JPH06133515A - ブラシレスモータ - Google Patents
ブラシレスモータInfo
- Publication number
- JPH06133515A JPH06133515A JP28694292A JP28694292A JPH06133515A JP H06133515 A JPH06133515 A JP H06133515A JP 28694292 A JP28694292 A JP 28694292A JP 28694292 A JP28694292 A JP 28694292A JP H06133515 A JPH06133515 A JP H06133515A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hub
- dynamic pressure
- magnet
- coil
- brushless motor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Brushless Motors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 NRRを低減し、ハードディスクの高密度化
に好適で、耐衝撃性にも優れたブラシレスモータを提供
する。 【構成】 コアレスコイル60に通電方向を制御しつつ
電流を流すと、コアレスコイル60の発生磁界とマグネ
ット56による磁界とが作用してハブ54が矢印F1方
向(又はその反対方向)に移動する。このとき、シャフ
ト50のV字溝70,72によるオイル集中によって、
ロータ部分がシャフト50のタンジェンシャル方向及び
スラスト方向に浮上して非接触で回転するようになる。
このような動圧軸受けの作用によって、ハードディスク
36は安定して回転するので、NRRが低減される。こ
のとき、外部から振動が加えられても、吸引マグネット
64,66の作用によって衝撃が低減されるようにな
り、ストッパ78によってロータ側の抜けも防止され
る。
に好適で、耐衝撃性にも優れたブラシレスモータを提供
する。 【構成】 コアレスコイル60に通電方向を制御しつつ
電流を流すと、コアレスコイル60の発生磁界とマグネ
ット56による磁界とが作用してハブ54が矢印F1方
向(又はその反対方向)に移動する。このとき、シャフ
ト50のV字溝70,72によるオイル集中によって、
ロータ部分がシャフト50のタンジェンシャル方向及び
スラスト方向に浮上して非接触で回転するようになる。
このような動圧軸受けの作用によって、ハードディスク
36は安定して回転するので、NRRが低減される。こ
のとき、外部から振動が加えられても、吸引マグネット
64,66の作用によって衝撃が低減されるようにな
り、ストッパ78によってロータ側の抜けも防止され
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はブラシレスモータにかか
り、更に具体的には、高密度でデータが記録されるハー
ドディスクの駆動装置(HDD:Hard Disk Drive)な
どに好適なブラシレスモータの改良に関する。
り、更に具体的には、高密度でデータが記録されるハー
ドディスクの駆動装置(HDD:Hard Disk Drive)な
どに好適なブラシレスモータの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】パーソナルコンピュータなどの記憶装置
として普及しているHDDなどに用いられているブラシ
レスモータとしては、図8に示すものがある。同図は、
回転中心に沿った断面の右半分を示すものである。この
図において、ロータリシャフト10には、コイルスプリ
ング12を介してボールベアリング14,16が各々取
り付けられている。これらボールベアリング14,16
の内輪側には断面略コ字状のハブ18が取り付けられて
おり、外輪側にはスリーブ20が取り付けられている。
として普及しているHDDなどに用いられているブラシ
レスモータとしては、図8に示すものがある。同図は、
回転中心に沿った断面の右半分を示すものである。この
図において、ロータリシャフト10には、コイルスプリ
ング12を介してボールベアリング14,16が各々取
り付けられている。これらボールベアリング14,16
の内輪側には断面略コ字状のハブ18が取り付けられて
おり、外輪側にはスリーブ20が取り付けられている。
【0003】ハブ18の内側にはマグネット22が設け
られており、スリーブ20の外側にはマグネット22に
対向してコイル24が設けられている。また、スリーブ
20の下側はモータベース26に接続されており、この
モータベース26がHDDのシャーシ28に取り付けら
れている。また、ハブ18の下側外周にはディスクホル
ダ30が形成されており、このディスクホルダ30とス
ペーサ32及び上部のクランパ34との間に複数のハー
ドディスク36が狭持されている。クランパ34は、ロ
ータリシャフト10にねじ止めされてハブ18側に固定
されている。なお、ハードディスク36に対するアクセ
スは、図の左右方向に移動するヘッド(図示せず)によ
ってその両面に行われるようになっている。また、モー
タ下部には、駆動用の回路部品が設けられた回路基板
(図示せず)が配置されている。
られており、スリーブ20の外側にはマグネット22に
対向してコイル24が設けられている。また、スリーブ
20の下側はモータベース26に接続されており、この
モータベース26がHDDのシャーシ28に取り付けら
れている。また、ハブ18の下側外周にはディスクホル
ダ30が形成されており、このディスクホルダ30とス
ペーサ32及び上部のクランパ34との間に複数のハー
ドディスク36が狭持されている。クランパ34は、ロ
ータリシャフト10にねじ止めされてハブ18側に固定
されている。なお、ハードディスク36に対するアクセ
スは、図の左右方向に移動するヘッド(図示せず)によ
ってその両面に行われるようになっている。また、モー
タ下部には、駆動用の回路部品が設けられた回路基板
(図示せず)が配置されている。
【0004】コイル24に通電方向を制御しつつ電流を
流すと、コイル24の発生磁界とマグネット24による
磁界とが作用してロータリシャフト10及びハブ18が
矢印FA方向(又はその反対方向)に回転する。これに
より、ヘッドに対してハードディスク36が回転するこ
とになる。ヘッドは、同図の左右方向に移動して所望の
トラックにアクセスする。
