JP2951689B2 - 結晶性プロピレン系共重合体およびその製造方法 - Google Patents
結晶性プロピレン系共重合体およびその製造方法Info
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- Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、長鎖分岐構造を有する新規な結晶性シンジ
オタクチックプロピレン系共重合体およびその製造方法
に関する。
オタクチックプロピレン系共重合体およびその製造方法
に関する。
ユーエンらは高度にシンジオタクチックなポリプロピ
レンを発明し、その製造法を明らかにした。(特開平2
−41303および特開平2−41305)このものは結晶性で高
い融点と高い分子量をもち、透明で軟らかく強靱で延伸
性もよいなど成型物として使用する上で好ましい物性を
備えている。
レンを発明し、その製造法を明らかにした。(特開平2
−41303および特開平2−41305)このものは結晶性で高
い融点と高い分子量をもち、透明で軟らかく強靱で延伸
性もよいなど成型物として使用する上で好ましい物性を
備えている。
しかし欠点として、上記先行技術の方法で得られたシ
ンジオタクチックポリプロピレンは加工が難しいことが
認められた。
ンジオタクチックポリプロピレンは加工が難しいことが
認められた。
すなわち、溶融状態で樹脂を扱うとき、同一固有粘度
(135℃のテトラリン溶液で測定される)あるいは同一
重量平均分子量(高温ゲルパーミエーション・クロマト
グラフで測定される)比較したとき、従来の市販ポリプ
ロピレン(13C−NMRで測定したペンタッド分率でアイソ
タクチック分が0.96程度)に比べ、はるかに高粘度であ
り、ずり速度の変化に対して粘度の変化が小さい。
(135℃のテトラリン溶液で測定される)あるいは同一
重量平均分子量(高温ゲルパーミエーション・クロマト
グラフで測定される)比較したとき、従来の市販ポリプ
ロピレン(13C−NMRで測定したペンタッド分率でアイソ
タクチック分が0.96程度)に比べ、はるかに高粘度であ
り、ずり速度の変化に対して粘度の変化が小さい。
この溶融ポリマーをダイスから押出すときのダイスエ
ルが極めて小さく、溶融張力も小さく、通常ポリプロピ
レンで行われている加工法では加工しにくいという欠点
があった。
ルが極めて小さく、溶融張力も小さく、通常ポリプロピ
レンで行われている加工法では加工しにくいという欠点
があった。
本発明は加工性が良好なシンジオタクチックプロピレ
ン共重合体、ならびにその製造方法を提供することにあ
る。
ン共重合体、ならびにその製造方法を提供することにあ
る。
これらの欠点を直すため、プロピレンおよび少なくと
も一種の炭素数6〜20の両末端ビニル結合を有するアル
カジエンのランダム共重合体が有効であることを見出し
本発明に到達した。
も一種の炭素数6〜20の両末端ビニル結合を有するアル
カジエンのランダム共重合体が有効であることを見出し
本発明に到達した。
本発明は、改良された溶融粘弾性特性をもつ新規な結
晶性プロピレン系共重合体を提供するとともに、上記熱
可塑性樹脂の製造方法を提供することを目的としてい
る。
晶性プロピレン系共重合体を提供するとともに、上記熱
可塑性樹脂の製造方法を提供することを目的としてい
る。
本発明によれば、 1)プロピレンおよび少なくとも一種の炭素数6〜20の
両末端ビニル結合を有するアルカジエンからなり、13C
−NMRで測定したプロピレン連鎖のシンジオタクチック
・ペンタッド分率が0.6以上であり、該アルカジエンモ
ノマー単位の含有率が0.01〜5モル%の範囲にあり、13
5℃のテトラリン溶液で測定した固有粘度が0.4〜10dl/g
の範囲にある結晶性シンジオタクチックプロピレン系共
重合体、および 2)プロピレンおよび少なくとも一種の炭素数6〜20の
両末端ビニル結合を有するアルカジエンを下記式で表さ
れるメタロセン化合物 R″(CpRn)(CpR′m)MeQk (ただし、各Cpはシクロペンタジエニルまたは置換され
たシクロペンタジエニル環であり;各Rnは同一または異
なっていてもよく、1〜20炭素原子を有するヒドロカル
ビル残基であり;各R′mは同一または異なっていても
