本発明の実施形態について、図を参照して説明する。全図を通じて同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
実施形態1.
本発明の実施形態1に係る通電管理システム101は、図1に示すように、商用電源102から送電線103を介して供給される電力の住宅104への通電を、状態情報に基づいて管理するシステムである。
状態情報は、住宅104の状態を示す情報であって、通電火災に関連する状態を示すものである。住宅104の状態は、住宅104自体の状態、住宅104に関連付けて設けられる物110a〜b,111の状態、利用者としての住人105などの状態などを含む。
状態情報が示す状態の種別の具体例として、住宅内の物110a〜b,111、又は住人105の位置、地震発生時の住宅104での震度、地震などにより物110a〜b,111が傾いた場合の傾きの程度、火災の発生(煙濃度)などを挙げることができる。状態の種別には、さらに、住宅内の配線106a,bにおける断線及び地絡、水漏れ、ガス漏れなどが含まれてもよい。
なお、商用電源102は、通電管理システム外の電源(外部電源)の一例であって、外部電源は、住宅104に設けられる太陽光パネル、蓄電池などであってもよい。また、住宅104は、通電管理システム101が管理する一定の範囲(管理範囲)の一例であって、オフィス、ビルなどであってもよく、一定範囲の土地、公園、一定範囲の道路などであってもよい。
通電管理システム101は、通電管理装置107と、生成送信装置108と、基準位置装置A109a及びB109bとを備える。本実施形態の生成送信装置108は、第1生成送信装置A108a,B108b、第2生成送信装置108c、第3生成送信装置108d、及び第4生成送信装置108eを含む。
通電管理装置107には、商用電源102から供給される電力を送る送電線103が接続されている。また、通電管理装置107には、住宅内の配線106a,bを介して電気機器A110a及びB110bが接続されている。
第1生成送信装置A108a及びB108bはそれぞれ、電気機器A110a及びB110bに内蔵又はその外部に取り付けられる。電気機器A110a及びB110bは、例えば電灯、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、テレビなどである。
第2生成送信装置108cは、什器111に設けられる。什器111は、例えば机、タンス、棚などである。第3生成送信装置108dは、住宅104の住人105に携帯される。第4生成送信装置108eと、基準位置装置A109a及びB109bとは、住宅104に固定される。固定とは、住宅104に対して位置ずれを生じない態様で取り付けられていることである。例えば、金具などを用いて床や壁にネジ止めされていること、粘着シートなどを介して床に粘着又は接着されていることなどを含む。
通電管理装置107は、商用電源102から供給される電力の住宅104への通電を状態情報に基づいて管理する装置である。通電管理装置107は、図2に示すように、送電線103と配線106a,bとの間に配置されるブレーカ部(通電切替手段)112を備える。
ブレーカ部112は、送電線103を介して商用電源102から供給される電力を配線106a,bのいずれにも通電させる通電状態と、その電力を配線106a,bのいずれにも通電させない遮断状態とを切り替えることができる。配線106a,bには、図示しないコンセントを適宜介して、電気機器A110a及びB110bが接続される。なお、本実施形態では、ブレーカ部112に接続される配線106a,bは任意の数であってよい。
通電管理装置107は、さらに、通常状態記憶部113と、状態記憶部114とを備える。これらの記憶部113,114は、例えば通電管理装置107に内蔵され、又は通電管理装置107の外部に取り付けられるフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)などである。
通常状態記憶部113は、住宅104の通常の状態を示す情報(通常状態情報)113aを記憶している。通常通常状態情報113aは、例えば通電管理装置107を初めて起動する時、住人105が意図する時、定期的(例えば、10分、30分など)に設定されてよい。すなわち、通常の状態とは、例えば通電管理装置107を初めて起動した時の状態、住人105が意図する状態、災害が発生する前の状態である。
図3Aは、本実施形態に係る通常状態情報113aを示す。同図に示す通常状態情報113aは、電気機器A110aに設けられる第1生成送信装置A108aについて、位置に関する通常状態情報115aと、傾きに関する通常状態情報116aと、地絡・断線に関する通常状態情報117a,118aとを含む。
第1生成送信装置A108aについての位置に関する通常状態情報115aは、住宅104における第1生成送信装置A108aの通常時の位置を示す情報である。図3Aに示すRA1は、基準位置装置A109aから第1生成送信装置A108aまでの通常時の距離を表す。また、RA2は、基準位置装置B109bから第1生成送信装置A108aまでの通常時の距離を表す。±10cmは、第1生成送信装置A108aの位置に関する許容変化量であって、測定誤差、比較的軽微な揺れなどで電気機器A110aが移動する量などを考慮して定められてよい。
第1生成送信装置A108aについての傾きに関する通常状態情報116aは、第1生成送信装置A108aの通常時の傾きを例えば水平面に対する角度で示す情報である。この傾きに関する通常状態情報116aは、図3Aに示すように、0度を中心に±5度を示す。±5度は、第1生成送信装置A108aの傾きに関する許容変化量であって、位置に関する許容変化量と同様に定められてよい。地絡・断線に関する通常状態情報117a,118aは、電気機器A110aが接続される配線106aにおける地絡又は断線の有無を示す情報である。
通常状態情報113aは、電気機器B110bに設けられる第1生成送信装置B108bについて、位置に関する通常状態情報115bと、傾きに関する通常状態情報116bと、地絡・断線に関する通常状態情報117b,118bとを含む。位置に関する通常状態情報115b、傾きに関する通常状態情報116b、及び地絡・断線に関する通常状態情報117b,118bのそれぞれは、上述の第1生成送信装置A108aについての通常状態情報115a〜118aのそれぞれと同様の状態を示す。
通常状態情報113aは、什器111に設けられる第2生成送信装置108cについて、位置に関する通常状態情報115cと、傾きに関する通常状態情報116cとを含む。位置に関する通常状態情報115c及び傾きに関する通常状態情報116cのそれぞれは、上述の第1生成送信装置A108aについての通常状態情報115a及び116aと同様である。
通常状態情報113aは、住人105が携帯する第3生成送信装置108dについて、位置に関する通常状態情報115dを含む。位置に関する通常状態情報115dは、在宅時の住人105が通常時に位置する範囲を示す情報である。図3Aに示す0〜RD1及び0〜RD2のそれぞれは、基準位置装置A109a及びB109bからの距離を表す。RD1及びRD2のそれぞれは例えば、住人105が住宅104の隅々へ移動した場合に計測される基準位置装置A109a及びB109bからの距離であり、+5cmは測定誤差などを考慮した許容変化量である。
通常状態情報113aは、住宅104に設置される第4生成送信装置108eについて、地震に関する通常状態情報119と、火災に関する通常状態情報120と、水漏れに関する通常状態情報121と、ガス漏れに関する通常状態情報122とを含む。地震に関する通常状態情報119は、地震発生時の揺れが通電を遮断すべき程度に大きいものか否かを判断する基準を示す情報である。火災に関する通常状態情報120は、火災が発生しているか否かを判断する基準となる煙濃度を示す情報である。水漏れ及びガス漏れに関する通常状態情報121,122のそれぞれは、住宅104において通常時に水漏れ及びガス漏れがないことを示す情報である。
図2に戻り、状態記憶部114は、状態情報114aを記憶している記憶部である。状態情報114aは、通電管理装置107が生成送信装置108から受信した最新の状態情報であって、生成送信装置108が状態情報を生成した時の住宅104の状態を示す。
本実施形態では復電時に状態情報を生成する例により説明するため、本実施形態に係る状態情報114aは、復電時に各生成送信装置108が生成する状態情報である。復電とは、災害などによって停電が発生した後に、商用電源102からの電力供給が回復することをいう。
