JPH11136990A - 磁気ディスク回転駆動装置 - Google Patents

磁気ディスク回転駆動装置

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JPH11136990A
JPH11136990A JP9299254A JP29925497A JPH11136990A JP H11136990 A JPH11136990 A JP H11136990A JP 9299254 A JP9299254 A JP 9299254A JP 29925497 A JP29925497 A JP 29925497A JP H11136990 A JPH11136990 A JP H11136990A
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JP
Japan
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coil group
magnetic disk
drive
speed
phase
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JP9299254A
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Hiroyoshi Toyoshima
弘祥 豊島
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 同一構成でコンパクトで安価に高容量FDと
下位FDとに互換使用ができ、高信頼性を得ることがで
きる磁気ディスク回転駆動装置を提供する。 【解決手段】 駆動回路を高容量FD用と下位FD用と
にそれぞれ専用化して2回路構成とし、これにより分離
されたサーボ回路部29a,29bによって選択的にモ
ータをその回転数に合わせて駆動するとともに、モータ
特性を変えるために、ステータコア上のコイル群を分割
して、それらコイル群の直列接続あるいは並列接続をモ
ータの回転数に合わせて選択する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報記憶媒体であ
るフレキシブル磁気ディスクを回転駆動する磁気ディス
ク回転駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータを端末とするインタ
ーネットが普及し、文字情報だけでなく映像情報や音声
情報をも扱うため、端末間を行き来する情報量が急速に
増大している。また、家庭にも、デジタルVTR、CD
−ROM、CD−R、DVDなどのマルチメディア機器
が普及し、通常的にデジタル情報を使用するようになっ
て急増する情報量に対して、情報記憶媒体である情報記
憶ディスクには大容量化が求められてきている。
【0003】また、CD−ROM装置の高速化が進み、
その高速化に対応して、情報記憶ディスクの1つである
フレキシブル磁気ディスクの回転駆動装置では、読み取
り・書き込み速度の高速化が求められている。そのため
には、フレキシブル磁気ディスクの回転駆動装置の回転
数の高速化が必要となってきている。
【0004】この回転駆動装置は基本構成的にはモータ
であり、従来のフレキシブル磁気ディスクの回転駆動装
置の多くは回転数が720rpm以下である。フレキシ
ブル磁気ディスクとして従来から利用されている例えば
一般的なフロッピーディスク(以後、FDと記す)を駆
動するFD用回転駆動装置の回転数は300rpmと3
60rpm程度である。FDの記録トラック密度は13
5TPI(TPIとは1インチ当たりの記録トラック本
数を表す)であり、また記憶容量は3.5インチディス
クサイズで倍密度仕様(2HD)で2MB程度である。
【0005】このようなFD回転駆動装置においても、
最近では、100MB級での製品が市場に出始めてきて
いる。このFD回転駆動装置では、情報記憶ディスクと
して光磁気ディスクを用いる光磁気ディスクドライブに
比べると記憶容量が100MB程度にすぎないが、メデ
ィアと装置が他の装置に比べて安価であるために、パソ
コンの標準装置に搭載されている場合があるが、下位F
D(一般FD、又は下位FDとして高容量FDと区別す
る)の駆動を可能とするための下位互換がない場合に
は、下位FD用としてさらに別に従来の磁気ディスク装
置を搭載する必要性が生じコストアップとなり普及の妨
げになっている。そのために、安価で下位互換可能な高
容量の磁気ディスク回転駆動装置が必要となってきてい
る。
【0006】上記の下位FD(例えば、3.5インチF
Dの場合)は、一対の上下ハーフを突き合わせ結合して
形成したカセット内に円形でシート状の磁気ディスクを
回転自在に収納して構成されている。この磁気ディスク
の中心には、金属板からなるディスクハブが固着され、
このディスクハブの中心には、モータのシャフトの先端
が係合する方形状の中心孔が設けられ、中心から偏心し
た位置には上記中心孔に対して傾斜して駆動ピンが係合
する長方形状の駆動ピン挿入孔が形成されている。上記
のディスクハブは、下ハーフの中央部に設けられた開口
部から外方に臨んでいる。
【0007】このように構成された下位FDである3.
5インチFDの磁気ディスクを回転駆動する磁気ディス
ク回転駆動装置としては、実開平5−8755号公報に
記載されたものが知られており、その構造を図14に示
す。
【0008】磁気ディスクを保持するチャッキング部の
構成は、図14に示すように、磁気ディスクの中心孔に
先端が係合するシャフト101と、回転の中心から偏心
した位置に設けられた磁気ディスクの駆動ピン挿入孔に
係合する駆動ピン102とを有し、シャフト101と駆
動ピン102とを磁気ディスクの中心孔および駆動ピン
挿入孔にそれぞれ挿入係合させ、ロータの回転に合わせ
て磁気ディスクを回転駆動するように構成されている。
【0009】一方、磁気ディスクを回転駆動する駆動部
の構成は、図14に示すように、ボール軸受103およ
び焼結含油軸受104は、プリント基板105に取り付
け固定された軸受ハウジング106に圧入固定され、シ
ャフト101が2つの軸受であるボール軸受103と焼
結含油軸受104との両内周部に挿入されて回転自在に
支持されている。また、シャフト101には、表面に摺
動潤性シール107が貼られたスピンドルハブ108が
圧入固定され、そのスピンドルハブ108の外周部には
カップ状のロータフレーム109がカシメ固定されてい
る。
【0010】このロータフレーム109には、その垂下
部内面に駆動マグネット110が固着され、開放端面を
ほぼ直角に折り曲げたフランジ部111にFGマグネッ
ト112が一体的に成形されており、このFGマグネッ
ト112の表面には周波数発電磁極(以下、FG磁極と
記す)が着磁され、その周波数発電着磁(以下、FG着
磁と記す)面と対向してプリント基板105の表面に配
置された発電線素(FGパターン、FGコイルともい
う)とによりFG信号が得られ、このFG信号に基づい
てモータが制御される。
【0011】軸受ハウジング106は、プリント基板1
05とステータコア113で挟むようにビスで、プリン
ト基板105に固定されている。ステータコア113に
は、樹脂インシュレータ114で絶縁されたハブにコイ
ル115が巻配され、コイル115の線端末はプリント
基板105に半田付けされている。
【0012】プリント基板105上にはモータ制御用回
路などの電子部品が実装されている。この磁気ディスク
回転駆動装置は3相全波ブラシレス駆動方式であり、そ
の駆動回路は、一般的な例として、図15に示すような
3相全波駆動方式による回路構成となっている。
【0013】このモータ駆動方式は、図15に示すよう
に、ロータの位置をホール素子116a,116b,1
16cによって検出する3相全波ソフトスイッチング波
駆動方式であり、モータ駆動の全電流を制限抵抗(帰還
抵抗ともいう)117で検出して電圧比較を行って全駆
動電流の制御と制限を行っている。この方式による回路
としては、ホールアンプ,振幅制御回路,ドライバ,エ
ラーアンプ,電流帰還アンプ等の回路ブロックで構成さ
れている。ホールアンプ118a,118b,118c
はホール素子116a,116b,116cの電圧信号
を差動でうけ、そして、たとえばホール素子116aの
電圧信号からホール素子116bの電圧信号を引き算し
て増幅し、ホール素子116aより30度位相の進んだ
電流信号をつくる。ホール素子116b,116cも同
じようにして電流信号をつくる。
【0014】次に、振幅制御回路119では、電流帰還
