JP5550162B1 - 硬化性ポリシルセスキオキサン化合物、その製造方法、硬化性組成物、硬化物、及び、硬化性組成物等の使用方法 - Google Patents

硬化性ポリシルセスキオキサン化合物、その製造方法、硬化性組成物、硬化物、及び、硬化性組成物等の使用方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、式:RSiO3/2(Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜10アルキル基、又は、置換基を有していてもよいアリール基を表す。)で表される構成単位の少なくとも一種を有する硬化性ポリシルセスキオキサン化合物であって、29Si−NMRスペクトルにおいて、第1のピークトップが−65ppm以上−55ppm未満の領域に、第2のピークトップが−73ppm以上−65ppm未満の領域に、第3のピークトップが−82ppm以上−73ppm未満の領域に存在し、第1のピークの積分値が、第1のピークの積分値と第2のピークの積分値と第3のピークの積分値の合計に対し、0より大きく10%未満である硬化性ポリシルセスキオキサン化合物;その製造方法;硬化性組成物;該組成物を硬化してなる硬化物;及び、該組成物等の光素子固定剤として使用する方法である。本発明によれば、耐熱性に優れ、かつ、高い接着力を有する硬化物が得られる硬化性ポリシルセスキオキサン化合物、その製造方法、硬化性組成物、該組成物を硬化してなる硬化物、及び、該組成物等の光素子固定剤として使用する方法を提供される。

Description

本発明は、耐熱性に優れ、かつ、高い接着力を有する硬化物が得られる硬化性ポリシルセスキオキサン化合物、その製造方法、硬化性組成物、該組成物を硬化してなる硬化物、及び、該組成物等の光素子固定剤として使用する方法に関する。
近年、硬化性組成物が、光素子用接着剤や光素子用封止剤等の光素子固定剤用組成物として利用されてきている。
光素子には、半導体レーザー(LD)等の各種レーザーや発光ダイオード(LED)等の発光素子、受光素子、複合光素子、光集積回路等がある。近年においては、発光のピーク波長がより短波長である青色光や白色光の光素子が開発され広く使用されてきている。このような発光のピーク波長の短い発光素子の高輝度化が飛躍的に進み、これに伴い光素子の発熱量がさらに大きくなっていく傾向にある。
ところが、近年における光素子の高輝度化に伴い、光素子固定剤用組成物の硬化物が、より高いエネルギーの光や光素子から発生するより高温の熱に長時間さらされ、劣化して剥離する問題が生じた。
この問題を解決するべく、特許文献1〜3において、ポリシルセスキオキサン化合物を主成分とする光素子固定剤用組成物が提案されている。
ポリシルセスキオキサン化合物は、無機シリカ[SiO]と有機シリコーン[(RSiO)]の中間的な物質であり、式:(RSiO3/2で表される化合物である(式中、Rは置換基を有していてもよい、アルキル基、アリール基等を表す)。
しかしながら、特許文献1〜3に記載されたポリシルセスキオキサン化合物を主成分とする光素子固定剤用組成物の硬化物であっても、十分な接着力を保ちつつ、耐熱性及び透明性を得るのは困難な場合があった。
従って、耐熱性により優れ、高い接着力を有する硬化物が得られる硬化性組成物の開発が切望されている。
本発明に関連して、特許文献4には、(1)固体Si−核磁気共鳴スペクトルにおいて、(i)ピークトップの位置がケミカルシフト−40ppm以上0ppm以下の領域にあり、特定の半値幅を有するピーク、及び、(ii)ピークトップの位置がケミカルシフト−80ppm以上−40ppm未満の領域にあり、特定のピークの半値幅を有するピーク、からなる群より選ばれるピークを、少なくとも1つ有するとともに、(2)ケイ素含有率が20重量%以上であり、(3)シラノール含有率が0.1重量%以上10重量%以下である半導体発光デバイス部材が記載されている。
特開2004−359933号公報 特開2005−263869号公報 特開2006−328231号公報 特開2007−112975号公報(US2009/008673 A1)
本発明は、かかる従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、耐熱性に優れ、かつ、高温においても高い接着力を有する硬化物が得られる硬化性化合物及び硬化性組成物、硬化性化合物の製造方法、該組成物を硬化してなる硬化物、並びに、該組成物等の使用方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく、トリアルコキシシラン化合物を、重縮合触媒の存在下に、重縮合させて得られる硬化性ポリシルセスキオキサン化合物について鋭意研究を重ねた。その結果、トリアルコキシシラン化合物を、重縮合触媒の存在下に、重縮合させて得られる硬化性ポリシルセスキオキサン化合物であって、29Si核磁気共鳴スペクトルにおいて、第1のピークトップ、第2のピークトップ、及び第3のピークトップが、−82ppm以上−55ppm未満の特定の領域にそれぞれ存在し、第1のピークの積分値(P1)が第2のピークの積分値(P2)と第3のピークの積分値(P3)の合計に対し、特定の範囲にある硬化性ポリシルセスキオキサン化合物は、長期にわたって、優れた耐熱性を保ちつつ、かつ、高温においても高い接着力を有する硬化物となることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、下記(1)〜(5)の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物、(6)の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物の製造方法、(7)の硬化性組成物、(8)の硬化物、及び、(9)の光素子固定剤として使用する方法が提供される。
(1)式:RSiO3/2(式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜10アルキル基、又は、置換基を有していてもよいアリール基を表す。)で表される構成単位の少なくとも一種を有する硬化性ポリシルセスキオキサン化合物であって、
29Si核磁気共鳴スペクトルにおいて、
第1のピークトップが−65ppm以上−55ppm未満の領域に存在し、第2のピークトップが−73ppm以上−65ppm未満の領域に存在し、第3のピークトップが−82ppm以上−73ppm未満の領域に存在し、