状態情報114aは、図3Bに示すように、通常状態情報113aと同様の種別の状態を示す状態情報を含む。すなわち、状態情報114aは、第1生成送信装置A108a(第1生成送信装置B108b)について、位置に関する状態情報123a(123b)と、傾きに関する状態情報124a(124b)と、地絡・断線に関する状態情報125a,126a(125b,126b)とを含む。また、状態情報114aは、第2生成送信装置108cについて、位置に関する状態情報123cと、傾きに関する状態情報124dとを含む。さらに、状態情報114aは、第3生成送信装置108dについて、位置に関する状態情報123dを含む。さらに、状態情報114aは、第3生成送信装置108eについて、地震、火災、水漏れ、及びガス漏れのそれぞれに関する状態情報127〜130を含む。
図2に戻り、通電管理装置107は、さらに、制御部131を稼動させるか否かを切り替える電源スイッチ132と、ブレーカ部112の通電状態と遮断状態との切り替えを制御する制御部131と、制御部131が稼働するための電源を切り替える電源切替部133とを備える。
電源スイッチ132は、制御部131の稼動(ON)と停止(OFF)とを切り替えるスイッチである。電源スイッチ132は、住人105が操作するボタン、切り替えレバーなどを含んで構成される。
制御部131は、復電時に生成送信装置108から状態情報を受信し、受信した状態情報に基づいてブレーカ部112を制御する。
制御部131は、電力監視部134と、要求送信部135と、状態受信部136と、通常状態取得部137と、状態取得部138と、状態判断部139と、通電制御部140と、通知部141とを備える。
電力監視部134は、商用電源102から電力が供給されているか否かを監視する。電力監視部134は、図2に示すように、給電センサ142と、停電判断部143と、復電判断部144とを備える。
給電センサ142は、商用電源102からの電力の供給状態を検知するセンサである。
停電判断部143は、給電センサ142によって電力供給の停止(停電)が検知された場合に、停電が発生したと判断する。停電が発生したと判断した停電判断部143は、停電の発生を示す情報(停電情報)を生成し保持する。
復電判断部144は、停電判断部143によって停電が発生したと判断された後に(例えば、停電情報が保持されている場合に)、給電センサ142によって電力供給の再開が検知されたときに、復電したと判断する。復電したと判断した復電判断部144は、停電判断部143の停電情報を削除させる。
要求送信部135は、各生成送信装置108へ要求情報を送信する。要求情報は、生成する状態情報を生成して送信することの要求を含む情報である。要求送信部135は、復電判断部144によって復電したと判断された場合に、状態情報114aを更新するための要求情報を送信する。また、要求送信部135は、所定の時期に、通常状態情報113aを更新するための要求情報を送信する。
なお、通電管理装置107は、生成送信装置108が住宅104の状態の変化を検知し、そのことを示す通知を受け付けてもよい。そして、要求送信部135は、この通知を受け付けた時に、各生成送信装置108へ要求情報を送信してもよい。
状態受信部136は、生成送信装置108から状態情報を一定時間受信する。状態情報を受信した状態受信部136は、受信した状態情報によって状態記憶部114の状態情報又は通常状態記憶部113の通常状態情報113aを更新する。状態受信部136は、図2に示すように、受信計時部145と、状態情報受信部146と、状態情報更新部147とを備える。
受信計時部145は、要求送信部135が要求情報を送信した後の経過時間を計測する。状態情報受信部146は、受信計時部145によって計測される経過時間が予め定めた時間になるまで、各生成送信装置108から状態情報を受信する。
状態情報更新部147は、状態情報114aを更新するための要求情報に応じた状態情報が受信された場合に、その受信された状態情報によって状態記憶部114が記憶している状態情報114aを更新する。また、状態情報更新部147は、通常状態情報113aを更新するための要求情報に応じた状態情報が受信された場合、その受信された状態情報によって通常状態記憶部113が記憶している通常状態情報113aを更新する。
通常状態取得部137は、通常状態記憶部113から通常状態情報113aを取得する。状態取得部138は、状態記憶部114から状態情報114aを取得する。
状態判断部139は、通常状態取得部137によって取得された通常状態情報113aと、状態取得部138によって受信された状態情報114aとに基づいて、住宅104が通常の状態であるか否かを判断する。例えば、状態情報114aによって示される状態が1つでも、通常状態情報113aによって示される状態ではない場合に、状態判断部139は、住宅104が通常の状態ではない、すなわち異常な状態であると判断する。また、状態情報114aによって示される状態のすべてが、通常状態情報113aによって示される状態である場合に、状態判断部139は、住宅104が通常の状態であると判断する。
なお、状態判断部139は、状態情報受信部146が受信した状態情報114aの一部、例えば第1、第2、及び第4生成送信装置108a〜c,eが送信する状態情報に基づいて、住宅104の状態を判断してもよい。
なお、通常状態情報113aは、所定の複数の組み合わせに係る状態情報114aによって示される状態について、通常の状態を示すものであってもよい。例えば、第1生成送信装置A108aの位置に関する状態を示す状態情報114aと地震に関する状態を示す状態情報114aとを組み合わせたものを一例に挙げることができる。この場合、通常状態情報113aは、例えば、震度が5未満であり、かつ、第1生成送信装置A108aの位置が(RA1±10cm,RA2±10cm)であることを示す。状態判断部139は、状態情報受信部146が受信した状態情報114aが、震度5未満を示さない場合又は第1生成送信装置A108aの位置について(RA1±10cm,RA2±10cm)の範囲内を示さない場合に、住宅104が異常な状態であると判断するとよい。また、状態判断部139は、状態情報受信部146が受信した状態情報114aが、震度5未満を示し、かつ、第1生成送信装置A108aの位置について(RA1±10cm,RA2±10cm)を示し、その他も通常状態情報113aが示す状態である場合に、住宅104が通常の状態であると判断するとよい。また、所定の複数の組み合わせに係る状態情報114aは、例えば、第1生成送信装置A108aの位置及び傾きに関する状態を示す状態情報114aを組み合わせたものであってもよい。
通電制御部140は、状態判断部139による判断結果に基づいて、ブレーカ部112を制御する。状態判断部139によって住宅104が異常な状態であると判断された場合に、通電制御部140はブレーカ部112を遮断状態にする。状態判断部139によって住宅104が正常な状態であると判断された場合に、通電制御部140はブレーカ部112を通電状態にする。なお、通電制御部140は、地震などの災害が検知された場合、ただちに一旦ブレーカ部112を遮断状態としてもよい
通知部141は、状態判断部139によって住宅104が異常な状態であると判断された場合に、異常な状態であること又はその内容を文字、画像、光、音などによって住人105に通知する。通知部141は、例えば液晶モニタ、ランプ、スピーカなどである。これによって、住宅104が異常な状態である場合に、住宅104の異常を住人105に早く知らせることが可能になる。
電源切替部133は、電源スイッチ132が「ON」である場合に、制御部131が稼働するための電源を、商用電源102と予備電源148との間で切り替える。予備電源148は、商用電源102を電源として使用できない場合に制御部131を稼働させるための電源であり、電池などである。
例えば、電源切替部133は、停電しているか否かを検知する。そして、電源切替部133は、商用電源102から電力が供給されている場合には商用電源102を使用し、停電している場合には、予備電源148を使用するように切り替える。なお、通電管理装置107がブレーカ部112より後段(例えば、配線106a)から電源を得ている場合には、ブレーカ部112が遮断状態である場合も、商用電源102を電源として使用できない場合に含まれる。予備電源148を備えることにより、商用電源102を電源として使用できるか否かにかかわらず、制御部131すなわち通電管理装置107を稼働させることが可能になる。
電源スイッチ132が「OFF」である場合には、電源切替部133は、商業電源102及び予備電源148から制御部131への通電を遮断し、これによって、制御部131を停止させる。制御部131が停止した場合、住人105などがブレーカ部112を手動で操作することができる。これによって、長期不在などにより電力供給が不要な場合に、ブレーカ部112を遮断状態にしておくことができ、安全性を向上させることが可能になる。
