JP5549703B2 - 用紙搬送機構、画像読取装置、及び画像形成装置 - Google Patents
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しかし、従来の搬送ローラ対(駆動ローラと従動ローラ)の構造にあっては、幅方向中央部に位置する発泡ゴム製の従動ローラが対向する駆動ローラと圧接した際の加圧力によって撓み変形してしまうため、副走査方向及び、搬送経路垂直方向のニップ位置が原稿中央部と外側とでずれが生じてしまう。また、シワ対策として、意図的に駆動ローラの中央部を搬送方向下流側にオフセットしてたわませているため、副走査方向のニップ位置に大きなずれが生じる一因となっている。例えば、技術文献1では、シワ対策として複数の駆動ローラを軸支する一本の駆動ローラ側軸部材の中央部の軸受を原稿搬送経路下流側にオフセットさせることで駆動側軸部材をたわませている。その結果、原稿中央部と外側とでローラニップ位置が異なるため突き当て時に斜め挿入しやすくなるという副作用があった。
副走査方向のニップ位置のずれは原稿挿入時の斜め挿入の原因となり、搬送経路垂直方向のずれは原稿搬送時にシワの原因となっている。
本発明は上記の如き不具合を一挙に解決することができる用紙搬送機構、画像読取装置、及び画像形成装置を提供することを目的としている。
請求項2の発明の用紙搬送機構は、請求項1において、前記駆動側軸部材の各駆動ローラは硬質材料から成り、前記従動側軸部材の両外側寄りに位置する従動ローラは硬質材料から構成されており、前記従動側軸部材の中央寄りに位置する従動ローラは軟質材料から構成されていることを特徴とする。
請求項3の発明の用紙搬送機構は、請求項1又は2において、記各駆動ローラと前記各従動ローラとのニップ部入口に前記用紙をガイドする樹脂シートを備えたことを特徴とする。
請求項5の発明の用紙搬送機構は、請求項1乃至4において、前記各従動ローラは、前記従動側軸部材によって個別且つ独立して回転自在に軸支されていることを特徴とする。
請求項6の発明に係る画像読取装置は、請求項1乃至5の何れか一項に記載の用紙搬送機構を備えたことを特徴とする。
請求項7の発明に係る画像形成装置は、請求項1乃至5の何れか一項に記載の用紙搬送機構を搭載したことを特徴とする。
中央部の従動側給紙ローラの材質として弾性体を使用した場合には、カール原稿や折り原稿などがニップ部に進入した際に従動側給紙ローラにつっかかり挿入性が悪いため斜め挿入となりやすい。
本発明では、原稿進入経路に沿ってニップ部に進入してくる原稿をスムーズにガイドするためのガイドシートを斜め上向きに傾斜させて設けることで原稿進入時に従動側給紙ローラに原稿先端がつっかかったとしても滑りがよくなり、種々の原稿の進入性が向上する。
また、各従動側給紙ローラの表面にポリテトラフルオロエチレンコーティング層を形成することでローラ表面のスベリを向上し、進入性を向上させることができる。また、従動ローラ自体が汚れにくい構成となり、従動側給紙ローラに付着した汚れが原稿に再付着することを防止できる。
各従動側給紙ローラを、従動側軸部材360によって個別且つ独立して回転自在に軸支することにより、従動側給紙ローラ同士に回転差が生じて原稿に生じたたわみが解消されやすくなる。
図1、図2において、給紙装置100の上部に画像形成装置としての複写機本体200が設置され、この複写機本体200の上部に画像読取装置としてのスキャナ部(画像読取部)300が設置され、全体として複写装置を構成している。
図2において、スキャナ部300は、原稿台301上に置かれた原稿を給紙ローラ302により1枚ずつ原稿搬送路303に対して給紙し、原稿搬送路303において読取部である密着イメージセンサ304により、画像読み取り終了後に、排紙ローラ305により排紙トレイ306a、306bのいずれかに排紙するように構成されている。
密着イメージセンサ304は、後述するように全体として主走査方向に長い箱形状をしており、原稿を照明する光源およびイメージセンサを有し、原稿搬送路303において原稿を照明し、該原稿からの反射光をレンズアレイなどを通してイメージセンサ上に結像させて光電変換を行うことにより画像信号を出力する。
