JP5550798B1 - 光学フィルムの製造装置及び貼合システム - Google Patents

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Abstract

光学フィルムの製造装置は、光学フィルムを搬送する搬送装置と、光学フィルムの搬送経路上に配置され、光学フィルムの搬送方向に直交する光学フィルムの幅方向にコロナ放電を生じさせ、光学フィルムの表面にコロナ処理を施すコロナ処理装置と、コロナ放電により発せられた光の光量を光学フィルムの幅方向にわたって検査する検査装置と、を含む。

Description

本発明は、光学フィルムの製造装置及び貼合システムに関する。
本願は、2012年10月5日に日本国に出願された特願2012−223299号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
偏光フィルム、位相差フィルム等の光学フィルムは、液晶表示装置を構成する重要な光学部品である。例えば、液晶表示装置においては、偏光フィルムが矩形状の光学フィルムチップとして液晶パネルの上下面に一枚ずつ配置されている。偏光フィルムは、例えば、PVA(ポリビニルアルコール)等からなる偏光子フィルムが、TAC(トリアセチルセルロース)フィルム等からなる2枚の保護フィルムによって挟まれた構造である。偏光子フィルムには、保護フィルムが偏光子フィルムから剥がれないよう、高い接着性が要求される。
従来、フィルムの表面にコロナ処理を施すことにより、フィルムの表面を改質し、フィルムの表面の親水性を大きくして接着性を高めている。工場の生産ライン等では、電極と処理ロールとの間の隙間にコロナ放電を生じさせ、電極と処理ロールとの間の隙間にロール状に巻かれたフィルムをシート状にして所定の速度で通過させ、フィルムの表面にコロナ処理を施す。そして、コロナ処理が施されたフィルムをロール状に巻き取ることにより、原反ロールが作製される(例えば、特許文献1参照)。
原反ロールは、光学フィルムの貼合システムに導入される。原反ロールから巻き出されたフィルムは所定サイズにカットされ、液晶パネルに貼合される。そして、外観検査装置によって、光学フィルムと液晶パネルとの間の貼合不良が検査される。
日本国特開2001−305052号公報
コロナ処理によれば、フィルムの種類に応じて、コロナ放電の出力値を所定の値に設定することにより、フィルムの表面の接着性を高めることができる。しかしながら、本発明者の知見によれば、コロナ放電の出力値を適切に制御してコロナ処理を施したにも関わらず、外観検査工程において、フィルム間の接着力不足に起因した貼合不良が発見される場合があった。このような不良は、光学フィルムを液晶パネルに貼合した際の外観検査において発見される。そのため、液晶パネルから光学フィルムを剥離し、新たに光学フィルムを貼合し直すリワーク処理が必要になり、生産性を低下させる原因となっていた。
本発明の態様は、フィルム間の接着力不足に起因した貼合不良を事前に検知することが可能な光学フィルムの製造装置及び貼合システムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の態様に係る光学フィルムの製造装置及び貼合システムは以下の構成を採用した。
(1)本発明の一態様に係る光学フィルムの製造装置は、光学フィルムを搬送する搬送装置と、前記光学フィルムの搬送経路上に配置され、前記光学フィルムの搬送方向に直交する前記光学フィルムの幅方向にコロナ放電を生じさせ、前記光学フィルムの表面にコロナ処理を施すコロナ処理装置と、前記コロナ放電により発せられた光の光量を前記光学フィルムの幅方向にわたって検査する検査装置と、を含む。
(2)上記(1)に記載の光学フィルムの製造装置では、前記検査装置が、前記コロナ放電により発せられた光を受光するCCDカメラを含んでもよい。
(3)本発明の他の態様に係る貼合システムは、上記(1)または(2)に記載の光学フィルムの製造装置と、前記コロナ放電により発せられた光の光量が所定の範囲内に含まれているか否かを判定する判定装置と、前記光学フィルムの製造装置により製造された光学フィルムから、前記判定装置により前記所定の範囲内に含まれないと判定された部分を不良部分として切り離し、前記不良部分が存在しない光学フィルムを形成する切断装置と、前記不良部分を回収する回収装置と、前記切断装置により形成された前記不良部分が存在しない光学フィルムを、貼合対象物に貼合する貼合装置と、を含む。
本発明の態様によれば、フィルム間の接着力不足に起因した貼合不良を事前に検知することができる。
本発明の一実施形態に係る光学フィルムの製造装置を示す模式図である。 光学フィルムの製造装置の部分斜視図である。 CCDカメラと処理ロールとの配置関係を示す図である。 放電出力を800Wに設定した場合における光学フィルムの幅方向の位置と光量レベルとの関係を示す図である。 放電出力を800Wに設定した場合における光学フィルムの幅方向の位置と光量レベルとの関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係る貼合システムの概略構成を示す図である。 液晶パネルの一例を示す平面図である。 光学シートの一例を示す断面図である。 放電出力を1200Wに設定した場合における光学フィルムの幅方向の位置と光量レベルとの関係を示す図である。 放電出力を1200Wに設定した場合における光学フィルムの幅方向の位置と光量レベルとの関係を示す図である。 放電出力を1000Wに設定した場合における光学フィルムの幅方向の位置と光量レベルとの関係を示す図である。 放電出力を1000Wに設定した場合における光学フィルムの幅方向の位置と光量レベルとの関係を示す図である。 放電出力を600Wに設定した場合における光学フィルムの幅方向の位置と光量レベルとの関係を示す図である。 放電出力を600Wに設定した場合における光学フィルムの幅方向の位置と光量レベルとの関係を示す図である。 放電出力を400Wに設定した場合における光学フィルムの幅方向の位置と光量レベルとの関係を示す図である。 放電出力を400Wに設定した場合における光学フィルムの幅方向の位置と光量レベルとの関係を示す図である。 放電出力を300Wに設定した場合における光学フィルムの幅方向の位置と光量レベルとの関係を示す図である。 放電出力を300Wに設定した場合における光学フィルムの幅方向の位置と光量レベルとの関係を示す図である。 放電出力を230Wに設定した場合における光学フィルムの幅方向の位置と光量レベルとの関係を示す図である。 放電出力を230Wに設定した場合における光学フィルムの幅方向の位置と光量レベルとの関係を示す図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
尚、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。また、以下の説明及び図面中、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
以下の説明においては、必要に応じてXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。本実施形態においては、長尺の光学フィルムの幅方向をX方向としており、光学フィルムの面内においてX方向に直交する方向(長尺の光学フィルムの搬送方向)をY方向、X方向及びY方向に直交する方向をZ方向としている。