よく、1〜20炭素原子を有するヒドロカルビル残基であ
り、R″は触媒に立体剛性をもたらすCp環の間の構造的
架橋であり;MeはTi、ZrまたはHfであり;各Qは1〜20
炭素原子を有するヒドロカルビル残基またはハロゲンで
あり、0≦k≦3;0≦n≦4;1≦m≦4であり、;および
R′mは(CpR′m)が(CpRn)と立体的に相違している
ように選択される) および助触媒よりなる触媒を用いることによって共重合
させることを特徴とする結晶性シンジオタクチックプロ
ピレン系共重合体の製造方法が提供される。
両末端ビニル結合を有するアルカジエンからなり、13C
−NMRで測定したプロピレン連鎖のシンジオタクチック
・ペンタッド分率が0.6以上であり、該アルカジエンモ
ノマー単位の含有率が0.01〜5モル%の範囲にあり、13
5℃のテトラリン溶液で測定した固有粘度が0.4〜10dl/g
の範囲にある結晶性シンジオタクチックプロピレン系共
重合体、および 2)プロピレンおよび少なくとも一種の炭素数6〜20の
両末端ビニル結合を有するアルカジエンを下記式で表さ
れるメタロセン化合物 R″(CpRn)(CpR′m)MeQk (ただし、各Cpはシクロペンタジエニルまたは置換され
たシクロペンタジエニル環であり;各Rnは同一または異
なっていてもよく、1〜20炭素原子を有するヒドロカル
ビル残基であり;各R′mは同一または異なっていても
よく、1〜20炭素原子を有するヒドロカルビル残基であ
り、R″は触媒に立体剛性をもたらすCp環の間の構造的
架橋であり;MeはTi、ZrまたはHfであり;各Qは1〜20
炭素原子を有するヒドロカルビル残基またはハロゲンで
あり、0≦k≦3;0≦n≦4;1≦m≦4であり、;および
R′mは(CpR′m)が(CpRn)と立体的に相違している
ように選択される) および助触媒よりなる触媒を用いることによって共重合
させることを特徴とする結晶性シンジオタクチックプロ
ピレン系共重合体の製造方法が提供される。
以下、本発明に係わるプロピレンとアルカジエン、共
重合用触媒および共重合方法について、具体的に説明す
る。
重合用触媒および共重合方法について、具体的に説明す
る。
本発明で用いられるアルカジエンは炭素数6〜20の両
末端ビニル結合を有するアルカジエンが用いられる。こ
のアルカジエンは両末端ビニル結合を有していれば直鎖
でも、分岐があっても特に制限はなく使用でき、好適な
例として、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,
9−デカジエン、1,11−ドデカジエン、1,13−テトラデ
カジエンなどが挙げられる。
末端ビニル結合を有するアルカジエンが用いられる。こ
のアルカジエンは両末端ビニル結合を有していれば直鎖
でも、分岐があっても特に制限はなく使用でき、好適な
例として、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,
9−デカジエン、1,11−ドデカジエン、1,13−テトラデ
カジエンなどが挙げられる。
これらモノマーの共重合体中の上記アルカジエン含有
量は、0.01〜5モル%の範囲であることが好ましい。
量は、0.01〜5モル%の範囲であることが好ましい。
その含有量が0.01モル%以下では、本発明の効果が達
せられない。また5モル%以上含有させると生成ポリマ
ー中に高度に分岐した構造をもつゲル分が含まれてくる
ため、ポリマーは溶媒に一部不溶となり、また加熱して
も不融部分が存在するようになり、工業的な利用価値が
なくなる。
せられない。また5モル%以上含有させると生成ポリマ
ー中に高度に分岐した構造をもつゲル分が含まれてくる
ため、ポリマーは溶媒に一部不溶となり、また加熱して
も不融部分が存在するようになり、工業的な利用価値が
なくなる。
プロピレンと上記アルカジエンの共重合のとき、さら
に少量のエチレンを存在させて多元共重合体とするとア
ルカジエンの共重合性が良好になり好ましく、これも本
願の共重合体の中に含まれる。
に少量のエチレンを存在させて多元共重合体とするとア
ルカジエンの共重合性が良好になり好ましく、これも本
願の共重合体の中に含まれる。
本発明で用いられる触媒はプロピレンを高度にシンジ