アンプ122からの信号に応じて、作成されたホール素
子116a,116b,116cの電流信号の振幅を制
御する。この電流信号をアンプ120a,120b,1
20cにより一定の倍率で増幅して、ステータコア11
3上に巻配されているコイル115を駆動する駆動電流
を作っている。
【0015】この駆動電流波形は、ソフトスイッチング
となっているため、ノイズの発生が小さく、かつ全電流
のリップルも小さくなっている。全駆動電流の振幅制御
回路119による制御は、エラーアンプ121の入力電
圧により電流帰還アンプ122を通じて行われる。この
電流帰還アンプ122は、全帰還がかかっており利得
(ゲインともいう)が0dBとなって発振しやすいた
め、十分な位相補償を行って高い周波数でのゲインをさ
げる必要があり、そのために、電流帰還アンプ122の
外部端子には発振防止用のコンデンサ123が付加され
ている。
【0016】制御回路は、IC化されたコントロール部
内に収められ、その回路方式はFLL方式による無調整
デジタルサーボである。この制御回路は、1/2分周器
124,FGアンプ126,速度ディスクリミネータ1
25から構成されており、外部クロックを入力すること
でIC内部の基準クロックを発生させ、1/2分周器1
24は外部発振子127からの信号を1/2に分周して
周波数を下げている。また、FGアンプ126は、この
磁気ディスク回転駆動装置のFGパターン128で発生
したFG電圧を増幅して、矩形波へ整形し速度信号をか
える。FGの周波数は装置の回転数とFGパターン12
8の歯数から決められる。また、ノイズ成分除去のため
に、ハイパスおよびローパスの特性を有するパス・フィ
ルタがコンデンサにより構成され、これらハイパス・フ
ィルタ,ローパス・フィルタのカットオフ周波数の範囲
内にFGの周波数がくるように、各コンデンサの値が決
定されている。つまり、FGの周波数は装置の回転数に
依存している。
【0017】磁気ディスク回転駆動装置は、その構成上
から見るとブラシレスモータであり、ブラシレスモータ
(以下、単にモータと記す)の制御系の安定性や過渡特
性を決定する回路上の積分器は、一般に速度ディスクリ
ミネータ125のエラーパルスを平滑,増幅してモータ
の駆動回路の制御信号を作っており、その積分定数の決
め方でモータのサーボ特性が決定される。
【0018】図16はモータの速度制御を表すブロック
線図である。図16において、点線内は図15に示すI
C内部を表している。図16をまとめると図17のよう
になり、図17における伝達関数G(s),H(s)は
式1および式2で表される。
【0019】
【数1】
【0020】
【数2】
【0021】図15の積分器が電圧型の場合は、図18
に示す積分器となり、H(s)内のH1(s)は式3で
表される。
【0022】
【数3】
【0023】また、H2(s)は等価的に式4のように
なる。
【0024】
【数4】
【0025】したがってH(s)は式5となる。
【0026】
【数5】
【0027】安定な制御動作になるようなG(s)とH
(s)の関係は、図19のようになり、G(s)と1/
H(s)のゲイン交点の角周波数ω0が積分器の極と零
点の角周波数ω1,ω2の間にあれば安定した制御を得
ることができる。
【0028】モータのサーボ特性は図19の太線部とな
る。モータ回転数ωmは式6の関係にある必要がある。
【0029】
【数6】
【0030】最近の高容量FD装置は、アクセス性能を
向上させるために、回転数が高いので、同じサーボ特性
では、式6を満足しない。高容量FD装置は、容量の増
大以外にアクセス性能も向上させている。たとえば、高
容量FD装置のモータの回転数としては、3000rp
mなどがあり、従来の下位FD用の装置における300
rpmの10倍である。一例として、データの転送速度
が1Mバイト/秒で、平均シーク時間が29ミリ秒であ
り、ハードディスク並のアクセス性能を実現している装
置もある。
【0031】高容量FD装置において、転送速度を上げ
るために回転数を上げることは以下のような原理的な理
由からである。微細な磁区から強い信号強度を読み取る
ためであり、高密度記録になると一つのビットを表す磁
区が小さくなるため弱い磁界から信号を読み出さなけれ
ばならない。これを解決するため、回転数を上げること
でヘッドとディスクとの相対速度を上げて誘導起電力を
高めている。
【0032】高容量FD装置は、上記理由で回転数が高
く、従来の2HDタイプのFD装置に比べて5〜15倍
の回転数となっている。このように、モータの電気特性
や機構やサーボ特性などの理由で下位互換を困難にして
いる。
【0033】また、モータは回転数に合わせてコイル仕
様を変えているので、コイル仕様違いで多くの機種がで
きる。モータのコイル仕様を変えるとモータの回転数と
トルク特性図(S−T特性という)は図20に示すよう
に変化し、この変化における一般的な関係式は式7のよ
うになる。
【0034】
【数7】
【0035】モータの回転数が高い場合はコイルのター
ン数を少なく、モータの回転数が低い場合はコイルのタ
ーン数を多くして、モータの起動トルクを大きくしてい
る。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな従来の磁気ディスク回転駆動装置では、高容量FD
用の駆動装置によって下位FD用の駆動装置との互換を
達成するためには、高容量FD用の回転数と下位FD用
の回転数とで制御回転させる必要があるが、同一のモー
タ部のコイル仕様では、両方の特性に対して安定性を十
分に満足させるS−T特性を得ることが難しい。つま
り、一つのモータでコイル仕様が同じの場合、同一駆動
回路で高速および低速の回転数を得るための制御をかけ
るとすると、図21のようなS−T特性となる。
【0037】ここで、高容量FD負荷Thfを満足する
ために無負荷回転数を高く設定し、そのためにコイルの
ターン数を少なくしているが、高速時では、ヘッドがデ
ィスク面から浮いて磁気ディスクに対しては非接触でリ
ード・ライトをするので、高容量FD負荷Thfは小さ
くなり、その値としては、一例であるが、約8gcm程
度である。
【0038】一方、一般のFD(下位FD)ではヘッド
とディスクとは接触しているので、下位FD負荷Tfは
大きくなり、その値としては、一例であるが、約60g
cm程度である。この場合には、接触であるのでばらつ
きが大きく、下位FD負荷Tfで定速回転数を維持でき
ない場合があり、このような下位FD用として互換を十
分に保証するには、起動トルクを大きくする必要があ
る。
【0039】また、高容量FD負荷Thfを満足するた
めに無負荷回転数を高く設定し、そのためにコイルのタ
ーン数を少なくして対応すると、S−T線図が立ってき
て下位FD負荷Tfに対して余裕がなくなる。また、高
速時では、ヘッドがディスク面から浮いて磁気ディスク
に対しては非接触でリード・ライトをするので、高容量
FD負荷Thfとしてはばらつきが少ないが、下位FD
ではヘッドとディスクは接触しているので、下位FD負
荷Tfとしてのばらつきが大きくなり、下位FD負荷T
fに対する最大制御トルクを十分に大きく設計すること
できない。したがって、低速回転数を維持できない場合
があり、下位互換を十分に保証することができなくな
る。
【0040】以上のように、同一のサーボ特性では、モ
ータの高速と低速の両回転制御がうまくいかず、その制
御精度が悪化してデータに対する読み書きの信頼性がな
くなってくる。また、同一の駆動ICを使用するという
ことは、下位FD用ICは専用化されていることが多
く、高速駆動に際して、電気特性上好ましくないことが
多くなる。
【0041】本発明は、上記従来の問題点を解決するも
ので、同一のモータ部のチャッキング機構および回転駆
動部を用いて、高容量FDと下位FDとの両方に対して
互換的にリード・ライトを行うことができるとともに、
装置をコンパクト化することができ、かつ安価で高信頼
性を得ることができる磁気ディスク回転駆動装置を提供
する。
【0042】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明の磁気ディスク回転駆動装置は、駆動回路を
専用化するために、駆動回路を2回路構成にし、サーボ
回路を分離して、回転数に合わせた駆動回路を選択使用
することを特徴とする。
【0043】また、モータ特性を変えるために、巻き線
の使用部分を第1のコイル群と第2のコイル群に分け
て、それら第1のコイル群と第2のコイル群とのコイル
仕様を変え、高容量FD駆動の場合は、コイルの一部を
使用することによりターン数が少なくなるように、片方
