JP3260171B2 - プロピレン系重合体およびその製造方法 - Google Patents

プロピレン系重合体およびその製造方法

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JP3260171B2 JP23490792A JP23490792A JP3260171B2 JP 3260171 B2 JP3260171 B2 JP 3260171B2 JP 23490792 A JP23490792 A JP 23490792A JP 23490792 A JP23490792 A JP 23490792A JP 3260171 B2 JP3260171 B2 JP 3260171B2
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融張力にすぐれたプ
ロピレン系重合体とその製造方法に関する。この重合体
は、従来のポリプロピレンの欠点である溶融張力が改良
されており、ブロー成形、シート成形、ラミネート成
形、発泡成形等に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】結晶性プロピレン系重合体は、他のポリ
オレフィンに比較して透明性、剛性、表面光沢、耐熱性
に優れている反面、溶融張力が小さく、ブロー成形、シ
ート成形、ラミネート成形、発泡成形に劣っていた。こ
の欠点を改良する方法として高圧法低密度ポリエチレン
を添加する方法等が知られている。しかし、この方法で
はポリプロピレンの本来の透明性、剛性を損なうことに
なり、十分な改良と言えない。また、α−オレフィンと
両末端ジエンの共重合により溶融張力を改良する方法
は、特開昭47−34981等に記載されているが、効
果が示されているのはエチレン重合体に限られており、
プロピレン系重合体では十分な改良結果は示されていな
い。また、非共役ジエンとプロピレン等との共重合体
(特公昭64−9327、特開平4−28706)につ
いては知られているが、本発明者が該提案に従って実験
を行ったところ、溶融張力に関しては、なんら改善効果
はなかった。これは二重結合の一方が、内部二重結合で
あるためにポリマー中に入って行かず、いわゆる橋掛け
構造ができないためである。また、両末端非共役二重結
合を有するモノマーとプロピレンの共重合体(特開昭6
0−32834他)が、いわゆるEPDMの分野で、い
くつか提案されているが、これらのプロピレン含量は8
0重量%より小さく、ポリプロピレンとしての本来の特
徴である結晶性を大きく落としているため、剛性が損な
われてしまう。
【0003】そのほか高溶融張力を持ったプロピレン系
重合体の製造方法としては a.放射線(高エネルギー線)の照射 b.パーオキサイド架橋 等の方法があり、これらも、重合後に部分的な架橋を施
し、長鎖分岐を導入することで溶融張力を高める方法で
ある。しかし、aでは大がかりな設備を必要とし、bで
は混練を必要とするのでコスト的には望ましくない。ま
た、a,bは樹脂の劣化も同時に起こるので物性面から
も好ましくない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、前記
の問題点に鑑み、結晶性プロピレン系重合体の性能は保
持したまま、溶融張力が改良されたブロー成形、シート
成形、ラミネート成形、発泡成形に適した材料を提供す
ることにある。
【0005】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の触媒と
特定の炭化水素化合物を組み合わせることで、橋掛け構
造もしくは長鎖分岐を有効に導入でき、溶融張力とMF
Rに特定の関係を有し、実質的にゲル成分を有さない、
上述の成形材料に適した重合体となること、および、そ
の効果的な製造方法を見いだし本発明に到達した。
【0006】即ち本発明の課題は、(i) プロピレンと(i
i)主鎖、または側鎖に2個以上の非共役のビニル基を有
する炭化水素化合物(A)との共重合体、またはこれら
と(iii) 他のオレフィンとの共重合体であってかつ、実
質的にゲル分がなく、溶融張力とメルトフローインデッ
クス(MFR)が次の関係にあるプロピレン系重合体。 log(溶融張力)>−1.16×log(MFR)+0.92 (1) 但しMFRは0.01〜100g/10分。によって解決
できる。ここで言う溶融張力、MFRは後述する方法で
測定する場合の数値である。また、実質上のゲル成分と
は、溶融時の不溶成分は言うに及ばず、成形品に現れる
ブツ状の斑点、肌荒れ、フィッシュ・アイのごときもの
も意味する。以下、本発明の重合体とその製造方法につ
いて詳細に説明する。非共役のビニル基を2個以上有す
る炭化水素化合物(A)としては、炭素数が5から16
0個のジエンないしポリエンが有効である。これ以上大