図1は、本発明の一実施形態に係る光学フィルムの製造装置を示す模式図である。以下、光学フィルムとして、偏光フィルムを構成する偏光子フィルムを製造する例を説明するが、これに限らない。光学フィルムは、偏光子フィルムの他に、偏光フィルムを構成する保護フィルムでもよい。また、位相差フィルムや輝度向上フィルム等でもよく、位相差フィルムや偏光フィルムなどの複数の光学素子を積層したものでもよい。
偏光フィルムは、例えば、PVA(ポリビニルアルコール)等からなる偏光子フィルムが、保護フィルムとして2枚のセルロース系フィルムであるTAC(トリアセチルセルロース)フィルムによって挟まれた構造である。
偏光子フィルムは、一定方向に振動する光以外の光を遮断するため、例えばヨウ素、二色性染料などの二色性色素により染色されている。偏光子フィルムは、例えば、二色性色素で染色したPVAフィルムを一軸延伸して形成されている。
保護フィルムとしては、TACフィルムの他にも、COP(シクロオレフィンポリマー)フィルム、PET(ポリエチレンテレフタラート)フィルム、MMA(メチルメタクリレート)フィルム等を用いることができる。
図1に示すように、光学フィルムの製造装置1は、長尺状の光学フィルム(以下、単に光学フィルムと称することがある。)を搬送する搬送装置2と、光学フィルムの搬送経路上に配置され、光学フィルムの搬送方向に直交する光学フィルムの幅方向(以下、フィルム幅方向と称することがある。)にコロナ放電を生じさせ、光学フィルムの表面にコロナ処理を施すコロナ処理装置3と、コロナ放電によって発せられた光の光量を光学フィルムの幅方向にわたって検査する検査装置4と、ラインの制御を行う制御装置5と、検査装置4及び制御装置5に電気的に接続された分散型制御システム6(Distributed Control System、以下、DCSと称することがある。)と、を備えている。
搬送装置2は、コロナ処理が施されていない光学フィルム(以下、未処理フィルムと称することがある。)Faを装填する装填部20と、装填部20に装填された未処理フィルムFaを下流側に搬送する搬送ロール21a、搬送ロール21bと、コロナ処理装置3によりコロナ処理が施された光学フィルム(以下、処理済フィルムと称することがある。)Fbを下流側に搬送する搬送ロール21c、搬送ロール21dと、処理済フィルムFbを巻き取る巻き取り部23と、を備えている。
コロナ処理装置3は、コロナ処理部30と、コロナ処理部30と対向して配置された処理ロール31と、を備えている。
図2は、光学フィルムの製造装置1の部分斜視図である。図2では、光学フィルムの製造装置1を構成するコロナ処理装置3を拡大して示している。
図2に示すように、コロナ処理部30は、処理ロール31と対向して配置された電極32と、電極32の上方に配置されたオゾン排気ダクト33と、を備えている。
電極32は、フィルム幅方向に延在している。フィルム幅方向における電極32の長さは、フィルム幅方向における処理ロール31の長さと実質的に等しい。本実施形態では、電極32の形成材料として、セラミックスを用いる。この他にも電極32の形成材料としては、例えば、アルミニウム、ステンレス等の金属材料を用いることができる。
オゾン排気ダクト33は、直方体状の箱部材33aと、箱部材33aの上面に接続された配管33bと、を備えている。箱部材33aは、電極32の周囲(電極32の処理ロール31と対向する部分以外の部分)を覆うように設けられている。これにより、コロナ処理により発生するオゾンを外部に排気することができる。
処理ロール31は、接地されている。本実施形態では、処理ロール31として、ステンレス製のものを用いる。この他にも処理ロール31としては、例えば、シリコンラバーロール等の誘電体被覆ロールを用いることができる。尚、処理ロール31は、電極32との組み合わせに応じて、種々のロールを用いることができる。
図1に示すように、制御装置5は、搬送装置2、コロナ処理装置3及び検査装置4を統括制御する。例えば、制御装置5の制御により、光学フィルムの送り速度、コロナ放電の出力、処理ロール31の送り速度がそれぞれ設定される。制御装置5は、光学フィルムの送り速度、コロナ放電の出力(コロナ放電のON−OFFを含む。)、処理ロール31の送り速度等の情報を、DCS6に向けて送信する。
図1及び図2に示すように、装填部20に装填された未処理フィルムFaは、未処理フィルムFaの外周面上の巻端がシート状に引き出され、搬送ロール21a、搬送ロール21bで導かれて電極32と処理ロール31との間を通り、搬送ロール21c、搬送ロール21dで導かれて巻き取り部23に巻き取り可能に装着されている。制御装置5の制御により、電極32と処理ロール31との間に高周波の高電圧が印加されると、空気が絶縁破壊されてイオン化し、これによりコロナ放電が発生する。コロナ放電内部に未処理フィルムFaを所定の速度で通過させることにより、未処理フィルムFaの電極32側の表面にコロナ処理が施される。これにより、処理済フィルムFb(光学フィルムとしての偏光子フィルム)が得られる。
尚、コロナ処理は、電極32の種類、電極32と処理ロール31との間の間隔、印加する電圧、処理される光学フィルムの移動速度、コロナ放電の出力などを変化させることで、光学フィルムの表面に対して所望の表面改質処理が施されるようにすればよい。例えば、光学フィルムの移動速度は、3m/分以上50m/分以下の範囲の速度に設定してもよい。
本実施形態では、電極32と処理ロール31との間の間隔が1mmに設定されている。コロナ放電の出力が800Wに設定されている。光学フィルムの移動速度が10m/分以上30m/分以下の範囲の速度に設定されている。
図1に示すように、検査装置4は、コロナ処理装置3よりも下流側に配置されている。
検査装置4は、コロナ放電により発せられた光(以下、コロナ放電光と称することがある。)を受光するCCDカメラ40と、CCDカメラ40と電気的に接続された演算装置41と、を備えている。検査装置4は、CCDカメラ40が受光した光の光量に基づいてコロナ放電の放電電流密度のフィルム幅方向におけるバラツキを検査する。検査装置4は、コロナ放電の放電電流密度の変化を逐次に知るための監視システム(コロナ監視システム)として機能する。
DCS6は、コロナ監視の指示(検査装置4のON−OFFを含む。)、監視条件の指示(レシピNo.を含む。)等の情報を、検査装置4に向けて送信する。検査装置4は、光学フィルムの幅方向の位置と光量レベル、異常発生の有無等の情報を、DCS6に向けて送信する。
図示はしないが、CCDカメラ40には、光を電気信号に変換して画像に変換するCCDが複数設けられている。CCDカメラ40は、複数のCCDがライン状に配置された、いわゆるCCDラインセンサカメラである。
例えば、CCDカメラ40に使用するレンズとしては、焦点距離が24mm(f24)、開放値(F値)が2.8、絞り4(1段絞り)のものを用いる。絞り4(1段絞り)は、開放値が2.8のレンズを1段絞ったとき、開放値が4となるレンズを意味する。
CCDカメラ40の視野幅は、約760mmである。CCDカメラ40の受光距離は、約930mmである。CCDカメラ40のスキャンレートは、999.9マイクロ秒である。