のコイル群だけを使用するコイル仕様とし、下位FD駆
動の場合は、コイルをすべて使用してターン数が多くな
るように、第1コイル群と第2コイル群を直列にして使
用するコイル仕様とするか、あるいは、高容量FD駆動
の場合は、第1のコイル群と第2のコイル群を並列に接
続して使用するコイル仕様とし、下位FD駆動の場合
は、第1のコイル群と第2のコイル群を直列に接続して
使用するコイル仕様とすることを特徴とする。
【0044】また、駆動回路を簡単化するために、高容
量FD駆動ICはセンサレス駆動ICとすることを特徴
とする。以上の構成により、下位FD互換可能で、高容
量FD駆動のS−T特性と下位FD駆動のS−T特性を
個々に別々に制御できるので、信頼性が高い下位互換を
可能とする。
【0045】また、下位FD互換で、より高回転数の高
容量FD駆動装置を実現する。また、ホール素子の位置
を低速の下位FD用の駆動に適した位置に設定できるう
えに、回路接続の線数を少なくする。
【0046】また、別のICをそれぞれ使用するので、
回転数精度が高いうえに、高容量FD駆動のS−T特性
と下位FD駆動のS−T特性を個々に別々に制御が可能
となり、信頼性が高い下位互換を可能とする。
【0047】以上により、同一のモータ部のチャッキン
グ機構および回転駆動部を用いて、高容量FDと下位F
Dとの両方に対して互換的にリード・ライトを行うこと
ができるとともに、装置をコンパクト化することがで
き、かつ安価で高信頼性を得ることができる。
【0048】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の磁気デ
ィスク回転駆動装置は、回転数の設定値として最高値が
最低値の3倍以上である複数の設定回転数により情報記
憶媒体である磁気ディスクを回転駆動するモータを、そ
のステータコアに絶縁されて巻回されたコイル群にU、
V、Wからなる3相全波信号を印加することにより駆動
する磁気ディスク回転駆動装置であって、前記3相全波
信号が印可される前記コイル群を、その各相をU、V、
W相として、U1、V1、W1相からなる第1のコイル
群と、U2、V2、W2相からなる第2のコイル群とで
構成し、前記第1のコイル群の各相の端子を、U1s、
U1e、V1s、V1e、W1s、W1eとし、前記第
2のコイル群の各相の端子を、U2s、U2e、V2
s、V2e、W2s、W2eとし、前記第1のコイル群
のU1e、V1e、W1eと第2のコイル群のU2s、
V2s、W2sとを、各相毎に、前記第1のコイル群と
第2のコイル群とが直列となるように接続して、その接
続部を各相毎にUt、Vt、Wtとし、前記第2のコイ
ル群のU2e、V2e、W2eを中点として結線し、前
記磁気ディスクを高速で定速回転させるときは、前記U
t、Vt、Wtを通じて、前記コイル群に高速サーボ制
御を行う駆動回路の3相全波信号を印可して前記モータ
を駆動し、前記磁気ディスクを低速で定速回転させると
きは、前記U1s、V1s、W1sを通じて、前記コイ
ル群に前記高速サーボ制御用とは別の低速サーボ制御を
行う駆動回路の3相全波信号を印可して前記モータを駆
動する構成とする。
【0049】この構成によると、下位FD互換可能で、
高容量FD駆動のS−T特性と下位FD駆動のS−T特
性を個々に別々に制御できるので、信頼性が高い下位互
換を可能とする。
【0050】請求項2に記載の磁気ディスク回転駆動装
置は、回転数の設定値として最高値が最低値の3倍以上
である複数の設定回転数により情報記憶媒体である磁気
ディスクを回転駆動するモータを、そのステータコアに
絶縁されて巻回されたコイル群にU、V、Wからなる3
相全波信号を印加することにより駆動する磁気ディスク
回転駆動装置であって、前記3相全波信号が印可される
前記コイル群を、その各相をU、V、W相として、U
1、V1、W1相からなる第1のコイル群と、U2、V
2、W2相からなる第2のコイル群とで構成し、前記第
1のコイル群の各相の端子を、U1s、U1e、V1
s、V1e、W1s、W1eとし、前記第2のコイル群
の各相の端子を、U2s、U2e、V2s、V2e、W
2s、W2eとし、前記磁気ディスクを低速で定速回転
させるときは、前記第1のコイル群のU1e、V1e、
W1eと第2のコイル群のU2s、V2s、W2sと
を、各相毎に、前記第1のコイル群と第2のコイル群と
が直列となるように接続して、前記第2のコイル群のU
2e、V2e、W2eを中点として結線し、前記U1
s、V1s、W1sを通じて、前記コイル群に低速サー
ボ制御を行う駆動回路の3相全波信号を印可して前記モ
ータを駆動し、前記磁気ディスクを高速で定速回転させ
るときは、前記第1のコイル群のU1s、U1e、V1
s、V1e、W1s、W1eと、第2のコイル群のU2
s、U2e、V2s、V2e、W2s、W2eとを、各
相毎に、前記第1のコイル群と第2のコイル群とが並列
となるように接続して、前記並列接続された第1のコイ
ル群および第2のコイル群の各相のe端子側を中点とし
て結線し、各相のs端子側を通じて、前記コイル群に前
記低速サーボ制御用とは別の高速サーボ制御を行う駆動
回路の3相全波信号を印可して前記モータを駆動する構
成とする。
【0051】この構成によると、下位FD互換可能で、
高容量FD駆動のS−T特性と下位FD駆動のS−T特
性を個々に別々に制御できるので、信頼性が高い下位互
換を可能とする。
【0052】本発明の請求項3に記載の磁気ディスク回
転駆動装置は、請求項1または請求項2記載の第1のコ
イル群と第2のコイル群との間で、各相毎にコイル線径
やターン数の巻線仕様が異なっている構成とする。
【0053】この構成によると、下位FD互換で、より
高回転数の高容量FD駆動装置を実現する。本発明の請
求項4に記載の磁気ディスク回転駆動装置は、請求項1
から請求項3のいずれかに記載の磁気ディスクを高速で
定速回転させるときに使用される高速サーボ制御用の駆
動回路を、センサレス駆動回路とする構成とする。
【0054】この構成によると、ホール素子の位置を低
速の下位FD用の駆動に適した位置に設定できるうえ
に、回路接続の線数を少なくする。本発明の請求項5に
記載の磁気ディスク回転駆動装置は、複数の設定回転数
により情報記憶媒体である磁気ディスクを回転駆動する
モータであり、シャフトと、シャフトと一体に回転する
ロータフレームと、ロータフレームに固定され前記磁気
ディスクの回転駆動のためにそのディスクハブを吸引す
るハブマグネットと、ロータフレームの内側に固定され
た板バネと、板バネに固定された駆動ピンとを備えたモ
ータを、そのステータコアに絶縁されて前記ハブマグネ
ットに対向した位置に巻回されたコイル群にU、V、W
からなる3相全波信号を印加することにより、駆動する
磁気ディスク回転駆動装置であって、前記3相全波信号
が印可される前記コイル群を、その各相をU、V、W相
として、U1、V1、W1相からなる第1のコイル群
と、U2、V2、W2相からなる第2のコイル群とで構
成し、前記第1のコイル群の各相の端子を、U1s、U
1e、V1s、V1e、W1s、W1eとし、前記第2
のコイル群の各相の端子を、U2s、U2e、V2s、
V2e、W2s、W2eとし、前記第1のコイル群のU
1e、V1e、W1eと第2のコイル群のU2s、V2
s、W2sとを、各相毎に、前記第1のコイル群と第2
のコイル群とが直列となるように接続して、その接続部
を各相毎にUt、Vt、Wtとし、前記第2のコイル群
のU2e、V2e、W2eを中点として結線し、前記磁
気ディスクを高速で回転させるときは、前記Ut、V
t、Wtを通じて、前記コイル群に駆動回路の3相全波
信号を印可して前記モータを駆動し、前記磁気ディスク
を低速で回転させるときは、前記U1s、V1s、W1
sを通じて、前記コイル群に前記高速回転用とは別の駆
動回路の3相全波信号を印可して前記モータを駆動する
構成とする。
【0055】この構成によると、別のICをそれぞれ使
用するので、回転数精度が高いうえに、高容量FD駆動
のS−T特性と下位FD駆動のS−T特性を個々に別々
に制御が可能となり、信頼性が高い下位互換を可能とす
る。
【0056】以下、本発明の実施の形態の磁気ディスク
回転駆動装置について、図面を参照しながら具体的に説
明する。 (実施の形態1)本発明の実施の形態1の磁気ディスク
回転駆動装置について、図1〜図5を参照して説明す
る。ここでは、軸回転型流体動圧軸受を利用した磁気デ
ィスク回転駆動装置に適用した場合について説明する。
【0057】図1は本実施の形態1の磁気ディスク回転
駆動装置のモータ部側の構造を示す断面図であり、図2
は同実施の形態1におけるモータ部側の構造を示す上面
