以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
図1に示すように、遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
前枠52の上側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
上皿55の上部ほぼ中央には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられており、この演出ボタン67は、周囲にジョグダイヤル68を備えたものとなっている。遊技者が所定期間中に、演出ボタン67やジョグダイヤル68を操作することで後述する演出図柄表示装置6に表示される内容が変化したり、スピーカ66より出力される遊技音が変化したりする。なお、演出ボタン67とジョグダイヤル68を総称して演出ユニット67,68ともいう。また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
図2は、本実施例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の遊技釘4が打ち付けられている。発射ハンドル64の回動により発射された遊技球は、ガイドレール2a、2b間を通り、遊技領域3の上方から遊技領域3を流下する。
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり演出図柄を表示する。)の画面を臨ませる窓等を備えている。センターケース5の下には、第1始動口11と第2始動口12とが配置され、センターケース5の左方には、ゲート17が配置されている。第2始動口12は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物を備えており、この翼片が開放しないと遊技球は第2始動口12に入球できない構成となっている。
遊技領域の右下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、第1特別図柄保留数表示装置18と、第2特別図柄保留数表示装置19と、7セグメント表示装置からなる第1特別図柄表示装置9・第2特別図柄表示装置10とが配置されている。前述した第2始動口12の普通電動役物は、普通図柄表示装置7に当り図柄が表示されると開放される。
第2始動口12の下方にはアタッカー式の第1大入賞口14が配置されており、センターケース5の上部には第2大入賞口15が設けられている。また、第1始動口11の左方には、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33及び第4左入賞口34が設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34が、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。
パチンコ機50の裏面は図3に示すとおり、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には(図4も参照のこと)、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。なお、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83がサブ制御装置に該当する。
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、図3では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
このパチンコ機50の電気的構成は、図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、第1大入賞口14に入球した遊技球を計数するための第1カウントスイッチ14a(図4では第1カウントSWと表記)、第2大入賞口15に入球した遊技球を計数するための第2カウントスイッチ15a(図4では第2カウントSWと表記)、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34に入球した遊技球を検出する左入賞口スイッチ31a等の検出信号が入力される。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
更に、主制御装置80は、第1大入賞口ソレノイド14b(図4では第1大入賞口SOL14bと表記)を制御することで第1大入賞口14の開閉を制御し、第2大入賞口ソレノイド15b(図4では第2大入賞口SOL15bと表記)を制御することで第2大入賞口15の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(図4では普電役物SOLと表記)12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータに送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。 また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67、ジョグダイヤル68が接続されており、遊技者が演出ユニット67、68を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。
メインルーチンを図5に従って説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に主制御装置80により実行される。本実施形態では、S10〜S75までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS80の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S90)に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S20)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「3966」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。
S20に続く大当り決定用乱数更新処理(S25)は、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「3966」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。この値が250であったとすると、大当り決定用乱数は「250」「251」「252」・・・「3966」「0」「1」・・・と更新されていく。