第1のピークの積分値(P1)が、第1のピークの積分値(P1)と第2のピークの積分値(P2)と第3のピークの積分値(P3)の合計に対し、0より大きく10%未満であることを特徴とする硬化性ポリシルセスキオキサン化合物。
(2)前記第3のピークの積分値(P3)が、第1のピークの積分値(P1)と第2のピークの積分値(P2)と第3のピークの積分値(P3)の合計に対し、20%以上であることを特徴とする、(1)に記載の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物。
(3)重量平均分子量が500〜5,000の化合物である、(1)又は(2)に記載の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物。
(4)式:RSi(OR(式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜10アルキル基、又は、置換基を有していてもよいアリール基を表し、Rは、水素原子又は炭素数1〜10アルキル基を表す。複数のRはすべて同一であっても相異なっていてもよい。)で表されるアルコキシシラン化合物の少なくとも一種を、重縮合触媒の存在下に、重縮合させて得られる化合物である、(1)〜(3)のいずれかに記載の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物。
(5)前記重縮合触媒が、ホウ酸、クエン酸、酢酸、硫酸、及びメタンスルホン酸から選ばれる少なくとも一種である、(4)に記載の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物。
(6)式:RSi(OR(式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜10アルキル基、又は、置換基を有していてもよいアリール基を表し、Rは、水素原子又は炭素数1〜10アルキル基を表す。複数のRはすべて同じでも相異なっていてもよい。)で表される化合物の少なくとも一種を、重縮合触媒の存在下に、重縮合させる工程を有する、(1)〜(5)のいずれかに記載の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物の製造方法。
(7)(1)〜(5)のいずれかに記載の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物、及びシランカップリング剤を含有する硬化性組成物。
(8)(7)に記載の硬化性組成物を加熱することにより得られる硬化物。
(9)(1)〜(5)のいずれかに記載の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物、または、(7)に記載の硬化性組成物を、光素子固定剤として使用する方法。
本発明の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物、及び、この化合物とシランカップリング剤を少なくとも含む本発明の硬化性組成物によれば、高エネルギーの光が照射される場合や高温状態であっても、高い接着力を有する硬化物を得ることができる。
本発明の硬化物は、高い接着力を有し、光素子を長期にわたって良好に封止することができる。
本発明の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物、及び、本発明の硬化性組成物は、光素子固定剤として使用することができる。特に、光素子用接着剤、及び光素子用封止剤として好適に使用することができる。
実施例1の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物の29Si−NMRスペクトルチャート図である。
以下、本発明を、1)硬化性ポリシルセスキオキサン化合物、2)硬化性ポリシルセスキオキサン化合物の製造方法、3)硬化性組成物、4)硬化物、及び、5)光素子固定剤として使用する方法、に項分けして詳細に説明する。
1)硬化性ポリシルセスキオキサン化合物
本発明の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物は、式:RSiO3/2(式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜10アルキル基、又は、置換基を有していてもよいアリール基を表す。)で表される構成単位の少なくとも一種を有する硬化性ポリシルセスキオキサン化合物であって、29Si核磁気共鳴スペクトルにおいて、第1のピークトップが−65ppm以上−55ppm未満の領域に存在し、第2のピークトップが−73ppm以上−65ppm未満の領域に存在し、第3のピークトップが−82ppm以上−73ppm未満の領域に存在し、第1のピークの積分値(P1)が、第1のピークの積分値(P1)と第2のピークの積分値(P2)と第3のピークの積分値(P3)の合計に対し、0より大きく10%未満であることを特徴とする。
本発明の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物においては、本発明のより優れた効果が得られる観点から、P1は、P1とP2とP3の合計に対し、1.0〜7.5%となるのが好ましい。
また、前記P3は、本発明のより優れた効果が得られる観点から、P1とP2とP3の合計に対し、20%以上であるのが好ましく、25〜90%であるのがより好ましく、30〜70%であるのが特に好ましい。
ポリシルセスキオキサン化合物は、3官能性オルガノシラン化合物の重縮合反応により得られるケイ素系高分子であり、主鎖のシロキサン(Si−O−Si)結合が示す無機の特性と側鎖の有機基(R)が示す有機の特性を有する傾向が有る。
本発明の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物の構造は特に限定されないが、例えばラダー型構造、ダブルデッカー型構造、籠型構造、部分開裂籠型構造、環状型構造、ランダム型構造のものが挙げられる。
本発明の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物は、式:RSiO3/2(式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜10アルキル基、又は、置換基を有していてもよいアリール基を表す。)で表される構成単位の少なくとも一種を有する高分子である。
本発明の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物が有する式:RSiO3/2で表される構成単位は、一般にTサイトと総称され、ケイ素原子に酸素原子が3つ結合し、それ以外の原子が1つ結合している構造を有するものである。
