以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。以下では、容器本体として、ソースを内容物として収容するスクィーズ容器として説明するが、勿論、内容物は何であってもよく、また、スクィーズ容器以外の固定形状を有する容器本体であってもよい。また、以下で説明する容器本体の形状は、説明のためのいくつかの典型的な例であって、包装体の用途にあわせ、適当に変更することが可能である。
図1は、ソースを内容物として収納する容器本体12を熱収縮性フィルム20によって包んだ包装体10の様子を示す図である。図1において、左側の図は正面図で、上部は熱収縮性フィルム20を破断して容器本体12が見えるように示されている。右側の図は、側面図で、熱収縮性フィルムを破断して、容器本体12が見えるように示されている。
容器本体12は、注出部14と胴部16と底部18とから構成され、ここでは、ソースを胴部16の内部に収容し、例えば、胴部16を押すことで、注出部14からソースを適量取り出すことができるものである。この容器本体12は、胴部16に最も外周径の大きな部分があり、その最大外周径のところから、注出部14および底部18に向かって、それぞれ外周径が滑らかに縮径している外形を有している。
胴部16及び底部18は、注出部14側に開口部を有するプラスチック容器で、内容物の量に応じて形態が可変できる柔軟材料で構成されるスクィーズ容器である。かかる容器としては、例えば、軟質のポリエチレンテレフタレート、ポリプリピレン等のプラスチック材料を用いて所定の形状に成形したものを用いることができる。
注出部14は、胴部16の開口部にネジ機構等で取り付けられ、細い注出口とこれを覆う蓋を有する部品である。かかる注出部14は、硬質のポリエチレンテレフタレート、ポリプリピレン等のプラスチック材料を用いて所定の形状に成形したものを用いることができる。
容器本体12の正面に設けられるくぼみ部50は、従来技術であれば、ここに商品名等を大きく表示するラベルを貼り付ける場所である。従来技術においては、ここに、例えば、裏面に粘着材等が設けられたラベルを貼付することができる。図1の構成では、後述するように、フィルムラベル52が容器本体12から脱落せずに残るので、従来技術のようにラベルをくぼみ部50に貼付する必要がない。したがって、くぼみ部50を省略することもできる。
もっとも、従来技術においても、くぼみ部を設けないこともできるが、くぼみ部の有無にかかわらず、従来技術では、包装体を開けると、包装体に設けられた表示機能が失われてしまうので、容器本体に何らかの表示をする必要がある。そこで、容器胴体にラベルを貼り、あるいは容器胴体にインクジェット法等を用いて直接印字を行うことが行われる。このためにコストアップが生じている。図1の構成では、容器本体に何らかの表示をする必要がなくなる。
熱収縮性フィルム20は、異方性の熱収縮率を有するフィルムで、適当な温度に加熱することで1軸方向に例えば数十%収縮させることができるフィルムである。かかる熱収縮性フィルム20は、ポリエステル系、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、塩化ビニル系等の熱可塑性樹脂から選択される1種または2種以上の混合物で構成することができる。これらの間においては、例えば硬質感を求めるときにはポリエチレンテレフタレート(PET)、軟質感を求めるときはオレフィン系、ポリエステル系等のように選択することができる。熱収縮性フィルム20は、単層構造のフィルムでも、複層構造のフィルムでもよい。また、金属蒸着層、発泡樹脂層、不織布等と熱収縮性フィルムとが積層された積層フィルムであってもよい。熱収縮性フィルム20の全体の厚みとしては、好ましくは約20μmから約100μmがよい。
熱収縮性フィルム20は、このように、1種の合成樹脂フィルムであって、例えば、Tダイ法、インフレーション法等の公知の方法で製膜し、これを延伸処理することで得ることができる。延伸処理としては、主に、一方向、例えば筒状フィルムとするときはその周方向に、約2倍から約8倍に延伸される。なお、一方向に直交する他方向にも、例えば約1.5倍程度延伸されるものとしてもよい。このようにして製造された熱収縮性フィルム20は、加熱することで、延伸された方向に収縮する。このときの熱収縮率とは、[{(一方向(または他方向)の元の長さ)−(一方向(または他方向)の熱収縮密着後の長さ)}/(一方向(または他方向)の元の長さ)]×100%で求められる値である。熱収縮率の一例を上げると、例えば、90℃の温水中に10秒間、浸漬した場合、一方向に約20%から約80%、他方向に約−3%から約15%の値を得ることができる。
