JP5548883B2 - ラベル付き容器 - Google Patents
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Description
このようなラベル付き容器の熱収縮性ラベルは、その上端部から下端部にかけて上下方向に延設された左右一対のミシン目線を有する。
このラベル付き容器においては、熱収縮性ラベルが熱収縮によって前記縊れ部に対応する部分で内側に凹み、この凹んだ縮径領域において熱収縮性ラベルが容器の縊れ部に係合しているので、熱収縮性ラベルが容器から抜けないようになっている。そして、前記一対のミシン目間における熱収縮性ラベルの上端部を指で摘み、これを引き出すことにより、切断線が前記一対のミシン目線に従って生じ、その一対のミシン目線で挟まれた帯状領域を除去できる。帯状領域を除去すると熱収縮性ラベルが分断されるので、これを容器から簡単に取り除くことができる。
このような小穴の繋がりを防止するためには、ミシン目線の小穴の形成間隔を比較的長くすることが考えられる。
しかしながら、その切断線が第2ミシン目線の下端部から第1ミシン目線へと引き継がれない場合がある。この場合、切断線が第1ミシン目線から逸れてしまい、第1ミシン目線を熱収縮性筒状ラベルに設けておいた意義がなくなる。
他方、特許文献1に教示されているように、第2ミシン目線を縮径領域にまで設けると、熱収縮性筒状ラベルの面内に、小穴が繋がることによる大きな穴が生じる。
本発明の他の好ましいラベル付き容器は、前記第2ミシン目線の上下に隣接する小穴の間隔が、前記第1ミシン目線の上下に隣接する小穴の間隔よりも短い。
また、本発明のラベル付き容器は、第2ミシン目線の第2端の小穴が縮径領域の縮径開始端部を超え且つ縮径領域の最小径部の間に位置しているので、ラベル付き容器の運搬中などにおいて第2ミシン目線の小穴が繋がって大きな穴を生じることを防止できる。
ただし、各図において、容器の底面を水平面上に置いて容器を自立させた状態を基準にして、水平面から離れる側を「上」といい、水平面に近づく側を「下」といい、容器の上下方向回り(容器の軸回り)の何れかの方向を周方向という。
また、本明細書において、上端部とは、上端を含む上端の近傍の部分を指し、下端部とは、下端を含む下端の近傍の部分を指す。
図1乃至図3に於いて、10は、縊れ部3と胴部22を有する容器2と、縊れ部3を含む胴部22全体又は縊れ部3を含む胴部22の一部に熱収縮によって装着され且つ縊れ部3に対応して内側に凹んだ縮径領域4を有する熱収縮性ラベル1と、を備える。
前記熱収縮性ラベル1の面内には、その上端部から下端部にかけて上下方向に延びる第1ミシン目線51が形成され、さらに、周方向において第1ミシン目線51に近接し且つ上下方向に延びる第2ミシン目線52が形成されている。この第1ミシン目線51及び第2ミシン目線52は、断続的に上下に連なった複数の小穴からそれぞれ構成されている。
以下、各構成要素に分説しつつ、本発明のラベル付き容器10を説明する。
図4は、図1に示すラベル付き容器10を構成する容器2であって、熱収縮性ラベル1が装着される前の容器2の正面図である。
容器2は、水平な陳列棚などの載置面に載置可能な底部21と、底部21の上方に形成された筒状の胴部22と、胴部22の上方に形成された注出口(図示せず)と、注出口を開閉可能に閉塞する蓋部23と、を有し、胴部22の一部分には、周方向に亘って内側に凹んだ縊れ部3が形成されている。
縊れ部3は、胴部22の周方向全体に凹みが繋がったリング状の凹みである。
また、胴部22には、補強用の凹み部24も適宜形成されている。この凹み部24は、縊れ部3とは異なり、胴部22に部分的に設けられたものであって、胴部22の周方向全体に亘って繋がったリング状のものではない。