きな分子になると重合が十分に進行しないし、重合プロ
セス上困難な場合が多い。望ましくは炭素数が5から8
0個で、分子量が1100以下である。ビニル基は非共
役であり、かつ水素以外の置換基がついてはならない。
水素以外の置換基がついた場合には、共重合時に相手の
ポリマー鎖中に入らず、橋掛け構造ができないので溶融
張力が発現しない。その数は2個以上必要であるが、分
子の大きさと関係があり、炭素数20個あたりの二重結
合の数が1個以上であり、望ましくは炭素数10個あた
りの二重結合の数が1個以上である。具体的には、以下
のような炭化水素化合物があげられる。1,4−ペンタ
ジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエ
ン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,
9−デカジエン、1,13−テトラデカジエン、3−メ
チル−1,4−ペンタジエン、4−メチル−1,5−ヘ
キサジエン、3−メチル−1,5−ヘキサジエン等の
α,ω−ジエン類、3−ビニル−1,6−ヘプタジエ
ン、3−アリル−1,6−ヘプタジエン等の直鎖上にビ
ニル基を含む分岐を有するα,ω−ジエン類、1,4−
ジビニルシクロヘキサジエン、1,3−ジビニルシクロ
ヘキサン、1,3,5−トリビニルシクロヘキサン等の
環状アルキル鎖にビニル基を有する非共役ポリエン類、
さらには、下記式(2)に示した様なブタジエンの多量
体等を挙げることができる。
【化2】 ブタジエン多量体としては、1,2−付加重合体また
は、1,2−付加と1,3−付加のランダム重合体を用
いることができる。炭化水素化合物(A)として望まし
くは、炭素数が5〜20個の両末端ジエンであるα,ω
−ジエン類、式(2)に示した炭素数が8〜160個の
ブタジエンの多量体である。
【0007】ここで製造される重合体は、MFRとメル
トテンションの間に式(1)の様な関係にある。この不
等式の範囲外では、溶融張力が充分改良されたとは言え
ずブロー、シート、ラミネート、発泡等の成形性も改善
されない。 望ましくはMFRが0.01から100の
間である。さらに望ましくはMFRが0.01〜10の
ブロー、シート成形に適した重合体である。また、プロ
ピレンの含有量が90モル%以上である必要がある。そ
れよりも低いと重合体の結晶性が低下し、成形物の剛性
が低下することになるので好ましくない。炭化水素化合
物(A)の含有量は、0.01から2モル%である。望
ましくは、0.01から1モル%である。さらに望まし
くは0.01から0.1モル%である。0.01モル%
以下では効果が小さく、2モル%以上では重合体の結晶
性が落ちるばかりか、ゲルが発生しやすいからである。
重合体には必要に応じてエチレンを共重合することがで
きる。さらに、重合後、洗浄工程を設けて、未反応の炭
化水素化合物(A)を除去することが望ましい。これは
触媒の脱灰工程をかねるのが効果的である。除去は、ア
ルコール、エステル、アミン、エーテル類で行う。
【0008】次に、この重合体の製造方法について説明
する。本発明者らは、種々の触媒系を探索した結果、三
塩化チタンを主成分とする固体触媒成分(B)を用いる
ことで、炭化水素化合物(A)がプロピレンとの共重合
の際に有効に橋掛け構造、または長鎖分岐を生成し、は
じめて溶融張力の発現を得た。すなわち、MgCl2
持型の触媒では、プロピレンと炭化水素化合物(A)と
の重合速度の違いから重合体内には導入されるものの、
残りの二重結合が他のポリマー鎖中に入らず、橋掛け構
造ができにくく、従って、溶融張力が発現しない。
【0009】以下、固体触媒成分(B)について説明す
る。固体触媒成分(B)としては、四塩化チタンを有機
アルミニウム化合物または水素または金属により還元し
て得られる三塩化チタンを主成分とするものであるが、
より具体的には、1)四塩化チタンを有機アルミニウム
化合物で還元して得られる還元固体、もしくは、これを
電子供与性化合物(D)とともに共粉砕して得られる。
還元に用いられる有機アルミニウム化合物としては、一
般式RnAlXm(Rはアルキル基、Xはハロゲン、
n,mは整数でn+m=3)で示されるものである。特
にトリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウム
ハライド、モノアルキルアルミニウムジハライド、アル
キルアルミニウムセスキハライドなどが、好ましい。よ
り具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルア
ルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチル
アルミニウムクロリド、メチルアルミニウムジクロリ
ド、エチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウ
