JP2018159340A - 真空ポンプの制御装置、およびポンプ装置 - Google Patents

真空ポンプの制御装置、およびポンプ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】真空ポンプの保管後の運転、あるいは停止後の運転を開始する際の作業効率を向上することができる真空ポンプの制御装置を提供する。【解決手段】排気機能部を構成するロータ3に設けられたシャフト10の一端を油潤滑式軸受8により支持する真空ポンプ1に用いる制御装置40は、通常運転を行う前に慣らし運転が必要か否かを判断し、その判断結果に基づき慣らし運転に関する信号を出力する制御部43を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、真空ポンプの制御装置、およびポンプ装置に関する。
ターボ分子ポンプのような真空ポンプでは、回転翼を有するロータと、固定翼とによりタービン排気部を構成する。ロータには、このロータと同軸にロータ軸が取付けられ、ロータは、ロータ軸をモータにより駆動して回転する。このような真空ポンプにおいて、ロータ軸の高真空側端部を永久磁石式磁気軸受により支持し、ロータ軸の低真空側端部をボールベアリングにより支持する構造とされたものが知られている。
ボールベアリングには、軸受の可動部分の摩擦および摩耗を抑制するために、グリースや潤滑油が供給される(例えば、特許文献1参照)。
特許公表2006−525466号公報
上記のように、ボールベアリングによりロータ軸の一端側を支持する構造の真空ポンプでは、長期間保管したり、長期間停止したりすると、グリースや潤滑油がボールベアリングの可動部分に適量供給されていない状態となることがある。この状態で通常運転を行うと、軸受温度が上昇し、軸受の損傷、寿命時間の低下の原因となる。
(1)本発明の好ましい実施形態による真空ポンプの制御装置は、排気機能部を構成するロータに設けられたシャフトの一端を油潤滑式軸受により支持する真空ポンプの制御装置であって、通常運転を行う前に慣らし運転が必要か否かを判断し、その判断結果に基づき慣らし運転に関する信号を出力する制御部を備える。
(2)上記真空ポンプの制御装置の好ましい態様では、制御部が慣らし運転が必要と判断して慣らし運転要の信号を出力するとき、制御部は、慣らし運転が必要であることを報知部で報知する処理を実行するか、または慣らし運転処理を実行する。
(3)(2)の真空ポンプの制御装置においては、好ましくは、制御部が慣らし運転処理を実行するとき、制御部は、慣らし運転を実行中に慣らし運転の残り時間を演算し、残り時間を報知部から報知する処理を実行する。
(4)(1)〜(3)の真空ポンプの制御装置では好ましくは、真空ポンプの停止期間、モータ電流、軸受の温度および軸受振動の少なくとも1つに基づいて慣らし運転の要否を判断する。
(5)ポンプ装置は、(1)〜(4)の真空ポンプの制御装置と、真空ポンプとを備える
(6)このポンプ装置の好ましい態様では、真空ポンプは、軸受を冷却媒体で冷却する冷却装置を備える。
(7)上記冷却装置の好ましい態様では、慣らし運転が必要と判断されると軸受に冷却媒体を導入し、慣らし運転が必要ではないと判断されると、冷却媒体の軸受への導入を停止する電磁バルブを備える。
本発明によれば、真空ポンプの保管後の運転開始時や停止後の運転開始時の作業効率を向上し、かつ、真空ポンプの信頼性を向上することができる。
図1は、本発明に係る真空ポンプの一例としてのターボ分子ポンプの断面図である。 図2は、電源装置の概略構成を示すブロック図である。 図3は、本発明の第1の実施形態の処理を示すフローチャートである。 図4(A)は、連続慣らし運転のシーケンスの一例を示す図であり、図4(B)は、図4(A)に示された点線の枠内の1つのステップにおけるモータ電流−モータ回転数の特性図である。 図5は、間欠慣らし運転のシーケンスの一例を示す図である。 図6は、本発明の第2の実施形態の処理を示すフローチャートである。 図7は、本発明の第3の実施形態の処理を示すフローチャートである。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
−第1の実施形態−
図1は、本発明に係る真空ポンプ1の一例としてのターボ分子ポンプの断面図である。以下では、真空ポンプ1の一実施の形態を、ターボ分子ポンプを例として説明する。なお、ターボ分子ポンプには電力を供給する電源部と、電源部を駆動制御するとともにポンプモータなどを駆動制御する制御部などを備える電源装置40(図2参照)が接続されるが、図1では図示を省略した。
図1に示す真空ポンプ1は、排気機能部として、タービン翼排気部(排気機能部)P1と、ねじ溝排気部P2とを備えている。
