JP3058650B2 - シンジオタクチックポリプロピレン成形体およびその製造方法 - Google Patents

シンジオタクチックポリプロピレン成形体およびその製造方法

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JP3058650B2 JP02084843A JP8484390A JP3058650B2 JP 3058650 B2 JP3058650 B2 JP 3058650B2 JP 02084843 A JP02084843 A JP 02084843A JP 8484390 A JP8484390 A JP 8484390A JP 3058650 B2 JP3058650 B2 JP 3058650B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はシンジオタクチックポリプロピレン成形体お
よびその製造方法に関する。詳しくは、比較的タクティ
シティーの高いシンジオタクチックポリプロピレン単独
重合体あるいはプロピレンと少量の他のオレフィンとの
共重合体、またはそれらとアイソタクチックポリプロピ
レンとの混合物を成形して得られる剛性と耐衝撃性のバ
ランスに優れた成形体およびその製造方法に関する。
〔従来技術〕
シンジオタクチックポリプロピレンについては古くよ
りその存在は知られていたが、従来のバナジウム化合物
とエーテル化合物および有機アルミニウム化合物からな
る触媒の存在下に低温重合することにより得られる重合
体はシンジオタクティシティーが悪く、エラストマー的
な特性を有すると言われていた。しかしながら、このエ
ラストマー的な物性は、本来的なシンジオタクチックポ
リプロピレンの特徴を表しているとは言い難いものであ
る。最近になって、J.A.EWENらにより非対称な配位子を
有する遷移金属化合物とアルミノキサンからなる触媒に
よって、シンジオタクチックペンタッド分率が0.7を越
えるようなタクティシティーの良好なポリプロピレンを
得られることが初めて発見された(J.Am.Chem.Soc.,198
8,110,6255−6256)。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記方法で得られたシンジオタクチックポリプロピレ
ンあるいはシンジオタクチック構造を有するプロピレン
と他のオレフィンとの共重合体、またはそれらと少量の
アイソタクチック構造であるポリプロピレンとの混合物
を、通常の成形方法により成形した成形物は、比較的耐
衝撃性に優れているものの、剛性が充分とは言えないこ
とが見出された。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記問題を解決して剛性と耐衝撃性に優
れたシンジオタクチックポリプロピレン成形体について
鋭意探索したところ、特定のものが剛性と耐衝撃性のバ
ランスに優れていることを見出し本発明を完成した。
即ち本発明は、シンジオタクチック構造であるプロピ
レンの単独重合体あるいはプロピレンと少量の他のオレ
フィンとの共重合体、またはそれらと少量のアイソタク
チック構造であるポリプロピレンとの混合物を加熱溶融
成形した後、50℃以上成形物の融点未満の温度で数秒〜
数十時間加熱処理することにより示差走査熱分析法によ
って10℃/minで昇温して測定したシンジオタクチック構
造のポリプロピレンに帰属される融点が単一ピークであ
るような成形体である。本発明はまた上記成形物を製造
するに好適な方法であり、シンジオタクチック構造であ
るプロピレンの単独重合体あるいはプロピレンと少量の
他のオレフィンとの共重合体、またはそれらと少量のア
イソタクチック構造であるポリプロピレンとの混合物を
加熱溶融成形した後、50℃以上成形物の融点未満の温度
で数秒〜数十時間加熱処理することを特徴とするシンジ
オタクチックポリプロピレン成形体の製造方法である。
本発明においてシンジオタクチック構造であるプロピ
レンの単独重合体あるいは少量の他のオレフィンとの共
重合体を製造するに用いる触媒としては、上記文献に記
載された化合物が例示できるが、異なる構造の触媒であ
っても、プロピレンの単独重合を行ったときシンジオタ
クチックペンタッド分率が0.7以上のポリプロピレンを
製造することができる触媒系であれば利用できる。
本発明においてシンジオタクチック構造であるプロピ
