JP2014042385A - 流体動圧軸受の摩耗を低減する方法および携帯式コンピュータ - Google Patents

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Abstract

【課題】流体動圧軸受の摩耗を低減する。
【解決手段】ハイブリッドPC10に実装された放熱ファン100のシャフトは流体動圧軸受で支持されている。放熱ファンは、通常の状態では筐体内部の温度により回転速度が制御される。加速度センサの出力で携帯式コンピュータの衝撃を予測する。衝撃を予測したときに放熱ファンの回転速度を変更する。回転速度の第1の変更方法では、シャフトに制動力を付与して強制的に停止させる。この場合衝撃が発生してもシャフトが回転していないので摩耗はほとんど発生しない。回転速度の第2の変更方法では、回転速度を上昇させて潤滑流体の油圧を高くする。この場合衝撃が発生しても流体潤滑を維持できるため摩耗を防ぐことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体動圧軸受の摩耗を低減する技術に関し、さらには衝撃による流体動圧軸受の摩耗を低減する技術に関する。
ノートブック型パーソナル・コンピュータ(ノートPC)やタブレット端末などの携帯式電子機器は、放熱ファン、ハードディスク・ドライブ、または光学ドライブなどの回転機構を含むデバイスを搭載する。そしてこれらの回転機構は多くの場合に、小型化および薄型化などの点で優れているすべり軸受を採用している。すべり軸受は摩擦を低減するための潤滑形態により、軸と軸受の間の摺動面に流体潤滑膜を形成する方式と、軸受の摺動面に特殊な固体物質を付与して摩擦や摩耗を低減する固体潤滑という方式に分類することができる。
流体潤滑膜による潤滑方式を採用した軸受は、シャフトの摺動面を支える圧力を得る方式の違いにより流体動圧軸受(Fluid Dynamic Bearing)と流体静圧軸受(Fluid Dynamic Bearing)に分類することができる。流体動圧軸受では、シャフトと軸受の相対すべり運動によって流体潤滑膜に動圧を発生させる。流体静圧軸受では、軸受の外部から加圧した潤滑流体を摺動面に供給して流体潤滑膜にシャフトを支持する圧力を付与する。
特許文献1は、ノートPCに搭載された磁気ディスク装置を衝撃から保護する技術を開示する。衝撃予測部は、加速度計が重力加速度の急変を検知したときに、それに続いて落下による衝撃が発生すると判断し磁気ヘッドを退避させて保護する。特許文献2は、流体動圧軸受を組み込んだアウターロータ型のファン・モータを開示する。同文献には、鋳鉄部の軸部材の間に充填された潤滑油が軸部材の相対回転時に流体潤滑状態を形成することが記載されている。
特許文献3は、軸受の潤滑状態を評価するストライベック曲線について開示する。特許文献4は、電子システムの電源がオフになったときに電機子コイルを短絡してブレーキをかけ、慣性によりモータが回転し続けている間にユーザが接触してけがをしたり、電源の再開が遅れたりすることを防ぐ技術を開示する。
特開2004−146036号公報 特開2010−249182号公報 特開2011−126976号公報 特開2007−159391号公報
軸受は、シャフトからラジアル荷重を受けるラジアル軸受とスラスト荷重を受けるスラスト軸受に分類することができる。ラジアル方向の荷重を支持する流体動圧軸受は、シャフトが回転している間にシャフトと軸受を流体潤滑膜で完全に分離して両者が直接接触しないようにしているため、一般的に摺動面の摩耗による故障は少ないと考えられている。ところが、近年の薄型化した電子機器に採用されている流体動圧軸受(ラジアル軸受)は、従来に比べて故障が増加する傾向にある。
そして故障原因の大半は、シャフトと軸受の隙間に金属粉が堆積したことによる焼き付きであることが判明している。金属粉が発生するということは、何らかの原因で流体潤滑膜が破壊されてシャフトと軸受が金属接触していると考えてよい。特に薄型の電子機器では、流体動圧軸受のシャフト方向の長さLが短くなるため、流体潤滑膜がシャフトを十分に支持することが難しい場合がり故障の傾向が強い。したがって、流体動圧軸受が使用される様々な環境においてシャフトと軸受が接触する機会をできるだけ少なくする必要がある。
そこで本発明の目的は、電子機器に使用する流体動圧軸受の摩耗を低減することが可能な回転機構を提供することにある。さらに本発明の目的は、簡単な方法で流体動圧軸受の摩耗を低減することが可能な回転機構を提供することにある。さらに本発明の目的は、流体動圧軸受の摩耗を低減する方法およびそのような方法を採用した携帯式コンピュータを提供することにある。
本発明は、流体動圧軸受を含む回転機構を提供する。回転機構は、回転体が結合されたシャフトを支持する流体動圧軸受と、シャフトに駆動力を付与するモータと、電子機器の運動を検知するモーション・センサと、モーション・センサの出力に基づいて電子機器に対する衝撃の発生を予測して衝撃予兆信号を出力する衝撃予測部と、衝撃予兆信号を受け取ったときにモータの回転速度を変更する駆動部とを有する。
衝撃予兆信号を受け取った駆動部は、制動力を付与してモータの回転を停止させることができる。衝撃が発生する前にモータは停止するか十分に低い値まで回転速度が低下し、流体動圧軸受の摩耗を防ぐことができる。あるいは衝撃予兆信号を受け取った駆動部は、モータの回転速度を所定値以上に上昇させて衝撃時にも流体潤滑を維持できるようにしてもよい。
