JP5551678B2 - カバーレイフィルム及びそれを用いた銅張り積層板 - Google Patents

カバーレイフィルム及びそれを用いた銅張り積層板 Download PDF

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Description

本発明は、主にフレキシブルプリント配線板に用いられるカバーレイフィルム及び銅張り積層板に関する。
ポリイミドフィルムは、高耐熱性、高強度など電子材料に要求される特性を数多く備えており、フレキシブルプリント配線板(以下、「FPC」とも略される。)分野において多く用いられている。ところでFPC分野の中でも、例えば、高い意匠性が要求されるコスメティック用途では、FPC自体に透過性のあるものを用いて、効率的に光を透過させたいという要求がある。具体的には、携帯電話に透明なFPCを使用する場合等が挙げられる。しかしながら、ポリイミド(PI)を用いたフィルムは、フィルム自体が黄色であり、上述の要求を満たすことが難しかった。
上述の要求特性を満たすために、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムやポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム等の無色透明なフィルムを用いたものが開発されている。例えば、特許文献1には、PETやPENをプラスチックフィルムとして用いた形成されたフレキシブル基板が開示されている。
特開平5−259591号公報
しかしながら、PETやPENを用いたフィルムはPIに比べて耐熱性や強度に劣るため、製造工程における高温乾燥や半田リフロー処理等で熱による変形が起こり、不具合が発生する場合がある。さらに、PETフィルムを用いた場合は、オリゴマー成分のブリードアウトによる白濁が発生し、透明性が損なわれることがある。
上記事情に鑑み、本発明は、優れた透明性及び耐熱性を有し、且つ、高温環境下におけるオリゴマー成分のブリードアウトによる白濁が顕著に抑制されたカバーレイフィルム及びそれを用いた銅張り積層板を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、カバーレイフィルムに含まれる透明性フィルム上に、ハードコード層を設けることにより上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下のとおりである。
[1]
第1の面と第2の面とを有する透明性フィルム層と、ハードコート層と、接着剤層と、を含むカバーレイフィルムであって、
前記透明性フィルム層の前記第1の面に前記ハードコート層が積層され、前記透明性フィルム層の前記第2の面に前記接着剤層が積層されており、全光線透過率が85%以上である、カバーレイフィルム。
[2]
前記透明性フィルム層は、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、及びポリカーボネート樹脂からなる群から選択されるいずれか1種以上の樹脂を含む、上記[1]記載のカバーレイフィルム。
[3]
前記透明性フィルム層の厚さが10〜200μmである、上記[1]又は[2]記載のカバーレイフィルム。
[4]
前記ハードコート層は、アクリレート系の感光性化合物からなる群から選択されるいずれか1種以上の主剤を含む樹脂組成物からなる、上記[1]〜[3]のいずれか記載のカバーレイフィルム。
[5]
前記ハードコート層の厚さが0.5〜5μmである、上記[1]〜[4]のいずれか記載のカバーレイフィルム。
[6]
前記ハードコート層のガラス転移温度が前記透明性フィルム層のガラス転移温度よりも高い、上記[1]〜[5]のいずれか記載のカバーレイフィルム。
[7]
前記ハードコート層のガラス転移温度が200〜400℃であり、前記透明性フィルム層のガラス転移温度が50〜180℃である、上記[1]〜[6]のいずれか記載のカバーレイフィルム。
[8]
前記接着剤層は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂からなる群から選択されるいずれか1種以上の樹脂を含む、上記[1]〜[7]のいずれか記載のカバーレイフィルム。
[9]
前記接着剤層の厚さが10〜50μmである、上記[1]〜[8]のいずれか記載のカバーレイフィルム。
[10]
前記接着剤層の100℃〜160℃の範囲における溶融粘度が100〜100,000poiseである、上記[1]〜[9]のいずれか記載のカバーレイフィルム。
[11]
上記[1]〜[9]のいずれか記載の前記カバーレイフィルムに含まれる前記接着剤層において、前記透明性フィルム層が積層された面とは反対側の面に銅箔層が更に積層された、銅張り積層板。
[12]
前記接着剤層の100℃〜160℃の範囲における溶融粘度が10,000poise以上である、上記[11]記載の銅張り積層板。
[13]
上記[1]〜[10]のいずれか記載の前記カバーレイフィルムと、上記[11]又は[12]のいずれか記載の前記銅張り積層板とを含むフレキシブルプリント配線板であって、
前記銅張り積層板に含まれる銅箔層に回路を形成した後、前記カバーレイフィルムの接着剤層を、前記銅張り積層板の回路形成面に貼着させることにより得られる、フレキシブルプリント配線板。
[14]
前記カバーレイフィルムに含まれる接着剤と、前記銅張り積層板に含まれる接着剤との屈折率の差が0〜0.1である、上記[13]記載のフレキシブルプリント配線板。
