JP5711185B2 - 薄型の電子機器に使用する流体動圧軸受の寿命を延長する方法および電子機器 - Google Patents

薄型の電子機器に使用する流体動圧軸受の寿命を延長する方法および電子機器 Download PDF

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本発明は、薄型の電子機器に使用する流体動圧軸受の摩耗を低減する技術に関する。
ノートブック型パーソナル・コンピュータ(ノートPC)やタブレット端末などの薄型の電子機器は、放熱ファン、ハードディスク・ドライブ、または光学ドライブなどの回転機構を含むデバイスを搭載する。そしてこれらの回転機構は多くの場合に、小型化および薄型化などの点で優れているすべり軸受を採用している。すべり軸受は摩擦を低減するための潤滑形態により、軸と軸受の間の摺動面に流体潤滑膜を形成する方式と、軸受の摺動面に特殊な固体物質を付与して摩擦や摩耗を低減する固体潤滑という方式に分類することができる。
流体潤滑膜による潤滑方式を採用した軸受は、シャフトの摺動面を支える圧力を得る方式の違いにより流体動圧軸受(Fluid Dynamic Bearing)と流体静圧軸受(Fluid Dynamic Bearing)に分類することができる。流体動圧軸受では、シャフトと軸受の相対すべり運動によって流体潤滑膜に動圧を発生させる。流体静圧軸受では、軸受の外部から加圧した潤滑流体を摺動面に供給して流体潤滑膜にシャフトを支持する圧力を付与する。
特許文献1は、流体動圧軸受を組み込んだアウターロータ型のファン・モータを開示する。同文献には、鋳鉄部の軸部材の間に充填された潤滑油が軸部材の相対回転時に流体潤滑状態を形成することが記載されている。特許文献2は、軸受の潤滑状態を評価するストライベック曲線について開示する。特許文献3は、電子システムの電源がオフになったときに電機子コイルを短絡してブレーキをかけ、慣性によりモータが回転し続けている間にユーザが接触してけがをしたり、電源の再開が遅れることを防いだりする技術を開示する。特許文献4は、電源が切断されたときに、ファン・モータの駆動部に過大な電流を流さないようにするために、モータに複数の制動信号を付与する。制動回路はモータを発電制動するための抵抗素子を備えている。
特開2010−249182号公報 特開2011−126976号公報 特開2007−159391号公報 特開2011−172300号公報
軸受は、シャフトからラジアル荷重を受けるラジアル軸受とスラスト荷重を受けるスラスト軸受に分類することができる。ラジアル方向の荷重を支持する流体動圧軸受は、シャフトが回転している間にシャフトと軸受を流体潤滑膜で完全に分離して両者が直接接触しないようにしているため、一般的に摺動面の損傷による故障は少ないと考えられている。ところが、近年の薄型の電子機器に採用されている流体動圧軸受(ラジアル軸受)は比較的故障が発生し易い傾向にある。そして故障現象を分析すると、大半がシャフトと軸受の隙間に金属粉が堆積したことによる焼き付きであることが判明している。
したがって、金属粉が堆積する原因を解明して適切な対策を講じる必要がある。そこで本発明の目的は、薄型の電子機器に使用する流体動圧軸受の寿命を延長することが可能な回転機構を提供することにある。さらに本発明の目的は、簡単な方法で流体動圧軸受の寿命を延長することが可能な回転機構を提供することにある。さらに本発明の目的は、流体動圧軸受の寿命を延長する方法およびそのような方法を採用した電子機器を提供することにある。
本発明は、薄型の電子機器の筐体の内部に搭載する回転機構に採用する流体動圧軸受の寿命を延長する技術に関する。本発明の原理は、所定の回転速度で回転するモータを停止する際に、制動力を加えた方が制動力を加えない場合よりも流体動圧軸受におけるメタル・コンタクトの総コンタクト時間が低減するという新たな知見に基づいている。回転体は、ラジアル方向が流体動圧軸受で支持されたシャフトに結合されている。モータはシャフトに駆動力を付与して回転させる。駆動部は、モータによるシャフトに対する駆動力を停止してからシャフトが停止するまでの間の少なくとも一部の期間においてモータに制動力を付与する。
