JP5547413B2 - 熱型センサ用中空構造素子 - Google Patents

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Description

本発明は、エアフローメーター及びガスセンサのような熱型センサなどに有用な中空構造素子に関するものである。
近年、半導体微細加工を利用して熱型センサを作製する様々な技術が開発されている。熱型センサには、断熱性を保つためにメンブレン(薄膜)を中空状態で支持した中空構造素子が用いられている。
通常、このメンブレンを構成する材料には、絶縁性に優れたSiO2やSiNなどのSi系化合物が用いられることが多い。このうち、SiO2はSi基板の表面を熱酸化することによって容易に形成される。また、SiO2やSiNは、生産効率の高いCVD法などによっても高品質で形成できるため、一般的な中空構造素子の生産プロセスと整合性が良い。そのため、Si系化合物は、メンブレン構成材料として汎用されている。
上記熱型センサなど多くのセンサでは、熱的及び化学的に安定なPt又はPt基合金などの貴金属が配線や電極の材料として用いられることが多い。ところがSiO2やSiNなどのSi含有絶縁層は、Pt配線およびPt基合金配線(以下、これらをまとめて「Pt金属配線」と総称することがある)との密着性に乏しい。そのため、Si含有絶縁層とPt金属配線の剥離を防止する技術が、これまで提案されている。
例えば特許文献1は、絶縁層(SiO2層)と電極層(Pt)との間に金属Ta又は金属Tiからなる接合層を形成する技術を開示している。しかし非特許文献1にも記載されているように、密着層(接合層)に金属を用いると、センサを高温で長時間使用した場合、密着層の金属が配線(電極層)に拡散して、金属配線の抵抗値が変化するという問題がある。そのため非特許文献1では、配線への金属拡散を防止するため、密着層にTa25を用いる技術を開示している。また、特許文献2では、Ta25が接合層であるPtやSiとの密着性に優れているという特性を利用して、シリコンウエハ上に、Ta25、Pt、Ta25をこの順序で積層したマイクロブリッジヒータが開示されている。
特開2005−164566号公報 特許第3452409号公報
電学論E,126,8(2006),pp.397−402
以上のように非特許文献1等ではTa25はPt金属配線との密着性が良好であることが開示されている。しかし本発明者が行った実験では、高温熱処理(例えば800℃で1時間の加熱処理)を行うと、Ta25を用いた場合でもPt金属配線の剥離が生じることを確認した。また前述の非特許文献1でも、密着性の低下から断線が生じる問題が指摘されている。
従って本発明の目的は、高温の熱履歴(例えば製造プロセス中の熱処理、及び高温動作)を受けても、金属配線の剥離が生じない中空構造素子を提供することにある。
上記目的を達成し得た本発明の中空構造素子とは、基板側から順に、基板と、Si含有絶縁層と、Pt又はPt基合金の金属配線と、を有し、前記基板は前記Si含有絶縁層を中空状態で支持するように構成される中空構造素子であって、前記Si含有絶縁層と前記金属配線との間に、酸化アルミニウムを主成分とする酸化物の密着層を有し、前記Si含有絶縁層は、前記密着層と接触する表面がSi含有層であるところに要旨を有している。
上記Si含有絶縁層は、多層構造であることが好ましい。
また、上記密着層と接触するSi含有絶縁層の表面は、酸化ケイ素を主成分とする酸化物であることが好ましい。
本発明によれば、Si含有絶縁層とPt金属配線との間に、これら絶縁層と配線との密着性に優れた酸化アルミニウム主体の密着層を設けているため、高温の熱履歴を受けてもPt金属配線の剥離を防止できる。そのため本発明の中空構造素子は、製造プロセス中で熱処理しても歩留まり良く生産できる。また本発明の中空構造素子は、高温で動作する熱型センサ(例えばエアフローメーター及びガスセンサ)などに好適である。
本発明の基本構成を模式的に示す概略図である。 本発明の一実施態様である中空構造素子の製造過程を示す概略図である。
本発明者は、高温の熱履歴を受けても、Pt金属配線の剥離を防止できる中空構造素子を提供するため、検討を行なった。その結果、酸化アルミニウム(アルミナ、Al23)がSi含有絶縁層とPt金属配線との密着性に優れており、Pt金属配線の剥離防止剤として有効に機能することを見出した。具体的には、酸化アルミニウムを、Si含有絶縁層(好ましくは、酸化アルミニウムと接触する表面がSi含有層である多層構造からなる層)とPt金属配線との間に使用することによって、Pt金属配線が剥離しない中空構造素子を製造できることを見出し、本発明を完成した。