本発明により、優れた透明性及び耐熱性を有し、且つ、高温環境下におけるオリゴマー成分のブリードアウトによる白濁が顕著に抑制されたカバーレイフィルム及びそれを用いた銅張り積層板を提供することができる。
本実施形態におけるカバーレイフィルムの断面図の一例を示す。 本実施形態における銅張り積層板の断面図の一例を示す。 本実施形態におけるフレキシブルプリント配線板の断面図の一例を示す。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に記載する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[カバーレイフィルム]
本実施形態におけるカバーレイフィルムは、
第1の面と第2の面とを有する透明性フィルム層と、ハードコート層と、接着剤層と、を含むカバーレイフィルムであって、
前記透明性フィルム層の前記第1の面に前記ハードコート層が積層され、前記透明性フィルム層の前記第2の面に前記接着剤層が積層されており、全光線透過率が85%以上である。
図1に示すように、本実施形態におけるカバーレイフィルム10は、透明性フィルム層2の一方の面にハードコート層1が積層され、他方の面に接着剤層3が積層された構造を有する。本実施形態におけるカバーレイフィルムは、カバーレイフィルム全体の全光線透過率が85%以上に設定されており、優れた透明性を有するため、主に高度な意匠性が要求されるスケルトン(透明)電子機器・デバイス等に用いられるFPCの部材として好適に用いることができる。本実施形態におけるカバーレイフィルムの全光線透過率は、好ましくは86%以上、より好ましくは88%以上である。なお、カバーレイフィルムがセパレートフィルムを備える場合、全光線透過率の測定は、セパレートフィルムを剥がした状態のカバーレイフィルムについて行う。以下、各層について説明する。
[透明性フィルム層]
透明性フィルム層は、カバーレイフィルムをフレキシブルプリント配線板の部材として用いた場合、配線板上に形成された回路等を保護するための役割を有する。透明性フィルム層を構成する樹脂としては、透明な樹脂であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、及びポリカーボネート樹脂からなる群から選択されるいずれか1種以上の樹脂が挙げられる。上記の中でも、コスト面、透明性の観点から、PETが好ましい。
透明性フィルム層の厚さは、好ましくは10〜200μm、より好ましくは25〜100μmである。透明性フィルム層の厚さが10μm以上であると、回路等の保護効果が良好となる傾向にあり、200μm以下であると、透明性が向上し、折り曲げ性も良好となる傾向にある。
[ハードコート層]
本実施形態におけるカバーレイフィルムは、透明性フィルム層上にハードコート層を設けることで、透明性フィルム層に加わる熱的及び機械的な影響を最小限に抑えることができる。その結果、カバーレイフィルムの耐熱性が向上し、加熱変形開始温度を上げることができる。また、製造工程中の高温環境下における寸法変化を抑制することができる。具体的には、透明性フィルムの一つであるPETフィルムは100℃を超えると縦方向(MD)に大きく収縮する性質があるが、ハードコート層を設けることにより、それを軽減することができる。
また、ハードコート層を設けることにより透明性フィルム層に含まれるオリゴマーのブリードアウトを抑制することできる。通常、PETフィルムは100℃以上の高温環境下に放置しておくと白濁を生じるが、ハードコート層がそれを物理的にブロックして抑制することができる。
さらに、ハードコート層を設けることによりカバーレイフィルムの耐傷性を向上させることができる。通常、PETフィルムは鉛筆硬度で2B程度であるが、ハードコート層を設けることでHBまで硬度が向上する。これにより、銅箔エッチングやCLプレス等のFPC加工工程で発生しやすい傷を抑制することができる。
上述したように、本実施形態におけるカバーレイフィルムは、透明性フィルム層上にハードコート層を設けることにより、優れた耐熱性が付与されることに加えて、高温環境下におけるオリゴマーのブリードアウトを抑制し、更には耐傷性をも向上させることができるため、透明性や意匠性にも極めて優れている。
ハードコート層は、アクリレート系の感光性化合物からなる群から選択されるいずれか1種以上の主剤を含む樹脂組成物からなる。
アクリレート系の感光性化合物としては、例えば、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエリレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。アクリレート系の感光性化合物としては、良好なUV感度が得られる点で、重量平均分子量が好ましくは150〜3000、更に好ましくは150〜2000であり、更に官能基として(メタ)アクリル基を2つ以上有することが好ましく、4つ以上有することがより好ましい。