なお、大当り決定用乱数が1巡(3967回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にし、大当り決定用乱数は、その初期値から+1するインクリメント処理を行う。そして、再び大当り決定用乱数が1巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「249」になると1巡であるから、「249」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「249」「87」「88」・・・「3966」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。なお、通常確率状態時で大当りと判定される値の数は10で、値は「775」〜「777」「1775」〜「1777」「2774」〜「2777」であり、高確率状態時に大当りと判定される値の数は100で、値は「758」〜「777」「1314」〜「1333」「1758」〜「1777」「2758」〜「2777」「3314」〜「3333」である。
大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「0」〜「99」の100個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
S30に続く当り決定用乱数更新処理(S35)は、「0」〜「996」の997個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、当選することとなる値は通常確率状態では31〜40、高確率状態では31〜996である。なお、この当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄(以下、特図ともいう)の抽選に使用する。
リーチ判定用乱数更新処理(S40)は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時にリーチとなる値の数は21で、値は「0」〜「20」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時にリーチとなる値の数は5で、値は「0」〜「4」であり、高確率状態時にリーチとなる値の数は6で、値は「0」〜「5」である。
変動パターン決定用乱数更新処理(S45)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
続く入賞確認処理(S50)では、第1始動口11、第2始動口12の入賞の確認及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。
本実施例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11と第2始動口12でそれぞれ4個までとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第1始動口11又は第2始動口12に入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての当否判定処理(S55)を行う。この当否判定処理(S55)が終了すると、続いて不正監視処理(S60)が実行される。不正監視処理(S60)は、普通入賞口(第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34)に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御装置80に設けている。
次に演出コマンド送信処理(S65)が実行され、サブ統合制御装置83に対してコマンド(演出用の画像データ、サウンドデータ、エラー中であることを報知するためのエラー信号等)を送信する。続く各出力処理(S70)では、遊技の進行に応じて主制御装置80は発射制御装置84、第1大入賞口ソレノイド14b等に対して各々出力処理を実行する。賞球コマンド送信処理(S75)では、入賞確認処理(S50)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置81に賞球データを出力する。これについては後述する。
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S80)から構成されるが、前述したS20と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S75までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、図5に示された割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が1巡したときの、初期値乱数の値(0〜3966の3967通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか1/3967である。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S35)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
S50の入賞確認処理は図6に示すようなもので、主制御装置80は、第1始動口スイッチ11aの検出信号に基づいて、第1始動口11に遊技球が入球したか否かを判断する(S100)。肯定判断なら(S100:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第1保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S105)。
第1保留記憶が満杯でなければ(S105:no)、上記の各乱数を第1保留記憶として記憶し、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を1増加させる(S110)。既に4個の第1保留記憶があれば(S105:yes)保留記憶せず、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を増やすこともなくS115へ移行する。
第1始動口11に遊技球が入球していないと判定された場合(S100:no)もS115に進み、第2始動口スイッチ12aの検出信号に基づいて、第2始動口12に遊技球が入球したか否かを判断する。肯定判断(S115:yes)なら、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第2保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S120)。
第2保留記憶が満杯でなければ(S120:no)、上記の各乱数を第2保留記憶として記憶し、第2特別図柄保留数表示装置19の点灯数を1増加させる(S125)。既に4個の第2保留記憶があれば(S120:yes)、第2保留を記憶せず、第2特別図柄保留数表示装置19の点灯数も増やさずに本処理を終了(リターン)する。また、第2始動口12に遊技球が入球していない場合(S115:no)も、本処理を終了する。