レンの単独重合体とは、13C−NMRでトリクロロベンゼン
中で135℃で測定した時テトラメチルシランを基準とし
て、約20.2ppmにあらわれるシンジオタクチックペンタ
ッド構造に帰属されるメチル基のピークが全メチル基の
ピークの総和に対し0.5以上、より好ましくは0.7以上で
あるような高度なシンジオタクチック構造を有するもの
であり、室温のトルエンに可溶な部分が10wt%以下であ
るような結晶性のポリプロピレンを示す。また共重合体
においては、プロピレン以外のモノマーを20wt%以下含
有し、同様に測定した13C−NMRで約20.2ppmにあらわれ
るピークの強度が全プロピレンのメチル基に帰属される
ピーク強度の0.3以上、より好ましくは0.5以上であるよ
うな高度にシンジオタクチック構造を有するものを示
す。
本発明において上記した重合体を製造するのに有用な
非対称な配位子を有する遷移金属化合物としては、上記
文献に記載されたイソプロピル(シクロペンタジエニル
−1−フルオレニル)ハフニウムジクロリド、あるいは
イソプロピル(シクロペンタジエニル−1−フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリドなどが例示され、またアル
ミノキサンとしては、 (式中Rは炭素数1〜3の炭化水素残基。)で表される
化合物が例示でき、特にRがメチル基であるメチルアル
ミノキサンでnが5以上、好ましくは10以上のものが利
用される。上記遷移金属化合物に対するアルミノキサン
の使用割合としては10〜1000000モル倍、通常50〜5000
モル倍である。
重合条件については、特に制限はなく、不活性媒体を
用いる溶媒重合法、あるいは実質的に不活性媒体の存在
しない塊状重合法、気相重合法も利用できる。重合温度
としては−100〜200℃、重合圧力としては常圧〜100kg/
cm2で行うのが一般的である。好ましくは−100〜100
℃、常圧〜50kg/cm2である。
ここでプロピレンとの共重合に用いる他のオレフィン
としては、エチレンあるいは炭素数4〜20のα−オレフ
ィンが例示でき具体的にはブテン−1、ペンテン−1、
ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−
1、デセン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1、トリ
デセン−1、テトラデセン−1、ペンタデセン−1、ヘ
キサデセン−1、オクタデセン−1などの直鎖α−オレ
フィンが例示され、さらに3−メチルブテン−1、4−
メチルペンテン−1、4,4−ジメチルペンテン−1等の
分岐α−オレフィンが例示される。プロピレンと少量の
他のオレフィンの共重合体に占める割合としては、通常
20wt%以下、好ましくは10wt%以下の条件で重合され
る。20wt%を越える場合は、成形体の剛性が低下し好ま
しくない。共重合の条件としては特に制限はなく、公知
の通常の条件が採用できる。
本発明における単独重合および共重合に際しては、通
常、一段重合で行われ、こうして合成された重合体は分
子量分布が狭く、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィーにより135℃で測定した重量平均分子量と数平均分
子量の比(以下、MW/MNと略記する)は、通常1.5〜3.5
程度であるが、2種の遷移金属化合物(金属として例え
ばジルコニウムとハフニウムなど2種類のものを用いる
と効果的である)。を用いたり、分子量の異なるものを
2種以上混合するなどして3.5以上から15程度の広い分
子量分布のものを製造することができ本発明に利用する
ことができる。
本発明において用いられる重合体の好ましい分子量と
しては、135℃テトラリン溶液で測定した極限粘度(以
下、ηと略記する)として0.1〜10dl/gであり、好まし
くは0.5〜5.0dl/gの範囲である。
本発明においては、またシンジオタクチックポリプロ
ピレンまたはシンジオタクチックポリプロピレン共重合
体の一部を、例えば50wt%未満、好ましくは40wt%以下
の範囲でアイソタクチック構造のポリプロピレンで代替
することもでき、こうすることでより高剛性の成形物を
得ることも可能である。この場合に採用されるアイソタ
クチックポリプロピレンとしては、市場で入手し得る種