熱収縮性フィルム20は、実際には、フィルム体を筒状に巻いて両端を適当な接合手段で接合した筒状体を容器本体12の周りに配置し、これを加熱して収縮して用いられる。後に詳述するように、熱収縮性フィルム20は、全体が加熱されるわけではなく、特に容器本体12の胴部16を包む一部と、底部18の周囲が加熱され、注出部14を包む部分は加熱されない。したがって、熱収縮性フィルム20は、加熱収縮により容器本体12の外形に密着している密着部22と、加熱収縮が行われず容器本体12の外形から離間している離間部24とを有する。
また、離間部24の上端の封止部26は、熱収縮性フィルム20において筒状のままの上端部を合わせて適当な接合手段によって封止される部分である。筒状の熱収縮性フィルム20の下端部側は、密着部22によって容器本体12に密着固定されるので、上端部に封止部26を設けることで、熱収縮性フィルム20は、容器本体12の外周面全体を包む包装袋としての作用をすることになる。これによって、包装体10が形成される。
熱収縮性フィルム20に設けられるフィルムラベル52は、熱収縮性フィルム20に印刷等の手段によって表示が行われる部分である。勿論、熱収縮性フィルム20と別体のラベル体を熱収縮性フィルムに貼付するものとしてもよい。フィルムラベル52は、容器本体12に収容される内容物に関する事項等が表示されるもので、また、宣伝広告の内容を表示することもできる。例えば、包装体10に関する商品名、内容物の原材料、その使用例、使用法、賞味期限、製造元等の商品の表示に関する事項が印刷される。上記の例では、商品名「A−0ソース」、その原材料、使用例、製造元がフィルムラベル52に表示されている。フィルムラベル52は、図1に示されるように、容器本体12の底部18に近い胴部16に対応する部位に設けられる。
図1において、Sとして示されている位置が、密着部22と離間部24との境界である。理想的にいえば、密着部22において熱収縮性フィルム20が十分に収縮し、離間部24において熱収縮性フィルム20が全く収縮しないことがよい。しかし、熱収縮性フィルム20を収縮させる加熱は、例えば、約80℃から約100℃程度の熱風等で行われるため、加熱領域と非加熱領域とを正確に仕切ることは難しく、加熱領域の付近の非加熱領域も若干収縮が生じる。したがって、密着部22と離間部24とは、相対的に、前者の収縮率が大きく、後者の収縮率が小さいものとして区別される。Sは、この位置を境として、収縮率が大きく変わる位置として捉えることができ、端的に、これを収縮領域と非収縮領域の境界部と呼ぶことができる。
図1において、Mとして示される位置は、容器本体12の胴部16において、外周径が最大となる位置である。別の見方で述べれば、Mとして示される位置は、胴部16の外周径の変極点である。このMの位置から、容器本体12の外周径は、注出部14及び底部18に向かってそれぞれ滑らかに縮径する。そして、熱収縮性フィルム20も、この縮径に従って、容器本体12に密着して配置される。詳しくは、以下に述べるように、熱収縮性フィルム20は、容器本体12の注出部14の側及び底部18の側に向かって縮径しつつ小径側に折れ曲がって容器本体12に密着している。別の見方で述べれば、熱収縮性フィルム20は、容器本体12の外周径の変極点の前後に跨って配置されている。
図1に示されるように、熱収縮性フィルム20は、Mの位置から上方にはSの位置まで配置される。また、Mの位置から下方には、容器本体12の底部18の一部を包んで配置される。開封後の表示効果を活かす意味では、容器本体12の底部18まで熱収縮性フィルム20で覆っておくことが望ましい。この配置は、熱収縮性フィルム20が加熱によって十分に収縮し、容器本体12に密着する形態で行われる。