タービン翼排気部P1は、ポンプロータ3に形成された複数段の回転翼30と、ケーシング12側に配置された複数段の固定翼20とで構成される。回転翼30と固定翼20とは、軸方向に交互に配置されている。各固定翼20は、その外周側の周縁がこの固定翼20間に配置されたスペーサ5で挟持されることにより固定されている。ねじ溝排気部P2は、タービン翼排気部P1の下流側に設けられている。ねじ溝排気部P2は、ベース2の内側に設けられた不図示のねじステータと、ポンプロータ3の下端部に設けられたロータ円筒部31により構成されている。ねじステータとロータ円筒部31の一方には、ねじステータとロータ円筒部31との対向面側にねじ溝が形成されている。
ポンプロータ3は回転軸であるシャフト10にねじ等により締結されており、シャフト10はモータ4により回転駆動される。モータ4としては、例えば、DCブラシレスモータが用いられる。図示はしないが、ベース2にモータステータが設けられ、シャフト10にモータロータが設けられている。シャフト10の高真空側端部は、永久磁石6a、6bを用いた永久磁石式磁気軸受6と軸受9とにより回転自在に支持されている。軸受9は、転がり軸受である。また、シャフト10の低真空側端部は転がり軸受であるボールベアリング8により回転自在に支持されている。
永久磁石6a、6bは、軸方向に磁化されたリング状の永久磁石である。ポンプロータ3に設けられた複数の永久磁石6aは、同極同士が対向するように軸方向に複数配置されている。一方、固定側の複数の永久磁石6bは、ケーシング12に固定された磁石ホルダ11に装着されている。これらの永久磁石6bも、同極同士が対向するように軸方向に複数配置されている。ポンプロータ3に設けられた永久磁石6aの軸方向位置は、その内周側に配置された永久磁石6bの位置よりも若干上側となるように設定されている。すなわち、回転側の永久磁石の磁極は、固定側の永久磁石の磁極に対して軸方向に所定量だけずれている。この所定量の大きさによって、永久磁石式磁気軸受6の支持力が異なる。図1に示す例では、永久磁石6aの方が図示上側に配置されているため、永久磁石6aと永久磁石6bとの反発力により、ラジアル方向の支持力と軸方向上向き(ポンプ吸気口26側方向)の力とがポンプロータ3に働いている。
磁石ホルダ11の中央には、軸受9を保持する軸受ホルダ13が設けられている。軸受9は、シャフト10上部のラジアル方向の振れを制限するタッチダウン軸受として機能するものである。定常回転状態ではシャフト10と軸受9とが接触することはなく、大きな外乱が加わった場合や、回転の加速時または減速時にシャフト10の振れ回りが大きくなった場合に、シャフト10が軸受9に接触する。
シャフト10の下端軸10aは、ボールベアリング8により支持されている。ボールベアリング8は油潤滑式の転がり軸受である。ボールベアリング8としては、例えば、アンギュラコンタクト玉軸受が用いられる。ボールベアリング8は、外輪81、内輪82、および外輪81と内輪82との間に配置された転がり素子83を有する。転がり素子83の全表面には、外輪81および内輪82の各内面との摩擦を低減するためのグリース(図示せず)が塗着されている。ボールベアリング8は、ベース2の支持部2aと、不図示の締結部材によりベース2に固定されたリング形状の取付部材63との間に配置されている。シャフト10の下端軸10aは、ボールベアリング8の内輪82の内側を挿通され、その先端部がボールベアリング8の下方に突出している。ボールベアリング8は、取付部材63の貫通孔から挿通され、シャフト10の下端軸10aの先端部に螺合されるナット68により固定されている。
ナット68は、センサーターゲットの機能も有している。ナット68の下方には回転センサ32が配置されている。ベース2の底面中央部には、下部カバー19が取付けられている。
油潤滑式のボールベアリング8とは、グリースや潤滑油(以下、「潤滑剤」という)が軸受内部に充填されている軸受である。軸受とは別に潤滑剤を充填して貯留する潤滑剤貯留部材を設けて軸受に潤滑剤を供給する装置を付加したものでもよい。このような潤滑剤供給装置では潤滑剤を軸受と貯留部材との間で循環させてもよい。
ベース2には、ガスパージ用通路24が、ベース2の外周からボールベアリング8の収容部まで半径方向に延在されて設けられている。ガスパージ用通路24の入口には、電磁バルブ25が配置されている。電磁バルブ25を駆動することにより、冷媒源51、通路52、電磁バルブ25を介してガスパージ用通路24に冷却ガス等の冷却媒体が導入される。ボールベアリング8は、後述する慣らし運転中に、ガスパージ用通路24に導入される冷却媒体により冷却される。
すなわち、第1の実施形態の真空ポンプは冷却装置を備えている。冷却装置は、冷媒源51と、冷却対象であるボールベアリング8に冷媒を導くための通路52,24と、通路52に設置された上記電磁バルブ25とを備えている。
なお、通常運転時においても、ボールベアリング8を冷却する必要条件が成立すると冷媒で冷却するようにしてもよい。
ベース2には、表示器33が取付けられている。表示器33は、慣らし運転中に、慣らし運転の残り時間を表示する。このことについては、後述する。
ケーシング12の上部には吸気口26が設けられており、ベース2には排気ポート27が設けられている。永久磁石によりシャフト10を磁気浮上させ、モータ4によりポンプロータ3を高速回転駆動することにより、吸気口26から吸引されたプロセスガスが、タービン翼排気部P1およびねじ溝排気部P2を経由して、排気ポート27の排気口から排気される。