Tサイトの構造としては、具体的には、下記式(a)〜(c)で表される(Rは、水素原子又は炭素数1〜10アルキル基を表す。複数のRはすべて同一であっても相異なっていてもよい。下記式中、*にはSi原子が結合している)が挙げられる。
Figure 0005550162
本発明の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物は、一般に、クロロホルム等のハロゲン系溶媒;アセトン等のケトン系溶媒;ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;ジメチルスルホキシド等の含硫黄系溶媒;テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;酢酸エチル等のエステル系溶媒;及び、これらの二種以上からなる混合溶媒;等の各種有機溶媒に可溶である。本発明の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物の、クロロホルムに対する20℃での溶解度は、1mg/100ml以上であることが好ましく、20mg/100ml以上であることがさらに好ましく、40mg/100ml以上であることが特に好ましい。
このように、本発明の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物は、一般に、各種有機溶媒に溶解するため、溶液状態での29Si−NMRの測定が可能である。
本発明の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物の29Si−NMRスペクトルを測定した場合、Tサイトに由来するピークは、T0〜T3のピークとして、通常−85ppm〜−55ppmに観測される。
ここで、T0はシロキサン結合を持たないケイ素原子、T1は1個のシロキサン結合を有するケイ素原子(前記式(c)で表される構造中のケイ素原子)、T2は2個のシロキサン結合を有するケイ素原子(前記式(b)で表される構造中のケイ素原子)、T3は3個のシロキサン結合を有するケイ素原子(前記式(a)で表される構造中のケイ素原子)にそれぞれ対応するピークであると考えられている。
本発明の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物においては、ピークトップが−65ppm以上−55ppm未満の領域に存在する第1のピークがT1に該当し、ピークトップが−73ppm以上−65ppm未満の領域に存在する第2のピークがT2に該当し、ピークトップが−82ppm以上−73ppm未満の領域に存在する第3のピークがT3に該当すると考えられる。
29Si−NMRスペクトルにおいて、第1のピークトップが−65ppm以上−55ppm未満の領域に存在し、第2のピークトップが−73ppm以上−65ppm未満の領域に存在し、第3のピークトップが−82ppm以上−73ppm未満の領域に存在し、P1が、P1とP2とP3の合計に対し、10%未満となる硬化性ポリシルセスキオキサン化合物が、長期にわたって、優れた耐熱性を保ちつつ、かつ、高温においても高い接着力を有する硬化物となる理由については、次のように考えることができる。
すなわち、P1が10%以上である硬化性ポリシルセスキオキサン化合物は、加熱硬化した際に脱水や脱アルコール縮合にて脱離する部位が多いため、脱離成分起因のボイドが発生することによりその接着強度は低いものとなる。一方、P1が10%未満で、さらにP3が20%以上であると、比較的密な構造を有する硬化物が生成するため、その接着強度は十分なものとなる、と考えられる。
29Si−NMRスペクトルの測定は、例えば、以下のようにして行うことができる。
〔試料条件例〕
測定溶媒を重クロロホルム、及び、緩和時間短縮のため緩和試薬としてFe(acac)を用いて測定する。
各ピークの強度は内部標準テトラメチルシランの面積を1として規格化し、測定毎の誤差の影響を除く。
〔装置条件例〕
核磁気共鳴分光装置(例えば、ブルカー・バイオスピン社製 AV−500)を用いて測定する。
29Si共鳴周波数:99.352MHz
プローブ:5mmφ溶液プローブ
測定温度:25℃
試料回転数:20kHz
測定法:インバースゲートデカップリング法
29Siフリップ角:90°
29Si90°パルス幅:8.0μs
繰り返し時間:5s
積算回数:9200回
観測幅:30kHz
〔波形処理解析〕
フーリエ変換後のスペクトルの各ピークについて、ピークトップの位置によりケミカルシフトを求め、積分を行なう。
式:RSiO3/2で表される構成単位の少なくとも一種を有する硬化性ポリシルセスキオキサン化合物は、式(1):RSi(ORで表されるシラン化合物(以下、「シラン化合物(1)」ということがある。)の少なくとも一種を、重縮合触媒の存在下に、重縮合させて得ることができる。
式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜10アルキル基、又は、置換基を有していてもよいアリール基を表す。
置換基を有していてもよい炭素数1〜10アルキル基の炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基等が挙げられる。
これらの置換基としては、シアノ基;フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基等の炭素数1〜6のアルキルチオ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基;メルカプト基;アクリロイルオキシ基;メタクリロイルオキシ基;フェニル基等のアリール基;アミノ基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等の式:OGで表される基(式中、Gはアシル基を表す。);等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアリール基のアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。
これらの置換基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;等が挙げられる。
は、水素原子又は炭素数1〜10アルキル基を表し、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。Rの炭素数1〜10アルキル基としては、前記Rで例示したのと同様のものが挙げられる。複数のRはすべて同一であっても相異なっていてもよい。