詳細には、後記する実施例の欄に記載したように、密着層として、酸化アルミニウムを用いた本発明例と、酸化タンタル(Ta25)を用いた従来例との対比実験を行なったところ、本発明例では、高温熱処理(800℃で1時間保持)後も依然として良好な密着性を示すのに対し、従来例では密着性が低下することが確認された。
さらに熱処理後のPt金属配線の抵抗の温度係数は、酸化タンタル(2.8〜3.0(×10-3/℃))よりも酸化アルミニウム(3.1〜3.2(×10-3/℃))のほうが高い。そのため密着層として、従来技術の酸化タンタルに替えて酸化アルミニウムを用いれば、センサ感度が向上する。
以上のように本発明の中空構造素子は、Si含有絶縁層とPt金属配線との間の密着層として、酸化アルミニウムを主成分とする酸化物を有することを特徴とし、Pt金属配線の剥離を防止できるという効果を発揮する。特に本発明の中空構造素子は、高温の熱履歴を受けても、酸化アルミニウム密着層がPt金属配線と良好な密着性を維持するので、高温(例えば400℃以上)で動作する用途(例えば熱型センサ)に特に有用である。
以下、図面を用いて、本発明の中空構造素子を構成する要件とその製造方法を詳しく説明する。
図1は、本発明に係る中空構造素子の基本構成を模式的に示す概略図である。基板側から順に、基板1と、Si含有絶縁層2と、酸化アルミニウムを主成分とする酸化物の密着層4と、Pt又はPt基合金の金属配線3と、が順次形成されている。基板1の上に設けられたSi含有絶縁層2などは、基板に対する断熱性を保つために、基板に対して中空状態で支持されている(図1を参照)。
(Si含有絶縁層)
本発明においてSi含有絶縁層2は、密着層4と接触する表面(以下、単に「表面」と略称する)がSi含有層で構成されている。Si含有絶縁層2の表面がSi含有層であることによって、密着層(酸化アルミニウムを主成分とする酸化物)4との良好な密着性が維持される。
Si含有層絶縁層2は、2層以上の多層構造であることが好ましい。絶縁層を多層構造とすることにより、例えばSiO2層のみからなるSi含有層の単層構造に比べ、絶縁層に撓みが生じ難くなる。特に本発明のように、Si含有層の上にアルミナ主体の密着層4、Pt金属配線3のメンブレンが順次形成された中空構造素子では、絶縁層の構造を多層構造とすることにより、中空状態で支持された絶縁層の脆性ともろさが補われて、その機械的強度が向上し、製造時の歩留まりおよび使用時の信頼性が向上するなどの利点も得られる。
Si含有絶縁層2の表面は、酸化ケイ素を主成分とする酸化物又は窒化ケイ素を主成分とする窒化物であることが好ましく、酸化ケイ素を主成分とする酸化物であることがより好ましい。ここで「酸化ケイ素を主成分とする酸化物」(又は「窒化ケイ素を主成分とする窒化物」)とは、酸化ケイ素(又は窒化ケイ素)を50体積%以上(好ましくは80体積%以上)含有する酸化物(又は窒化物)を意味する。前記酸化ケイ素としては、非晶質SiO2が好ましい。一方、前記窒化ケイ素としては、Si34で表される結晶質でも、Si:N比が定まらない非晶質でも良い。以下では、結晶質及び非晶質の窒化ケイ素をまとめて「SiN」と略称することがある。特に絶縁層の表面は、実質的にSiO2であることが好ましい。表面が実質的にSiO2であれば、密着層4とSi含有絶縁層2との間で特に優れた密着力が発揮される。Si含有絶縁層2は、Si含有層のみから構成されていることが好ましい。
具体的には、Si含有絶縁層2は、SiO2層とSiN層が積層された構造を有していることが好ましい。特に表面がSiO2層であるSiO2層とSiN層との積層構造であることがより好ましく、例えば、表面側から順に、「SiO2/SiN」の2層構造、若しくは「SiO2/SiN/SiO2」の3層構造、またはこれらを繰返し単位とする積層構造が挙げられる。一般にSiO2層は圧縮応力を有し、SiN層は引張応力を有するので、これらを積層することによってお互いの応力が打ち消しあって、絶縁層に撓みが生じにくくなる。製造コストなどを考慮すれば、積層構造は、表面側から順に、「SiO2/SiN」の2層構造、又は「SiO2/SiN/SiO2」の3層構造であることが更に好ましい。