演算装置41は、CCDカメラ40の受光データに基づいて光量レベルを演算し、光学フィルムの幅方向の位置と光量レベルとの関係を求める。尚、「光量レベル」及び「光学フィルムの幅方向の位置と光量レベルとの関係」については後述する。
以下、DCS6について説明する。
DCS6は、制御装置5からラインの状態をシリアル通信(RS−422)にて受信し、一定の条件を満たしたとき、検査装置4に対してEthermet通信(IEEE802.3 10BASE−T)にてコロナ監視の指示を出す。
一定の条件とは、具体的には、(1)ラインの速度が一定以上であること(フィルムが流動していること)、(2)コロナ放電の指示がONであること(コロナ処理中であること)、(3)DCS6上でのオペレータ操作でコロナ監視指示が出されていること、である。これら(1)〜(3)を全て満たしたとき、コロナ監視指示が出される。即ち、(1)〜(3)のうち1つでも条件から外れたとき、コロナ監視指示が停止される。
検査装置4は、DCS6からのコロナ監視指示を受け、コロナ監視を開始し、光学フィルムの幅方向の位置と光量レベルのデータをDCS6へ送信する。このデータは、リアルタイムで更新される(約3秒毎)。DCS6は、予め設定されていたしきい値の範囲内で光量レベルが推移することを常時監視し、範囲を外れた場合には、DCS6内のモニターに表示するとともに、外部警報装置(警告灯、ブザー等)を動作させる。これにより、オペレータに異常を認知させる。また、光量レベルだけでなく、検査装置4の異常も同様に認知させる。DCS6は、光量レベルの推移のヒストリアンデータを保存する。
図3は、CCDカメラ40(第1カメラ40a、第2カメラ40b)と処理ロール31との配置関係を示す図である。以下の説明では、フィルム幅方向に2つのCCDカメラ40a、CCDカメラ40bが配置された例を挙げて説明するが、CCDカメラの配置数はこれに限らない。
CCDカメラの配置数は、CCDカメラの視野幅やフィルム幅の大きさに応じて、適宜変更することができる。例えば、分解能を高めたい場合には、CCDカメラの配置数を増やすとともに、CCDカメラに使用するレンズを変えることで視野幅を狭くしてもよい。
尚、コロナ処理の場合には、CCDカメラのフィルム幅方向の分解能を100μm/pixel程度にしてもよい。
図3において、符号AR1は、処理ロール31のうち光学フィルムが搬送される領域(以下、フィルム搬送領域と称することがある。)である。符号AR2は、処理ロール31の両端部において光学フィルムが搬送されない領域、すなわち処理ロール31の表面が露出する領域(以下、ロール露出領域と称することがある。)である。符号W1は、フィルム幅方向におけるフィルム搬送領域AR1の長さ、すなわち光学フィルムの幅(以下、単にフィルム幅と称することがある。)である。符号W2は、フィルム幅方向におけるロール露出領域AR2の長さである。符号W3は、フィルム幅方向における処理ロール31の長さ、すなわち処理ロール31の全長である。符号Waは、2つのCCDカメラ40のうち第1カメラ40aの視野幅である。符号Wbは、第2カメラ40bの視野幅である。符号CLは、フィルム幅方向における処理ロール31の中心線(以下、単に中心線と称することがある。)である。
本実施形態において、フィルム幅W1は1500mm、処理ロール31の全長W3は1800mm、CCDカメラ40aの視野幅Wa及びCCDカメラ40bの視野幅Wbはそれぞれ760mmである。
2つのCCDカメラ40a、CCDカメラ40bは、フィルム蛇行量を考慮して、フィルム幅全体を撮像するように配置されている。本実施形態では、第1カメラ40aが処理ロール31の−X方向側(左側)のフィルム搬送領域AR1を撮像するように配置され、第2カメラ40bが処理ロール31の+X方向側(右側)のフィルム搬送領域AR1を撮像するように配置されている。
具体的には、第1カメラ40aは、視野幅Waの+X方向側の端縁(右側の端縁)が中心線CLに位置するように配置されている。第2カメラ40bは、視野幅Wbの−X方向側の端縁(左側の端縁)が中心線CLに位置するように配置されている。尚、第1カメラ40aの視野幅Waの+X方向側の端部(右側の端部)と第2カメラ40bの視野幅Wbの−X方向側の端部(左側の端部)とが、中心線CL付近で一部重なり合っていてもよい。
これにより、光学フィルムが蛇行しても(蛇行量10mm)、光学フィルムの全幅(1500mm)を、CCDカメラ40a、CCDカメラ40bの視野幅(第1カメラ40aの視野幅760mmと第2カメラ40bの視野幅760mmとを足し合わせた幅1520mm)の範囲内とすることができる。
また、光学フィルムの全幅をCCDカメラ40a、CCDカメラ40bの視野幅の範囲内とすることができれば、光学フィルムの幅方向にわたってコロナ放電の放電光の光量を正確に検出することができる。
本発明者の検討によれば、放電電流密度とフィルム間の接着力の強度との間には高い相関があることが明らかになっている。また、放電電流密度と放電光の光量との間には高い相関があり、特にCCDカメラを用いれば放電光の光量のバラツキを精度よく検出できることが明らかになっている。その理由は明らかではないが、CCDカメラは光を電気信号に変換するものであり、放電光の光量は放電電流密度によって変化するものであることから、双方においてその発生のメカニズムが似通っているためであると考えられる。よって、CCDカメラを用いて光学フィルムの面内における放電光の光量の分布を検出すれば、フィルム間の接着力不足に起因する貼合不良の発生部位を高い精度で予測することができ、製造歩留まりの向上に寄与することができる。
以下、放電電流密度及び放電光について説明する。
放電光は、放電電極から放出された荷電粒子と、気体分子との衝突によって生じる。
放電電流を高めることで、より多くの荷電粒子にエネルギー(運動エネルギーと内部エネルギーとの和)が付与される。その結果、荷電粒子と気体分子との衝突エネルギーが増え、これに伴い放電光の光量も増える。
エネルギーバランスは、実質的に、放電のエネルギー=荷電粒子1個当たりのエネルギー(運動エネルギーと内部エネルギーとの和)×荷電粒子数+放射+熱伝導、で示される。
電流が大きくなれば電力も大きくなるため、仮に平均的な荷電粒子1個当たりのエネルギー(≒温度)が一定であれば、よりエネルギーの大きい荷電粒子が増えるので、放射が増えることになる。実際は、電流を大きくすると加熱によって温度が変わるため、荷電粒子の内部エネルギーが変わる。これにより、放射が大きくなり、同時に熱伝導も大きくなる。
物質からの放射エネルギー密度は温度の4乗に比例するというステファン−ボルツマンの法則がある。放射は、人間が光として感じる可視光領域を含めた全てのスペクトルを足し合わせた全放射エネルギーであるため、単に人間が感じる可視光やCCD素子の分光感度領域の発光に全て変換されるということにはならない。エネルギー密度であることから、放射の総量は発光体の表面積に比例する。
従って、発光量が電流や電流密度に比例するか、二乗に比例するかなどは、エネルギーが全て発光に変換されるわけではないので、関係式で一義的に示すことはできない。
放電光の光量の情報は、光学フィルムの長手方向及び幅方向の位置情報と関連付けられて、例えば画像マップとして、DCS6の記憶部及び検査装置4のそれぞれに記憶される。これにより、後述の貼合システムにおいて放電光の光量が適切な範囲に制御されていない部分(コロナ放電に異常が発生し、表面改質が適切に行われていない部分:異常部分)を除去し、放電光の光量が適切な範囲に制御されている部分(コロナ放電に異常が発生せず、表面改質が適切に行われている部分:異常の無い部分)を製品に用いることが容易となる。