式(1)で表されるシラン化合物の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−ペンチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、イソオクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、メチルジメトキシエトキシシラン、メチルジエトキシメトキシシラン;
シアノメチルトリエトキシシラン、2−シアノエチルトリエトキシシラン、2−シアノエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン、メトキシメチルトリエトキシシラン、メチルチオメチルトリエトキシシラン、メトキシカルボニルメチルトリエトキシシラン、2−アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン;等の置換基を有していてもよいアルキルトリアルコキシシラン化合物類;
フェニルトリメトキシシラン、4−メトキシフェニルトリメトキシシラン、2−クロロフェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、2−メトキシフェニルトリエトキシシラン、フェニルジメトキシエトキシシラン、フェニルジエトキシメトキシシラン等の置換基を有していてもよいアリールトリアルコキシシラン化合物類;
等が挙げられる。
これらは、一種単独で、或いは二種以上を組み合わせて用いることができる。接着強度と、耐熱性や耐変色性を調整する観点から二種以上のシラン化合物を用いることが好ましい。
本発明においては、シラン化合物(1)の一種又は二種以上を、重縮合触媒の存在下、用いるシラン化合物(1)や重縮合触媒に合わせて選択された適当な溶媒中、比較的温和な反応条件で重合することにより、29Si−NMRスペクトルにおいて、第1のピークトップが−65ppm以上−55ppm未満の領域に存在し、第2のピークトップが−73ppm以上−65ppm未満の領域に存在し、第3のピークトップが−82ppm以上−73ppm未満の領域に存在し、P1が、P1とP2とP3の合計に対し10%未満である硬化性ポリシルセスキオキサン化合物を得ることができる。
用いる重縮合触媒としては、上記の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物が得られれば特に制限はないが、上記の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物が得られやすいことから、酸触媒が好ましい。酸触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸等の無機酸;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸等の有機酸;等が挙げられる。
これらの中でも、目的物が得られ易い観点から、ホウ酸、クエン酸、酢酸、硫酸、及びメタンスルホン酸から選ばれる少なくとも一種であるのが好ましく、温和な条件で反応を行うことのできる、クエン酸、酢酸、メタンスルホン酸が特に好ましい。
重縮合触媒の使用量は、用いるシラン化合物(1)、重縮合触媒の種類等にもよるが、シラン化合物(1)の総モル量に対して、通常、0.05モル%〜30モル%、好ましくは0.2モル%〜20モル%、より好ましくは0.3モル%〜15モル%の範囲である。
用いる溶媒は、シラン化合物(1)、重縮合触媒の種類、使用量等に応じて、適宜選択することができる。例えば、水;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコール類;等が挙げられる。これらの溶媒は一種単独で、或いは二種以上を混合して用いることができる。
これらの中でも、目的物が得られ易い観点から、水、アルコール類が好ましく、水がより好ましい。
溶媒の使用量は、シラン化合物(1)1モルにつき、通常1ml〜1000ml、好ましくは10ml〜500ml、より好ましくは50ml〜200mlである。
シラン化合物(1)を重縮合(反応)させるときの温度、反応時間は、用いるシラン化合物(1)、重縮合触媒及び溶媒の種類、使用量等によって選択される。
反応温度は、通常0℃から用いる溶媒の沸点までの温度範囲、好ましくは20℃〜100℃の範囲である。反応温度があまりに低いと縮合反応の進行が不十分となる場合がある。一方、反応温度が高くなりすぎるとゲル化抑制が困難となる。
反応時間は、通常30分から10時間である。
具体的には、酸触媒として、Pkaの値が2.5未満である強酸(たとえば、塩酸、硫酸、リン酸など)を用いる場合には、反応温度を5〜35℃として、反応時間を長くする(14〜72時間)ことで、目的の物性を有する硬化性ポリシルセスキオキサン化合物を容易に得ることができる。また、Pkaの値が2.5以上である比較的弱い酸を用いる場合には、反応温度を40〜100℃として、反応時間を短くする(1〜12時間)ことで、目的の物性を有する硬化性ポリシルセスキオキサン化合物を容易に得ることができる。
酸解離定数(pKa)は、酸を一般式:HA、溶媒を一般式:Hsolvとし、式
Figure 0005550162
Figure 0005550162
で表される平衡定数Kaとしたとき、−log10pKaで表したものをいう。
ここで、[Hsolv]、[A]、 [HA]はそれぞれ、Hsolv、A、HAの濃度(mol・dm−3)を表す。
酸解離定数の値は、その酸の溶液(例えば、水溶液)をアルカリ標準溶液で滴定し、その滴定曲線を解析して求めることができる。なお、ホウ酸やクエン酸、リン酸のように、多段階電離をするものは、段階ごとに解離定数があるが、本発明においては、第1段階目の酸解離定数(pKa1)を表すものとする。
水(25℃)中での酸解離定数(pKa)が2.5未満である強酸の具体例としては、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、塩酸、硝酸等が挙げられる。また、水(25℃)中での酸解離定数(pKa)が2.5以上である弱酸の具体例としては、ホウ酸、クエン酸、酢酸、ギ酸等が挙げられる。酸のpKa値は、例えば、「化学便覧 改訂第4版、丸善株式会社発行」に記載されている。
