JP5548231B2 - 流体動圧軸受の寿命を延長する方法および携帯式電子機器 - Google Patents

流体動圧軸受の寿命を延長する方法および携帯式電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、流体動圧軸受の摩耗を低減する技術に関し、さらに詳細には動作時に姿勢が変化する回転機構に使用する流体動圧軸受の摩耗を低減する技術に関する。
ノートブック型パーソナル・コンピュータ(ノートPC)には、放熱ファン、ハードディスク・ドライブ、または光学ドライブなどの回転機構を含むデバイスを搭載する。近年これらの回転機構には、寿命、高速化、および薄型化などの点で優れているすべり軸受が多く採用されるようになってきた。すべり軸受の設計パラメータには、摺動面の接触圧力であるp値、摺動面の周速度であるV値、およびそれらの積であるpV値などが使用される。V値は、シャフトの回転速度に対応する。
p値は軸受金属の疲労強度に関連し、V値はシャフトの振動による固体接触に関連し、pV値は発熱に関連する。ここに、接触圧力pは軸受の内径をD、軸受のシャフト方向の長さをL、およびシャフトによる軸受荷重をPとしたときにp=P/DLの関係がある。そして、これらのパラメータには図10(A)に示すようにそれぞれ許容最大値が存在している。すべり軸受は潤滑形態により、摩擦を低減するために軸と軸受の間の摺動面に流体潤滑膜を形成する方式と、軸受の摺動面に特殊な固体物質を付与して摩擦や摩耗を低減する固体潤滑という方式に分類することができる。
流体潤滑膜を形成する潤滑方式に関しては、摩擦係数と摩擦に関連する軸受のパラメータの関係を図10(B)に示すストライベック線図が説明している。ストライベック線図では、軸受の摩耗に関連する摩擦係数と、潤滑油の粘度η、V値、およびp値を組み合わせて計算した軸受定数(ηV/p)の関係により、動作状態を流体潤滑、混合潤滑、および境界潤滑に分類している。ここに軸受定数は、流体潤滑膜の厚さを支配するパラメータとしての意義を有している。
流体潤滑は、摺動面の荷重が十分な厚さの流体潤滑膜に支持されている動作領域で、シャフトと軸受が直接接触しないため摩擦は小さく摩耗はほとんど発生しない。流体潤滑は、一般的にはV値やpV値の制限を受けない。混合潤滑は、流体潤滑よりもp値が大きくなったり、V値が小さくなったりしたときの動作領域である。混合潤滑では、摺動面が薄い流体潤滑膜に支持されて軸受面とシャフトの凸部同士に接触が生ずるため、一般的にはpV値の制限を受ける。
境界潤滑は、混合潤滑よりもさらにp値が大きくなったり、V値が小さくなったりしたときの動作領域である。境界潤滑では、流体潤滑膜が摺動面の一部にしか存在しないため軸受面とシャフトの凸部同士の接触が混合潤滑よりも頻繁に発生し、一般的にはpV値やV値の制限を受ける。混合潤滑および境界潤滑では、シャフトと軸受の接触により軸受の内面が摩耗する。
流体潤滑を採用した軸受は、摺動面を支える圧力を得る方式の違いにより流体動圧軸受(Fluid Dynamic Bearing)と流体静圧軸受(Fluid Dynamic Bearing)に分類することができる。流体動圧軸受では、シャフトと軸受の相対すべり運動によって流体潤滑膜に動圧を発生させる。流体静圧軸受では、軸受の外部から加圧した潤滑流体を摺動面に供給して流体潤滑膜にシャフトを支持する圧力を付与する。また、軸受は、シャフトからラジアル荷重を受けるラジアル軸受とスラスト荷重を受けるスラスト軸受に分類することができる。
特許文献1は、流体動圧軸受を組み込んだアウターロータ型のファン・モータを開示する。同文献には、鋳鉄部の軸部材の間に充填された潤滑油が軸部材の相対回転時に流体潤滑状態を形成することが記載されている。特許文献2は、軸受の潤滑状態を評価するストライベック曲線について開示する。特許文献3は、ノートPCに搭載された冷却ファンをサーマル・アクション・テーブルに記述された基準温度で制御する方法を開示する。
特開2010−249182号公報 特開2011−126976号公報 特開2007−226617号公報
近年はノートPCの厚さが薄くなってきているため、軸受のシャフト方向の長さLも短くなってきている。そのため同一の軸受荷重Pに対する接触圧力(p=P/DL)が一層増加して軸受定数(ηV/p)が低下してきている。また、流体潤滑膜の動圧を増大させるためにシャフトと軸受内面の隙間を可能な限り小さくしているため、シャフトと軸受の直接接触の頻度が一層増加する傾向にある。故障した放熱ファンの流体潤滑軸受を調べた結果、シャフトと軸受の間に堆積した金属粉が支配的な故障原因であることがわかってきた。
ノートPCは、通常は水平な机上面に置いて通常姿勢状態で使用する。そしてノートPCに収納する回転機構の流体動圧軸受は、一般に通常姿勢状態でシャフトが鉛直方向を向くように配置されているためラジアル軸受には接触圧力pがほとんど生ぜず、流体潤滑で動作する。流体潤滑で動作する限り軸受は摩耗しないが、金属粉が発生している事実から推定するとシャフトと軸受が何らかの原因で接触していることは明らかである。シャフトと軸受が接触するということは、混合潤滑または境界潤滑で動作している可能性が高い。
前述のストライベック線図によれば、混合潤滑または境界潤滑で摩耗が生ずると言うことは流体潤滑となるように設計した軸受定数がそれを維持できなくなる程度まで小さくなっていることを意味する。ここで、ノートPCに搭載する回転機構は、さまざまな姿勢で持ち運ばれるときにも動作するため特有の動的または静的な負荷がかかる。シャフトが鉛直方向から傾斜すると軸受荷重Pの分力によって接触圧力pが増大し静的な負荷となる。
