JP2012200820A - スピンドル制御装置及びスピンドル制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回転パラメータ値が、予め設定された閾値以上か否かを判定する判定部14と、閾値以上と判定されたときに、最高許容回転数よりも小さい回転数で主軸が回転するように回転信号を出力して暖機運転を行わせると共に、閾値よりも小さいと判定されたときに、最高許容回転数で主軸が回転するように通常運転を行わせる運転モード切替部16と、を備え、制御部本体10は、暖機運転がなされた後、主軸を最高許容回転数で再度回転するようにモータ制御部3に回転信号を出力すると共に、判定部12に判定を再度行わせることを特徴としている。
【選択図】図1
Description
一般にスピンドルは、使用中、定格回転数内における最高回転数で高速回転させられるように運転がなされるが、例えば長期間使用されず、その間運転が停止していた場合には、軸受を潤滑している潤滑油やグリース等の各種潤滑剤が固化するおそれがあった。そのため、運転を長期間停止していた後にスピンドルの運転を行う場合、スピンドルを上記最高回転数で高速回転させてしまうと、潤滑不良により軸受の異常発熱や焼き付き等を引き起こしてしまう場合があった。
なお、潤滑剤の固化による軸受の潤滑不良が生じている場合には、駆動モータに負荷がかかるので上記回転パラメータ値が大きくなる。そのため、この回転パラメータ値を指標とすることで潤滑不良の有無を判定することが可能である。
そして、回転パラメータ値と閾値との比較を行い、通常運転または暖機運転の各運転の切り替えを行っている。ここで、回転パラメータ値は、駆動モータの電流値及び電力値のうち少なくとも一方であるので、例えば電流センサ等により瞬時に測定できる。したがって、簡単な構成で暖機運転の要否を瞬時に判定して適切に暖機運転を行うことができ、軸受の良好な潤滑性を確保できる。
また、暖機運転が所定時間なされた後、主軸を最高許容回転数で再度回転させ、判定部で再度判定を行っているので、再度の暖機運転の要否を判定でき、軸受の異常発熱や焼き付き等を確実に防止できる。
以下に、本発明の第1実施形態のスピンドル制御装置及びスピンドル制御方法につき図面を参照して説明する。
図1は、第1実施形態のスピンドル制御装置1の機能ブロック図である。
図1に示すように、第1実施形態のスピンドル制御装置1は、スピンドル5の駆動モータ7を制御するモータ制御部3と、モータ制御部3を制御する制御部本体10と、を備えている。
スピンドル5は、例えばフライス加工を行う旋盤や研削加工等を行う研削盤等の回転工作機械に使用され、軸受により軸支された主軸と、この主軸を回転させる駆動モータ7と、により構成されている。なお、軸受及び主軸については図示を省略している。
軸受に軸支された主軸は、先端に砥石やバイト等の工具が取り付けられており、駆動モータ7によって主軸の中心軸回りに回転可能となっている。
駆動モータ7を制御するモータ制御部3は、例えば直流電源を3相交流電流に変換する、いわゆるインバータである。モータ制御部3の内部には、例えば電流センサ(不図示)が内蔵されており、駆動モータ7のU相、V相、W相の各相に流れる電流値を測定し、電力値を算出できるようになっている。測定された電流値及び算出された電力値は、後述する制御部本体10に、回転パラメータ値として入力される。
モータ制御部3を制御する制御部本体10は、CPUやROM、RAM等の制御部品、及び各種インターフェースによって構成されている。
制御部本体10は、モータ制御部3に対し、回転信号としてモータの回転数指令を出力し、このモータの回転数指令に応じた周波数で、スイッチング素子をスイッチングさせている。
判定部14には、モータ制御部3から回転パラメータ値が入力される。ここで、回転パラメータ値とは、スピンドル5の主軸が無負荷且つ定格回転数における最高許容回転数で回転させられた状態における駆動モータ7に流れる電流値及び駆動モータ7で消費される電力値のことをいう。判定部14は、この回転パラメータ値と、予め設定された閾値との比較を行い、回転パラメータ値が閾値以上か否かを判定している。なお、閾値の設定については後述する。