尚、後述の貼合システムにおいて放電光の光量が適切な範囲に制御されていない部分(異常部分)を除去せずに、異常部分があってもとりあえずは不良としないで、最終製品を重点検査して品質的に問題があるか否かを確認してもよい。
次に、本実施形態の検査装置4によるコロナ放電の放電光の光量の検査について説明する。
図4A、図4Bは、放電出力を800Wに設定した場合における光学フィルムの幅方向の位置と光量レベルとの関係を示す図である。
図4Aは、999.9マイクロ秒毎にスキャン(データの取り込み)を実施し、一分間、つまり1000回/秒×60秒=60000回、光量データを連続的に同一のグラフにプロットした(重ね書きした)図である。
図4Bは、重ね書きしていない、1回のスキャンのデータを示す図である。
図4A、図4Bにおいて、横軸は光学フィルムの幅方向の位置を示しており、縦軸はCCDカメラ40が受光したコロナ放電光の受光光量を光量レベルとして示している。
ここで、光量レベルとは、コロナ放電光の受光光量を256階調で示したものである。尚、CCDカメラが受光したコロナ放電光の受光光量のデータ、いわゆる生データではなく、生データに対して照明光等のノイズの影響を除去したデータ(適正化データ)を基に光量レベルとして示している。
図4A、図4Bの横軸は、2つのCCDカメラ40のうち1つのCCDカメラの視野幅(760mm)に対応しており、画素で表すと4096pixelに相当する。図4A、図4Bの縦軸は、256階調に揃っており、図4Aにおいては光量レベルの下限値を0、上限値を255として示している。
図4A、図4Bに示すように、放電出力を800Wに設定した場合の光量レベルの平均値は、256階調の略半分であり、127となっている。光量レベルは、光学フィルムの幅方向全域において、ある程度変動している。光学フィルムの幅方向全域を見ると、光量レベルの変動範囲は、97〜156となっている。図4Aに示すように、光量レベルの変動範囲は、光学フィルムの幅方向全域に亘って、帯状に広がっている。
但し、光学フィルムの幅方向の位置によっては、光量レベルの変動範囲が異なる。例えば、光学フィルムの幅方向において画素600pixelに相当する位置では、光量レベルの下限値が他の位置よりも低くなっている。すなわち、光学フィルムの幅方向においてコロナ放電の放電電流密度が小さくなっており、光学フィルムの表面改質が十分になされていない可能性がある。
本実施形態においては、放電出力を800Wに設定した場合の光量レベルの上下にしきい値を設定することにより、光量レベルが上下のしきい値で規定される範囲に含まれる場合は正常と判定し、光量レベルが上下のしきい値で規定される範囲に含まれない場合は異常と判定することができる。例えば、光量レベルの平均値127よりも50低い値である77をしきい値として設定し、光学フィルムの幅方向において光量レベルの変動範囲の下限値がしきい値を下限とする範囲に含まれる場合(しきい値と同じかしきい値よりも高い場合)には、しきい値と同じかしきい値よりも高い部分を正常と判定し、しきい値を下限とする範囲に含まれない場合(しきい値よりも低い場合)には、しきい値よりも低い部分を異常と判定する。
尚、光学フィルムの幅方向において光量レベルの変動範囲の下限値がしきい値よりも低い場合だけでなく、光学フィルムの幅方向において光量レベルの変動範囲の上限値又は平均値がしきい値よりも低い場合にしきい値よりも低い部分を異常と判定してもよい。
放電光の光量に関する情報は、光学フィルムの長手方向及び幅方向の位置に関する情報と関連付けられてDCS6の記憶部に記憶される。そして、後述する貼合システムにおいて、これらの情報が記憶部から読み出され、光量レベルが異常と判定された部分の光学フィルムが不良部位として切除され、回収装置によって回収される。これにより、コロナ処理に起因した貼合不良(フィルム間の接着力不足に起因した貼合不良)の発生が抑制され、歩留まりの高い製造システムが提供される。
以上説明したように本実施形態の光学フィルムの製造装置1によれば、検査装置4により、光学フィルムの面内におけるコロナ放電の放電光の分布を検査することができる。本発明者の検討によれば、放電光の分布と放電電流密度の分布との間には高い相関があり、且つ、放電電流密度と表面改質の強さ(フィルム間の接着力)との間には高い相関がある。そのため、放電光の分布を求めることによって、液晶パネルに光学フィルムを貼合する前に、フィルム間の接着力不足に起因する貼合不良の発生部位の予測が可能となり、製造歩留まりの向上に寄与することができる。
また、検査装置4がコロナ放電光を受光するCCDカメラ40を備えているので、コロナ放電の放電光の光量をリアルタイムで検査することができる。また、この構成によれば、コロナ処理を施した光学フィルムの表面の濡れ性を別途検査する必要がない。よって、光学フィルムの表面にコロナ処理が均一になされているか否かを簡易且つ迅速に確認することができる。
尚、本実施形態では、一例として、放電出力を800Wに設定した場合における光学フィルムの幅方向の位置と光量レベルとの関係について説明したが、これに限らない。例えば、放電出力は、この他にも、1200W、1000W、600W、400W、300W、230W等、適宜必要に応じて設定することができる。このように放電出力の設定値を変更した場合においても、本発明を適用可能である。
(貼合システム)
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態に係る貼合システムについて説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係る貼合システム100の概略構成を示す図である。
図5に示すように、貼合システム100は、上記実施形態に係る光学フィルムの製造装置1(図示略)と、コロナ放電の放電光の光量が所定の範囲内に含まれているか否かを判定する判定装置110と、光学フィルムから判定装置110により所定の範囲内に含まれていないと判定された部分を不良部分として切り離し、不良部分が存在しない光学フィルムを形成する切断装置106と、不良部分を回収する回収装置107と、切断装置106により形成された不良部分が存在しない光学フィルムを貼合対象物に貼合する貼合装置108と、を備えている。
尚、貼合システム100において、光学フィルムの長手方向及び幅方向の位置に関する情報と関連付けられてDCS6(図1参照)の記憶部、検査装置4に記憶された放電光の光量に関する情報(例えば画像マップ)は、判定装置110により読み出し可能になっている。
貼合システム100は、貼合エリアA1において、例えば液晶パネルや有機ELパネル等の貼合対象物に、偏光板や反射防止フィルム、光拡散フィルム等の光学部材を貼合することができる。これにより、貼合システム100は、貼合対象物及び光学部材を含んだデバイスを製造することができる。貼合システム100は、上記のデバイスを製造する製造システムの一部又は全部であってもよい。
本実施形態の回収装置107は、光学部材を含んだ光学シートから欠点を含む部分の光学部材を貼合エリアA1へ向かう経路から排除し、回収することができる。すなわち、貼合システム100は、欠点を含まない光学部材を貼合対象物に貼合することができる。貼合システム100の詳細な説明に先立ち、まず光学シートの構成例及び液晶パネルの構成例について説明する。