流すと、コイル24の発生磁界とマグネット24による
磁界とが作用してロータリシャフト10及びハブ18が
矢印FA方向(又はその反対方向)に回転する。これに
より、ヘッドに対してハードディスク36が回転するこ
とになる。ヘッドは、同図の左右方向に移動して所望の
トラックにアクセスする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような従来技術では、軸受けがボールベアリング14,
16による接触転がりとなっている。このため、ボール
ベアリング14,16の各構成部品の精度によって、非
繰り返し周期の微小変位(NRR)が回転軸に生ずる。
図7にはその様子が示されており、同図(A)は1回転
に1回得られるインデックスパルスである。これを起点
とした回転軸の変位量のうち、繰り返し生ずる変位は、
同図(B)にグラフGAで示すようになる。これに対
し、非繰り返し成分があると、グラフGAがグラフGB
あるいはGCのようになる。NRRはΔで示す部分に相
当し、上述した従来技術では0.3〜0.5μm程度と
なっている。
ような従来技術では、軸受けがボールベアリング14,
16による接触転がりとなっている。このため、ボール
ベアリング14,16の各構成部品の精度によって、非
繰り返し周期の微小変位(NRR)が回転軸に生ずる。
図7にはその様子が示されており、同図(A)は1回転
に1回得られるインデックスパルスである。これを起点
とした回転軸の変位量のうち、繰り返し生ずる変位は、
同図(B)にグラフGAで示すようになる。これに対
し、非繰り返し成分があると、グラフGAがグラフGB
あるいはGCのようになる。NRRはΔで示す部分に相
当し、上述した従来技術では0.3〜0.5μm程度と
なっている。
【0006】ところが、近年のハードディスクの高容量
化に伴うトラック密度の高密度化によって、NRRの許
容値は、従来の0.5μm程度から、現在は0.1μm
程度あるいはそれ以下が要求されるに至っている。更
に、近年では、HDDを内蔵したポータブルタイプのパ
ーソナルコンピュータやワードプロセッサの普及が目覚
ましいが、これらの機器で落下などが生ずると、HDD
ではそのモータのベアリング部分が大きな衝撃を受け
る。この衝撃に耐えるようにするためにはベアリングの
ボール径を大きくする必要があるが、限られたスペース
の中でモータを構成しなければならず、ボール径を大き
くするにも限界がある。すなわち、ブラシレスモータの
従来技術をそのまま適用するだけでは、ダウンサイジン
グの要求に応えることができない。
化に伴うトラック密度の高密度化によって、NRRの許
容値は、従来の0.5μm程度から、現在は0.1μm
程度あるいはそれ以下が要求されるに至っている。更
に、近年では、HDDを内蔵したポータブルタイプのパ
ーソナルコンピュータやワードプロセッサの普及が目覚
ましいが、これらの機器で落下などが生ずると、HDD
ではそのモータのベアリング部分が大きな衝撃を受け
る。この衝撃に耐えるようにするためにはベアリングの
ボール径を大きくする必要があるが、限られたスペース
の中でモータを構成しなければならず、ボール径を大き
くするにも限界がある。すなわち、ブラシレスモータの
従来技術をそのまま適用するだけでは、ダウンサイジン
グの要求に応えることができない。
【0007】本発明は、これらの点に着目したもので、
NRRを低減してハードディスクの高密度化に好適なブ
ラシレスモータを提供することを、その目的とする。ま
た、本発明は、耐衝撃性に優れた小型化にも有利なブラ
シレスモータを提供することを、他の目的とする。
NRRを低減してハードディスクの高密度化に好適なブ
ラシレスモータを提供することを、その目的とする。ま
た、本発明は、耐衝撃性に優れた小型化にも有利なブラ
シレスモータを提供することを、他の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の1つは、情報の
記録又は再生が行われる多数のトラックを含むディスク
媒体がロータ側のハブの外側に設けられており、回転駆
動用のマグネットがハブの内側に設けられており、この
マグネットに対向するようにコイルがステータ側のモー
タベースに設けられており、前記マグネットによる磁界
と、前記コイルへの通電による磁界とを作用させて前記
ディスク媒体を回転駆動するブラシレスモータにおい
て、前記ステータ側に対して回転時に動圧で前記ロータ
側を浮上支持するラジアル方向及びスラスト方向の動圧
軸受けと、スラスト方向の動圧軸受けによる浮上力と反
対方向の力をロータ側に与える浮力調整手段と、ロータ
側の抜けを防止するストッパ手段とを備えたことを特徴
とする。
記録又は再生が行われる多数のトラックを含むディスク
媒体がロータ側のハブの外側に設けられており、回転駆
動用のマグネットがハブの内側に設けられており、この
マグネットに対向するようにコイルがステータ側のモー
タベースに設けられており、前記マグネットによる磁界
と、前記コイルへの通電による磁界とを作用させて前記
ディスク媒体を回転駆動するブラシレスモータにおい
て、前記ステータ側に対して回転時に動圧で前記ロータ
側を浮上支持するラジアル方向及びスラスト方向の動圧
軸受けと、スラスト方向の動圧軸受けによる浮上力と反
対方向の力をロータ側に与える浮力調整手段と、ロータ
側の抜けを防止するストッパ手段とを備えたことを特徴
とする。
【0009】他の発明は、情報の記録又は再生が行われ
る多数のトラックを含むディスク媒体がロータ側のハブ
の外側に設けられており、回転駆動用のマグネットがハ
ブの内側に設けられており、このマグネットに対向する
ようにコイルがステータ側のモータベースに設けられて
おり、前記マグネットによる磁界と、前記コイルへの通
電による磁界とを作用させて前記ディスク媒体を回転駆
動するブラシレスモータにおいて、前記ステータ側に対
して回転時に動圧で前記ロータ側を浮上支持するラジア
ル方向及び前後のスラスト方向の動圧軸受けと、スラス
ト方向の動圧軸受けの外側で磁性流体によってそれぞれ
シーリングを行うシール手段と備えたことを特徴とす
る。
る多数のトラックを含むディスク媒体がロータ側のハブ
の外側に設けられており、回転駆動用のマグネットがハ
ブの内側に設けられており、このマグネットに対向する
ようにコイルがステータ側のモータベースに設けられて
おり、前記マグネットによる磁界と、前記コイルへの通
電による磁界とを作用させて前記ディスク媒体を回転駆
動するブラシレスモータにおいて、前記ステータ側に対