モーション・センサは、電子機器の加速度を検出する加速度センサとすることができる。モータをブラシレス直流モータとしたときに、駆動部はモータに印加する電圧をステップ状に低下させて大きい制動力を付与することができる。制動力が大きいほど衝撃時のメタル・コンタクトを軽減することができる。回転機構は電子機器の筐体内部から熱を放熱する放熱ファンを構成することができる。
本発明により、電子機器に使用する流体動圧軸受の摩耗を低減することが可能な回転機構を提供することができた。さらに本発明により、簡単な方法で流体動圧軸受の摩耗を低減することが可能な回転機構を提供することができた。さらに本発明により、流体動圧軸受の摩耗を低減する方法およびそのような方法を採用した携帯式コンピュータを提供することができた。
ハイブリットPCの外形を示す斜視図である。 ハイブリッドPCの機能ブロック図である。 サーマル・アクション・テーブルを利用した温度制御モードの動作を説明する図である。 放熱ファン・ユニットの外形を示す平面図および側面図である。 放熱ファン・ユニットの断面図である。 流体動圧軸受の断面図である。 流体動圧軸受の設計パラメータを説明する図である。 ファン・モータの制御機構を示す機能ブロック図である。 ステップ状に速度を低下させてファン・モータを停止させるときの様子を示す図である。 流体動圧軸受の摩耗を低減する手順を示すフローチャートである。
[ハイブリッドPC]
図1は、ハイブリッド型パーソナル・コンピュータ(ハイブリッドPC)10の外形を示す斜視図である。ハイブリッドPCは、本発明が適用できる携帯式電子機器の一例であり、本発明を限定するものではない。ハイブリッドPC10は、相互に物理的な分離および結合が可能な筐体で形成されたタブレット・ユニット12とベース・ユニット11で構成されている。図1(A)は、タブレット・ユニット12とベース・ユニット11が結合して構成するハイブリッドPC10を示し、図1(B)は分離したときのベース・ユニット11を示し、図1(C)は分離したときのタブレット・ユニット12を示す。
タブレット・ユニット12は、筐体の表面にディスプレイとタッチ・センサで構成されたタッチスクリーン15を備え、筐体の内部には分離状態でタブレット端末として機能するシステム・デバイスを搭載する。ベース・ユニット11は、ヒンジ17で相互に結合されたキーボード筐体13と支持部材14で構成されている。本実施の形態においては、ベース・ユニット11は主要なシステム・デバイスを搭載しないため分離状態においてはコンピュータとしての機能を発揮しない。タブレット・ユニット12はイジェクト・スイッチ16を操作してユーザが支持部材14に対して着脱することができる。
キーボード筐体13には、上面に入力デバイスとなるキーボード38およびタッチパッド36、図示しないUSB、外部ディスプレイおよびイーサネット(登録商標)などを接続する外部コネクタ、電池パック、およびAC/DCアダプタを接続する電源ジャックなどが設けられている。ハイブリッドPC10は、タブレット・ユニット12が支持部材14に装着された状態ではノートPCとして機能し、タッチスクリーン15がキーボード37と向き合うようにヒンジ17を回転させて支持部材14を閉じることができる。このようにタブレット・ユニット12を保持する支持部材14を開閉して使用するときの動作状態をクラムシェル・モードという。
またハイブリッドPC10は開いた状態の支持部材14を、ヒンジ17を中心にして180度回転させてから、支持部材14の背面がキーボード38に向き合うように閉じることができる。このようにキーボード38がタブレット・ユニット12の裏側に隠れた状態で、入力デバイスとしてタッチスクリーン15を使用するときの動作状態をタブレット・モードという。タブレット・ユニット12は内部に放熱ファン・ユニット100を収納する。
図2は、ハイブリットPC10の一例を示す概略の機能ブロック図である。ハイブリッドPCのデバイスは、タブレット・ユニット12またはキーボード筐体13のいずれかに搭載される。チップ・セット27にはCPU21、SSD29、およびエンベデッド・コントローラ(EC)33が接続されている。CPU21には、ビデオ・チップ25を経由してタッチスクリーン15が接続され、さらにメイン・メモリ23が接続されている。タッチスクリーン15を構成するタッチ・センサはEC33に接続されている。SSD29は、OSやアプリケーション・プログラムを格納する不揮発性の記憶装置である。
EC33は、CPU、ファームウェアを格納するROM、およびファームウェアを実行するためのRAMなどで構成されたマイクロ・コンピュータであり、さらにA/D入力端子、D/A出力端子、タイマー、およびディジタル入出力端子を備えている。EC33には、加速度センサ31、駆動回路35、複数の温度センサ39、およびリッド・センサ41が接続されている。駆動回路35には、放熱ファン・ユニット100を駆動するファン・モータ37が接続されている。
EC33は、I/Oコントローラも含んでおり、キーボード38、タッチパッド36およびタッチスクリーン15が接続されている。温度センサ39は、複数のセンサで構成され、タブレット・ユニット12の筐体内部やデバイスの温度を検出する。リッド・センサ41は、クラムシェル・モードまたはタブレット・モードのときにディスプレイ筐体11が閉じられた状態を検出する。