電源装置40(図2参照)は、真空ポンプ1の近傍に配置され、真空ポンプ1に設けられたモータ4、表示器33等に接続される。電源装置40をベース2の下面側に取付け、電源装置一体型のポンプ装置とすることもある。ポンプ装置は、真空ポンプ1と電源装置40とを備えて構成される。
図2は、電源装置の概略構成を示すブロック図である。
電源装置40は、AC/DC変換回路41、DC/DCコンバータ42、制御回路43、モータ駆動回路44、記憶部45、演算部46、タイマー47、電流センサ34、回生ブレーキ抵抗35等を備えている。AC/DC変換回路41は電源装置40に入力される交流電力を直流電力に変換する。AC/DC変換回路41の直流電力は、モータ駆動回路44に供給される。また、AC/DC変換回路41から出力された直流電力は、DC/DCコンバータ42により低電圧の直流電力に変換され、制御回路43に供給される。タイマー47は、不図示のバッテリから電源電圧を供給されて、常時、時刻をカウントアップしている。タイマー47の時刻情報は、制御回路43を介して記憶部45に記憶される。回生ブレーキ抵抗35は、ポンプロータ3の減速時の回生電力を消費するために設けられている。モータ4を停止する際、回生電流は、制御回路43からの指令によってモータ駆動回路44から回生ブレーキ抵抗35に通電される。回生ブレーキ抵抗35は回生電流により発熱して回生電力を消費する。
モータ駆動回路44は制御回路43の指令に基づき動作する。モータ駆動回路44は、回転センサ32の回転情報に基づいてモータ4を回転駆動する。図示はしないが、モータ駆動回路44は、インバータを備えており、このインバータをPWM指令により制御する。電流指令として出力するPWM信号のデューティ比を変えてモータ電流を変化させることにより、モータトルク制御を行っている。モータ電流の値は、電流センサ34により検出している。電流センサ34によって検出された電流値は制御回路43に入力される。
制御回路43は、回転センサ32からの情報に基づき、モータ4の駆動を制御すると共に、記憶部45に記憶された前回停止した時刻情報と、次に起動した起動時刻とに基づいて、真空ポンプ1の停止期間を算出して、慣らし運転の要否を判断する。
本発明の課題について、より詳細に説明する。
真空ポンプ1を出荷して設置するまでに長期間保管したり、長期間、運転を停止したりすると、ボールベアリング8の転動部等の可動部分に潤滑剤が適量供給されていない状態となることがある。ボールベアリング8の可動部分に潤滑剤が適量供給されていない状態で通常運転を行うと、可動部分における摩擦熱が大きくなり、ボールベアリング8の温度が急激に上昇する。ボールベアリング8の温度の急激な上昇は、ボールベアリング8を損傷したり、寿命を低下したりする原因となる。
しかし、ボールベアリング8の可動部分に供給されている潤滑剤の状態は、真空ポンプ1の負荷や設置する場所の環境等により異なるため、慣らし運転を行う必要があるか否かを適切に判断することは困難である。このため、従来では、保管期間や停止期間がある程度長ければ、慣らし運転を行うことを推奨しており、慣らし運転を行う必要が無いにも拘わらず無駄な手間が掛かる場合があった。
そこで、本発明では、慣らし運転を行う必要があるか否かを適切に判断することが可能な真空ポンプ1を提供するものである。
以下、上記課題を解決するための一例を説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態におけるポンプ起動処理のフローチャートである。図3に示すポンプ起動処理は、真空ポンプ1の電源が投入されると開始される。なお、図3に示す処理を行う前に、予め、記憶部45には、慣らし運転が必要とされる停止期間(基準値)が記録されている。また、以下に示す処理方法で明らかなように、記憶部45には、前回、真空ポンプ1を停止した時刻が記録されている。
真空ポンプ1が装着された真空処理装置等の主装置より電源ON信号が入力されと、モータ駆動回路44および制御回路43等に電源電力が供給される。不図示の電源スイッチを操作して、モータ駆動回路44および制御回路43に通電を開始するようにしてもよい。
ステップS11では、タイマー47においてカウントされている現在の時刻、つまり、真空ポンプ1の起動時刻が制御回路43により読み出され、記憶部45に記録される。
ステップS12において、記憶部45に記録されている、前回、真空ポンプ1が停止した時刻と現在の時刻との間隔、すなわち、真空ポンプ1の停止期間が、制御回路43の指令により演算部46で算出される。そして、制御回路43の指令により、真空ポンプ1の停止期間が予め記憶部45に記憶されている慣らし運転が必要とされる停止期間より大きいか否かが判断される。
真空ポンプ1の停止期間が慣らし運転が必要とされる停止期間より長くないと判断されれば、ステップS14に進み、通常運転の開始処理が行われる。モータ駆動回路44は制御回路43の指令に基づき動作し、回転センサ32の回転情報に基づいて通常の駆動制御によりモータ4を回転駆動する。