オタクチックに重合させる公知のものであれば特に限定
はない。
オタクチックに重合させる公知のものであれば特に限定
はない。
本願発明ではメタロセン化合物と助触媒としてアルモ
キサン化合物が使用できる。
キサン化合物が使用できる。
使用できる上記メタロセン化合物は下記一般式 R″(CpRn)(CpR′m)MeQk で示される化合物が使用され、R″は好適には、エチレ
ン基、イソプロピリデン基、ジメチルシリル基あるいは
ジエチルシリル基であり;(CpRn)は好適にはシクロペ
ンタジエニル基であり、(CpR′m)は好適にはフルオレ
ニル基、あるいは4,5−メチレン−フェナントレニル基
であり;MeはTi,ZrまたはHfであり;Qは好適には塩素原
子、メチル基あるいはフェニル基であり;kは好適には1
または2である。
ン基、イソプロピリデン基、ジメチルシリル基あるいは
ジエチルシリル基であり;(CpRn)は好適にはシクロペ
ンタジエニル基であり、(CpR′m)は好適にはフルオレ
ニル基、あるいは4,5−メチレン−フェナントレニル基
であり;MeはTi,ZrまたはHfであり;Qは好適には塩素原
子、メチル基あるいはフェニル基であり;kは好適には1
または2である。
特に好適な化合物の場合の例は、イソプロピル(シク
ロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウム・ジ
クロリド,イソプロピル(シクロペンタジエニル)(フ
ルオレニル)ハフニウム・ジクロリド,イソプロピル
(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタニウム
・ジクロリド,イソプロピル(シクロペンタジエニル)
(フルオレニル)ジルコニウム・ジメチル,イソプロピ
ル(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウ
ム・ジメチルなどである。これらメタロセン化合物は特
に好適には助触媒としてアルモニサン化合物と組合せて
用いられる。
ロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウム・ジ
クロリド,イソプロピル(シクロペンタジエニル)(フ
ルオレニル)ハフニウム・ジクロリド,イソプロピル
(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタニウム
・ジクロリド,イソプロピル(シクロペンタジエニル)
(フルオレニル)ジルコニウム・ジメチル,イソプロピ
ル(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウ
ム・ジメチルなどである。これらメタロセン化合物は特
に好適には助触媒としてアルモニサン化合物と組合せて
用いられる。
アルモキサン化合物としては 一般式、 あるいは (式中Rは炭素数1から3の炭化水素残基を示す)で表
される化合物が例示でき、特にRがメチル基であるメチ
ルアルモキサンでnが5以上、好ましくは10以上のもの
が使用される。
される化合物が例示でき、特にRがメチル基であるメチ
ルアルモキサンでnが5以上、好ましくは10以上のもの
が使用される。
上記遷移金属化合物に対するアルモキサンの使用割合
としては10から1000000モル倍、通常は50から5000倍で
ある。
としては10から1000000モル倍、通常は50から5000倍で
ある。
また、上記遷移金属化合物と組み合わせる助触媒とし
てテトラフェニルボレート(例えばトリ(s−ブチル)
アンモニウム・テトラ(p−トリル)ホウ素)を用いる
特開平1−502036に開示されている触媒系、特開平1−
501950に開示されているように助触媒として7,8−ジカ
ルバ・ウンデカホラン(13)を用いてもよい。
てテトラフェニルボレート(例えばトリ(s−ブチル)
アンモニウム・テトラ(p−トリル)ホウ素)を用いる
特開平1−502036に開示されている触媒系、特開平1−
501950に開示されているように助触媒として7,8−ジカ
ルバ・ウンデカホラン(13)を用いてもよい。
本発明で行われる重合法は、不活性炭化水素(例えば
ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエンなど)あるい