具体的には、判定部14において、回転パラメータ値が閾値以上と判定されたときに、最高許容回転数よりも小さい回転数で主軸が回転するようにモータ制御部3に回転信号を出力し、スピンドル5の暖機運転を行っている。また、これと共に、判定部14において、回転パラメータ値が閾値よりも小さいと判定されたときに、最高許容回転数を維持した状態で主軸が回転するようにモータ制御部3に回転信号を出力し、スピンドル5の通常運転を行っている。
運転モード判定部16には、モータ制御部3から、通常運転時における回転パラメータ値が入力される。運転モード判定部16は、この回転パラメータ値と、予め設定された運転モード閾値との比較を行い、回転パラメータ値が運転モード閾値以上か否かを判定している。なお、運転モード閾値の設定については後述する。
具体的には、運転モード判定部16において、回転パラメータ値が運転モード閾値以上と判定されたときに、回転信号の出力を停止してモータ制御部3を停止させ、スピンドル5の運転を停止している。
図2は、第1実施形態のスピンドル制御装置1により行われるスピンドル制御方法の制御フローチャート40である。
図3は、各閾値の設定フローチャート50である。
本実施形態では、スピンドル制御装置1により制御フローチャート40に従って制御を行う前に、各閾値の設定フローチャート50に従って予め閾値及び運転モード閾値の設定を行っている。
以下では、図3に示す各閾値の設定フローチャート50を説明した後、図2に示すスピンドル制御方法の制御フローチャート40について説明する。
図3に示すように、設定フローチャート50では、閾値及び運転モード閾値の設定を行っている。ここで、閾値とは、スピンドル5の軸受に封入されたグリース等の潤滑剤が馴染んだ状態で、無負荷且つ定格回転数における最高回転数でスピンドル5を運転したときの、駆動モータ7に流れる電流値及び駆動モータ7の電力値に、通常の環境下で生じる許容量を加えた値とする。なお、本実施形態では、運転モード閾値は、閾値と同一の値に設定される。
まず始めに、各閾値の設定フローチャート50では、スピンドル5の慣らし運転処理S51を行う。
ここで、スピンドル5の慣らし運転とは、主軸に回転抵抗がない無負荷の状態、且つスピンドル5の定格回転数における最高許容回転数よりも低い回転数で、所定時間スピンドル5を回転させることをいう。具体的な慣らし運転処理S51の運転方法としては、例えば、最高許容回転数10000rpmのスピンドル5の場合、主軸を無負荷とし、主軸の回転数を3600rpm〜7500rpmの範囲で設定をして、30分以上回転させて行っている。
例えば、長期間スピンドル5の運転を停止していた場合には、グリースが固化してしまい、軸受の良好な潤滑性が得られない。また、グリースが固化した状態で、いきなりスピンドル5の高速回転を行うと、潤滑不良により軸受の異常発熱や焼き付き等を引き起こしてしまうおそれがある。しかし、無負荷且つ最高許容回転数よりも低い回転数で慣らし運転処理S51を行うことにより、グリースを軸受内で十分に分散させることができ、軸受の良好な潤滑性を確保できる。このような理由から、閾値及び運転モード閾値の設定に際し、スピンドル5の慣らし運転処理S51を行っている。
潤滑剤馴染み判定処理S53で潤滑剤が十分に馴染んだと判定された場合にはYesと判定され、次の処理に進む。また、潤滑剤馴染み判定処理S53で潤滑剤が十分に馴染んでいないと判定された場合にはNoと判定され、再度継続して所定時間慣らし運転処理S51を行う。
電流/電力検出処理S55では、無負荷且つ最高許容回転数で回転しているスピンドル5の駆動モータ7に流れる電流値の測定、及び駆動モータ7の消費電力の算出を行っている。電流値の測定は、例えば、モータ制御部3であるインバータに内蔵された電流センサにより行われ、電流センサにより測定された電流値を基に、モータ制御部3内で消費電力が算出される。
ここで、閾値及び運転モード閾値として設定される電流値及び電力値は、潤滑剤が軸受内で十分に分散され、良好な潤滑性が確保された状態で検出された値である。したがって、後述するスピンドル制御方法の制御フローチャート40においてスピンドル5を無負荷で運転した時、電流値及び電力値が閾値及び運転モード閾値以上となった場合には、回転抵抗負荷が大きく軸受の潤滑不良のおそれがあると判定できる。