さらにノートPCの回転機構の中には、目的に沿った動作条件により回転速度が制御されるものがある。たとえば、放熱ファンの回転機構は、筐体内部の温度により回転速度が制御されるため温度が低いときは遅い回転速度で長時間動作する。ストライベック線図によれば、回転速度が遅いときは軸受定数が小さくなることがわかる。このようにノートPCの姿勢が傾斜することによる接触圧力の増大と、温度による回転速度の低下が同時に発生すると一層軸受定数が低下して流体潤滑膜が薄くなり、流体動圧軸受は混合潤滑または境界潤滑で動作する傾向が強まると予想される。その結果ノートPCに搭載する回転機構ではシャフトの傾斜と遅い回転速度が重なったときに、シャフトと軸受の直接的な接触が頻発して、シャフトより柔らかい金属で形成された軸受の摺動面が削り取られて隙間に金属粉が蓄積されると考えられる。
放熱ファンに対してどのような姿勢でも流体潤滑で動作するように温度により制御するときの最低の回転速度を設定することもできる。しかしこの場合、シャフトが傾斜していないときには、温度が低くても放熱ファンが必要以上に速い回転速度で動作するために、消費電力や騒音の問題がでてくる。これまで流体動圧軸受の設計においては、設計パラメータをシャフトの姿勢が変化しないことを前提にして決定していた。また、軸受の設計をするときに接触圧力の変化による潤滑形態の変化までは十分な考慮が行われていなかった。
そこで本発明の目的は、流体動圧軸受の寿命を延長することが可能な回転機構を提供することにある。さらに本発明の目的は、シャフトが鉛直方向から傾斜しても流体潤滑を維持することができる回転機構を提供することにある。さらに本発明の目的は、消費電力の増大を抑制しながら、流体動圧軸受の寿命を延長する回転機構を提供することにある。さらに本発明の目的は、流体動圧軸受の寿命を延長する方法およびそのような方法を採用した携帯式電子機器を提供することにある。
本発明の原理は、シャフトの傾斜角度または軸受の接触圧力の変化をダイナミックに検出してシャフトの最低の回転速度を変化させ、必要最低限の回転速度で流体潤滑を維持する点にある。回転機構は、流体動圧軸受でラジアル方向が支持されたシャフトと、シャフトに結合された回転体と、シャフトを回転させるモータと、回転機構の姿勢の変化により発生するシャフトの傾斜角度を計測する姿勢センサと、傾斜角度に対応するように設定された最低回転速度と計測した傾斜角度に基づいてモータの回転速度を制御する制御部とを有する。
シャフトが鉛直方向に対して傾斜すると、流体動圧軸受に対するシャフトの接触圧力が増加して流体潤滑膜の厚さが薄くなり流体動圧軸受とシャフトがメタル・コンタクトをする頻度が増大する。このとき、傾斜角度に対応して十分な厚さの流体潤滑膜を形成できるように最低回転速度を選定しておけば、シャフトが傾斜してもメタル・コンタクトの頻度を少なくすることができる。
制御部は、回転体の目的に応じて計測した制御データに基づいて選択した回転速度と傾斜角度に基づいて選択した最低回転速度を比較していずれか大きな回転速度となるようにモータを制御することができる。その結果モータの回転速度は、現在の回転速度がいずれの回転速度よりも遅い場合はいずれか速い方の回転速度まで増加し、回転体の本来の目的とメタル・コンタクトの防止を同時に実現できる。
制御部は、現在の回転速度が、回転体の目的に応じて計測した制御データに基づいて選択した回転速度と傾斜角度に基づいて選択した最低回転速度のいずれよりも速いときに回転速度を低下させることができる。その結果、傾斜角度によるメタル・コンタクトの可能性が低くなったときには、モータの回転速度を低下させて消費電力と騒音の低減を図ることができる。
流体動圧軸受は、シャフトが鉛直方向を向きながら制御データに基づいて選択した回転速度で回転するときに流体潤滑で動作するように構成することができる。制御部は、シャフトと鉛直方向との角度が大きくなるに従って傾斜角度に基づいて選択する最低回転速度が大きくなるようにモータの回転速度を制御することができる。その結果傾斜角度または接触圧力の大きさに応じた回転速度で流体潤滑を維持することができ、必要以上に回転速度を増加させる必要がなくなる。
回転機構は、揺動を検出する揺動センサと衝撃を検出する衝撃センサを含むようにしてもよい。このとき、姿勢センサ、揺動センサ、および衝撃センサは1台の加速度センサだけで実現するようにしてもよい。制御部は、揺動センサが回転機構の揺動を示す信号を出力したときに揺動に対応するように設定された最低回転速度までモータの回転速度を増加することができる。その結果、傾斜角度の計測だけでは低減できない揺動によるメタル・コンタクトの頻度を低減することができるようになる。
制御部は、衝撃センサが回転機構に対する衝撃を示す信号を出力したときに衝撃に対応するように設定された最低回転速度までモータの回転速度を増加させることができる。その結果、傾斜角度および揺動の計測だけでは低減できない衝撃によるメタル・コンタクトの頻度を低減することができるようになる。流体動圧軸受は焼結金属で形成し、シャフトとの間の間隙にあらかじめ充填された潤滑油を含むように構成することができる。
本発明はシャフトを流体動圧軸受だけで支持するアウターロータ型のブラシレス直流モータのように、シャフトの傾斜により接触圧力が大きくなるような場合に有効である。本発明は、動作中にシャフトの姿勢が変化する携帯式電子機器に搭載することが有効である。回転機構は携帯式電子機器に搭載する放熱ファン、ハードディスク・ドライブ、光学ディスクドライブの要素とすることができる。
本発明により、流体動圧軸受の寿命を延長することが可能な回転機構を提供することができた。さらに本発明により、シャフトが鉛直方向から傾斜しても流体潤滑を維持することができる回転機構を提供することができた。さらに本発明により、消費電力の増大を抑制しながら、流体動圧軸受の寿命を延長する回転機構を提供することができた。本発明により、流体動圧軸受の寿命を延長する方法およびそのような方法を採用した携帯式電子機器を提供することができた。