図7〜10に示す当否判定処理では、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S200)。S200の判定が否定判断で、特別図柄が変動中でなく(S205:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S210:no)、図8のS250に移行し、第2保留記憶(上記、S125による保留記憶)があるか否かを判断する(S250)。
この保留記憶があれば(S250:yes)、第2保留記憶数をデクリメントし(S255)、S270に進む。第2保留記憶がなければ(S250:no)、第1保留記憶(上記、S110による保留記憶)があるか否かを判断する(S260)。第1保留記憶があれば(S260:yes)、第1保留記憶数をデクリメントし(S265)、S270に進む。
S270では第2保留記憶(S265から移行した場合は第1保留記憶)の中で最も古いものを読み込んで(その保留記憶は消去する)、確変フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。ここで確変フラグが1とは、現在のパチンコ機50が高確率遊技状態であることを意味する。肯定判断であれば(S270:yes)、読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合する(S275)。ここで当り値の数は100で、758〜777、1314〜1333、1758〜1777、2758〜2777、3314〜3333である。つまり当たり確率は1/39.67となる。否定判断であれば(S270:no)、読み込んだ大当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合する(S280)。ここで当り値の数は10で、775〜777、1775〜1777、2774〜2777である。つまり当たり確率は約1/397となる。
S275またはS280の判定に基づき、大当りか否かを判定し(S285)、肯定判定であれば(S285:yes)、大当り図柄決定用乱数によって当り図柄を決定する(S290)。大当り図柄決定用乱数と当り図柄当り図柄の関係は図21のようになっている。なお、図21では当り図柄を特別図柄停止図柄と表記している。また、当り図柄は第1特別図柄、第2特別図柄で共通となっている。図21に示すように、大当り図柄決定用乱数が0〜7であった場合は当り図柄として図柄1が決定され、大当り図柄決定用乱数が8〜15であった場合は当り図柄として図柄2が決定され、大当り図柄決定用乱数が16〜23であった場合は当り図柄として図柄3が決定され、大当り図柄決定用乱数が24〜31であった場合は当り図柄として図柄4が決定され、大当り図柄決定用乱数が32〜35であった場合は当り図柄として図柄5が決定され、大当り図柄決定用乱数が36〜39であった場合は当り図柄として図柄6が決定される。以上が16ラウンド(図21では16Rと表記)確変大当りに対応する当り図柄である。16ラウンド確変大当りは、大当り図柄決定用乱数の値が100の40の値であった場合に選択されるので振分確率は40/100となる。
また、大当り図柄決定用乱数が40〜44であった場合は当り図柄として図柄7が決定され、大当り図柄決定用乱数が45〜49であった場合は当り図柄として図柄8が決定される。これら当り図柄7,8が8ラウンド確変大当りに対応するものである。大当り図柄決定用乱数が50〜54であった場合は当り図柄として図柄9が決定され、大当り図柄決定用乱数が55〜59であった場合は当り図柄として図柄10が決定される。これら当り図柄9,10が4ラウンド確変大当りに対応するものである。大当り図柄決定用乱数が60〜64であった場合は当り図柄として図柄11が決定され、大当り図柄決定用乱数が65〜69であった場合は当り図柄として図柄12が決定され、大当り図柄決定用乱数が70〜74であった場合は当り図柄として図柄13が決定される。これら当り図柄11,12,13が2ラウンド確変大当りに対応するものである。大当り図柄決定用乱数が75〜84であった場合は当り図柄として図柄14が決定され、大当り図柄決定用乱数が85〜94であった場合は当り図柄として図柄15が決定され、大当り図柄決定用乱数が95〜99であった場合は当り図柄として図柄16が決定される。これら当り図柄14,15,16が2ラウンド通常大当りに対応するものである。以上により、8ラウンド確変大当り、4ラウンド確変大当り、2ラウンド確変大当り、2ラウンド通常大当りの振分けは、それぞれ10/100、10/100、15/100、25/100となる。つまり確変状態が継続する割合は、(40+10+10+15)/100=75/100となっている。なお、図21では、図柄17が小当りに対応し、ハズレの場合は図柄0が選択されることも示した。
図柄1〜6に割り当てられた16ラウンド確変大当りとは、図20に示すように、第1大入賞口14を最大28秒開放する動作を16回行なうもので、その終了後には、確率変動機能の作動、図柄変動の時間短縮機能(単に時間短縮機能または時短機能ともいう)の作動、及び普通電動役物の開放延長機能(単に開放延長機能ともいう)の作動を、いずれも次回の大当りまで継続する。開放延長機能とは、普通図柄が当たった際に普通電動役物が開放する時間を延長するもので、通常は0.5秒である開放時間が、開放延長機能が作動している状態では5.8秒に延長される(図19も参照)。図柄7〜8に割り当てられた8ラウンド確変大当りは、第1大入賞口14を最大28秒開放する動作を8回行なうもので、その終了後には、確率変動機能の作動、図柄変動の時間短縮機能の作動、及び普通電動役物の開放延長機能の作動を、いずれも次回の大当りまで継続する。図柄9〜10に割り当てられた4ラウンド確変大当りは、第1大入賞口14を最大28秒開放する動作を4回行なうもので、その終了後には、確率変動機能の作動、図柄変動の時間短縮機能の作動、及び普通電動役物の開放延長機能の作動を、いずれも次回の大当りまで継続する。図柄11〜13に割り当てられた2ラウンド確変大当りは、第2大入賞口15を最大28秒開放する動作を2回行なうもので、その終了後には、確率変動機能の作動、図柄変動の時間短縮機能の作動、及び普通電動役物の開放延長機能の作動を、いずれも次回の大当りまで継続する。図柄14〜16に割り当てられた2ラウンド通常大当りは、第2大入賞口15を最大28秒開放する動作を2回行なうもので、その終了後には、図柄変動の時間短縮機能の作動、及び普通電動役物の開放延長機能の作動を、特図が100回変動されるまで継続する。なお、確率変動機能は作動しない。因みに小当りは、第2大入賞口15を最大0.5秒開放する動作を2回行なうもので、その終了後の状態は、小当り開始前の状態が維持される。この小当りも含め、1回の大入賞口14,15の1ラウンドに対する規定数は10個となっている。規定数とは、その個数の遊技球が、対応する大入賞口14または15に入球した場合には、前記した時間(16ラウンド確変大当りであれば28秒)の経過を待たずに、その大入賞口14または15を閉じる値である。なお、小当りの場合は0.5秒×2回の開放で10個以上の入賞が発生することは殆どない。また、本図に示した「最大獲得可能賞球数」及び「規制解除」については後述する。