より具体的には、例えば、シラン化合物(1)として、フェニルトリエトキシシラン(170mmol)と2−シアノエチルトリエトキシシラン(30mmol)を用いる場合には、触媒としてクエン酸を、シラン化合物(1)に対して10mol%用い、溶媒として水を用い、25℃〜75℃の範囲で1.5〜5.5時間反応させることにより、目的とする29Si−NMRスペクトルパターンを有する本発明の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物を得ることができる。
なお、本明細書中において「硬化性」とは、熱を用いて硬化する全ての形態を包含することを意図している。
以上のように、本発明においては、用いるシラン化合物(1)、触媒の種類等に応じて、反応条件を半経験的に適宜設定することにより、P1が、P1とP2とP3の合計に対し10%未満である硬化性ポリシルセスキオキサン化合物を得ることができる。
本発明の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物を使用することで、用いたシラン化合物(1)や触媒等の種類によらず、接着力に優れる硬化物を得ることができる。
反応終了後は、有機合成における通常の後処理操作を行えばよい。具体的には、反応混合物に酢酸エチル等の有機溶媒を加え、精製水で洗浄した後、有機層を濃縮し、乾燥することにより、目的とする硬化性ポリシルセスキオキサン化合物を得ることができる。
本発明の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物の重量平均分子量(Mw)は、500〜5,000の範囲であるのが好ましく、500〜2,000の範囲であるのがより好ましい。
重量平均分子量(Mw)は、例えば、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算値として求めることができる。
本発明の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物の分子量分布(Mw/Mn)は、特に制限されないが、通常1.0〜3.0、好ましくは1.1〜1.4の範囲である。当該範囲内にあることで、接着性により優れる硬化物が得られる。
2)硬化性ポリシルセスキオキサン化合物の製造方法
本発明の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物の製造方法は、式:RSi(ORで表される化合物の少なくとも一種を、重縮合触媒の存在下に、重縮合させる工程を有する、前項1)に記載の本発明の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物の製造方法である。
式中、R、Rは、前記と同じ意味を表す。
重縮合触媒、重縮合の反応条件等は、前項1)で記載したのと同様のものが挙げられる。
本発明の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物の製造方法によれば、29Si−NMRスペクトルにおいて、第1のピークトップが−65ppm以上−55ppm未満の領域に存在し、第2のピークトップが−73ppm以上−65ppm未満の領域に存在し、第3のピークトップが−82ppm以上−73ppm未満の領域に存在し、第1のピークの積分値(P1)が、第1のピークの積分値(P1)と第2のピークの積分値(P2)と第3のピークの積分値(P3)の合計に対し、10%未満である、接着性、耐熱性に優れる本発明の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物を、収率よく得ることができる。
3)硬化性組成物
本発明の硬化性組成物は、本発明の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物、及びシランカップリング剤を含有することを特徴とする。本発明の硬化性組成物において、本発明の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物の含有量は、通常、組成物全体に対して、60重量%〜99.7重量%であることが好ましく、70重量%〜95重量%であることがより好ましく、80重量%〜90重量%であることがさらに好ましい。このような範囲で本発明の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物を含有する硬化性組成物は、長期にわたって、優れた耐熱性を保ちつつ、かつ、高温においても高い接着力を有する硬化物となる。
本発明の硬化性組成物は、本発明の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物に加えて、シランカップリング剤を含有する。シランカップリング剤を含有することで、長期にわたって、優れた耐熱性を保ちつつ、かつ、高温においても高い接着力を有する硬化物を得ることができる。
用いるシランカップリング剤としては、特に制約はない。例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等のビニル基を有するシラン化合物;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルフェネチルトリメトキシシラン等のハロゲンを有するシラン化合物;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロキシ基を有するシラン化合物;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基を有するシラン化合物;3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイド基を有するシラン化合物;3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基を有するシラン化合物;
N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3―トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルーブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を有するシラン化合物;
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、(オキセタン−3−イル)メチルトリメトキシシラン、(オキセタン−3−イル)メチルトリエトキシシラン、(オキセタン−3−イル)メチルメチルジメトキシシラン、(オキセタン−3−イル)メチルエチルジメトキシシラン、(オキセタン−3−イル)メチルエチルジエトキシシラン、(オキセタン−3−イル)メチルフェニルジエトキシシラン、2−(オキセタン−3’−イル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有するシラン化合物;