ノートPCの外形を示す斜視図である。 ノートPCの概略の構成を示す機能ブロック図である。 サーマル・アクション・テーブル(TAT)61の構成の一例を示す図である。 放熱ファン・ユニット100の外形図である。 図4に記載した放熱ファン・ユニット100をシャフトの中心を通過する平面で垂直に切断した断面図である。 流体動圧軸受129を拡大した図である。 修正テーブル63の構成の一例を示す図である。 揺動および衝撃を示す加速度データを説明する図である。 流体動圧軸受129の摩耗を低減する手順を説明するフローチャートである。 流体動圧軸受の一般的な設計手法を説明する図である。
図1は、携帯式電子機器の一例であるノートPC10の外形を示す斜視図で、図2はそのシステム構成を示す概略の機能ブロック図である。ノートPC10は、表面にキーボードを搭載し内部に電子デバイスを収納したシステム筐体13と、LCD15を収納したLCD筐体11とで構成されている。システム筐体13の内部には、図2に一部を示した複数の電子デバイスが搭載されている。図1は、ノートPC10の通常姿勢状態を示している。通常姿勢状態はノートPC10が静止した水平な机上面に置かれて動作または使用されている状態をいう。これに対してノートPC10は、持ち運びの途中や車内での使用時のように姿勢が変化する移動姿勢状態でも動作または使用される。
図2において、ノートPC10は、チップ・セット27にCPU21、HDD29、加速度センサ31およびエンベデッド・コントローラ(EC)33が接続されている。CPU21には、ビデオ・チップ25を経由してLCD15が接続され、さらにメイン・メモリ23が接続されている。EC33には駆動回路35を経由して図4の放熱ファン・ユニット100を構成するファン・モータ37が接続されている。EC33には、複数の温度センサ39が接続されている。
図2に示すハードウェアの構成は周知であるため、以下においては本発明の説明に必要な要素以外についての説明を省略する。HDD29は、加速度センサ31の出力を処理して結果をEC33に出力する加速度処理プログラム51を格納する。加速度センサ31は、直交する3つの検出軸(X軸、Y軸、Z軸)を備えている。加速度センサ31は各検出軸が検出したアナログの加速度値を一定のサンプリング周期でサンプリングしてディジタルの加速度データに変換しチップ・セット27に出力する。
各検出軸の出力には重力加速度Gの分力成分およびノートPC10の筐体に加えられた衝撃による加速度が重畳される。本実施の形態では、X軸とY軸をシステム筐体13の底面に平行になるように配置する。このとき通常姿勢状態ではX軸とY軸で形成する平面が水平面になり、Z軸は鉛直方向を向く。したがって、Z軸が検出する重力加速度の分力成分からZ軸が鉛直方向から傾斜する角度を計算することができる。
加速度処理プログラム51は、定期的にチップ・セット27を経由して加速度センサ31から受け取った加速度データを処理する。加速度処理プログラム51は、Z軸の加速度データからZ軸の鉛直方向からの傾斜角度を計算する。加速度処理プログラム51は、各検出軸の加速度データからノートPC10が持ち上げられて揺れたときの揺動の回数を計算する。揺動は、いずれかの検出軸が検出した1G以下の加速度データから計算した傾斜角度の変化として検出することができる。さらに加速度処理プログラム51は、各検出軸の加速度データからノートPC10に対する外部からの衝撃の有無を検出する。衝撃はいずれかの検出軸が検出した1Gを越える加速度データから検出することができる。
EC33は、CPU、ROM、RAMなどで構成されたマイクロ・コンピュータであり、さらに複数チャネルのA/D入力端子、D/A出力端子、タイマー、およびディジタル入出力端子を備えている。EC33は、それらの入出力端子を介して、駆動回路35および温度センサ39に接続されており、ノートPC10の内部の動作環境の管理にかかるプログラムをCPU11とは独立して実行させることができる。EC33のROMには、ファン・モータ37の回転速度を制御するファームウェア53、サーマル・アクション・テーブル(TAT)61および修正テーブル63が格納されている。
複数の温度センサ39は、主要な電子デバイスに対応した位置およびシステム筐体13の所定の位置に設けられている。各温度センサ39は、外付け型として監視対象となる電子デバイスの近辺に配置されるか、または埋め込み型として当該電子デバイスのダイの中に形成される。各温度センサ39は、対応する電子デバイスを保護する目的以外に、システム筐体3の表面温度を所定値以内に維持する目的でファン・モータ37の制御に使用される。
EC33はファームウェア53を実行して、温度センサ39が測定した温度とTAT61とファン・モータ37の現在の単位時間当たりの回転数(回転速度)に基づいて、ファン・モータ37の回転速度を制御するPWM信号を生成して駆動回路35に送る。駆動回路35は、図示しない電力源から供給された電圧をEC33から送られたPWM信号に基づいてスイッチング制御して、ファン・モータ37の回転速度を段階的に制御したり停止したりする。駆動回路35は、ファン・モータ37の現在の回転速度を検出してEC33に送る。
図3はTAT61の構成の一例を示す図である。TAT61は4個の温度センサ39a〜39dのそれぞれについて5段階の回転ステージを設定し、それぞれの回転ステージにファン・モータ37の回転速度を対応付けている。各回転ステージには、当該回転ステージをイネーブルまたはディスエーブルにする基準温度Te、Tdが設定されている。