本発明において、Si含有絶縁層全体の厚さ(全厚)は特に限定されず、通常0.1〜10μm程度である。なお、本発明に用いられるSi含有絶縁層が、例えば上記の2層構造や3層構造などの積層構造である場合、各層の厚さは、それぞれの圧縮または引張応力に応じて絶縁層全体が撓まないように適宜設定することが好ましい。具体的には、積層構造を構成する絶縁層の数にかかわらず、Si含有絶縁層全厚に対するSiN層の厚さ(SiN層が2層以上の場合は合計厚さ)の比は、おおむね30〜60%であることが好ましい。
なお、SiO2層は、特開2007−294889号公報に記載の方法によって得られる収縮酸化ケイ素膜としても良い。具体的には、基板の上に、加熱により熱収縮する未収縮酸化ケイ素膜をプラズマCVD法などにより成膜した後、例えば、400〜800℃で30〜100分程度加熱する加熱処理を行ない、熱収縮させた収縮酸化ケイ素膜を用いても良い。これにより、膜が熱収縮して緻密化するため、圧縮残留応力が軽減され、室温付近で平坦化された膜が得られる。詳細な製造方法や実施形態は、上記公報を参照すれば良い。
(密着層)
本発明に用いられる密着層4は、酸化アルミニウム(Al23)を主成分とする酸化物、即ち酸化アルミニウムを50体積%以上(好ましくは80体積%以上)含有する酸化物である。密着層は、実質的に、酸化アルミニウムであることが好ましい。
この酸化アルミニウムは、SiとPtとの密着性に優れているだけでなく、耐アルカリ性にも優れているため、一般的な中空構造素子の製造プロセスとの整合性が高い。すなわち、通常、中空構造素子はシリコン基板を用いて製造されるが、以下の製造工程で詳述するように、アルカリ溶液でシリコンをエッチングして空隙部(中空構造)を形成することが多い。酸化タンタルの場合には、熱処理等により容易に酸素欠陥を生じて膜質の変化を起こし易く、また、中空構造を持つメンブレン型の素子ではこの素子を形成するために、基板シリコンを除去する工程において強アルカリ処理が必要となる。不適切な材料や熱処理をおこなった場合には、配線材料であるPtがアルカリに不溶であっても剥離などの問題を生じることがある。これに対し、酸化アルミニウムを密着層として用いた場合には、上記の問題は見られず、安定な処理が可能となる。
上記の密着層4は、Si含有絶縁層2の全面に形成しても良いし、あるいは、Si含有絶縁層2とPt金属配線3との間にのみ局所的に形成しても良い。密着層4は、例えばスパッタリング法などの蒸着法によって成膜することができる。具体的には、アルミナ焼結体ターゲットを用いて、Ar雰囲気下またはArとO2の混合ガス雰囲気下でRFスパッタリングを行なうことが好ましい
密着層4の厚さは、Si含有絶縁層2およびPt金属配線3に対する密着性を充分に確保するためには、好ましくは3nm以上(より好ましくは5nm以上)であることが推奨される。しかし密着層4が厚すぎると、中空構造素子が高温動作する際に酸化アルミニウムが非晶質構造から結晶構造に変化して、大きな応力変化が発生するおそれも考えられる。そこで絶縁機能の低下および応力変化を防止するためには、密着層4の厚さは、好ましくは100nm以下(より好ましくは30nm以下)であることが推奨される。
(Pt金属配線)
本発明に用いられるPt金属配線3は、Pt又はPt基合金である。本発明においてPt基合金とは、Ptを主成分とする合金、即ちPtを50質量%以上(好ましくは80質量%以上)含有する合金を意味する。添加される合金元素は、中空構造素子に通常使用されるものであれば特に限定されず、例えば、Pdなどが挙げられる。
本発明において、Pt金属配線3の厚さに特に限定は無い。一般的な中空構造素子のPt金属配線の厚さは、通常50〜500nm程度である。
Pt金属配線3は、例えば、スパッタリングなどの真空プロセスで成膜される。なお、成膜直後のPt金属配線は微細な結晶構造をとることが多く、高温に曝されることによって結晶性が向上し、電気抵抗が変化すること場合がある。このような構造変化による電気抵抗の変化を防止するために、本発明の中空構造素子の製造方法では、Pt金属配線3を成膜した後、素子の動作温度よりも高い温度、例えば400℃以上(好ましくは600℃以上)で熱処理を行うことが推奨される。密着層に金属Ti等を用いた従来技術と異なり、本発明では密着層に酸化アルミニウム(Al23)を用いているので、高温熱処理を行っても、Pt金属配線に他の金属(Ti等)が拡散することはなく、電気抵抗の変化を防止できる。また従来技術の酸化タンタル(Ta25)に比べて本発明で使用する酸化アルミニウム(Al23)は、高温の熱処理を経ても、Pt金属配線に対して優れた密着力を維持できる。但し、あまり温度が高いとPtの応力緩和により室温に戻したときのPt金属配線構造の残留応力が大きく、これによる膜のたわみが発生して信頼性が低下するので、熱処理温度は、好ましくは1200℃以下(より好ましくは900℃以下)に制御することが推奨される。