その結果、回転体が惰性で回転するときよりも停止までの時間を短縮することができ、停止時の総コンタクト時間を低減することができる。電子機器に搭載する回転機構では一般に運転と停止の繰り返し頻度が高いため、停止時の流体動圧軸受の摩耗を低減することは寿命の延長に有効である。モータが回転体と永久磁石が取り付けられたロータが結合されたシャフトを流体動圧軸受が支持するアウターロータ型のブラシレス直流モータでとすることができる。このようなモータは、慣性モーメントおよび回転エネルギーが大きいため惰性で停止する場合には、遅い回転速度で動作する時間が長くなり、総コンタクト時間が長くなるため本発明が特に有効である。
薄型の電子機器の筐体の内部に搭載する回転機構では、流体動圧軸受のシャフト方向の長さLが短くなるため、混合潤滑または境界潤滑で動作し易くなり本発明が有効である。流体動圧軸受は多孔質部に潤滑油を含んだ焼結金属で形成することができる。そしてシャフトと流体動圧軸受の間隙にあらかじめ充填された潤滑油を含むように構成することができる。駆動部は、モータに印加する電圧をステップ状に低下させて制動力を加えることができる。この場合、駆動部に制動のための回路を追加する必要がなく速度制御だけを行う駆動部を利用して本発明を実現できる。
本発明により、薄型の電子機器に使用する流体動圧軸受の寿命を延長することが可能な回転機構を提供することができた。さらに本発明により、簡単な方法で流体動圧軸受の寿命を延長することが可能な回転機構を提供することができた。さらに本発明により、流体動圧軸受の寿命を延長する方法およびそのような方法を採用した電子機器を提供することができた。
回転機構の機械的な構造を示す断面図である。 流体動圧軸受103を拡大した図である。 流体動圧軸受103の寿命を延長するシステム200の機能ブロック図である。 ステップ状に速度を低下させてモータ107を停止させるときの様子を示す図である。 流体動圧軸受の設計パラメータを説明する図である。
流体動圧軸受の設計パラメータには、摺動面の接触圧力であるp値、摺動面の周速度であるV値、およびそれらの積であるpV値などがある。V値は、シャフトの回転速度に対応する。p値は軸受金属の疲労強度に関連し、V値はシャフトの振動による固体接触に関連し、pV値は発熱に関連する。ここに、接触圧力pは軸受の内径をD、軸受のシャフト方向の長さをL、およびシャフトによる軸受荷重をPとしたときにp=P/DLの関係がある。
そして、これらのパラメータには図5(A)に示すようにそれぞれ許容最大値が存在している。流体潤滑膜を形成する潤滑方式に関しては、摩擦係数と摩擦に関連する軸受のパラメータの関係を図5(B)に示すストライベック線図が説明している。ストライベック線図では、軸受の摩耗に関連する摩擦係数と、潤滑油の粘度η、V値、およびp値を組み合わせて計算した軸受定数(ηV/p)の関係により、動作状態を流体潤滑、混合潤滑、および境界潤滑に分類している。ここに軸受定数は、流体潤滑膜の厚さを支配するパラメータとしての意義を有している。
流体潤滑は、摺動面の荷重が十分な厚さの流体潤滑膜に支持されている動作領域で、シャフトと軸受が直接接触しないため摩擦は小さく摩耗はほとんど発生しない。流体潤滑は、一般的にはV値やpV値の制限を受けない。混合潤滑は、流体潤滑よりもp値が大きくなったり、V値が小さくなったりしたときの動作領域である。混合潤滑では、摺動面が薄い流体潤滑膜に支持されて軸受面とシャフトの凸部同士に接触が生ずるため、一般的にはpV値の制限を受ける。
境界潤滑は、混合潤滑よりもさらにp値が大きくなったり、V値が小さくなったりしたときの動作領域である。境界潤滑では、流体潤滑膜が摺動面の一部にしか存在しないため軸受面とシャフトの凸部同士の接触が混合潤滑よりも頻繁に発生し、一般的にはpV値やV値の制限を受ける。混合潤滑および境界潤滑では、シャフトと軸受の接触により軸受の内面が摩耗する。
電子機器に使用する流体動圧軸受は、通常の使用状態ではシャフトが鉛直方向を向くように配置されているため接触圧力pが小さく、さらに回転速度も比較的高速に設定できるため流体潤滑で動作させることができる。流体潤滑で動作する限りシャフトと軸受は接触しないため金属粉が発生することはないが、金属粉が発生している事実から推定するとシャフトと軸受が何らかの原因で金属粉を生成する程度以上に接触していることは明らかである。