なお、通電管理装置107が備える電源スイッチ132が、制御部131の稼働と停止とを切り替える具体的な態様は、本実施形態のものに限られない。例えば、電源スイッチ132は、制御部131を停止させるために制御部131が実行するソフトウェア・プログラムを実行させるスイッチなどであってもよい。また、通電管理装置107は、電源スイッチ132がOFFの場合であっても制御部131を完全に停止させないように設けられてもよい。例えば、例えば電源スイッチ132がONかOFFかにかかわらず電力監視部134を常時作動させ、復電時には制御部131が必ず稼動してもよい。
これまで説明した制御部131及び電源切替部133は、1つ又は複数のプロセッサなどによって構成される。また、制御部131及び電源切替部133が備える機能は、制御部131及び電源切替部133を構成するプロセッサなどが備える機能として実現されてよい。また、それらの機能は、プロセッサなどが図示しない記憶部に記憶されたソフトウェア・プログラム(以下、プログラムという。)などを実行することによって備える機能として実現されてよい。さらに、それらの機能は、プロセッサなどの機能とプログラムを実行するプロセッサなどが備える機能との組み合わせにより実現されてもよい。
生成送信装置108は、無線通信によって通電管理装置107から要求情報を受信した場合に、状態情報を生成して送信する装置である。生成送信装置108は、例えば電池などを電源とし、これによって、電源線に制約されることなく生成送信装置108を設けることが可能になる。
なお、生成送信装置108は、商用電源102を電源として使用できない場合には商用電源102を使用し、商用電源102を電源として使用できる場合には電池を予備電源として使用するように切り替えてもよい。この場合、電池の消耗を抑制することが可能になり、通電管理装置107及び基準位置装置A109a,B109bとの通信頻度を高くすることが可能になる。
第1生成送信装置A108aは、図4に示すように、要求受信部149と、第1状態生成部A150と、第1状態送信部A151とを備える。要求受信部149は、要求送信部135によって送信された要求情報を受信する。なお、要求情報は配線106aを介して受信されてもよい。
第1状態生成部A150は、電気機器A110aの位置、断線、地絡、及び傾きに関する状態情報を生成する。第1状態生成部A150は、図4に示すように、第1位置生成部152と、断線生成部153と、地絡生成部154と、第1傾き生成部155とを備える。
第1位置生成部152は、第1生成送信装置A108aの位置に関する状態情報を生成する。第1位置生成部152は、基準位置装置A109a及びB109bのそれぞれとの間で信号を授受することによって、基準位置装置A109a及びB109bのそれぞれと第1生成送信装置A108aと間の距離を測定する。そして、第1位置生成部152は、測定した距離に基づいて、第1生成送信装置A108aの位置を示す状態情報を生成する。第1位置生成部152の詳細な構成については後述する。
断線生成部153は、配線106aの断線に関する状態情報を生成する。断線生成部153は、例えば配線106aに断線が発生した場合に電流が流れるように設けられたトランジスタを含み、トランジスタに流れる電流を監視することによって、断線を検知する。断線生成部153は、配線106aの断線が検知されたか否かに基づいて、配線106aにおける断線の有無を示す状態情報を生成する。
地絡生成部154は、配線106aの地絡に関する状態情報を生成する。地絡生成部154は、例えば配線106aの抵抗値に基づいて配線106aの地絡を検知する。地絡生成部154は、配線106aの地絡が検知されたか否かに基づいて、配線106aにおける地絡の有無を示す状態情報を生成する。
第1傾き生成部155は、第1生成送信装置A108aの傾きに関する状態情報を生成する。第1傾き生成部155は、例えば加速度センサを含む。第1傾き生成部155は、第1生成送信装置A108aが設置されている位置における重力加速度の方向と大きさを、加速度センサを用いて予め測定し、それぞれを示す情報を記憶しておく。そして、第1傾き生成部155は、加速度センサから随時得られる重力加速度の方向及び大きさと、記憶している情報が示す重力加速度の方向及び大きさとを比較することによって、第1生成送信装置A108aの水平方向に対する傾斜角を示す状態情報を生成する。
第1状態送信部A151は、第1状態生成部A150によって生成された位置、断線、地絡、及び傾きに関する状態情報と第1生成送信装置A108aを特定することができる情報と関連付けて、通電管理装置107へ送信する。
第1生成送信装置B108bは、上述の第1生成送信装置Aと同様の構成を備えるため、その詳細な説明については省略する。
第2生成送信装置108cは、図5に示すように、要求受信部149と、第2状態生成部156と、第2状態送信部157とを備える。要求受信部149の説明は、上述したためここでは省略する。
第2状態生成部156は、第2生成送信装置108cの位置及び傾きに関する状態情報を生成する。第2状態生成部156は、第2位置生成部158と、第2傾き生成部159とを備える。第2位置生成部158は、第1位置生成部152と同様の構成を備え、基準位置装置A109a及びB109bのそれぞれと第2生成送信装置108cとの間の距離を測定し、それによって、第2生成送信装置108cの位置を示す状態情報を生成する。第2傾き生成部159は、第1傾き生成部155と同様の構成を備え、第2生成送信装置108cの水平方向に対する傾斜角を示す状態情報を生成する。
第2状態送信部157は、第2状態生成部156によって生成された位置及び傾きに関する状態情報と第2生成送信装置108cを特定することができる情報と関連付けて、通電管理装置107へ送信する。
第3生成送信装置108dは、図6に示すように、要求受信部149と、第3状態生成部160と、第3状態送信部161とを備える。要求受信部149の説明は、上述したためここでは省略する。
第3状態生成部160は、住人105の位置に関する状態情報を生成する。第3状態生成部160は第3位置生成部162を備える。第3位置生成部162は、第1位置生成部152と同様の構成を備え、基準位置装置A109a及びB109bのそれぞれと住人105との間の距離を測定し、それによって、住人105の位置を示す状態情報を生成する。
第3状態送信部161は、第3状態生成部160によって生成された位置に関する状態情報と第3生成送信装置108dを特定することができる情報と関連付けて、通電管理装置107へ送信する。
第4生成送信装置108eは、図7に示すように、要求受信部149と、第4状態生成部163と、第4状態送信部164とを備える。要求受信部149の説明は、上述したためここでは省略する。
第4状態生成部163は、地震、火災、水漏れ、及びガス漏れに関する状態情報を生成する。第4状態生成部163は、震度生成部165と、火災検知部166と、水漏れ検知部167と、ガス漏れ検知部168とを備える。
震度生成部165は、地震に関する状態情報を生成する。震度生成部165は、例えば加速度センサを含み、加速度センサにより測定される地震の揺れの加速度から震度を推定することによって、震度を測定する。そして、震度生成部165は、測定した震度を示す状態情報を生成する。
火災検知部166は、住宅104での火災に関する状態情報を生成する。火災検知部166は、例えば発光素子と、その発光素子から発せられる光を受ける受光素子とを含み、受光素子の受光量に基づいて煙濃度を測定する。そして、火災検知部166は、測定した煙濃度を示す状態情報を生成する。
水漏れ検知部167は、住宅104での水漏れに関する状態情報を生成する。水漏れ検知部167は、例えば一対の電極を含み、その電極間が短絡したか否かによって水漏れを検知する。水漏れ検知部167は、水漏れを検知したか否かに基づいて、水漏れの有無を示す状態情報を生成する。
ガス漏れ検知部168は、住宅104でのガス漏れに関する状態情報を生成する。ガス漏れ検知部168は、例えばガスが表面に吸着した場合に抵抗値が変化するガスセンサを含む。ガス漏れ検知部168は、ガスセンサの抵抗値に基づいて推定されるガス濃度が一定以上であるか否かに基づいて、ガス漏れの有無を示す状態情報を生成する。
第4状態送信部164は、第4状態生成部163によって生成された地震、火災、水漏れ、及びガス漏れに関する状態情報と第4生成送信装置108eを特定することができる情報と関連付けて、通電管理装置107へ送信する。