胴部22の外形の横断面形状は、円形、六角形、八角形などの任意形状に形成されている。ただし、前記胴部22の外形は、縊れ部3や凹み部24を除いた、大略の外形状を意味する。
縊れ部3の外面の縦断面形状は、半円弧状などが挙げられるが、その外面の形状は、特に限定されない。
また、縊れ部3の第1コーナー部31と第2コーナー部32間の長さは、特に限定されないが、余りに短いと縊れ部3に対応する熱収縮性ラベル1の部分が縮径しないおそれがあるので、3mm以上が好ましい。縊れ部3の第1コーナー部31と第2コーナー部32間の長さの上限は特に限定されないが、通常、10mm以下である。
これらの中では、合成樹脂製の容器2は、衝撃が加わることによって撓みやすい。特に、肉厚が比較的薄い(例えば200μm〜500μm)合成樹脂製の容器2は、衝撃によって撓み易い。本発明によれば、このような比較的薄い合成樹脂製の容器2を用いても、第2ミシン目線52の小穴が繋がって大きな穴を生じることを防止できる。
図5は、図1に示すラベル付き容器10を構成する熱収縮性ラベル1であって、容器2に装着する前の熱収縮性ラベル1の正面図である。この熱収縮性ラベル1は、筒状に形成されている。
熱収縮性ラベル1は、収縮温度(例えば80〜100℃程度)で熱収縮しうる性質を有するフィルムから形成されている。この熱収縮性フィルムを筒状にし且つその両側端部を重ね合わせて接着することにより、熱収縮性ラベル1が構成されている。
以下、この両側端部の接着された部分は、一般にセンターシール部と呼ばれる。センターシール部は、熱収縮性ラベル1の上端から下端にかけて延びる肉厚な帯状部分であり、通常、その幅は、2mm〜10mm程度である。
熱収縮性フィルムは、透明又は不透明の何れでもよい。なお、通常、熱収縮性フィルム(熱収縮性ラベル1)には、公知の印刷インキを用いて、商品名、絵柄などの意匠表示が適宜な箇所に印刷される。
本実施形態においては、熱収縮性ラベル1のうち、ラベル1の上端から縮径領域4の最小径部43までの周方向領域には意匠表示が設けられず、ラベル1の下端から縮径領域4の最小径部43までの周方向領域に意匠表示が設けられる。
但し、熱収縮率(%)=[{(一方向(又は他方向)の元の長さ)−(一方向(又は他方向)の浸漬後の長さ)}/(一方向(又は他方向)の元の長さ)]×100。
第1ミシン目線51及び第2ミシン目線52は断続的に上下に連なった複数の小穴の列からそれぞれ構成されている。
第1ミシン目線51及び第2ミシン目線52は、左右にそれぞれ一対ずつ設けられている。
一対の第2ミシン目線52は、対応する第1ミシン目線51の外側近傍に設けられている。すなわち、一対の第2ミシン目線52の間に、一対の第1ミシン目線51が配置されている。
一対の第1ミシン目線51の間の周方向間隔W1とは、左方の第1ミシン目線51の1つの小穴の中心を通り且つ熱収縮性ラベル1の上下方向に引いた仮想線A1と、右方の第1ミシン目線51の1つの小穴の中心を通り且つ熱収縮性ラベル1の上下方向に引いた仮想線A2と、の間の周方向における間隔をいう。
なお、本明細書において、仮想線とは、熱収縮性ラベルに実際には形成されていない、仮想の直線を意味する。
そして、第1ミシン目線51は、その第1端(本実施形態では、上端)の小穴511が熱収縮性ラベル1の上端部に位置し、且つその第2端(本実施形態では、下端)の小穴512が熱収縮性ラベル1の下端部に位置しており、全体として上下方向に延設されている。
第2ミシン目線52は、第1ミシン目線51に周方向において近接して設けられている。
第1ミシン目線51と第2ミシン目線52の周方向間隔W2は、上下方向において一定であり、例えば、0.5mm〜2mmが好ましい。周方向において第1ミシン目線51と第2ミシン目線52が余りに近いと、第1ミシン目線51と第2ミシン目線52の小穴同士が繋がって大きな穴を生じるおそれがあり、第1ミシン目線51と第2ミシン目線52が余りに遠いと、第2ミシン目線52に従って生じた切断線が第1ミシン目線51に引き継がれないおそれがある。