は液化プロピレンを溶媒として用いるスラリー重合法で
もよいし、いわゆる気相重合法でもよい。
ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエンなど)あるい
は液化プロピレンを溶媒として用いるスラリー重合法で
もよいし、いわゆる気相重合法でもよい。
アルカジエンの装入は通称、触媒溶液を重合機に仕込
んだ後、単独にあるいはプロピレンとともに行われるが
特に制限はない。
んだ後、単独にあるいはプロピレンとともに行われるが
特に制限はない。
本発明で得られるポリマーは主としてシンジオタクチ
ック連鎖構造からなる結晶性プロピレン系共重合体であ
る。高度にシンジオタクチックな連鎖構造をもつポリプ
ロピレンはユーエンらにより始めて明らかにされたもの
である(特開平2−41305および特開平2−41303)。
ック連鎖構造からなる結晶性プロピレン系共重合体であ
る。高度にシンジオタクチックな連鎖構造をもつポリプ
ロピレンはユーエンらにより始めて明らかにされたもの
である(特開平2−41305および特開平2−41303)。
これ以前に知られていたシンジオタクチックポリプロ
ピレンはシンジオタクチックペンタット分率が0.6以下
(土肥ほか:Macromolecules,12,248(1979);Makromol.
chem.,186,2529(1985);Zambelliほか;Macromolecule
s,7,750(1974))であり、ポリマーは36.5℃のn−ヘ
キサンに可溶で(Marchettiほか;J.Polymer sci.,Polym
er Physics ed,12,1949(1979))の場合はポリマーの
融点は65〜131℃(Boorほか;Polymer Letters,3,577(1
965))と比較的低く、分子量も数平均分子量で3.4×10
4(土肥ほか;Makromol,chem.,185,1827(1984))(こ
れは135℃テトラリン溶液で測定した固有粘度として約
0.34dl/gに相当する)と低いものであった。
ピレンはシンジオタクチックペンタット分率が0.6以下
(土肥ほか:Macromolecules,12,248(1979);Makromol.
chem.,186,2529(1985);Zambelliほか;Macromolecule
s,7,750(1974))であり、ポリマーは36.5℃のn−ヘ
キサンに可溶で(Marchettiほか;J.Polymer sci.,Polym
er Physics ed,12,1949(1979))の場合はポリマーの
融点は65〜131℃(Boorほか;Polymer Letters,3,577(1
965))と比較的低く、分子量も数平均分子量で3.4×10
4(土肥ほか;Makromol,chem.,185,1827(1984))(こ
れは135℃テトラリン溶液で測定した固有粘度として約
0.34dl/gに相当する)と低いものであった。
固有粘度が0.4以下ではポリマーは軟いワックス状で
あり、単独で成形することには困難があり、また固有粘
度が10以上では溶融粘度が高すぎて通常の成形機で加工
することが困難になる。
あり、単独で成形することには困難があり、また固有粘
度が10以上では溶融粘度が高すぎて通常の成形機で加工
することが困難になる。
本発明のシンジオタクティシティがペンタッド分率で
0.6以上で固有粘度0.4〜10のポリマーは結晶性に優れ、
融点がポリエチレンよりも高く、通常の成形機で熱加工
でき、成形品は透明で強靱であるという特徴をもつ。
0.6以上で固有粘度0.4〜10のポリマーは結晶性に優れ、
融点がポリエチレンよりも高く、通常の成形機で熱加工
でき、成形品は透明で強靱であるという特徴をもつ。
本発明によるとアルカジエンの少なくとも一方の末端
ビニル基がプロピレンと共重合して分岐構造をもった共
重合体が提供される。反応条件の調節により、残ったも
う一方のビニル基もプロピレンと共重合体して長鎖分岐
構造を形成することも可能である。従来知られていたチ
グラナ・ナッタ型の触媒(例えば三塩化チタンや塩化マ
グネシウムに担持された四塩化チタン)を用いるとき
は、プロピレンと長鎖アルカジエンの共重合性は極めて