ハードコート層は、上記主剤に加えて、重合開始剤、その他の添加剤等が配合された樹脂組成物から形成される。重合開始剤は、主に、光ラジカル重合開始剤と、熱によりラジカルが発生する熱ラジカル系重合開始剤とに分けることができる。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、トリアジン系、ベンゾイン系、アセトフェノン系、イミダゾール系、キサントン系又はオキシムエステル系などの化合物を使用することができる。具体例としては、2,4−ビストリクロロメチル−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2−p−メトキシスチリル−4,6−ビストリクロロメチル−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−4−メチルナフチル−6−トリアジン、ベンゾフェノン、p−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンノ、2,2−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ドデシルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,2−ビス−2−クロロフェニル−4,5,4,5−テトラフェニル−2−1,2−ビイミダゾール、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社のIrgacure369、Irgacur651、Irgacure907、Darocur TPO、Irgacure819、OXE−01、OXE−02、(株)アデカ社のN−1919、NCI−831などが挙げられる。これらの化合物は、単独または2種以上を併用することができる。
熱ラジカル系重合開始剤としては、ジアゾ系化合物、パーオキサイド系化合物を使用することができる。具体例としては、東京化成工業社製アゾビスイソブチロニトリル、日本油脂社製ナイパーBWなどが挙げられる。これらの化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
その他の添加剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系、リン系、イオウ系等の酸化防止剤;耐光安定剤、耐候安定剤、熱安定剤等の安定剤;トリス(ジブロモプロピル)ホスフェート、トリアリルホスフェート、酸化アンチモン等の難燃剤;アニオン系、カチオン系、ノニオン系の界面活性剤;帯電防止剤;有機フィラー、無機フィラー等の樹脂改質剤;有機充填剤;無機充填剤;可塑剤;滑剤等の各種公知の添加剤を用いることができる。添加剤の配合量は、発明の効果を損なわない範囲で、目的に応じて適宜調整することができる。
ハードコート層の厚さは、好ましくは0.5〜5μm、より好ましくは0.8〜2μmである。ハードコート層の厚さが0.5μm以上であると耐熱性の効果がより良好となる傾向にあり、5μm以下であると折り曲げ性が良好となる傾向にある。
ハードコート層のガラス転移温度は、透明性フィルム層のガラス転移温度よりも高いことが好ましい。ハードコート層のガラス転移温度は、好ましくは200〜400℃であり、より好ましくは250〜350℃であり、更に好ましくは300〜350℃である。ハードコート層のガラス転移温度が200℃以上であると、耐熱性の効果がより良好となる傾向にある。また、ハードコート層のガラス転移温度が250℃以上であると、はりつきを抑制することができるため、取り扱い性が向上する傾向にある。一方、透明性フィルム層のガラス転移温度は、好ましくは50〜180℃であり、より好ましくは80〜160℃であり、更に好ましくは80〜110℃である。
[接着剤層]
接着剤層は、透明性フィルム層と回路等の被着体とを接着させるための層である。接着剤層を構成する樹脂としては、透明性を有していれば特に限定されず、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂からなる群から選択される1種以上の樹脂が挙げられる。上記の中でも、透明性の観点から、アクリル系樹脂やポリエステル系樹脂が好ましい。
アクリル系樹脂とは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルや(メタ)アクリル酸を重合することにより得られる重合体を示す。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メチル)アクリレート等が挙げられる。
ウレタン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとを重合反応させることによって得られる溶剤可溶性のウレタン樹脂等を挙げることができる。ポリエステルポリオールとしては、特に限定されず、多塩基酸と多価アルコールとをエステル化反応させることにより得られるものが挙げられ、例えば、1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物を用いることができる。
ポリエステルポリオールの製造出発物質である多塩基酸としては、特に限定されず、例えば1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する多価カルボン酸が挙げられる。多価カルボン酸としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族二塩基酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族多塩基酸;及び、ブタントリカルボン酸、トリカルバリル酸、クエン酸等の脂肪族多塩基酸が挙げられる。本実施形態においては、多塩基酸として脂肪族二塩基酸のみを用いてもよいが、脂肪族二塩基酸を主成分とし、これに小割合の芳香族多塩基酸若しくは脂肪族多塩基酸を配合したものを用いてもよい。