EC33は、ファームウェアをCPU21から独立して実行することができる。ファームウェアは、回転制御プログラム53、サーマル・アクション・テーブル(TAT)61および衝撃予測プログラム63を含む。回転制御プログラム53は温度センサ39が検出した温度およびTAT61を参照して駆動回路35を通じて、ファン・モータ37の回転速度を制御する。このとき回転制御プログラム53は、ファン・モータ37の回転速度に対応するデューティを示すPWM信号を生成して駆動回路35に送る。駆動回路35は、図示しない電力源から供給された直流電圧をEC33から送られたPWM信号に基づいてスイッチング制御して、ファン・モータ37の回転速度をステップ状に変更したり停止したりする。駆動回路35は、ファン・モータ37の現在の回転速度を検出してEC33に送る。
[TATによる温度制御モード]
図3はTAT61の構成の一例を示す図である。TAT61は4個の温度センサ39a〜39dのそれぞれについて5段階の回転ステージを設定し、それぞれの回転ステージにファン・モータ37の回転速度を対応付けている。各回転ステージには、当該回転ステージをイネーブルまたはディスエーブルにする基準温度Te、Tdが設定されている。
回転制御プログラム53を実行するEC33は、いずれかの温度センサ39a〜39dが検出した温度値がいずれかの回転ステージの基準温度Teを越えたときは、当該回転ステージの回転速度になるように駆動回路35を制御する。たとえば、現在の回転速度が中速ステージのときに、いずれかの温度センサ39a〜39dが検出した温度値が高速ステージに記述するイネーブルの基準温度Teを越えると、EC33は高速ステージになるように駆動回路35を制御する。
EC33は、すべての温度センサ39a〜39dが検出した温度が現在の回転速度が帰属する回転ステージの基準温度Tdより低いときは現在の回転ステージを1段下げるように駆動回路35を制御する。たとえば、現在の回転速度が高速ステージのときに、すべての温度センサ39a〜39dが検出した温度値が高速ステージに記述するディスエーブルの基準温度Tdより下がると、EC33は中速ステージになるように駆動回路35を制御する。
EC33は、TAT61に基準温度Te、Tdが記述されていない温度センサ39b〜39dの出力は、記述されていない中速、低速、最低速の回転ステージに関する回転速度の制御に関して無視する。EC33は現在の回転速度が最低速ステージのときに、温度センサ39aが検出した温度がディスエーブルの基準温度Tdより低くなったときにファン・モータ37を停止する。このように回転制御プログラム53が、TAT61と現在の回転速度と温度センサ39a〜39dの出力に基づいてファン・モータ37の回転速度を制御する動作を温度制御モードということにする。
[衝撃予兆条件の認識]
携帯式電子機器であるハイブリッドPC10に対しては、さまざまな衝撃が加えられる。衝撃は、回転している放熱ファン・ユニット100の流体動圧軸受に作用して摩耗を加速する。本実施の形態では、衝撃の予兆を検出したときに温度制御モードをオーバーライドするようにファン・モータ37の回転を制御して流体動圧軸受の摩耗を低減する。ハイブリッドPC10では、タブレット・ユニット12が放熱ファン・ユニット100を収納する。
したがって、クラムシェル・モードおよびタブレット・モードのいずれの場合でも、支持部材14がキーボード筐体13に対して閉じられた瞬間に放熱ファン・ユニット100に衝撃が発生する。これは、ハイブリッドPCのように蓋として機能するディスプレイ側の筐体に放熱ファン・ユニット100が実装されるときに発生する特有の衝撃である。また、ユーザがハイブリッドPC10またはタブレット・ユニット12を使用している間に、机上、腕、または膝上から自然落下させてしまうこともある。さらに、鞄に入れたハイブリッドPC10をユーザが運んでいる途中に、鞄を勢いよく床や机の上などに置いたりするときにも衝撃が発生する。これはハイブリッドPC10に限らず、通常のノートPCやタブレットPCにも発生する衝撃である。
ハイブリッドPC10に衝撃が発生する際には、その前段階としてハイブリッドPC10が特有の運動をする。このような運動を検出して衝撃予兆条件が成立することを認識するために本実施の形態ではモーション・センサを使用する。加速度センサ31は、モーション・センサの一例である。加速度センサ31は、角速度を検出するジャイロ・スコープとすることができる。あるいは加速度センサ31は、静的加速度といわれる重力加速度を検出する2軸または3軸の直線加速度計とすることができる。また、加速度センサ31は、静的加速度に加えて移動または衝撃などで発生する動的加速度を検出できる直線加速度計とすることができる。
衝撃予兆条件は、衝撃予測プログラム63を実行するEC33が加速度センサ31の出力、リッド・センサ41の出力、キーボード38の出力、タッチパッド36の出力およびハブリッドPC10のパワー・ステートなどの情報に基づいて認定することができる。クラムシェル・モードまたはタブレット・モードのときに支持部材14が閉じられる瞬間に発生する衝撃予兆条件の成立は、タブレット・ユニット12に収納する加速度センサ31が所定値以上の角速度を検出したときに認定することができる。あるいは加速度センサ31に代えて、ヒンジ17にヒンジの角速度を検出するセンサ、または、ヒンジが所定位置まで回転したことを検出するスイッチを利用することもできる。
ハイブリッドPC10またはタブレット・ユニット12が自然落下する際には、通常の使用状態とは異なる急激な回転をする。したがって、自然落下による衝撃予兆条件の成立もEC33が角速度の大きさで認定することができる。移動中に発生する衝撃予兆条件の成立は、ハイブリッドPC10が停止状態で、かつ、加速度センサ31の出力から歩行に特徴的に現れる所定の周波数の揺動を検出したときに認定することができる。