して回転時に動圧で前記ロータ側を浮上支持するラジア
ル方向及び前後のスラスト方向の動圧軸受けと、スラス
ト方向の動圧軸受けの外側で磁性流体によってそれぞれ
シーリングを行うシール手段と備えたことを特徴とす
る。
【0010】
【作用】第1の発明によれば、ステータ部に対してロー
タ部を支持する軸受けの部分に、非接触の動圧軸受けが
ラジアル方向及びスラスト方向に使用される。このた
め、NRRは大幅に改善されるようになり、ディスク媒
体のトラック密度の増大に対応できるようになって、耐
衝撃性も向上する。また、動圧軸受けの使用によるロー
タ側の振動は浮力調整手段によって低減され、ロータ側
の抜けはストッパ手段によって防止される。また、第2
の発明によれば、動圧軸受けがシャフトの前後のスラス
ト方向に設けられており、それらの外側には磁性流体に
よるオイルシールが行われている。
タ部を支持する軸受けの部分に、非接触の動圧軸受けが
ラジアル方向及びスラスト方向に使用される。このた
め、NRRは大幅に改善されるようになり、ディスク媒
体のトラック密度の増大に対応できるようになって、耐
衝撃性も向上する。また、動圧軸受けの使用によるロー
タ側の振動は浮力調整手段によって低減され、ロータ側
の抜けはストッパ手段によって防止される。また、第2
の発明によれば、動圧軸受けがシャフトの前後のスラス
ト方向に設けられており、それらの外側には磁性流体に
よるオイルシールが行われている。
【0011】
【実施例】以下、本発明によるブラシレスモータの実施
例について、添付図面を参照しながら説明する。なお、
上述した従来例と同様の構成部分又は従来例と対応する
構成部分については、同一の符号を用いる。
例について、添付図面を参照しながら説明する。なお、
上述した従来例と同様の構成部分又は従来例と対応する
構成部分については、同一の符号を用いる。
【0012】<第1実施例>最初に、図1〜図5を参照
しながら本発明の第1実施例について説明する。図1に
は、本発明の一実施例にかかるブラシレスモータが示さ
れている。この図は、回転軸に沿った断面の中心から右
側の部分を示す一部省略したものである。同図におい
て、シャフト50は、適宜のクリアランスをもってスリ
ーブ52を貫通している。このスリーブ52はハブ54
と一体に成形されており、スリーブ52の外周側にはマ
グネット56が設けられている。そして、このマグネッ
ト56とハブ54との間にコイルホルダ58に立設され
たコアレスコイル60が適宜のクリアランスをもって配
置されている。
しながら本発明の第1実施例について説明する。図1に
は、本発明の一実施例にかかるブラシレスモータが示さ
れている。この図は、回転軸に沿った断面の中心から右
側の部分を示す一部省略したものである。同図におい
て、シャフト50は、適宜のクリアランスをもってスリ
ーブ52を貫通している。このスリーブ52はハブ54
と一体に成形されており、スリーブ52の外周側にはマ
グネット56が設けられている。そして、このマグネッ
ト56とハブ54との間にコイルホルダ58に立設され
たコアレスコイル60が適宜のクリアランスをもって配
置されている。
【0013】シャフト50は、下方でモータベース62
に連結されており、このモータベース62がHDDのシ
ャーシ(図示せず)にねじなどで固定されている。この
モータベース62の底部には、上述したコイルホルダ5
8の他に、吸引マグネット64が納められている。そし
て、スリーブ52の下端部には、吸引マグネット64に
対向して吸引マグネット66が適宜のクリアランスをも
って設けられている。また、上述したコアレスコイル6
0は、このモータベース62を介して図示しないフレキ
シブルプリント基板(FPC)に接続されている。FP
Cには、駆動回路が形成されている。
に連結されており、このモータベース62がHDDのシ
ャーシ(図示せず)にねじなどで固定されている。この
モータベース62の底部には、上述したコイルホルダ5
8の他に、吸引マグネット64が納められている。そし
て、スリーブ52の下端部には、吸引マグネット64に
対向して吸引マグネット66が適宜のクリアランスをも
って設けられている。また、上述したコアレスコイル6
0は、このモータベース62を介して図示しないフレキ
シブルプリント基板(FPC)に接続されている。FP
Cには、駆動回路が形成されている。
【0014】次に、ハブ54の下側外周にはディスクホ
ルダ68が形成されており、ハブ上方からハードディス
ク36がはめ込まれている。ハードディスク36は、そ
の内周側がディスクホルダ68に接しており、更にクラ
ンパ32がハブ56にはめ込まれてハードディスク36
が狭持されている。2枚目のハードディスク36は、ク
ランパ32,34によって狭持されている。ハードディ
スク36に対するアクセスは、ヘッド35(一部のみ図
示,後述する実施例でも同様)によって各ディスクの両
面に行われるようになっている。
ルダ68が形成されており、ハブ上方からハードディス
ク36がはめ込まれている。ハードディスク36は、そ
の内周側がディスクホルダ68に接しており、更にクラ
ンパ32がハブ56にはめ込まれてハードディスク36
が狭持されている。2枚目のハードディスク36は、ク
ランパ32,34によって狭持されている。ハードディ
スク36に対するアクセスは、ヘッド35(一部のみ図
示,後述する実施例でも同様)によって各ディスクの両
面に行われるようになっている。
【0015】次に、本実施例では、シャフト50の外周
部分及び頂部にそれぞれ動圧を発生するためのV字溝7
0,72が各々形成されており、これらによって動圧軸
受けが構成されている。停止時は、ロータ部分が浮上し
ておらず、カバー74はシャフト50の頂部のボール7
6に接している。また、シャフト50の上部には、抜け
防止ストッパ78がスリーブ52方向に延設されてい
る。
部分及び頂部にそれぞれ動圧を発生するためのV字溝7
0,72が各々形成されており、これらによって動圧軸
受けが構成されている。停止時は、ロータ部分が浮上し
ておらず、カバー74はシャフト50の頂部のボール7
6に接している。また、シャフト50の上部には、抜け
防止ストッパ78がスリーブ52方向に延設されてい
る。
【0016】以上の各部のうち、コアレスコイル60の
部分は、図2(A)に示すように構成されている。この
例は、例えば8極,6コイルの3相モータの場合のもの
であり、同図(B)に示すように、マグネット56(図
1参照)は電気角で2π/8に着磁され、コイル60A