またこれらの二塩基酸若しくは多塩基酸は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステルポリオールの製造出発物質である多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール若しくは3価以上の多価アルコールなど、1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物を用いることができる。2価のアルコールとしては、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール等が挙げられ、3価以上の多価アルコールとしては、具体的には、脂肪族グリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。本実施形態においては、多価アルコールとして2価のアルコールのみが用いられてもよいし、2価のアルコール、例えば脂肪族グリコールを主成分とし、これに小割合の多価アルコールを配合して用いてもよく、特に、脂肪族グリコールを主成分とするものが好ましい。これらの2価のアルコール若しくは多価アルコールは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。さらにポリエステルポリオールとして、カプロラクトンの開環反応によって得られるポリエステルポリオール化合物を用いてもよい。
他方、上記ポリエステルポリオールと反応させるポリイソシアネート化合物は、1分子中に遊離のイソシアネート基を2個以上有する化合物であり、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートおよびトリメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)およびシクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート;キシレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートおよびビフェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記ポリエステルポリオールとポリイソシアネート化合物との反応においては、通常のウレタン化反応の反応条件を広く適用することができる。
ポリエステル系樹脂としては、特に限定されず、カルボン酸(ジカルボン酸)とポリアルコール(ジオール)とを重縮合することにより得られるものが挙げられる。ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、水添ダイマー酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、ダイマー酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸及びその無水物、テトラヒドロフタル酸及びその無水物等が挙げられる。また、必要に応じて塗膜の耐水性を損なわない範囲で、少量の5‐ナトリウムスルホイソフタル酸や5‐ヒドロキシイソフタル酸等も酸成分として用いることができる。中でも、テレフタル酸が特に好ましく、3官能以上の多塩基酸が含まれていてもよい。ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2‐プロパンジオール、1,3‐プロパンジオール、1,4‐ブタンジオール、2‐メチル-1,3‐プロパンジオール、1,5‐ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6‐ヘキサンジオール、3‐メチル‐1,5‐ペンタンジオール、1,9-ノナンジオール、2-エチル‐2‐ブチルプロパンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等が挙げられ、3官能以上の多価アルコールが含まれていてもよい。
また、ポリエステル系樹脂には、必要に応じて、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の脂肪酸やそのエステル形成性誘導体、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、シクロヘキサン酸、4−ヒドロキシフェニルステアリン酸等の高沸点のモノカルボン酸、ステアリルアルコール、2−フェノキシエタノール等の高沸点のモノアルコール、ε-カプロラクトン、乳酸、β-ヒドロキシ酪酸、p-ヒドロキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸やそのエステル形成性誘導体が共重合により含まれていてもよい。
上述した樹脂の製造方法としては、特に限定されず、従来公知の方法により製造することができる。
接着剤層は、上記樹脂に加えて、硬化剤、硬化促進剤、その他の添加剤等が配合された樹脂組成物から構成されていてもよい。硬化剤及び硬化促進剤としては、特に限定されるものではなく、各種公知のものを適宜選択して用いることができる。
硬化剤としては、特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、イソシアネート系硬化剤、イミダゾール系硬化剤が挙げられる。硬化剤の配合量は、接着剤層を構成する樹脂100質量部に対して、好ましくは0.5〜200質量部、より好ましくは5〜80質量部である。
