンジオタクチックポリプロピレンの立体規則
性の低下方法である。 【0007】本発明において実質的にシンジオタクチッ
ク構造のポリプロピレンとは、シンジオタクチック構造
のプロピレンの単独重合体のみならず、プロピレンと他
のオレフィンとの共重合体をも含み、特にシンジオタク
チックペンタッド分率が0.8を越える様な高度にシンジ
オタクチック構造のものに適用すれば、規則的な立体的
な乱れを導入することができ好ましい。 【0008】シンジオタクチックポリプロピレンを製造
するに用いる触媒としては、非対称な配位子を有する遷
移金属化合物と有機アルミニウムからなる触媒が用いら
れ、具体的には、上記文献に記載された化合物が例示で
きるが、異なる構造の触媒であっても、シンジオタクチ
ックペンタッド分率が0.8 以上のポリプロピレンを製造
することができるものであれば利用できる。 【0009】非対称な配位子を有する遷移金属化合物と
しては上記文献に記載されたイソプロピル(シクロペン
タジエニル-1- フルオレニル) ハフニウムジクロリド、
あるいはイソプロピル(シクロペンタジエニル-1- フル
オレニル) ジルコニウムジクロリドなどが例示され、ま
た有機アルミニウムとしては好ましくはアルミノキサン
が用いられ、トリアルキルアルミニウムと水との反応で
合成される重合度5以上のアルミノキサンが利用され
る。 【0010】上記遷移金属化合物に対するアルミノキサ
ンの使用割合としては10〜1000000モル倍、通常50〜500
0モル倍である。 【0011】また重合条件については特に制限はなく不
活性媒体を用いる溶媒重合法、或いは実質的に不活性媒
体の存在しない塊状重合法、気相重合法も利用できる。
重合温度としては−100 〜200 ℃、重合圧力としては常
圧〜100 kg/cm2 で行うのが一般的である。好ましくは
−100 〜100 ℃、常圧〜50kg/cm2 である。 【0012】好ましい分子量としては、135 ℃テトラリ
ン溶液で測定した極限粘度として0.1 〜10.0程度である
のが一般的であり、特に分子量分布が狭い重合体に適用
すると分子量の低下が起こらず好ましい。 【0013】シンジオタクチック構造の程度としてはプ
ロピレン単独重合体ではシンジオタクチックペンタッド
分率として0.7 以上、好ましくは0.8 以上である。0.7
より小さいものでは、元々の規則性の乱れが大きく規則
的な乱れを導入するという発明の効果が小さい。また他
のオレフィンとの共重合体であっても側鎖が規則的に交
互になっている、広義のシンジオ構造であるのが好まし
く、上記単独重合体で高度にシンジオタクチック構造を
与える条件で共重合したものが好ましく利用される。 【0014】共重合に用いる他のオレフィンとしてはエ
チレンの他に炭素数4 〜20程度のα- オレフィンが利用
できる。好ましくは、ブテン-1、ペンテン-1、ヘキセン
-1、オクテン-1、4-メチルペンテン-1などが例示され
る。プロピレンに対する重合の割合としては通常20wt%
以下、より好ましくは10wt% 以下の他のオレフィンが共
重合する条件で重合される。 【0015】本発明において放射線の照射は酸素の不存
在下、すなわち、真空あるいは、窒素、ヘリウム、アル
ゴンなどの不活性ガス雰囲気で照射され、照射の際の温
度としては、100 ℃以下であるのが好ましい。また放射
線の照射後に残っているラジカルは水素供与性の化合物
と接触することでラジカルが消滅することが必要であ
る。 【0016】本発明において、重要なのは、主鎖が切断
され難い比較的低温で放射線を照射し、しかも照射後ま
で残っているラジカルは、他のラジカルとカップリン
グ、あるいは不飽和基を持つ部分と反応して分子量が増
大しない様に水素供与性の化合物、例えば、ヒドロキシ
ル基、アミノ基、チオール基など水素供与性の基を有す
る化合物で処理して消滅させることである。 【0017】ここで接触処理の方法としては、照射した
ポリプロピレンを水素供与性の化合物の溶液の中に入れ
必要に応じ攪拌して処理するか、水素供与性の化合物の