なお、時短機能及び開放延長機能は、これらの作動時に時短回数というカウンタに上限値を設定し、これを特別図柄が変動するごとにカウントダウンし、ゼロになったときに作動を停止させる。2ラウンド通常大当りの際には、時短回数として100がセットされる。時短機能及び開放延長機能を次回の大当りまで作動させる際には、時短回数として1万をセットすることにより、実質的に実現している。なお、前述した「次回の大当りまで確変」は、確変回数として1万をセットすることにより実現している。確変回数は時短回数と同様、特別図柄が変動するごとにカウントダウンされていき、ゼロになったときに確率変動機能の作動が停止される。
なお、小当りとは、前述のように最大0.5秒の第2大入賞口15の開放を2回行なうもので、その終了後には、確率変動機能、時間短縮機能、及び開放延長機能のいずれも作動しない。ただし、これは「小当りの発生・終了を契機としてこれらの機能が作動することはない」という意味であり、小当りを発生することとなった特別図柄の変動開始時の状態は維持される。すなわち、確率変動状態で該変動が開始された場合、小当り後の遊技状態は確率変動状態であり、時短状態で該変動が開始された場合には時短状態であり、開放延長状態で該変動が開始された場合には開放延長状態である。
図8に戻る。こうして大当たり図柄が決定すると、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定し(S295)、大当り設定処理を行う(S300)。大当り設定処理とは決定した大当り図柄によって、大当り後の遊技状態(確変や開放延長の有無等)や大当り遊技にかかる情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)を取得する処理である。なお、2ラウンド確変大当り又は2ラウンド通常大当りの場合のオープニング時間およびエンディング時間は、特別図柄の保留記憶数に応じ異なった時間が設定される。以下、2ラウンド確変大当り及び2ラウンド通常大当りを総じて2ラウンド大当りとも言う。
S285において外れと判定された場合は、小当りか否かを判定する(S305)。ここで大当り決定用乱数が、301〜313のときに小当りとする。つまり小当り確率は約1/305である。肯定判断であれば、小当り図柄を決定し(S310)、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定する(S315)。小当り図柄の決定は、第1始動口11または第2始動口12に入球したときに取得される小当り図柄決定用乱数によって行なわれる。この乱数は0〜9の値をとり、大当り図柄決定用乱数を更新する際に更新される。小当りも外れのときは(S305:no)、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンを決定する(S320)。こうしてS315またはS320により変動パターンが設定されると、ハズレ設定処理を行なう(S325)。ハズレ設定処理では、時短回数または確変回数がプラスであれば、それぞれ−1する。
S300又はS325に続いては、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には通常大当り、確変大当り、ラウンド数、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、小当り、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に出力し(S330)、特別遊技処理を行なう。なお、S330の処理により演出図柄表示装置15では演出図柄の変動表示が開始されるが、ほぼ同時に特別図柄の変動も主制御装置80によって開始される。
図7のS205において特別図柄が変動中(S205:yes)と判定された場合には、図9のS340に移行し、図柄変動時間(S295、S315,又はS320の変動パターンに基づく)を経過したか否かを判定する。否定判断(S340:no)であれば特別遊技処理を行い、肯定判断であれば確定図柄表示処理(S345)を行なってから特別遊技処理を行う。確定図柄表示処理では、確定図柄を表示する旨のコマンド(図柄確定コマンド)をサブ統合制御装置83に出力するとともに、特別図柄表示装置9,10にコマンドを出力して確定図柄にて停止させる。
図7のS210において確定図柄を表示中と判定された場合には、図10のS350に移行し、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する。否定判定の場合(S350:no)は特別遊技処理を行う。肯定判定(S350:yes)の場合は、確定図柄の表示を終了し(S355)、確定表示された特別図柄が大当りになる図柄か否かを判定する(S360)。肯定判断された場合(S360:yes)は、確変フラグが1か否かを判定する(S365)。確変フラグが1であれば(S365:yes)、S370にて確変フラグを0にし、S375に移行する。確変フラグが1でなければ(S365:no)、そのままS375に移行する。S375では、時短フラグが1か否かを判定する。時短フラグが1であれば(S375:yes)、S380にて時短フラグを0にし、S385に移行する。時短フラグが1でなければ(S375:no)、そのままS385に移行する。
S385では大当り図柄が2ラウンド図柄か否かを判定する。2ラウンド図柄とは図柄11〜16のことである(図21も参照)。大当り図柄が2ラウンド図柄であれば(S385:yes)、S390にて入賞数規制解除フラグを1にし、S395に移行する。S385で大当り図柄が2ラウンド図柄でなければ(S385:no)、そのままS395に移行する。ここで入賞数規制解除フラグとは、その大当り図柄に対応する大当りにおいて、賞球の払出規制の解除を行なうことを示すフラグであり、1が解除、0が解除しないことを示す。つまり、S385,S390では、2ラウンド大当りの場合には払出規制の解除を行なう設定を行なっていることになる。払出規制とは、第1大入賞口14または第2大入賞口15の1回の開放において、前記規定数を超えた数の入球に対応する賞球を払い出さないことをいう。例えば、16ラウンド確変大当りの規定数は、図20に示したように10個であるので、第1大入賞口14が1回開放した際に11個以上入球しても、10個分の賞球、すなわち15個×10=150個しか払い出さない。図20に「規制解除」とあるのは、この払出規制を解除するか否かを示すもので、16ラウンド確変大当りは「規制解除」が「不作動」となっているので、払出規制の解除は行なわれず、1ラウンドあたり高々150個、16ラウンドで最大2400個払い出すことになる。この個数が図20に示した「最大獲得可能賞球数」である。2ラウンド大当りの最大獲得可能賞球数が「300個+α」となっているのは、払出規制が解除されることにより、規定数に基づく賞球300個に加え、賞球α個を期待することができるという意味である。また、小当りは払出規制の対象ではないため、規定数の10個を超える入賞に対しても賞球が払い出されるので、10個の入球に対する賞球数10×15=150個にαを加えた数が最大獲得可能賞球数となっている。