エポキシ樹脂としては、特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェールS型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;ナフタレン環含有エポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
イソシアネート系硬化剤としては、特に限定されず、例えば、TDI−TMP(トリレンジイソシアネート−トリメチルプロパンアダクト)、HMDI−ビューレットタイプ、HMDI−イソシアヌレート、HMDI−TMPアダクト(ヘキサメチレンジイソシアネート−トリメチルプロパンアダクト)、XDI−TMPアダクト(キシリレンジイソシアネート−トリメチルプロパンアダクト)等のイソシアネート系化合物が挙げられる。
イミダゾール系硬化剤としては、特に限定されず、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物が挙げられる。
その他の添加剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系、リン系、イオウ系等の酸化防止剤;耐光安定剤、耐候安定剤、熱安定剤等の安定剤;トリス(ジブロモプロピル)ホスフェート、トリアリルホスフェート、酸化アンチモン等の難燃剤;アニオン系、カチオン系、ノニオン系の界面活性剤;帯電防止剤;有機フィラー、無機フィラー等の樹脂改質剤;有機充填剤;無機充填剤;可塑剤;滑剤等の各種公知の添加剤を用いることができる。添加剤の配合量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、目的に応じて適宜調整することができる。
カバーレイフィルムに含まれる接着剤層の厚さは、好ましくは10〜50μm、より好ましくは15〜30μmである。接着剤層の厚さが10μm以上であると、透明性フィルム層と被着体との間の接着性が良好となる傾向にあり、50μm以下であると、折り曲げ性が良好となる傾向にある。
[セパレートフィルム層]
本実施形態におけるカバーレイフィルムに含まれる接着剤層には、透明性フィルム層が積層された面とは反対側の面にセパレートフィルム層が更に積層されていてもよい。セパレートフィルム層を有するカバーレイフィルムを使用する際には、このセパレートフィルム層を剥離した後、接着剤層面を被着体に貼付する。セパレートフィルム層を形成する樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、及びポリブチレンテレフタレート樹脂からなる群から選択される1種以上の樹脂が挙げられ、中でも、製造コストを低減する観点から、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、及びポリエチレンテレフタレート樹脂からなる群から選択される1種以上の樹脂が好ましい。本実施形態における全光線透過率は、セパレートフィルム層を除くカバーレイフィルム全体の全光線透過率を示す。
セパレートフィルム層の厚さは、好ましくは12〜150μm、より好ましくは25〜75μmである。セパレートフィルム層の厚さが12μm以上であると、セパレーターフィルムを容易に剥がすことができる傾向にあり、150μm以下であると、透明性フィルム層との密着性が安定する傾向にある。
セパレートフィルム層には、接着剤層が積層された面に離型処理が施されていてもよい。セパレートフィルム層に離型処理が施されていることにより、セパレートフィルムを透明性フィルムから容易に剥離することが可能になるため、カバーレイフィルムの取扱い性が向上する。離型処理としては、特に限定されず、例えば、シリコーン系離型剤、フッ素系離型剤、長鎖アルキルグラフトポリマー系離型剤等の離型剤や、プラズマ処理により表面処理する方法等を用いることができる。
[銅張り積層板]
次に、本実施形態における銅張り積層板について説明する。
本実施形態における銅張り積層板は、上述したカバーレイフィルムに含まれる前記接着剤層において、前記透明性フィルム層が積層された面とは反対側の面に銅箔層が更に積層されたものである。図2に示すように、本実施形態における銅張り積層板20は、透明性フィルム層2の一方の面にハードコート層1が積層され、他方の面に接着剤層3’が積層されており、更に接着剤層3’の外側に回路を形成するための銅箔層4が積層された構造を有する。
銅張り積層板は、回路を形成するための銅箔層が更に設けられていること以外は、カバーレイフィルムと同一の構造を有するが、接着剤層の硬化状態がカバーレイフィルムとは異なる。具体的には、カバーレイフィルムに含まれる接着剤層の硬化状態はBステージであるのに対して、銅張り積層板に含まれる接着剤層の硬化状態はCステージである。カバーレイフィルムは、後述するように、回路を形成した銅張り積層板に貼り合わせた後、接着剤層をCステージまで更に硬化させる。ここで、Bステージとは、100℃〜160℃の範囲における溶融粘度が、100〜100,000poiseであり、好ましくは1,000〜50,000poise、より好ましくは1,000〜40,000poiseであることを示し、Cステージとは、100℃〜160℃の範囲における溶融粘度が、10,000poise以上であり、好ましくは50,000以上であり、より好ましくは100,000poise以上であることを示す。また、Bステージとは100℃以上の加熱及び0.5MPa以上の加圧をした際に接着剤(層)が溶融し、回路間を埋めることができる状態をいうのに対して、Cステージとは、100℃以上の加熱及び0.5MPa以上の加圧をした場合でも接着剤(層)が溶融しない程度に硬化している状態をいう。なお、Bステージと、Cステージは明確に区別することはできず、その一部が重複する。