ここで、図8を参照して、第1生成送信装置A108aが備える第1位置生成部152の詳細な構成について説明する。
第1位置生成部152は、図8に示すように、測距信号送信部169と、測距応答受信部170と、応答時間計測部171と、応答時間格納部172と、特定可否判断部173と、位置特定部174と、位置情報生成部175とを備える。
測距信号送信部169は、基準位置装置A109a及びB109bのそれぞれとの間の距離を測定するための信号(測距信号)を基準位置装置A109a及びB109bのそれぞれへ送信する。
測距応答受信部170は、測距信号に対する応答である測距応答信号を基準位置装置A109a及びB109bのそれぞれから受信する。
応答時間計測部171は、測距信号が送信されてから基準位置装置A109a及びB109bのそれぞれの測距応答信号が受信されるまでの応答時間TA,TBを計測し、各応答時間TA,TBを示す応答時間情報を生成する。応答時間格納部172には、応答時間計測部171によって計測された応答時間TA,TBを示す応答時間情報が、応答時間計測部171によって格納される。なお、応答時間TA,TBは、応答時間計測部171によって計測された時間から基準位置装置A109a,B109bにおける処理時間を引いた時間であってもよい。
特定可否判断部173は、測距応答受信部170が基準位置装置A109a及びB109bから測距応答信号を受信したか否かに基づいて、電気機器A110aの位置を特定することができるか否かを判断する。詳細には例えば、測距応答受信部170が基準位置装置A109a及びB109bのすべてから所定の時間内に測距応答信号を受信した場合に、特定可否判断部173は、電気機器A110aの位置を特定することができると判断する。また、測距応答受信部170が基準位置装置A109a及びB109bのいずれかから所定の時間内に測距応答信号を受信していない場合に、特定可否判断部173は、第1生成送信装置A108aの位置を特定することができないと判断する。
位置特定部174は、特定可否判断部173によって第1生成送信装置A108aの位置を特定することができると判断された場合に、基準位置装置A109a及びB109bのそれぞれから電気機器A110aまでの距離(RAx,RAy)を算出する。そして、位置特定部174は、その算出結果に基づいて、住宅104における第1生成送信装置A108aの位置を特定する。本実施形態では、第1生成送信装置A108aの位置は、(RAx,RAy)により特定されることとする。
ここで、RAxは、基準位置装置A109aから第1生成送信装置A108aまでの距離を表す。RAxは、(応答時間T)×(光の速度)/2によって算出される。基準位置装置Bから第1生成送信装置A108aまでの距離RAyも、同様に算出される。
位置情報生成部175は、位置特定部174によって特定された位置を示す状態情報を生成する。
なお、第1位置生成部152は、画像データに基づいて第1生成送信装置A108aの位置を特定してもよい。例えば、第1位置生成部152は、固定位置に設置されたカメラによって、第1生成送信装置A108aが設けられる電気機器A110aを撮影することによって得られる画像データを取得する。その画像データをパターンマッチングすることなどにより第1生成送信装置A108aの位置を特定することができる。これによって、少ない基準位置装置で精度よく、第1生成送信装置A108aの位置を特定することが可能になる。
第1生成送信装置B108bも、同様の第1位置生成部152を備える。また、第2及び第3生成送信装置108c,dが備える第2及び第3位置生成部158,162はいずれも、これまで説明した第1生成送信装置A108aが備える第1位置生成部152と同様の構成を備えるため、それらの詳細な構成についての説明は省略する。
基準位置装置A109a,B109bは、位置に関する状態情報が示す位置の基準となる装置である。基準位置装置A109aは、測距信号受信部176と、測距応答送信部177とを備える。測距信号受信部176は、測距信号送信部169によって送信された測距信号を受信する。測距応答送信部177は、測距信号を送信した生成送信装置108へ測距応答信号を送信する。
基準位置装置B109bは、基準位置装置A109aと同様の構成を備えるため、ここではその詳細な説明を省略する。
なお、基準位置装置A109a及びB109bは、3つ以上備えられてもよい。これによって、第1位置生成部152は、位置を精度よく、又は高い次元の位置を特定することができる。さらに、第1位置生成部152は、次式のような評価関数を採用し、最小二乗法などでPtを算出することで位置を特定してもよい。
ここで、基準位置装置は、k個とする。Ptは、k個の成分を含むベクトルであり、第1生成送信装置A108aの位置を表す。Pi(i=1・・・k)は、k個の成分を含むベクトルであり、第i基準位置装置の位置を表す。di(i=1・・・k)は、第1生成送信装置A108aと第i基準位置装置との間の距離を表す。
なお、本実施形態で説明した位置、断線、地絡、傾き、地震、火災(煙)、水漏れ、及びガス漏れに関する状態情報を生成する方法のそれぞれは一例にすぎず、適宜他の方法が採用されてもよい。
ここから、本発明の実施形態1に係る通電管理システム101が実行する処理について説明する。
図10は、本発明の実施形態1に係る通電管理装置107が実行する処理のフローチャートである。
給電センサ142によって停電が検知されない場合に、停電判断部143は、停電が発生していないと判断し(ステップS101:No)、停電判断処理(ステップS101)を継続する。
給電センサ142によって停電が検知された場合に、停電判断部143は、停電が発生したと判断し(ステップS101:Yes)、停電情報を生成し保持する。なお、停電発生時には、電源切替部133によって、制御部131を稼働させるための電源を商用電源102から予備電源148に切り替える。
給電センサ142によって電力供給が検知されない場合に、復電判断部144は、復電していないと判断し(ステップS102;No)、復電判断処理(ステップS102)を継続する。
停電判断部143によって停電情報が保持されている場合に、給電センサ142によって電力供給が検知されたとき、復電判断部144は、復電したと判断する(ステップS102;Yes)。
復電したと判断されると(ステップS102;Yes)、要求送信部135は、状態情報114aを更新するための要求情報を生成送信装置108へ送信する(ステップS103)。
要求送信部135によって要求情報が送信されると(ステップS103)、受信計時部145は、経過時間の計測を開始する。状態情報受信部146は、受信計時部145によって計測される経過時間が予め定めた時間(例えば、10秒)にならない場合に(ステップS104;No)、生成送信装置108から送信される状態情報の受信を継続する。
この間に、生成送信装置108の各々は、要求情報を受信し、状態情報を生成し送信する。生成送信装置108の各々が実行する処理については、後述する。
状態情報受信部146は、受信計時部145によって計測される経過時間が予め定めた時間になった場合に(ステップS104;Yes)、状態情報を受信したか否かを判断する(ステップS105)。
状態情報を受信したと判断された場合に(ステップS105;Yes)、状態情報更新部147は、受信された状態情報によって状態記憶部114が記憶している状態情報114aを更新する(ステップS106)。
通常状態取得部137は、通常状態記憶部113から通常状態情報113aを取得する(ステップS107)。状態取得部138は、状態記憶部114から状態情報114aを、すなわち状態情報受信部146によって受信された状態情報を取得する(ステップS108)。
状態判断部139は、状態情報114aによって示される状態の少なくとも1つが、それに対応する通常状態情報113aによって示される状態ではない場合に、住宅104が異常な状態であると判断する(ステップS109;異常な状態)。
図3Aに示す通常状態情報113aの具体例により、状態判断処理(ステップS109)において「異常な状態」と判断する場合について説明する。
例えば、第1生成送信装置A108aから送信される位置に関する状態情報114aが示す(RAx,RAy)が、RAx<RA1−10cm、RAx>RA1+10cm、RAy<RA2−10cm、又はRAy>RA2+10cmである場合に、状態判断部139は、住宅104が異常な状態であると判断する。同様に、第1生成送信装置A108aから送信される傾きに関する状態情報114aが、対応する通常状態情報113aが示す範囲外を示す場合に、状態判断部139は、住宅104が異常な状態であると判断する。