蒸気に触れさせることで行われる。処理時間としてはポ
リプロピレンの形状にもよるが、通常数分〜数時間であ
る。 【0018】本発明において、放射線としてはγ線、電
子線、X線、加速イオンなどが例示できるが、特に透過
性の大きいγ線、X線が好ましく利用でき、電子線を用
いる場合にはポリプロピレンを薄くして照射することが
好ましい。照射の際の線量としては0.1 〜50Mrad、通常
1 〜10Mrad程度で充分である。 【0019】 【実施例】以下に実施例を示しさらに本発明を説明す
る。 【0020】実施例1 常法にしたがって合成したイソプロピルシクロペンタジ
エニル-1- フルオレンをリチウム化し、四塩化ジルコニ
ウムと反応し再結晶することで得たイソプロピル(シク
ロペンタジエニル-1- フルオレニル) ジルコニウムジク
ロリド0.2gと東ソー・アクゾ(株)製メチルアルミノキ
サン(重合度16.1)30g を用い、内容積200 リットルの
オートクレーブで、プロピレンを挿入することで重合圧
力3kg/cm2-G に保って20℃で2時間重合し、ついでメ
タノールとアセト酢酸メチルで脱灰処理し塩酸水溶液で
洗浄し、ついで濾過して5.6 kgのシンジオタクチックポ
リプロピレンを得た。 【0021】このポリプロピレンは13C-NMR によればシ
ンジオタクチックペンタッド分率は0.935 であり、135
℃テトラリン溶液で測定した極限粘度(以下ηと略記)
は1.45dl/g、1,2,4-トリクロロベンゼンで測定した重量
平均分子量と数平均分子量との比(以下、MW/MN と略
記)は2.2 であった。 【0022】このポリプロピレンをガラス管に脱気封入
して20℃でγ線を2Mrad/hrで3Mrad照射し、次いで窒素
雰囲気でメタノールを加えて24時間接触処理した。処理
後のパウダーのηは1.44dl/gでありMW/MN は2.4 であっ
た。また13C-NMR によればシンジオタクチックペンタッ
ド分率は0.906 でありrrrm、mmrr、rmmr、が略2:2:
1で増加しており、その他の結合の増加がほとんど見ら
れず、mmダイアッドだけが増加しており、プロピレン単
位100 個あたり約0.6 個のmmダイアッドの増加に相当す
る。照射前のポリマーのDSC で測定した融点が152 ℃で
あったのに対し145 ℃と約7℃融点を低下させることが
できた。 【0023】実施例2 実施例1 で得たポリプロピレンを 200℃で溶融プレスし
て1mm のシートとした。このシートに電子線照射装置(
日新ハイボルテージ(株)製EPS-750)を用いて窒素気流
下で5Mrad 照射した。照射後窒素下でメタノールで24時
間接触処理した。処理後のηは1.46dl/gであり、13C-NM
R によればシンジオタクチックペンタッド分率は0.901
でありrrrm、mmrr、rmmr、が略2:2:1で増加してお
り、その他の結合の増加がほとんど見られず、mmダイア
ッドだけが増加していた。 【0024】 【発明の効果】本発明の方法はシンジオタクチック構造
のポリプロピレンのタクティシティーを規則的に低下す
ることができ、融点を低下させるなど工業的に極めて価
値がある。
のポリプロピレンの立体規則性の低下方法に関する。詳
しくは特定の立体規則性の乱れをポリマー鎖中に導入す
る方法に関する。 【0002】 【従来の技術】アイソタクチックポリプロピレンは安価
でしかも物性のバランスが比較的良好であり種々の用途
に利用されている。一方シンジオタクチックポリプロピ
レンについては古くよりその存在は知られていたが、従
来のバナジウム化合物とエーテルおよび有機アルミニウ
ムからなる触媒で低温重合する方法はシンジオタクティ
シティーが悪く、エラストマー的な特性を有すると言わ
れていたが、それが本来的にシンジオタクチックなポリ
プロピレンの特徴を表しているとは言い難かった。 【0003】これに対して、J.A.EWENらにより非対称な
配位子を有する遷移金属化合物とアルミノキサンからな
る触媒によってシンジオタクチックペンタッド分率が0.