銅張り積層板に含まれる接着剤層の厚さは、好ましくは5〜50μm、より好ましくは10〜25μmである。接着剤層の厚さが5μm以上であると、透明性フィルム層と被着体との間の接着性が良好となる傾向にあり、50μm以下であると、折り曲げ性が良好となる傾向にある。
銅張り積層板の銅箔層を除いた(銅箔層を酸でエッチングした後の)全体の全光線透過率は、好ましくは80%以上であり、より好ましくは85%以上であり、更に好ましくは88以上%である。
[フレキシブルプリント配線板]
本実施形態におけるフレキシブルプリント配線板は、上述したカバーレイフィルムと、銅張り積層板を含み、銅張り積層板に含まれる銅箔層に回路を形成した後、カバーレイフィルムの接着剤層を、銅張り積層板の回路形成面に貼着させることにより得られる。
図3で示すように、本実施形態におけるフレキシブルプリント配線板30は、銅箔層4により形成された回路が、接着剤層3及び3’を介して、両側から透明性フィルム層1及びハードコート層2を含む積層体によって挟まれた構造を有する。
本実施形態におけるフレキシブルプリント配線板においては、カバーレイフィルムに含まれる接着剤層と、銅張り積層板に含まれる接着剤層との屈折率の差が、好ましくは0〜0.1であり、より好ましくは0〜0.05である。屈折率の差が上記範囲であると、フレキシブルプリント配線板の透明性がより一層向上する傾向にある。
フレキシブルプリント配線板の回路部を除く全体の全光線透過率は、好ましくは85%以上であり、より好ましくは88%以上である。
本実施形態におけるカバーレイフィルム、銅張り積層板、及びフレキシブルプリント配線板は、その目的に応じて、上述した各層以外にも適宜その他の層が含まれていてもよい。
[製造方法]
本実施形態におけるカバーレイフィルムの製造方法としては、特に限定されず、例えば以下の(a)及び(b)工程を有する方法により製造することができる。
(a)透明性フィルム層を構成するフィルムの片面にハードコート層を形成する樹脂組成物のワニスを塗布し、乾燥及びUV硬化させる工程、
(b)透明性フィルム層においてハードコート層が設けられた面とは反対側の面に、接着剤層を形成する樹脂組成物のワニスを塗布し、Bステージまで乾燥させる工程。
カバーレイフィルムがセパレートフィルム層を含む場合は、例えば、以下の(c)工程を更に含む。
(c)上記(b)工程で得られた積層フィルムの接着剤層が設けられた面に、セパレートフィルムを対向させて貼り合わせる工程。
本実施形態における銅張り積層板の製造方法としては、例えば、上記(a)及び(b)工程に加えて、以下の(d)工程を更に行う。
(d)上記(b)工程で得られた積層フィルムの接着剤層が設けられた面に、銅箔をラミネートした後、接着剤層をCステージまで乾燥させる工程。
本実施形態におけるフレキシブルプリント配線板は、例えば、上記で得られたカバーレイフィルムと、銅張り積層板を用いて、以下の(e)工程により製造することができる。
(e)銅張り積層板に含まれる銅箔層に回路を形成した後、カバーレイフィルムの接着剤層を、銅張り積層板の回路形成面に貼着させる工程。
上記ワニスに用いられる溶剤としては、例えば、アセトン、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
ワニスを塗布する方法としては、塗布厚さに応じて、コンマコーター、ダイコーター、グラビアコーターなどを適宜採用することができる。
ワニスの乾燥は、インラインドライヤー等により実施することができ、その際の乾燥条件は、樹脂や硬化剤の種類及び量等により適宜調整することができる。
UV硬化は、例えば、高圧水銀ランプ等の一般的なUV照射器によって硬化を行う。UV照射量は、樹脂組成物に含まれる感光性化合物及び重合開始剤の種類、量によって適宜調整することができる。
フィルム同士を貼り合わせる方法としては、プレスによる方法、熱ロールを使用したラミネート方法等を用いることができる。貼り合わせ条件は、例えば、温度40〜120℃、圧力0.1〜3MPaの範囲で行うことができる。
本明細書中の各物性の測定及び評価は、特に明記しない限り、以下の実施例に記載された方法に準じて行うことができる。
以下、本発明を実施例及び比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例及び比較例において、各物性の測定及び評価は以下の方法により行った。
(1)厚さ
JIS B 7502に規定されたマイクロメータにより測定した。
(2)ガラス転移温度
レオメトリック・サイエンティフィック社製の動的粘弾性測定装置RSAIIを用いて、10℃/分で昇温させたときの動的粘弾性を測定し、tanδの極大値からTgを求めた。
(3)溶融粘度
株式会社ユービーエム社製のRheosol−G3000を用いて、試料を10℃/分で昇温させ、100℃〜160℃の範囲における動的粘性率を測定した。ここで動的粘性率は、試料に回転方向のせん断振動歪みを加えた際の粘度を示す。また、実施例等で示した溶融粘度は130℃における動的粘性率である。
(4)耐熱性(加熱変形温度)
日本パルス技術研究所社製リフローはんだ付け装置RF−630を用いて試験を行った。サンプルとしては、フレキシブルプリント配線板を5cm角に切り取ったものを用いて、これをリフロー装置に投入し、遠赤外線下で所定の温度で1分間曝した後、配線板のソリ具合から判定を行った。