は2π/6の間隔となっている。独立した6個のコイル
60Aは円筒状に配置されており、全体が樹脂成形され
ている。このコアレスコイル60は、コア(鉄芯)を持
たないため、鉄損が発生しないという特長がある。
部分は、図2(A)に示すように構成されている。この
例は、例えば8極,6コイルの3相モータの場合のもの
であり、同図(B)に示すように、マグネット56(図
1参照)は電気角で2π/8に着磁され、コイル60A
は2π/6の間隔となっている。独立した6個のコイル
60Aは円筒状に配置されており、全体が樹脂成形され
ている。このコアレスコイル60は、コア(鉄芯)を持
たないため、鉄損が発生しないという特長がある。
【0017】次に、本実施例では、ボールベアリングに
よる軸受けの代わりにV字溝70,72による動圧軸受
けが用いられている。V字溝70は、図1に示すように
ヘリングボーンタイプとなっている。また、V字溝72
の平面形状は図3(A)に示すポンプアウトタイプとな
っており、同図の#3−#3線に沿った断面は同図
(B)に示す通りである。なお、同図(C)に示すよう
な溝72Aと丘72Bとによるポンプインタイプ,同図
(D)に示すV字溝72Cによるヘリングボーンタイプ
としてもよい。また、後述するレイレイステップタイプ
の形状で動圧軸受けを構成してもよい。
よる軸受けの代わりにV字溝70,72による動圧軸受
けが用いられている。V字溝70は、図1に示すように
ヘリングボーンタイプとなっている。また、V字溝72
の平面形状は図3(A)に示すポンプアウトタイプとな
っており、同図の#3−#3線に沿った断面は同図
(B)に示す通りである。なお、同図(C)に示すよう
な溝72Aと丘72Bとによるポンプインタイプ,同図
(D)に示すV字溝72Cによるヘリングボーンタイプ
としてもよい。また、後述するレイレイステップタイプ
の形状で動圧軸受けを構成してもよい。
【0018】スリーブ52,ハブ54を中心とするロー
タ部分が矢印F1方向に回転すると、V字溝70,72
の先端にオイルが集中し、ロータ部分はシャフト50の
ラジアル方向及びスラスト方向に浮上して非接触で回転
するようになる。このように、V字溝70はシャフト5
0とスリーブ52との間におけるラジアル方向の動圧軸
受けとして作用し、V字溝72はシャフト50とカバー
74との間におけるスラスト方向の動圧軸受けとして作
用する。
タ部分が矢印F1方向に回転すると、V字溝70,72
の先端にオイルが集中し、ロータ部分はシャフト50の
ラジアル方向及びスラスト方向に浮上して非接触で回転
するようになる。このように、V字溝70はシャフト5
0とスリーブ52との間におけるラジアル方向の動圧軸
受けとして作用し、V字溝72はシャフト50とカバー
74との間におけるスラスト方向の動圧軸受けとして作
用する。
【0019】また、このように動圧軸受けを使用してい
るために、外部からの衝撃によってロータ部分の上下動
が生ずるので、これを防止するため吸引マグネット6
4,66が設けられている。すなわち、スペーサ32,
クランパ34,ディスク36,スリーブ52,ハブ5
4,マグネット56などのロータ部分の重量と吸引マグ
ネット64,66の吸引力とが、動圧軸受けのスラスト
浮上力とバランスするように、設計されている。すなわ
ち、 ロータ部分の重量+吸引マグネットの吸引力≒スラスト
浮上力 ……(1) となっている。更に、非回転時のショックなどによる抜
け防止のためにストッパ78が付加されている。
るために、外部からの衝撃によってロータ部分の上下動
が生ずるので、これを防止するため吸引マグネット6
4,66が設けられている。すなわち、スペーサ32,
クランパ34,ディスク36,スリーブ52,ハブ5
4,マグネット56などのロータ部分の重量と吸引マグ
ネット64,66の吸引力とが、動圧軸受けのスラスト
浮上力とバランスするように、設計されている。すなわ
ち、 ロータ部分の重量+吸引マグネットの吸引力≒スラスト
浮上力 ……(1) となっている。更に、非回転時のショックなどによる抜
け防止のためにストッパ78が付加されている。
【0020】次に、以上のような実施例の作用について
説明する。コアレスコイル60に通電方向を制御しつつ
電流を流すと、コアレスコイル60の発生磁界とマグネ
ット56による磁界とが作用してハブ54は矢印F1方
向(又はその反対方向)に移動するようになる。このと
き、シャフト50では、V字溝70,72の先端にオイ
ルが集中し、ロータ部分がシャフト50のラジアル方向
及びスラスト方向に浮上して非接触で回転するようにな
る。従って、ハブ54に取り付けられているハードディ
スク36がヘッド35に対して回転することになる。ヘ
ッド35は、図1の左右方向に移動して所望のトラック
にアクセスする。
説明する。コアレスコイル60に通電方向を制御しつつ
電流を流すと、コアレスコイル60の発生磁界とマグネ
ット56による磁界とが作用してハブ54は矢印F1方
向(又はその反対方向)に移動するようになる。このと
き、シャフト50では、V字溝70,72の先端にオイ
ルが集中し、ロータ部分がシャフト50のラジアル方向
及びスラスト方向に浮上して非接触で回転するようにな
る。従って、ハブ54に取り付けられているハードディ
スク36がヘッド35に対して回転することになる。ヘ
ッド35は、図1の左右方向に移動して所望のトラック
にアクセスする。
【0021】このとき、仮に外部振動などによってハー
ドディスク36に衝撃が加えられたとしても、上述した
(1)式の条件を満たす吸引マグネット64,66が作
用する。従って、ハードディスク36が上下に変動して
リード・ライトエラーが発生するというような不都合は
良好に防止される。また、ステータ部分からのロータ部
分の抜けは、シャフト50に設けられたストッパ78に
よって防止される。
ドディスク36に衝撃が加えられたとしても、上述した
(1)式の条件を満たす吸引マグネット64,66が作
用する。従って、ハードディスク36が上下に変動して
リード・ライトエラーが発生するというような不都合は
良好に防止される。また、ステータ部分からのロータ部
分の抜けは、シャフト50に設けられたストッパ78に
よって防止される。
【0022】このように、本実施例では、ボールベアリ
ングが使用されることなく、動圧軸受けによってハード
ディスク36の回転駆動が行われる。このため、シャフ
ト50はスリーブ52中で安定して中心で回転するよう
になる。従って、上述したNRRが良好に低減されるよ