図10に戻る。S395では条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットする。続くS400にて役物連続作動装置を作動させ、S405にて大当り開始演出処理を行なう。大当り開始演出処理では、大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。大当り開始演出処理が終了すると、特別遊技処理を行なう。
S360で、確定表示させた特別図柄が大当りになる表示でないと判定された場合は、S410にて確変フラグが1か否かを判定し、1であれば(S410:yes)、確変回数が0か否かを判定する(S415)。確変回数が0であれば(S415:yes)、S420にて確変フラグを0にしてS425に進む。確変フラグが1でないとき(S410:no)又は確変回数が0ではないとき(S415:no)はそのままS425に移行する。
S425では、時短フラグが1か否かを判定し、1であれば(S425:yes)、時短回数が0か否かを判定する(S430)。時短回数が0であれば(S430:yes)、S435にて時短フラグを0にしてS440に進む。時短フラグが1でないとき(S425:no)又は時短回数が0ではないとき(S430:no)はそのままS440に移行する。
S440では、現在の遊技状態が確変中であるか否か、時短中であるか否か等の状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、続くS445では、確定表示させた特別図柄が小当りになる図柄か否かを判定する。小当りになる図柄であれば(S445:yes)、特別電動役物開始処理(S450)を行い、S455にて小当り開始演出処理を行なう。小当り開始演出処理では、小当り遊技を開始するコマンド及び小当り遊技に係る情報(小当りのオープニング時間、小当りのエンディング時間等)をサブ統合制御装置83に送信する。小当り開始演出処理が終了すると、特別遊技処理を実行する。S445で、小当りになる図柄でないと判定された場合は(S445:no)、そのまま特別遊技処理を実行する。
図11に示す特別遊技処理では、主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S500)。役物連続作動装置が作動中なら(S500:yes)、大入賞口14、15が開放中か否かを判断する(S505)。大入賞口14、15の開放中ではない場合は(S505:no)、ラウンド間のインターバル中により大入賞口14、15が閉鎖しているのか判断する(S510)。インターバル中でもない場合は(S510:no)、大当り終了演出中であるか判断する(S515)。これも否定判断の場合は(S515:no)、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過したか否かを判定する(S520)。大当り開始演出時間が経過した場合は(S520:yes)、大入賞口開放処理(S525)を行なって本処理を終了(リターン)する。
S505で大入賞口14、15が開放中であると判定された場合は、図12のS550に進み、大入賞口14、15に規定数(10個。図20も参照)入賞したか否かを判定する。なお、本実施例における規定数は10個だが、9個、8個でもよく、特に限定するものではない。大入賞口14、15に10個入賞していない場合(S550:no)にはS555に進み、大入賞口14、15の開放時間が終了したか否かを判定する。本実施例では、大当りの各ラウンドの最大開放時間は図20に示したように28秒に設定している。無論、この秒数に限定するものではない。開放時間が終了していない場合(S555:no)は特別遊技処理を終了する。開放時間が終了した場合(S555:yes)、又はS550にて大入賞口14、15に10個入賞したと判定された場合(S550:yes)にはS560に進み、大入賞口閉鎖処理を行う。そしてS565にて入賞数規制解除フラグが0か否かを判定し、0であれば入賞数規制フラグを1にして(S570)、大当りインターバル処理(S575)に移行する。入賞数規制解除フラグが0ではない場合(S565:no)は、そのままS575に合流する。
入賞数規制フラグは、第1大入賞口14または第2大入賞口15に対する入球に対して賞球を払い出すか否かを示すフラグであり、0が払い出す(規制する)こと、1が払い出さないことを示す。S565,S570では、入賞数規制解除フラグが0である大当り(払出規制を作動する大当り)に対し、大入賞口(ここでは第1大入賞口14)に遊技球が10個入球した(S550:yes)ことを受けて賞球を払い出さない設定を行なっている。なお、大入賞口14,15の開放時間が経過した場合(S555:yes)もS560を経てS565に到達するが、この場合は大入賞口14,15への入球数が10個に満たなかったことを意味するので、S565、S570の処理を行なっても、後の処理に何ら不都合は生じない。こうして入賞数規制フラグの設定(S570)または入賞数規制フラグの維持が行なわれると、大当りインターバル処理(S575)を行ない、特別遊技処理を終了する。
図11のS510でインターバル中であると判定された場合は、図13のS580に進み、大当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。インターバル時間が経過している場合(S580:yes)は、直前に大入賞口14、15が開いていたのが最終ラウンドか否かを判定する(S585)。最終ラウンドであれば(S585:yes)、大当り終了演出処理(S590)を行い、特別遊技処理を終了する。最終ラウンドでなければ(S585:no)、S595にて入賞数規制フラグが1か否かを判定し、1であれば入賞数規制フラグを0にし(S600)、再び大入賞口14、15を開放する処理(S605)を行い、特別遊技処理を終了する。これは、大当りインターバル中であることを受けて、次回の大入賞口(ここでは第1大入賞口14)の開放に備えて、一旦、賞球の払出を許可するものである。このため、最終ラウンドであった場合(S585:yes)には、入賞数規制フラグはそのままとなっている。入賞数規制フラグが1ではない場合(S595:no)は、大当りインターバル処理(S605)を行なって、特別遊技処理を終了する。なお、大当りインターバル時間が経過していないと判定された場合(S580:no)には、そのまま特別遊技処理を終了する。なお、大入賞口14、15を開放・閉鎖する処理においては、サブ統合制御装置83にも信号を送信する。サブ統合制御装置83は、その信号に基づいて、現在のラウンドを把握し、該ラウンドに応じた演出を行なう。