具体的には、リフローの温度を100℃としたときのサンプルのソリ具合を判定し、その後110℃におけるサンプルのソリ具合を判定した、以後、10℃ずつ昇温したときのそれぞれのサンプルのソリ具合について判定を行った。判定方法は、処理後のサンプルを平らなテーブルに平置きし、端部のウキがテーブルから5mm以上になったときのリフローの温度を耐熱性(加熱変形温度)とした。
(5)透明性(全光線透過率)
JIS Z 8722に準拠して全光線透過率を測定した。測定機器としては、日立社製分光光度計U−4100を用いた。
(6)耐傷性(鉛筆硬度)
耐傷性は、鉛筆硬度試験、JIS K5600に準拠して評価を行った。耐傷性の評価は、実施例においてはハードコート層の表面、比較例においては透明性フィルム層の表面について評価を行った。
(7)寸法変化
JIS C 6471の9.6項に準拠して評価を行った。
具体的には、銅張り積層板の銅箔層を除去した直後の状態を基準とし、140℃×30min加熱後、24Hr常温放置した後の状態と比較することにより寸法変化率を算出した。寸法変化はサンプルのMD方向(縦方向)について測定した。
(8)折り曲げ性
所定の試料を180°折り曲げ、その状態で400g/cmの荷重を加えるはぜ折り試験により評価した。試料は、フレキシブルプリント配線板からMD方向に長さ200mm×5mm幅の短冊を切り出したものを用いた。
(9)ブリードアウトの発生
フレキシブルプリント配線板をオーブンで150℃×1Hr加熱後、JISK7105に準拠してヘーズ値を測定し、ヘーズ値が10以上になった場合をブリードアウトが発生したと判断した。測定機器としては、村上色彩技術研究所社製HM−150を用いた。
(10)屈折率
JIS K−7105に準じて測定を行った。測定機器としてはアッベ屈折率計を用いた。屈折率測定のサンプルとしては、カバーレイフィルム用及び銅張り積層板用の接着剤用樹脂組成物からそれぞれ作製したCステージ状態の樹脂フィルム(厚さは20μm)を用いた。
[ハードコート用樹脂組成物]
(製造例1)
メチルエチルケトン100質量部と、UV開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製、DarocureTPO)5質量部と、アクリルアクリレート(ダイセルサイテック社製、PETA−K)100質量部を加え、室温で撹拌し、ハードコート用樹脂組成物1を得た。
(製造例2)
メチルエチルケトン100質量部と、UV開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製、DarocureTPO)5質量部と、アクリルアクリレート(ダイセルサイテック社製、PETA−K)50質量部と、異種のアクリルアクリレート(ダイセルサイテック社製、PEG400DA)50質量部を加え、室温で撹拌し、ハードコート用樹脂組成物2を得た。
[接着剤用樹脂組成物]
(製造例3)
反応容器の中に、BA(ブチルアクリレート):MMA(メタクリル酸メチル):AA(アクリル酸)を75:20:5の割合(質量部)で加え、さらに酢酸エチルを100質量部、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(東京化成工業社製)0.3質量部を加え、70℃で10時間撹拌し、重合反応させることによりアクリルポリマーを得た。次いで、このアクリルポリマー100質量部にビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ社製、商品名AER260)5質量部を加えて、室温で撹拌し、所定の粘度になるまでメチルエチルケトン50質量部を加えることにより接着剤用樹脂組成物1を得た。
(製造例4)
反応容器の中に、BA(ブチルアクリレート):MMA(メタクリル酸メチル):AA(アクリル酸)を60:30:10の割合(質量部)で加え、さらに酢酸エチルを100質量部、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(東京化成工業社製)0.3質量部を加え、70℃で10時間撹拌し、重合反応させてアクリルポリマーを得た。次いで、このアクリルポリマー100質量部にビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ社製、商品名AER260)10質量部を加えて、室温で撹拌し、所定の粘度になるまでメチルエチルケトン50質量部を加えることにより接着剤用樹脂組成物2を得た。
(実施例1)
カバーレイフィルム(CL)の作製
透明性フィルム層を形成するポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績社製、商品名A4300、厚さ50μm)の片面に、ハードコート用樹脂組成物1を、乾燥、UV硬化後の厚さが1μmとなるようにダイコーターを用いて塗布後、100℃で2分間乾燥し、次いで高圧水銀ランプによりUV硬化することにより、ポリエチレンテレフタレートフィルム上にハードコート層を設けた。
次いで、ポリエチレンテレフタレートフィルムのハードコート層を設けた面とは反対側の面に、接着剤用樹脂組成物1を、乾燥後の厚さが25μmになるようにダイコーダーを用いて塗布後、120℃で2分乾燥することにより接着剤層をBステージまで硬化させて、カバーレイフィルムを得た。
さらに、この接着剤塗布面に、離型処理を施したセパレートフィルムの離型面をラミネートにより貼り合わせた。