以上で、各閾値の設定フローチャート50が終了する。
以下に、本実施形態のスピンドル制御方法について、図2に示す制御フローチャート40を用いて説明する。
本実施形態のスピンドル制御では、まず始めにスピンドル起動処理S41を行う。
スピンドル起動処理S41では、主軸に回転抵抗がない無負荷とし、制御部本体10からモータ制御部3に対して、回転信号として定格回転数における最高許容回転数の回転数指令を出力している。これにより、スピンドル5は起動される。
図4は、スピンドル5の起動時に検出される電流値のイメージ図である。
図5は、スピンドル5の起動時に検出される電力値のイメージ図である。
続いて、閾値判定処理S43を行う。なお、図4に示す電流値31,32と閾値33との比較による閾値判定処理S43での処理、及び図5に示す電力値35,36と閾値37との比較による閾値判定処理S43での処理は同一である。したがって、以下では、図4に示す電流値31,32と閾値33との比較による閾値判定処理S43での処理について述べ、図5に示す電力値35,36と閾値37との比較による閾値判定処理S43での処理についての説明は省略する。
ここで、閾値判定処理S43で使用される閾値33は、前述のとおり潤滑剤が十分に馴染んでいる状態で検出された電流値に、通常の環境下で生じる許容量を加えた値とする。(図3における設定フローチャート50参照)したがって、スピンドル5を起動してから整定時間t0経過後における電流値31が閾値33以上である場合には、潤滑剤が十分に馴染んでおらず主軸の回転抵抗が高い状態であるといえる。そして、この状態でスピンドル5の運転を継続した場合には、電流値31が閾値33よりも高い値のまま回転し(図4における電流値31a参照)、潤滑不良により軸受の異常発熱や焼き付き等を引き起こしてしまうおそれがある。
ここで、スピンドル5を起動してから整定時間t0経過後における電流値32が閾値33よりも小さい場合には、潤滑剤が十分に馴染んでおり主軸の回転抵抗が低い状態であるといえる。したがって、この状態でスピンドル5の運転を継続しても、潤滑不良により軸受の異常発熱や焼き付き等を引き起こすことはない。
続いて、閾値判定処理S43で検出された電流値が閾値33以上であると判定された場合には、暖機運転処理S46を行う。
暖機運転処理S46は、主軸に回転抵抗がない無負荷の状態、且つスピンドル5の定格回転数における最高許容回転数よりも低い回転数で、所定時間スピンドル5を回転させて行っている。そして、所定時間経過後に暖機運転処理S46を終了し、再度閾値判定処理S43を行っている。なお、ここでいう所定時間とは、スピンドル5の暖機運転をしたときに、グリースを軸受内で十分に分散させることができ、軸受の良好な潤滑性を確保できる時間をいう。
閾値判定処理S43で検出された電流値が閾値33よりも小さいと判定された場合には、通常運転処理S45を行う。通常運転処理S45は、主軸の負荷が定格負荷以下の状態、且つスピンドル5の定格回転数における最高許容回転数よりも低い回転数でワークの加工を行っている。なお、図2の制御フローチャート40への記載は省略するが、通常運転処理S45では、駆動モータ7に流れる電流値の測定を常時行っている。そして、例えば、主軸の負荷が定格負荷以上となり、駆動モータ7に定格電流値以上の過電流が流れた場合には、スピンドル5の加工工程で異常が発生したと判断してスピンドル5の運転を停止している。
また、通常運転処理S45の際に、所定間隔毎に運転モード閾値判定処理S47を行っている。運転モード閾値判定処理S47では、電流値及び電力値が運転モード閾値以上であるか否かを判定している。なお、電流値と運転モード閾値との比較、及び電力値と運転モード閾値との比較による運転モード閾値判定処理S47での処理は同一である。したがって、以下では、電流値と運転モード閾値との比較について述べ、電力値と運転モード閾値との比較についての説明は省略する。