図11のS515で大当りの終了演出中であると判定された場合は、図14のS610に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。大当り終了演出時間が経過した場合には(S610:yes)、役物連続作動装置の作動を停止し(S615)、条件装置の作動を停止する(S620)。そして、S300で取得した次回の遊技状態で確変に移行するか否かを判定する(S625)。確変に移行する場合(S625:yes)は、確変回数を設定し(S630)、確変フラグを1に設定し(S635)、S640に移行する。確変フラグを1にすると本実施例では特別図柄の当選確率が向上する。確変に移行しない場合(S625:no)はそのままS640に移行する。
S640では、次回の遊技状態で時短に移行するか否かを判定する。時短に移行する場合(S640:yes)は、時短回数を設定し(S645)、時短フラグを1に設定し(S650)、S655に移行する。時短フラグを1にすると本実施例では特別図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の平均変動時間短縮、普通電動役物12の開放延長機能をセットし、時短回数カウンタの値をセットする。時短に移行しない場合(S640:no)はS655に直行する。S655では入賞数規制フラグが1か否かを判定し、1であれば(S655:yes)、S660にて入賞数規制フラグを0にし、S665に進む。1でなければ(S655:no)、そのままS665に進む。S665では入賞数規制解除フラグが1か否かを判定し、1であれば(S665:yes)、S660にて入賞数規制解除フラグを0にし、S675に進む。1でなければ(S665:no)、そのままS675に進む。S655〜S670の処理の目的は、大当りが終了したことを受けて、入賞数規制フラグおよび入賞数規制解除フラグを初期状態に戻すことにある。S675では大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、続くS680にて状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信して特別遊技処理を終了する。以上が特別遊技処理である。
図11で役物連続作動装置が作動していないと判定された場合(S500:no)には、図15に示す小当り遊技処理を実行する。本処理が起動すると、S700にて特別電動役物が作動中であるか判断し、作動中であれば(S700:yes)、大入賞口14が開放中か判断する(S705)。否定判断の場合(S705:no)は、小当り遊技間のインターバル中であるか判断する(S710)。小当り遊技間のインターバルではなく(S710:no)、小当り遊技の終了演出中でもない場合は(S715:no)、小当り遊技の開始演出に要する時間が経過するのを待ち(S720:yes)、大入賞口14を開放させ(S725)、本処理を終了する。なお、特別電動役物が作動していないか(S700:no)、または小当り開始演出に要する時間が経過していないと判定された場合(S720:no)には、そのまま本処理を終了する。
図15のS705で大入賞口14が開放中であると判定された場合は、図16のS750に進み、大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。大入賞口14に10個入賞していないと判定された場合(S750:no)はS755に進み、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。本実施例では、小当りの場合は各開放の最長時間は0.5秒に設定している。無論、この秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合(S755:yes)には、S760にて大入賞口閉鎖処理を行う。そして小当りインターバル処理(S765)を行なって、小当り遊技処理を終了する。
大入賞口14に10個入賞した場合(S750:yes)にはS760に直行し、また大入賞口14の開放時間が終了していない場合(S755:no)は小当り遊技処理を終了する。
図15のS710で小当りインターバル中であると判定された場合は、図16のS770に進み、小当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。小当りインターバル時間が経過している場合(S770:yes)にはS775にて大入賞口14が規定回数(ここでは2回)開放済みか又は10個入賞済みか否かを判定する。肯定判定の場合(S775:yes)は、小当り終了演出処理(S780)を行なって小当り遊技処理を終了する。否定判定の場合(S775:no)は、大入賞口開放処理(S785)により大入賞口14を0.5秒間、1回開放し、小当り遊技処理を終了する。つまり小当りでは、大入賞口14が基本的に0.5秒、2回開放されるが、1回の開放で10個以上の入賞があった場合は1回の開放のみで小当りが終了する。
図15のS715で小当り終了演出中であると判定された場合は、図16のS790に進み、小当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。小当り終了演出時間が経過したと判定された場合(S790:yes)は、S795にて特別電動役物の作動を停止させ、小当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信(S800)して小当り遊技処理を終了する。小当り終了演出時間が経過していないと判定された場合(S790:no)は、そのまま小当り遊技処理を終了する。
図5の賞球コマンド送信処理(S75)について図17を用いて説明する。当処理が起動されると、S900にて、第1始動口11において入賞があったかを第1始動口スイッチ11aの検出信号に基づいて判断する。肯定判断であれば(S900:yes)、賞球数指定コマンドAを払出制御装置81に送信(S905)してからS910に移行する。否定判断(S900:no)ならそのままS910に進む。ここで賞球数指定コマンドについて図22を用いて説明する。主制御装置80が賞球数指定コマンドAを払出制御装置81に送信すると、遊技者に3個の賞球が払い出される。賞球数指定コマンドBを払出制御装置81に送信した場合には、4個の賞球が払い出され、賞球数指定コマンドCを払出制御装置81に送信した場合には、10個の賞球が払い出され、賞球数指定コマンドDを払出制御装置81に送信した場合には、遊技者に15個の賞球が払い出される。つまりS905の処理により、遊技者に3個の賞球が払い出される。