熱収縮性フィルム20に設けられるミシン目28は、密着部22と封止部26によって包装袋の形態となるものを、封止部26の側から引っ張ることで破袋し、容器本体12を露出させるための開封可能部である。ミシン目28は、包装体10の厚み方向に貫通する円形状または線状の貫通穴が断続的に刻設された線である。つまり、貫通穴と非貫通部とが交互に連なって形成された線のことである。ここで、貫通孔の長さは、例えば、約0.5mmから約2mmとすることができる。また、非貫通部の長さは、例えば、約0.5mmから約2.5mmとすることができる。なお、貫通孔の長さとは、貫通孔が円形状の場合にはその直径のことになる。また、開封可能部としては、ミシン目だけに限られず、例えば、ミシン目と切り込みの組み合わせでもよい。また、包装体10の厚み方向に略V字状に切り込んだ刻み部で、いわゆるハーフカット線でもよい。
ミシン目28は、加熱前の熱収縮性フィルム筒状体に加工によって予め設けられる。ミシン目28の配置は、以下に述べるように破袋によってフィルムラベル52が脱落せずに容器本体12に残るようにすることの他に、封止部26を把持して包装体10をぶら下げたときに、容器本体12の重さによって破断しないように設定されることが好ましい。なお、ミシン目28の孔の大きさ、ピッチも、場合によって考慮される。なお、包装体10の全体の質量としては例えば、約1kg以下のものである。図1にPとして示される位置が、ミシン目28の位置である。
ここで、密着部22と離間部24との境界位置であるSの位置、容器本体12の胴部16における最大外周径の位置であるMの位置、ミシン目の位置であるPの位置の相対関係について説明する。これらの位置は、ミシン目28の位置で熱収縮性フィルム20を破袋したときに、容器本体12にフィルムラベル52の部分が脱落せずに残るように、それぞれ設定される。
第1に、フィルムラベル52は、ミシン目28よりも容器本体12の底部18寄りに対応する部位に設けられる。これにより、ミシン目28において破袋されたとき、フィルムラベル52は、熱収縮性フィルム20が密着している容器本体12の胴部16に残ることができる。
第2に、Sの位置は、最大外周径の位置であるMの位置よりも離間部24の側寄りに設けられる。これにより、Sの位置は、容器本体12の周方向の長さが最大外周径よりも短くなったところに設定される。したがって、熱収縮性フィルム20は、注出部14の方に向かって、容器本体12の周方向の長さが増加から減少に転じたところまで容器本体12に密着し、熱収縮性フィルム20が破袋されても、最大外周径の位置よりも下の部分が下方に抜けて脱落することがない。
第3に、熱収縮性フィルム20は、最大外周径の位置であるMの位置から容器本体12の底部18の一部を包んで配置される。これにより、熱収縮性フィルム20は、最大外周径の位置から底部18に向かって、容器本体12の周方向の長さが増加から減少に転じ、底部18の一部まで容器本体12に密着し、熱収縮性フィルム20が破袋されても、最大外周径の位置より下の部分が上方に抜けて脱落することがない。
第4に、ミシン目28の位置であるPの位置は、最大外周径の位置であるMの位置よりも離間部24の側寄りで、境界部であるSの位置よりも密着部22の側寄りの位置、つまりSの位置とMの位置の間の位置に設定される。これにより、熱収縮性フィルム20がミシン目28のところで破袋されても、ミシン目28よりも下方の部分、つまり容器本体12の底部18の側の熱収縮性フィルム20は、容器本体12にしっかり密着されたまま、上下方向に脱落することが抑制される。このことは、容器本体12がスクィーズ容器である場合でも同様で、スクィーズ容器が一般的な使用形態で変形する範囲であれば、ミシン目28よりも下方の部分の熱収縮性フィルム20が脱落することが抑制される。
第5に、ミシン目28の位置であるPの位置は、その位置と容器本体12の底部18との間の領域の広さが、フィルムラベル52を装着するに十分な広さとなる位置に設定されることが好ましい。これによって、ミシン目28によって破袋された後でも、フィルムラベル52の表示機能を十分に発揮させることができる。
かかる構成の包装体10の製造方法の1実施例について、図2から図7を用いて詳細に説明する。図2は、包装体10の製造手順を示すフローチャートである。図3から図7は、各手順に対応する構造説明図である。以下では図1と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。また、以下では、図1の符号を用いて説明する。