真空ポンプ1の停止期間が慣らし運転が必要とされる停止期間より長いと判断されれば、ステップS13の慣らし運転処理を行い、慣らし運転が完了した後、ステップS14に進み、通常運転処理が行われる。慣らし運転は、真空ポンプ1の停止期間が慣らし運転が必要とされる停止期間より長いと判断されれば、ステップS13において自動的に開始される。慣らし運転のシーケンスについては後述する。慣らし運転中は、表示器33に慣らし運転中であることを表示する。
通常運転終了時には、ステップS15において、制御回路43の制御により、タイマー47でカウントされている現在の時刻が記憶部45に記憶され、真空ポンプ1の停止処理が行われる。真空ポンプ1は、真空ポンプ1が装着された真空処理装置等の主装置からの停止信号により停止する。不図示の真空ポンプ1の電源スイッチを操作してOFFにするようにしてもよい。
慣らし運転のシーケンスについて説明する。
慣らし運転として、連続慣らし運転と、間欠慣らし運転との2つの運転シーケンスを例に挙げて説明する。まず、連続慣らし運転について説明する。
(連続慣らし運転)
図4(A)は、連続慣らし運転のシーケンスの一例を示す図であり、図4(B)は、図4(A)に示された点線の枠内の1つのステップにおけるモータ電流−モータ回転数の特性図である。
連続慣らし運転では、モータ4の回転数を、定格回転数まで段階的に上昇させていく。図4(A)では、定格回転数までを10ステップに分割し、各ステップの目標回転数がステップ毎に定格回転数の10%ずつ増加させるシーケンスとして例示されている。
図4(B)に示すように、モータ4を第1ステップの目標回転数とすべくモータ駆動回路44内のインバータを駆動制御すると、電流値は、設定された目標回転数に達する前に最大となり、一旦、低減し、目標回転数R10に達した時点で安定する。安定した電流値が所定時間継続したら、次のステップの目標回転数に達するように、モータ駆動回路44内のインバータを駆動制御する。このインバータ駆動制御により、モータ4の回転数が各ステップの目標回転数に制御される。このようなモータ電流制御を繰り返し行うことにより、モータ回転数を定格回転数まで徐々に増加させる。
上記では、モータ4の目標回転数を10段階で定格回転数まで上昇させる例を示した。すなわちステップ数を10回として例示した。このステップ数は、10回以外の任意な回数に設定することができる。ただし、各ステップの目標回転数が真空ポンプ1の共振点と一致しないようにする必要がある。
慣らし運転を行うことにより、ボールベアリング8の可動部分全体に潤滑剤が適量供給されるようになり、モータ4の回転数を、定格回転数まで上昇させることが可能となる。モータ電流値が、通常運転時における定格回転数の電流値(定格電流)で安定していることを検出した時点で、慣らし運転処理を終了して通常運転処理が開始される。慣らし運転を終了する際のモータ電流を、定格電流と同一ではなく、例えば、定格電流の90%にする等、許容差を設けて設定するようにしてもよい。
(間欠慣らし運転)
図5は、間欠慣らし運転のシーケンスの一例を示す図である。
第1の実施形態の真空ポンプに採用される間欠慣らし運転では、モータ4の回転数を定格回転数以下の目標回転数まで上昇させ、目標回転数に達したら、回生ブレーキ抵抗35を用いて停止させる動作を繰り返す。間欠慣らし運転における目標回転数は、長期保管によって軸受の潤滑性能が悪化しているとき、いきなり通常運転の定格回転数でモータを駆動すると軸受の耐久性に悪影響が出るので、定格回転数よりも小さい回転数を目標値とするものである。
図5では、慣らし運転時のモータ4の目標回転数を、通常運転時の定格回転数の90%として例示している。90%は一例であり、真空ポンプが採用する軸受の種別などによって適宜設定することができる。たとえば、耐久性,信頼性の観点から90%未満の任意のパーセントに設定することができる。あるいは、停止期間が長いほど目標回転数を低い値に設定することもできる。
モータ4の間欠駆動を数回繰り返すと、ボールベアリング8の可動部全体に潤滑剤が適量供給されるようになり、モータ4の回転数を、定格回転数まで上昇させることが可能となる。モータ4の電流値が、通常運転時における定格回転数の電流値で安定したことを検出した時点で、慣らし運転が終了する。
なお、慣らし運転を終了する際のモータ電流を、定格電流と同一ではなく、例えば、定格電流の90%にする等、許容差を設けて設定するようにしてもよい。
間欠慣らし運転制御を具体的に説明する。
ボールベアリング8の可動部に供給されている潤滑剤の状態等によっては、慣らし運転時におけるモータ4の回転数が目標回転数に達しないこともある。図5における点線は、このような一例を示す。慣らし運転時において、定格回転数の90%を目標回転数としてモータに通電を行っても、モータ4の回転数が目標回転数に達しない場合、図5では60%までしか回転数が上昇しない。
そこで、目標回転数より低い回転数で安定した場合は、一旦停止後に再度駆動させる。それを繰り返し、定格回転数の90%を目標回転数として慣らし運転を続ける。そして、モータ電流が定格回転数のときのモータ電流値を基準とした所定の許容差内に収まった時点を慣らし運転の完了時とする。