うになり、ハードディスクの高密度化に好適な回転駆動
が実現される。また、動圧軸受けとすることで、耐衝撃
性が向上するとともに、騒音・振動が低減されるように
なる。
ングが使用されることなく、動圧軸受けによってハード
ディスク36の回転駆動が行われる。このため、シャフ
ト50はスリーブ52中で安定して中心で回転するよう
になる。従って、上述したNRRが良好に低減されるよ
うになり、ハードディスクの高密度化に好適な回転駆動
が実現される。また、動圧軸受けとすることで、耐衝撃
性が向上するとともに、騒音・振動が低減されるように
なる。
【0023】次に、本実施例では、上述したようにコア
レスコイル60が使用されている。このため、鉄損(コ
ア(鉄芯)による損失)が生じないという利点がある。
昨今では、高転送レートを達成するため、HDDのスピ
ンドルモータには更に高速回転が要求されている。他
方、モータの回転損失は、 回転損失=軸損(軸受け部の損失)+鉄損+ディスク風
損+銅損 …(2) で表わされる。高速回転を行うと、それらのうちの軸損
や鉄損が増大して、消費電力が増大するようになる。ポ
ータブルタイプでバッテリー駆動されるノートブック型
のパーソナルコンピュータなどでは、この消費電力の増
大が特に問題となる。
レスコイル60が使用されている。このため、鉄損(コ
ア(鉄芯)による損失)が生じないという利点がある。
昨今では、高転送レートを達成するため、HDDのスピ
ンドルモータには更に高速回転が要求されている。他
方、モータの回転損失は、 回転損失=軸損(軸受け部の損失)+鉄損+ディスク風
損+銅損 …(2) で表わされる。高速回転を行うと、それらのうちの軸損
や鉄損が増大して、消費電力が増大するようになる。ポ
ータブルタイプでバッテリー駆動されるノートブック型
のパーソナルコンピュータなどでは、この消費電力の増
大が特に問題となる。
【0024】また、本実施例に関して行った損失測定の
実験結果によれば、図4に示すように、鉄損は略回転数
の2乗に比例し(グラフG1),軸損は回転数に比例し
て増加する(グラフG2)。これによれば、高速回転の
場合には、軸損よりも鉄損が大きなロス成分となり、消
費電流を増加させることが分る。従って、本実施例のよ
うにコアレスコイル60を用いれば、鉄損がないため大
幅に消費電力を低減することができ、高速回転において
は非常に有利になる。また、騒音や振動の低減も可能と
なる。
実験結果によれば、図4に示すように、鉄損は略回転数
の2乗に比例し(グラフG1),軸損は回転数に比例し
て増加する(グラフG2)。これによれば、高速回転の
場合には、軸損よりも鉄損が大きなロス成分となり、消
費電流を増加させることが分る。従って、本実施例のよ
うにコアレスコイル60を用いれば、鉄損がないため大
幅に消費電力を低減することができ、高速回転において
は非常に有利になる。また、騒音や振動の低減も可能と
なる。
【0025】次に、本実施例の試作モータと、ボールベ
アリングを用いた従来タイプのモータについて各種特性
を計測したところ、次の表1のような結果が得られた。
アリングを用いた従来タイプのモータについて各種特性
を計測したところ、次の表1のような結果が得られた。
【0026】
【表1】
【0027】この表に示すように、本実施例によれば、
全体として高容量化,高速化に好適なブラシレスモータ
を得ることができる。この測定結果は、ノートブック側
やペン入力側のポータブルコンピュータ機器に搭載され
るHDDのスピンドルモータに要求される性能をほとん
ど満たしている。
全体として高容量化,高速化に好適なブラシレスモータ
を得ることができる。この測定結果は、ノートブック側
やペン入力側のポータブルコンピュータ機器に搭載され
るHDDのスピンドルモータに要求される性能をほとん
ど満たしている。
【0028】なお、前記説明では、スリーブ52とモー
タベース62との間に吸引マグネット64,66を設け
たが、ステータ側とロータ側の間の適宜部位に設けてよ
い。例えば、図5に示すように、シャフト50の上面外
周側に一方の吸引マグネット90を設け、他方の吸引マ
グネットをカバー74側に設けるようにしても、同様の
作用を得ることができる。また、構造によっては反発マ
グネットを用いることもできる。ストッパ78も同様
に、ステータ側とロータ側の間の適宜位置に設けてよ
い。
タベース62との間に吸引マグネット64,66を設け
たが、ステータ側とロータ側の間の適宜部位に設けてよ
い。例えば、図5に示すように、シャフト50の上面外
周側に一方の吸引マグネット90を設け、他方の吸引マ
グネットをカバー74側に設けるようにしても、同様の
作用を得ることができる。また、構造によっては反発マ
グネットを用いることもできる。ストッパ78も同様
に、ステータ側とロータ側の間の適宜位置に設けてよ
い。
【0029】<第2実施例>次に、図6及び図7を参照
しながら本発明の第2実施例について説明する。図6に
は、第2実施例の断面が示されており、中心の軸受け部
分の端面が図7(A)に拡大して示されている。これら
の図において、中心のシャフト100の上下中間位置に
は、ディスク状のボールピース102,104が各々形
成されている。そして、これらのボールピース102,
104間であってシャフト100の周囲には、適宜のク
リアランスをもって第1スリーブ106がはめ込まれて
いる。
しながら本発明の第2実施例について説明する。図6に
は、第2実施例の断面が示されており、中心の軸受け部
分の端面が図7(A)に拡大して示されている。これら
の図において、中心のシャフト100の上下中間位置に
は、ディスク状のボールピース102,104が各々形
成されている。そして、これらのボールピース102,
104間であってシャフト100の周囲には、適宜のク
リアランスをもって第1スリーブ106がはめ込まれて
いる。
【0030】この第1スリーブ106は、ボールピース
102,104と適宜のクリアランスをもってシャフト
100の周囲に設けられている第2スリーブ108に接
合しており、第2スリーブ108の上下にはシャフト1
00が貫通するカバー110,112がそれぞれ設けら
れている。また、第2スリーブ108は磁性材料によっ
て形成されており、その中間位置にはマグネット114
が設けられている。更に、第2スリーブ108には断面
略L字状のハブ116に接合している。第2スリーブ1
08の外周側中間位置には突起118が設けられてお
り、ハブ116は圧入時に突起118に当って位置決め
される。
102,104と適宜のクリアランスをもってシャフト