図2に示されるように、はじめに、容器本体12に加熱収縮前の熱収縮性フィルムが配置される(S10)。この工程は、容器本体12の外形よりも大きい筒状の形状を有し、加熱によって収縮する熱収縮性フィルムを容器本体12の外周面全体を包むように配置することを内容とする。図3には、加熱収縮前の熱収縮性フィルムの筒状体30が容器本体12の周りに配置される様子が示されている。具体的には、容器本体12に筒状体30を被せる。あるいは、容器本体12に巻きつけて筒状としてもよい。
次に図2に示されるように、底部の部分加熱が行われる(S12)。この工程は、容器本体12の底部18付近を部分的に加熱することを内容とする。具体的には、図4に示されるように、容器本体12の底部18の部分に対応する部分Aが加熱される。これによって、その部分の熱収縮性フィルムが収縮し、容器本体12の底部18の一部に密着した部分34を有する熱収縮性フィルム32が形成され、下部の位置が固定される。一般的には、容器本体12の底部の形状に追従して、熱収縮性フィルムが底部のくぼみの内側に湾曲する。部分加熱には、所定の部分を局部的に加熱できる熱風吹出装置等を用いることができる。
次に、図2に示されるように、胴部の部分加熱が行われる(S14)。この工程は、容器本体12の胴部16の部分の熱収縮性フィルムを加熱し、胴部16を包む部分における収縮率が、注出部14に対応する部分の収縮率よりも大きくなるようにして、注出部14においては熱収縮性フィルムを容器本体12から離間させた離間部24を形成し、胴部16においては熱収縮性フィルムを密着させる密着部22を形成することを内容とする。具体的には、図5に示されるように、容器本体12の胴部16の部分に対応する部分Bが加熱される。胴部16は、底部18と注出部14の間の広い部分であるが、加熱される部分Bは、Mの位置を中心として、Pの位置までの部分とすることがよい。これによって、その部分の熱収縮性フィルムが収縮し、容器本体12の胴部16において、Mの位置を中心として、Pの位置まで、容器本体12に密着した部分38を有する熱収縮性フィルム36が形成される。部分加熱は、容器本体12の胴部16の所定の範囲を帯状に加熱できる赤外ヒータ装置等を用いることができる。
次に図2に示されるように、境界部の部分加熱が行われる(S16)。この工程は、密着部22と離間部24との間の境界である境界部を部分的に加熱して、熱収縮性フィルムの収縮領域と非収縮領域との間の境界を明確化することを内容とする。具体的には、図6に示されるように、ミシン目28の位置Pよりも注出部14の側に設定される境界部の位置Sに対応する部分Cが局所的に加熱される。これによって、境界部付近の部分42が局所的に収縮し、収縮領域と非収縮領域との境界がよりはっきりと区別できる熱収縮性フィルム40が形成される。部分加熱は、所定の部分を局部的に加熱できる熱風吹出装置等を用いることができる。この工程は、位置決めを正確にして行うことが好ましく、場合によっては、作業者の手作業とすることができる。
なお、S12,S14,S16の工程において、熱収縮性フィルム上で加熱される領域は相互に重複するように設定されることが好ましい。また、S12,S14,S16の工程順序は、場合によっては適当に変更することができる。このようにして、容器本体12に対し、底部18の一部から上方、つまり注出部14に向かって、Mの位置、Pの位置を経て、境界部の位置であるSの位置まで、熱収縮性フィルムが順次加熱される。これによって、容器本体12において、底部18の一部から境界部の位置であるSの位置まで、熱収縮性フィルムが密着して配置されて、密着部22が形成される。
境界部の位置であるSの位置よりも上方、つまり注出部14の側は、S14,S16における部分加熱の影響の程度で熱収縮性フィルムが収縮しているが、その程度は密着部22における収縮率よりも格段に少ない。したがって、境界部の位置であるSの位置より上方では、離間部24が形成される。
次に、図2に示されるように、上端部封止が行われる(S18)。具体的には、熱収縮性フィルム20において筒状のままの上端部を合わせて適当な接合手段によって封止が行われる。例えば、この部分に予め感熱性接着剤を塗布しておき、適当な加熱シール装置を用いて熱圧着によって接着を行って封止することができる。図7には、封止部26における熱圧着の様子が白抜き矢印で示されている。このようにして、包装体10が形成される。
