JP3113013B2 - シンジオタクチックポリプロピレンの成形方法 - Google Patents

シンジオタクチックポリプロピレンの成形方法

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JP3113013B2
JP3113013B2 JP29700291A JP29700291A JP3113013B2 JP 3113013 B2 JP3113013 B2 JP 3113013B2 JP 29700291 A JP29700291 A JP 29700291A JP 29700291 A JP29700291 A JP 29700291A JP 3113013 B2 JP3113013 B2 JP 3113013B2
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syndiotactic polypropylene
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  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシンジオタクチックポリ
プロピレンの成形方法に関する。詳しくは特定の温度で
成形物を処理することによって物性バランスに優れたシ
ンジオタクチックポリプロピレンの成形物を得る方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】特殊なメタロセン触媒を用いることで得
られることが最近になって発見されたシンジオタクチッ
クポリプロピレン( 特開平2-41303)は透明性に優れ、し
かも比較的物性バランスに優れたポリプロピレンとして
その用途が期待されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、シンジオタクチ
ックポリプロピレンは結晶化速度が、特に低温で小さい
ため高温で結晶化を進行することが提案されているがこ
の方法では条件によっては成形物の透明性が大きく損な
われるという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決して透明性が良好でしかも物性バランスに優れたシ
ンジオタクチックポリプロピレンの成形物について鋭意
探索し特定の方法が優れていることを見出し本発明を完
成した。
【0005】即ち本発明は、シンジオタクチックポリプ
ロピレンを加熱溶融して成形するに際し加熱溶融成形し
た成形物を結晶化度が少なくとも20%に達するまでは、
50℃未満に温度を保ち、次いでそれ以上の温度に加熱し
て結晶化を進行させることを特徴とするシンジオタクチ
ックポリプロピレンの成形方法である。
【0006】本発明においてシンジオタクチックポリプ
ロピレンとは、結晶性でシンジオタクチック構造を有す
るポリプロピレンであればよく、プロピレンの単独重合
体のみならずプロピレンと他のオレフィンのランダム共
重合体、あるいはブロック共重合体も含まれる。例え
ば、135 ℃の1,2,4-トリクロロベンゼン溶液で測定した
13C-NMR スペクトルにおいてテトラメチルシランを基準
として20.2ppm に観測されるピーク強度がプロピレン単
位のメチル基に帰属されるピーク強度の総和の0.3 以
上、好ましくは0.5 以上、さらに好ましくは0.7 以上で
あるプロピレンが利用される。 シンジオタクチックポ
リプロピレンを製造するに用いる触媒としては、J.A.EW
ENらによるJ.Am.Chem.Soc.,1988,110,6255- 6256に記載
された化合物が例示できるが、異なる構造の触媒であっ
ても、プロピレンの単独重合をおこなったとき得られる
ポリプロピレンのシンジオタクチックペンタッド分率が
0.7 以上のポリプロピレンを製造することができるよう
なものであれば利用できる。
【0007】具体的には、上記文献に記載されたイソプ
ロピル(シクロペンタジエニル-1-フルオレニル) ハフ
ニウムジクロリド、あるいはイソプロピル(シクロペン
タジエニル-1- フルオレニル) ジルコニウムジクロリド
とアルミノキサンからなる触媒が例示される。ここでア
ルミノキサンとしては、下記一般式化1、化2の2種類
の構造(式中、Rは炭素数1〜3の炭化水素残基、nは
1〜50の整数。)のものが知られており、これらはいず
れでも使用でき、特にRがメチル基であるメチルアルミ
ノキサンでnが5以上、好ましくは10以上のものが利用
される。
【0008】
【化1】
【0009】
【化2】
【0010】上記遷移金属化合物に対するアルミノキサ
ンの使用割合としては10〜1000000モル倍、通常50〜500
0モル倍である。
【0011】また重合条件については特に制限はなく不
活性媒体を用いる溶媒重合法、或いは実質的に不活性媒
体の存在しない塊状重合法、気相重合法も利用できる。
【0012】重合温度としては−100 〜200 ℃、重合圧
力としては常圧〜 100kg/cm2 で行うのが一般的であ
る。好ましくは−100 〜100 ℃、常圧〜50kg/cm2であ
る。
【0013】好ましい分子量としては、135 ℃テトラリ
ン溶液で測定した極限粘度として0.1 〜3.0 dl/g
度であるのが一般的である。
【0014】また共重合に用いる他のオレフィンとして
は、エチレン、あるいは炭素数4〜20のα−オレフィン
が例示され、これらの使用割合としては、ランダム共重
合では10wt%未満、ブロック共重合の際には、プロピレ
ン単独での重合が全体の50%以上であるのが好ましい。
【0015】本発明において成形方法としては加熱溶融
して成形する方法である限り制限はなく、押出成形法、
射出成形法、ブロー成形法などどの様な方法であっても
成形後の処理が特許請求の範囲に記載した方法である限
り問題はない。