図6は、液晶パネルの構成例を示す平面図である。図6には、液晶層の厚み方向から平面視した液晶パネルが図示されている。図6に示す液晶パネルPは、第1基板P1と、第1基板P1に対向して配置された第2基板P2と、第1基板P1と第2基板P2との間に封入された液晶層P3と、を備える。液晶パネルPは、平面視した液晶層P3の外周の内側に収まる範囲が表示領域P4になっている。
図7は、光学シートの構成例を示す断面図である。本例の光学シートは、長尺の帯状であり、光学シートの長手方向に直交する断面が図7に図示されている。以下の説明では、光学シートの長手方向を単に長手方向ということがある。
図7に示す光学シートFは、フィルム状の光学部材F1と、光学部材F1の一方の面に設けられた粘着層F2と、粘着層F2を介して光学部材F1と分離可能に積層されたセパレータF3と、光学部材F1の他方の面に設けられた表面保護フィルムF4と、を有する。
本例の光学シートFの光学部材F1は、偏光板として機能し、液晶パネルPの表示領域P4の全域と表示領域P4の周辺領域とにわたって、貼合される。
光学部材F1は、光学部材F1の表面に粘着層F2を残しつつ粘着層F2からセパレータF3が分離された状態で、貼合対象物に粘着層F2を介して貼合される。セパレータF3は、粘着層F2から分離されるまでの間に、粘着層F2及び光学部材F1を保護している。表面保護フィルムF4は、光学部材F1とともに貼合対象物に貼合されて、光学部材F1に対して貼合対象物とは反対側に配置される。本例の表面保護フィルムF4は、適宜選択されるタイミングで光学部材F1から分離される。表面保護フィルムF4は、光学部材F1から分離されるまでの間に、光学部材F1を保護する。
尚、光学部材F1は、表面保護フィルムF4を含んでいなくてもよい。また、表面保護フィルムF4は、光学部材F1から分離されなくてもよい。以下の説明において、光学シートFからセパレータF3を除いた部分を貼合シートF5ということがある。
光学部材F1は、偏光子フィルムF6と、偏光子フィルムF6の一方の面に接着剤等で接合された第1フィルムF7と、偏光子フィルムF6の他方の面に接着剤等で接合された第2フィルムF8と、を有する。本実施形態の偏光子フィルムF6は、上述の光学フィルムの製造装置1で製造した処理済フィルムFbについて、さらにフィルム裏面にコロナ処理を施したもの、つまり、フィルム表裏面にコロナ処理を施したものに相当する。第1フィルムF7と第2フィルムF8は、偏光子フィルムF6を保護する保護フィルムである。
尚、光学部材F1は、1層の光学層からなる単層構造でもよく、複数の光学層が互いに積層された積層構造でもよい。光学層は、上記の偏光子フィルムF6の他に、位相差フィルムや輝度向上フィルム等でもよい。第1フィルムF7と第2フィルムF8の少なくとも一方は、液晶表示素子の最外面を保護するハードコート処理やアンチグレア処理を含む防眩などの効果が得られる表面処理が施されていてもよい。また、第1フィルムF7と第2フィルムF8の少なくとも一方は、設けられていなくてもよい。例えば、光学シートFは、第1フィルムF7が省略されており、セパレータF3が光学部材F1の一方の面に粘着層F2を介して貼り合わされている構造でもよい。
次に、本実施形態の貼合システム100について、詳しく説明する。
図5に示す貼合システム100は、光学シートFを搬送しながら、光学部材F1の欠点を検出し、光学シートFをハーフカットすることにより長手方向の複数の位置に切込線を形成し、切込線によって長手方向に区画された複数のシート片を形成することができる。
尚、コロナ放電の放電光の光量が所定の範囲内に含まれていない不良部分については、上記実施形態で説明した画像マップを基に検出される。
貼合システム100は、複数のシート片のうちで光学部材F1が欠点を含まない良品シート片F10の貼合シートと、液晶表示素子の製造ラインの上流から搬送されてくる各液晶パネルPとを貼合エリアA1で貼合することができる。貼合システム100は、複数のシート片のうちで光学部材F1が欠点を含む不良品シート片F13を、不良品シート片13の貼合シートを液晶パネルPと貼合することなく、回収することができる。
本実施形態において、液晶パネルPは、表示領域P4の長辺と平行な方向に搬送されながら、液晶パネルPと平行に搬送される光学部材F1と貼合される。光学シートの長手方向に直交する幅方向の寸法は、例えば液晶パネルPの表示領域P4の短辺の長さ以上であって、表示領域P4の短辺と平行な方向の液晶パネルPの外寸以下に設定される。液晶パネルと貼合されるシート片の長手方向の長さ(以下、単位長さと称することがある。)は、例えば液晶パネルPの表示領域P4の長辺の寸法以上であって、表示領域P4の長辺と平行な方向の液晶パネルPの外寸以下に設定される。
尚、貼合システム100は、液晶パネルPが表示領域P4の短辺に平行な方向に搬送され、液晶パネルPと平行に搬送される光学部材F1と貼合される態様でもよい。この態様において、光学シートFの幅方向の寸法及び上記の単位長さは、液晶パネルPの表示領域P4の短辺の寸法や長辺の寸法等に応じて、適宜変更される。
貼合システム100は、光学シートFが巻回されたロールRから光学シートFを繰り出して、光学シートFのうちの少なくともセパレータF3を長手方向に搬送可能な搬送装置101を備える。搬送装置101は、セパレータF3をキャリアとして、貼合シートF5をセパレータF3とともに搬送する。
搬送装置101は、セパレータF3の搬送経路(以下、単に搬送経路と称することがある。)の始点に相当する光学シート供給部102と、搬送経路の終点に相当する巻取機103と、光学シート供給部102と巻取機103との間にセパレータF3の搬送経路を形成する複数のローラと、複数のローラの少なくとも1つに設けられた測長器104と、を備える。以下の説明において、搬送経路上の任意の位置に対して、搬送経路の始点(光学シート供給部102)へ近づく側を上流側、搬送経路の終点(巻取機103)へ近づく側を下流側ということがある。
本実施形態の貼合システム100は、搬送経路に配置されて搬送中の光学シートFに対して処理を施す複数の装置を備える。貼合システム100は、光学シート供給部102よりも搬送経路の下流側に配置されて光学部材F1の欠点を検出する検出装置105と、検出装置105よりも搬送経路の下流側に配置されて光学シートFにハーフカットを施す切断装置106と、切断装置106よりも搬送経路の下流側に配置された回収装置107と、貼合エリアA1に配置された貼合装置108と、貼合システム100の各部を制御する制御装置109と、を備える。尚、制御装置109には、判定装置110が含まれている。
搬送装置101の光学シート供給部102は、ロールRを保持して回転させることができ、ロールRから搬送経路へ光学シートFを繰り出す繰出機によって構成されている。巻取機103は、光学部材F1がセパレータF3と分離されている場合に、実質的にセパレータF3のみを回収する。巻取機103は、光学部材F1がセパレータF3と分離されていない場合に、セパレータF3及び貼合シートF5を回収する。
複数のローラは、光学シートFのうちの少なくともセパレータF3が掛け渡されることによって、搬送経路を形成する。複数のローラは、搬送中の光学シートFの進行方向を変化させるローラや搬送中の光学シートFのテンションを調整可能なローラ等から選択されるローラによって構成されている。