ここに、ハイブリッドPC10の停止状態は、キーボード38またはタッチパッド36から所定の時間入力がないこと、リッド・センサ41が支持部材14の閉状態を検出したこと、または、ハイブリッドPC10のパワー・ステートがサスペンド状態に遷移したことなどにより検出することができる。ここに、サスペンド状態とは、システムのコンテキストをメイン・メモリ23に記憶し、メイン・メモリ23の記憶の維持に必要がない多くのデバイスの電力を停止した状態で、ACPIのS3ステートに相当する。
[放熱ファン・ユニット]
図4は、放熱ファン・ユニット100の外形図で、図5は図4に記載した放熱ファン・ユニット100をシャフトの中心を通過する平面で垂直に切断した断面図である。図4(A)は平面図、図4(B)は底面図、図4(C)は側面図である。放熱ファン・ユニット100は、タブレット・ユニット12の筐体の内部に吸い込んだ外気を、ヒート・シンク109を通じて排気することで筐体内部の熱を強制排熱し、各電子デバイスの温度および筐体の表面温度を許容温度以下に維持する。放熱ファン・ユニット100は、薄型のタブレット・ユニット12に収納できるように扁平な形状になっているため、シャフト101の方向の流体動圧軸受129の長さL(図5参照)は短い。
上部プレート103、下部プレート105、および側壁プレート107は、内部にファン・モータ37およびブレード111を収納する空気室を形成するケーシングを構成する。ケーシングの平面形状はD字型をしており、平面から見たときに直線状の部分の側壁プレート107には開口が形成されている。開口にはヒート・シンク109が取り付けられる。ヒート・シンク109には図示しないヒート・パイプが結合され、CPU21、ビデオ・チップ25、およびチップ・セット27などの発熱量の多いデバイスの熱をヒート・シンク109に直接移動させる。
上部プレート103には吸気口となる開口が形成されており、その開口からはシャフト101に結合されたカップ状のロータ115の頂部とその周囲に取り付けられた複数のブレード111の一部が露出している。また、下部プレート105にもファン・モータ37を取り付けるベース113の周囲に吸気口が形成され、吸気口からはブレード111の一部が露出している。放熱ファン・ユニット100は上下の吸気口か筐体内部の高温の空気を吸気してヒート・シンク109を通じて外に放出する。
図5において、ファン・モータ37は、ロータ115、ロータ115に結合されたシャフト101、シャフト101によるラジアル方向の軸受荷重を支持する流体動圧軸受129、流体動圧軸受129が使用する潤滑油をシールするシール・キャップ131、流体動圧軸受129を収納するハウジング133、ハウジング133に固定された電機子鉄心125、電機子鉄心125に巻回された電機子コイル123、およびロータ115の内側に固定された永久磁石121を含んで構成されている。ファン・モータ37の下部には駆動回路35を実装した回路基板127が設けられている。ファン・モータ37は、ロータ115がシャフト101と一体になって電機子鉄心125の周囲を回転するアウターロータ型のブラシレスDCモータである。ただし、本発明においてはファン・モータの型式をアウターロータ型に限定する必要はない。
[流体動圧軸受]
図6は、流体動圧軸受129を拡大した図である。一般に流体動圧軸受の中には、使用開始後にほとんど給油を必要としないオイルレス・ベアリング(無給油軸受または自己潤滑型軸受ともいう。)がある。オイルレス・ベアリングは、材料の違いによりプラスチック系、金属系、複層系、炭素黒鉛系、およびセラミック系などに分類することができる。
金属系のオイルレス・ベアリングには、潤滑油を含油するための多孔質部を備える含油材料として、銅系または鉄系の粉末を焼結した焼結材、および特殊な処理をして多孔質化した鋳成銅合金材または成長鋳鉄材などがある。流体動圧軸受129は、銅系の焼結材に潤滑油を含油させた焼結含油軸受を採用する。焼結材が含む潤滑油はシャフト101が回転するとポンプ作用でシャフト101と流体動圧軸受129の内面と間隙151に吸い出されシャフト101が停止すると毛細管現象で再び焼結材に入り込む。
流体動圧軸受129は、さらにあらかじめ間隙151に潤滑油を給油して使用する。その意味で流体動圧軸受129は、焼結材が含む潤滑油以外の潤滑油を使用しないオイルレス・ベアリングとは異なる。ただし、本発明は事前の給油を必要としないオイルレス・ベアリングに適用することもできる。流体動圧軸受129は動圧を効果的に生成するために内面に溝153を備えている。
シャフト101のスラスト荷重は、図示しないスラスト軸受で上下いずれの方向も負担する。スラスト軸受は本発明の説明に必要がないため説明を省略する。流体動圧軸受129は、シャフト101が停止している間は間隙151の潤滑油に動圧が生じないため、シャフト101にラジアル荷重が加わるとシャフト101と流体動圧軸受129の内面が直接接触(メタル・コンタクトという。)する。シャフト101が回転するとポンプ作用により焼結材から吸い出された潤滑油とあらかじめ隙間151に充填された潤滑油がいわゆる油のくさびを形成して、シャフト101と流体動圧軸受129の間に動圧を生じさせる。
動圧は、シャフト101と流体動圧軸受129がメタル・コンタクトをしないように両者を分離する。所定の動圧が発生している間は、シャフト101は潤滑油膜の上を滑るように回転する。シャフト101はステンレスで形成されているため、動圧が小さいためにシャフト101と流体動圧軸受129との間にメタル・コンタクトが発生すると焼結材を削り取る。削り取られた金属粉は間隙151に堆積して焼き付きの原因になるため、寿命を延長するにはメタル・コンタクトを極力少なくする必要がある。