2−トリメトキシシリルエチル無水コハク酸、3−トリエトキシシリルプロピル無水コハク酸等の酸無水物構造を有するシランカップリング剤;ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド;オクタデシルジメチル(3−(トリメトキシシリル)プロピル)アンモニウムクロライド;等が挙げられる。
これらのシランカップリング剤は一種単独で、或いは二種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、本発明においては、耐熱性、透明性に優れ、より高い接着力を有する硬化物を得ることができることから、エポキシ基を有するシラン化合物を用いるのが好ましい。
シランカップリング剤は、本発明の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物との質量比で、(硬化性ポリシルセスキオキサン化合物):(シランカップリング剤)=100:0.3〜100:30、好ましくは、100:1〜100:20の割合で含有するのが好ましい。
このような割合でシランカップリング剤を用いることにより、透明性、接着性により優れ、さらに耐熱性に優れ、高温にしても接着力が低下しにくい硬化物が得られる硬化性組成物を得ることができる。
本発明の硬化性組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で、さらに他の成分を含有させてもよい。
他の成分としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、希釈剤等が挙げられる。
前記酸化防止剤は、加熱時の酸化劣化を防止するために添加される。酸化防止剤としては、リン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、ホスファイト類、オキサホスファフェナントレンオキサイド類等が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、モノフェノール類、ビスフェノール類、高分子型フェノール類等が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート等が挙げられる。
これら酸化防止剤は一種単独で、或いは二種以上を組み合わせて用いることができる。酸化防止剤の使用量は、硬化性組成物全体に対して、通常、10質量%以下である。
紫外線吸収剤は、得られる硬化物の耐光性を向上させる目的で添加される。
紫外線吸収剤としては、サリチル酸類、ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、ヒンダードアミン類等が挙げられる。
紫外線吸収剤は一種単独で、或いは二種以上を組み合わせて用いることができる。
紫外線吸収剤の使用量は、硬化性組成物全体に対して、通常、10質量%以下である。
光安定剤は、得られる硬化物の耐光性を向上させる目的で添加される。
光安定剤としては、例えば、ポリ[{6−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)イミノ}]等のヒンダードアミン類等が挙げられる。
これらの光安定剤は一種単独で、或いは二種以上を組み合わせて用いることができる。
光安定剤の使用量は、硬化性組成物全体に対して、通常、10質量%以下である。
希釈剤は、硬化性組成物の粘度を調整するため添加される。
希釈剤としては、例えば、グリセリンジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、アルキレンジグリシジルエーテル、ポリグリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、4−ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、メチル化ビニルシクロヘキセンジオキサイド、ジグリシジルアニリン;等が挙げられる。
これらの希釈剤は一種単独で、或いは二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の硬化性組成物は、本発明の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物、シランカップリング剤、及び所望により他の成分を所定割合で配合して、公知の方法により混合、脱泡することにより得ることができる。
以上のようにして得られる本発明の硬化性組成物によれば、高エネルギーの光が照射される場合や高温状態であっても、高い接着力を有する硬化物を得ることができる。
したがって、本発明の硬化性組成物は、光学部品や成形体の原料、接着剤、コーティング剤等として好適に使用される。特に、光素子の高輝度化に伴う、光素子固定剤の劣化に関する問題を解決することができることから、本発明の硬化性組成物は、光素子固定剤用組成物として好適に使用することができる。
4)硬化物
本発明の硬化物は、本発明の硬化性組成物を加熱することにより得られる。
加熱する温度は、通常、100〜250℃、好ましくは150〜200℃であり、加熱時間は、通常10分から15時間、好ましくは30分から8時間である。
本発明の硬化物は、高エネルギーの光が照射される場合や高温状態であっても、高い接着力を有する。
したがって、本発明の硬化物は、光素子の高輝度化に伴う光素子固定剤の劣化に関する問題を解決することができることから、光素子固定剤として好適に使用することができる。例えば、光学部品や成形体の原料、接着剤、コーティング剤等として好適に使用される。
本発明の硬化性組成物を硬化してなる硬化物が高い接着力を有することは、例えば、次のようにして確認することができる。
すなわち、シリコンチップのミラー面に硬化性組成物を塗布し、塗布面を被着体の上に載せ圧着し、加熱処理して硬化させる。これを、予め所定温度(例えば、23℃、100℃)に加熱したボンドテスターの測定ステージ上に30秒間放置し、被着体から50μmの高さの位置より、接着面に対し水平方向(せん断方向)に応力をかけ、試験片と被着体との接着力を測定する。
硬化物の接着力は、23℃において120N/2mm□以上であり、かつ、100℃において90N/2mm□以上であることが好ましい。
5)光素子固定剤として使用する方法