本実施形態では、第1ミシン目線51及び第2ミシン目線52の小穴は、それぞれ針穴状に形成され、その第1ミシン目線51の小穴の直径は、0.2mm〜1.5mmに設定され、その第2ミシン目線52の小穴の直径は、0.05mm〜1.0mmに設定されている。
ただし、第1ミシン目線51の上下に隣接する小穴の間隔は、隣接する小穴の中心間の長さを意味する。また、第2ミシン目線52の上下に隣接する小穴の間隔は、隣接する小穴の中心間の長さを意味する。
上記容器2の縊れ部3を含む胴部22に上記熱収縮性ラベル1を外嵌し、従来公知の加熱方法によって、熱収縮性ラベル1を熱収縮させる。この際、熱収縮性ラベル1の第2ミシン目線52の第1端の小穴522が上方の縊れ部3の第1コーナー部31と最深部33の間に位置するように位置合わせして、熱収縮性ラベル1を容器2の胴部22に外嵌した後、熱収縮性ラベル1を加熱する。このようにして、図1乃至図3に示すようなラベル付き容器10が得られる。
従って、縮径領域4は、縊れ部3の第1コーナー部31及び第2コーナー部32に対応して縮径し始めた縮径開始端部41,42と、縊れ部3の第1コーナー部31と第2コーナー部32の間に対応して最も内径が小さくなった最小径部43と、を有する。
もっとも、縊れ部3の最深部33が浅い又は縊れ部3の第1コーナー部31と第2コーナー部32間が長いなどの縊れ部3の縦断面形状によっては、縮径領域4の内面の上下方向中途部が、縊れ部3の外面に密着することがある。このような場合も本発明に含まれるが、このような場合、縮径領域4の最も径の小さい部分が、上下方向に幅を以て存在することがある。
従って、本明細書において、縮径領域4の最小径部43とは、縮径領域4の中で最も径が小さい部分が1箇所である場合にはその部分を指し、縮径領域4の中で最も径が小さい部分が上下に幅を以て存在している場合には、その上下幅の上下方向中央部を指す。
容器2の胴部22には、縊れ部3に対応して内側に凹んだ縮径領域4を有する熱収縮性ラベル1が装着されている。
この熱収縮性ラベル1の上端部から下端部にかけて、左右一対の第1ミシン目線51が上下方向に延びて存在している。
この第1ミシン目線51の外側近傍には、第2ミシン目線52が上下方向に延びて存在し、この第2ミシン目線52の第1端の小穴521は、熱収縮性ラベル1の上端部に位置し、且つ、第2ミシン目線52の第2端の小穴522は、熱収縮性ラベル1の縮径領域4の一方の縮径開始端部41を超え且つ縮径領域4の最小径部43の間に位置している。
第2ミシン目線52の第2端の小穴522が縮径領域4の最小径部43上に位置しているとは、その小穴522の一部分が最小径部43に重なっていることを意味する。
すなわち、熱収縮性ラベル1の縮径領域4は、熱収縮性ラベル1の縮径開始端部41,42よりも大きく収縮しているので、縮径領域4内の第1ミシン目線51と第2ミシン目線52の周方向間隔は、一方の縮径開始端部41における第1ミシン目線51と第2ミシン目線52の周方向間隔よりも短くなる。
従って、図2に示すように、縮径領域4における第1ミシン目線51の小穴513を通る仮想線A4と第2ミシン目線52の第2端の小穴522との周方向間隔W3は、縮径開始端部41の上方直近における第1ミシン目線51の小穴514を通る仮想線A5と縮径開始端部41の上方直近における第2ミシン目線52の小穴524との周方向間隔W4よりも短くなっている。
また、縮径開始端部41の上方直近における第1ミシン目線51の小穴514を通る仮想線とは、縮径開始端部41上又は縮径開始端部41のすぐ上に位置する第1ミシン目線51の小穴を通り且つ熱収縮性ラベル1の上下方向に引いた仮想線をいう。