ファームウェア53を実行するEC33は、いずれかの温度センサ39a〜39dが検出した温度値がいずれかの回転ステージの基準温度Teを越えたときは、当該回転ステージの回転速度になるように駆動回路35を制御する。たとえば、現在の回転速度が中速ステージのときに、いずれかの温度センサ39a〜39dが検出した温度値が高速ステージに記述するイネーブルの基準温度Teを越えると、EC33は高速ステージになるように駆動回路35を制御する。
EC33は、すべての温度センサ39a〜39dが検出した温度が現在の回転速度が帰属する回転ステージの基準温度Tdより低いときは現在の回転ステージを1段下げるように駆動回路35を制御する。たとえば、現在の回転速度が高速ステージのときに、すべての温度センサ39a〜39dが検出した温度値が高速ステージに記述するディスエーブルの基準温度Tdより下がると、EC33は中速ステージになるように駆動回路35を制御する。
EC33は、TAT61に基準温度Te、Tdが記述されていない温度センサ39b〜39dの出力は記述されていない中速、低速、最低速の回転ステージに関する回転速度の制御に関して無視する。EC33は現在の回転速度が最低速ステージのときに、温度センサ39aが検出した温度がディスエーブルの基準温度Tdより低くなったときにファン・モータ37を停止する。このようにEC33は、ファン・モータ37の回転速度をTAT61と現在の回転速度と温度センサ39a〜39dの出力に基づいてシステム筐体13および電子デバイスの放熱という放熱ファン・ユニット100の本来の目的に沿って制御する。
図2、図3は本実施の形態を説明するために、本実施の形態に関連する主要なハードウェアおよびファームウェアの構成および接続関係を簡略化して記載したに過ぎないものである。ここまでの説明で言及した以外にも、ノートPC10を構成するには多くのデバイスが使われる。しかしそれらは当業者には周知であるので、ここでは詳しく言及しない。図で記載した複数のブロックを1個の集積回路もしくは装置としたり、逆に1個のブロックを複数の集積回路もしくは装置に分割して構成したりすることも、当業者が任意に選択することができる範囲においては本発明の範囲に含まれる。
図4は、放熱ファン・ユニット100の外形図で、図5は図4に記載した放熱ファン・ユニット100をシャフトの中心を通過する平面で垂直に切断した断面図である。図4(A)は、平面図、図4(B)は底面図、図4(C)は側面図である。放熱ファン・ユニット100は、システム筐体13の内部に吸い込んだ外気を、ヒート・シンク109を通じて排気することでシステム筐体13の内部の熱を強制排熱し、各電子デバイスの温度およびシステム筐体13の表面温度を許容温度以下に維持する。
放熱ファン・ユニット100は、薄型のノートPC10のシステム筐体13に収納できるように、シャフト101の方向の長さが短い扁平な形状になっている。放熱ファン・ユニット100は、シャフト101が通常姿勢状態で鉛直方向を向くように、システム筐体13に搭載されている。シャフト101が鉛直のときは加速度センサ31のZ軸は1Gの加速度データを出力する。
上部プレート103、下部プレート105、および側壁プレート107は、内部にファン・モータ37およびブレード111を収納する空気室を形成するケーシングを構成する。ケーシングの平面形状はD字型をしており、平面から見たときに直線状の部分の側壁プレート107には開口が形成されている。開口にはヒート・シンク109が取り付けられる。ヒート・シンク109には図示しないヒート・パイプが結合され、CPU21、ビデオ・チップ25、およびチップ・セット27などの発熱量の多いデバイスの熱をヒート・シンク109に直接移動させる。放熱ファン・ユニット100は、ヒート・シンク109がシステム筐体13の側面に形成されたルーバに位置が整合するように取り付けられる。
上部プレート103には吸気口となる開口が形成されており、その開口からはシャフト101に結合されたカップ状のロータ115の頂部とその周囲に取り付けられた複数のブレード111の一部が露出している。また、下部プレート105にも吸気口となる開口が形成され、ファン・モータ37を取り付けるベース113の周囲に形成された吸気口からはブレード111の一部が露出している。放熱ファン・ユニット100は上下の吸気口からシステム筐体13の内部の高温の空気を吸気してヒート・シンク109を通じて外に放出する。
図5において、ファン・モータ37は、ロータ115、ロータ115に結合されたシャフト101、シャフト101によるラジアル方向の軸受荷重を支持する流体動圧軸受129、流体動圧軸受129が使用する潤滑油をシールするシール・キャップ131、流体動圧軸受129を収納するハウジング133、ハウジング133に固定された電機子鉄心125、電機子鉄心125に巻回された電機子コイル123、およびロータ115の内側に固定された永久磁石121を含んで構成されている。ファン・モータ37の下部には駆動回路35を実装した回路基板127が設けられている。ファン・モータ37は、ロータ115がシャフト101と一体になって電機子鉄心125の周囲を回転するアウターロータ型のブラシレスDCモータである。
図6は、流体動圧軸受129を拡大した図である。一般に流体動圧軸受の中には、使用開始後にほとんど給油を必要としないオイルレス・ベアリング(無給油軸受または自己潤滑型軸受ともいう。)がある。オイルレス・ベアリングは、材料の違いによりプラスチック系、金属系、複層系、炭素黒鉛系、およびセラミック系などに分類することができる。