ムセスキクロリドなどがあげられる。特にトリエチルア
ルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルア
ルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムセスキクロ
リドまたはこれらの混合物が望ましい。電子供与性化合
物(D)としては、エーテル類、チオエーテル類、チオ
ール類、有機リン酸エステル類、アミン類、ケトン類、
カルボン酸エステル類が用いられる。具体的には、ジエ
チルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジノルマルブ
チルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジイソアミルエ
ーテル、ジ−2−エチルヘキシルエーテル、ジ−2−エ
チルヘプチルエーテル、アリルエチルエーテル、アリル
ブチルエーテル、ジフェニルエーテル、アニソール、フ
ェネトール、クロルアニソール、ブロムアニソール、ジ
メトキシベンゼン、ジエチルチオエーテル、ジ−n−プ
ロピルチオエーテル、ジシクロヘキシルチオエーテル、
ジノルマルブチルチオエーテル、ジイソブチルチオエー
テル、ジイソアミルチオエーテル、ジ−2−エチルヘキ
シルチオエーテル、ジ−2−エチルヘプチルチオエーテ
ル、アリルエチルチオエーテル、アリルブチルチオエー
テル、ジフェニルチオエーテル、トリフェニルフォスフ
ィン、トリエチルフォスファイト、トリブチルフォスフ
ァイト、トリ−n−ブチルフォスフィン、ジエチルアミ
ン、トリエチルアミン,n−プロピルアミン、ジ−n−
プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、アニリ
ン、ジメチルアニリン、蟻酸ブチル、酢酸エチル、酢酸
ブチル、イソ酪酸イソブチル、アクリル酸エチル、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブ
チル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジイソブチル、琥珀
酸ジイソブチル、グルタル酸ジエチル、グルタル酸ジブ
チル、アジピン酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、マレ
イン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸メチ
ル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジ
イソブチル、酒石酸ジエチル、酒石酸ジイソブチル、酒
石酸ジブチル、安息香酸エチル、安息香酸メチル、p−
トルイル酸メチル、p−t−ブチル安息香酸エチル、p
−アニス酸エチル、ケイ皮酸エチル、フタル酸モノメチ
ル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ
イソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、
フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジペンチル、フタル酸ジ
−2−エチルヘキシル、フタル酸ジアリル、フタル酸ジ
フェニル、イソフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジイソ
ブチル、テレフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジブチ
ル、ナフテン酸ジエチル、ナフテン酸ジブチル、ピロメ
リット酸テトラメチル、ピロメリット酸テトラブチル、
ピロメリット酸テトラエチル、等が用いられる。特に、
エーテル類、エステル類が好ましい。さらに好ましく
は、炭素数4〜16の、エーテル、環状エステルであ
る。得られた三塩化チタン組成物は、さらに四塩化チタ
ンで処理することができる。さらに具体的には、次のよ
うにして得られる。還元して得られた三塩化チタン組成
物をTiに対してモル比1/3のγ−ブチルラクトンと
振動ボールミルにて共粉砕したのち、望ましくはトルエ
ンで洗浄して得られる。
【0010】もしくは、2)四塩化チタンを有機アルミ
ニウム化合物で還元して得られる還元固体を、1)で述
べた電子供与性化合物(D)に錯化させたのち、ハロゲ
ン化剤と接触させて得られる。ハロゲン化剤としては、
ハロゲン化炭化水素、ハロゲン化金属化合物、ハロゲン
を用いる。ハロゲン化炭化水素は、炭素数1〜12個の
飽和または不飽和の脂肪族、脂環式及び芳香族炭化水素
のモノ及びポリハロゲン置換体である。これらの具体的
な例は、脂肪族化合物では、メチルクロリド、メチルブ
ロミド、メチルアイオダイド、メチレンクロリド、メチ