シャフトと軸受が接触しているということは、設計パラメータを流体潤滑になるように設定したにもかかわらず流体動圧軸受が混合潤滑または境界潤滑で動作していると考えることができる。ここで、薄型の電子機器に搭載された回転機構に使用する流体動圧軸受に特有の故障原因が存在するか否かを検討してみる。薄型の電子機器に搭載する回転機構では軸受のシャフト方向の長さLが短くなる。
そのため軸受荷重Pが従来と同じであったとしても接触圧力(p=P/DL)が増加してその分だけ軸受定数(ηV/p)が低下する。また、軸受定数の低下を補うためにシャフトと軸受内面の隙間を可能な限り小さくして流体潤滑膜の動圧を増大させているために、軸受定数が低下して流体潤滑が崩れるとシャフトと軸受の直接接触(メタル・コンタクト)の頻度が一層増加する特質を備えている。
回転部が回転するときの運動エネルギーは、回転部の慣性モーメント(GD2)と角速度の2乗に比例する。回転部が惰性で自然に停止するときは、回転部の運動エネルギーを流体軸受とシャフトの摩擦力や回転体の風損などで消費するため、運動エネルギーが大きいほどまた消費エネルギーが小さいほど停止までの時間が長くなる。たとえば、電子機器の筐体の熱を放熱する放熱ファンでは慣性モーメントが大きく回転速度も速いため惰性で停止するまでの間に遅い回転速度で動作する時間が長くなる。このとき流体動圧軸受は遅い回転速度のときに混合潤滑または境界潤滑で動作していると考えられる。
ここで、シャフトに制動力を付与して停止すれば、惰性で停止させるよりも停止までの時間を短縮して混合潤滑または境界潤滑で動作する時間を短くできることは推定できるが、それが流体動圧軸受の摩耗の低減に有効か否かはさらに検証が必要である。本発明においては現実に摩耗が少なくなるかどうかを確証するために、特別な装置を開発した。その装置は、シャフトと流体動圧軸受の間に印加した電圧を監視して、電圧が低下したときに両者の接触を検出することができる。装置を接続した回転機構を回転させると、一定値以上の回転速度においては装置が継続的に高い電圧を検出するが、モータを惰性で停止させると停止するまでの間に電圧が上下してメタル・コンタクトが頻発していることがわかった。
つぎに、惰性で停止するよりも停止時間を短縮するために、モータの駆動力を停止した瞬間から停止するまでの間にシャフトに制動力を加えてみた。その結果、制動を付与して停止させるほうが惰性で停止させるよりもメタル・コンタクトの回数が少ないことがわかった。さらに、両者それぞれの1回当たりのメタル・コンタクトの合計時間(総コンタクト時間)も制動を付与した方が少なくなることがわかった。したがって、流体動圧軸受を備える回転機構を停止させる際には、惰性で停止させるよりも制動を付与した方が流体動圧軸受の摩耗を低減できることを確認できた。
図1は、薄型の電子機器の内部に搭載する、流体動圧軸受を採用した回転機構の断面図である。図2は、図1の軸受部分を拡大した図である。回転機構100は、モータ107と回転体111を含む。回転機構100が、電子機器の筐体の熱を放熱する放熱ファンの場合は回転体がブレードとなり、ハードディスク・ドライブまたは光学ドライブの場合はディスクおよびディスク・テーブルとなる。このような回転機構は、電子機器に搭載されるときはシャフトが鉛直方向を向くため、流体潤滑が十分に維持されている。
しかし、このような回転機構は電子機器の消費電力および騒音を低減するために、電子機器の動作状態に応じて頻繁に運転と停止を繰り返すため、停止時の流体動圧軸受に対するストレスが大きくなる。また、これらの回転機構は慣性モーメントが大きいため、惰性で停止するときは、モータの駆動を停止してから回転が停止するまで比較的長い時間を費やす。
ここに、惰性で停止するとは、モータのシャフト101に対する所定方向の駆動力を停止してから回転時の運動エネルギーを主としてシャフトの摩擦と回転部の風損で消費しながら停止することをいう。さらに惰性で停止するとは、モータの巻線の接続を変更したり駆動時と異なる極性の磁極を形成したりして発電制動、回生制動または逆転制動を付与しないことをいう。またモータによる駆動とは、回転体を目的に沿う方向に回転させることをいう。