本発明の光素子固定剤として使用する方法は、本発明の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物、又は、本発明の硬化性組成物を、光素子固定剤として使用する方法である。
光素子固定剤としての使用としては、光素子用接着剤や光素子用封止剤としての使用等が挙げられる。
光素子としては、LED、半導体レーザ(LD)等の発光素子、受光素子、複合光素子、光集積回路等が挙げられる。
〈光素子用接着剤〉
本発明の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物又は硬化性組成物は、光素子用接着剤として好適に使用することができる。
本発明の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物又は硬化性組成物を光素子用接着剤として使用する方法としては、接着の対象とする材料(光素子とその基板等)の一方又は両方の接着面に該組成物を塗布し、圧着した後、加熱硬化させ、接着の対象とする材料同士を強固に接着させる方法が挙げられる。
光素子を接着するための主な基板材料としては、ソーダライムガラス、耐熱性硬質ガラス等のガラス類;セラミックス;鉄、銅、アルミニウム、金、銀、白金、クロム、チタン及びこれらの金属の合金、ステンレス(SUS302、SUS304、SUS304L、SUS309等)等の金属類;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアミド、アクリル樹脂、ノルボルネン系樹脂、シクロオレフィン樹脂、ガラスエポキシ樹脂等の合成樹脂;等が挙げられる。
加熱する温度は、用いる硬化性ポリシルセスキオキサン化合物の種類、硬化性組成物等にもよるが、通常、100〜250℃、好ましくは150〜200℃であり、加熱時間は、通常10分から15時間、好ましくは30分から8時間である。
〈光素子用封止剤〉
本発明の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物又は硬化性組成物は、光素子封止体の封止剤として好適に用いることができる。
本発明の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物又は硬化性組成物を光素子用封止剤として使用する方法としては、例えば、該組成物を所望の形状に成形して、光素子を内包した成形体を得た後、そのものを加熱硬化させることにより光素子封止体を製造する方法等が挙げられる。
本発明の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物又は硬化性組成物を所望の形状に成形する方法としては、特に限定されるものではなく、通常のトランスファー成形法や、注型法等の公知のモールド法を採用できる。
加熱する温度は、用いる硬化性ポリシルセスキオキサン化合物の種類、硬化性組成物等にもよるが、通常、100〜250℃、好ましくは150〜200℃であり、加熱時間は、通常10分から15時間、好ましくは30分から8時間である。
得られる光素子封止体は、本発明の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物又は硬化性組成物を用いているので、接着性に優れるものである。
次に実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
29Si−NMR測定条件〉
装置:ブルカー・バイオスピン社製 AV−500
29Si−NMR共鳴周波数:99.352MHz
プローブ:5mmφ溶液プローブ
測定温度:室温
試料回転数:20kHz
測定法:インバースゲートデカップリング法
29Si フリップ角:90°
29Si 90°パルス幅:8.0μs
繰り返し時間:5s
積算回数:9200回
観測幅:30kHz
29Si−NMR試料作成方法〉
緩和時間短縮のため、緩和試薬としてFe(acac)を添加し測定した。
ポリシルセスキオキサン濃度:15%
Fe(acac)濃度:0.6%
測定溶媒:CDCl
内部標準:TMS
(重量平均分子量測定)
製造例で得たシラン化合物共重合体の重量平均分子量(Mw)は標準ポリスチレン換算値とし、以下の装置及び条件にて測定した。
装置名:HLC−8220GPC、東ソー社製
カラム:TSKgelGMHXL、TSKgelGMHXL、及び、TSKgel2000HXLを順次連結したもの
溶媒:テトラヒドロフラン
注入量:80μl
測定温度:40℃
流速:1ml/分
検出器:示差屈折計
(実施例1)
300mlのナス型フラスコに、フェニルトリエトキシシラン(東京化成工業社製)40.87g(170mmol)と2−シアノエチルトリエトキシラン(アヅマックス社製)6.52g(30mmol)を仕込んだ後、蒸留水10.8mlにホウ酸1.24g(20mmol、シラン化合物の合計量に対して10モル%)を溶解した水溶液を攪拌しながら加え、全容を30℃にて2時間、次いで70℃に昇温し5時間攪拌した。反応終了後、反応液に酢酸エチル100gを添加して分液し、有機層を分取した。さらに、有機層を水層がpH=4になるまで精製水にて洗浄した後、エバポレーターで濃縮した。濃縮物を真空乾燥することにより硬化性ポリシルセスキオキサン化合物1を33.1g得た。
得られた硬化性ポリシルセスキオキサン化合物1の重量平均分子量(Mw)は1044、分子量分布(Mw/Mn)は1.252であった。
また、29Si−NMRスペクトル測定を行った結果、T1、T2、T3のピーク積分値比は、下記第1表に示すとおりだった。
図1に、29Si−NMRスペクトル測定チャートを示す。
(実施例2〜5、比較例1〜3)
実施例1において、ホウ酸1.24gの代わりに、下記第1表に示す酸を、表に示す量使用した他は、実施例1と同様にして硬化性ポリシルセスキオキサン化合物2〜5、及び1r〜3rを得た。
29Si−NMRスペクトル測定による、T1、T2、T3の各ピークの積分値、P1、P2、P3の比は、下記第1表に示すとおりであった。
得られた硬化性ポリシルセスキオキサン化合物2〜5、1r〜3rの収量(g)、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)を下記第1表に示す。
(実施例6〜10、比較例4〜6)
実施例1〜5、比較例1〜3で得た硬化性ポリシルセスキオキサン化合物1〜5、1r〜3rのそれぞれ10gに、シランカップリング剤として、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(信越化学工業社製)1gを加え、全容を十分に混合、脱泡することにより、硬化性組成物6〜10、4r〜6rを得た。