例えばワークの加工終了後、次のワークの加工を開始する前に、主軸に回転抵抗がない無負荷の状態となる。この無負荷の状態で、スピンドル5の定格回転数における最高許容回転数でスピンドル5を回転させたときの電流値と、運転モード閾値との比較を行って運転モード閾値判定処理S47の判定をしている。
そして、運転モード閾値判定処理S47で検出された電流値が運転モード閾値以上であると判定された場合には、運転モード閾値判定処理S47でYesと判定される。
したがって、通常運転処理S45における電流値が運転モード閾値以上である場合には、主軸に焼き付き等の異常が発生しており、回転抵抗が高い状態であるといえる。そこで、運転モード閾値判定処理S47では、検出された電流値が運転モード閾値以上であると判定された場合、運転モード閾値判定処理S47でYesと判定して、スピンドル5の停止処理S49を行う。
本実施形態によれば、主軸に回転抵抗がない無負荷且つ定格回転数における最高許容回転数でスピンドル5を運転し、このときの駆動モータ7の電流値31,32及び電力値35,36を回転パラメータ値として、判定部14に予め設定された閾値33,37と比較して閾値判定処理S43を行っている。
なお、潤滑剤の固化による軸受の潤滑不良が生じている場合には、駆動モータ7に負荷がかかるので上記回転パラメータ値が大きくなる。そのため、この回転パラメータ値を指標とすることで潤滑不良の有無を判定することが可能である。
そして、回転パラメータ値と閾値33,37との比較を行い、通常運転処理S45または暖機運転処理S46の各運転処理の切り替えを行っている。ここで、回転パラメータ値は、駆動モータ7の電流値31,32及び電力値35,36であるので、例えば電流センサ等により瞬時に測定できる。したがって、簡単な構成で暖機運転処理S46の要否を瞬時に判定して適切に暖機運転処理S46を行うことができ、軸受の良好な潤滑性を確保できる。
また、暖機運転処理S46が所定時間なされた後、主軸を最高許容回転数で再度回転させ、判定部14で再度判定処理S43を行っているので、再度の暖機運転処理S46の要否を判定でき、軸受の異常発熱や焼き付き等を確実に防止できる。
図6は、第2実施形態のスピンドル制御装置1の機能ブロック図である。
以下に、本発明の第2実施形態のスピンドル制御装置1について、図6を参照して説明する。
上述した第1実施形態のスピンドル制御装置1は、図1に示すように、回転パラメータ値と閾値との比較を行う判定部14、回転パラメータ値と運転モード閾値との比較を行う運転モード判定部16、及びスピンドル5の運転を停止させる運転モード停止部18を備えていた。これに対して、第2実施形態のスピンドル制御装置1は、図6に示すように、判定部14及び運転モード判定部16に加えて、温度判定部24、運転モード温度判定部26、及び運転モード温度停止部28を備えている点で、第1実施形態のスピンドル制御装置1と構成が異なっている。
また、第2実施形態のスピンドル5は、温度測定部9を備えている点で、第1実施形態のスピンドル5と構成が異なっている。
なお、第1実施形態と同様の構成の部分については、詳細な説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態のスピンドル5は、温度測定部9を備えている。温度測定部9は、スピンドル5の軸受の温度を測定すると共に、その温度測定値を制御部本体10に出力している。温度測定部9は、例えばサーミスタや熱電対等により構成されており、軸受内または軸受近傍に配置されている。
制御部本体10は、温度判定部24を備えている。
温度判定部24には、温度測定部9から、スピンドル5の主軸が無負荷且つ定格回転数における最高許容回転数で回転させられた状態における軸受の温度測定値が入力される。そして、温度判定部24は、この温度測定値と、予め設定された温度閾値との比較を行い、温度測定値が温度閾値以上か否かを判定している。なお、温度閾値の設定については後述する。
具体的には、温度判定部24において、温度測定値が温度閾値以上と判定されたときに、最高許容回転数よりも小さい回転数で主軸が回転するように、モータ制御部3に回転信号を出力して暖機運転を行う。また、これと共に、温度判定部24において、温度測定値が温度閾値よりも小さいと判定されたときに、最高許容回転数を維持した状態で主軸が回転するように、モータ制御部3に回転信号を出力して通常運転を行う。