図17に戻る。S910では第2始動口12において入賞があったかを第2始動口スイッチ12aの検出信号に基づいて判断する。肯定判断であれば(S910:yes)、賞球数指定コマンドBを払出制御装置81に送信(S915)してからS920に移行する。つまりS915の処理により、遊技者に4個の賞球が払い出される。否定判断(S910:no)ならそのままS920に進む。S920では第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33及び第4左入賞口34において入賞があったかを左入賞口スイッチ31aの検出信号に基づいて判断する。肯定判断であれば(S920:yes)、賞球数指定コマンドCを払出制御装置81に送信(S925)してから図18のS930に移行する。つまりS925の処理により、遊技者に10個の賞球が払い出される。否定判断(S920:no)ならそのままS930に進む。
S930では役物連続作動装置が作動中か否かを判定し、作動していれば(S930:yes)、入賞数規制フラグが0か否かを判定する(S935)。0でなければ(S935:no)、そのまま本処理を終了(リターン)する。入賞数規制フラグが0であれば(S935:yes)、第1大入賞口14において入賞があったかを第1カウントスイッチ14aの検出信号に基づいて判断する(S940)。肯定判断であれば(S940:yes)、賞球数指定コマンドDを払出制御装置81に送信(S945)してからS950に移行する。つまりS945の処理により、遊技者に15個の賞球が払い出される。否定判断(S940:no)ならそのままS950に進む。S950では、第2大入賞口15において入賞があったかを第2カウントスイッチ15aの検出信号に基づいて判断する。肯定判断であれば(S950:yes)、賞球数指定コマンドDを払出制御装置81に送信(S955)してから当処理を終了する。つまりS955の処理により、遊技者に15個の賞球が払い出される。否定判断(S950:no)ならそのまま当処理を終了する。なお、S930において役物連続作動装置が作動していないと判定されたときには、S960にて特別電動役物が作動中か否かを判定する。特別電動役物とは大入賞口14,15を開放するもので、役物連続作動装置は特別電動役物を連続して作動させるものであるから、役物連続作動装置が作動しておらず(S930:no)、特別電動役物が作動している(S960:yes)状態とは小当りが発生していることを指す。特別電動役物が作動中でなければ(S960:no)当処理を終了し、作動中であれば(S960:yes)S950に移行して第2大入賞口15における入賞の有無を判定する。なお、役物連続作動装置、特別電動役物のいずれも作動していない場合に大入賞口14,15に入球があった場合には、賞球を払い出さない構成になっている。これにより、不正に開放させた大入賞口14,15に遊技球を入球させても賞球は払い出されないようになっている。
当処理によれば、S935にて入賞数規制フラグが0とは、図12のS570が実行されなかったことを意味し、すなわち大入賞口14,15への入球に対して賞球の払出が許可されていることになるのでS945またはS955の処理により賞球を払い出す。一方、入賞数規制フラグが0ではない(入賞数規制フラグが1)とは、図12のS570が実行されたことになるので、大入賞口14,15への10個入球が検出されたか又は大入賞口14,15の開放時間が終了したという事態が発生したことになり、これらの事態以降に検出された大入賞口14,15への入球に関しては賞球を払い出さないことになる。なお、入賞数規制フラグが0であっても、大入賞口14,15以外の入賞口への入球に対しては賞球が払い出される。
以上のように構成された本発明によれば、大入賞口の開放回数が最も多い16ラウンド確変大当り、8ラウンド確変大当り、及び4ラウンド確変大当りにおいては、入賞数規制解除フラグが0にされるため、規定数を超える分の入球に対応する賞球については賞球数指定コマンドDが払出制御装置81に送信されない。その一方、2ラウンド確変大当り、及び2ラウンド通常大当りにおいては、入賞数規制解除フラグが1に設定される(S390)ので、規定数を超える分の入球に対応する賞球も払い出される。従って、このようなパチンコ機50においては、賞球数が比較的多い大当りについてはラウンド数に応じて画一的に賞球数が決まるものの、2ラウンド大当りにおいては、規定数に関わらず、より多くの遊技球を大入賞口に入れることにより、より多くの賞球を得られるという技術介入の余地を有したものとなる。この技術介入余地は、2ラウンド大当りを得た者のみに与えられるので、遊技者に技術介入の余地という特徴的な特典を付与することができる。
しかも2ラウンド大当りで用いる第2大入賞口15は遊技領域3の上部に配置されており、遊技領域3に打ち込まれて第2大入賞口15に向かう遊技球は、第1大入賞口14に向けて流下し、しかも遊技釘4によって転動方向が変更されやすい遊技球に比べて短時間で大入賞口に到達する。従って、遊技者が第2大入賞口15を狙うのは第1大入賞口14を狙うよりも容易であり、「大当りにおいて規定数を超える分の賞球を手にする」という技術介入をより容易に行なうことができる。
また、大入賞口の違いにより規制解除の作動・不作動を異ならせている(第1大入賞口14を用いて行なわれる大入賞口遊技では払出規制を解除せず、第2大入賞口15を用いて行なわれる大入賞口遊技では払出規制を解除する)ので、大当り遊技の制御が複雑化するのを抑えることができる。
ここで本実施例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。遊技釘4が本発明の「突起」に相当し、第1カウントスイッチ14aおよび第2カウントスイッチ15aが本発明の「入球数計数手段」に相当し、S550及びS560の処理が本発明の「ラウンド終了手段」に相当し、S565の処理を受けて行なうS570の処理が本発明の「払出信号規制手段」に相当し、S385の処理を受けて行なうS390の処理が本発明の「払出信号規制解除手段」に相当する。また、賞球数指定コマンドDが本発明の「払出信号」に相当し、大当り決定用乱数が本発明の「大当り判定乱数」に相当し、大当り図柄決定用乱数が本発明の「大当り種類決定用乱数」に相当し、16ラウンド確変大当りが本発明の「最多開放数大入賞口遊技」に相当し、2ラウンド確変大当り、2ラウンド通常大当り、及び小当りが本発明の「規制解除大入賞口遊技」に相当する。
[実施例2]
本発明の第2実施例について図23を用いて説明する。なお、本実施例は第1実施例と共通点が多いため、異なる点のみを重点的に説明する。図23は第2実施例の当否判定処理の一部を示すフローチャートであり、第1実施例の図10に対応するものである。図10の処理との違いは、第1実施例では、時短フラグが1であろうと(S375:yes)、0であろうと(S375:no)、大当りが2ラウンド大当りであった場合(図10のS385:yes)には、入賞数規制解除フラグを1にしていた(図10のS390)ものを、時短フラグが1ではない場合に限り、2ラウンド大当り(S985:yes)に対して入賞数規制解除フラグを1にする(S990)処理となっている点である。