また例えば、第1生成送信装置A108aから送信される地絡又は断線に関する状態情報114aが、対応する通常状態情報113aが示す状態(「なし」)でない場合に、状態判断部139は、住宅104が異常な状態であると判断する。
さらに例えば、第4生成送信装置108eから送信される地震に関する状態情報114aが示す震度が、5以上である場合に、状態判断部139は、住宅104が異常な状態であると判断する。第4生成送信装置108eから送信される火災に関する状態情報114aが示す煙濃度が、10%/m以上である場合に、状態判断部139は、住宅104が異常な状態であると判断する。
さらに例えば、第4生成送信装置108eから送信される水漏れ又はガス漏れに関する状態情報114aが、対応する通常状態情報113aが示す状態(「なし」)でない場合に、状態判断部139は、住宅104が異常な状態であると判断する。
これに対して、状態判断部139は、状態情報114aによって示される状態のすべてが、それぞれに対応する通常状態情報113aによって示される状態である場合に、住宅104が通常の状態であると判断する(ステップS109;通常の状態)。
状態判断部139によって住宅104が通常の状態であると判断された場合に(ステップS109;通常の状態)、通電制御部140は、ブレーカ部112を通電状態にする(ステップS110)。状態判断部139によって住宅104が異常な状態であると判断された場合に(ステップS109;異常な状態)、通電制御部140は、ブレーカ部112を遮断状態にする(ステップS111)。
状態情報を受信していないと判断された場合に(ステップS105;No)、又は、ブレーカ制御処理(ステップS110又はS111)の後に、電源スイッチ132が「ON」である場合(ステップS112;「ON」)、制御部131は、停電判断処理(ステップS101)に戻る。また、電源スイッチ132が「OFF」である場合(ステップS112;「OFF」)、制御部131は処理を終了する。
ここから、生成送信装置108の各々が実行する処理について説明する。
図11は、実施形態1に係る第1生成送信装置A108aが状態情報を生成し送信するために実行する処理を示すフローチャートである。
第1生成送信装置A108aの要求受信部149は、通電管理装置107によって送信された要求情報を受信する(ステップS201)。要求情報が受信されると、第1位置生成部152は、基準位置装置A109a及びB109bと通信することによって位置に関する状態情報123aを生成する(ステップS202)。
ここで、位置に関する通常状態情報生成処理(ステップS202)において実行される処理の詳細を図12に示す。
第1生成送信装置A108aの測距信号送信部169は、基準位置装置A109a及びB109bのそれぞれへ測距信号を送信する(ステップS301)。この時、応答時間計測部171は、時間の計測を開始する。
基準位置装置A109a及びB109bのそれぞれの測距信号受信部176は、測距信号送信部169によって送信された測距信号を受信する(ステップS302)。基準位置装置A109a及びB109bのそれぞれの測距応答送信部177は、測距応答信号を送信する(ステップS303)。
測距応答受信部170は、予め定められた時間が経過するまで、基準位置装置A109a及びB109bのそれぞれの測距応答送信部177から送信された測距応答信号を受信する。そして、測距応答受信部170は、基準位置装置A109a及びB109bのいずれから測距応答信号を受信したかを応答時間計測部171に通知する(ステップS304)。
測距応答受信部170から通知を受けた応答時間計測部171は、計測を開始してから測距応答信号を受信するまでの応答時間を示す応答時間情報を応答時間格納部172に格納する(ステップS305)。この時格納される応答時間情報には、応答時間が基準位置装置A109a及びB109bのいずれに関するものであるかを特定できる情報が関連付けられる。
特定可否判断部173は、測距応答受信部170が基準位置装置A109a及びB109bの両方又は一方から予め定められた時間内に測距応答信号を受信していない場合に、位置を特定できないと判断する(ステップS306;No)。位置を特定できないと判断された場合(ステップS306;No)、測距信号送信部169は、測距信号送信処理(ステップS301)を再度実行する。なお、位置を特定できないとの判断を所定の回数繰り返した場合、特定可否判断部173は、位置に関する通常状態情報生成処理(ステップS202)を終了してもよい。
特定可否判断部173は、測距応答受信部170が基準位置装置A109a及びB109bの両方から予め定められた時間内に測距応答信号を受信した場合に、位置を特定できると判断する(ステップS306;Yes)。
位置を特定できると判断された場合(ステップS306;Yes)、位置特定部174は、応答時間格納部172から応答時間情報を取得し、基準位置装置A109a及びB109bのそれぞれからの距離RAx,RAyを算出する。それによって、位置特定部174は、第1生成送信装置A108aの位置(RAx,RAy)を特定する(ステップS307)。
なお、距離RAx及びRAyのそれぞれは、予め定めた回数測定された応答時間TA,TBの平均に基づいて算出されてもよい。これによって、誤差を軽減し、距離RAx及びRAyをより正確に測定できる。この場合、測距応答受信部170が、予め定めた回数の測距応答信号を受信していない場合に、特定可否判断部173は、位置を特定できないと判断してもよい(ステップS306;No)。
なお、本実施形態では第1生成送信装置A108aの位置は、基準位置装置A109a及びB109bのそれぞれからの距離によって表される(RAx,RAy)とするが、これに限られない。第1生成送信装置A108aの位置は、基準位置装置A109a及びB109bのそれぞれからの距離RAx,RAyから特定することができる、位置又は範囲に変換されてもよい。ここでの位置又は範囲は例えば、住宅内のある位置(例えば、基準位置装置A109aの位置)を原点とし、住宅104を上方から見た平面における座標系により表されてよい。
なお、測距信号及び測距応答信号に、例えば、インパルス信号を送るウルトラワイドバンドインパルス無線信号を用いることによって、応答時間TA,TBを正確に計測することができるため、より正確な距離を計測することができる。
位置情報生成部175は、位置特定部174によって特定された位置(RAx,RAy)を示す状態情報を生成する(ステップS308)。これによって、第1位置生成部152は、処理を終了する。
ここから、図11に戻る。
断線生成部153は、配線106aの断線を検知した場合に、配線106aに断線があることを示す状態情報を生成する(ステップS203)。また、断線生成部153は、配線106aの断線を検知しない場合に、配線106aに断線がないことを示す状態情報を生成する(ステップS203)。
地絡生成部154は、配線106aの地絡を検知した場合に、地絡があることを示す状態情報を生成する(ステップS204)。また、地絡生成部154は、配線106aの地絡を検知しない場合に、地絡がないことを示す状態情報を生成する(ステップS204)。
第1傾き生成部155は、第1生成送信装置A108aの水平方向に対する傾斜角を示す状態情報を生成する(ステップS205)。
第1状態送信部A151は、第1状態生成部A150が上述の処理(ステップS202〜S205)において生成された状態情報と、第1状態生成部A150を特定できる情報とを関連付けて通電管理装置107へ送信する(ステップS208)。これによって、第1生成送信装置A108aは、状態情報の生成・送信処理を終了する。
第1生成送信装置B108bが実行する処理は、第1生成送信装置A108aが実行する処理と同様であるため、その説明は省略する。
図13は、実施形態1に係る第2生成送信装置108cが状態情報を生成し送信するために実行する処理を示すフローチャートである。
第2生成送信装置108cの要求受信部149は、通電管理装置107によって送信された要求情報を受信する(ステップS401)。
要求情報が受信されると、第2位置生成部158は、位置に関する通常状態情報生成処理(ステップS202)と同様の処理を実行し(図12参照)、それによって、第2生成送信装置108cの位置を示す状態情報を生成する(ステップS402)。第2傾き生成部159は、第2生成送信装置108cの水平方向に対する傾斜角を示す状態情報を生成する(ステップS403)。
第2状態送信部157は、第2状態生成部156が上述の処理(ステップS402〜S403)において生成した状態情報と、第2生成送信装置108cを特定できる情報とを関連付けて通電管理装置107へ送信する(ステップS404)。これによって、第2生成送信装置108cは、状態情報の生成・送信処理を終了する。