低く、エチレン存在下で始めてある程度の三元共重合体
が生成するに過ぎなかった。
ビニル基がプロピレンと共重合して分岐構造をもった共
重合体が提供される。反応条件の調節により、残ったも
う一方のビニル基もプロピレンと共重合体して長鎖分岐
構造を形成することも可能である。従来知られていたチ
グラナ・ナッタ型の触媒(例えば三塩化チタンや塩化マ
グネシウムに担持された四塩化チタン)を用いるとき
は、プロピレンと長鎖アルカジエンの共重合性は極めて
低く、エチレン存在下で始めてある程度の三元共重合体
が生成するに過ぎなかった。
本発明のメタロセン触媒では、これらアルカジエンの
プロピレンとの共重合性が高く、また共重合体の組成分
布も均一で、ここに始めて工業的に有用な共重合体を製
造しうるようになった。
プロピレンとの共重合性が高く、また共重合体の組成分
布も均一で、ここに始めて工業的に有用な共重合体を製
造しうるようになった。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
メルトインデックスはASTM D−1238(JIS K7210)に
準じて、230℃、荷重2.16kgの条件で径2.09mm、長さ8mm
のノズルを用いて測定した。
準じて、230℃、荷重2.16kgの条件で径2.09mm、長さ8mm
のノズルを用いて測定した。
ダイスエルは上記メルトインデックス測定時の押出さ
れたレジン径とノズル口径との比として求めた。
れたレジン径とノズル口径との比として求めた。
メルト強さは上記メルトインデックス測定装置にレジ
ン巻取装置と張力測定用ロードセルを設置して測定し
た。
ン巻取装置と張力測定用ロードセルを設置して測定し
た。
溶融体の粘弾性はボーリン粘度計(Bohlin VOR Rheom
eter,Bohlin Reologia AB製)を用いて測定した。
eter,Bohlin Reologia AB製)を用いて測定した。
シンジオタクチック・ペンダッド分率測定はユーエン
らの方法(特開平2−41303)に従って行った。
らの方法(特開平2−41303)に従って行った。
1H−NMRの測定はC6D6を溶媒として270MHZの分光器を
用いて行った。
用いて行った。
実施例1 イソプロピル(シクロペンタジエニル)(フルオレニ
ル)ジルコニウム・ジクロリド20mgを平均重合度17.7を
有するメチルアルミノキサンの20%トルエン溶液(東ソ
ー・アクソ社製)14.4mlとともに計35mlのトルエンに溶
解して触媒溶液を調製した。
ル)ジルコニウム・ジクロリド20mgを平均重合度17.7を
有するメチルアルミノキサンの20%トルエン溶液(東ソ
ー・アクソ社製)14.4mlとともに計35mlのトルエンに溶
解して触媒溶液を調製した。
3lオートクレーブを窒素置換した後、ペンタン1と
1,7−オクタジエン0.60gを装入し系内をプロピレンで置
換した。
1,7−オクタジエン0.60gを装入し系内をプロピレンで置
換した。
上記触媒溶液をZr原子換算9.2×10-3ミリモル加え、
さらにプロピレンを加え系内を9kg/cm2に保ちながら
(この条件でプロピレンは450g溶解する)40℃で1時間
共重合行った。イソプロパノール15mlを加えて反応を停
止し、冷却後スラリーを取出し、ペンタン1を加えて
濾過し、さらに1のペンタンでケーキを洗浄したあと
パウダーを乾燥して149gのポリマーを得た。別に洗浄溶
媒をまとめて真空で乾固して12.02gのヘプタン可溶分を
得た。パウダーの一部をとり、0.2重量%のテトラリン
溶液として135℃で固有粘度を測定した。
さらにプロピレンを加え系内を9kg/cm2に保ちながら
(この条件でプロピレンは450g溶解する)40℃で1時間
共重合行った。イソプロパノール15mlを加えて反応を停
止し、冷却後スラリーを取出し、ペンタン1を加えて
濾過し、さらに1のペンタンでケーキを洗浄したあと
パウダーを乾燥して149gのポリマーを得た。別に洗浄溶
媒をまとめて真空で乾固して12.02gのヘプタン可溶分を
得た。パウダーの一部をとり、0.2重量%のテトラリン
溶液として135℃で固有粘度を測定した。
ポリマーは熱テトラリンに完全に溶解し、固有粘度は
1.48(dl/g)、シンジオタクチックペンダッド分率は0.