また、熱収縮性フィルムが積層構造のフィルムの場合、最内層にヒートシール性の良好な層を用いることで、接着剤を使用することなく、上端部を封止することができる。例えば、熱収縮性フィルム全体に不織布を積層した積層フィルムを、不織布を内面にして使用する場合、この不織布の少なくとも表層(すなわち封止部において相互に接着する部分である最内層)が、ポリエチレン系等のヒートシール性が良好な不織布であることが好ましい。通常、接着部分には不織布を設けないが、接着部の最内面同士がポリエチレン系の不織布であれば、この不織布が接着層としての機能を果たして封止部を形成するので、接着剤を使用する必要がなく、かつ装着フィルム全体に不織布調のデザインを持たせることができる。
なお、予め上端部が封止された熱収縮性フィルムを用いてもよい。この場合には、S10の工程において、上端部封止済みであって加熱収縮前の熱収縮性フィルムを容器本体12にかぶせ、S12からS16の工程を行い、S18の工程を省略するものとできる。
図8、図9は、上記構成の作用を説明する図である。以下では、図1から図7と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。また、以下では図1から図7の符号を用いて説明する。図8は、包装体10をミシン目28において破袋するときの様子を示す図である。例えば、包装体10の下部を片手で持ち、熱収縮性フィルム20の封止部26等を引っ張ることで、熱収縮性フィルム20はミシン目28から破袋し、2つの部分46,48に分かれる。1つの部分48は、容器本体12から分離し、例えば破棄される。もう1つの部分46は、容器本体12の胴部16の下部にそのまま密着して脱落せずに残る。したがって、破袋の後も、フィルムラベル52が容器本体12にそのまま密着して脱落せずに残り、宣伝作用等がそのまま維持される。
この場合に、ミシン目28による破袋が容易に行われるように、上端部に切り欠き部を設けることができる。ミシン目28は、容器本体12の上端部から底部に向かう縦方向に垂直な横方向に設けられるので、例えば、上端部からミシン目28の方に向かって軸方向の第2のミシン目を設け、封止部26のところに第2のミシン目を破るための切り欠き部を設けるものとできる。そして、切り欠き部から第2のミシン目に沿って縦方向に切り、横方向のミシン目28に達することで、横方向のミシン目28に沿って容易に破袋することができる。
図9は、スクィーズ容器である容器本体13が、内容物に応じて形態が変形された場合の様子を示す図である。この場合でも、容器本体13に密着して残された熱収縮性フィルムの部分46は、変形した容器本体13から脱落せずに残される。すなわち、上記で説明したように、この残された部分46は、容器本体12の底部18から容器本体12の外周部の長さの変化の変極点の位置Mよりも上部まであるので、容器本体12のふくらみの部分を包んでいる形となっている。したがって、容器本体12が変形しても、通常の変形の程度であれば、この残された部分46が容器本体12から脱落することが抑制される。このようにして、スクィーズ容器である容器本体13が変形しても、フィルムラベル52は容器本体12から脱落せずに残り、宣伝効果等がそのまま維持される。なお、封止部等に適当な把持穴等を設け、吊り下げ機能を持たせることができる。
上記では、容器本体は、胴部に最も外周径の大きな部分があり、その最大外周径のところから、注出部および底部に向かって、それぞれ外周径が滑らかに縮径している外形を有しているものとして説明した。容器本体がこれ以外の外形を有する場合のいくつかについて以下に説明する。以下では、図1と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図10に示す包装体60においては、容器本体62が、軸方向に沿って外周径が同一である胴部64と、胴部64から注出部14に向かって外周径が次第に小さくなる中間部66を有する。例えば、胴部64の形状は円柱状である。この場合には、密着部22における熱収縮性フィルム68は、上方において、容器本体62の胴部64と中間部66との境界線の位置を越えて、注出部14側に縮径しながら延びて配置される。また、下方において、容器本体62の底部18の一部を包むように延びる。すなわち、熱収縮性フィルム68は、容器本体12の注出部14の側及び底部18の側に向かって縮径しつつ小径側に折れ曲がって容器本体12に密着するように配置される。