図14は、実施形態1に係る第3生成送信装置108dが状態情報を生成し送信するために実行する処理を示すフローチャートである。
第3生成送信装置108dの要求受信部149は、通電管理装置107によって送信された要求情報を受信する(ステップS501)。
要求情報が受信されると、第3位置生成部162は、位置に関する通常状態情報生成処理(ステップS202)と同様の処理を実行し(図12参照)、それによって、第3生成送信装置108dの位置を示す状態情報を生成する(ステップS502)。
第3状態送信部161は、第3状態生成部160が生成した位置に関する状態情報と、第3生成送信装置108dを特定できる情報とを関連付けて通電管理装置107へ送信する(ステップS503)。これによって、第3生成送信装置108dは、状態情報の生成・送信処理を終了する。
図15は、実施形態1に係る第4生成送信装置108eが状態情報を生成し送信するために実行する処理を示すフローチャートである。
第4生成送信装置108eの要求受信部149は、通電管理装置107によって送信された要求情報を受信する(ステップS601)。要求情報が受信されると、震度生成部165は、震度を測定し、測定した震度を示す情報を生成する(ステップS602)。火災検知部166は、煙濃度を測定し、測定した煙濃度を示す状態情報を生成する(ステップS603)。
水漏れ検知部167は、水漏れを検知した場合に、水漏れがあることを示す状態情報を生成する(ステップS604)。水漏れ検知部167は、水漏れを検知しない場合に、水漏れがないことを示す状態情報を生成する(ステップS604)。
ガス漏れ検知部168は、ガス濃度が一定以上であると推定した場合に、ガス漏れがあることを示す状態情報を生成する(ステップS605)。ガス漏れ検知部168は、ガス濃度が一定未満であると推定した場合に、ガス漏れがないことを示す状態情報を生成する(ステップS605)。
第4状態送信部164は、上述の処理(ステップS602〜S605)において生成された状態情報と、第4生成送信装置108eを特定することができる情報とを関連付けて通電管理装置107へ送信する(ステップS609)。これによって、第4生成送信装置108eは、状態情報の生成・送信処理を終了する。
これまで、本発明の実施形態1について説明した。
本実施形態によれば、通電制御部140は、状態情報受信部146が受信した状態情報114aのいずれか1つでも通常の状態でないと判断された場合に、ブレーカ部112を遮断状態にする。これによって、通電火災を防止することができ、安全性を確保することが可能になる。
また、住宅104の状態が通常の状態、すなわち通電させても安全な状態であるか否かは、複数の生成送信装置108が生成する状態情報114aに基づいて判断される。また、状態情報114aは、複数の種別の状態を示すものが採用される。そのため、安全性を向上させることが可能になる。
例えば、第1生成送信装置108a,b及び第2生成送信装置108cは、電気機器A110a,B110b及び什器111の位置及び傾きに関する状態情報123a〜c,124a〜cを生成する。通電制御部140は、これらの状態情報123a〜c,124a〜cが通常状態情報115a〜c,116a〜cによって示される状態ではない場合に、ブレーカ部112を遮断状態にする。電気機器A110a,B110bや什器111の位置が大きくずれたり、大きく傾いている場合には、それらが倒れたりしているおそれがあり、通電をさせると通電火災が発生する危険がある。本実施形態によれば、このような通電火災の危険を抑制することが可能になる。
また例えば、第1位置生成部108a,b及び第2生成送信装置108cは、配線106a,bの地絡及び断線に関する状態情報125a〜b,126a〜bを生成する。通電制御部140は、これらの状態情報125a〜b,126a〜bと通常状態情報117a〜b,118a〜bとに基づいて地絡又は断線があると判断された場合には、ブレーカ部112を遮断状態にする。配線106a,bに地絡又は断線がある場合に、その配線106a,bへ通電させると、通電火災が発生する危険がある。本実施形態によれば、このような通電火災の危険を抑制し、安全性を高めることが可能になる。
さらに例えば、第3位置生成部108dは、住人105の位置に関する状態情報123dを生成する。通電制御部140は、状態情報123dと通常状態情報115dとに基づいて、住人105が住宅104にいる場合にはブレーカ部112を通電状態にし、住人105が住宅104にいない場合にはブレーカ部112を遮断状態にする。もし通電火災が発生した場合、住人105がいれば早期に適切に対応できるので、通電を原因とする大きな火災を防ぐことができる。したがって、これにより安全性を高めることが可能になる。また、住人105の位置に関する状態情報に基づいて、住人105が住宅104にいるか否かを判断できるため、住人105の安否を早く確認して、必要に応じて救出などの措置を講じることが可能になる。
さらに例えば、第4生成送信装置108eは、地震、火災、水漏れ及びガス漏れに関する状態情報127〜130を生成する。通電制御部140は、状態情報127〜130と通常状態情報119〜122とに基づいて、地震、火災、水漏れ及びガス漏れのいずれかが発生している場合にはブレーカ部112を遮断状態にする。地震の後には、例えば住宅104で散乱した物などのために通電火災が発生する危険がある。火災発生時に通電させると、例えば火災を早く大きくする危険がある。水漏れがある時に通電させると、例えば短絡して火災が発生する危険がある。ガス漏れがある時に通電させると、例えば漏れたガスが爆発する危険があり、さらにそれによって火災が発生する危険がある。本実施形態によれば、これらの危険を抑制し、安全性を高めることが可能になる。
また、通電制御部140は、状態情報受信部146が受信した状態情報114aのすべてについて通常の状態であると判断された場合に、通電制御部140は、ブレーカ部112を通電状態にする。このように、ブレーカ部112を遮断状態に必ずするというわけではなく、通電状態であった場合にはその状態が維持され、遮断状態であった場合にはその状態が通電状態に切り替えられる。したがって、利用者が安全を確認して、ブレーカ部112を遮断状態から通電状態に戻す操作の手間を少なくとも軽減することができ、利用者の利便性を向上させることが可能になる。
このように、本実施形態によれば、安全性を確保しつつ、利用者の利便性を向上させることが可能になる。
また、通電管理装置107が予備電源148を備え、また生成送信装置108が適宜予備電源を備えるので、商用電源102を電源として使用できるか否かにかかわらず稼働させることができる。そのため、復電時など、ブレーカ部112を制御する直前の状態情報114aに基づいてブレーカ部112を制御することができる。通電させる否かを、通電させる直前の状態に基づいて判断することができるため、通電時の安全性を高めることが可能になる。
なお、本実施形態では、ブレーカ部112は、配線106a,bのすべてに通電させるか、通電させないかを切り替えることとしたが、ブレーカ部112の構成はこれに限られない。例えば、ブレーカ部112は、通電制御部140によって制御可能な第1ブレーカ部と第2のブレーカ部とを含んでもよい。第1ブレーカ部は、住宅104の一部である第1の部分(範囲)への通電、例えば配線106aへ通電させるか否かを切り替える。また、第2ブレーカ部は、住宅104の他の一部である第2の部分(範囲)への通電、例えば配線106bへ通電させるか否かを切り替える。
このような第1及び第2ブレーカ部を備えると、住宅104の通電を部分(範囲)ごとに制御することができる。例えば、配線106aの断線があり、その他は通常の状態であることを状態情報114aが示す場合、状態判断部139は、第1の部分が異常な状態であり、第2の部分が通常の状態であると、その部分(範囲)ごとに判断する。これによって、通電制御部140は、第1ブレーカ部を遮断状態にし、第2ブレーカ部を通電状態にすることができる。すなわち、通電させると危険な部分(範囲)に通電させず、安全な部分(範囲)に通電させることができる。したがって、ブレーカ部112が、第1及び第2ブレーカ部のような複数の部分(範囲)ごとの通電を切り替えることができるブレーカ部を備えることによって、安全性を確保しつつ、利用者の利便性を向上させることが可能になる。
特に、災害後に電灯が消えると、安全に避難することができないことがあるが、上述の例で第2ブレーカ部が電灯に接続されている場合には、住人105は安全に避難することが可能になる。
実施形態2.