縮径開始端部41の上方直近における第2ミシン目線52の小穴524とは、縮径開始端部41上又は縮径開始端部41のすぐ上に位置する第2ミシン目線52の小穴をいう。
なお、上記縮径開始端部上に位置している小穴とは、その小穴の一部分が縮径開始端部に重なっていることを意味する。
なお、切断線とは、熱収縮性ラベル1に引張り力を加えたときに熱収縮性ラベル1の面内に生じる切れ目の連続軌跡である。
このような効果を奏する作用は明確ではないが、縮径領域4の全体に亘って第2ミシン目線を延在させると、最小径部の上下に第2ミシン目線の小穴が存在するので、衝撃が加わることによって上下の小穴同士が繋がるものと推定される。特に、縮径領域の内面が縊れ部の外面から離れている場合(縮径領域の内面と縊れ部の外面の間に間隙を有する場合)、衝撃によって縮径領域のみが微振動を起こすので、縮径領域の全体に亘って第2ミシン目線を延在させると小穴同士が繋がってしまう。本発明においては、縮径領域4と縊れ部3の間に間隙12を有している場合でも、第2ミシン目線52の上下に隣接する小穴同士が繋がることを防止できる。
例えば、上記実施形態においては、第2ミシン目線52は熱収縮性ラベル1の上端部から下方に向かってのみ設けられているが、例えば、図7に示すように、第2ミシン目線52が熱収縮性ラベル1の上端部及び下端部の双方から設けられていてもよい。
第2ミシン目線52が熱収縮性ラベル1の下端部から上方に設けられる場合については、第2ミシン目線52の第1端(この場合、下端)の小穴521が、熱収縮性ラベル1の下端部に位置し、且つ第2ミシン目線52の第2端(この場合、上端)の小穴522が熱収縮性ラベル1の縮径領域4の下方の縮径開始端部42を超え且つ縮径領域4の最小径部43の間に位置している。それ以外は、上記実施形態の第2ミシン目線52が熱収縮性ラベル1の上端部から設けられる場合を天地逆転させた構成と同様であるので、その具体的な構成の説明は省略する。
また、上記実施形態においては、縊れ部3は胴部22の一部分として形成されているが、縊れ部3はこれに限られず、例えば、縊れ部3は、特開2003−104330号公報に開示されているような、胴部22と蓋部23の間に生じる凹み部でもよい。
なお、複数の縊れ部3がある容器2については、全ての縊れ部3を覆うように熱収縮性ラベル1が装着されていなければならないわけではなく、少なくとも1つの縊れ部3を含んで熱収縮性ラベル1が熱収縮装着されていればよい。
Claims (3)
- 縊れ部と胴部を有する容器と、前記縊れ部を含む容器の胴部に熱収縮装着され且つ前記縊れ部に対応して内側に凹んだ縮径領域を有する熱収縮性ラベルと、を有するラベル付き容器であって、
前記熱収縮性ラベルは、熱収縮性ラベルの上端部から下端部にかけて上下方向に設けられた第1ミシン目線と、前記第1ミシン目線に周方向において近接し且つ上下方向に所定長さで設けられた第2ミシン目線と、を有し、
前記第1ミシン目線及び第2ミシン目線が、断続的に上下に連なった複数の小穴からそれぞれ構成され、
前記第2ミシン目線の第1端の小穴が、前記熱収縮性ラベルの上端部及び下端部の少なくとも何れか一方に位置し、
前記第2ミシン目線の第2端の小穴が、前記熱収縮性ラベルの縮径領域の縮径開始端部を超え且つ縮径領域の最小径部の間に位置していることを特徴とするラベル付き容器。 - 前記縮径領域における前記第1ミシン目線の小穴を通る仮想線と第2ミシン目線の第2端の小穴との周方向間隔が、前記縮径開始端部の上方直近における第1ミシン目線の小穴を通る仮想線と縮径開始端部の上方直近における第2ミシン目線の小穴との周方向間隔よりも短い請求項1に記載のラベル付き容器。
- 前記第2ミシン目線の上下に隣接する小穴の間隔が、前記第1ミシン目線の上下に隣接する小穴の間隔よりも短い請求項1又は2に記載のラベル付き容器。
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