運転モード温度判定部26には、モータ制御部3から、通常運転時における温度測定値が入力される。そして、運転モード温度判定部26では、この温度測定値と、予め設定された運転モード温度閾値との比較を行い、温度測定値が運転モード温度閾値以上か否かを判定している。なお、運転モード温度閾値の設定については後述する。
具体的には、運転モード温度判定部26において、温度測定値が運転モード温度閾値以上と判定されたときに、回転信号の出力を停止してモータ制御部3を停止させ、スピンドル5の運転を停止している。
図7は、第2実施形態のスピンドル制御装置1により行われるスピンドル制御方法の制御フローチャート60である。
図8は、第2実施形態の各閾値の設定フローチャート70である。
以下に、本発明の第2実施形態のスピンドル制御方法ついて、図7及び図8を参照して説明する。
これに対して、第2実施形態のスピンドル制御方法は、図7に示すように、閾値判定処理S43及び運転モード閾値判定処理S47に加えて、温度閾値判定処理S63及び運転モード温度閾値判定処理S67を備えている点で、第1実施形態のスピンドル制御方法と構成が異なっている。
これに対して、第2実施形態の設定フローチャート70では、図8に示すように、電流/電力検出処理S55及び閾値/運転モード閾値設定処理S57に加えて、軸受温度測定処理S75及び温度閾値/運転モード温度閾値設定処理S77を備えている点で、第1実施形態のスピンドル制御方法と構成が異なっている。
なお、第1実施形態と同様の構成の部分については、詳細な説明を省略する。
図8に示すように、設定フローチャート70では、閾値及び運転モード閾値の設定に加え、温度閾値及び運転モード温度閾値の設定を行っている。
ここで、温度閾値とは、スピンドルの軸受に封入されたグリース等の潤滑剤が馴染んだ状態で、無負荷且つ定格回転数における最高回転数でスピンドルを運転したときの、軸受の温度測定値をいう。また、本実施形態では、運転モード温度閾値は、温度閾値と同一の値に設定される。
以上で、各閾値の設定フローチャート70が終了する。
以下に、第2実施形態のスピンドル制御方法について、図7に示す制御フローチャート60を用いて説明する。
図9は、スピンドル5の起動時に検出される温度測定値のイメージ図である。
本実施形態のスピンドル制御方法では、閾値判定処理S43の後に温度閾値判定処理S63を行う。温度閾値判定処理S63では、スピンドル5の起動時に検出された軸受の温度測定値41,42を基に、温度測定値41,42が温度閾値43以上であるか否かの判定を行っている。
具体的には、図9に示すように、温度測定値41が検出された場合、温度測定値41は温度閾値43以上となっている。ここで、温度閾値判定処理S63で使用される温度閾値43は、前述のとおり潤滑剤が十分に馴染んでいる状態で測定された温度測定値である(図8における設定フローチャート70参照)。
具体的には、図9に示すように、温度測定値42が検出された場合、スピンドル5の起動後、温度測定値42は温度閾値43よりも低い値となっている。
そこで、温度閾値判定処理S63では、検出された温度測定値が温度閾値43よりも低いと判定された場合、温度閾値判定処理S63でNoと判定して、通常運転処理S45を行う。
また、通常運転処理S45の際に、運転モード閾値判定処理S47の後、運転モード温度閾値判定処理S67を行っている。運転モード温度閾値判定処理S67では、主軸に回転抵抗がない無負荷の状態、且つスピンドル5の定格回転数における最高許容回転数でスピンドル5を回転させたときの温度測定値と、運転モード温度閾値との比較を行っている。そして、運転モード温度閾値判定処理S67で測定された温度測定値が、運転モード温度閾値以上であると判定された場合には、運転モード温度閾値判定処理S67でYesと判定される。