このようにモータ4を間欠駆動すると、駆動の都度、ボールベアリング8の可動部分に供給される潤滑剤の量が適正値に近付くように増大していき、これと共に、図5に点線で示すように、慣らし運転時の最高回転数が定格回転数の60%、70%強のように増加していく。そして、通常運転における定格回転数でのモータ電流値が目標回電流、例えば、5A±10%に達して安定したときを、間欠慣らし運転の終了時とする。
(慣らし運転の残り時間表示)
慣らし運転中に、慣らし運転の残り時間を表示させることも可能である。
慣らし運転の残り時間を予測する方法の一例を下記に示す。
(i)連続慣らし運転の場合
連続慣らし運転を採用する場合、既に完了したステップに要した時間に基づいて、残りのステップに要する時間を予測する。例えば、図4に例示するように、各ステップにおける目標回転数を定格回転数の10%ずつ増加させる場合、すなわち、n回のステップ数の連続慣らし運転の場合は次のように残り時間を計算することができる。モータ回転数が各ステップの目標回転数となるまでの時間をΔtとすると、すでにm回ステップが完了した状態であれば、慣らし運転の残り時間はΔt(n−m)である。各ステップにおける目標回転数増加量が異なる場合には、各ステップの慣らし運転に要する時間を目標回転数増加量の割合に比例させて増減して求め、残りのステップの慣らし運転時間の合計を算出する。
自動モードと手動モードをユーザが設定可能とし、自動モードが設定されているときに上述した慣らし運転の要否を判定し、慣らし運転が要のときに上述した慣らし運転処理を行うようにしてもよい。自動/手動モード設定が採用されないときは、上述したシーケンスでポンプを駆動制御すればよい。
(ii)間欠慣らし運転の場合
間欠慣らし運転を採用する場合、既に完了した間欠慣らし運転駆動時間に基づいて、残りの運転駆動時間を予測する。間欠慣らし運転の場合、図5に実線で示すように、通常運転で設定される目標回転数、あるいはその目標回転数に所定の倍率を乗じた値の目標回転数に達するまでの1回の間欠駆動に要する時間を測定し、測定した時間に基づき慣らし運転完了条件が満足するまでの残りの時間を予測する。
上述したように、間欠慣らし運転の場合、モータ4の回転数が目標回転数に達しない場合がある。この場合には、回転数増加率を用いる(図5に傾斜角αで示す)。回転数増加率は、常に一定ではなく、間欠駆動の回数に比例して大きくなる。具体的には、図5に示すように、時点t31に最大回転数に達する2回目の駆動時の回転数増加率α2は、時点t21に最大回転数に達する初回駆動時の回転数増加率α1よりも大きい。これは、慣らし運転初期におけるボールベアリング8に塗着されている潤滑剤の分布状態が、間欠駆動の回数に比例して良好になるためである。慣らし運転の残り時間の予測は、このような駆動回数に比例して目標回転数に達するまでの時間が短くなることも考慮して行う。間欠慣らし運転の複数回の慣らし運転工程において、回転数増加率を計算し、この増加率に基づき間欠慣らし運転完了条件が満足するまでの時間を予測する。
慣らし運転の残り時間は、表示器33にて表示する。表示器33による表示は、数値による表示の他、表示灯により表示してもよい。慣らし運転の残り時間が所定の時間以下になったら、表示灯を点灯したり、あるいは、残り時間の長さに応じて、表示灯の色を変えるようにしたりしてもよい。また、表示に代えて音声により報知したり、表示および音声による報知としたりしてもよい。
(手動慣らし運転)
図3に示すフローチャートのステップS12において、真空ポンプ1の停止期間が慣らし運転が必要とされる停止期間より長いと判断された場合、自動的に慣らし運転を行うのではなく、手動により慣らし運転を行うようにしてもよい。
この処理の一例を示すと、真空ポンプ1の停止期間が慣らし運転が必要とされる停止期間より長いと判断された場合、表示器33に慣らし運転が必要であることを表示する。この表示に基づいて、操作者は、図2に点線で示すスイッチ48を操作する。スイッチ48が操作されると、制御回路43の指令により、上述したいずれかの方式に基づく慣らし運転が実行される。
自動モードと手動モードをユーザが設定可能とし、手動モードのときに慣らし運転が必要である旨が報知されたときに手動慣らし運転を行うようにしてもよい。手動モードで慣らし運転が不要であるときは、不要である旨の報知を行なうことなく通常運転処理を開始するようにしてもよい。
第1の実施形態によれば、下記の効果を奏する。
(1)第1の実施の形態の真空ポンプ1の電源装置40は、排気機能部を構成するロータに設けられたシャフトの一端を油潤滑式ボールベアリング8により支持する真空ポンプに用いられる。電源装置40は、通常運転を行う前に慣らし運転が必要か否かを判断し、その判断結果に基づき慣らし運転に関する信号を出力する制御回路43を備える。
このため、慣らし運転が必要なときにのみ慣らし運転を行い、慣らし運転が必要でないときに慣らし運転を行うことはない。これにより、ポンプの保管や停止後に運転する際の作業効率を向上することができる。