得られたカバーレイフィルムの各評価を行い、結果を表1に示した。
銅張り積層板(CCL)の作製
実施例1で得られたハードコート層を設けたPETフィルムにおいて、ハードコート層を設けた面とは反対側の面に、接着剤用樹脂組成物2を、乾燥後の厚さが10μmになるようにダイコーダーを用いて塗布後、120℃で2分間乾燥し、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に接着剤層を設けた。
次いで、この接着剤塗布面に、銅箔のマット面を60℃の熱ロールを用いてラミネートした。さらに、銅箔をラミネートした積層フィルムを、100℃で48時間熱処理することにより、接着剤層をCステージまで硬化させて、銅張り積層板を得た。
得られた銅張り積層板の各評価を行い、結果を表1に示した。
フレキシブルプリント配線板(CL/CCL)の作製
実施例で得られた銅張り積層板の銅箔層に所定の回路パターンを形成した。次いで、実施例1で得られたカバーレイフィルムからセパレートフィルムを剥がし、銅張り積層板の回路パターンが形成された面と、カバーレイフィルムの接着剤層が設けられた面とを貼り合わせ、120℃×3MPa×60分の条件でプレス成形することにより、フレキシブルプリント配線板を得た。
得られたフレキシブルプリント配線板の各評価を行い、結果を表1に示した。
(実施例2)
ハードコート層の厚さを1μmから6μmに代えたこと以外は実施例1と同様の方法によりカバーレイフィルム、銅張り積層板、フレキシブルプリント配線板を製造し、各評価を行い、結果を表1に示した。
(実施例3)
ハードコート用樹脂組成物2を用いたこと以外は実施例1と同様の方法によりカバーレイフィルム、銅張り積層板、フレキシブルプリント配線板を製造し、各評価を行い、結果を表1に示した。
(実施例4)
ハードコート層の厚さを1μmから0.3μmに代えたこと以外は実施例1と同様の方法によりカバーレイフィルム、銅張り積層板、フレキシブルプリント配線板を製造し、各評価を行い、結果を表1に示した。
(比較例1)
ハードコート層を設けなかったこと以外は実施例1と同様の方法によりカバーレイフィルム、銅張り積層板、フレキシブルプリント配線板を製造し、各評価を行い、結果を表1に示した。
本発明により、優れた透明性及び耐熱性を有し、且つ、高温環境下におけるオリゴマー成分のブリードアウトによる白濁が顕著に抑制されたカバーレイフィルム及びそれを用いた銅張り積層板を提供することができる。

Claims (13)

  1. 第1の面と第2の面とを有する透明性フィルム層と、ハードコート層と、接着剤層と、を含むカバーレイフィルムであって、
    前記透明性フィルム層の前記第1の面に前記ハードコート層が積層され、前記透明性フィルム層の前記第2の面に前記接着剤層が積層されており、全光線透過率が85%以上であり、
    前記透明性フィルム層は、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、及びポリカーボネート樹脂からなる群から選択されるいずれか1種以上の樹脂を含む、カバーレイフィルム。
  2. 前記透明性フィルム層の厚さが10〜200μmである、請求項記載のカバーレイフィルム。
  3. 前記ハードコート層は、アクリレート系の感光性化合物からなる群から選択されるいずれか1種以上の主剤を含む樹脂組成物からなる、請求項1又は2記載のカバーレイフィルム。
  4. 前記ハードコート層の厚さが0.5〜5μmである、請求項1〜のいずれか1項記載のカバーレイフィルム。
  5. 前記ハードコート層のガラス転移温度が前記透明性フィルム層のガラス転移温度よりも高い、請求項1〜のいずれか1項記載のカバーレイフィルム。
  6. 前記ハードコート層のガラス転移温度が200〜400℃であり、前記透明性フィルム層のガラス転移温度が50〜180℃である、請求項1〜のいずれか1項記載のカバーレイフィルム。
  7. 前記接着剤層は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂からなる群から選択されるいずれか1種以上の樹脂を含む、請求項1〜のいずれか1項記載のカバーレイフィルム。
  8. 前記接着剤層の厚さが10〜50μmである、請求項1〜のいずれか1項記載のカバーレイフィルム。
  9. 前記接着剤層の100℃〜160℃の範囲における溶融粘度が100〜100,000poiseである、請求項1〜のいずれか1項記載のカバーレイフィルム。
  10. 請求項1〜のいずれか1項記載の前記カバーレイフィルムに含まれる前記接着剤層において、前記透明性フィルム層が積層された面とは反対側の面に銅箔層が更に積層された、銅張り積層板。
  11. 前記接着剤層の100℃〜160℃の範囲における溶融粘度が10,000poise以上である、請求項10記載の銅張り積層板。
  12. 請求項1〜のいずれか1項記載の前記カバーレイフィルムと、請求項10又は11のいずれか1項記載の前記銅張り積層板とを含むフレキシブルプリント配線板であって、
    前記銅張り積層板に含まれる銅箔層に回路を形成した後、前記カバーレイフィルムの接着剤層を、前記銅張り積層板の回路形成面に貼着させることにより得られる、フレキシブルプリント配線板。
  13. 前記カバーレイフィルムに含まれる接着剤と、前記銅張り積層板に含まれる接着剤との屈折率の差が0〜0.1である、請求項12記載のフレキシブルプリント配線板。
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