[流体潤滑と衝撃の予兆検出による回転制御]
流体動圧軸受の設計パラメータには、摺動面の接触圧力であるp値、摺動面の周速度であるV値、およびそれらの積であるpV値などがある。V値は、シャフトの回転速度に対応する。p値は軸受金属の疲労強度に関連し、V値はシャフトの振動による固体接触に関連し、pV値は発熱に関連する。ここに、接触圧力pは軸受の内径をD、軸受のシャフト方向の長さをL、およびシャフトによる軸受荷重をPとしたときにp=P/DLの関係がある。
そして、これらのパラメータには図7(A)に示すようにそれぞれ許容最大値が存在している。流体潤滑膜を形成する潤滑方式に関しては、摩擦係数と摩擦に関連する軸受のパラメータの関係を図7(B)に示すストライベック線図が説明している。ストライベック線図では、軸受の摩耗に関連する摩擦係数と、潤滑油の粘度η、V値、およびp値を組み合わせて計算した軸受定数(ηV/p)の関係により、動作状態を流体潤滑、混合潤滑、および境界潤滑に分類している。ここに軸受定数は、流体潤滑膜の厚さを支配するパラメータとしての意義を有している。
流体潤滑は、摺動面の荷重が十分な厚さの流体潤滑膜に支持されている動作領域で、シャフトと軸受が直接接触しないため摩擦は小さく摩耗はほとんど発生しない。流体潤滑は、一般的にはV値やpV値の制限を受けない。混合潤滑は、流体潤滑よりもp値が大きくなったり、V値が小さくなったりしたときの動作領域である。混合潤滑では、摺動面が薄い流体潤滑膜に支持されて軸受面とシャフトの凸部同士に接触が生ずるため、一般的にはpV値の制限を受ける。
境界潤滑は、混合潤滑よりもさらにp値が大きくなったり、V値が小さくなったりしたときの動作領域である。境界潤滑では、流体潤滑膜が摺動面の一部にしか存在しないため軸受面とシャフトの凸部同士の接触が混合潤滑よりも頻繁に発生し、一般的にはpV値やV値の制限を受ける。混合潤滑および境界潤滑では、シャフトと軸受の接触により軸受の内面が摩耗する。
電子機器に使用する流体動圧軸受では、通常の動作状態で接触圧力pに対して流体潤滑で動作するようにV値を設定する。流体潤滑で動作する限りシャフトと軸受は接触しないためメタル・コンタクトが発生することはないが、衝撃が発生すると瞬間的に接触圧力pが増大する。ストライベック線図によれば、接触圧力pが高いときには軸受定数が低下して混合潤滑、または境界潤滑に移行する。ファン・モータ37は、アウターロータ型でブレード111、ロータ115およびシャフト101などによるラジアル方向の軸受荷重をすべて流体動圧軸受129が負担し、流体動圧軸受129の長さLが短いため、衝撃により高い接触圧力pが発生する傾向にある。
したがって、放熱ファン・ユニット100に衝撃が加わると接触圧力pが一時的に増加して流体潤滑膜が消滅する。このとき、金属粉の発生を防止する方法として、ファン・モータ37の回転速度を上昇させてV値を現在よりも増加させることで軸受定数を流体潤滑の領域に維持することができる。また、金属粉はメタル・コンタクトが発生する状態でシャフトが回転する際に発生するため、衝撃の瞬間にシャフトの回転を停止させておくか、少なくとも現在よりも回転速度を低下させておくことで金属粉の低減に有効である。
衝撃の予兆を検出してからファン・モータ37を停止するまでの時間はできるだけ短いことが望ましい。ブレード111およびロータ115を含めた回転部が回転するときの運動エネルギーは、回転部の慣性モーメント(GD2)と角速度の2乗に比例する。回転部が惰性で自然に停止するときは、回転部の運動エネルギーを流体動圧軸受129に対するシャフト101の摩擦力やブレード111の風損などで消費するが、運動エネルギーが大きいほどまた消費エネルギーが小さいほど停止までの時間が長くなる。
回転部の慣性モーメントは比較的大きいため、短時間に停止させるためにはシャフト101に制動力を付与することが有効である。シャフト101に制動力を付与すれば、衝撃が発生するまでファン・モータ37の回転を完全に停止させたり、十分に低い回転速度まで低下させたりすることができる。ここに、惰性で自然に停止するとは、ファン・モータ37のシャフト101に対する所定方向の駆動力を停止してから回転時の運動エネルギーを主としてシャフト101の摩擦と回転部の風損で消費しながら停止することをいう。さらに惰性で停止するとは、モータの巻線の接続を変更したり駆動時と異なる極性の磁極を形成したりして発電制動、回生制動または逆転制動などの制動力が付与されない状態で停止することをいう。またファン・モータ37による所定方向の駆動力は、回転体を目的に沿う方向に回転させる駆動力をいう。
[ファン・モータの制御機構]
図8は、ファン・モータの制御機構を示す機能ブロック図である。制御機構200は、直流電源179、制御部181、駆動回路35およびファン・モータ37を含んでいる。直流電源179は、AC/DCアダプタまたは電池パックなどの電力源と、入力電圧を所定の出力電圧に変換するDC/DCコンバータを含んでおり、ハイブリッドPC10のデバイスに電力を供給する。直流電源179は、制御部181、駆動回路35、およびファン・モータ37にも所定の直流電圧で電力を供給する。
制御部181は、EC33、加速度センサ31、リッド・センサ41、キーボード38、タッチパッド36、温度センサ39および現在のパワー・ステートを記憶するレジスタなどを含んで構成されている。駆動回路35は、ファン・モータ37の現在の回転速度を検出して制御部181に送る。制御部181は温度制御モードにおいて、温度センサ39が検出した温度とTAT61と現在の回転速度を参照して新たなファン・モータ37の回転速度を決定し駆動部37にPWM信号を送る。