この場合、胴部64における最大外周径は円柱部の直径であるので、最大外周径の位置Mは、胴部64の円柱部の軸方向に沿った全部の範囲の位置となる。したがって、胴部64と中間部66との境界線とは、胴部64の最も注出部14側寄りのMの位置である。そして、開封可能部であるミシン目28の位置Pは、この境界線である胴部64の最も注出部14側寄りのMの位置よりもさらに注出部14側寄りの中間部66に設けられる。また、ミシン目28の位置Pは、密着部22と離間部24との境界線の位置Sよりも密着部22寄りに設けられる。
図11に示す包装体70においては、容器本体72が、胴部74と、胴部74から注出部14に向かって外周径が次第に小さくなる中間部76を有する。この点は図10の場合と同様であるが、ここでは、胴部74が、軸方向に沿って外周径が同一である同一径部分を2つ有し、この2つの隣接する同一径部分の間の部分であって、隣接するいずれの同一径部分の外周径よりも外周径の大きな張出部77を有するところが図10の場合と相違する。なお、この張出部77は、容器本体72の外周径の変極点に相当する。そして、密着部22における熱収縮性フィルム78は、容器本体72の胴部74における張出部77の最大外周径の部分の前後に跨って配置される。つまり外周径の変極点の前後に跨って配置される。そして、上方において、容器本体72の胴部74と中間部76との境界線の位置を越えて、注出部14側に縮径しながら延びて配置される。また、下方において、容器本体72の底部18の一部を包むように延びる。
この場合、胴部64における最大外周径は張出部77の直径であるので、最大外周径の位置Mは、張出部77の最大外周径の位置となる。この位置Mは、胴部64における外周径の変極点の位置に相当する。そして、開封可能部であるミシン目28の位置Pは、この張出部77のMの位置よりもさらに注出部14側寄りに設けられる。ここでも、ミシン目28の位置Pは、密着部22と離間部24との境界線の位置Sよりも密着部22寄りに設けられる。したがって、ミシン目28の位置Pは、容器本体72の中間部76の位置に設けることもできるが、図11に示されるように、胴部74の円柱部の位置に設けることができる。Pの位置が円柱部にある場合、フィルム除去した後もラベル部分が変極点にまたがっている構成となるので、熱収縮性フィルムが底部の一部を包むように配置されていなくても、いわゆるスッポ抜けを防止することができる。
図12に示す包装体80においては、容器本体82が、胴部84と、胴部84から注出部14に向かって外周径が次第に小さくなる中間部86を有する。この点は図10及び図11の場合と同様であるが、ここでは、胴部84が、軸方向に沿って外周径が同一である同一径部分を2つ有し、この2つの隣接する同一径部分の間の部分であって、隣接するいずれの同一径部分の外周径よりも外周径の小さな絞り部87を有するところが図11の場合と相違する。なお、この絞り部87は、容器本体72の外周径の変極点に相当する。そして、密着部22における熱収縮性フィルム88は、容器本体72の胴部74における絞り部87の最小外周径の部分の前後に跨って配置される。つまり外周径の変極点の前後に跨って配置される。そして、上方において、容器本体82の胴部84と中間部86との境界線の位置を越えて、注出部14側に縮径しながら延びて配置される。また、下方において、容器本体82の底部18の一部を包むように延びる。
この場合、胴部64における外周径の変極点の位置は、絞り部87の最小直径の位置である。図12において、Mの位置として、この変極点の位置が示されている。そして、開封可能部であるミシン目28の位置Pは、この絞り部87から、上部の同一径部分に移った注出部14のところに設けられる。ここでも、ミシン目28の位置Pは、密着部22と離間部24との境界線の位置Sよりも密着部22寄りに設けられている。Pの位置が円柱部にある場合、フィルム除去した後もラベル部分が変極点にまたがっている構成となるので、熱収縮性フィルムが底部の一部を包むように配置されていなくても、いわゆるスッポ抜けを防止することができる。