図である。図3は同実施の形態1におけるモータ部の回
路図であり、図4は同実施の形態1における駆動部の回
路図である。図5は同実施の形態1におけるS−T特性
図である。
【0058】磁気ディスク回転駆動装置の動作について
説明する。磁気ディスクに対する駆動原理は従来の装置
と同様であり、磁気ディスクのシャフト挿入孔(図示せ
ず)にシャフト1が係合し、磁気ディスクの駆動ピン挿
入孔(図示せず)に駆動ピン2が係合し、磁気ディスク
はモータと一体となって回転する。ロータフレーム3で
構成されたスピンドルハブ部4の上に摺動潤性シート5
を貼り、その上に磁気ディスクのハブ(図示せず)を乗
せる。この金属性の磁気ディスクハブは、磁化されたハ
ブマグネット6で吸着され、ロータフレーム3と一体と
なって回転される。
【0059】また、ロータフレーム3の内面部には、シ
ャフト1を囲むように湾曲形成された板バネ状の回動レ
バー7が、その軸支部をロータフレーム3に立てられた
支点ピン8に支持された状態で配設されている。
【0060】この回動レバー7は、先端側がシャフト1
に対して偏心して回動するように形成され、かつ上記の
支点ピン8に支持されている。そして、回動レバー7の
先端部には駆動ピン2が取り付けられている。この回動
レバー7は、板バネ状であるため支点ピン8を支点とし
て回動自在でありかつ下側への変位も可能であり、その
ために、回動レバー7の先端に付けられた駆動ピン2
も、支点ピン8を支点として回動可能であってかつ下側
への変位も可能である。
【0061】ラジアル軸受はスリーブ9の内周部にヘリ
ングボーン動圧溝を形成した動圧流体軸受であり、スラ
スト軸受はシャフト1の先端とスラスト板10とで構成
されるピボット軸受である。このモータ部においては、
シャフト1はスリーブ9とスラスト板10とで構成され
たラジアル軸受およびスラスト軸受で回転支承されてい
る。ハウジング11の内側にはスリーブ9が固定され、
外周にはステータコア12が固定されている。絶縁され
たステータコア12にコイルが巻回されて、そのステー
タコア12の外周面に対向するように、ラバーの駆動マ
グネット13がロータフレーム3の内周面に固定されて
いる。
【0062】ハウジング11は金属板からなる金属プリ
ント基板14の上に固定されている。カップ状のロータ
フレーム3の垂下部内面に固着された駆動マグネット1
3の端面にはFG磁極が着磁され、そのFG着磁面と対
向する金属プリント基板14の面にFGパターン18が
構成されている。このFGパターン18の両端部には駆
動マグネット13の回転に伴ってFG信号として電圧が
発生し、そのFG信号をもとにモータの回転が制御され
る。そのため、FGパターン18の両端で発生する電圧
を駆動回路側に供給するために、FGパターン18が駆
動回路側と接続されるように、ランド群17にFGパタ
ーン18の両端から延伸された端子が設けられている。
【0063】下位FDの磁気ディスクでは、データを読
み書きするディスク上の基準位置を知るために、そのた
めのインデックス信号をモータ側に発生させる必要があ
り、ロータフレーム3の外周にインデックスマグネット
15が接着され、金属プリント基板14側にインデック
スマグネット15を検出するためのホールIC16が半
田付けされている。
【0064】磁気ディスク回転駆動装置はモータ部とそ
の駆動回路が実装された駆動部とに分離されている。モ
ータ部にも図3に示すような電子回路(モータ回路)を
構成する各種電子部品が実装されていて、このモータ部
は、駆動部と分離しているため、ロータフレーム3の大
きさと同じ程度の大きさとなりコンパクトになる。モー
タ回路部は金属プリント基板14のランド群17から駆
動回路部にリード線で接続される。
【0065】駆動位置検出用のホール素子19a,19
b,19cは並列接続され、それらの入力電圧側には抵
抗20a,20bが接続され、その抵抗20a,20b
によりホール素子19a,19b,19cの端子間電圧
を制御保証している。
【0066】絶縁されたステータコア12にコイルが巻
回されて、U,V,Wの3相からなる3相全波回転駆動
のコイル部を構成している。このコイル部のU,V,W
相の各相は、図3に示すように、第1のコイル群U1,
V1,W1と第2のコイル群U2,V2,W2とで構成
されている。さらに、各コイル群の両端子はs,eとし
て区別されており、第1のコイル群の端子をU1s,U
1e,V1s,V1e,W1s,W1eとし、第2のコ
イル群の端子をU2s,U2e,V2s,V2e,W2
s,W2eとする。
【0067】第1のコイル群の端子U1e,V1e,W
1eと第2のコイル群の端子U2s,V2s,W2sと
は各相毎にそれぞれ接続され、それら端子接続部をU
t,Vt,Wtとして、第1のコイル群と第2のコイル
群とが各相毎に直列に接続されている。
【0068】第2のコイル群の端子U2e,V2e,W
2e間が結線され中点が形成されて、Y接続型のコイル
接続ができる。端子接続部Ut,Vt,Wtをそれぞれ
金属プリント基板14の対応するランドに半田接続し、
また、第1のコイル群の端子U1s,V1s,W1sも
それぞれ金属プリント基板14の対応するランドに半田
接続して、ランド群17までパターン接続する。上記の
各端子接続部Ut,Vt,Wtの金属プリント基板14
との半田付け位置、および第1のコイル群の各端子U1
s,V1s,W1sの金属プリント基板14との半田付
け位置は、ロータフレーム3の範囲内にある。
【0069】モータ部から図4に示す駆動回路部側への
リード線の本数は17本であり、ランド群17にはラン
ドa1〜a17からなる17個の端子が設けられてい
る。図4に示されるように、駆動回路部側には3相全波
駆動用ICとしてIC(1)とIC(2)の2個のIC
が搭載されている。使用する2個のICのうち一方はF
DD専用のICである。下位FD駆動用として3相全波
ブラシレスモータ駆動のFDDスピンドルモータ制御駆
動用ICの例として、例えば、松下電子工業製のAN8
217SB,日立製作所製のHA13488MPなどが
ある。
【0070】図4は一般的な実施の形態の説明用として
の駆動回路部を示す回路図例である。図3および図4に
おいて、駆動回路部側のランド群23内にも、その各ラ
ンドとしてモータ部側のランド群17と同じ符号を使用
し、モータ部側のランド群17と同様にランドa1〜a
17からなる17個の端子を設け、各ランド群17,2
3内の同じ符号の端子どうしが導通状態であるとする。
【0071】IC(1)21は下位FD用の駆動ICで
あり、IC(2)22は高容量FD用の駆動ICであ
り、両IC21,22ともロータフレーム3の位置をホ
ール素子19a,19b,19cによって検出する3相
全波スイッチング駆動方式である。
【0072】下位FD用のIC21からは、ランド群2
3内のランドa13,a14,a15に接続され、モー
タ部のランド群17内のランドa13,a14,a15
を通じて、第1のコイル群の端子U1s,V1s,W1
sに導通接続されている。また、高容量FD用のIC2
2からは、ランド群23内のランドa10,a11,a
12に接続され、モータ部のランド群17内のランドa
10,a11,a12を通じて、第1のコイル群および
第2のコイル群の端子接続部Ut,Vt,Wtに導通接
続されている。
【0073】ランド群17,23内のランドa4〜a9
を通じたモータ部からのホール素子19a,19b,1
9cの出力は、駆動回路部内で分岐されて各IC21,
22のホール素子用端子に接続される。
【0074】また、モータ部のFGパターン18からの
FG信号は、ランド群17,23内のランドa16,a
17を通じ、駆動回路部側で分岐して、下位FD駆動用
のIC21の方へはコンデンサ24を介して続される
が、もう一方の高容量FD駆動用のIC22の方へは、
増幅器25にて増幅してさらに分周器26にて分周した
後に接続される。この分周器26はFG信号の周波数を
高容量FD用のIC22の仕様範囲内にするためであ
る。両IC21,22ともそれぞれの使用回転数に合わ
せた水晶発振子27a,27bが接続されている。
【0075】また、一般的な高容量FD装置は、通常モ
ータ部側からのインデックス信号を必要としない場合が
多く、図4においても高容量FD用のIC22にはイン
デックス信号が接続されていない。そのため、ランド群
17,23内のランドa2を通じたモータ部側のホール
IC16からのインデックス信号は、下位FD用のIC
21のインデックス信号用端子にのみ接続され、駆動ピ
ン2の位置からのインデックス信号の発生時間を調整し
て、装置のコントローラ部側にインデックス信号IND
を送っている。