慣らし運転の判断は、真空ポンプの停止期間が基準値以上であるか否かに基づいて行う。基準値は、真空ポンプ1が装着される主装置から受ける負荷や、真空ポンプ1を設置する環境に応じて変えることができる。このため、慣らし運転が必要か否かの判断を適切なものとすることが可能となる。
(2)制御回路43が慣らし運転が必要と判断し、慣らし運転要の信号を出力する場合、制御回路43は、慣らし運転が必要であることを報知する処理を実行するか、または慣らし運転処理を実行する。
このため、慣らし運転が必要な場合に、確実に慣らし運転を実行することができる。ユーザの指示がなくても慣らし運転処理を自動で行うことにより、ボールベアリング8の損傷や劣化が確実に防止され、真空ポンプの信頼性が向上する。自動的に慣らし運転が開始されない場合でも、慣らし運転の要否をユーザに報知するので、ユーザは確実に慣らし運転の開始を指示することができ、真空ポンプの信頼性を向上することができる。また、ユーザは不要な慣らし運転を行う必要がなく、通常運転を開始するまでの時間を短縮することができる。
(3)第1の実施の形態の真空ポンプ1は、慣らし運転を実行中に慣らし運転の残り時間を報知する報知部として表示器33を備える。制御回路43は、表示器33に残り時間を表示するため、残り時間の演算を行い、表示器33に残り時間を表示する処理を実行する。このため、ユーザはいつ通常運転が開始されるかを認識することができる。
(4)第1の実施の形態の真空ポンプでは、真空ポンプの停止期間に基づいて慣らし運転の要否を判断するように構成した。そのため、ポンプ停止時刻とポンプ起動時刻を保持し、その差分を計算してポンプ停止期間を計算する、単純な構成とすることができる。コストが大きく増大することがない。
(5)第1の実施の形態の真空ポンプは、ボールベアリング8を冷却媒体で冷却する冷却装置を備える。慣らし運転におけるボールベアリング8の温度上昇を抑制することができ、真空ポンプの耐久性に寄与する。
(6)冷却装置は、慣らし運転が必要と判断されるとボールベアリング8に冷却媒体を導入し、慣らし運転が必要ではないと判断されると、冷却媒体のボールベアリング8への導入を停止する開閉装置としての電磁バルブ2を備える。不必要な冷媒供給が防止される。
−第2の実施形態−
図6は、本発明の第2の実施形態の処理工程を示すフローチャートである。
第1の実施形態では、慣らし運転が必要か否かを、真空ポンプの停止期間に基づいて判断するものであった。第2の実施形態では、慣らし運転が必要か否かを、真空ポンプの停止期間以外のパラメータに基づいて判断するものである。
図6に示す処理を行う場合、予め、記憶部45に、慣らし運転要否判定値である基準モータ電流値が記録される。慣らし運転が必要とされる基準モータ電流値は、通常運転時における定格回転数でのモータ電流値(定格電流)に基づいて設定される。例えば基準モータ電流値は、定格電流より高い基準電流値±10%の範囲に設定することができる。通常運転時の定格電流が5Aとすると、5Aを越えた、たとえば8Aの±10%の範囲内を基準モータ電流値として設定することができる。
電源がONされると、ステップS21で試し運転が実行される。試し運転は、次のステップにおいて慣らし運転が必要か否かが判断可能であればよく、ごく短時間の運転でよい。この試し運転におけるモータ制御は、たとえば通常運転時のモータ駆動条件と同一とすることができる。
ステップS22では、制御回路43において、電流センサ34から入力される現在のモータ電流値が、記憶部45に記録されている基準モータ電流値より大きいか否か、すなわち、基準値外であるか否かが判断される。この判断は、試し運転中または所定時間試し運転を行った後に行われる。現在のモータ電流値が基準モータ電流値より小さければ、すなわち、モータ電流値が基準値内であればステップS24に進み、通常運転が行われる。現在のモータ電流値が基準モータ電流値より大きければ、すなわち、モータ電流値が基準値外であればステップS23に進み、慣らし運転を行い、慣らし運転が完了後、ステップS24に進んで通常運転が行われる。慣らし運転は、第1の実施形態で説明した通りである。
そして、通常運転が終了し、電源がOFFされれば、真空ポンプ1が停止する。
ステップS22でこのように判断して慣らし運転の要否を判断するのは、発明者らが、軸受転動面の潤滑剤が不足しているときは、不足していないときに比べて、モータ電流が高い値を示すことを利用して慣らし運転の要否判断を行うことに思い至ったからである。すなわち、第2の実施形態では、潤滑剤不足による負荷増大によりモータ電流が大きくなる現象を利用して慣らし運転の要否判断を行っている。
(第2の実施形態の変形例1)
上記では、慣らし運転が必要か否かをモータ電流値に基づいて判断するものであった。
しかし、慣らし運転が必要か否かをボールベアリング8の温度に基づいて判断することもできる。
第2の実施形態の変形例1では、図1および図2を参照すると、ベース2のボールベアリング8には、ボールベアリング8の温度を測定する温度センサ22が取付けられている。制御回路43には、温度センサ22からの情報が入力される。