なお、上記では張出部が1つの場合を説明したが、同一径部分が3つ以上有する胴部では、張出部が2つ以上となる。この場合、2つ以上の張出部の最大外周径が異なる場合がある。そのような場合でも、複数の張出部の間で最も大きな最大外周径を特定し、その最も大きな最大外周径よりも、注出部側に開封可能部を設けることがよい。そして、この開封可能部が注出部側に最も近い場合でないときには、開封を容易にするために、容器本体の軸方向に延びて開封可能部に接続する補助開封可能部を設けることがよい。例えば、上記で説明したミシン目に交差し、縦方向に延びる補助ミシン目を設けることがよい。
また、同様に、絞り部が複数ある場合には、絞り部ではなく、いずれかの同一径部分に開封可能部を設けることができる。このときにも、開封可能部が注出部側に最も近い場合でないときには、開封を容易にするために、容器本体の軸方向に延びて開封可能部に接続する補助開封可能部を設けることがよい。
図10、図11、図12の構成によっても、図1と同様な効果が得られる。すなわち、熱収縮性フィルムを容器本体の注出側から引っ張ったときに脱落することが抑制され、また、熱収縮性フィルムをミシン目で開封したときでも、熱収縮性フィルムが容器本体の底部の側から脱落することが抑制され、熱収縮性フィルムをラベルとして用いるときは、開封後でも宣伝作用が持続する。
図13は、図10において中間部が省略された形態の包装体90の例を示す図である。ここでは、容器本体92が、軸方向に沿って外周径が同一である胴部94を有し、この胴部94から急に外周径が小さくなって注出部14となる。この場合、熱収縮性フィルム98において、最大外周径は円柱部の直径であるので、最大外周径の位置Mは、胴部84の円柱部の軸方向に沿った全部の範囲の位置となる。これは図10と同じであるが、密着部22と離間部24との境界線の位置Sは、胴部84の外周から注出部14へ向かう平坦な部分において、胴部84の外周よりも注出部14側に入った位置に設けられる。そして、開封可能部であるミシン目28の位置Pは、密着部22と離間部24との境界線の位置Sよりも密着部22寄りに設けられる。実質的には、胴部84の外周から注出部14へ向かう肩部において、開封しやすい位置にミシン目が設けられる。
図14は、図12の変形例としての包装体100の例を示す図である。ここでは、容器本体102が、胴部において外周径が同一である部分がなく、胴部の全体が絞り部107となる。ここで、熱収縮性フィルム108における最大外周径は、絞り部107における注出部14側の端部であるので、その最大外周径の位置がMで示されている。そして、密着部22と離間部24との境界線の位置Sは、このMの位置から注出部14へ向かう部分において、Mの位置よりも注出部14側に入った位置に設けられる。そして、開封可能部であるミシン目28の位置Pは、密着部22と離間部24との境界線の位置Sよりも密着部22寄りに設けられる。実質的には、Mの位置から注出部14へ向かう肩部において、開封しやすい位置にミシン目が設けられる。
このように、従来技術においては、糊等の接着材によってラベルを固定していたのに比べ、熱収縮性フィルムを適切に用いることで、破袋してもフィルムラベルを容器本体に固定したまま残すことができる。これによって、従来の糊等を用いる方法では均一に固定できないことからラベルのデザインが歪んで見え、あるいは容器に糊等が残る等の問題があったが、これらを解決できる。なお、熱収縮性フィルムを用いる場合でも、その内面に適当な接着剤を設けるものとしてもよい。これによって、必要な部分の固定力を補強できる。例えば、上記で説明したフィルムラベル52の部分に対応する内面に適当な接着剤を設けることができる。また、熱収縮性フィルムに全面的に印刷が施されていてもよい。要は、開封後にもユーザが商品を識別でき、あるいは賞味期限の確認ができることができるように、熱収縮性フィルムに適当な印刷を施すことができる。
10,60,70,80,90,100 包装体、12,13,62,72,82,92,102 容器本体、14 注出部、16,64,74,84,94 胴部、18 底部、20,32,36,40,68,78,88,98,108 熱収縮性フィルム、22 密着部、24 離間部、26 封止部、28 ミシン目、30 筒状体、34,38,42,46,48 部分、50 くぼみ部、52 フィルムラベル、66,76,86 中間部、77 張出部、87,107 絞り部。