【0076】駆動回路部からコントローラ部側への接続
端子として、インデックス信号IND、駆動装置の電圧
Vcc、下位FD用のIC21の回転数切換端子300
/360、下位FD用のIC21のスタートストップ端
子S/S、高容量FD用のIC22のスタートストップ
端子S/Sが設けられている。
【0077】また、モータ駆動用の全電流を制限抵抗2
8a,28bによりそれぞれで検出して、電圧比較を行
うことによって、全駆動電流の制御と制限を行ってい
る。IC21,22の速度制御用の各サーボ回路部29
a,29bの各部品の定数は、それぞれのIC毎に個々
に設定されている。つまり、これらの定数は、設定回転
数に合わせてIC毎に設定されているので、回転精度が
よく、かつ安定した定速制御が得られる。
【0078】磁気ディスク回転駆動装置を高速で回転さ
せるときは、コイルとしてのターン数が少ない端子接続
部Ut,Vt,Wtを3相のコイル端子として、高容量
FD用のIC22で構成した駆動回路で駆動させる。ま
た、磁気ディスク回転駆動装置を低速で回転させるとき
は、コイルとしてのターン数の多い第1のコイル群の端
子U1s,V1s,W1sを3相のコイル端子として、
下位FD用のIC21で構成した駆動回路で駆動させ
る。
【0079】このように、磁気ディスク回転駆動装置の
高速回転時および低速回転時において、それぞれ仕様に
合わせた駆動ICを使用し、それぞれに合わせたコイル
仕様を使用しているので、回転数とトルクの関係図(ま
たは、S−T特性)は図5に示すようになる。高速制御
回転時(制御回転数Na)のコイル仕様では、S−T特
性は線図(a)s1になり、最大制御トルクTc1は、
従来例の装置で高速制御したときの最大制御トルクより
も大きくなり、高容量FD負荷Thfに対しても余裕が
でてくるので、電圧変動や負荷変動に対して安定した回
転制御ができる。
【0080】一方、低速制御回転時(制御回転数Nb)
のコイル仕様では、S−T特性は線図(b)S2にな
り、最大制御トルクTc2は、従来例の装置で低速制御
したときの最大制御トルクに比べて大きくなり、下位F
D負荷Tfに対しても余裕ができる。また、線図(b)
S2の起動トルクTs1は、下位FD負荷Tfに対して
かなり余裕がある。下位FD負荷Tfは磁気ディスクと
磁気ヘッドが接触しているのでばらつきが大きく、その
ため、最大制御トルクTc2や起動トルクTs1はでき
るだけ大きくすることが望ましい。 (実施の形態2)本実施の形態2の磁気ディスク回転駆
動装置は、上記実施の形態1における第1のコイル群の
コイル仕様と第2のコイル群のコイル仕様とを変更する
ことである。
【0081】また、第1のコイル群のコイル仕様と第2
のコイル群のコイル仕様とを変えることで、使用速度に
応じて、それぞれにおける負荷に対して余裕があるモー
タの特性にすることができる。
【0082】このように、高速時のコイル仕様は、図3
に示す第2のコイル群U2,V2,W2のコイル仕様で
決定され、第1のコイル群U1,V1,W1は全く影響
しないので、高速時のモータ特性は、第1のコイル群U
1,V1,W1に影響されずに決定することができる。
従って、低速側仕様を考慮しなくても設定できるので、
高速に適したコイル仕様とすることができ、モータ特性
もいろいろと変えることができる。
【0083】一方、低速時のコイル仕様の設定は、高速
時に使用される第2のコイル群の仕様があらかじめ決定
されているので、低速時のS−T特性を考慮しながら、
第1のコイル群のコイル仕様を決定することができる。
図5の場合に比べて、S−T特性では、高速時は無負荷
回転数を高くすることができ、より高速対応のモータを
得ることができる。
【0084】また、低速時は起動トルクを大きくするこ
とができるので、負荷が大きくばらついても制御が安定
となる。出力特性の向上が可能であるので、特性を現状
維持とするとモータを小型にできるという効果が得られ
る。 (実施の形態3)本実施の形態3の磁気ディスク回転駆
動装置について、図6〜図9を参照して説明する。な
お、本実施の形態3におけるモータ部の構造は実施の形
態1の場合と類似であるので、ここではモータ部の構造
図は省略する。モータ部の構造で実施の形態1の場合と
異なるところを、図6に示すモータ部回路図と図7に示
す駆動部回路図とを用いて説明する。また、実施の形態
1と類似な構造部品の符号は実施の形態3の説明でも同
じ符号を使用する。
【0085】図6は本実施の形態3の磁気ディスク回転
駆動装置におけるモータ部の回路図を示す。図7は本実
施の形態3の磁気ディスク回転駆動装置における駆動部
の回路図を示す。図8は本実施の形態3の磁気ディスク
回転駆動装置におけるコイル部の接続図を示す。図9は
本実施の形態3の磁気ディスク回転駆動装置におけるS
−T特性図を示す。
【0086】本実施の形態3の磁気ディスク回転駆動装
置も、実施の形態1の場合と同様に、モータ部とその駆
動回路を備えた駆動部とに分離されている。モータ部に
は、図6に示すような電子回路を構成する電子部品が実
装されている。本実施の形態3ではインデックス信号を
検出する素子としてMR素子30を用いている。また、
第1のコイル群と第2のコイル群とは、モータ部におい
て一部だけを除いて接続せずに、モータ部の金属プリン
ト基板上のランド群31から駆動回路部へリード線で接
続する。リード線の本数は実施の形態1の場合と異なる
ので、ランド群31のランド数も異なる。つまり、本実
施の形態3では、リード線の本数は22本であり、金属
プリント基板側のランド群31内においてもランドb1
〜b22を設けて、実施の形態1の場合と区別してい
る。
【0087】図6において、駆動位置検出用のホール素
子32a,32b,32cは並列接続され、それらの入
力電圧側には抵抗33が接続され、この抵抗33により
ホール素子32a,32b,32cの端子間電圧を制御
保証している。ホール素子32a,32b,32cから
の各出力は、金属プリント基板上に設けられたランド群
31内のランドb5〜b10を通じて駆動回路部に接続
される。
【0088】絶縁されたステータコア12にコイルが巻
回されて、U,V,W相の3相からなる3相全波回転駆
動のコイル部を構成している。U,V,W相の各相によ
り第1のコイル群U1,V1,W1と第2のコイル群U
2,V2,W2とが構成され、各コイル群の両端子は
s,eとして区別されている。すなわち、第1のコイル
群の端子はU1s,U1e,V1s,V1e,W1s,
W1eで、第2のコイル群の端子はU2s,U2e,V
2s,V2e,W2s,W2eである。
【0089】第2のコイル群の端子U2e,V2e,W
2e間を中点結線し、その結線部をComとする。この
結線部Comは金属プリント基板14のランド群31内
のランドb11に接続されている。
【0090】第1のコイル群の端子U1s,U1e,V
1s,V1e,W1s,W1eと第2のコイル群の端子
U2s,V2s,W2sとが、金属プリント基板14の
ランド群31のランドb18,b17,b19,b1
6,b20,b15,b12,b13,b14にそれぞ
れ接続されている。
【0091】また、一般的に、MR素子は取り扱いかた
によってはホール素子やホールICよりも静電破壊を受
けやすいので、その静電破壊対策のために、MR素子3
0の出力部には、その入力+側および入力−側のそれぞ
れから抵抗34a,34bが接続されている。
【0092】図7に示す駆動回路部側のランド群35内
の各ランドにも、モータ部側のランド群31内の各ラン
ドb1〜b22と同じ符号を使用し、同じ符号のランド
どうしがランド群35とランド群31間で導通状態であ
るとする。
【0093】駆動回路部では、モータ部側のコイル群の
各端子がランド群31,35内のランドb11〜b20
を通じてスイッチング素子部36に接続され、そのスイ
ッチング素子部36は、磁気ディスク回転駆動装置のコ
ントローラ側からの指令で、選択的に切り換わる。
【0094】磁気ディスク回転駆動装置を低速で定速制
御回転させるときは、スイッチング素子部36の切り換
え動作によって、図8(a)のように選択切り換えされ
る。すなわち、第1のコイル群の端子U1e,V1e,
W1eと第2のコイル群の端子U2s,V2s,W2s
とをそれぞれ接続して、第1のコイル群と第2のコイル
群とを直列に接続する。第1のコイル群の残りの端子U
1s,V1s,W1sが、3相のコイル端子として、ス
イッチング素子部36から端子b26,b27,b28
を通じて、下位FD用のIC37に接続される。下位F
D用のコイル仕様は第1のコイル群と第2のコイル群と
が直列に接続された仕様である。