々の銘柄を利用することができ、いわゆる高立体規則性
のポリプロピレンを与える三塩化チタン系あるいは四塩
化チタンをハロゲン化マグネシウムに担持したものなど
で合成可能であり、13C−NMRで測定したアイソタクチッ
クペンタッド分率が0.9以上のものが好ましく利用さ
れ、上述の条件で測定したηが0.1〜10dl/g、好ましく
は0.5〜5.0dl/g程度のものが利用できる。この方法にお
いてアイソタクチック構造のポリプロピレンの量が50wt
%を越える場合は耐衝撃性が不良となる。
上記した本発明のシンジオタクチックであるポリプロ
ピレン単独重合体あるいはプロピレンと少量の他のα−
オレフィンとの共重合体またはそれらと少量のアイソタ
クチック構造であるポリプロピレンとの混合物は、つい
で加熱溶融し特定の形状に成形される。成形方法として
は特に制限は無く、例えば、押出成形法、射出成形法が
採用できる。
上記の一般的成形方法において採用される成形温度条
件は、例えば、射出成形におけ押出機内溶融ゾーンの最
高温度が150〜300℃、押出機ダイス温度が150〜250℃、
成形物の50℃までの冷却所要時間は通常30秒〜数分の範
囲であり、射出成形における50℃までの冷却時間は通常
数秒〜数分の範囲である。
本発明において重要なのは、成形体を成形したのち加
熱処理することであり、こうすることで成形体を示差走
査熱分析法によって10℃/minで昇温して測定した時の融
点のうちシンジオタクチック構造のポリプロピレンに帰
属される融点が単一ピークであるようにすることであ
る。かくして剛性に優れた成形物とすることが可能であ
る。ここで、このシンジオタクチックポリプロピレンに
帰属される融点は、通常の測定条件、即ち、示差走査熱
分析法によって一度250℃でポリマーを溶融した後、10
℃/minで30℃まで降温して結晶化温度を測定し、次いで
再び10℃/minで昇温して融点を測定するか、あるいは熱
処理することなく通常の成形を行ったものを10℃/minで
昇温して測定したとき観察される融点(2〜3本観測さ
れる。)の高温側の融点に近い温度に観測される。
本発明で採用される加熱処理の温度条件は、50℃以
上、好ましくは80℃以上ないし成形物の融点未満の温度
である。必要な加熱時間は、ポリマーの融点と加熱温度
によって好ましい範囲が異なるので特に限定できない
が、加熱時間は数秒〜数十時間の範囲である。温度が高
ければ高いほど、短時間の加熱で十分であり、例えば、
厳密な温度制御が可能であれば融点の1〜5℃低い温度
では1分〜5時間で十分であるが、融点より70℃以上低
い温度、プロピレンの単独重合体の場合は80℃以下の低
温では数十時間加熱必要があり、特に50℃以下では数日
〜数ヵ月加熱しても特性の向上が認められず実用的でな
い。必要な加熱時間は、成形物を10℃/minで昇温した時
の融点が単一ピークとなるに十分な時間として与えられ
る。
本発明の加熱処理においては、成形体を成形したのを
必ずしも50℃以下あるいは80℃以下に冷却する必要はな
く、上記の好ましい温度範囲で加熱処理する方法でも本
発明の目的を達成することが可能である。
本発明の上記した重合体の成形においては、ポリオレ
フィンの成形において通常用いられる添加剤、例えば、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、結晶化核剤などを混合して
用いても良い。この際用いられる結晶化核剤としては、
該シンジオタクチックポリプロピレンの結晶化温度を上
昇させることができるものであればどのようなものでも
使用可能であり、通常シンジオタクチックポリプロピレ
ンより融点が高く、しかもシンジオタクチックポリプロ
ピレンとの接触エネルギーの小さいものが使用でき、ア
イソタクチックポリプロピレン用の結晶化核剤も使用す
ることができる。例えば、安息香酸の塩、ベンジリデン
ソルビトール類、燐酸エステルの塩、キナクリドンある
いはポリビニルシクロヘキサン、ポリ3−メチルブテ
ン、結晶性ポリスチレンン、トリメチルビニルシランな
どの融点の高いポリオレフィン類が好ましく使用でき、
またタルク、カオリン、マイカ等の無機化合物も好まし
く利用できる。これら結晶化核剤の使用量は、結晶化核
剤の種類によってその量は異なるが、重合体に対して通
常0.001ppm〜1wt%程度である。
〔実施例〕
以下に実施例を示しさらに本発明を説明する。