(基板)
本発明に用いられる基板1は、中空構造素子の分野で通常使用されているあらゆる基板、例えばシリコン基板などを使用できる。上述したように、本発明の特徴部分は、Si含有絶縁層からのPt金属配線の剥離を防止するために密着層として酸化アルミニウムを使用したところにあり、密着層と直接接触しない基板は特に限定されないからである。
以上が、本発明の中空構造素子を構成する基本構成である。上記のほか、中空構造素子に通常用いられる構成要件を更に備えた態様も、本発明の範囲内に包含される。例えば本発明の中空構造素子は、Pt金属配線を覆う被覆層(例えばSiO2層)などを更に有していても良い。被覆層の形成によってPt金属配線を外部雰囲気から遮断して、中空構造素子の耐久性をより一層向上させることができる。
(製造方法)
以下、図2の工程図に沿って、本発明に係る中空構造素子の好ましい実施形態の製造方法を説明する。ここでは、基板側から順に、熱酸化SiO2層とCVD法によるSiN層とCVD法によるSiO2層からなる3層構造のSi含有絶縁層を備えた中空構造素子の製造方法を説明している。図2は本発明の好ましい態様を示すに過ぎず、本発明の製造方法は、これに限定されない。
まず、結晶方位(100)の単結晶シリコン基板1を用意し、熱酸化で両面に熱酸化SiO2層11及び14(例えば厚さ0.3μm)を形成する(図2(1))。裏面側の熱酸化SiO2層14は、後工程でシリコン基板をエッチングする際に裏面を保護するために形成している。表面側の熱酸化SiO2層11は必ずしも形成する必要はなく、成膜後除去してもよい。あるいは、基板の裏面に他の適当な保護膜を設けることにより、表裏面の熱酸化SiO2層11及び14をすべて省略することもできる。
次にCVD法によってSiN層12及びSiO2層13を形成する(図2(2))。この際、SiN層の引張応力及びSiO2層の圧縮応力をあらかじめ確認しておいて、中空状態となる絶縁層(後記する図2(6)を参照)に大きな撓みが発生しないように、SiN層12及びSiO2層13の厚さを調整する(例えばSiN層12:0.4μm程度、SiO2層13:0.3μm程度)。上記の例において、Si絶縁層全体の厚さ、すなわち、熱酸化SiO2層11の厚さ(0.3μm)とSiN層12の厚さ(0.4μm)とSiO2層13の厚さ(0.3μm)の合計厚さ(1.0μm)に対するSiN層12の厚さ(0.4μm)の比率は40%である。このように積層構造全体に弱い引張応力がかかるように、Si絶縁層全厚に対するSiN層の厚さの比率を適切に調整することによって中空状態で支持される絶縁層をピンと張った状態に保つことができる。
SiN層12及びSiO2層13の応力および膜質を安定化させるために、熱処理(例えば850℃で1時間)を行った後、真空プロセス(例えばスパッタリング)によって、Al23密着層4(例えば厚さ10nm)、続けてPt金属配線3(例えば厚さ300nm)を、SiO2層13上に形成する(図2(3))。Al23密着層4は、例えばArとO2の混合ガス雰囲気での反応性スパッタリングで成膜できる。またPt金属配線3は、例えばArガス雰囲気でのスパッタリングで成膜できる。
フォトリソグラフィ及びドライエッチングによって、Al23密着層4/Pt金属配線3をパターニングする(図2(4))。このとき絶縁性のために下部のAl23密着層4がエッチングされずに残留しても、Al23は絶縁性であるために電気的には問題が発生しない。また、後に行なうSiO2/SiN/SiO2のドライエッチング時に薄いAl23密着層4も除去できるため、加工性においても支障はない。次にPt金属配線3の膜質を安定化させるために、熱処理(例えば800℃で1時間)を行う。
空隙部5(中空構造、図2(6)を参照)を形成する準備として、熱酸化SiO2層11/SiN層12/SiO2層13の積層部分に開口部51及び52を形成する(図2(5))。