【0095】また、磁気ディスク回転駆動装置を高速で
定速制御回転させるときは、スイッチング素子部36の
切り換えによって、図8(b)のように選択切り換えさ
れる。すなわち、第1のコイル群の端子U1s、V1
s、W1sと第2のコイル群の端子U2s、V2s、W
2sとをそれぞれ並列接続し、さらに、中点結線された
結線部Comに第1のコイル群の端子U1e、V1e、
W1eを接続する。中点結線された結線部Comは各コ
イルの端子e側をすべて接続したことになる。
【0096】上記のように中点結線された逆側の各端子
sにおいて各相ごとに第1のコイル群と第2のコイル群
とが接続されているので、第1のコイル群と第2のコイ
ル群が並列に接続されたことになる。中点結線の逆側の
端子s側が、3相のコイル端子として、スイッチング素
子部36からb23、b24、b25を通じて、高容量
FD用のIC38に接続される。高容量FD用のコイル
仕様は第1のコイル群と第2のコイル群とが並列に接続
された仕様である。
【0097】下位FD用の駆動IC37と高容量FD用
の駆動IC38は、両ICともロータフレーム3の位置
をホール素子32a,32b,32cによって検出する
3相全波スイッチング駆動方式のICである。モータ部
からのホール素子32a,32b,32cの出力は、ラ
ンド群31を介してランド群35のランドb5〜b10
に接続され、さらに分岐されて、それぞれのIC37,
38へ接続される。モータ部内のFGパターン18から
のFG信号は、ランド群31を介してランド群35のラ
ンドb21,b22に接続され、さらに分岐されて、実
施の形態1の場合と同様にそれぞれのIC37,38に
接続される。両IC37,38とも、それぞれの使用回
転数に合わせた水晶発振子X37,X38が接続されて
いる。
【0098】また、MR素子30からのインデックス信
号は、ランド群31を介してランド群35内のランドb
2,b3を通じて、下位FD用IC37だけに接続され
る。駆動ピン2の位置からのインデックス信号の発生時
間を調整して、装置コントローラ側にインデックス信号
INDを送っている。
【0099】駆動回路部からコントローラ部側への接続
端子としては、インデックス信号IND、駆動装置の電
圧Vcc、下位FD用のIC37の回転数切換端子30
0/360、下位FD用のIC37のスタートストップ
端子S/S、高容量FD用のIC38のスタートストッ
プ端子S/Sが設けられている。
【0100】また、モータ駆動時の全電流を制限抵抗3
9a,39bによりそれぞれ検出して電圧比較を行うこ
とによって、全駆動電流の制御と制限を行っている。速
度制御用のサーボ回路40a,40bの各部品の定数
は、それぞれのIC37,38で個々に設定されてい
る。つまり設定回転数に合わせてIC毎に設定されてい
るので、回転精度がよくかつ安定した定速制御を行うこ
とができる。各部品定数の設定の仕方については従来例
で説明してあり、設定の仕方は従来例の場合も実施の形
態の場合も同じであるが、設定条件がモータによって異
なるので、個々の仕様に合わせて電子部品の定数を設定
する。
【0101】磁気ディスク回転駆動装置を高速で回転さ
せるときは、図8(b)に示すようにコイルの抵抗値が
小さくなる並列接続を3相のコイル仕様として、高容量
FD用のIC38で構成した駆動回路で駆動させる。ま
た、磁気ディスク回転駆動装置を低速で回転させるとき
は、図8(a)に示すようにコイルの抵抗値が高くター
ン数の多い直列接続を3相のコイル仕様として、下位F
D用のIC37で構成した駆動回路で駆動させる。
【0102】このように、高容量FD用および下位FD
用のそれぞれの仕様に合わせた駆動ICを使用し、それ
ぞれに合わせたコイル仕様を使用しているので、回転数
とトルクの関係図(または、S−T特性)は図9に示す
ようになる。
【0103】このS−T特性において、下位FD用とし
ては、そのコイル仕様が実施の形態1の下位FD用のコ
イル仕様と同じであるので、実施の形態1と同じ特性が
得られる。しかし、高容量FD用のコイル仕様は実施の
形態1の場合とは違っている。そのため、本実施の形態
3の高容量FD用のコイル仕様では、図8(b)に示す
ように、コイル群のすべてを使用する構成になっている
ので、効率的には一部を使用するよりも良いことにな
る。
【0104】高速制御回転時(制御回転数Na)のコイ
ル仕様では、S−T特性としては線図(c)S3にな
り、最大制御トルクTc1は従来例の装置で高速制御し
たときの最大制御トルクよりも大きくなり、高容量FD
負荷Thfに対して余裕がでてくるので、電圧変動や負
荷変動に対して安定した回転制御ができる。また、高速
制御回転時のS−T特性の起動トルクは、コイル仕様が
並列接続となっている関係で、大きくなるので、起動時
間が短くなり、結果的に消費電流が低くなるという効果
が得られる。
【0105】低速制御回転時(制御回転数Nb)のコイ
ル仕様では、S−T特性としては線図(d)S4にな
り、最大制御トルクTc2は従来例の装置で低速制御し
たときの最大制御トルクに比べて大きく、下位FD負荷
Tfに対しても余裕ができる。実施の形態1の場合と同
様に、線図(d)S4の起動トルクTs1は下位FD負
荷Tfに対してかなり余裕がある。下位FD負荷Tfは
磁気ディスクと磁気ヘッドが接触しているので、ばらつ
きが大きくても信頼性の高いリードライトが可能であ
る。 (実施の形態4)軸回転型流体動圧軸受を利用した実施
の形態4の磁気ディスク回転駆動装置について、図10
〜図13を参照して説明する。
【0106】図10は本実施の形態4の磁気ディスク回
転駆動装置におけるモータ部の構造断面図を示す。図1
1は同実施の形態4の磁気ディスク回転駆動装置におけ
るモータ部の上面図を示す。図12は同実施の形態4の
磁気ディスク回転駆動装置におけるモータ部の回路図を
示す。図13は同実施の形態4の磁気ディスク回転駆動
装置における駆動部の回路図を示す。
【0107】本実施の形態4の磁気ディスク回転駆動装
置の動作について説明する。なお、磁気ディスクの駆動
原理は、従来の装置や実施の形態1の場合と同じである
ので、ここでの説明は省略する。本実施の形態4の磁気
ディスク回転駆動装置における部品には、実施の形態1
の場合と類似なものについては同じ符号を使用し、異な
るところだけを以下に説明する。
【0108】ロータフレーム43の内面部には、ロータ
フレーム43をプレス加工して切り起こした円筒部44
を軸支部として、板バネ45が取り付けられている。そ
の板バネ45の先端部には駆動ピン42が取り付けられ
ている。この駆動ピン42により、磁気ディスクに設け
られた駆動ピン挿入孔に係合させて、磁気ディスクを回
転駆動させている。
【0109】上記のロータフレーム43はシャフト41
に圧入されたロータハブ46にカシメ固定されている。
また、ロータハブ46の外表面には摺動潤性シート47
が貼られている。
【0110】ラジアル軸受は、真鍮系のスリーブ48の
内周部の2カ所にヘリングボーン動圧溝を形成して、そ
のシャフト41との隙間にフッ素系の流体を充填した動
圧流体軸受であり、スラスト軸受はシャフト41の先端
と樹脂製のスラスト板49とで構成されたピボット軸受
である。スラスト荷重はスラスト板49を介してスリー
ブ48に締結された底板50で受けている。シャフト4
1はラジアル方向には動圧流体軸受で非接触で回転支承
されている。
【0111】ハウジング51は、その内側にスリーブ4
8が接着固定され、ステータコア52とプレート53で
挟むようにしてビスで固定されている。プレート53に
対するハウジング51のセンター出しは、プレート53
側に開けられた穴に係合することで実現され、また、こ
のハウジング51の回転方向の位置決めは、プレート5
3にコイニングプレス加工して形成された凸部をハウジ
ング51に開けられた穴に係合する位置で固定すること
により実現される。
【0112】さらに、ハウジング51には放射状の位置
にビス穴が設けられ、そのビス穴に対してステータコア
52が取り付けられている。またさらに、紙フェノール
製のプリント基板54が、プレート53にコイニングプ
レス加工して形成された凸部により位置決めされた所定
位置に固定されている。したがって、ステータコア52
とプリント基板54とは設定された位置関係が可能とな
る。
【0113】絶縁されたステータコア52にコイルが巻
回され、そのコイルの端子はプリント基板54に半田付
けにより接続される。ロータフレーム43の垂下部内面
に固着されネオジ鉄系マグネットをゴムでバインドした
ゴム系の駆動マグネット55の端面にはFG磁極が着磁
され、そのFG着磁面と対向するプリント基板54の表