測長器104は、測長器104が取り付けられたローラの回転角及び外周の長さに基づいて、光学シートFが搬送された距離(搬送距離)を測定することができる。測長器104の測定結果は、制御装置109へ出力される。制御装置109は、測長器104の測定結果に基づいて、光学シートFが搬送されている間の任意の時刻に光学シートFの長手方向の各点が搬送経路上のいずれの位置に存在しているかを示すシート位置情報を生成する。
尚、搬送装置101の構成は、所定の搬送経路で光学シートを搬送可能なように、適宜変更可能である。また、測長器104は、搬送距離の測定結果に基づいて上記のシート位置情報を生成することが可能であって、生成したシート位置情報を制御装置109へ出力可能でもよい。測長器104がシート位置情報を生成し、制御装置109がシート位置情報を生成しなくてもよい。
検出装置105は、搬送中の光学シートFの光学部材F1に内在する欠点を検出することができる。本実施形態の検出装置105は、搬送中の光学シートFに対して、反射検査、透過検査、斜め透過検査、クロスニコル透過検査等の検査処理を実行することによって、光学部材F1の欠点を検出することができる。
検出装置105は、光学シートFに光を照射可能な照明部111と、照明部111から照射されて光学部材F1を経由(反射と透過の一方又は双方)した光の、光学部材F1における欠点の有無による変化を検出可能な光検出器112と、を備える。光学部材F1の欠点は、例えば、光学部材F1の内部において固体と液体と気体の少なくとも1つからなる異物が存在する部分や、光学部材F1の表面に凹凸やキズが存在する部分、光学部材F1の歪や材質の偏り等によって輝点となる部分等である。
照明部111は、上記のような検出装置105で行う検査の種類に応じて光強度や波長、偏光状態等が調整された光を、照射することができる。本実施形態の光検出器112は、CCD等の撮像素子で構成されており、照明部111によって光が照射されている部分の光学シートFを撮像することができる。光検出器112の検出結果(撮像結果)は、制御装置109へ出力される。制御装置109は、光検出器112によって撮像された画像を解析して、欠点の有無を判定することができる。制御装置109は、光学部材F1に欠点が存在すると判定したときに、測長器104の測定結果を参照して、欠点の光学シートF上での位置を示す欠点位置情報を生成する。尚、欠点位置情報には、制御装置109により判定装置110の判定結果が参照されることにより生成された、コロナ放電の放電光の光量が所定の範囲内に含まれていない不良部分(異常)の光学シートF上での位置を示す異常位置情報が含まれる。
切断装置106は、光学シートFの長手方向と直交する幅方向の全幅にわたって、光学シートFの厚み方向の一部を幅方向にわたって切断(ハーフカットと呼ばれることもある。)し、切込線を形成する。切込線は、光学シートFの長手方向の複数の位置に形成される。光学シートFは、複数の切込線によって長手方向に区画され、長手方向に隣り合う1対の切込線に挟まれる区画のそれぞれが1つのシート片になる。
制御装置109は、上記の欠点位置情報を参照して、切断装置106によって形成された第1の切込線から光学部材F1の長手方向の単位長さに相当する区間(以下、次のシート片の区間と称することがある。)に、光学部材F1の欠点が存在するか否かを判定する。制御装置109は、次のシート片の区間に欠点が存在するか否かに応じて、次に形成する切込線の位置を決定し、切込線の光学シートF上での形成位置を示す切込線位置情報を生成する。
制御装置109は、次のシート片の区間に欠点が存在しないと判定したときに、前回形成した切込線(以下、第1の切込線L1と称することがある。)から次に形成する切込線(以下、第2の切込線L2と称することがある。)までの光学シートF上の距離が上記の単位長さになるように、第2の切込線L2の形成位置を決定する。制御装置109は、第1の切込線L1が形成された位置から光学シートFが単位長さだけ搬送されたタイミングで、切断装置106が第2の切込線L2を形成するように、切断装置106を制御する。
第1の切込線L1から第2の切込線L2までの区間の光学シートFは、セパレータF3と、欠点を含まない光学部材F1(良品光学部材)を含む良品貼合シートとを有する良品シート片F10になる。
制御装置109は、次のシート片の区間に光学部材F1の欠点が存在すると判定したときに、欠点よりも搬送経路の上流側に切込線(以下、第3の切込線L3と称することがある。)の形成位置を決定する。制御装置109は、欠点よりも搬送経路の上流側に切断装置106が第3の切込線L3を形成するように、切断装置106を制御する。
第1の切込線L1から第3の切込線L3までの区間の光学シートFは、セパレータF3と、欠点を含む光学部材F1(不良品光学部材)を含む不良品貼合シートと、を有する不良品シート片F13になる。
本実施形態の貼合システム100は、良品貼合シートと貼合する液晶パネルPを貼合エリアA1へ搬送可能なパネル搬送装置113を備える。パネル搬送装置113は、液晶パネルPを保持可能なパネル保持部114と、貼合システム100へ液晶パネルPが搬入される搬入エリアから貼合エリアA1までパネル保持部114を移動可能なパネル移動部115と、貼合エリアA1にて液晶パネルPを所定の方向に送ることが可能なコンベアー116と、を備える。本実施形態において、パネル搬送装置113の各部は、制御装置109に動作タイミング等が制御される。
パネル保持部114は、液晶表示素子の製造ラインの上流からコンベアー等によって搬入エリアへ運ばれた液晶パネルPを、制御装置109により制御されて、真空吸着等によって着脱可能に保持する。パネル移動部115は、コンベアー116に対してパネル保持部114を垂直方向及び水平方向に移動可能である。パネル移動部115は、パネル保持部114に液晶パネルPが保持されている状態で、パネル保持部114を搬入エリアから貼合エリアA1まで移動し、実質的に液晶パネルPを貼合エリアA1まで移動することができる。
パネル保持部114は、制御装置109に制御されて、貼合エリアA1にて液晶パネルPの吸着を解除し、液晶パネルPをコンベアー116へ受け渡すことができる。コンベアー116は、貼合エリアA1まで運ばれた液晶パネルPと、貼合エリアA1まで運ばれて液晶パネルPと貼合される良品貼合シートとを互いに位置合わせするように、貼合装置108に液晶パネルPを供給することができる。パネル移動部115及びコンベアー116は、切断装置106によって形成された良品シート片F10が貼合エリアA1に運ばれてくるタイミングで液晶パネルPが貼合エリアA1に到着するように、制御装置109により制御される。
本実施形態の回収装置107は、良品シート片F10のうちの良品貼合シートとセパレータF3とを互いに分離する。貼合装置108は、セパレータF3と分離された良品貼合シートを、貼合エリアA1へ搬送されてくる液晶パネルPと貼合する。回収装置107は、良品貼合シートと分離されたセパレータF3を回収する。回収装置107は、不良品シート片F13のうちの不良品貼合シートをセパレータF3とともに回収する。
回収装置107は、セパレータF3をキャリアとしてシート片をナイフエッジ117に巻きかけて移送(搬送)する移送部と、ナイフエッジ117へ移送されるシート片が不良品シート片F13であるか、若しくは良品シート片F10であるかを判定する判定部と、を備える。