金属系のオイルレス・ベアリングには、潤滑油を含油するための多孔質部を備える含油材料として、銅系または鉄系の粉末を焼結した焼結材、および特殊な処理をして多孔質化した鋳成銅合金材または成長鋳鉄材などがある。流体動圧軸受129は、銅系の焼結材に潤滑油を含油させた焼結含油軸受を採用する。焼結材が含む潤滑油はシャフト101が回転するとポンプ作用でシャフト101と流体動圧軸受129の内面との間の間隙151に吸い出されシャフト101が停止すると毛細管現象で再び焼結材に入り込む。
流体動圧軸受129は、さらにあらかじめ間隙151に潤滑油を給油して使用する。その意味で流体動圧軸受129は、焼結材が含む潤滑油以外の潤滑油を使用しないオイルレス・ベアリングとは異なる。ただし、本発明は事前の給油を必要としないオイルレス・ベアリングに適用することもできる。流体動圧軸受129は動圧を効果的に生成するために内面に溝153を備えている。
シャフト101のスラスト荷重は、図示しないスラスト軸受で上下いずれの方向も負担する。スラスト軸受は本発明の説明に必要がないため説明を省略する。流体動圧軸受129は、シャフト101が停止している間は間隙151の潤滑油に動圧が生じないため、シャフト101にラジアル荷重が加わるとシャフト101と流体動圧軸受129の内面が直接接触(メタル・コンタクトという。)する。シャフト101が回転するとポンプ作用により焼結材から吸い出された潤滑油とあらかじめ隙間151に充填された潤滑油がいわゆる油のくさびを形成して、シャフト101と流体動圧軸受129の間に動圧を生じさせる。
動圧は、シャフト101と流体動圧軸受129がメタル・コンタクトをしないように分離する。所定の動圧が発生している間は、シャフト101は潤滑油膜の上を滑るように回転する。シャフト101はステンレスで形成されているため、動圧が小さいためにシャフト101と流体動圧軸受129との間にメタル・コンタクトが発生すると焼結材を削り取る。削り取られた金属粉は間隙151に堆積して焼き付きの原因になるため、寿命を延長するにはメタル・コンタクトを極力少なくする必要がある。
ファン・モータ37は、アウターロータ型でブレード111、ロータ115およびシャフト101などによるラジアル方向の軸受荷重をすべて流体動圧軸受129が負担する。シャフト101が鉛直の状態では接触圧力pは小さいため、TAT61が記述する最低の回転速度でも流体潤滑をするのに必要な十分な厚さの潤滑油膜が形成される。放熱ファン・ユニット100は薄型化を図っているため、軸受の長さLを極力短くしている。その結果流体潤滑軸受129は、従来と軸受荷重Pが同じだとしても接触圧力pが大きくなって軸受定数が小さくなる傾向がある。
流体動圧軸受129は、動圧を大きくするために間隙151のサイズtを2μm〜4μm程度まで狭くしている。ノートPC10が通常姿勢状態から移動姿勢状態に移行してシャフト101が傾斜すると軸受荷重が増加して、シャフト101が同一の回転速度であれば流体潤滑膜の厚さは薄くなる。そしてシャフト101が水平になったときに軸受荷重が最大になる。サイズtが狭いと特に、潤滑油膜の厚さが薄くなったときに混合潤滑または境界潤滑になってメタル・コンタクトが発生する頻度が増大する。
図7は修正テーブル63の構成の一例を示す図である。ファームウェア53は修正テーブル63を温度センサ39a〜39dの出力(温度パラメータ)とTAT61を参照して選択したファン・モータ37の回転速度を、加速度処理プログラム51から受け取った傾斜角度(傾斜パラメータ)、揺動回数(揺動パラメータ)、または最大加速度(衝撃パラメータ)で修正するために使用する。傾斜パラメータは、流体動圧軸受129に静的な負荷を与え、揺動パラメータおよび衝撃パラメータは動的な負荷を与える。修正テーブル63は、4段階の傾斜ステージに対してそれぞれファン・モータ37の最低回転速度を割り当てている。
各最低回転速度は、ノートPC10に傾斜、揺動、または衝撃があったときに、流体動圧軸受129の流体潤滑による動作を維持するために必要な最低のファン・モータの回転速度に相当する。それぞれの傾斜ステージには対応する回転速度をイネーブルまたはディスエーブルにする傾斜角度の基準値Te、Tdが設定されている。たとえばファームウェア53は、Z軸の鉛直方向に対する傾斜角度が90度を超えたときには温度センサ39a〜39dの出力とTAT61がより遅い回転速度を示してもファン・モータ37の回転速度を3500rpmに設定する。
ファームウェア53は現在の回転速度が3500rpmのときに、傾斜角度が87.5度未満になると温度パラメータがより速い回転速度を要求しない限りファン・モータ37の回転速度を3000rpmまで低下させる。ファームウェア53は、傾斜角度が20度未満の場合は、ファン・モータ37の回転速度を傾斜角度では修正しないため、図3で温度センサ39aが41℃未満を示すとファン・モータ37が停止する。
TAT61と温度センサ39が示すファン・モータ37の回転速度を修正テーブル63の傾斜角度で修正すると、温度センサ39a〜39dが示す温度が低くなって温度パラメータが遅い回転速度を要求しても流体潤滑を維持する最低回転速度で動作するためメタル・コンタクトがほとんど発生しなくなる。最低回転速度は、シャフト101の傾斜角度が大きくなるにしたがって増加するため、必要以上に回転速度を増加させた状態でファン・モータ37を動作させる必要がなく消費電力および騒音の面で有利である。
システム筐体13が持ち運ばれているときや車内で使用されているときにはノートPC10の姿勢が揺動する。システム筐体13の揺れによる動的な負荷は、システム筐体13の姿勢がゆるやかに一定方向に変化する静的な負荷よりも流体軸受129のメタル・コンタクトを高い頻度で発生させる場合がある。したがって、1G以下の振幅で傾斜角度が変化する揺動が生じた場合には、傾斜角度で修正する最低回転速度よりも速い最低回転速度で修正することが望ましい。