面には、実施の形態1から実施の形態3までで説明した
ものと同様のFGパターンが構成されている。
【0114】本実施の形態4の磁気ディスク回転駆動装
置も、モータ部とその駆動回路が実装された駆動部とに
分離されている。モータ部には、図12に示すように、
前述の各実施の形態におけるモータ回路部を構成する電
子部品とともに、下位FD用の駆動回路を構成する下位
FD用駆動IC56が搭載されている。また駆動部に
は、図13に示すように、高容量FD用の駆動回路を構
成する高容量FD用駆動IC57が搭載されている。モ
ータ部は、そのプリント基板54上のランド群58から
ランド群59を通じて、リード線で駆動回路部に接続さ
れる。リード線の本数は9本であり、各ランド群58,
59内には、同じ符号が付されたランドc1〜c9が設
けられ、同じ符号のランドどうしはランド群58,59
間で導通状態であるとする。
【0115】図13に示す駆動部では、ランド群59内
のランドc7〜c9は、高容量FD用のIC57には接
続されず、磁気ディスク回転駆動装置のコントローラ部
に直接接続される。つまり、ランドc7〜c9を通じ
て、インデックス信号用の端子IND、下位FD用IC
56の回転数切換信号用の端子300/360、下位F
D用IC56のスタートストップ信号用の端子S/S上
の各信号が、モータ部とコントローラ部との間で授受さ
れる。
【0116】図12において、駆動位置検出用のホール
素子60a,60b,60cは並列接続され、それらの
ホール出力は下位FD用のIC56に接続される。絶縁
されたステータコア52にコイルが巻回されて、U,
V,W相の3相からなる3相全波回転駆動のコイル部を
構成している。U,V,W相の各相により第1のコイル
群U1,V1,W1と第2のコイル群U2,V2,W2
とが構成され、各コイル群の両端子はs,eとして区別
されている。すなわち、第1のコイル群の端子はU1
s,U1e,V1s,V1e,W1s,W1eとし、第
2のコイル群の端子はU2s,U2e,V2s,V2
e,W2s,W2eとする。
【0117】第1のコイル群の端子U1e,V1e,W
1eと第2のコイル群の端子U2s,V2s,W2sと
がそれぞれ接続され、この接続点を端子接続部Ut,V
t,Wtとして、各相の第1コイル群と第2のコイル群
とが直列に接続される。
【0118】一方、第2のコイル群の端子U2e,V2
e,W2e間は中点結線され、その結線部を中点端子C
omとしてY接続型のコイル接続が形成される。中点端
子Comと各端子接続部Ut,Vt,Wtとは、プリン
ト基板54上のランド群58内のランドc1,c2,c
3,c4にそれぞれ半田付けにより接続される。また、
第1のコイル群の端子U1s,V1s,W1sの各端子
はプリント基板54のランドに半田接続された後に、下
位FD用のIC56の端子に直接接続される。
【0119】モータ部側のプリント基板54に実装され
た下位FD用のIC56は、3相全波ブラシレスモータ
駆動のFDDスピンドルモータ制御駆動用ICである。
モータ部側の下位FD用駆動回路は、モータ部側のプリ
ント基板54上に主要部品が実装されており、プリント
基板54上でインデックス信号の遅延調整を行い、速度
制御用のサーボ回路部61における回路部品の定数は、
下位FD専用に設定されている。
【0120】また、図13に示す駆動部には、高容量F
D用のIC57が実装されており、このIC57はセン
サレス3相全波駆動方式で作動するものである。ランド
群59内のランドc1〜c6は高容量FD用のIC57
に接続される。その内のc1〜c4は、図12に示すモ
ータ部のコイル群における第2のコイル群との接続用で
あり、ランドc1(中点端子Com用)とランドc2,
c3,c4(端子接続部Ut,Vt,Wt用)とが高容
量FD用のIC57の端子に接続されている。高容量F
D用のIC57の駆動はセンサレス駆動であるので、高
容量FD用のIC57へのリード線の数が少なくできる
うえ、ホール素子60a,60b,60cとの接続を考
慮する必要もない。
【0121】実施の形態1の場合のように、高速回転時
と低速回転時で同一のホール素子を使用する場合は、通
電位置を調整するためにホール素子の設置位置を両仕様
に調整する必要があるが、本実施の形態4の場合のよう
に、高容量FD用のIC57がセンサレス駆動であり、
ホール素子60a,60b,60cは下位FD用のIC
56の駆動にだけ使用するので、低速時の仕様にのみ設
置位置を考慮するだけでよい。
【0122】また、速度制御用のサーボ回路はそれぞれ
のICで個々に設定されており、設定回転数に合わせて
IC毎に設定することができるので、回転精度がよく、
かつ安定した定速制御を行うことができる。
【0123】すなわち、磁気ディスク回転駆動装置を高
速で回転させるときは、コイルのターン数が少なくなる
ように端子接続部Ut,Vt,Wtを3相のコイル端子
として、高容量FD用のIC57で構成したセンサレス
駆動回路で駆動させ、磁気ディスク回転駆動装置を低速
で回転させるときは、コイルのターン数が多くなるよう
に第1のコイル群の端子U1s,V1s,W1sを3相
のコイル端子として、下位FD用のIC56で構成した
駆動回路で駆動させているので、S−T特性は、実施の
形態1の場合のS−T特性と同様に、2つの線図で表さ
れる仕様となる。本実施の形態4のS−T特性は、実施
の形態1の場合を示す図5と類似であるので、ここでの
説明にも図5に示すS−T特性を使用する。
【0124】高速回転時のコイル仕様では、S−T特性
は線図(a)S1になり、最大制御トルクTc1は従来
例の装置で高速制御したときの最大制御トルクよりも大
きくなり、定格負荷Thfに対して余裕がてでくるの
で、電圧変動や負荷変動に対して安定した回転制御がで
きる。低速回転時のコイル仕様では、S−T特性は線図
(b)S2になり、最大制御トルクTc2は従来例の装
置で低速制御したときの最大制御トルクに比べて大き
く、定格負荷Tfに対して余裕ができる。
【0125】また、低速および高速の各速度毎にS−T
特性を変えることができるので、それぞれの負荷に合わ
せた特性の磁気ディスク回転駆動装置ができる。また、
特性に余裕ができるので、より小型な磁気ディスク回転
駆動装置を構成することができる。
【0126】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、下位FD
互換可能で、高容量FD駆動のS−T特性と下位FD駆
動のS−T特性を個々に別々に制御できるので、信頼性
が高い下位互換を行うことができる。
【0127】また、下位FD互換で、より高回転数の高
容量FD駆動装置を実現することができる。また、高容
量FD駆動ICをセンサレス駆動ICとしたので、ホー
ル素子の位置を低速の下位FD用の駆動に適した位置に
設定できるうえに、回路接続の線数を少なくすることが
できる。
【0128】また、別のICをそれぞれ使用するので、
回転数精度が高いうえに、高容量FD駆動のS−T特性
と下位FD駆動のS−T特性を個々に別々に制御が可能
となり、信頼性が高い下位互換を行うことができる。
【0129】また、高速制御回転時のコイル仕様によ
り、最大制御トルクは従来装置で高速制御したときの最
大制御トルクに比べて大きくなり、高容量FD負荷に対
して余裕をもつことができるとともに、低速制御回転時
のコイル仕様により、最大制御トルクは従来装置で低速
制御したときの最大制御トルクに比べて大きくなり、下
位FD負荷に対して余裕をもつことができる。
【0130】また、高速時のモータ特性は第1のコイル
群の特性仕様に影響されずに決定することができる。ま
た、高速時における無負荷回転数を高くすることがで
き、より高速対応のモータを得ることができる。
【0131】また、高速制御のS−T特性の起動トルク
は、コイル仕様が並列接続となって大きくなるので、起
動時間を短縮することができ消費電流を低減することが
できる。
【0132】以上により、同一のモータ部のチャッキン
グ機構および回転駆動部を用いて、高容量FDと下位F
Dとの両方に対して互換的にリード・ライトを行うこと
ができるとともに、装置をコンパクト化することがで
き、かつ安価で高信頼性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の磁気ディスク回転駆動
装置のモータ部側の構造断面図
【図2】同実施の形態1におけるモータ部側の構造を示
す上面図
【図3】同実施の形態1におけるモータ部の回路構成図
【図4】同実施の形態1における駆動部の回路構成図
【図5】同実施の形態1における磁気ディスク回転駆動
装置のS−T特性図