実施例1 内容積2のオートクレーブで常法に従って合成した
イソプロピルシクロペンタジエニル−1−フルオレンを
リチウム化し四塩化ジルコニウムと反応することで得た
イソプロピル(シクロペンタジエニル−1−フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド10mgと六水和硫酸銅とトリ
メチルアルミニウムをトルエン中で反応することで得ら
れた重合度約15のメチルアルミノキサン1.34gをトルエ
ン1に溶解し、重合圧力2kg/cm2−G、50℃で1時間
重合した。反応後、未反応のプロピレンをパージした
後、スラリーをとり出し、30℃で濾過し、500mlのトル
エンで5回洗浄した。ついで80℃で減圧乾燥して得られ
たパウダーは28gであり、13C−NMRによればシンジオタ
クチックペンタッド分率は0.902、ηは0.88dl/gであ
り、MW/MNは2.2であった。このパウダーを250℃でプレ
ス成型し1mmのシートを作製した後20℃まで5分で冷却
し、次いで140℃に加熱して15分間保持した後、30℃ま
で5分で冷却して以下の物性を測定した。
・曲げ剛性度:kg/cm2 ASTM D747(23℃) ・引張降伏強さ:kg/cm2 ASTM D638(23℃) ・伸び:% ASTM D638(23℃) ・アイゾット(ノッチ付)衝撃強度:kg・cm/cmASTM D25
6(23℃、−10℃) 曲げ剛性度は5900kg/cm2、引張降伏強さは257kg/c
m2、伸びは257%、アイゾット衝撃強度は14.1、2.3(そ
れぞれ23℃、−10℃)kg・cm/cmであり、示差走査熱量
計で測定した融点は148.0℃でありピークは1本であっ
た。
比較例1 加熱処理を行うことなく物性を測定した他は実施例1
と同様にしたところ、曲げ剛性度は4700kg/cm2、引張降
伏強さは204kg/cm2、伸びは740%、アイゾット衝撃強度
は14.1、2.1(それぞれ23℃、−10℃)kg・cm/cmであり
示差走査熱量計で測定した融点は132.0℃と、146.0℃の
2本のピークが観察された。
実施例2 加熱処理を125℃とし、処理時間を1時間とした他は
実施例1と同様にして得られたシートの物性は、曲げ剛
性度は5500kg/cm2、引張降伏強さは248kg/cm2、伸びは4
50%、アイゾット衝撃強度は14.2、2.7(それぞれ23
℃、−10℃)kg・cm/cmであり、示差走査熱量計で測定
した融点は146.0℃でありピークは1本であった。
実施例3 内容積5のオートクレーブにプロピレン1500gを入
れイソプロピル(シクロペンタジエニル−1−フルオレ
ニル)ジルコニウムジクロリド10mgと重合度約15のメチ
ルアルミノキサン1.34gを30℃で圧入した。30℃で1時
間攪拌しながら重合し、ついで未反応のプロピレンをパ
ージした後、80℃で減圧乾燥してシンジオタクチックポ
リプロピレン68gを得た。このポリプロピレンをヘキサ
ン500mlに分散し30℃で濾過し、さらに500mlのヘキサン
で3回洗浄した。80℃で減圧乾燥したところ49gのパウ
ダーを得た。このパウダーの13C−NMRによればシンジオ
タクチックペンタッド分率は0.914、ηは1.45dl/g、MW/
MNは2.1であった。実施例1と同様に成形し加熱処理を
行い物性を測定したところ曲げ剛性度は5300kg/cm2、引
張降伏強さは240kg/cm2、伸びは620%、アイゾット衝撃
強度は18.5、3.1(それぞれ23℃、−10℃)kg・cm/cmで
あった。また、融点は141.3℃でありピークは1本であ
った。
比較例2 加熱処理をすることなく物性を測定した他は実施例3
と同様にしたところ、曲げ剛性度は4900kg/cm2、引張降
伏強さは223kg/cm2、伸びは785%、アイゾット衝撃強度
は18.5、2.7(それぞれ23℃、−10℃)kg・cm/cmであっ
た。また、融点は126.0℃と139.0℃に2本のピークが観
察された。
実施例4 実施例1で得たパウダーに対し1/1000重量比のタルク
を加え250℃でプレス成型し1mmのシートを作製し、つい
でシートを2分で135℃に冷却し135℃で2時間加熱処理
して、ついで10分で30℃に冷却して同様に物性を測定し
たところ、曲げ剛性度は6800kg/cm2、引張降伏強さは26
5kg/cm2、伸びは380%、アイゾット衝撃強度は14.5、2.