また、システム筐体13が22.5度未満の振幅で傾斜角度が変化するように揺れていても、その後急激に傾斜角度が大きく変化することがある。温度センサ39aが41℃未満を示してファン・モータ37が停止しているときに、シャフト101が停止状態から回転を始めるときは、流体動圧軸受129は一定速度になるまで動圧が十分に発生しないため混合潤滑または境界潤滑で動作する。このときシャフト101が傾斜していると一層メタル・コンタクトの頻度が増大する。
傾斜角度で修正できない程度の振幅の揺動を検出したときには、ファン・モータ37を停止させない方が流体動圧軸受129の摩耗を一層低減することができる。ファームウェア53は揺動を示す揺動回数をカウントして回転速度を増加させ、流体動圧軸受129の流体潤滑による動作を一層確実に維持する。図7の例でファームウェア53は修正テーブル63を参照して、揺動回数が5回を越えたときには温度パラメータおよび傾斜パラメータがより遅い回転速度を示してもファン・モータ37の回転速度を2000rpmに設定する。また、傾斜パラメータが2500rpmを示しても20回の揺動回数を検出したときには、ファン・モータ37の回転速度を3000rpmまで増加させる。
ノートPC10が落下したり衝突したりして衝撃が加わったときには、流体動圧軸受129に傾斜や揺動よりも大きな動的な負荷がかかることがある。ファームウェア53は修正テーブル63を参照して、最大加速度が2Gを越えたときには、温度パラメータ、傾斜パラメータ、および揺動パラメータがより遅い回転速度を示してもファン・モータ37の回転速度を3500rpmに設定する。図7の例でファームウェア53は、シャフト101の傾斜角度が20度未満で、揺動回数が5回未満で、最大加速度が2G未満のときは、ファン・モータ37の回転速度を修正しないで温度パラメータだけに基づいて制御する。
図8(A)は、ノートPC10の揺動を示す加速度データを説明する図である。ノートPC10がユーザの持ち運びにより揺れているときは、いずれかの検出軸またはすべての検出軸の出力が交流成分を含むようになる。図8は、傾斜角度がゼロで鉛直方向を向いていたZ軸が、その後鉛直方向を中心に揺動したときの様子を示している。加速度処理プログラム51は、周知の方法で加速度センサ31の各検出軸の出力から傾斜角度のピーク値を計算する。加速度処理プログラム51は、前回のピーク値と今回のピーク値を比較してピーク値の差Δzを計算する。加速度処理プログラム51は、所定の閾値を超えるピーク値の差Δzの数をカウントする。加速度処理プログラム51は一定の監視時間のタイム・ウインドウを連続的に設定して、各タイム・ウインドウ内のカウント値を定期的にファームウェア53に送る。
図8(B)は、ノートPC10を物体に4回衝突させたときの加速度データを示している。衝撃が加えられると、一例では20Gを越えるような大きな加速度が発生する。加速度処理プログラム51は、監視時間のタイム・ウインドウの中でいずれかの検出軸に1G以上の加速度を検出したときに、その加速度の最大値をファームウェア53に送る。
ファームウェア53は、定期的に加速度処理プログラム51から傾斜角度値、揺動回数、および最大加速度値を受け取り、温度センサ39から温度を示す出力を受け取る。ファームウェア53は、駆動回路35から定期的にファン・モータ33の現在の回転速度を受け取る。ファームウェア53は定期的にTAT61および修正テーブル63を参照して、温度パラメータ、傾斜パラメータ、揺動パラメータ、および衝撃パラメータから現在の回転速度を増加させるか低下させるかを判断する。
ファームウェア53は現在の回転速度が、4つのパラメータのいずれかが示す最も速い回転速度よりも遅い場合は、回転速度をその最も速い回転速度まで増加させる。ファームウェア53は現在の回転速度が、4つのパラメータのいずれかが示す最も速い回転速度よりも速い場合は、その最も速い回転速度まで低下させる。いずれの場合でもファームウェア53は、修正テーブル63が記述する3つのパラメータのいずれかが示す最も速い回転速度になるようにファン・モータ37を制御する。
図9は、流体動圧軸受129の摩耗を低減する手順を説明するフローチャートである。ブロック201でEC33は、CPU21とは独立してファームウェア53を実行している。CPU21は、HDD29から加速度処理プログラム51をメイン・メモリ23にロードして実行し、加速度センサ31が出力する加速度データを処理している。EC33は加速度処理プログラム51の出力および温度センサ39の出力をTAT61および修正テーブル63を参照して定期的に処理してファン・モータ37の回転速度を制御している。ファン・モータ37の現在の回転速度は、温度パラメータ、傾斜パラメータ、揺動パラメータ、および衝撃パラメータのいずれかにより定まる最大の回転速度に相当する。
ブロック203でEC33は、定期的に各温度センサ39a〜39dの出力とファン・モータ37の現在の回転速度値を受け取る。またEC33は、加速度処理プログラム51から、定期的にZ軸の傾斜角度値、いずれかの検出軸における揺動回数および最大加速度値を受け取る。ブロック205でEC33は、各温度センサ39の出力と現在の回転速度とTAT61を参照して、温度パラメータで現在の回転速度を増加させる必要があるか否かを判断する。現在の回転速度を増加させる必要があるときは、ブロック207でEC33は、駆動回路35に回転速度を増加させる指示をしてブロック203に戻る。温度パラメータで現在の回転速度を増加させる必要がないとき、すなわち現在の回転速度を維持したり回転速度を低下させたりすることができるときはブロック209に移行する。