【図6】本発明の実施の形態3の磁気ディスク回転駆動
装置のモータ部の回路構成図
【図7】同実施の形態3における駆動部の回路構成図
【図8】同実施の形態3におけるコイル群の接続図
【図9】同実施の形態3における磁気ディスク回転駆動
装置のS−T特性図
【図10】本発明の実施の形態4の磁気ディスク回転駆
動装置のモータ部側の構造断面図
【図11】同実施の形態4におけるモータ部側の構造を
示す上面図
【図12】同実施の形態4におけるモータ部の回路構成
【図13】同実施の形態4における駆動部の回路構成図
【図14】従来の磁気ディスク回転駆動装置の構造図
【図15】同従来例の3相全波駆動回路の構成図
【図16】同従来例のモータの速度制御を表すブロック
線図
【図17】同従来例のモータの速度制御を表す他のブロ
ック線図
【図18】同従来例の積分器の構成図
【図19】同従来例のサーボ特性図
【図20】同従来例のS−T特性の説明図
【図21】同従来例の磁気ディスク回転駆動装置のS−
T特性図
【符号の説明】
1,41 シャフト 12,52 ステータコア 21,37,56 下位FD用のIC 22,38,57 高容量FD用のIC 29a,40a,61 下位FD用のICのサーボ回
路部 29b,40b 高容量FD用のICのサーボ回路部 36 スイッチング素子部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転数の設定値として最高値が最低値の
    3倍以上である複数の設定回転数により情報記憶媒体で
    ある磁気ディスクを回転駆動するモータを、そのステー
    タコアに絶縁されて巻回されたコイル群にU、V、Wか
    らなる3相全波信号を印加することにより駆動する磁気
    ディスク回転駆動装置であって、前記3相全波信号が印
    可される前記コイル群を、その各相をU、V、W相とし
    て、U1、V1、W1相からなる第1のコイル群と、U
    2、V2、W2相からなる第2のコイル群とで構成し、
    前記第1のコイル群の各相の端子を、U1s、U1e、
    V1s、V1e、W1s、W1eとし、前記第2のコイ
    ル群の各相の端子を、U2s、U2e、V2s、V2
    e、W2s、W2eとし、前記第1のコイル群のU1
    e、V1e、W1eと第2のコイル群のU2s、V2
    s、W2sとを、各相毎に、前記第1のコイル群と第2
    のコイル群とが直列となるように接続して、その接続部
    を各相毎にUt、Vt、Wtとし、前記第2のコイル群
    のU2e、V2e、W2eを中点として結線し、前記磁
    気ディスクを高速で定速回転させるときは、前記Ut、
    Vt、Wtを通じて、前記コイル群に高速サーボ制御を
    行う駆動回路の3相全波信号を印可して前記モータを駆
    動し、前記磁気ディスクを低速で定速回転させるとき
    は、前記U1s、V1s、W1sを通じて、前記コイル
    群に前記高速サーボ制御用とは別の低速サーボ制御を行
    う駆動回路の3相全波信号を印可して前記モータを駆動
    することを特徴とする磁気ディスク回転駆動装置。
  2. 【請求項2】 回転数の設定値として最高値が最低値の
    3倍以上である複数の設定回転数により情報記憶媒体で
    ある磁気ディスクを回転駆動するモータを、そのステー
    タコアに絶縁されて巻回されたコイル群にU、V、Wか
    らなる3相全波信号を印加することにより駆動する磁気
    ディスク回転駆動装置であって、前記3相全波信号が印
    可される前記コイル群を、その各相をU、V、W相とし
    て、U1、V1、W1相からなる第1のコイル群と、U
    2、V2、W2相からなる第2のコイル群とで構成し、
    前記第1のコイル群の各相の端子を、U1s、U1e、
    V1s、V1e、W1s、W1eとし、前記第2のコイ
    ル群の各相の端子を、U2s、U2e、V2s、V2
    e、W2s、W2eとし、前記磁気ディスクを低速で定
    速回転させるときは、前記第1のコイル群のU1e、V
    1e、W1eと第2のコイル群のU2s、V2s、W2
    sとを、各相毎に、前記第1のコイル群と第2のコイル
    群とが直列となるように接続して、前記第2のコイル群
    のU2e、V2e、W2eを中点として結線し、前記U
    1s、V1s、W1sを通じて、前記コイル群に低速サ
    ーボ制御を行う駆動回路の3相全波信号を印可して前記
    モータを駆動し、前記磁気ディスクを高速で定速回転さ
    せるときは、前記第1のコイル群のU1s、U1e、V
    1s、V1e、W1s、W1eと、第2のコイル群のU
    2s、U2e、V2s、V2e、W2s、W2eとを、
    各相毎に、前記第1のコイル群と第2のコイル群とが並
    列となるように接続して、前記並列接続された第1のコ
    イル群および第2のコイル群の各相のe端子側を中点と
    して結線し、各相のs端子側を通じて、前記コイル群に
    前記低速サーボ制御用とは別の高速サーボ制御を行う駆
    動回路の3相全波信号を印可して前記モータを駆動する
    ことを特徴とする磁気ディスク回転駆動装置。
  3. 【請求項3】 第1のコイル群と第2のコイル群との間
    で、各相毎にコイル線径やターン数の巻線仕様が異なっ
    ている請求項1または請求項2記載の磁気ディスク回転
    駆動装置。
  4. 【請求項4】 磁気ディスクを高速で定速回転させると
    きに使用される高速サーボ制御用の駆動回路を、センサ
    レス駆動回路とする請求項1から請求項3のいずれかに
    記載の磁気ディスク回転駆動装置。
  5. 【請求項5】 複数の設定回転数により情報記憶媒体で
    ある磁気ディスクを回転駆動するモータであり、シャフ
    トと、シャフトと一体に回転するロータフレームと、ロ
    ータフレームに固定され前記磁気ディスクの回転駆動の
    ためにそのディスクハブを吸引するハブマグネットと、
    ロータフレームの内側に固定された板バネと、板バネに
    固定された駆動ピンとを備えたモータを、そのステータ
    コアに絶縁されて前記ハブマグネットに対向した位置に
    巻回されたコイル群にU、V、Wからなる3相全波信号
    を印加することにより、駆動する磁気ディスク回転駆動
    装置であって、前記3相全波信号が印可される前記コイ
    ル群を、その各相をU、V、W相として、U1、V1、
    W1相からなる第1のコイル群と、U2、V2、W2相
    からなる第2のコイル群とで構成し、前記第1のコイル
    群の各相の端子を、U1s、U1e、V1s、V1e、
    W1s、W1eとし、前記第2のコイル群の各相の端子
    を、U2s、U2e、V2s、V2e、W2s、W2e
    とし、前記第1のコイル群のU1e、V1e、W1eと
    第2のコイル群のU2s、V2s、W2sとを、各相毎
    に、前記第1のコイル群と第2のコイル群とが直列とな
    るように接続して、その接続部を各相毎にUt、Vt、
    Wtとし、前記第2のコイル群のU2e、V2e、W2
    eを中点として結線し、前記磁気ディスクを高速で回転
    させるときは、前記Ut、Vt、Wtを通じて、前記コ
    イル群に駆動回路の3相全波信号を印可して前記モータ
    を駆動し、前記磁気ディスクを低速で回転させるとき
    は、前記U1s、V1s、W1sを通じて、前記コイル
    群に前記高速回転用とは別の駆動回路の3相全波信号を
    印可して前記モータを駆動することを特徴とする磁気デ
    ィスク回転駆動装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012080631A (ja) * 2010-09-30 2012-04-19 Hitachi Koki Co Ltd ディスクモータ及び電動作業機
JP2013240233A (ja) * 2012-05-17 2013-11-28 Lenovo Singapore Pte Ltd 薄型の電子機器に使用する流体動圧軸受の寿命を延長する方法および電子機器
KR20200024928A (ko) * 2017-07-10 2020-03-09 이-서킷 모터스 인코퍼레이티드 축 방향 자속 모터 및 발전기를 위한 개선된 평면 복합 구조체 및 조립체

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