駆動回路35は、制御部181から受け取ったPWM信号により、ファン・モータ37を現在の回転速度の維持、変更または停止をするように制御する。制御部181は、衝撃の予兆を認識したときに、駆動回路35に衝撃予兆信号を送る。駆動回路35は温度制御モードのときに衝撃予兆信号を受け取ったときは衝撃モードに移行し、衝撃予兆信号が消滅したときには温度制御モードに復帰する。衝撃モードは、温度制御モードをオーバーライドしてシャフト101に制動力を加え、ファン・モータ37の回転速度を変更したり停止したりする動作をいう。衝撃モードはファン・モータ37の回転速度を、衝撃予兆信号が生成されたときにTAT61が要求する回転速度より上昇させる動作を含む。
ファン・モータ37は、ステータの電機子鉄心125にスター接続で巻回された3個の電機子コイル123a〜123cと、ロータ115に取り付けられた極性の異なる2個の永久磁石121a、121bを含んでいる。電機子コイル123a〜123cの中性点は、ライン175で駆動回路35に接続されている。電機子コイル123a〜123cは、それぞれ直流電源179とグランドとの間に直列に接続された3対のN型のFET173a〜173cの中点に接続されている。
FET173a〜173cはそれぞれ、ハイサイドのFETのドレインが直流電源179に接続され、ローサイドのFETのソースがグランドに接続され、ゲートが駆動回路35に接続されている。FET173a〜173cは、電機子コイル123a〜123cとの間で3個のHブリッジ回路を構成する。ファン・モータ37の構成は周知である。
つぎに制御機構200の動作を説明する。制御部181はTAT61を利用して、駆動回路35から受け取った現在の回転速度と温度センサ39の出力によりファン・モータ37の回転速度を決定する。制御部181は決定した回転速度対応するPWM信号を駆動回路35に送る。駆動回路35は衝撃予兆信号を受け取らない限り温度制御モードで動作する。駆動回路35は、FET173a〜173dをPWM制御して、電機子コイル123a〜123cに印加する電圧を制御する。駆動回路35は、あるタイミングではいずれか一つの対のハイサイドのFETと他の一つの対のローサイドのFETを選択して、ファン・モータ37がPWM信号に対応する回転速度で回転するようにそれらのデューティを調整する。残りのFETはオフになり、ローサイドのFETがオフになる電機子コイルは電流が流れないフローティング状態になる。
たとえば、電機子コイル123a、123cに流れた電流により生成された磁界が合成されて、磁界の空間ベクトルが形成される。駆動回路35は、フローティング状態の電機子コイル123bに誘起された電圧を検出してロータ115の回転位置を検出しFET173a〜173cの動作を制御して磁界の空間ベクトルを回転させる。永久磁石121a、121bは、電機子コイル123a〜123cが生成した回転するベクトル磁界から吸引力または反発力を受けてとベクトル磁界と同じ方向に回転する。
制御部181は、回転速度を変更するときにPWM信号のデューティを変更する。これまではファン・モータ37の回転を停止するときに、制御部181はディユーティがゼロのPWM信号を出力し、それを受け取った駆動回路35はFET173a〜173cをすべてオフにして回転体の惰性で停止させていた。このとき電機子コイル123a〜123cはすべてフローティング状態になり、シャフト101に対してはファン・モータ37の電磁力による制動力が付与されない。本実施の形態ではファン・モータ37を停止させる際に制御部181が、現在の回転速度をより遅い回転速度にステップ状に変更するようなPWM信号を順番に駆動回路35に送ることができる。
図9は、ステップ状に速度を低下させてファン・モータ37を停止させるときの様子を示す図である。ライン201は、惰性により停止する状態を示しており、時刻t0でFET173a〜173cをオフにしたときに、時刻t1で回転が停止する様子を示している。ライン203は、回転速度をステップ状に低下させたときに時刻t2で回転が停止する様子を示している。ライン203では、回生制動が行われるためステップ状の各回転速度間で低下する回転速度の単位時間当たりの低下率がライン201に比べて大きくなっている。
たとえば制御部181は、ファン・モータ37が4550rpmで回転しているときに回転を停止するために時刻t0で3850rpmに相当するPWM信号を送り、回転数が3850rpmまで減速するとただちに3500rpmに相当するPWM信号を送る。同様の手順で順番に2800、2000rpmに相当するPWM信号を送り、2000rpmまで減速するとただちに時刻t3ですべてのFET173a〜173cをオフにする。
すなわち、4550rpmで回転しているときに駆動回路35が3850rpmに相当するデューティで電機子コイル123a〜123cの電圧を制御すると、3850rpmに回転速度が低下するまでファン・モータ37は直流発電機として動作し、FET173a〜173cのオン期間に直流電源179で電力が回収されて制動力が発生する。FET173a〜173cのオフ期間は回生制動が行われないため、オン期間の長い速い回転速度の方が制動力は大きい。したがって、4550rpmから2000rpmまで1段で回転速度を低下させるよりもステップ状に回転速度を低下させた方が停止までの時間を短くすることができる。
制動力を付与するためのステップ状の各回転速度は、TAT61に記述された回転速度とは異なるものであってもよい。また減速は、駆動回路35が電機子コイル123a〜123cを短絡して制動したり、逆方向に回転する磁界を発生させたりして制動することにより行ってもよい。このとき、ステップ状に制動力を付与しないで停止操作を開始してから完全に停止するまで継続的に制動力を付与するようにしてもよい。
