JP5546942B2 - 衝撃吸収材 - Google Patents

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Description

本発明は衝撃吸収材に係り、特に、自動車の衝突時などに車室内の乗員に加えられる衝撃エネルギーを吸収し、傷害値を低減するための衝撃吸収材に関する。
従来、自動車の衝突時などにおいて、乗員が車室の内装材等に衝突した際の衝撃を吸収して乗員を保護するために、車室の内装材と車体との間には、衝撃吸収材が設けられている。
この衝撃吸収材として、硬質ポリウレタンフォーム製のものがある(例えば、下記特許文献1)。この衝撃吸収材は、硬質ポリウレタンフォームと、サポータ層とが一体とされたものであり、硬質ポリウレタンフォームが割れた場合でも、サポータ層によって硬質ポリウレタンフォームが繋がってバラバラになることを抑制する。この結果、硬質ポリウレタンフォームが衝突初期時に大きく飛散せず所定の場所に位置するため、設計通りのエネルギー吸収特性が発揮されるようになっている。
特開2007−22146号公報
しかしながら、特許文献1では、サポータ層を設けることによる材料費のアップや、製造工数の増加が発生するため、この点において改良が求められている。
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、材料費のアップや、製造工数の増加を抑制できると共に、衝突初期の大きな飛散を抑制し、設計通りの良好なエネルギー吸収特性を発揮できる衝撃吸収材を得ることが目的である。
請求項1の発明の衝撃吸収材は、硬質ポリウレタンフォームからなる立体構造とされた本体部と、該本体部の衝撃を受け止める衝突面に形成された溝と、を有し、前記溝の幅W2の前記衝突面の幅W1に対する比(W2/W1)が1/6以上1/2以下の範囲にあり、前記本体部の底面からの衝突面の高さH1に対する前記溝の深さH2の比(H2/H1)が0.05以上0.15以下の範囲にある
請求項1に記載の衝撃吸収材では、硬質ポリウレタンフォームからなる立体構造とされた本体部の衝撃を受け止める衝突面に溝が形成されており、溝の幅W2の衝突面の幅W1に対する比(W2/W1)が1/6以上1/2以下の範囲にあり、本体部の底面からの衝突面の高さH1に対する溝の深さH2の比(H2/H1)が0.05以上0.15以下の範囲にある。このため、衝突体が衝撃吸収材の本体部の衝突面に衝突した際に、衝突初期に荷重の一番掛かり易い衝突面に形成した溝によって、衝突初期の衝突面への荷重集中を抑制し、荷重を分散する。これにより、衝突初期の衝撃吸収材の本体部の大きな割れ、大きな飛散を抑制することで、衝突中期及び衝突後期の衝撃吸収エネルギー量の確保が可能となる。
なお、W2/W1が1/6未満では、溝がない状態に近くなり、1/6以上が好ましい。また、W2/W1が1/2を越えると、衝突初期の荷重分散ができずに、安定的に、衝撃吸収材の本体部の大きな割れを抑制することが難しい場合がある。また、H2/H1が0.05未満では、溝がない状態に近くなり、0.05以下が好ましい。また、H2/H1が0.15を越えると、溝を起点に溝の周辺の硬質ポリウレタンフォームが根元を核として割れ、周辺の硬質ポリウレタンフォームは衝撃吸収機能を発揮できずに、安定的に、衝撃吸収材の本体部の大きな割れを抑制することが難しい場合がある。
この結果、W2/W1が1/6以上1/2以下の範囲にあり、本体部の底面からの衝突面の高さH1に対する溝の深さH2の比(H2/H1)が0.05以上0.15以下の範囲にあることで、溝の周囲の硬質ポリウレタンフォームが衝突初期の衝撃エネルギーを吸収し、その後に衝撃吸収材の本体部が衝撃吸収機能を発揮するので、衝突初期の衝撃吸収材の本体部の大きな割れ及び飛散を抑制し、設計通りの良好なエネルギー吸収特性を安定的に発揮できる。また、衝撃吸収材の本体部の衝突面に溝を形成する構成のため、材料費のアップや、製造工数の増加を抑制することもできる。
請求項2の発明の衝撃吸収材は、請求項1に記載の衝撃吸収材において、前記衝突面が長尺状であり、前記溝が前記衝突面の長手方向に沿って形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の衝撃吸収材では、衝突面が長尺状であり、溝が衝突面の長手方向に沿って形成されているため、衝突面の長手方向に沿って、設計通りの良好なエネルギー吸収特性を発揮させることができる。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の衝撃吸収材において、前記溝は前記衝突面の中央部に形成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の衝撃吸収材では、衝突初期に荷重の一番掛かり易い衝突面の中央部に溝が形成されているため、衝突初期に最も破壊し易い衝突面の中央部の荷重を溝によって低減できる。