80℃に加熱したTMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)溶液に浸漬することで、シリコン基板1の露出した部分がエッチングされる。TMAH溶液に浸漬することによって、シリコンは結晶方位に依存して異方性エッチングされ、シリコン基板1の横方向に貫通した空隙部5(中空構造)が容易に形成される。最後に中空状態で支持された絶縁膜が破壊されないように、洗浄および乾燥することで、本実施形態の中空構造素子を製造できる(図2(6))。
上記のような製造方法で得られる中空構造素子は、Si含有絶縁膜1の断熱性が良好であり、且つその熱容量が小さいので、Pt金属配線3に電流を流すと容易に温度が上昇する。そのため例えば本発明の中空構造素子を風量センサに使用した場合、熱が奪われる速度(Pt金属配線3の電気抵抗の変化)から風量を精度良く検知できる。
本発明の中空構造素子は、他の構成要素を更に付加しても良い。例えば本発明の中空構造素子をガスセンサに用いる場合、Pt金属配線3の上にSiO2被覆層を形成し、このSiO2被覆層上にAl23密着層/Pt金属配線を形成し、さらにこの上に酸化スズ(SnO2)等の半導体膜を形成しても良い(図示せず)。このような中空構造素子では、下部のPt金属配線3は酸化スズを加熱するヒーターとして機能し、上部のPt金属配線(図示せず)が、その電気抵抗変化でガスを検知するセンサとして機能する。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、上記・下記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
密着層として酸化アルミニウム(Al23)、酸化チタン(TiO2)、酸化タンタル(Ta25)及び窒化ケイ素(非晶質SiN)の層とPt金属配線との密着性を以下のようにして調べた。
まずシリコン基板に熱酸化ケイ素層(100nm)を形成し、次いでその上に厚さ10nmの密着層(酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル、及び窒化ケイ素)をスパッタリングで形成し、さらにその上に厚さ400nmのPt層をスパッタリングで成膜して、積層構造の試験体を作製した。
上記試験体の密着層とPt層との密着性を、熱処理(800℃で1時間加熱保持)の前後で、スクラッチ試験によって測定した。このスクラッチ試験では、試験体のPt層にビッカース硬度針の鋭利な圧子をあて、この圧子にかかる荷重を最大30Nまで100N/minの速度で徐々に増加させながら、その荷重に垂直な方句へPt層(試験体)を移動させて、剥離が生じるか否かを観察し、測定開始直後に剥離したものを「×」と、荷重が1N超、30N未満であるときに剥離したものを「○」と、剥離が生じなかったものを「◎」と評価した。結果を表1に示す。
表1から示されるように、熱処理前では酸化アルミニウム、酸化チタン及び酸化タンタルの密着層のいずれも、Pt層に対して優れた密着性を示した。しかし熱処理後では、酸化アルミニウムは優れた密着性を維持したままであるのに対し、酸化チタン及び酸化タンタルでは密着性が劣化した。
1 基板(シリコン基板)
2 Si含有絶縁層
3 Pt又はPt基合金の金属配線(Pt金属配線)
4 酸化アルミニウムを主成分とする酸化物の密着層(Al23密着層)
5 空隙部
11,14 熱酸化SiO2
12 SiN層
13 SiO2
51,52 開口部

Claims (3)

  1. 基板側から順に、基板と、Si含有絶縁層と、Pt又はPt基合金の金属配線と、を有し、前記基板は前記Si含有絶縁層を中空状態で支持するように構成される熱型センサ用中空構造素子であって、
    前記Si含有絶縁層と前記金属配線との間に、酸化アルミニウムを主成分とする酸化物の密着層を有し、前記密着層の膜厚は3nm〜30nmであり、前記Si含有絶縁層は、前記密着層と接触する表面がSi含有層であることを特徴とする熱型センサ用中空構造素子。
  2. 前記Si含有絶縁層は多層構造からなる請求項1に記載の熱型センサ用中空構造素子。
  3. 前記密着層と接触する前記Si含有絶縁層の表面は、酸化ケイ素を主成分とする酸化物である請求項1または2に記載の熱型センサ用中空構造素子。
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