ブロック209でEC33は、傾斜角度値と現在の回転速度と修正テーブル63を参照して、傾斜パラメータで現在の回転速度を増加させる必要があるか否かを判断する。現在の回転速度を増加させる必要があるときは、ブロック207でEC33は、駆動回路35に回転速度を増加させる指示をしてブロック203に戻る。傾斜パラメータで現在の回転速度を増加させる必要がないとき、すなわち現在の回転速度を維持したり回転速度を低下させたりすることができるときはブロック211に移行する。
ブロック211でEC33は揺動回数と現在の回転速度と修正テーブル63を参照して、揺動パラメータで現在の回転速度を増加させる必要があるか否かを判断する。現在の回転速度を増加させる必要があるときは、ブロック207でEC33は、駆動回路35に回転速度を増加させる指示をしてブロック203に戻る。揺動パラメータで現在の回転速度を増加させる必要がないとき、すなわち現在の回転速度を維持したり回転速度を低下させたりすることができるときはブロック213に移行する。
ブロック213でEC33は最大加速度値と現在の回転速度と修正テーブル63を参照して、衝撃パラメータで現在の回転速度を増加させる必要があるか否かを判断する。現在の回転速度を増加させる必要があるときは、ブロック207でEC33は、駆動回路35に回転速度を増加させる指示をしてブロック203に戻る。衝撃パラメータで現在の回転速度を増加させる必要がないとき、すなわち現在の回転速度を維持したり回転速度を低下させたりすることができるときはブロック215に移行する。
ブロック215でEC33は、ブロック205の温度条件、ブロック209の傾斜条件、ブロック211の揺動条件、およびブロック213の衝撃条件の4条件に適用したそれぞれのパラメータが前回の判断時から今回の判断時まで回転速度を低下させる方向に変化したか否かを調べる。いずれかのパラメータの条件が変化した場合は、回転速度を低下させてファン・モータ37の消費電力および騒音を低減できる可能性があるためブロック217に移行する。変化していない場合は、回転速度を低下できる可能性がないのでブロック203に戻る。
ブロック217でEC33は、回転速度を変更する4つのパラメータを調べて現在の回転速度が、4つのパラメータが要求する回転速度の最大値よりも速いときは、ブロック219で4つのパラメータが要求する最大の回転速度まで現在の回転速度を低下させる。現在の回転速度が、4つのパラメータが要求する回転速度の最大値と同じ場合は、回転速度を低下させないでブロック203に戻る。たとえばEC33は、現在の回転速度がブロック205からブロック213までの手順の中で温度パラメータにより決まった場合には、温度パラメータに変化がなくてその他のパラメータが回転速度を低下させる方向に変化しても回転速度は低下させない。
また、温度パラメータにより現在の回転速度が3500rpmに設定されているときに温度パラメータが回転速度を2800rpmに相当する値に変化した場合に、傾斜パラメータ、揺動パラメータ、または衝撃パラメータの少なくともいずれかが3500rpmを示すときは回転速度が低下しない。温度パラメータにより現在の回転速度が3500rpmに設定されているときに温度パラメータが回転速度を2800rpmに相当する値に変化した場合に、残りのパラメータが示す回転速度の最大値が2800rpm未満を示すときは回転速度が2800rpmまで低下する。
これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができることはいうまでもないことである。
13 システム筐体
37 ファン・モータ
61 サーマル・アクション・テーブル(TAT)
63 修正テーブル
100 放熱ファン・ユニット
101 シャフト
111 ブレード
115 ロータ
121 永久磁石
123 電機子コイル
129 流体動圧軸受

Claims (20)

  1. 流体動圧軸受を含む回転機構であって、
    前記流体動圧軸受でラジアル方向が支持されたシャフトと、
    前記シャフトに結合された回転体と、
    前記シャフトを回転させるモータと、
    前記回転機構の姿勢の変化に伴う前記シャフトの鉛直方向からの傾斜角度を計測する姿勢センサと、
    前記傾斜角度が大きくなるに従ってより速い最低回転速度を選択して前記モータの回転速度を制御する制御部と
    を有する回転機構。
  2. 前記制御部は、前記回転体の目的に応じて計測した制御データに基づいて選択した回転速度と前記傾斜角度に基づいて選択した最低回転速度を比較していずれか大きな回転速度となるように前記モータを制御する請求項1に記載の回転機構。
  3. 前記制御部は、現在の回転速度が、前記回転体の目的に応じて計測した制御データに基づいて選択した回転速度と前記最低回転速度のいずれよりも速いときに回転速度を低下させる請求項2に記載の回転機構。
  4. 前記流体動圧軸受は、前記シャフトが鉛直方向を向きながら前記制御データに基づいて選択した回転速度で回転するときに流体潤滑で動作する請求項2に記載の回転機構。
  5. さらに前記回転機構の揺動を検出する揺動センサを備え、
    前記制御部は、前記揺動センサが前記回転機構の揺動を示す信号を出力したときに前記揺動に対応するように設定された最低回転速度まで前記モータの回転速度を増加させる請求項1に記載の回転機構。
  6. さらに前記回転機構に対する衝撃を検出する衝撃センサを備え、
    前記制御部は、前記衝撃センサが前記回転機構に対する衝撃を示す信号を出力したときに前記衝撃に対応するように設定された最低回転速度まで前記モータの回転速度を増加させる請求項1に記載の回転機構。
  7. 前記流体動圧軸受が焼結金属で形成され前記シャフトとの間の間隙にあらかじめ充填された潤滑油を含む請求項1に記載の回転機構。