5(それぞれ23℃、−10℃)kg・cm/cmであり、示差走査
熱量計で測定した融点は152.1℃でありピークは1本で
あった。
比較例3 135℃で加熱処理することなく135℃から3分で30℃に
冷却して物性を測定した他は実施例4と同様にしたとこ
ろ、曲げ剛性度は6100kg/cm2、引張降伏強さは255kg/cm
2、伸びは517%、アイゾット衝撃強度は14.2、2.3(そ
れぞれ23℃、−10℃)kg・cm/cmであり、示差走査熱量
計で測定した融点は139.4℃と146.0℃の2本のピークが
あった。
実施例5 結晶化核剤としてタルクにかえ安息香酸のアルミニウ
ム塩を用い、加熱処理温度を140℃とした他は実施例4
と同様にした得られたシートの物性は曲げ剛性度は6900
kg/cm2、引張降伏強さは268kg/cm2、伸びは380%、アイ
ゾット衝撃強度は14.4、2.4(それぞれ23℃、−10℃)k
g・cm/cmであり、示差走査熱量計で測定した融点は153.
5℃でピークは1本であった。
実施例6 実施例3のパウダーを用い結晶化核剤としてキナクリ
ドンをパウダーに対し1/100000重量比用いた他は実施例
3と同様に成形し加熱処理して物性を測定したところ曲
げ剛性度は6400kg/cm2、引張降伏強さは274kg/cm2、伸
びは420%、アイゾット衝撃強度は38.2、3.7(それぞれ
23℃、−10℃)kg・cm/cmであった。また示差走査熱量
計で測定した融点は154.5℃であり、ピークは1本であ
った。
比較例4 実施例6において加熱処理することなく物性を測定し
たところ、曲げ剛性度は6000kg/cm2、引張降伏強さは25
8kg/cm2、伸びは540%、アイゾット衝撃強度は38.0、3.
6(それぞれ23℃、−10℃)kg・cm/cmであった。また融
点は146.5℃と136.5℃の2本のピークがあった。
実施例7 常法にしたがって合成したイソプロピルシクロペンタ
ジエニル−1−フルオレンをリチウム化し、四塩化ハフ
ニウム(四塩化ジルコニウムを5wt%含有する。)と反
応し再結晶することで得たイソプロピル(シクロペンタ
ジエニル−1−フルオレニル)ハフニウムジクロリド0.
1gと、同様の方法で合成したイソプロピル(シクロペン
タジエニル−1−フルオレニル)ジルコニウムジクロリ
ド0.1g、東洋アクゾ(株)製メチルアルミノキサン(重
合度16.1)30gを用い、内容積200のオートクレーブで
トルエン80を加え、重合圧力3kg/cm2−G、20℃で2
時間重合し、ついでメタノールとアセト酢酸メチルで脱
灰処理し塩酸水溶液で洗浄し、ついで濾過して4.6kgの
シンジオタクチックポリプロピレンを得た。このポリプ
ロピレンは13C−NMRによればシンジオタクチックペンタ
ッド分率は0.904であり、ηは1.68dl/g、MW/MNは5.2で
あった。このポリプロピレンにフェノール系の酸化防止
剤を0.1wt%加え、押出機で造粒し、ついで200℃で溶融
プレスして1mmのシートにし3分で30℃に冷却したの
ち、この成形体をさらに130℃に制御した電気炉に入れ3
0分間加熱処理し、3分で30℃に冷却したところ、成形
体の物性は以下のようであり引張降伏強度、曲げ剛性度
が向上している。曲げ剛性度は5800kg/cm2、引張降伏強
さは255kg/cm2、伸びは430%、アイゾット衝撃強度は2
8.0、3.6(それぞれ23℃、−10℃)kg・cm/cmであっ
た。また、示差走査熱量計で測定した融点は148.5℃で
ありピークは1本であった。
比較例5 実施例7において、プレスシートを加熱処理すること
なく物性を測定したところ、曲げ剛性度は5250kg/cm2
引張降伏強さは210kg/cm2、伸びは420%、アイゾット衝
撃強度は12.7、3.6(それぞれ23℃、−10℃)kg・cm/cm
であった。また、示差走査熱量計で測定した融点は123.