本実施形態の移送部は、ナイフエッジ117と、搬送装置101を構成する複数の搬送ローラのうちでナイフエッジ117とともにセパレータF3が掛け渡されるローラと、を含んで構成されている。ナイフエッジ117とともにセパレータF3が掛け渡されるローラのうちの1つは、ナイフエッジ117よりも搬送経路の下流側に配置されたガイドローラ118である。
本実施形態の判定部は、制御装置109に含まれている。本実施形態の判定部(制御装置109)は、上記のシート位置情報と、欠点位置情報と、切込線位置情報とに基づいて、ナイフエッジ117へ搬送されてくるシート片が不良品シート片F13であるか良品シート片F10であるかを判定する。
本実施形態において、回収装置107まで搬送された光学シートFは、その片面をナイフエッジ117の一面に対向させながら、先端部へ向って搬送される。セパレータF3は、先端部とガイドローラ118とに掛け渡されて、先端部よりも搬送経路の下流側の部分の光学部材F1に対して鋭角をなす方向へ搬送されることによって、先端部を支点として屈曲する。これにより、セパレータF3は、長手方向における搬送経路の下流側(第1の切込線L1側)から上流側(第2の切込線L2側)へ向かって順に良品貼合シートから分離する。良品貼合シートと分離されたセパレータF3は、ガイドローラ118を介して巻取機103へ巻き取られて回収される。
本実施形態の貼合装置108は、1対の貼合ローラ119を備えている。貼合エリアA1へ搬送された液晶パネルPは、1対の貼合ローラ119の間に、コンベアー116によって搬送される。
互いに貼合される液晶パネルP及び良品貼合シートは、貼合後に互いに接触するそれぞれの面が互いに平行かつ1対の貼合ローラ119の回転軸に対して平行になるように、1対の貼合ローラ119の間に運ばれる。1対の貼合ローラ119は、貼合処理中に、1対の貼合ローラ119の間に運ばれた液晶パネルP及び良品貼合シートを、挟み込んで互いに押し合せて貼合する。良品貼合シートと貼合された液晶パネルPは、液晶表示素子の製造ラインの下流へ搬送される。このようにして、貼合処理が実行される。
尚、ナイフエッジ117の先端部19を経由した不良品貼合シートは、セパレータF3とともにガイドローラ118を経由して巻取機103に巻き取られ、セパレータF3と同様に回収される。
本実施形態の制御装置109は、コンピュータシステムを含んで構成されている。このコンピュータシステムは、CPU等の演算処理部と、メモリーやハードディスク等の記憶部とを備える。本実施形態の制御装置109は、コンピュータシステムの外部の装置との通信を実行可能なインターフェースを含む。制御装置109には、入力信号を入力可能な入力装置が接続されていてもよい。上記の入力装置は、キーボード、マウス等の入力機器、あるいはコンピュータシステムの外部の装置からのデータを入力可能な通信装置等を含む。制御装置109は、貼合システム100の各部の動作状況を示す液晶表示ディスプレイ等の表示装置を含んでいてもよいし、表示装置と接続されていてもよい。
制御装置109の記憶部には、コンピュータシステムを制御するオペレーティングシステム(OS)がインストールされている。制御装置109の記憶部には、演算処理部に貼合システム100の各部を制御させることによって、貼合システム100の各部に不良品シート片F13を排除するための処理を実行させるプログラムが記録されている。記憶部に記録されているプログラムを含む各種情報は、制御装置109の演算処理部が読み取り可能である。制御装置109は、貼合システム100の各部の制御に要する各種処理を実行するASIC等の論理回路を含んでいてもよい。
記憶部は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などといった半導体メモリや、ハードディスク、CD−ROM読取り装置、ディスク型記憶媒体などといった外部記憶装置などを含む概念である。記憶部は、機能的には、搬送装置101、検出装置105、切断装置106、回収装置107、判定装置110、貼合装置108、の動作の制御手順が記述されたプログラムソフトを記憶する記憶領域、その他各種の記憶領域が設定される。
以上のように、本実施形態の回収装置107は、光学部材F1の欠点を効果的に除去することができる。また、本実施形態の貼合システム100は、光学部材F1の欠点を効果的に除去しつつ、欠点を含まない光学部材F1(良品貼合シート)を貼合対象物と貼合することができる。また、本実施形態の回収方法は、セパレータF3とは別の除去用フィルム等を用いなくても不良品貼合シートを除去することができるので、光学部材F1の欠点を効果的に除去することができる。
尚、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない範囲内で多様な変形が可能である。
上記の貼合システム100は、検出装置105によって光学部材F1の欠点を検出しているが、搬送する前に予め検査された光学シートFを用いるとともに、制御装置109が、その検査結果を用いて良品シート片F10であるか否かの判定を行ってもよい。上記の検査結果は、符合等の形態で光学シートFに形成されていてもよいし、例えばロールRの長手方向の端からの欠点の位置を示すデータとして、制御装置に入力されてもよい。このように、予め検査された光学シートFを用いる場合に、検出装置105は省略されていてもよい。
また、上記の貼合システム100は、光学シートFが巻回されたロールRから光学シートFを繰り出しているが、搬送装置101の光学シート供給部102は光学シートFの製造装置であってもよい。この光学シートFの製造装置は、貼合システム100の一部であってもよいし、貼合システム100の外部の装置であってもよい。
以上、添付図面を参照しながら本実施形態に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(コロナ処理装置)
コロナ処理装置における電極と処理ロールとの間隔は、1mmに設定した。処理ロールとしては、全長が1800mmのものを用いた。
(検査装置)
検査装置におけるCCDカメラは、CCDラインセンサカメラを用いた。CCDカメラとしては、使用するレンズが焦点距離24mm(f24)、開放値(F値)2.8、絞り4(1段絞り)、視野幅が約760mm、受光距離が約930mm、スキャンレートが999.9マイクロ秒のものを用いた。
尚、CCDカメラは、フィルム幅方向に2つ配置した。また、CCDカメラは、フィルム幅方向の分解能が100μm/pixelのものを用いた。
(光学フィルム)
検査対象となる光学フィルムとしては、PVA等からなる偏光子フィルムを用いた。光学フィルムとしては、フィルム幅が1500mmのものを用いた。
(実施例)
実施例1の放電出力は、図4A、図4Bに示したように、800Wに設定した。実施例2の放電出力は1200Wに設定した。実施例3の放電出力は1000Wに設定した。実施例4の放電出力は600Wに設定した。実施例5の放電出力は400Wに設定した。実施例6の放電出力は300Wに設定した。実施例7の放電出力は230Wに設定した。
(コロナ放電のフィルム幅方向におけるバラツキの検査)
実施例2〜7についてそれぞれ、光学フィルムの幅方向の位置と光量レベルとの関係を調べた。実施例2〜7についてそれぞれ、実施例1の放電出力設定値に対して有意差が得られるか否かを確認した。