本発明の実施形態2は、一定の広い管理区域内の住宅104及びその住人105の安全を管理するシステムである。図16は、本発明の実施形態2に係る広域管理システム301を示す。
広域管理システム301は、一定の管理区域内の住宅104の各々に設けられる通電管理システム201と、複数の通電管理システム201から取得する状態情報に基づいて住宅104及びその住人105の安全を管理する広域管理装置302とを備える。
本実施形態に係る通電管理システム201は、通電管理装置207と、実施形態1と同様の生成送信装置108及び基準位置装置109a,bとを備える。通電管理装置207の制御部231は、図17に示すように、実施形態1に係る制御部131が備える構成に加えて、広域通信部278を備える。また、制御部231は、実施形態1に係る制御部131の通知部141に代えて、通知部241を備える。
広域通信部278は、広域管理装置302との間で情報を送受信するインタフェースである。広域通信部278は、広域送信部279と、広域受信部280とを備える。
広域送信部279は、予め設定された時期に、広域管理装置302へ状態情報を送信する。予め設定された時期は、例えば、通電管理装置207が状態情報を受信した時、ブレーカ部112の通電状態と遮断状態とが切りかえられた時、状態判断部139によって住宅104が異常な状態であると判断された時、通常の状態が復旧した時などである。
通常の状態が復旧した時とは、ある状態情報について状態判断部139によって通常の状態でないと判断された後に、新たな状態情報について状態判断部139によって通常の状態であると判断された時である。通常の状態が復旧したか否かは、例えば状態判断部139の判断結果を示す状態判断情報を状態判断記憶部に記憶させておき、その状態判断情報と状態判断部139による新たな判断結果を示す状態判断情報とを比較することによって判断されてよい。
本実施形態に係る状態情報は、実施形態1と同様の生成送信装置108によって生成される状態情報に加えて、ブレーカ部112の状態を示す情報(ブレーカ部に関する状態情報)も含む。ブレーカ部に関する状態情報は、例えば通電制御部140から取得される。
広域受信部280は、広域管理装置302によって生成され送信される情報を受信する。
通知部241は、実施形態1と同様に、状態判断部139の判断に基づく異常に関して住人に通知する。これに加えて、通知部241は、提示部281を備える。提示部281は、広域受信部280が広域管理装置302から受信した情報(例えば、後述する避難経路情報)の内容を住人105に提示する。
図18は、本発明の実施形態2に係る広域管理装置302の構成を示す。同図に示すように、広域管理装置302は、住宅別状態記憶部(区域状態記憶手段)303と、対応記憶部304と、地図記憶部305とを備える。各記憶部303〜305は、例えば広域管理装置302に内蔵され、又は広域管理装置302の外部に取り付けられるフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)などである。
住宅別状態記憶部303は、住宅別状態情報(区域状態情報)303aを記憶している。住宅別状態情報303aは、広域管理装置302が管理する区域内の住宅別の通常の状態を示す情報である。
住宅別状態情報303aは、図19に示すように、住宅ID情報(Identification Data)306と、住所情報307と、連絡先情報308と、通常状態情報213aとを含む。各情報306〜308,213aは、住宅別に関連付けられている。
住宅ID情報306は、各住宅104を識別するための情報である。住宅ID情報306は、例えば図19に示すように、各住宅に対して割り振られる異なる番号を示す情報である。
住所情報307は、各住宅104の住所を示す情報である。連絡先情報308は、各住宅104の連絡先、例えば各住宅104の住人105のメールアドレスを示す情報である。
通常状態情報213aは、各住宅104における通常の状態を示す状態情報である。各住宅の通常状態情報213aは、図20に示すように、実施形態1と同様の通常状態情報113a(図3A参照)に加えて、上述のようにブレーカ部に関する状態情報309を含む。図20に示すブレーカに関する状態情報309は、通常時のブレーカ部112の状態が「通電状態」であることを示す。なお、広域管理装置302の通常状態情報213aに設定される具体的な内容は、通電管理装置207の通常状態情報113aと同一でなくてもよく、例えば通常状態情報113aとは異なる許容変化量を含んでもよい。
対応記憶部304は、住宅104が異常な状態であると判断された場合に、異常な状態であると判断する原因となった状態の種別に応じた対応方法を示す対応情報304aを記憶している。図21は、本実施形態に係る対応情報を示す。同図に示すように、対応情報304aは、状態の種別のグループを示す種別情報310と、具体的な対応方法を示す対応方法情報311とを含む。種別情報310と対応方法情報311とが互いに関連付けられている。
図21に示す対応情報304aでは、例えば種別情報310は、断線、地絡、水漏れ、ガス漏れという状態の種別に関するグループである「種別1」を含む。「種別1」を示す種別情報310には、「対応方法1(関係者へ通知)」を示す対応方法情報311が関連付けられている。
地図記憶部305は、管理区域内の地図を示す情報(地図情報)305aを含む。地図情報は、図22に示すように、管理区域内の住宅、道路、災害時などの避難場所などを含む。
広域管理装置302は、図18に示すようにさらに、状態受信部310と、電力需要予測部311と、住宅別状態取得部(区域状態取得手段)312と、異常判断部313と、対応部314とを備える。
広域管理装置302の状態受信部310は、各住宅104の最新の状態情報(状態情報)を受信する。
電力需要予測部311は、状態受信部310が状態情報を受信した場合に、その状態情報に含まれるブレーカ部112に関する状態情報に基づいて電力需要を予測する。なお、電力需要予測部311は、住人105の位置に関する状態情報によって住宅104に住人105がいるか否かを判断し、この判断結果と、ブレーカ部に関する状態情報とに基づいて電力需要を予測してもよい。このような電力需要予測部311を備えることによって、状態情報に基づいて電力需要を予測することができ、例えば地震などの災害時に予測困難な電力需要を正確に予測することが可能になる。
住宅別状態取得部312は、状態受信部310が受信した状態情報によって状態が示される住宅104の住宅別状態情報303aを住宅別状態記憶部303から取得する。
異常判断部313は、状態受信部310によって受信された状態情報と、住宅別状態取得部312によって取得された住宅別状態情報303aとを対照し、その状態情報によって状態が示される住宅104が異常な状態であるか否かを判断する。異常判断部313による判断は、状態判断部139と同様に行われてよい。
なお、異常判断部313は、通電管理装置207と通信し、住人105の操作を確認できるか否かに基づいて、住人105の安否確認をしてもよい。そして、異常判断部313は、安否確認の結果を状態情報として住居104が異常な状態であるか否かを判断してもよい。