したがって、通常運転処理S45における温度測定値が運転モード温度閾値以上である場合には、主軸に焼き付き等の異常が発生しており、回転抵抗が高い状態であるといえる。そこで、運転モード温度閾値判定処理S67では、温度測定値が運転モード温度閾値以上であると判定された場合、運転モード温度閾値判定処理S67でYesと判定して、スピンドル5の停止処理S49を行う。
そこで、運転モード温度閾値判定処理S67では、温度測定値が運転モード温度閾値よりも低いと判定された場合、運転モード温度閾値判定処理S67でNoと判定して、通常運転処理S45を継続している。
本実施形態によれば、軸受の温度を直接測定し、温度閾値と比較して暖機運転の要否判定をしているので、軸受の異常発熱や焼き付き等をより確実に防止できる。また、電流値及び電力値のうち少なくとも一方と閾値との比較を行い、暖機運転の要否判定をする判定部14に加えて、温度測定値と温度閾値との比較を行い、暖機運転の要否判定をする温度判定部24を備えているので、より正確に暖機運転処理S46の要否判定ができる。
また、第2実施形態では、温度閾値と運転モード温度閾値とを同一の値に設定していたが、温度閾値と運転モード温度閾値とを異なる値に設定してもよい。
Claims (8)
- 軸受で軸支された主軸、及び該主軸を回転させる駆動モータを備えたスピンドルの運転を制御するスピンドル制御装置であって、
前記駆動モータの回転を制御するモータ制御部と、
該モータ制御部に回転信号を出力して前記主軸が所望の回転数で回転するようにモータ制御部を制御すると共に、モータ制御部から前記駆動モータの回転パラメータ値が入力される制御部本体と、を備え、
前記回転パラメータ値は、前記駆動モータの電流値及び電力値のうちの少なくとも一方の値とされ、
前記制御部本体は、
前記主軸が無負荷且つ定格回転数における最高許容回転数で回転させられた状態における前記回転パラメータ値が、予め設定された閾値以上か否かを判定する判定部と、
前記閾値以上と判定されたときに、前記最高許容回転数よりも小さい回転数で前記主軸が回転するように前記モータ制御部に前記回転信号を出力して暖機運転を行わせると共に、前記閾値よりも小さいと判定されたときに、前記最高許容回転数を維持した状態で前記主軸が回転するように前記モータ制御部に前記回転信号を出力して通常運転を行わせる運転モード切替部と、を備え、
前記制御部本体は、前記暖機運転が所定時間なされた後、前記主軸を前記最高許容回転数で再度回転するように前記モータ制御部に前記回転信号を出力すると共に、前記判定部に前記判定を再度行わせることを特徴とするスピンドル制御装置。 - 請求項1に記載のスピンドル制御装置であって、
前記制御部本体は、
前記通常運転時、前記主軸に対する負荷が無負荷とされた状態における前記回転パラメータ値を予め設定された運転モード閾値と比較して、該運転モード閾値以上か否かを判定する運転モード判定部と、
前記運転モード閾値以上と判定されたときに、前記モータ制御部を停止させる運転モード停止部と、を備えていることを特徴とするスピンドル制御装置。 - 請求項1または2に記載のスピンドル制御装置であって、
前記軸受の温度を測定すると共に、その温度測定値を前記制御部本体に出力する温度測定部を備え、
前記制御部本体は、
前記主軸が無負荷且つ定格回転数における最高許容回転数で回転させられた状態における前記温度測定値が、予め設定された温度閾値以上か否かを判定する温度判定部を備え、
前記運転モード切替部は、
前記温度測定値が前記温度閾値以上と判定されたときに前記暖機運転を行わせると共に、前記回転パラメータ値及び前記温度測定値の両方が前記閾値及び前記温度閾値よりも小さいと判定されたときに前記通常運転を行わせ、
前記制御部本体は、前記暖機運転が所定時間なされた後、前記主軸を前記最高許容回転数で再度回転するように前記モータ制御部に前記回転信号を出力すると共に、前記判定部及び前記温度判定部に前記判定を再度行わせることを特徴とするスピンドル制御装置。 - 請求項3に記載のスピンドル制御装置であって、
前記制御部本体は、
前記通常運転時における前記温度測定値を予め設定された運転モード温度閾値と比較して、該運転モード温度閾値以上か否かを判定する運転モード温度判定部と、