感光体205に形成されたトナー像は、転写部207において、給紙装置100から給送され、かつレジストローラ208にて作像タイミングとの同期が取られて搬送される記録用紙に対して転写される。トナー像が転写された後の用紙は、分離部210により感光体205から分離されて搬送ベルト211で定着部202へ導かれ、定着部202において加熱加圧されて定着処理が施される。
前記定着後の用紙は、複数の排紙ローラ214、215からなる排紙部203にて、複写機本体200の上面あるいは複写機本体200の後方に設けられた排紙部212、213に排出される。排紙部203において、図3に示すように、排紙方向は分岐爪216、217の回動により切り替えられる。
各給紙ローラ111〜114により送り出された用紙は、図における左側(正面側)のトレイに設けられたロールカッターユニット115、116により一定の長さに切断され、シート状の記録用紙として搬送ローラ117、118により複写機本体200へ搬送される。
また、スキャナ部300の上部構造体310には、図1に示すように、各種モードの設定、動作のスタート指示や、搬送する用紙の情報であるリピートコピー設定や長尺通紙情報を入力するための表示/操作部311が設けられている。
上部構造体310は、上外側部に表示/操作部311が設けられ、図4における左側(正面側)を自由端として開閉可能に、右側一部が下部構造体310の装置本体に回動可能に支承されている。そして上部構造体310の下側と下部構造体320の上側間に原稿搬送路303が構成される。
下部構造体320内には、上流側に位置する給紙ローラ302を構成する駆動側給紙ローラ(駆動ローラ)302bと、下流側に位置する排紙ローラ305を構成する駆動側排紙ローラ305bとが設けられ、駆動側給紙ローラ302bと駆動側排紙ローラ305bとの間に相当する下方位置は、上部構造体310の圧板313に対向して密着イメージセンサ304が配設されている。駆動側給紙ローラ302bと駆動側排紙ローラ305bは、図5(a)に示す通り、中央部に設けた軸受306を原稿搬送方向下流側にオフセットして配置して、各ローラ302b、305bの軸心を夫々支持する駆動側軸部材(芯金)350の中央部を下流側へ向けて付勢する(変位させる)ことにより、駆動側軸部材350の中心部が下流側に撓み変形し、軸受306を中心として左右に位置する各ローラ302b、305bの向きが原稿搬送方向よりも外側を向くようになっている(原稿の幅方向の中心線を対称軸にハの字状に配置されている)。
上部構造体310には、給紙ローラ302を構成する従動側給紙ローラ302a(中央部従動側給紙ローラ302a−1、及び外側従動側給紙ローラ302a−2=従動ローラ)と、排紙ローラ305を構成する従動側排紙ローラ305aとが設けられ、従動側給紙ローラ302aと従動側排紙ローラ305aとの間には、下部構造体310に設置された密着イメージセンサ304のコンタクトガラス312に対向して、原稿を押圧する白色基準板を兼ねる圧板313が設けられている。
駆動モータ341の回転駆動力が、タイミングベルト332、各プーリ333a〜333cを経て、給紙ローラ302の駆動側給紙ローラ302bおよび排紙ローラ305の駆動側駆動ローラ305bに伝達されるようになっている。
電磁クラッチ340は、先行する原稿後端が排紙ローラ305を抜けた際にクラッチが切られるようになっており、この時点では給紙ローラ302に駆動力を伝達しないようにし、次の原稿が誤って挿入されても引き込まれず、誤動作することがないようにしている。さらに、電磁クラッチ340にはブレーキが設けられ、原稿挿入時の衝撃で給紙ローラ302が不用意に回転してしまい、原稿の先端位置がずれてしまうことを防ぐようにしている。
また、本体側板330の駆動モータ331の下方には送風部材である送風ファン334が設けられ、送風ファン334により機械内部に配置された密着イメージセンサ304などを冷却している。
なお、図7における符号326は、上部構造体310の開放回動時に、上部構造体310に対して付勢力を与えるガススプリング構造の付勢手段を示す。