モータ107は、ロータ115、ロータ115に結合されたシャフト101、シャフト101によるラジアル方向の軸受荷重を支持する流体動圧軸受103、流体動圧軸受103が使用する潤滑油をシールするシール・キャップ131、流体動圧軸受103を収納するハウジング133、ハウジング133に固定された電機子鉄心125、電機子鉄心125に巻回された電機子コイル123、およびロータ115の内側に固定された永久磁石121を含んで構成されている。
モータ107の下部には駆動部を実装した回路基板127が設けられている。モータ107は、ロータ115がシャフト101と一体になって電機子鉄心125の周囲を回転するアウターロータ型のブラシレスDCモータである。シャフト101が回転するときの慣性モーメントは、回転体111、ロータ115、永久磁石121、およびシャフト101の慣性モーメントの合計になり、インナーロータ型のブラシレスDCモータに比べて惰性で停止するまでの時間が長くなる。
一般に流体動圧軸受の中には、使用開始後にほとんど給油を必要としないオイルレス・ベアリング(無給油軸受または自己潤滑型軸受ともいう。)がある。オイルレス・ベアリングは、材料の違いによりプラスチック系、金属系、複層系、炭素黒鉛系、およびセラミック系などに分類することができる。金属系のオイルレス・ベアリングには、潤滑油を含油するための多孔質部を備える含油材料として、銅系または鉄系の粉末を焼結した焼結材、および特殊な処理をして多孔質化した鋳成銅合金材または成長鋳鉄材などがある。流体動圧軸受103は、銅系の焼結材に潤滑油を含油させた焼結含油軸受である。焼結材が含む潤滑油はシャフト101が回転するとポンプ作用でシャフト101と流体動圧軸受103の内面との間隙151に吸い出されシャフト101が停止すると毛細管現象で再び焼結材に入り込む。
流体動圧軸受103は、さらにあらかじめ間隙151に潤滑油を給油して使用する。その意味で流体動圧軸受103は、焼結材が含む潤滑油以外の潤滑油を使用しないオイルレス・ベアリングとは異なる。ただし、本発明は事前の給油を必要としないオイルレス・ベアリングに適用することもできる。流体動圧軸受103は動圧を効果的に生成するために内面に溝153を備えている。
シャフト101のスラスト荷重は、図示しないスラスト軸受で上下いずれの方向も負担する。スラスト軸受は本発明の説明に必要がないため説明を省略する。シール・キャップ131には多少の柔軟性があるため、シャフト101が停止して間隙151の潤滑油に動圧が生じない間は、シャフト101と流体動圧軸受103の内面がメタル・コンタクトする。シャフト101が回転するとポンプ作用により焼結材から吸い出された潤滑油とあらかじめ隙間151に充填された潤滑油がいわゆる油のくさびを形成して、シャフト101と流体動圧軸受103の間に動圧を生じさせる。
シャフト101が一定以上の回転速度で回転するときに、潤滑油膜の動圧がシャフト101と流体動圧軸受103がメタル・コンタクトをしないように分離する。所定の動圧が発生している間は、シャフト101は潤滑油膜の上を滑るように回転する。シャフト101はステンレスで形成されているため、停止時には動圧が小さくなるにしたがってシャフト101と流体動圧軸受103との間の潤滑油膜が薄くなってメタル・コンタクトが発生してシャフト101が焼結材を削り取る。削り取られた金属粉は間隙151に堆積して焼き付きの原因になる。
モータ107はアウターロータ型であるため、回転体111、ロータ115、永久磁石121およびシャフト101などによるラジアル方向のすべての軸受荷重は流体動圧軸受103が負担する。回転機構100は薄型化を図っているため軸受の長さLが短く軸受定数が小さい傾向にある。流体動圧軸受103は、動圧を大きくするために間隙151のサイズtを2μm〜4μm程度まで狭くしている。したがって流体動圧軸受103は回転速度が低下すると混合潤滑または境界潤滑で動作し易い。