慣らし運転が必要か否かをボールベアリング8の温度に基づいて判断するには、予め、記憶部45に、慣らし運転が必要とされるボールベアリング8の基準温度を記録しておく。ボールベアリング8の基準温度は、通常運転時の定格回転数におけるボールベアリング8の温度に基づいて設定される。そして、試し運転を行って、ステップS22で、制御回路43において、温度センサ22から入力される現在の温度が、記憶部45に記録されている基準温度より大きいか否か、すなわち、基準値外であるか否かが判断される。現在のボールベアリング8の温度が基準温度より低ければ、すなわち、ボールベアリング8の温度が基準値内であればステップS24に進み、通常運転が行われる。ボールベアリング8の温度が基準温度より高ければ、すなわち、ボールベアリング8の温度が基準値外であればステップS23に進み、慣らし運転を行い、慣らし運転が完了後、ステップS24に進んで通常運転が行われる。
変形例1において、ステップS22でこのように判断して慣らし運転の要否を判断するのは、発明者らが、軸受転動面の潤滑剤が不足しているときは、不足していないときに比べて、ボールベアリング8の温度が高い値を示すことを利用して慣らし運転の要否判断を行うことに思い至ったからである。変形例1では、潤滑剤不足による負荷増大によりボールベアリング8の温度が大きくなる現象を利用して慣らし運転の要否判断を行っている。
(第2実施形態の変形例2)
第2の実施形態の変形例2では、図1および図2を参照すると、ベース2のボールベアリング8付近には、振動センサ23が取付けられている。振動センサ23は、ボールベアリング8の外周に取付けてもよい。制御回路43には、振動センサ23からの情報が入力される。
慣らし運転が必要か否かをボールベアリング8付近の振動状態に基づいて判断するには、予め、記憶部45に、慣らし運転が必要とされるボールベアリング8付近の基準振動量(振動値)を記録しておく。基準振動量としては、例えば、振幅、周波数、位相等に関する要素、あるいは変位、速度、加速度等のパラメータ等、振動状態を示すものであれば制限は無い。例えば、ボールベアリング8の可動部全体に適正な量の潤滑剤が供給されていない場合には、ポンプロータ3に回転数に依存しない周波数の振動を検出することができる。ボールベアリング8付近の基準振動量は、通常運転時の定格回転数におけるボールベアリング8付近の振動量に基づいて設定される。
試し運転中に、あるいは、所定時間試し運転を行った後、ステップS22に進んで、制御回路43において、振動センサ23から入力される現在の振動量が、記憶部45に記録されている基準振動量より大きいか否か、すなわち、基準値外であるか否かが判断される。現在のボールベアリング8付近の振動が基準振動量より小さければ、すなわち、ボールベアリング8付近の振動が基準値内であればステップS24に進み、通常運転が行われる。ボールベアリング8付近の振動が基準振動量より大きければ、すなわち、ボールベアリング8付近の振動が基準値外であればステップS23に進み、慣らし運転を行い、慣らし運転が完了後、ステップS24に進んで通常運転が行われる。
なお、慣らし運転の要否をボールベアリング8付近の振動状態に基づいて行うのでなければ、真空ポンプ1に振動センサ23を設置する必要は無い。
第1の実施形態と同様に、第2の実施形態においても、自動的に慣らし運転を行うのではなく、手動により慣らし運転を行うようにしてもよい。また、慣らし運転中に、残りの慣らし運転時間を報知するようにしてもよい。
第2の実施形態は、慣らし運転が必要か否かの判断を、第1の実施形態における真空ポンプの停止期間に基づく判断に代え、モータ電流、ボールベアリング8の温度あるいはボールベアリング8付近の振動状態に基づいて行うようにした点が相違する。
よって、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
−第3の実施形態−
第3の実施の形態の真空ポンプにあっては、次のような起動処理を行う。
i)真空ポンプ1を起動した後に、通常運転を行う前に、第1または第2の実施形態で示したようにポンプ停止期間に基づき、第1および第2の実施形態で示した手順で慣らし運転の要否を判断ずる。
ii)慣らし運転が不要と判断されたときに直ちに通常運転を開始せず、試し運転を行って再度、慣らし運転の要否を判断する。この要否判断は、ポンプ電流、ベアリング温度、ベアリング振動のいずれか一つ、あるいは組み合わせに基づき行う。
iii)試し運転で慣らし運転が必要であると判断された時は、第1および第2の実施の形態で説明したのと同様な慣らし運転を行う。
以下に、このような方法の一例を示す。
図7は、本発明の第3の実施形態を示すフローチャートである。
図7に示す処理を行う場合、予め、記憶部45に、前回、真空ポンプ1を停止した時刻、および慣らし運転要否判定値である基準モータ電流値が記録される。
図7に示す処理のステップS31およびステップS32は、第1の実施形態のステップS11およびステップS12と同じである。