7 を越えるようなタクティシティーの良好なポリプロピ
レンを得られることが初めて発見された(J. Am.Chem.So
c.,1988,110,6255-6256)。この立体規則性の良好なシン
ジオタクチックポリプロピレンは剛性と耐衝撃性のバラ
ンスに優れており、従来のアイソタクチックなポリプロ
ピレンの用途にも充分に利用可能なレベルであるが、用
途によっては立体規則性の乱れを制御してポリマー鎖中
に導入することで物性を変えることが望まれる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】重合反応で立体規則性
の低下を実現するには、重合温度を上げたり、立体規則
性の低い触媒を使用する方法などがあるが、規則的な乱
れをポリマー鎖中に導入することは極めて困難である。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決して実質的にシンジオタクチック構造のポリプロピ
レンのポリマー鎖中に特定の乱れを導入する方法につい
て鋭意探索し本発明を完成した。 【0006】即ち本発明は、実質的にシンジオタクチッ
ク構造であるポリプロピレンに酸素の不存在下に100 ℃
以下の温度で放射線を照射し、ついで水素供与性の化合
物で処理することでメソトリアッドを形成することを特
徴とするシンジオタクチックポリプロピレンの立体規則
性の低下方法である。 【0007】本発明において実質的にシンジオタクチッ
ク構造のポリプロピレンとは、シンジオタクチック構造
のプロピレンの単独重合体のみならず、プロピレンと他
のオレフィンとの共重合体をも含み、特にシンジオタク
チックペンタッド分率が0.8を越える様な高度にシンジ
オタクチック構造のものに適用すれば、規則的な立体的
な乱れを導入することができ好ましい。 【0008】シンジオタクチックポリプロピレンを製造
するに用いる触媒としては、非対称な配位子を有する遷
移金属化合物と有機アルミニウムからなる触媒が用いら
れ、具体的には、上記文献に記載された化合物が例示で
きるが、異なる構造の触媒であっても、シンジオタクチ
ックペンタッド分率が0.8 以上のポリプロピレンを製造
することができるものであれば利用できる。 【0009】非対称な配位子を有する遷移金属化合物と
しては上記文献に記載されたイソプロピル(シクロペン
タジエニル-1- フルオレニル) ハフニウムジクロリド、
あるいはイソプロピル(シクロペンタジエニル-1- フル
オレニル) ジルコニウムジクロリドなどが例示され、ま
た有機アルミニウムとしては好ましくはアルミノキサン
が用いられ、トリアルキルアルミニウムと水との反応で
合成される重合度5以上のアルミノキサンが利用され
る。 【0010】上記遷移金属化合物に対するアルミノキサ
ンの使用割合としては10〜1000000モル倍、通常50〜500
0モル倍である。 【0011】また重合条件については特に制限はなく不
活性媒体を用いる溶媒重合法、或いは実質的に不活性媒
体の存在しない塊状重合法、気相重合法も利用できる。
重合温度としては−100 〜200 ℃、重合圧力としては常
圧〜100 kg/cm2 で行うのが一般的である。好ましくは
−100 〜100 ℃、常圧〜50kg/cm2 である。 【0012】好ましい分子量としては、135 ℃テトラリ
ン溶液で測定した極限粘度として0.1 〜10.0程度である
のが一般的であり、特に分子量分布が狭い重合体に適用
すると分子量の低下が起こらず好ましい。 【0013】シンジオタクチック構造の程度としてはプ
ロピレン単独重合体ではシンジオタクチックペンタッド
分率として0.7 以上、好ましくは0.8 以上である。0.7
より小さいものでは、元々の規則性の乱れが大きく規則
的な乱れを導入するという発明の効果が小さい。また他
のオレフィンとの共重合体であっても側鎖が規則的に交
互になっている、広義のシンジオ構造であるのが好まし
く、上記単独重合体で高度にシンジオタクチック構造を
与える条件で共重合したものが好ましく利用される。 【0014】共重合に用いる他のオレフィンとしてはエ
チレンの他に炭素数4 〜20程度のα- オレフィンが利用
できる。好ましくは、ブテン-1、ペンテン-1、ヘキセン
-1、オクテン-1、4-メチルペンテン-1などが例示され
る。プロピレンに対する重合の割合としては通常20wt%
以下、より好ましくは10wt% 以下の他のオレフィンが共
重合する条件で重合される。 【0015】本発明において放射線の照射は酸素の不存
在下、すなわち、真空あるいは、窒素、ヘリウム、アル
ゴンなどの不活性ガス雰囲気で照射され、照射の際の温
度としては、100 ℃以下であるのが好ましい。また放射
線の照射後に残っているラジカルは水素供与性の化合物
と接触することでラジカルが消滅することが必要であ
る。 【0016】本発明において、重要なのは、主鎖が切断
され難い比較的低温で放射線を照射し、しかも照射後ま
で残っているラジカルは、他のラジカルとカップリン
グ、あるいは不飽和基を持つ部分と反応して分子量が増
大しない様に水素供与性の化合物、例えば、ヒドロキシ
ル基、アミノ基、チオール基など水素供与性の基を有す
る化合物で処理して消滅させることである。 【0017】ここで接触処理の方法としては、照射した
ポリプロピレンを水素供与性の化合物の溶液の中に入れ
必要に応じ攪拌して処理するか、水素供与性の化合物の
蒸気に触れさせることで行われる。処理時間としてはポ
リプロピレンの形状にもよるが、通常数分〜数時間であ
る。 【0018】本発明において、放射線としてはγ線、電