100の周囲に設けられている第2スリーブ108に接
合しており、第2スリーブ108の上下にはシャフト1
00が貫通するカバー110,112がそれぞれ設けら
れている。また、第2スリーブ108は磁性材料によっ
て形成されており、その中間位置にはマグネット114
が設けられている。更に、第2スリーブ108には断面
略L字状のハブ116に接合している。第2スリーブ1
08の外周側中間位置には突起118が設けられてお
り、ハブ116は圧入時に突起118に当って位置決め
される。
【0031】なお、ボールピース104はシャフト10
0と一体に構成されているが、ボールピース102は圧
入などによってシャフト100に取り付けられている。
すなわち、シャフト100にまず第1スリーブ106を
通し、次にボールピース102が圧入される。そして、
その外側に第2スリーブ108が圧入される。
0と一体に構成されているが、ボールピース102は圧
入などによってシャフト100に取り付けられている。
すなわち、シャフト100にまず第1スリーブ106を
通し、次にボールピース102が圧入される。そして、
その外側に第2スリーブ108が圧入される。
【0032】他方、シャフト100は、下方でモータベ
ース120に連結されており、このモータベース120
がHDDのシャーシ(図示せず)にねじなどで固定され
ている。このモータベース120と前記ハブ116とに
よって形成された空間内には、コアにコイルが巻かれた
電機子コイル122がモータベース側に設けられてい
る。また、ハブ側には、バックヨーク124を介してマ
グネット126が設けられており、電機子コイル122
とマグネット126は、適宜のクリアランスをもって対
向配置されている。電機子コイル122は、モータベー
ス120を介して図示しないフレキシブルプリント基板
(FPC)に接続されており、FPCには駆動回路が形
成されている。これらの電機子コイル122,バックヨ
ーク124,マグネット126は、圧入あるいは接着な
どの手法で取り付けられている。
ース120に連結されており、このモータベース120
がHDDのシャーシ(図示せず)にねじなどで固定され
ている。このモータベース120と前記ハブ116とに
よって形成された空間内には、コアにコイルが巻かれた
電機子コイル122がモータベース側に設けられてい
る。また、ハブ側には、バックヨーク124を介してマ
グネット126が設けられており、電機子コイル122
とマグネット126は、適宜のクリアランスをもって対
向配置されている。電機子コイル122は、モータベー
ス120を介して図示しないフレキシブルプリント基板
(FPC)に接続されており、FPCには駆動回路が形
成されている。これらの電機子コイル122,バックヨ
ーク124,マグネット126は、圧入あるいは接着な
どの手法で取り付けられている。
【0033】次に、ハブ116の下側外周にはディスク
ホルダ68が形成されており、ハブ上方から複数のハー
ドディスク36がはめ込まれている。ハードディスク3
6間には、クランパ32が設けられている。また、最上
部のハードディスク36は、クランパ32,34によっ
て狭持されている。ハードディスク36に対するアクセ
スは、ヘッド35によってその両面に行われるようにな
っている。
ホルダ68が形成されており、ハブ上方から複数のハー
ドディスク36がはめ込まれている。ハードディスク3
6間には、クランパ32が設けられている。また、最上
部のハードディスク36は、クランパ32,34によっ
て狭持されている。ハードディスク36に対するアクセ
スは、ヘッド35によってその両面に行われるようにな
っている。
【0034】次に、本実施例では、図7(A)に示すよ
うに、シャフト100及びボールピース102,104
に対向する第1スリーブ106の内面側に、動圧を発生
するためのレイレイステップ(Rayleigh Step)溝13
0,132が各々形成されており、これらにオイルが満
たされて動圧軸受けが構成されている。これらのうち、
レイレイステップ溝130は、同図(A)の#7−#7
線に沿った断面を示す同図(B)のように、8ステップ
の溝形状となっており、これによって安定した動圧の発
生が可能となっている。また、レイレイステップ溝13
2は、同図(A)のボールピース102の部分を一部破
断して示す同図(C)のような溝形状となっている。い
ずれも、オイル供給溝133を有している。なお、これ
らの溝形状は、図1及び図3(D)に示したヘリングボ
ーンタイプ,同図(A)に示したポンプアウトタイプ,
あるいは同図(C)に示したポンプインタイプとしても
よい。
うに、シャフト100及びボールピース102,104
に対向する第1スリーブ106の内面側に、動圧を発生
するためのレイレイステップ(Rayleigh Step)溝13
0,132が各々形成されており、これらにオイルが満
たされて動圧軸受けが構成されている。これらのうち、
レイレイステップ溝130は、同図(A)の#7−#7
線に沿った断面を示す同図(B)のように、8ステップ
の溝形状となっており、これによって安定した動圧の発
生が可能となっている。また、レイレイステップ溝13
2は、同図(A)のボールピース102の部分を一部破
断して示す同図(C)のような溝形状となっている。い
ずれも、オイル供給溝133を有している。なお、これ
らの溝形状は、図1及び図3(D)に示したヘリングボ
ーンタイプ,同図(A)に示したポンプアウトタイプ,
あるいは同図(C)に示したポンプインタイプとしても
よい。
【0035】更に、第2スリーブ108の中間位置には
マグネット114が設けられており、第2スリーブ10
8,ボールピース102,104,及びシャフト100
を通じて磁路が形成されている。そして、この磁路中に
あるボールピース102,104と第2スリーブ108
とのギャップ部分に磁性流体134が充填されている。
マグネット114が設けられており、第2スリーブ10
8,ボールピース102,104,及びシャフト100
を通じて磁路が形成されている。そして、この磁路中に
あるボールピース102,104と第2スリーブ108
とのギャップ部分に磁性流体134が充填されている。
【0036】次に、以上のように構成された本実施例の
作用について説明する。電機子コイル122による磁界
とマグネット126の磁界とが作用してスリーブ10
6,108,ハブ116を中心とするロータ部分が回転
すると、第1スリーブ106のレイレイステップ溝13