[制御機構の動作手順]
つぎに、図10を参照してハイブリッドPC10において流体動圧軸受129の摩耗を防止する手順を説明する。ブロック301でハイブリッドPC10は、支持部材14が開かれてパワー・オン状態で動作している。あるいは、支持部材14が閉じられてサスペンド状態に移行している。さらに、分離状態でタブレット・ユニット12が単独で使用されていてもよい。
ハイブリッドPC10は、サスペンド状態でも定期的にパワー・オン状態に移行して所定の処理をするためCPU21およびその他のデバイスが動作して内部の温度が上昇する。したがって、サスペンド状態に遷移したときにも放熱ファン・ユニット100による放熱が必要な程度までデバイスの温度が上昇している場合がある。また、システムによっては、サスペンド状態だけが継続する場合にも放熱ファン・ユニット100を動作する場合がある。
駆動回路35は制御部181からPWM信号を受け取って、温度制御モードで動作している。ブロック303でEC33は定期的に加速度センサ31から加速度に対応する信号を受け取る。ブロック305で制御部181が衝撃予兆条件の成立を認識すると、ブロック307で駆動回路35に衝撃予兆信号を出力する。
衝撃が発生する前に、ファン・モータ37の回転を停止させるか回転速度を十分に低下させるためには、衝撃予兆条件の判断と衝撃予兆信号の出力の処理をできるだけ短時間で終了できることが望ましい。衝撃予兆条件の判断をCPU21が行うことは、以下の理由で好ましくない。まず、CPU21の処理時間は、割り込みをかけたときの負荷に影響を受ける。また、CPU21は、軽負荷のときまたはアイドルのときにスリープ・ステートに遷移するが、その場合ウェイクアップするまでに所定の時間が必要となる。
さらに、CPU21はさまざまなプログラムを実行するためハングアップすることもある。またCPU21は、サスペンド状態では電力が停止するために、サスペンド状態で放熱ファン・ユニット100が動作することのあるシステムでは利用できない。EC33はCPU21から独立して所定のファームウェアを実行するためCPU21の場合に発生する諸問題の影響を受けることがない。
ブロック309で衝撃予兆信号を受け取った駆動回路35は、衝撃モードに移行する。駆動回路35はPWM信号を無視してFET173a〜173cを制御し、ファン・モータ37の回転速度を変更する。一例では、駆動回路35は、現在の回転速度よりも低い回転速度に対応する電圧をファン・モータ37に順番にステップ状に加えてシャフト101に制動力を付与する。
制動力が付与されたファン・モータ37は、衝撃が発生する際に回転が停止しているか十分に低い回転速度まで回転速度が低下する。他の例では駆動回路35は、回転速度を所定値以上に上昇させる。所定値は、衝撃が発生しても流体動圧軸受129にメタル・コンタクトが発生しない程度の油圧を発生することができる回転速度(これを限界回転速度という。)に相当する。
駆動回路35は、衝撃予兆信号を受け取ったときの回転速度が限界回転速度以上のときはそのまま維持するようにしてもよい。衝撃予兆信号を受け取ったときの回転速度が遅いほど停止するまでの時間は短くなる。これを考慮して駆動回路35は、衝撃予兆信号を受け取ったときの回転速度が遅いときは制動力を付与し、早いときは限界回転速度以上まで回転速度を上昇させるいずれかの制御をするようにしてもよい。衝撃予兆信号により回転速度が急激に上昇するときは耳障りな騒音が発生するが、比較的早い回転速度のときにだけさらに限界回転速度まで上昇させる場合は、騒音の違和感を軽減することができる。
ブロック311では、予測が的中した場合には衝撃が発生し、外れた場合には衝撃が発生しない。衝撃が発生しても、衝撃発生時にファン・モータ37は回転が停止するか回転速度が限界回転速度以上に上昇しているため、金属粉の発生を抑制することができる。また、衝撃予兆信号が生成されてから衝撃が発生するまでの時間が短い場合でも、制動力により衝撃時に十分に低い回転速度まで低下していれば摩耗を低減することができる。
ブロック313で制御部181は、衝撃予兆条件が解除されたか否かを判断する。衝撃予兆条件が解除されたときはブロック315で制御部181は、衝撃予兆信号を停止する。衝撃予兆信号が停止された駆動回路35は温度制御モードに移行する。ブロック313で衝撃予兆条件が解除されていないときは、ブロック317に移行する。ブロック309で制動力が付与されていた場合はこの時点でファン・モータ37の回転が停止している。
そして、システム・デバイスが動作していれば、やがて、筐体の内部やデバイスの温度が上昇する。ブロック317で制御部181は、温度センサ39の出力とTAT61を比較して、ファン・モータ37を回転させる必要があるか否かを判断する。ファン・モータ37の停止を維持できるときはブロック313に戻る。ファン・モータ37を回転させる必要があるときは、制御部181はブロック319で、ファン・モータ37を限界回転速度以上の回転速度で回転させてブロック313に戻る。
これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができることはいうまでもないことである。
10 ハイブリッドPC
11 ベース・ユニット
12 タブレット・ユニット
13 キーボード筐体
37 ファン・モータ
100 放熱ファン・ユニット
101 シャフト
111 ブレード
115 ロータ
121 永久磁石
123 電機子コイル