前記運転モード温度閾値以上と判定されたときに、前記モータ制御部を停止させる運転モード温度停止部と、を備えていることを特徴とするスピンドル制御装置。 - 軸受で軸支された主軸、及び該主軸を回転させる駆動モータを備えたスピンドルの運転を制御するスピンドル制御方法であって、
前記駆動モータの回転を制御するモータ制御部と、
該モータ制御部に回転信号を出力して前記主軸が所望の回転数で回転するようにモータ制御部を制御すると共に、モータ制御部から前記駆動モータの回転パラメータ値が入力される制御部本体と、を備え、
前記回転パラメータ値は、前記駆動モータの電流値及び電力値のうちの少なくとも一方の値とされ、
前記制御部本体は、
前記主軸が無負荷且つ定格回転数における最高許容回転数で回転させられた状態における前記回転パラメータ値が、予め設定された閾値以上か否かを判定する閾値判定処理を行い、
前記閾値以上と判定されたときに、前記最高許容回転数よりも小さい回転数で前記主軸が回転するように前記モータ制御部に前記回転信号を出力して暖機運転処理を行うと共に、前記閾値よりも小さいと判定されたときに、前記最高許容回転数を維持した状態で前記主軸が回転するように前記モータ制御部に前記回転信号を出力して通常運転処理を行い、
前記制御部本体は、前記暖機運転処理が所定時間なされた後、前記主軸を前記最高許容回転数で再度回転するように前記モータ制御部に前記回転信号を出力すると共に、前記閾値判定処理を再度行うことを特徴とするスピンドル制御方法。 - 請求項5に記載のスピンドル制御方法であって、
前記制御部本体は、
前記通常運転処理時、前記主軸に対する負荷が無負荷とされた状態における前記回転パラメータ値を予め設定された運転モード閾値と比較して、該運転モード閾値以上か否かを判定する運転モード閾値判定処理を行い、
前記運転モード閾値以上と判定されたときに、前記モータ制御部を停止させる停止処理を行うことを特徴とするスピンドル制御方法。 - 請求項5又は6に記載のスピンドル制御方法であって、
前記軸受の温度を測定すると共に、その温度測定値を前記制御部本体に出力し、
前記制御部本体は、
前記主軸が無負荷且つ定格回転数における最高許容回転数で回転させられた状態における前記温度測定値が、予め設定された温度閾値以上か否かを判定する温度閾値判定処理を行い、
前記温度測定値が前記温度閾値以上と判定されたときに前記暖機運転処理を行うと共に、前記回転パラメータ値及び前記温度測定値の両方が前記閾値及び前記温度閾値よりも小さいと判定されたときに前記通常運転処理を行い、
前記制御部本体は、前記暖機運転処理が所定時間なされた後、前記主軸を前記最高許容回転数で再度回転するように前記モータ制御部に前記回転信号を出力すると共に、前記閾値判定処理及び前記温度閾値判定処理を再度行うことを特徴とするスピンドル制御方法。 - 請求項7に記載のスピンドル制御方法であって、
前記制御部本体は、
前記通常運転時における前記温度測定値を予め設定された運転モード温度閾値と比較して、該運転モード温度閾値以上か否かを判定する運転モード閾値判定処理を行い、
前記運転モード温度閾値以上と判定したときに、前記モータ制御部を停止させる停止処理を行うことを特徴とするスピンドル制御方法。
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---|---|---|---|
JP2011068033A JP5643694B2 (ja) | 2011-03-25 | 2011-03-25 | スピンドル制御装置及びスピンドル制御方法 |
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JP2013233610A (ja) * | 2012-05-08 | 2013-11-21 | Fanuc Ltd | 工作機械の暖機運転制御装置 |
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JPH1079070A (ja) * | 1996-09-03 | 1998-03-24 | Toshiba Corp | 自動取引装置 |
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