0,132においてオイルの集中作用が生ずる。する
と、前記ロータ部分はシャフト100のラジアル方向及
びスラスト方向に浮上して非接触で回転するようにな
る。このように、レイレイステップ溝130はシャフト
100と第1スリーブ106との間におけるラジアル方
向の動圧軸受けとして作用し、レイレイステップ溝13
2はスラスト方向の動圧軸受けとして作用する。
作用について説明する。電機子コイル122による磁界
とマグネット126の磁界とが作用してスリーブ10
6,108,ハブ116を中心とするロータ部分が回転
すると、第1スリーブ106のレイレイステップ溝13
0,132においてオイルの集中作用が生ずる。する
と、前記ロータ部分はシャフト100のラジアル方向及
びスラスト方向に浮上して非接触で回転するようにな
る。このように、レイレイステップ溝130はシャフト
100と第1スリーブ106との間におけるラジアル方
向の動圧軸受けとして作用し、レイレイステップ溝13
2はスラスト方向の動圧軸受けとして作用する。
【0037】また、本実施例では、ボールピース10
2,104に第1スリーブ106が挟まれており、レイ
レイステップ溝132でそれぞれ生ずる動圧がバランス
するので、外部からの衝撃を吸引するような格別な吸引
マグネットや抜け防止のためのストッパを用いる必要は
ない。
2,104に第1スリーブ106が挟まれており、レイ
レイステップ溝132でそれぞれ生ずる動圧がバランス
するので、外部からの衝撃を吸引するような格別な吸引
マグネットや抜け防止のためのストッパを用いる必要は
ない。
【0038】ところで、本実施例では、ボールピース1
02,104と第2スリーブ108とのギャップ部分に
磁性流体134が充填されている。このため、レイレイ
ステップ溝130,132のクリアランス部分と外部と
が遮断された状態になる。従って、レイレイステップ溝
130,132の部分に充填されているオイルは、磁性
流体134によって良好にシールされることになる。更
に、これらオイルシール部分の更に外側には、カバー1
10,112がそれぞれ設けられている。このため、磁
性流体134自体の外部への飛散も良好に防止される。
02,104と第2スリーブ108とのギャップ部分に
磁性流体134が充填されている。このため、レイレイ
ステップ溝130,132のクリアランス部分と外部と
が遮断された状態になる。従って、レイレイステップ溝
130,132の部分に充填されているオイルは、磁性
流体134によって良好にシールされることになる。更
に、これらオイルシール部分の更に外側には、カバー1
10,112がそれぞれ設けられている。このため、磁
性流体134自体の外部への飛散も良好に防止される。
【0039】次に、本実施例の試作モータと、ボールベ
アリングを用いた従来タイプのモータについて各種特性
を計測したところ、次の表2のような結果が得られた。
この表に示すように、本実施例によれば、前記第1実施
例と同様に全体として高容量化,高速化に好適なブラシ
レスモータを得ることができる。
アリングを用いた従来タイプのモータについて各種特性
を計測したところ、次の表2のような結果が得られた。
この表に示すように、本実施例によれば、前記第1実施
例と同様に全体として高容量化,高速化に好適なブラシ
レスモータを得ることができる。
【0040】
【表2】
【0041】なお、本発明は、何ら上記実施例に限定さ
れるものではなく、例えば次のようなものも含まれる。 (1)前記第1実施例では8極,6スロットの場合、第
2実施例では12極,9スロットの場合であるが、トル
クを生ずるマグネットの極数やコイルのスロット数など
は必要に応じて適宜設定してよい。 (2)駆動するハードディスクの枚数なども任意であ
り、光ディスクなどの他のディスク媒体にも適用可能で
ある。
れるものではなく、例えば次のようなものも含まれる。 (1)前記第1実施例では8極,6スロットの場合、第
2実施例では12極,9スロットの場合であるが、トル
クを生ずるマグネットの極数やコイルのスロット数など
は必要に応じて適宜設定してよい。 (2)駆動するハードディスクの枚数なども任意であ
り、光ディスクなどの他のディスク媒体にも適用可能で
ある。
【0042】(3)その他、トルクを生ずるマグネット
をハブの内外のいずれに設けるか、動圧を生ずる溝をス
テータ側,ロータ側のいずれに設けるかなど、同様の作
用を奏するように種々設計変更が可能である。 (4)動圧軸受けの部分のオイルとして、低粘度の磁性
流体を用いてもよい。このようにすれば、その飛散は更
に良好に防止されるようになる。
をハブの内外のいずれに設けるか、動圧を生ずる溝をス
テータ側,ロータ側のいずれに設けるかなど、同様の作
用を奏するように種々設計変更が可能である。 (4)動圧軸受けの部分のオイルとして、低粘度の磁性
流体を用いてもよい。このようにすれば、その飛散は更
に良好に防止されるようになる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるブラ
シレスモータによれば、次のような効果がある。 (1)動圧軸受けを用いることとしたので、NRRが低
減されて高トラック密度のディスク媒体に良好に対応で
き、更には耐衝撃性も向上するという効果がある。 (2)動圧軸受け部分のオイルシールとして磁性流体を
用いたので、回転性能の低下を招くことなく良好にシー
リングを行うことができる。
シレスモータによれば、次のような効果がある。 (1)動圧軸受けを用いることとしたので、NRRが低
減されて高トラック密度のディスク媒体に良好に対応で
き、更には耐衝撃性も向上するという効果がある。 (2)動圧軸受け部分のオイルシールとして磁性流体を
用いたので、回転性能の低下を招くことなく良好にシー
リングを行うことができる。
【図1】本発明によるブラシレスモータの第1実施例を
示す主要部の構成図である。
示す主要部の構成図である。
【図2】前記実施例のコアレスコイル部分を取り出して
示す説明図である。
示す説明図である。
【図3】前記実施例のスラスト側の動圧軸受け部分を示
す説明図である。
す説明図である。
【図4】前記実施例の試作モータにおける回転数と軸損
と鉄損の関係を示す測定グラフである。
と鉄損の関係を示す測定グラフである。
【図5】前記第1実施例の変形例を示す説明図である。
【図6】本発明の第2実施例を示す主要部の構成図であ
る。
る。
【図7】前記第2実施例の動圧軸受け部分を取り出して
示す説明図である。
示す説明図である。
【図8】従来のHDD用のブラシレスモータの主要部分