ステップS32で、真空ポンプ1の停止期間が慣らし運転が必要とされる停止期間より長いと判断されれば、ステップS33の慣らし運転を行い、慣らし運転が完了した後、ステップS36に進んで通常運転が行われる。
真空ポンプ1の停止期間が慣らし運転が必要とされる停止期間より長くないと判断されると、ステップS34に進み、試し運転が行われる。試し運転では、通常運転における定格回転数でモータ4を短時間だけ駆動制御する。すなわち、慣らし運転が必要とされるか否かが判断可能となる最小限の時間だけ試し運転を行う。
試し運転中、ステップS35において、モータ電流値が基準値外であるか否かが判断される。定格回転数でのモータ電流値が基準値外であると判断されればステップS33に進み慣らし運転が実行される。定格回転数でのモータ電流値が基準値外でないと判断されればステップS36に進み通常運転処理を開始する。この後、通常運転が終了し、電源がOFFされれば、真空ポンプ1が停止する。
第3の実施形態においても第2の実施形態と同様、ステップS35において、慣らし運転が必要であるか否かをモータ電流値に基づいて判断する方法に代えて、ボールベアリング8の温度またはボールベアリング8付近の振動状態により判断するようにしてもよい。
第1、第2の実施形態と同様に、第3の実施形態においても、自動的に慣らし運転を行うのではなく、手動により慣らし運転を行うようにしてもよい。また、慣らし運転中に、残りの慣らし運転時間を報知するようにしてもよい。
第3の実施形態においても、真空ポンプ1を起動した後、通常運転を行う前に、慣らし運転が必要か否か判断し、その判断結果に基づく信号を出力する。従って、第1、第2の実施形態と同様な効果を奏する。
特に、第3の実施形態では、真空ポンプ1の停止期間が慣らし運転が必要な期間を超えていない場合でも直ちに通常運転を行うのではなく、さらに、モータ電流値、ボールベアリング8の温度あるいはボールベアリング8付近の振動量のいずれか一つ、あるいはすべてを計測し、この計測値のいずれかが基準を超えている場合にのみ通常運転に移行するようにした。このため、真空ポンプ1の使用条件や設置場所の環境等により、真空ポンプ1の慣らし運転が必要とされる停止期間に変化が生じ、基準の停止期間より短くなった場合にも対応することができる。これにより、通常運転に移行する際の信頼性を向上することができる。
なお、上記実施形態では、真空ポンプ1を、タービン翼排気部P1とねじ溝排気部P2とを有する真空ポンプ1として例示したが、本発明は、タービン翼排気部P1のみを有する真空ポンプに適用することができる。
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
1 真空ポンプ
3 ポンプロータ
8 油潤滑式ボールベアリング(軸受)
9 軸受
10 シャフト
22 温度センサ
23 振動センサ
24 ガスパージ用通路 25 電磁バルブ
32 回転センサ
33 表示器
34 電流センサ
43 制御回路(制御部)
44 モータ駆動回路
45 記憶部
47 タイマー
51 冷媒源
P1 タービン翼排気部(排気機能部)

Claims (7)

  1. 排気機能部を構成するロータに設けられたシャフトの一端を油潤滑式軸受により支持する真空ポンプに用いる制御装置であって、
    通常運転を行う前に慣らし運転が必要か否かを判断し、その判断結果に基づき慣らし運転に関する信号を出力する制御部を備える、真空ポンプの制御装置。
  2. 請求項1に記載の真空ポンプの制御装置において、
    前記制御部が慣らし運転が必要と判断して慣らし運転要の信号を出力するとき、前記制御部は、慣らし運転が必要であることを報知部で報知する処理を実行するか、または慣らし運転処理を実行する、真空ポンプの制御装置。
  3. 請求項2に記載の真空ポンプの制御装置において、
    前記制御部が慣らし運転処理を実行するとき、前記制御部は、慣らし運転を実行中に慣らし運転の残り時間を演算し、前記残り時間を前記報知部から報知する処理を実行する、真空ポンプの制御装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の真空ポンプの制御装置において、
    前記制御部は、真空ポンプの停止時間、モータ電流、軸受の温度および前記軸受の振動の少なくとも1つに基づいて慣らし運転の要否を判断する、真空ポンプの制御装置。
  5. 請求項1から4までのいずれか1項に記載の真空ポンプの制御装置と、
    前記真空ポンプとを備える、ポンプ装置。
  6. 請求項5に記載のポンプ装置において、
    前記真空ポンプは、軸受を冷却媒体で冷却する冷却装置を備える、ポンプ装置。
  7. 請求項6に記載のポンプ装置において、
    前記冷却装置は、慣らし運転が必要と判断されると前記軸受に冷却媒体を導入し、前記慣らし運転が必要ではないと判断されると、前記冷却媒体の前記軸受への導入を停止する電磁バルブを備える、ポンプ装置。
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