得られた硬化性組成物6〜10、4r〜6rにつき、下記に示す接着力試験を行った。試験結果を下記第1表に示す。
[接着力試験1]
2mm角のシリコンチップのミラー面に、硬化性組成物6〜10、4r〜6rのそれぞれを、厚さが約2μmになるよう塗布し、塗布面を被着体(銀メッキ銅板)の上に載せ圧着した。その後、180℃で2時間加熱処理して硬化させて試験片付被着体を得た。この試験片付被着体を、予め所定温度(23℃、100℃)に加熱したボンドテスター(シリーズ4000、デイジ社製)の測定ステージ上に30秒間放置し、被着体から50μmの高さの位置より、スピード200μm/sで接着面に対し水平方向(せん断方向)に応力をかけ、23℃及び100℃における、試験片と被着体との接着強度(N/2mm□)を測定した。
Figure 0005550162
第1表から、実施例1〜5の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物を用いて得られる硬化性組成物の硬化物は、いずれも接着力が23℃で120N/2mm□以上であり、接着強度に極めて優れていることがわかった。また、100℃においても100N/2mm□以上であり、耐熱性にも優れるものであることがわかった。
一方、比較例1〜3の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物を用いて得られた硬化性組成物の硬化物は、23℃においても接着力が85N/2mm□以下であり、100℃においてはさらに低く48N/2mm□以下となり、接着強度、耐熱性ともに劣るものであった。
(比較例7)
メチルトリメトキシシラン12.7g、ジメチルジメトキシシラン11.2g、メタノール3.3g、水8.1g、触媒として5%アセチルアセトンアルミニウム塩メタノール溶液4.8gを、密閉できる容器に入れて混合し、密栓してスターラーで撹拌しながら50℃の温水バスにて8時間加熱した後、室温に戻し、加水分解・重縮合液を得た。
次いで、エバポレーターで濃縮した後、濃縮物を真空乾燥することにより重合体(7r)を得た。
重合体(7r)の重量平均分子量(Mw)は415、分子量分布(Mw/Mn)は、1.004であった。
重合体(7r)は、クロロホルム、DMSO、トルエン、ベンゼン、アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン等の各種有機溶媒に不溶であった。
したがって、溶液状態での29Si−NMRの測定をすることができなかった。
比較例7で得た重合体7rの10gに、シランカップリング剤として、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(信越化学工業社製)1gを加え、全容を十分に混合、脱泡することにより、組成物7rを得た。
[接着力試験2]
2mm角のシリコンチップのミラー面に、組成物7rを、厚さが約2μmになるよう塗布し、塗布面を被着体(銀メッキ銅板)の上に載せ圧着した。その後、180℃で2時間加熱処理したが、シリコンチップは銀メッキ銅板に接着せず、脱落してしまい、接着力試験を実施できなかった。

Claims (9)

  1. 式:RSiO3/2(式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜10アルキル基、又は、置換基を有していてもよいアリール基を表す。)で表される構成単位の少なくとも一種を有する硬化性ポリシルセスキオキサン化合物であって、
    29Si核磁気共鳴スペクトルにおいて、
    第1のピークトップが−65ppm以上−55ppm未満の領域に存在し、第2のピークトップが−73ppm以上−65ppm未満の領域に存在し、第3のピークトップが−82ppm以上−73ppm未満の領域に存在し、
    第1のピークの積分値(P1)が、第1のピークの積分値(P1)と第2のピークの積分値(P2)と第3のピークの積分値(P3)の合計に対し、0より大きく10%未満であり、
    重量平均分子量が500〜5,000の化合物であることを特徴とする硬化性ポリシルセスキオキサン化合物。
  2. 前記第3のピークの積分値(P3)が、第1のピークの積分値(P1)と第2のピークの積分値(P2)と第3のピークの積分値(P3)の合計に対し、20%以上であることを特徴とする、請求項1に記載の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物。
  3. 重量平均分子量が500〜2,000の化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物。
  4. 式:RSi(OR(式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜10アルキル基、又は、置換基を有していてもよいアリール基を表し、Rは、水素原子又は炭素数1〜10アルキル基を表す。複数のRはすべて同一であっても相異なっていてもよい。)で表されるアルコキシシラン化合物の少なくとも一種を、重縮合触媒の存在下に、重縮合させて得られる化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物。
  5. 前記重縮合触媒が、ホウ酸、クエン酸、酢酸、硫酸、及びメタンスルホン酸から選ばれる少なくとも一種である、請求項4に記載の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物。
  6. 式:RSi(OR(式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜10アルキル基、又は、置換基を有していてもよいアリール基を表し、Rは、水素原子又は炭素数1〜10アルキル基を表す。複数のRはすべて同じでも相異なっていてもよい。)で表される化合物の少なくとも一種を、重縮合触媒の存在下に、重縮合させる工程を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物、及びシランカップリング剤を含有する硬化性組成物。
  8. 請求項7に記載の硬化性組成物を加熱することにより得られる硬化物。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性ポリシルセスキオキサン化合物、または、請求項6に記載の硬化性組成物を、光素子固定剤として使用する方法。
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