を示す構成図である。
を示す構成図である。
【図9】従来技術におけるNRRの一例を示すグラフで
ある。
ある。
32,34…クランパ、35…ヘッド、36…ハードデ
ィスク、50,100…シャフト、52,106,10
8…スリーブ、54,116…ハブ、56,114,1
26…マグネット、58…コイルホルダ、60…コアレ
スコイル、60A…コイル、62,120…モータベー
ス、64,66,90,92…吸引マグネット(浮力調
整手段)、68…ディスクホルダ、70,72…V字溝
(動圧軸受け)、74,110,112…カバー、76
…ボール、78…ストッパ(ストッパ手段)、102,
104…ボールピース、118…突起、122…電機子
コイル、124…バックヨーク、130,132…レイ
レイステップ溝(動圧軸受け)、134…磁性流体、Δ
…NRR。
ィスク、50,100…シャフト、52,106,10
8…スリーブ、54,116…ハブ、56,114,1
26…マグネット、58…コイルホルダ、60…コアレ
スコイル、60A…コイル、62,120…モータベー
ス、64,66,90,92…吸引マグネット(浮力調
整手段)、68…ディスクホルダ、70,72…V字溝
(動圧軸受け)、74,110,112…カバー、76
…ボール、78…ストッパ(ストッパ手段)、102,
104…ボールピース、118…突起、122…電機子
コイル、124…バックヨーク、130,132…レイ
レイステップ溝(動圧軸受け)、134…磁性流体、Δ
…NRR。
Claims (2)
- 【請求項1】 情報の記録又は再生が行われる多数のト
ラックを含むディスク媒体がロータ側のハブの外側に設
けられており、回転駆動用のマグネットがハブの内側に
設けられており、このマグネットに対向するようにコイ
ルがステータ側のモータベースに設けられており、前記
マグネットによる磁界と、前記コイルへの通電による磁
界とを作用させて前記ディスク媒体を回転駆動するブラ
シレスモータにおいて、前記ステータ側に対して回転時
に動圧で前記ロータ側を浮上支持するラジアル方向及び
スラスト方向の動圧軸受けと、スラスト方向の動圧軸受
けによる浮上力と反対方向の力をロータ側に与える浮力
調整手段と、ロータ側の抜けを防止するストッパ手段と
を備えたことを特徴とするブラシレスモータ。 - 【請求項2】 情報の記録又は再生が行われる多数のト
ラックを含むディスク媒体がロータ側のハブの外側に設
けられており、回転駆動用のマグネットがハブの内側に
設けられており、このマグネットに対向するようにコイ
ルがステータ側のモータベースに設けられており、前記
マグネットによる磁界と、前記コイルへの通電による磁
界とを作用させて前記ディスク媒体を回転駆動するブラ
シレスモータにおいて、前記ステータ側に対して回転時
に動圧で前記ロータ側を浮上支持するラジアル方向及び
前後のスラスト方向の動圧軸受けと、スラスト方向の動
圧軸受けの外側で磁性流体によってそれぞれシーリング
を行うシール手段と備えたことを特徴とするブラシレス
モータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28694292A JPH06133515A (ja) | 1992-09-05 | 1992-09-30 | ブラシレスモータ |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26318392 | 1992-09-05 | ||
JP4-263183 | 1992-09-05 | ||
JP28694292A JPH06133515A (ja) | 1992-09-05 | 1992-09-30 | ブラシレスモータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06133515A true JPH06133515A (ja) | 1994-05-13 |
Family
ID=26545897
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28694292A Pending JPH06133515A (ja) | 1992-09-05 | 1992-09-30 | ブラシレスモータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06133515A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003079520A1 (fr) * | 2002-03-20 | 2003-09-25 | Namiki Seimitsu Houseki Kabushiki Kaisha | Moteur a courant continu sans balai et son procede d'assemblage |
CN112335158A (zh) * | 2018-06-29 | 2021-02-05 | 皇家飞利浦有限公司 | 用于mri兼容性的无铁心电动马达 |
-
1992
- 1992-09-30 JP JP28694292A patent/JPH06133515A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003079520A1 (fr) * | 2002-03-20 | 2003-09-25 | Namiki Seimitsu Houseki Kabushiki Kaisha | Moteur a courant continu sans balai et son procede d'assemblage |
JP2003284278A (ja) * | 2002-03-20 | 2003-10-03 | Namiki Precision Jewel Co Ltd | Dcブラシレスモータ構造及び組立方法 |
CN112335158A (zh) * | 2018-06-29 | 2021-02-05 | 皇家飞利浦有限公司 | 用于mri兼容性的无铁心电动马达 |
JP2021528942A (ja) * | 2018-06-29 | 2021-10-21 | コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. | Mri適合性のためのアイロンレス電気モータ |
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