子線、X線、加速イオンなどが例示できるが、特に透過
性の大きいγ線、X線が好ましく利用でき、電子線を用
いる場合にはポリプロピレンを薄くして照射することが
好ましい。照射の際の線量としては0.1 〜50Mrad、通常
1 〜10Mrad程度で充分である。 【0019】 【実施例】以下に実施例を示しさらに本発明を説明す
る。 【0020】実施例1 常法にしたがって合成したイソプロピルシクロペンタジ
エニル-1- フルオレンをリチウム化し、四塩化ジルコニ
ウムと反応し再結晶することで得たイソプロピル(シク
ロペンタジエニル-1- フルオレニル) ジルコニウムジク
ロリド0.2gと東ソー・アクゾ(株)製メチルアルミノキ
サン(重合度16.1)30g を用い、内容積200 リットルの
オートクレーブで、プロピレンを挿入することで重合圧
力3kg/cm2-G に保って20℃で2時間重合し、ついでメ
タノールとアセト酢酸メチルで脱灰処理し塩酸水溶液で
洗浄し、ついで濾過して5.6 kgのシンジオタクチックポ
リプロピレンを得た。 【0021】このポリプロピレンは13C-NMR によればシ
ンジオタクチックペンタッド分率は0.935 であり、135
℃テトラリン溶液で測定した極限粘度(以下ηと略記)
は1.45dl/g、1,2,4-トリクロロベンゼンで測定した重量
平均分子量と数平均分子量との比(以下、MW/MN と略
記)は2.2 であった。 【0022】このポリプロピレンをガラス管に脱気封入
して20℃でγ線を2Mrad/hrで3Mrad照射し、次いで窒素
雰囲気でメタノールを加えて24時間接触処理した。処理
後のパウダーのηは1.44dl/gでありMW/MN は2.4 であっ
た。また13C-NMR によればシンジオタクチックペンタッ
ド分率は0.906 でありrrrm、mmrr、rmmr、が略2:2:
1で増加しており、その他の結合の増加がほとんど見ら
れず、mmダイアッドだけが増加しており、プロピレン単
位100 個あたり約0.6 個のmmダイアッドの増加に相当す
る。照射前のポリマーのDSC で測定した融点が152 ℃で
あったのに対し145 ℃と約7℃融点を低下させることが
できた。 【0023】実施例2 実施例1 で得たポリプロピレンを 200℃で溶融プレスし
て1mm のシートとした。このシートに電子線照射装置(
日新ハイボルテージ(株)製EPS-750)を用いて窒素気流
下で5Mrad 照射した。照射後窒素下でメタノールで24時
間接触処理した。処理後のηは1.46dl/gであり、13C-NM
R によればシンジオタクチックペンタッド分率は0.901
でありrrrm、mmrr、rmmr、が略2:2:1で増加してお
り、その他の結合の増加がほとんど見られず、mmダイア
ッドだけが増加していた。 【0024】 【発明の効果】本発明の方法はシンジオタクチック構造
のポリプロピレンのタクティシティーを規則的に低下す
ることができ、融点を低下させるなど工業的に極めて価
値がある。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1 】 実質的にシンジオタクチック構造である
ポリプロピレンに酸素の不存在下に100 ℃以下の温度で
放射線を照射し、ついで水素供与性の化合物で処理する
ことでメソトリアッドを形成することを特徴とするシン
ジオタクチックポリプロピレンの立体規則性の低下方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3130985A JP3053458B2 (ja) | 1991-06-03 | 1991-06-03 | シンジオタクチックポリプロピレンの立体規則性の低下方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3130985A JP3053458B2 (ja) | 1991-06-03 | 1991-06-03 | シンジオタクチックポリプロピレンの立体規則性の低下方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04356504A JPH04356504A (ja) | 1992-12-10 |
JP3053458B2 true JP3053458B2 (ja) | 2000-06-19 |
Family
ID=15047225
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3130985A Expired - Lifetime JP3053458B2 (ja) | 1991-06-03 | 1991-06-03 | シンジオタクチックポリプロピレンの立体規則性の低下方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3053458B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5554915B2 (ja) * | 2008-11-07 | 2014-07-23 | 三井化学株式会社 | 変性樹脂組成物 |
-
1991
- 1991-06-03 JP JP3130985A patent/JP3053458B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04356504A (ja) | 1992-12-10 |
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