図3は、流体動圧軸受103の寿命を延長するシステム200の機能ブロック図である。回転機構100は一例として、回転体111をブレードとする電子機器の放熱ファンとすることができる。システム200は、直流電源179、制御部181、駆動部177およびモータ107を含んでいる。直流電源179は、AC/DCアダプタまたは電池などの電力源と、電圧を所定の電圧に変換するDC/DCコンバータを含んでいる。
直流電源179は、制御部181、駆動部177、およびモータ107に所定の直流電圧で電力を供給する。システム181は、プログラム、温度センサ、およびコントローラなどで構成され、温度センサが検出した温度に応じてモータ107の回転速度を決定して駆動部177に速度設定値を送る。駆動部177は、システム181から受け取った速度設定値とモータ107の回転速度により速度制御したり停止したりする。駆動部177は、モータ107の回転速度を検出してシステム181に送る。
モータ107は、ステータの電機子鉄心125にスター接続で巻回された3個の電機子コイル123a〜123cと、ロータ115に取り付けられた極性の異なる2個の永久磁石121a、121bを含んでいる。電機子コイル123a〜123cの中性点は、ライン171で駆動部に接続されている。電機子コイル123a〜123cは、それぞれ直流電源179とグランドとの間に直列に接続された3対のN型のFET173a〜173cの中点に接続されている。
FET173a〜173cはそれぞれ、ハイサイドのFETのドレインが直流電源179に接続され、ローサイドのFETのソースがグランドに接続され、ゲートが駆動部177に接続されている。FET173a〜173cは、電機子コイル123a〜123cとの間で3個のHブリッジ回路を構成する。モータ107の構成は周知である。
つぎにシステム200の動作を説明する。制御部181は、現在の回転速度と温度センサの出力によりモータ107の回転速度を決定する。一例として制御部181は、モータの回転数を、4550、3850、3500、2800rpmの4段階のいずれかに制御するか停止させる。たとえば4550rpmで一定に制御するときに、制御部181はそれに対応する速度設定値を駆動部177に送る。
駆動部177は、モータ107の回転速度と速度設定値が一致するようにFET173a〜173dをPWM制御して、電機子コイル123a〜123cに印加する電圧を制御する。駆動部177は、あるタイミングではいずれか一つの対のハイサイドのFETと他の一つの対のローサイドのFETを選択して、モータ107が速度設定値に対応する回転速度で回転するようにそれらのデューティを調整する。残りのFETはオフになり、ローサイドのFETがオフになる電機子コイルは電流が流れないフローティング状態になる。
たとえば、電機子コイル123a、123cに流れた電流により生成された磁界が合成されて、磁界の空間ベクトルが形成される。駆動部177は、フローティング状態の電機子コイル123bに誘起された電圧を検出してロータ115の回転位置を検出しFET173a〜173cの動作を制御して磁界の空間ベクトルを回転させる。永久磁石121a、121bは、電機子コイル123a〜123cの回転するベクトル磁界から吸引力または反発力を受けてとベクトル磁界と同じ方向に回転する。
制御部181は、回転速度を変更するときに速度設定値を変更する。これまでの停止方法では、制御部181がモータ107の回転を停止するときに速度設定値をゼロにすると、駆動部177はデューティをゼロにしてFET173a〜173cをすべてオフにして惰性で停止させていた。このとき電機子コイル123a〜123cはすべてフローティング状態になり、モータ107の電磁力による制動力は生成されない。本実施の形態では制御部181が、モータ107を停止させる際に現在の回転速度に対応する速度設定値を回転速度の遅い速度設定値にステップ状に変更して駆動部177に送る。
図4は、ステップ状に速度を低下させてモータ107を停止させるときの様子を示す図である。ライン201は、惰性により停止する状態を示しており、時刻t0でFET173a〜173cをオフにしたときに、時刻t1で回転が停止する様子を示している。ライン203は、回転速度をステップ状に低下させたときに時刻t2で回転が停止する様子を示している。ライン203では、回生制動が行われるためステップ状の各回転速度間で低下する回転速度の単位時間当たりの低下率がライン201に比べて大きくなっている。