対応部314は、異常判断部313によって住宅104が異常な状態であると判断された場合に、その状態に応じた対応を実行する。対応部314は、図23に示すように、対応方法取得部315と、関係者通知部316と、連絡先取得部317と、近隣通知部318と、避難経路通知部319とを備える。
対応方法取得部315は、異常判断部313によって住宅104が異常な状態であると判断された場合に、その異常な状態に応じた対応方法情報311を対応記憶部304から取得する。ここで取得される対応方法情報311は、住宅104が異常な状態であるとの判断の原因となった状態の種別を含む種別情報310に関連付けられたものである。
関係者通知部316は、対応方法1を示す対応方法情報311が取得された場合に、予め設定された関係者へ通知する。関係者は、例えば電力会社、消防署、ガス会社などである。この連絡先は例えば、関係者通知部316に予め保持される。
連絡先取得部317は、対応方法2を示す対応方法情報311が取得された場合に、例えば住所情報307に基づいて、火災が発生した住宅104から一定の範囲に含まれる住宅104を特定する。そして、連絡先取得部317は、特定した住宅104に関連付けられた連絡先情報308を取得する。
近隣通知部318は、連絡先取得部317が取得した連絡先情報308が示す連絡先へ、近隣で火事が発生していることを通知する。なお、ここでの通知先は、近隣の住宅104に設けられた通電管理装置207であってもよい。
避難経路通知部319は、対応方法3を示す対応方法情報311が取得された場合に、各住宅104からの避難経路を示す避難経路情報を各通電管理装置207へ通知する。避難経路通知部319は、図23に示すように、地図取得部320と、避難経路生成部321と、避難経路送信部322とを備える。
地図取得部320は、地図情報305aを取得する。避難経路生成部321は、各住宅104から避難場所までの避難経路を示す避難経路情報を生成する。避難経路送信部322は、各住宅104に設けられた通電管理装置207へ避難経路情報を送信する。なお、ここでの通知先は、各住宅104に関連付けられた連絡先情報308が示す連絡先であってもよい。
ここから、本発明の実施形態2に係る広域管理装置302が実行する処理について説明する。
図24に示すように、状態情報を受信しない場合(ステップS701;No)、状態受信部310は状態情報を受信するまで待機する。状態受信部310が状態情報を受信した場合に(ステップS701;Yes)、住宅別状態取得部312は、受信された状態情報によって状態が示される住宅104の住宅別状態情報303aを取得する(ステップS702)。
異常判断部313は、受信された状態情報と取得された住宅別状態情報303aとに基づいて、受信された状態情報によって状態が示される住宅104が異常な状態であるか否かを判断する(ステップS703)。状態情報によって示される状態が、住宅別状態情報303aによって示される状態である場合に、異常判断部313は、その住宅104が異常な状態ではない、すなわち通常の状態であると判断し(ステップS703;No)、処理を終了する。
状態情報によって示される状態が、住宅別状態情報303aによって示される状態ではない場合に、異常判断部313は、その住宅104が異常な状態であると判断する(ステップS703;Yes)。住宅104が異常な状態であると判断された場合に(ステップS703;Yes)、対応部314は、住宅104の異常な状態の種別に応じた対応を実行する(ステップS704)。
なお、異常判断部313は、今回受信された状態情報と前回受信された状態情報とを比較し、前回と異なる状態情報が示す状態の種別を特定してもよい。そして、異常判断部313は、特定した種別について、今回受信された状態情報と取得された住宅別状態情報303aとに基づいて、受信された状態情報によって状態が示される住宅104が異常な状態であるか否かを判断してもよい。この場合、広域管理装置302が、前回受信された状態情報を記憶する状態情報記憶手段をさらに備えてよい。
図25は、対応処理(ステップS704)の詳細を示すフローチャートである。
対応方法取得部315は、異常判断部313によって住宅104が異常な状態であると判断された場合に、その異常な状態に応じた対応方法情報311を対応記憶部304から取得する(ステップS801)。
関係者通知部316は、対応方法1を示す対応方法情報311が取得された場合に(ステップS802;Yes)、予め設定された関係者へ通知し(ステップS803)、処理を終了する。
連絡先取得部317は、対応方法2を示す対応方法情報311が取得された場合に(ステップS802;No、かつ、ステップS804;Yes)、住所情報307を参照し、火災が発生した住宅104から一定の範囲に含まれる住宅104を特定する。そして、連絡先取得部317は、特定した住宅104に関連付けられた連絡先情報308を取得する(ステップS805)。
近隣通知部318は、連絡先取得部317が取得した連絡先情報308が示す連絡先へ、近隣で火災が発生していることを通知する(ステップS806)。これによって、通知を受けた通電管理装置207が設けられた住宅104に火災はなくても、その住人105は、近隣の火災を知ることができる。それによって、その管理区域の住人105は、安全のために避難するなど適切な措置を講じることが可能になる。
避難経路通知部319は、対応方法3を示す対応方法情報311が取得された場合に(ステップS804;No、かつ、ステップS807;Yes)、各住宅104からの避難経路を示す避難経路情報を各通電管理装置207へ送信する(ステップS808)。
図26は、避難経路通知処理(ステップS808)の詳細を示すフローチャートである。同図に示すように、地図取得部320は、地図情報305aを取得する(ステップS901)。避難経路生成部321は、各住宅104から避難場所までの避難経路を示す避難経路情報323を生成する(ステップS902)。
図27は、避難経路生成部321によって生成される避難経路情報323が示す避難経路の一例を示す。同図は、住宅104aから避難場所324までの経路を示す。図27に示すように、避難経路は、火災が発生している住宅104bをできるだけ避ける経路である。火災が発生している住宅104bは、状態受信部310が受信する状態情報に基づいて特定することができる。このような避難経路を通って避難することによって、住人105は安全に避難することが可能になる。
避難経路送信部322は、避難経路生成部321によって生成された避難経路情報のそれぞれを対応する住宅104に設けられた通電管理装置207へ送信する(ステップS903)。これによって、避難経路通知部319は避難経路通知処理(ステップS807)を終了し、また、広域管理装置302は処理を終了する。
これまで、本発明の実施形態2について説明した。
本実施形態によれば、広域管理装置302が、広い管理区域内の住宅104の状態情報に基づいて、各住宅104が異常な状態であるか否かを判断する。そして、異常な状態であると判断された場合、対応部314が、対応情報304aに含まれる対応方法情報311が示す対応方法を実行する。これによって、各住宅104の住人105を救助するなどの適切な措置を早期に講じ、管理区域内の住宅104の住人105の安全性を高めることが可能になる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。本発明は、各実施形態を組み合わせたもの、それらと均等なものを含む。