5℃と148.5℃でありピークは2本であった。
実施例8 重合の際にヘキセン−1を共存させてヘキセン−1含
量6wt%の共重合体を得た。この共重合体は13C−NMRに
よれば20.2ppmのピーク強度がプロピレン単位のメチル
基の全ピーク強度の0.68と実質的にシンジオタクチック
な構造であった。また、ηが1.34、MW/MNは4.5であっ
た。同様にしてシートを作成し110℃で2時間加熱処理
し、10秒で30℃に冷却して物性を測定したところ、曲げ
剛性度は5150kg/cm2、引張降伏強さは230kg/cm2、伸び
は510%、アイゾット衝撃強度は38.0、3.3(それぞれ23
℃、−10℃)kg・cm/cmであった。また、示差走査熱量
計で測定した融点は136.2℃でありピークは1本であっ
た。
比較例6 実施例8において、プレスシートを加熱処理すること
なく物性を測定したところ、曲げ剛性度は5100kg/cm2
引張降伏強さは210kg/cm2、伸びは460%、アイゾット衝
撃強度は18.5、3.7(それぞれ23℃、−10℃)kg・cm/cm
であった。また、示差走査熱量計で測定した融点は120.
3℃と132.0℃でありピークは2本であった。
実施例9 実施例7で得たシンジオタクチックポリプロピレン90
重量部に対し市販のアイソタクチックポリプロピレン
(アイソタクチックペンタッド分率0.962、η1.62dl/
g)10重量部を混合した他は実施例1と同様にした。混
合物のMW/MNは7.5であった。このパウダーを用い実施例
7と同様に成形し冷却したのち成形したシートを145℃
に制御した電気炉に入れ30分間加熱処理し3分で30℃に
冷却したところ成形体の物性は以下のようであり、引張
降伏強度、曲げ剛性度が向上している。曲げ剛性度は79
00kg/cm2、引張降伏強さは295kg/cm2、伸びは450%、ア
イゾット衝撃強度は15.4、3.1(それぞれ23℃、−10
℃)kg・cm/cmであった。また、示差走査熱量計で測定
した融点は152.3℃と162.4℃に観測されシンジオタクチ
ックポリプロピレンに帰属されるピークは152.3℃の1
本であった。この162.4℃はアイソタクチックポリプロ
ピレンの融点を示すものである。
比較例7 実施例9において、プレスシートを加熱処理すること
なく物性を測定したところ、曲げ剛性度は7300kg/cm2
引張降伏強さは268kg/cm2、伸びは640%、アイゾット衝
撃強度は13.3、2.8(それぞれ23℃、−10℃)kg・cm/cm
であった。また、示差走査熱量計で測定した融点は128.
2℃、148.7℃、162.2℃の3本であり、シンジオタクチ
ックポリプロピレンに帰属されるピークは128.2℃と14
8.7℃の2本であった。この162.2℃はアイソタクチック
ポリプロピレンの融点を示すものである。
〔発明の効果〕 本発明の成形体は極めて透明性が良好であり、然も物
性バランスに優れ工業的に極めて価値がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/00 C08L 23/12 C08K 5/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シンジオタクチック構造であるプロピレン
    の単独重合体あるいはプロピレンと少量の他のオレフィ
    ンとの共重合体、またはそれらと少量のアイソタクチッ
    ク構造であるポリプロピレンとの混合物を加熱溶融成形
    した後、50℃以上成形物の融点未満の温度で数秒〜数十
    時間加熱処理することにより示差走査熱分析法によって
    10℃/minで昇温して測定したシンジオタクチック構造の
    ポリプロピレンに帰属される融点が単一ピークであるよ
    うな成形体。
  2. 【請求項2】結晶化核剤を含有してなる特許請求の範囲
    第1項記載の成形体。
  3. 【請求項3】シンジオタクチック構造であるプロピレン
    の単独重合体あるいはプロピレンと少量の他のオレフィ
    ンとの共重合体、またはそれらと少量のアイソタクチッ
    ク構造であるポリプロピレンとの混合物を加熱溶融成形
    した後、50℃以上成形物の融点未満の温度で数秒〜数十
    時間加熱処理することを特徴とするシンジオタクチック
    ポリプロピレン成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】結晶化核剤を含有するシンジオタクチック
    ポリプロピレンを成形する特許請求の範囲第3項記載の
    方法。
  5. 【請求項5】加熱処理を、示差走査熱分析法によって10
    ℃/minで昇温して成形物を測定した時シンジオタクチッ
    ク構造のポリプロピレンに帰属される融点が単一ピーク
    となるように行う特許請求の範囲第3項記載の方法。
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