87、メルトインデックスは1.6(g/10分)、ダイスエル
は1.60(−)、220℃で測定したメルト強さは2.2(g)
(引取速度150(m/分))であった。
1.48(dl/g)、シンジオタクチックペンダッド分率は0.
87、メルトインデックスは1.6(g/10分)、ダイスエル
は1.60(−)、220℃で測定したメルト強さは2.2(g)
(引取速度150(m/分))であった。
実施例2 1,7−オクタジエンの使用量を0.60gの変え0.40gを使
用した以外は実施例1と同様に操作して、パウダー152g
を得た。
用した以外は実施例1と同様に操作して、パウダー152g
を得た。
得られたパウダーの固有粘度は1.40(dl/g)、シンジ
オタクチック・ペンタッド分率は0.28、メルトインデッ
クスは3.0(g/10分)、ダイスエルは1.43(−)、220℃
で測定したメルト強さは1.8(g)であった。
オタクチック・ペンタッド分率は0.28、メルトインデッ
クスは3.0(g/10分)、ダイスエルは1.43(−)、220℃
で測定したメルト強さは1.8(g)であった。
比較例 1,7−オクタジエンを使用しないこと以外は実施例1
と同様に操作してパウダー140g、溶媒可溶分0.1gを得
た。パウダーの固有粘度は1.40(dl/g)シンジオタクチ
ック・ペンタッド分率は0.86であった。
と同様に操作してパウダー140g、溶媒可溶分0.1gを得
た。パウダーの固有粘度は1.40(dl/g)シンジオタクチ
ック・ペンタッド分率は0.86であった。
メルトインデックスは3.6(g/10分)ダイスエルは1.0
9(−)、220℃におけるメルト強さは0.78(g)であっ
た。
9(−)、220℃におけるメルト強さは0.78(g)であっ
た。
実施例3 1,7−オクタジエンを3.0g使用した以外は実施例1と
同様に操作して、パウダー127gと溶媒可溶分0.2gを得
た。
同様に操作して、パウダー127gと溶媒可溶分0.2gを得
た。
得られたパウダーは135℃のテトラリンには完全に溶
解し固有粘度2.68(dl/g)を示し、シンジオタクチック
ペンタッド分率は0.84、メルトインデックスは0.08(dl
/10分)であった。
解し固有粘度2.68(dl/g)を示し、シンジオタクチック
ペンタッド分率は0.84、メルトインデックスは0.08(dl
/10分)であった。
得られた共重合体に安定剤を配合し230℃、120kg/cm2
で3分保ってプレス・シートを作成した。シートは透明
であったがやや透明度のむらが認められ、この重合条件
ではゲルが生成しかかっていると判定された。
で3分保ってプレス・シートを作成した。シートは透明
であったがやや透明度のむらが認められ、この重合条件
ではゲルが生成しかかっていると判定された。
第1図は0.70mm厚のプレスシートのIR吸収スペクトル
を示す。第2図は比較例のポリマーのIR吸収スペクトル
である。
を示す。第2図は比較例のポリマーのIR吸収スペクトル
である。
本願発明の方法でえた共重合体は1640cm-1にビニル基
の吸収があり、1,7−オクタジエンが共重合しているこ
とが明確に認められた。
の吸収があり、1,7−オクタジエンが共重合しているこ
とが明確に認められた。
次にH−NMRを測定してビニル基の定量を行った。測
定は270MHZの分光器を用いて、C6D6を溶媒として140℃
で実施した。ポリマーに組込まれたジエンの定量法につ
いては特開平2−64111の方法を参考とした。第3図に
示すように6.0ppm付近にビニルプロトンに基づく吸収が
認められ、その量(ペンダントビニル基)は0.5モル%
と算出された。
定は270MHZの分光器を用いて、C6D6を溶媒として140℃
で実施した。ポリマーに組込まれたジエンの定量法につ
いては特開平2−64111の方法を参考とした。第3図に
示すように6.0ppm付近にビニルプロトンに基づく吸収が
認められ、その量(ペンダントビニル基)は0.5モル%
と算出された。
高分子ゲル化の理論より、ペンダントビニル基の50%
以上が反応した点でゲル化が起ることから、この時点で
の架橋したビニル基の量も0.5モル%であり、結局プロ
ピレンコポリマーの1,7−オクタジエン含有量は1.0モル
%と見積られる。
以上が反応した点でゲル化が起ることから、この時点で
の架橋したビニル基の量も0.5モル%であり、結局プロ