  8. 前記モータが前記シャフトを前記流体動圧軸受だけで支持するアウターロータ型のブラシレス直流モータである請求項1に記載の回転機構。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載された回転機構を収納した携帯式電子機器。
  10. 動作中に姿勢が変化する携帯式電子機器であって、
    ブレードと、該ブレードが結合されたロータと、前記ロータが結合され流体動圧軸受でラジアル方向が支持されたシャフトと該シャフトを駆動するモータを備えた放熱ファンと、
    前記携帯式電子機器の姿勢を検知する加速度センサと、
    前記筐体内部の温度を検出する温度センサと、
    前記加速度センサと前記温度センサの出力信号を受け取り、前記温度センサの出力信号に基づいて選択した第1の回転速度より、前記加速度センサの出力信号が前記シャフトが鉛直方向から所定値以上の傾斜角度で傾斜していることを示したときに選択した第2の回転速度が速いときに前記モータの回転速度が前記第2の回転速度になるように制御する制御部と
    を有する携帯式電子機器。
  11. 前記制御部は、前記加速度センサが前記携帯式電子機器の揺動を示す信号を出力したときに前記第1の回転速度より速い回転速度に前記モータの回転速度を制御する請求項10に記載の携帯式電子機器。
  12. 前記制御部は、前記加速度センサが前記携帯式電子機器に対する衝撃を示す信号を出力したときに前記第1の回転速度より速い回転速度に前記モータの回転速度を制御する請求項10に記載の携帯式電子機器。
  13. 前記流体動圧軸受は、前記シャフトが鉛直方向を向くときに流体潤滑で動作し、前記シャフトが傾斜しかつ最低の前記第1の回転速度で動作するときに混合潤滑で動作する請求項10に記載の携帯式電子機器。
  14. 回転体が結合され動作中に姿勢が変化するシャフトを支持する流体動圧軸受の寿命を延長する方法であって、
    前記回転体の目的に応じて設定された第1の回転速度を選択するステップと、
    姿勢センサが前記シャフトの鉛直方向に対する傾斜角度を計測するステップと、
    前記傾斜角度が大きくなるに従ってより速い回転速度となるように設定した複数の第2の回転速度のいずれかを選択するステップと、
    前記第1の回転速度と前記第2の回転速度を比較するステップと、
    前記第2の回転速度が前記第1の回転速度よりも速いと判断したときに前記選択した第2の回転速度で前記回転体を回転させるステップと
    を有する方法。
  15. 揺動センサにより前記シャフトの揺動を検出するステップと、
    前記揺動を検出したときに現在の回転速度よりも速い回転速度で前記回転体を回転させるステップと
    を有する請求項14に記載の方法。
  16. 現在の回転速度と、前記回転体の目的に応じて選択した第1の回転速度と現在の傾斜角度に応じて選択した第2の回転速度のうち速い方の回転速度を比較して、前記現在の回転速度が速い場合に、前記現在の回転速度を前記速い方の回転速度まで低下させるステップを有する請求項14に記載の方法。
  17. 携帯式電子機器に実装された放熱ファンを構成する流体動圧軸受の寿命を前記携帯式電子機器が延長する方法であって、
    前記携帯式電子機器の温度に応じて第1の回転速度を選択するステップと、
    加速度センサが前記携帯式電子機器の傾斜角度を計測するステップと、
    前記加速度センサの出力信号に基づいて前記放熱ファンのシャフトが鉛直方向から所定値以上の傾斜角度で傾斜していると判断したときに第2の回転速度を選択するステップと、
    前記第1の回転速度と前記第2の回転速度を比較するステップと、
    前記第2の回転速度が前記第1の回転速度よりも速いと判断したときに前記第2の回転速度で前記放熱ファンを動作させるステップと
    を有する方法。
  18. 前記加速度センサが前記携帯式電子機器の揺動を検出するステップと、
    前記揺動に対応する第3の回転速度を選択するステップと、
    前記第1の回転速度、前記第2の回転速度、および前記第3の回転速度を比較して最も速い回転速度で前記放熱ファンを回転させるステップと
    を有する請求項17に記載の方法。
  19. 流体動圧軸受を含む回転機構であって、
    前記流体動圧軸受でラジアル方向が支持されたシャフトと、
    前記シャフトに結合された回転体と、
    前記シャフトを回転させるモータと、
    前記回転機構の姿勢の変化に伴う前記シャフトの鉛直方向からの傾斜角度を計測する姿勢センサと、
    前記回転体の目的に応じて計測した制御データに基づいて選択した第1の回転速度より、前記傾斜角度が所定値以上のときに選択した第2の回転速度が速いときに前記モータの回転速度が前記第2の回転速度になるように制御する制御部と
    を有する回転機構。
  20. 回転体が結合され動作中に姿勢が変化するシャフトを支持する流体動圧軸受の寿命を延長する方法であって、
    前記回転体の目的に応じて設定した第1の回転速度を選択するステップと、
    姿勢センサが前記シャフトの鉛直方向に対する傾斜角度を計測するステップと、
    前記傾斜角度が所定値以上のときに第2の回転速度を選択するステップと、
    前記第1の回転速度と前記第2の回転速度を比較するステップと、
    前記第2の回転速度が前記第1の回転速度よりも速いと判断したときに前記第2の回転速度で前記回転体を回転させるステップと
    を有する方法。
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