レンブロミド、メチレナイオダイド、クロロホルム、ブ
ロモホルム、ヨードホルム、四塩化炭化水素、四臭化炭
化水素、四ヨウ化炭化水素、エチルブロミド、エチルア
イオダイド、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロ
モエタン、1,2−ジヨードエタン、メチルクロロホル
ム、メチルブロモホルム、メチルヨードホルム、1,
1,2−トリクロロエタン等があげられる。脂環式化合
物では、クロロシクロプロパン、テトラクロロシクロペ
ンタン、ヘキサクロロシクロペンタジエン、ヘキサクロ
ロシクロヘキサン等があげられる。芳香族化合物では、
クロロベンゼン、ブロモベンゼン、o−ジクロロベンゼ
ン、p−ジクロロベンゼン、ヘキサジクロロベンゼン等
があげられる。これらの化合物は組み合わせて使うこと
もできる。ハロゲン化金属化合物では、金属として次の
中から選ばれるものである。B,Al,Ga,In,T
l,Si,Ge,Sn,Pb,Ti,As,Sb,Bi
である。これらの塩化物、臭化物、フッ化物、ヨウ化物
が使われる。特に、エチルアルミニウムジクロライド、
ジエチルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミ
ニウムハライド、TiCl4 等のハロゲンチタンが最適
である。還元固体の錯化剤及びハロゲン含有化合物の処
理は、通常不活性な媒体中で行われる。例えば、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素の存在下で行
う。処理の順序は問わない。さらに具体的には、次のよ
うにして得られる。還元して得られた三塩化チタンに等
モルのジイソアミルエーテルを添加し、加温処理したの
ち、3倍モルのTiCl4 を添加し、加温処理して得ら
れる。
【0011】重合方法に特に制限はないが、前述の固体
触媒成分(B)、有機アルミニウム化合物(C)、分子
量調節のための水素の存在下、プロピレン、炭化水素化
合物(A)、必要に応じてエチレンを共重合する。重合
に用いられる有機アルミニウム化合物(C)としては、
一般式RnAlXm(Rはアルキル基、Xはハロゲン、
n,mは整数でn+m=3)で示されるものである。特
にトリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウム
ハライド、モノアルキルアルミニウムジハライド、アル
キルアルミニウムセスキハライドなどが、好ましい。よ
り具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルア
ルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチル
アルミニウムクロリド、メチルアルミニウムジクロリ
ド、エチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウ
ムセスキクロリドなどがあげられる。特にトリエチルア
ルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルア
ルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムセスキクロ
リドなどが好ましい。重合時、必要に応じて用いられる
電子供与性化合物を用いてもよく、これは固体触媒成分
の製造の際に使用された電子供与性化合物(D)より選
択することが出来るが、好ましくは、Si−O−C結合
を有するケイ素化合物類、芳香族カルボン酸エステルで
ある。
【0012】なお、本特許で用いる、MFRはJIS−
K−7210(条件14)に従って測定した値である。
溶融張力の値は、東洋精機(株)社製のメルトテンショ
ンテスターII型を用い、オリフィス内径2.095±
0.005mm、オリフィス長さ8.000±0.025
mm、樹脂温度230℃、引き取り速度6.5m/分、押
しだし速度15mm/分で測定した値である。ゲル分率
は、ソックスレーによるキシレン抽出残の重量%であ
る。
【0013】
【実施例】次に本発明を実施例によって具体的に説明す
る。ただし、本発明は、これら実施例によってなんら制
約を受けるものではない。 実施例1 (1)固体触媒成分(B)の製造 市販の三塩化チタン共晶体(TiCl3・1/3AlC
3 、「TiCl 3 AA」東ソー・アクゾ(株)製)50
グラムとγ−ブチルラクトン5グラムを共粉砕したの
ち、トルエン100mlを加えて、70℃にて1時間攪
拌した。冷却後、沈殿をトルエン、ヘキサンで洗浄して
固体触媒を得た。 (2)重合体の製造 実施例1−(1)で得られた固体触媒成分(A)100
mg、ジエチルアルミニウムクロライド2ミリモル、乾
燥ヘキサン10ml、1,9デカジエン0.8g、液体
プロピレン8モル、水素ガス0.5kg/cm2を1.