129 流体動圧軸受

Claims (20)

  1. 電子機器に搭載する回転機構であって、
    回転体に結合されたシャフトを支持する流体動圧軸受と、
    前記シャフトに駆動力を付与するモータと、
    前記電子機器の運動を検知するモーション・センサと、
    前記モーション・センサの出力に基づいて前記電子機器に対する衝撃の発生を予測して衝撃予兆信号を出力する衝撃予測部と、
    前記衝撃予兆信号を受け取ったときに前記モータの回転速度を変更する駆動部と
    を有する回転機構。
  2. 前記衝撃予兆信号を受け取った駆動部は、制動力を付与して前記モータの回転を停止させる請求項1に記載の回転機構。
  3. 前記衝撃予兆信号を受け取った駆動部は、前記モータの回転速度を所定値以上に上昇させる請求項1または請求項2に記載の回転機構。
  4. 前記モーション・センサが、前記電子機器の加速度を検出する加速度センサである請求項1から請求項3のいずれかに記載の回転機構。
  5. 前記モータがブラシレス直流モータで、前記駆動部は前記モータに印加する電圧をステップ状に低下させて制動力を付与する請求項1から請求項4のいずれかに記載の回転機構。
  6. 前記回転機構が前記電子機器の筐体内部から熱を放熱する放熱ファンを構成する請求項1から請求項5のいずれかに記載の回転機構。
  7. 流体動圧軸受を含む放熱ファンを備える携帯式コンピュータであって
    前記携帯式コンピュータの運動を検出するモーション・センサと、
    前記モーション・センサの出力に基づいて前記携帯式コンピュータに対する衝撃の発生を予測して衝撃予兆信号を出力する衝撃予測部と、
    前記衝撃予兆信号に応答して前記放熱ファンの回転速度を変更する駆動部と
    を有する携帯式コンピュータ。
  8. 筐体内部の温度に応じた温度制御信号を前記駆動部に出力して前記放熱ファンの回転速度を制御する温度制御部を有し、前記駆動部は前記衝撃予兆信号に応答して前記温度制御信号をオーバーライドする請求項7に記載の携帯式コンピュータ。
  9. 前記駆動部は、前記放熱ファンの回転が停止しかつ前記衝撃予兆信号が停止したときに前記温度制御信号で前記放熱ファンの回転速度を制御する請求項8に記載の携帯式コンピュータ。
  10. 前記駆動部は、前記放熱ファンの回転を停止した後において前記衝撃予兆信号が停止していないときに、前記温度制御部が前記放熱ファンの回転を要求したときに所定値以上の回転速度で前記放熱ファンを回転させる請求項8または請求項9に記載の携帯式コンピュータ。
  11. 前記衝撃予測部は、前記携帯式コンピュータの中央演算処理装置から独立して所定のファームウェアを実行するコントローラで構成されている請求項7から請求項10のいずれかに記載の携帯式コンピュータ。
  12. 前記携帯式コンピュータが、キーボードを搭載する第1の筐体と該第1の筐体に対して回動できるように取り付けられたディスプレイを搭載する第2の筐体を含み、前記放熱ファンが前記第2の筐体に収納されている請求項7から請求項11のいずれかに記載の携帯式コンピュータ。
  13. 前記モーション・センサが前記第2の筐体の回動を検出する請求項12に記載の回転機構。
  14. 前記モーション・センサが前記第2の筐体に取り付けられた加速度センサである請求項12に記載の回転機構。
  15. 回転体に結合されたシャフトを支持する流体動圧軸受の摩耗を低減する方法であって、
    前記回転体を回転させるステップと、
    前記回転体を収納する筐体の運動の変化を検出するステップと、
    前記運動の変化に基づいて前記流体動圧軸受に対する衝撃を予測するステップと、
    衝撃を予測したときに前記回転体の回転速度を変更するステップと
    を有する方法。
  16. 前記回転速度を変更するステップが、衝撃を予測したときの前記回転体の回転速度を検出するステップと、
    前記検出した回転速度が所定値未満の時に前記回転体に制動力を加え、前記検出した回転速度が所定値以上の時に回転速度を上昇させるステップと
    を有する請求項15に記載の方法。
  17. 携帯式コンピュータから熱を放熱する放熱ファンのシャフトを支持する流体動圧軸受の摩耗を低減する方法であって、
    前記携帯式コンピュータの温度により前記放熱ファンの回転速度を制御するステップと、
    前記携帯式コンピュータの運動の変化を検出するステップと、
    前記運動の変化に基づいて前記携帯式コンピュータに対する衝撃を予測するステップと、
    衝撃を予測したときに前記放熱ファンの回転速度を変更するステップと
    を有する方法。
  18. 前記運動の変化を検出するステップが、ディスプレイを搭載する筐体が閉められるときの状態を検出するステップを含む請求項17に記載の方法。
  19. 前記運動の変化を検出するステップが、前記携帯式コンピュータがサスペンド中のときに人間の歩行を示す揺動を検出するステップを含む請求項17または請求項18に記載の方法。
  20. 回転体に結合されたシャフトを支持する流体動圧軸受の摩耗を低減するためにコンピュータに、
    前記流体動圧軸受を収納する筐体の運動の変化を検出する機能と、
    前記回転体が回転しているときに、前記運動の変化に基づいて前記流体動圧軸受に対する衝撃を予測する機能と、
    衝撃を予測したときに前記回転体の回転速度を変更する機能と
    を実現させるためのコンピュータ・プログラム。
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