このように構成すると、同じ2ラウンド大当りであっても、開放延長機能が作動していない場合のみ、規定数を超える分の賞球が払い出される。このため、開放延長がない状態において2ラウンド大当りという比較的賞球が少ない大当りを発生させた遊技者に対して、「規定数を超える分の賞球を得られる可能性がある」という遊技特典・技術介入の余地を付与することができる。
[他の実施例]
前記いずれの実施例においても、大入賞口が第1大入賞口14,第2大入賞口15の2体備えたものであったが、どちらか一方のみを備えたものに適用しても構わない。また、第1実施例では、ラウンド数が最も少ない2ラウンド大当りでは規定数を超える分の賞球を狙うという技術介入の余地を遊技者に付与し、第2実施例では開放延長が作動していない状態においてのみ、2ラウンド大当りで規定数を超える分の賞球を狙う技術介入余地を遊技者に付与したが、遊技状態が同じであるにも関わらず、2ラウンド大当りにおいて、この技術介入余地が付与される場合と付与されない場合がある構成としてもよい。この一例を図24、図25に示す。まず図24に示すように、この態様では2ラウンド確変大当りが2種類あり、その一方の2ラウンド確変大当りAにおいては「規制解除」が作動し、他方の2ラウンド確変大当りBにおいては「規制解除」が作動しない。2ラウンド確変大当りAには図25に示すように図柄11と図柄12が割り当てられ、その振分率は大当り全体に対して10/100となっている。2ラウンド確変大当りBには図柄13が割り当てられ、その振分率は大当り全体に対して5/100となっている。つまり、2ラウンド確変大当りを引いた場合、10/(10+5)=約67%の確率で「規制解除」が作動し、約33%の確率で「規制解除」が作動しない構成となっている。
また、規制解除が行なわれている大入賞口遊技やラウンドでは、その旨を演出図柄表示装置6などにおいて遊技者に報知するように構成してもよい。このように規制解除報知手段を設けると、技術介入のチャンスであることを遊技者が知ることができる。また、規制解除が行なわれていない大入賞口遊技において、規制が行なわれている旨を報知する構成としてもよい。このように規制報知手段を設けると、規定数を超える数の遊技球を大入賞口に入球させることに成功した遊技者が、故障と勘違いするのを防止することができる。特に、こうした報知手段を、前述した一つの大当り内にて払出規制を解除するラウンドと解除しないラウンドが混在する構成を採用した場合には、遊技者と遊技場とでトラブルが発生するのを防止する効果がある。
2ラウンド通常大当りも同様に2種類あり、2ラウンド通常大当りAにおいては「規制解除」が作動し、2ラウンド通常大当りBにおいては「規制解除」が作動しない。2ラウンド通常大当りAには図25に示すように図柄14と図柄15が割り当てられ、2ラウンド通常大当りBには図柄16が割り当てられ、2ラウンド通常大当りを引いた場合、80%の確率で「規制解除」が作動し、20%の確率で「規制解除」が作動しない構成となっている。
このように構成すると、2ラウンド大当りを得ただけでは技術介入が可能か否かが分からないという遊技興趣を持った遊技機とすることができる。
前記何れの実施例においても、各大当りにおいて規制解除が作動する場合には、その大当りの全てのラウンドにおいて規制解除が作動し、規制解除が作動しない場合には、その大当りの全てのラウンドにおいて規制解除が作動しない構成であったが、一部のラウンドのみ規制解除が作動するように構成してもよい。この構成では、1つの大当り内において、技術介入が可能なラウンドと不可能なラウンドが存在することになる。この態様において、規制解除を行なうラウンドは、大当り図柄によって決定される構成としてもよいし、大当り図柄決定用乱数以外の乱数を用いてランダムに設定する構成としてもよい。特に、大当りごとに規制解除が作動するラウンドの数が異なるように設定(例えば、4ラウンド確変大当たりにおいては4ラウンド中1ラウンドのみ規制解除が作動、2ラウンド確変大当たりにおいては2ラウンド中1ラウンドのみ規制解除が作動、2ラウンド通常大当たりにおいては2ラウンドとも規制解除が作動)しておけば、大当りごとに技術介入を行なえる度合いが異なることになり、図20や図24におけるαの値が大当りごとに異なる設定とすることができる。なお、2ラウンド確変大当りと2ラウンド通常大当りを潜伏演出に用いる場合には、このように両者で技術介入の余地に差を設けない方が適している。逆に、払い出される賞球数を手がかりに、発生した2ラウンド大当り(規制解除大入賞口遊技)が確変・通常のいずれであるかを判定できるように構成してもよい。例えば、2ラウンド確変大当りなら2ラウンドとも規制解除が作動し、2ラウンド通常大当りなら第2ラウンドのみ規制解除が作動する構成とすることが考えられる。この場合、規定数を超える同数の遊技球を、第2大入賞口15に入球した場合、より多くの賞球を得られる大入賞口遊技が2ラウンド確変大当りとなる。もちろん、これとは逆に、2ラウンド通常大当りを規制解除の度合いが大きい遊技としてもよい。
前記実施例では、小当りに対しては規制解除を作動する構成としたが、小当りにおいても規制解除を作動しないように構成し直してもよい。また、第1始動口11への入球を起因として発生した大入賞口遊技(大入賞口遊技Aという)と、第2始動口12への入球を起因として発生した大入賞口遊技(大入賞口遊技Bという)とで、払出規制の解除・不解除を異ならせてもよい。例えば、大入賞口遊技Aのみ払出規制の解除を行なうようにしたり、払出規制の解除が行なわれる大入賞口遊技が多い設定とすることが考えられる。一般に、大入賞口遊技Bは大入賞口遊技Aよりも遊技者に有利な内容になっていることが多いので、こうすることにより、不利な側の大入賞口遊技を得た遊技者に、規定数を超える分の入賞を狙う(又は狙うチャンスが多い)遊技を付与することが可能となる。この逆に、大入賞口遊技Bのみ払出規制の解除を行なうようにしたり、払出規制の解除が行なわれる大入賞口遊技が多い設定とすることも考えられる。こうすることにより、大入賞口遊技Aと大入賞口遊技Bの差を一層きわだたせることとなり、メリハリのある遊技性を遊技機に付与することができる。
前記実施例では、賞球コマンド送信処理(図17,18)にて、払出規制を解除するか否かを判定していたが、これ以外の段階(例えば入賞確認処理(図5のS50))で、行なってもよい。入賞確認処理で行なう構成とした場合には、払出規制を行なう際に規定数を超えた分の大入賞口14への入賞は、入賞を検知してもこれを無視することが考えられる。また、前記実施例では、こうした規定数を超えているか否かの判断や、入賞数規制解除フラグや入賞数規制フラグの設定を主制御装置80が行なっていたが、これら(或いはこれらの中の一部)の判断を他の構成(例えば払出制御装置81)が行なうように構成し直してもよい。