5Lオートクレーブに仕込み、70℃にて、0.5時間
重合を行った。得られたポリマーをイソブチルアルコー
ルで脱灰したものの溶融張力を測定した。溶融張力は
0.52gであった。MFRは16.1g/10分であっ
た。13C−NMRによる分析の結果、ジエン含有量は
0.018モル%であった。ゲル分率は0.07重量%
であった。
【0014】実施例2〜4 実施例1−(2)において、1,9−デカジエンの仕込
量を変えた他は、実施例1と同様の重合をおこなった。
水素量は適宜変えた。結果を表1に示す。
【0015】比較例−1 実施例1−(2)において、1,9−デカジエンの仕込
量を変え、ポリマー中の含量を2.5モル%のポリマー
を調製し、以下実施例1と同様に行った。結果を表1に
示す。
【0016】実施例−5 実施例1−(2)において、1,9−デカジエンの代わ
りに1,13−テトラデカジエンを用いた他は、実施例
1と同様におこなった。水素量は適宜変えた。結果を表
1に示す
【0017】比較例−2 実施例1−(2)において、1,9−デカジエンを用い
なかった他は、実施例1と同様におこなった。水素量は
適宜変えた。結果を表1に示す。
【0018】実施例−6〜7 実施例1−(2)において、1,9−デカジエンの代わ
りに、ブタジエン多量体(日本石油化学(株)製;
−700;平均分子量700)を用いて、実施例1と同
様におこなった。水素量は適宜変えた。結果を表1に示
す。
【0019】実施例−8 (1)固体触媒成分(A)の製造 窒素置換した2Lフラスコに、n−ヘキサン600m
l、四塩化チタン150mlを入れ、1℃に冷却する。
これに乾燥ヘキサン450mlとジエチルアルミニウム
クロライド173mlからなる溶液を4時間以内に添加
し、この系内の温度を1℃に保つ。添加後、約1時間で
65℃に昇温し、さらに1時間65℃に保持する。次に
固体生成物を濾別して、乾燥ヘキサンで洗浄する。これ
を乾燥し、乾燥固形物を採取する。得られた乾燥固形物
285gをヘキサン1720ml中に懸濁し、これにジ
ーイソアミルエーテル256mlを添加する。これはT
iCl4 1molあたり0.95molに相当する。こ
の懸濁液を35℃1時間撹拌する。ついで得られた処理
固体を液相から分離し、25℃のヘキサン500mlで
5回洗浄する。これに、TiCl4 400mlを加え、
65℃、2時間処理する。こののち、ヘキサンで十分洗
浄し、固体触媒成分(A)を得た。 (2)重合体の製造 実施例8−(1)で得られた固体触媒成分(A)100
mg、ジエチルアルミニウムクロライド2ミリモル、乾
燥ヘキサン10ml、1,9デカジエン0.8g、液体
プロピレン8モル、水素ガス0.5kg/cm2 を1.
5Lオートクレーブに仕込み、70℃にて、0.5時間
重合を行った。得られたポリマーをイソブチルアルコー
ルで脱灰したものの溶融張力を測定した。溶融張力は
8.5gであった。MFRは2.8であった。13C−N
MRによる分析の結果、ジエン含有量は0.05モル%
であった。ゲル分率は0.08であった。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、結晶性プロピレン系重
合体の溶融張力を効果的に改良し、ブロー成形、シート
成形、ラミネート成形、発砲成形に優れた重合体を提供
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲沢 伸太郎 大分県大分市大字中の洲2番地 昭和電 工株式会社 大分研究所内 (56)参考文献 特開 昭55−125138(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 210/06

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)プロピレンと、 (ii)主鎖、または側鎖に2個以上の非共役のビニル基を
    有する炭化水素化合物(A)との共重合体、またはこれ
    らと (iii)他のオレフィンとの共重合体であって、プロピレ
    ンの含有量が90モル%以上であり、 かつ、実質的にゲル分がなく、溶融張力とメルトフロー
    インデックス(MFR)が次の関係にあるプロピレン系
    重合体。 log(溶融張力))>−1.16×log(MFR)+0.92 (1) 但しMFRは0.01〜100g/10分。
  2. 【請求項2】 前記炭化水素化合物(A)の含有量が
    0.01〜2モル%である、請求項1記載のプロピレン
    系重合体。
  3. 【請求項3】 該炭化水素化合物(A)の含有量が0.
    01〜0.1モル%である、請求項2記載のプロピレン
    系重合体。
  4. 【請求項4】 該炭化水素化合物(A)が、炭素数5〜
    20個の両末端ジエンである請求項1記載のプロピレン
    系重合体。
  5. 【請求項5】 該炭化水素化合物(A)が、次式で表せ
    る炭素数が8〜160個のブタジエンの多量体である請
    求項1記載のプロピレン系重合体。 【化1】 Rはアルキル基、または水素を意味する。n,mは整数
    である。
  6. 【請求項6】 三塩化チタンを主成分とした固体触媒成
    分(B)、有機アルミニウム化合物(C)からなる触媒
    を用いて、プロピレンと該炭化水素化合物(A)、およ
    びまたは他のオレフィンを共重合することを特徴とす
    る、請求項1記載のプロピレン系重合体の製造方法。
  7. 【請求項7】 重合後に、得られたポリマーをアルコー
    ル類で脱灰・洗浄して当該重合体とする請求項6記載の
    プロピレン系重合体の製造方法。
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