ピレンコポリマーの1,7−オクタジエン含有量は1.0モル
%と見積られる。
装入した量が3.0gであり、ポリマー量が127gであった
から、1,7−オクタジエンの反応量はほぼ定量的であ
る。
から、1,7−オクタジエンの反応量はほぼ定量的であ
る。
参考例 第4図と第5図に実施例1のコポリマーと比較例のシ
ンジオタクチックポリプロピレン・ホモポリマーの溶融
粘度(η)の振動数依存性を示す。
ンジオタクチックポリプロピレン・ホモポリマーの溶融
粘度(η)の振動数依存性を示す。
ホモポリマーは振動数による粘度の変化が少なく、ニ
ュートン粘性に近い挙動を示すが、実施例1のコポリマ
ーは粘度の振動数依存性が大きく、非ニュートン挙動が
顕著である。
ュートン粘性に近い挙動を示すが、実施例1のコポリマ
ーは粘度の振動数依存性が大きく、非ニュートン挙動が
顕著である。
第6図と第7図には上記サンプルの貯蔵弾性率
(G′)の振動数に対してプロフトしたものである。長
鎖分岐構造をもつポリマーに対して予想されるように、
実施例のサンプルは大きな貯蔵弾性率の数値を示す。
(G′)の振動数に対してプロフトしたものである。長
鎖分岐構造をもつポリマーに対して予想されるように、
実施例のサンプルは大きな貯蔵弾性率の数値を示す。
長鎖分岐構造をもつポリマーの特徴は、溶融時の粘弾
性挙動に示される。すなわち同一の固有粘度をもつ直線
状のポリマー(シンジオタクチック・ポリプロピレン・
ホモポリマー)と比較したとき、(1)メロトインデッ
クスが小さい(溶融粘度が高い)、(2)ノズルから押
出されるときのダイスエルが大きい、(3)メルト強さ
が大きい、(4)溶融粘度のずり速度依存性が大きい、
(5)溶融体の弾性率が大きい、などの特性を示す。実
用的には溶融紡糸、中空成形、シートの熱成形などが容
易になる。
性挙動に示される。すなわち同一の固有粘度をもつ直線
状のポリマー(シンジオタクチック・ポリプロピレン・
ホモポリマー)と比較したとき、(1)メロトインデッ
クスが小さい(溶融粘度が高い)、(2)ノズルから押
出されるときのダイスエルが大きい、(3)メルト強さ
が大きい、(4)溶融粘度のずり速度依存性が大きい、
(5)溶融体の弾性率が大きい、などの特性を示す。実
用的には溶融紡糸、中空成形、シートの熱成形などが容
易になる。
【図面の簡単な説明】 第1図、第2図は実施例3と比較例のポリマーに対して
測定したIR吸収スペクトルを示す。 第3図は実施例3のポリマーに対して測定したH−NMR
スペクトルを示す。 第4図〜第7図は溶融ポリマーの粘弾性を温度および振
動数を変えて測定した結果である。
測定したIR吸収スペクトルを示す。 第3図は実施例3のポリマーに対して測定したH−NMR
スペクトルを示す。 第4図〜第7図は溶融ポリマーの粘弾性を温度および振
動数を変えて測定した結果である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 210/06 C08F 4/642 C08F 17/00
Claims (2)
- 【請求項1】プロピレンおよび少なくとも一種の炭素数
6〜20の両末端ビニル結合を有するアルカジエンからな
り、1,2,4−トリクロロベンゼン溶液で測定した13C−NM
Rにおいてテトラメトキシシランを基準として20.2ppmに
観測されるシンジオタクチック構造に帰属されるピーク
強度がプロピレンのメチル基に帰属される全ピーク強度
の0.6以上であり、該アルカジエンモノマー単位の含有
率が0.01〜5モル%の範囲にあり、135℃のテトラリン
溶液で測定した固有粘度が0.4〜10dl/gの範囲にある結
晶性シンジオタクチックプロピレン系共重合体。 - 【請求項2】プロピレンおよび少なくとも一種の炭素数
6〜20の両末端ビニル結合を有するアルカジエンを下記
式で表されるメタロセン化合物、 R″(CpRn)(CpR′m)MeQk (ただし、各Cpはシクロペンタジエンまたは置換された
シクロペンタジエニル環であり;各Rnは同一または異な
っていてもよく、1〜20炭素原子を有するヒドロカルビ
ル残基であり;各R′mは同一または異なっていてもよ
く、1〜20炭素原子を有するヒドロカルビル残基であ
り、R″は触媒に立体剛性をもたらすCp環の間の構造的
架橋であり;MeはTi、ZrまたはHfであり;各Qは1〜20