たとえば制御部181は、モータ107が4550rpmで回転しているときに回転を停止するために時刻t0で3850rpmに相当する速度設定値を送り、回転数が3850rpmまで減速するとただちに3500rpmに相当する速度設定値を送る。同様の手順で順番に2800、2000rpmに相当する速度設定値を送り、2000rpmまで減速するとただちに時刻t3ですべてのFET173a〜173cをオフにする。
すなわち、駆動部177が4550rpmで回転しているときに3850rpmに相当するデューティで電機子コイル123a〜123cの電圧を制御すると、3850rpmに回転数が低下するまでモータ107は直流発電機として動作し、FET173a〜173cのオン期間に直流電源179で電力が回収されて制動力が発生する。FET173a〜173cのオフ期間は回生制動が行われないため、オン期間の長い速い回転速度の方が制動力は大きい。したがって、4550rpmから2000rpmまで1段で回転速度を低下させるよりもステップ状に回転速度を低下させた方が停止までの時間を短くすることができる。実験の結果では図4のようにステップ状に回転速度を低下させることで、t2をt1の70%から90%程度まで短縮することができた。
制動を付与するためのステップ状の各回転速度は、通常動作で使用する回転速度とは異なるものであってもよい。上記構成は、モータ107を停止させるときに制御部181がステップ状の速度設定値を送るようにプログラムを変更するだけでよいため、ハードウェアの変更をしないでも実現することができる。また、ステップ状に減速する際に、駆動部177が電機子コイル123a〜123cを短絡して制動したり、逆方向に回転する磁界を発生させたりして制動したりすることも可能である。また、停止操作を開始してから完全に停止するまで制動を継続的に付与するようにしてもよい。
これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができることはいうまでもないことである。
101 シャフト
103 流体動圧軸受
107 モータ
111 回転体
115 ロータ
121 永久磁石
123 電機子コイル

Claims (8)

  1. 筐体の内部に回転機構を搭載する薄型の電子機器であって、前記回転機構が、
    ラジアル方向が流体動圧軸受で支持されたシャフトに結合されている回転体と、
    前記シャフトを回転させるブラシレス直流モータと、
    前記ブラシレス直流モータの複数の電機子コイルに中点がそれぞれ接続された複数のスイッチング素子の組と、
    前記複数のスイッチング素子の組をPWM制御して前記ブラシレス直流モータの回転速度を制御することが可能な駆動部とを有し、
    前記駆動部が、前記スイッチング素子の組に、現在の回転速度から最低の回転速度まで複数回ステップ状に下位のデューティ比を設定して所定の回転速度で回転する前記ブラシレス直流モータを停止させる電子機器。
  2. 前記ブラシレス直流モータが永久磁石を備えるロータが回転するアウターロータ型のモータである請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記流体動圧軸受が多孔質部に潤滑油を含んだ焼結金属で形成されている請求項1に記載の電子機器。
  4. 前記シャフトと前記流体動圧軸受の間隙にあらかじめ充填された潤滑油を含む請求項3に記載の電子機器。
  5. 前記ブラシレス直流モータが前記所定の回転速度で回転している間は、前記流体動圧軸受が流体潤滑で動作する請求項1に記載の電子機器。
  6. 前記回転機構が前記電子機器の筐体内部の熱を放熱する放熱ファンを構成する請求項1に記載の電子機器。
  7. 前記回転機構がハードディスク・ドライブまたは光学ドライブを構成する請求項1に記載の電子機器。
  8. 前記電子機器がノートブック型パーソナル・コンピュータまたはタブレット端末である請求項1に記載の電子機器。
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