【0016】本発明において重要なのは、結晶化度が少
なくとも20%に達するまでは50℃未満の比較的低温で結
晶化を進行させ、次いで、より温度を上げて高温で結晶
化を進行させることにある。これはシンジオタクチック
ポリプロピレンの結晶の大きさが初めの結晶化度が比較
的小さい時に決まり、この結晶の大きさはさらに結晶化
が進行しても変化しないという発見に基づくものであ
る。
【0017】従って比較的低温での処理を結晶化度が20
%を越えた後にも続けても結晶化に時間がかかる上に、
温度によって到達する結晶化度がほぼ定まっているた
め、物性が不良となる。通常は多くても結晶化度が30%
に達するまでに温度を高めるのが好ましい。また結晶化
度が少なくとも20%に達するまでの処理温度としてはよ
り好ましくは45℃以下、さらに好ましくは40℃以下であ
る。温度が低い方が結晶の大きさが小さく透明性などの
物性が良好である。通常0 ℃以上で行うのが一般的であ
る。結晶化度が20%を越えた後の処理温度および処理時
間としては特に制限はないが物性の点で40℃以上で140
℃以下で行うのが一般的であり、到達結晶化度として40
%程度以上になる温度および時間とするのが好ましい。
【0018】本発明において結晶化度の測定は成形物の
密度を測定することで行われ密度をdとすると以下の式
であらわされる。
【0019】
【実施例】以下に実施例を示しさらに本発明を説明す
る。
【0020】実施例1 常法にしたがって合成したイソプロピルシクロペンタジ
エニル-1- フルオレンをリチウム化し、四塩化ジルコニ
ウムと反応し再結晶することで得たイソプロピル(シク
ロペンタジエニル-1- フルオレニル) ジルコニウムジク
ロリド0.2gと東ソー・アクゾ(株)製メチルアルミノキ
サン(重合度16.1)30g を用い、内容積200 リットルの
オートクレーブでプロピレンを装入して20℃で重合圧力
3kg/cm 2-G となる様にプロピレンを追加しながら、20
℃で2時間重合し、ついでメタノールとアセト酢酸メチ
ルで脱灰処理し塩酸水溶液で洗浄し、ついで濾過して5.
6kgのシンジオタクチックポリプロピレンを得た。
【0021】このポリプロピレンは13C-NMR によればシ
ンジオタクチックペンタッド分率は0.935 であり、135
℃テトラリン溶液で測定した極限粘度(以下、ηと略
記)は1.45、1,2,4−トリクロロベンゼンで測定し
た重量平均分子量と数平均分子量の比(MW/MN )は2.2
であった。
【0022】このポリプロピレンにステアリン酸カルシ
ウム 0.1wt%を加えて造粒し、240℃で金属板に挟んで
溶融して成形し、20℃の冷水で1時間保持した。この物
を取り出し密度を測定して結晶化度を測定したところ25
%であった。一部のサンプルはついで60℃の温水に入れ
30分間保持したところ結晶化度は43%に達した。
【0023】それぞれについて以下の物性を測定した。 曲げ剛性度: kg/cm2 ASTM D-747( 23℃) 引張降伏強さ: kg/cm2 ASTM D-638( 23℃) 破断時伸び: % ASTM D-638( 23℃) アイゾット( ノッチ付) 衝撃強度:kg・cm/cm ASTM D-
638(23℃、−10℃) ヘイズ: % ASTM D-1003 に準じた。 20℃で処理したものの曲げ剛性度、引張降伏強さ、破断
時伸び、アイゾット衝撃強度(23℃、−10℃)、ヘイズ
はそれぞれ4600、180 、590 、25、3.5 、28であり、60
℃で処理した後は6200、250 、680 、28、3.8 、31 で
あり物性バランスに優れていた。
【0024】比較例1 溶融成形後、初めから60℃で1時間熱処理した他は実施
例1と同様にしたところ結晶化度は46%であり、曲げ剛
性度、引張降伏強さ、破断時伸び、アイゾット衝撃強度
(23℃、−10℃)、ヘイズはそれぞれ6150、250 、650
、27、3.5 、78でありヘイズ以外の物性は良好である
がヘイズが不良であった。
【0025】実施例2 溶融成形後25℃の冷水中に保持し、結晶化度が28%に達
した後に昇温して120℃で30分間保持した他は実施例1
と同様にしたところ結晶化度は54%であり曲げ剛性度、
引張降伏強さ、破断時伸び、アイゾット衝撃強度(23
℃、−10℃)、ヘイズはそれぞれ7100、280 、540 、2
4、3.9 、33であった。
【0026】比較例2 20℃の冷水の処理を10分とし結晶化度が12%の時点で60
℃にした他は実施例1と同様にしたところ曲げ剛性度、
引張降伏強さ、破断時伸び、アイゾット衝撃強度(23
℃、−10℃)、ヘイズはそれぞれ6200、240 、630 、2
6、3.6 、69であった。
【0027】
【発明の効果】本発明の方法を実施することにより透明
性が良好で物性バランスに優れた成形物を提供でき、工
業的に極めて価値がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 71/00 - 71/04 B29C 45/00 - 45/84 B29C 47/00 - 47/96 B29C 49/00 - 49/80 B29C 55/00 - 55/30 C08J 5/00 - 5/02 C08J 5/12 - 5/22 C08J 7/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シンジオタクチックポリプロピレンを加
    熱溶融して成形するに際し加熱溶融成形した成形物を結
    晶化度が少なくとも20%に達するまでは、50℃未満に温
    度を保ち、次いでそれ以上の温度に加熱して結晶化を進
    行させることを特徴とするシンジオタクチックポリプロ
    ピレンの成形方法。
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