中央部の従動側給紙ローラ302a−1の材質として弾性体を使用した場合には、カール原稿や折り原稿などがニップ部に進入した際に従動側給紙ローラ302a−1につっかかり挿入性が悪いため斜め挿入となりやすい。
本発明では、図示した原稿進入経路に沿ってニップ部に進入してくる原稿をスムーズにガイドするための低摩擦材料から成る樹脂シート370を斜め上向きに傾斜させて設けることで原稿進入時に従動側給紙ローラに原稿先端がつっかかったとしても滑りがよくなり、種々の原稿の進入性が向上する。
また、各従動側給紙ローラ302a−1の表面にポリテトラフルオロエチレンコーティング層を形成することでローラ表面のスベリを向上し、進入性を向上させることができる。また、従動側給紙ローラ自体が汚れにくい構成となり、従動側給紙ローラに付着した汚れが原稿に再付着することを防止できる。
例えば、二個の従動側給紙ローラ302a−1の軸心が一本の従動側軸部材360によって固定的に支持されているとすれば、両従動側給紙ローラは同時に回転するため、両従動側給紙ローラの回転速度の中間の速度にて両ローラがスリップしながら原稿を搬送することとなる。しかも、従動側給紙ローラの材質を発泡ゴムとすることでグリップ力が増すため左右のコロに速度差が生じなくなり、薄紙搬送時に発生したたわみ、シワが解消されにくくなる。
本実施形態によれば、個々の従動側給紙ローラが独立して従動可能となるので、隣の従動側給紙ローラとの間に回転差が生じて薄紙に形成されるたわみやシワが解消されやすい。
Claims (7)
- 一本の駆動側軸部材により軸心を支持された複数の駆動ローラと、該駆動側軸部材の上方に配置された一本の従動側軸部材により軸心を支持され且つ前記各駆動ローラとニップする複数の従動ローラと、を備え、回転駆動される各駆動ローラと各従動ローラとのニップ部で用紙を搬送する用紙搬送機構であって、
前記従動側軸部材の中央寄りに位置する従動ローラと、前記駆動側軸部材の中央寄りに位置する駆動ローラと、が形成する中央側ニップ部と、前記従動側軸部材の両外側寄りに位置する従動ローラと、前記駆動側軸部材の両外側寄りに位置する駆動ローラと、が形成する両外側ニップ部と、を備え、
前記駆動側軸部材の中央部が用紙搬送方向下流側に撓み変形した状態で回転自在に軸支されることにより前記各駆動ローラが用紙の幅方向中心線を対称軸として原稿搬送方向よりも外側に拡開した結果用紙搬送方向及び垂直方向での位置が異なった、前記中央側ニップ部の入口位置と、前記両外側ニップ部の入口位置と、が用紙搬送方向及び垂直方向で一致するように、
前記各従動ローラの搬送方向位置を、前記各従動ローラが対応する前記各駆動ローラの搬送方向下流側への変位量に応じた量だけ用紙搬送方向下流側に変位させたことを特徴とする用紙搬送機構。 - 前記駆動側軸部材の各駆動ローラは硬質材料から成り、
前記従動側軸部材の両外側寄りに位置する従動ローラは硬質材料から構成されており、
前記従動側軸部材の中央寄りに位置する従動ローラは軟質材料から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の用紙搬送機構。 - 前記各駆動ローラと前記各従動ローラとのニップ部入口に前記用紙をガイドする樹脂シートを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の用紙搬送機構。
- 前記各従動ローラの表面にポリテトラフルオロエチレンコーティング層を形成したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の用紙搬送機構。
- 前記各従動ローラは、前記従動側軸部材によって個別且つ独立して回転自在に軸支されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の用紙搬送機構。
- 請求項1乃至5の何れか一項に記載の用紙搬送機構を備えたことを特徴とする画像読取装置。
- 請求項1乃至5の何れか一項に記載の用紙搬送機構を搭載したことを特徴とする画像形成装置。
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