炭素原子を有するヒドロカルビル残基またはハロゲンで
あり、0≦k≦3;0≦n≦4;及び1≦m≦4であり、;
およびR′mは(CpR′m)が(CpRn)と立体的に相違し
ているように選択される) および助触媒よりなる触媒を用いることによって共重合
させることを特徴とする結晶性シンジオタクチックプロ
ピレン系共重合体の製造方法。
Priority Applications (8)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12902290A JP2951689B2 (ja) | 1990-05-21 | 1990-05-21 | 結晶性プロピレン系共重合体およびその製造方法 |
EP91906690A EP0476148B1 (en) | 1990-04-09 | 1991-04-09 | Propylene copolymer |
PCT/JP1991/000466 WO1991015523A1 (fr) | 1990-04-09 | 1991-04-09 | Copolymere de propylene |
CA002057892A CA2057892C (en) | 1990-04-09 | 1991-04-09 | Propylene copolymer |
DE69112322T DE69112322T2 (de) | 1990-04-09 | 1991-04-09 | Propylen-copolymer. |
US07/777,238 US5219968A (en) | 1990-04-09 | 1991-04-09 | Propylene copolymer |
KR1019910701793A KR940005546B1 (ko) | 1990-04-09 | 1991-04-09 | 프로필렌계 공중합체 |
CN 91103928 CN1067086C (zh) | 1990-05-21 | 1991-05-21 | 丙烯共聚物的制备方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12902290A JP2951689B2 (ja) | 1990-05-21 | 1990-05-21 | 結晶性プロピレン系共重合体およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0425514A JPH0425514A (ja) | 1992-01-29 |
JP2951689B2 true JP2951689B2 (ja) | 1999-09-20 |
Family
ID=14999216
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12902290A Expired - Lifetime JP2951689B2 (ja) | 1990-04-09 | 1990-05-21 | 結晶性プロピレン系共重合体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2951689B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU8997098A (en) * | 1997-09-04 | 1999-03-22 | Chisso Corporation | Propylene copolymer and process for the production thereof |
JP2002097228A (ja) * | 2000-09-20 | 2002-04-02 | Mitsui Chemicals Inc | シンジオタクティックポリプロピレン系共重合体、該共重合体を含む組成物および成形体 |
JP4509340B2 (ja) * | 2000-09-20 | 2010-07-21 | 三井化学株式会社 | 熱可塑性樹脂組成物およびその成形体 |
-
1990
- 1990-05-21 JP JP12902290A patent/JP2951689B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0425514A (ja) | 1992-01-29 |
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