図8A、図8Bは、実施例2における光学フィルムの幅方向の位置と光量レベルとの関係を示す図である。
図9A、図9Bは、実施例3における光学フィルムの幅方向の位置と光量レベルとの関係を示す図である。
図10A、図10Bは、実施例4における光学フィルムの幅方向の位置と光量レベルとの関係を示す図である。
図11A、図11Bは、実施例5における光学フィルムの幅方向の位置と光量レベルとの関係を示す図である。
図12A、図12Bは、実施例6における光学フィルムの幅方向の位置と光量レベルとの関係を示す図である。
図13A、図13Bは、実施例7における光学フィルムの幅方向の位置と光量レベルとの関係を示す図である。
図8A)〜図13Aは、999.9マイクロ秒毎にスキャン(データの取り込み)を実施し、一分間、つまり1000回/秒×60秒=60000回、光量データを連続的に同一のグラフにプロットした(重ね書きした)図である。
図8B)〜図13Bは、重ね書きしていない、1回のスキャンのデータを示す図である。
図8B)〜図13Bに示すグラフは、図8A〜図13Aに示す実線部分に相当する。
尚、図8A及び図9Aにおいては、便宜上、実施例1(放電出力800W)における光学フィルムの幅方向の位置と光量レベルとの関係を併せて図示している。
図8A、図8B〜図13A、図13Bでは、図4A、図4Bと同様に、生データではなく適正化データを用いている。
図8A、図8B〜図13A、図13Bにおいて、横軸は光学フィルムの幅方向の位置を示しており、縦軸は光量レベルを示している。尚、横軸は、CCDカメラの視野幅(760mm)に対応しており、画素で表すと4096pixelに相当する。縦軸は、光量レベルの下限値を0、上限値を255として示している。各図において、横軸及び縦軸のレンジは揃っている。
図8A、図8B〜図13A、図13Bに示すように、光量レベルの平均値は、放電出力が大きくなるに従って大きくなっている。また、光量レベルの変動範囲は、光学フィルムの幅方向全域に亘って、帯状に広がっている。
但し、光学フィルムの幅方向の位置によっては、光量レベルの変動範囲が異なる。例えば、光学フィルムの幅方向において画素0pixel〜600pixelの範囲の位置では、画素600pixel〜4096pixelの範囲の位置よりも光量レベルが高くなっている。
この理由は、画素0pixel〜600pixelの範囲がロール露出領域に相当し、画素600pixel〜4096pixelの範囲がフィルム搬送領域に相当することにより、ロール露出領域とフィルム搬送領域との放電特性の違いが影響していると考えられる。つまり、フィルム搬送領域では、絶縁体である光学フィルムが存在することによりコロナ放電が弱まり、放電電流密度が低下しているためと考えられる。
表1は、実施例1〜7における光学フィルムの幅方向の位置と光量レベルとの関係をまとめた表である。
表1において、「光量レベルの平均値」は、実施例1の通常時の放電出力を基準としたときの、つまり、放電出力を800Wに設定した場合の光量レベルの平均値を256階調の略半分の127としたときの、実施例2〜7の放電出力にそれぞれ設定した場合の光量レベルの平均値である。
「(変動範囲)」は、光学フィルムの幅方向全域における光量レベルの変動範囲である。尚、実施例2及び実施例3における変動範囲の下限値は、算出できなかったため、記載していない。
「変動範囲との差」は、実施例1における光量レベルの変動範囲(97〜156)に対する、実施例2〜7のそれぞれにおける光量レベルの平均値の差(小さい方の差)である。具体的には、実施例2〜7のそれぞれにおいて、実施例1における光量レベルの変動範囲の下限値(97)に対する光量レベルの平均値の差と、実施例1における光量レベルの変動範囲の上限値(156)に対する光量レベルの平均値の差と、のうちいずれか小さい方の差を記載している。尚、「変動範囲との差」が10以上であれば、実施例1の放電出力設定値に対して有意差が得られると判定される。
「検出可否」は、実施例2〜7のそれぞれにおいて、光量レベルの変動範囲が実施例1の光量レベルの変動範囲(97〜156)に含まれるか否かを示している。実施例2〜7のそれぞれにおいて、光量レベルの変動範囲が実施例1の光量レベルの変動範囲(97〜156)に含まれない場合を「○(good)」で示している。光量レベルの変動範囲が実施例1の光量レベルの変動範囲(97〜156)に一部含まれる場合を「△(fair)」で示している。
表1に示すように、実施例3では、光量レベルの変動範囲が実施例1の光量レベルの変動範囲(97〜156)に一部含まれることから、実施例1の放電出力設定値に対する有意差としては若干不足する。但し、光量レベルの上下にしきい値を設定し、光量レベルが上下のしきい値で規定される範囲に含まれる場合は正常と判定し、光量レベルが上下のしきい値で規定される範囲に含まれない場合は異常と判定することにより、コロナ放電の異常の有無を検出し、光学フィルムの表面にコロナ処理が均一になされているか否かを確認することは可能である。
一方、実施例2、実施例4〜7では、光量レベルの変動範囲が実施例1の光量レベルの変動範囲(97〜156)に含まれないことから、実施例1の放電出力設定値に対して有意差が見られる。よって、コロナ放電の異常の有無を安定的に検出することができ、光学フィルムの表面にコロナ処理が均一になされているか否かを精度良く確認することができる。
また、実施例4〜7の結果から、放電出力が230W〜600Wの範囲では、放電出力が100W程度の変化であっても、他の実施例の放電出力設定値に対して十分な有意差が得られることが分かった。
1…光学フィルムの製造装置、3…コロナ処理装置、4…検査装置、40…CCDカメラ、40a…第1カメラ(CCDカメラ)、40b…第2カメラ(CCDカメラ)、100…貼合システム、106…切断装置、107…回収装置、108…貼合装置、110…判定装置、P…液晶パネル(貼合対象物)、Fa…未処理フィルム(光学フィルム)、Fb…処理済フィルム(光学フィルム)

Claims (3)

  1. 光学フィルムを搬送する搬送装置と、
    前記光学フィルムの搬送経路上に配置され、前記光学フィルムの搬送方向に直交する前記光学フィルムの幅方向にコロナ放電を生じさせ、前記光学フィルムの表面にコロナ処理を施すコロナ処理装置と、
    前記コロナ放電により発せられた光の光量を前記光学フィルムの幅方向にわたって検査する検査装置と、
    を含む光学フィルムの製造装置。
  2. 前記検査装置が、前記コロナ放電により発せられた光を受光するCCDカメラを含む請求項1に記載の光学フィルムの製造装置。
  3. 請求項1または2に記載の光学フィルムの製造装置と、
    前記コロナ放電により発せられた光の光量が所定の範囲内に含まれているか否かを判定する判定装置と、
    前記光学フィルムの製造装置により製造された光学フィルムから、前記判定装置により前記所定の範囲内に含まれていないと判定された部分を不良部分として切り離し、前記不良部分が存在しない光学フィルムを形成する切断装置と、
    前記不良部分を回収する回収装置と、
    前記切断装置により形成された前記不良部分が存在しない光学フィルムを、貼合対象物に貼合する貼合装置と、
    を含む貼合システム。
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