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の衝撃吸収材において、前記本体部の衝突面は前記本体部における前記衝突面と反対側の底面より小さく、前記衝突面側から見て、前記衝突面の輪郭が前記底面の輪郭の内側にあることを特徴とする。
請求項4に記載の衝撃吸収材では、本体部の衝突面が本体部における衝突面と反対側の底面より小さく、衝突面側から見て、衝突面の輪郭が底面の輪郭の内側にあるため、本体部の中心線に対して斜め方向から衝突荷重が作用した場合にも、衝突初期から衝突末期まで本体部が衝突面から底面に向かって確実に軸圧縮変形し易い。この結果、衝突初期から衝突末期まで衝突エネルギーを安定して吸収することができる。
以上説明したように、請求項1に記載の本発明に係る衝撃吸収材によれば、材料費のアップや、製造工数の増加を抑制できると共に、衝突初期の大きな飛散を抑制し設計通りの良好なエネルギー吸収特性を発揮できるという優れた効果が得られる。また、良好な衝突エネルギー吸収性能を確保することができるという優れた効果が得られる。
請求項2に記載の本発明に係る衝撃吸収材によれば、請求項1に記載の効果に加えて、衝突面の長手方向に沿って、設計通りの良好なエネルギー吸収特性を発揮させることができるという優れた効果が得られる。
請求項3に記載の本発明に係る衝撃吸収材によれば、請求項1又は請求項2に記載の効果に加えて、衝突初期に荷重の一番掛かり易い衝突面の中央部の荷重を低減させることができるという優れた効果が得られる。
請求項4に記載の本発明に係る衝撃吸収材によれば、請求項1〜3の何れか1項に記載の効果に加えて、衝突初期から衝突末期まで衝突エネルギーを安定して吸収することができるという優れた効果が得られる。
本発明の第1実施形態に係る衝撃吸収材を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る衝撃吸収材を示す平面図である。 本発明の第1実施形態に係る衝撃吸収材を示す正面図である。 図3の4−4断面線に沿った断面図である。 図3の5−5断面線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態に係る衝撃吸収材と座席着座乗員との位置関係を示す側断面図である。 比較例に係る衝撃吸収材を示す平面図である。 比較例に係る衝撃吸収材を示す平面図である。 比較例に係る衝撃吸収材の変形状態を示す平面図である。 比較例に係る衝撃吸収材の変形状態を示す平面図である。 本発明の第2実施形態に係る衝撃吸収材を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る衝撃吸収材を示す斜視図である。 本発明の第4実施形態に係る衝撃吸収材を示す斜視図である。 本発明の第5実施形態に係る衝撃吸収材を示す斜視図である。 本発明の第6実施形態に係る衝撃吸収材を示す斜視図である。 本発明の第7実施形態に係る衝撃吸収材を示す斜視図である。 本発明の第8実施形態に係る衝撃吸収材を示す斜視図である。 本発明の第9実施形態に係る衝撃吸収材を示す斜視図である。 本発明の第10実施形態に係る衝撃吸収材を示す斜視図である。 本発明の第11実施形態に係る衝撃吸収材を示す平面図である。 本発明の第12実施形態に係る衝撃吸収材を示す平面図である。 本発明の第13実施形態に係る衝撃吸収材を示す平面図である。 本発明の第14実施形態に係る衝撃吸収材を示す平面図である。
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。
なお、図1は本発明の第1実施形態に係る衝撃吸収材を示す斜視図であり、図2は本発明の第1実施形態に係る衝撃吸収材を示す平面図である。また、図3は本発明の第1実施形態に係る衝撃吸収材を示す正面図であり、図4は図3の4−4断面線に沿った断面図である。また、図5は図3の5−5断面線に沿った断面図であり、図6は本発明の第1実施形態に係る衝撃吸収材と座席着座乗員との位置関係を示す側断面図である。なお、図6中の矢印UPは車両の上方向、矢印FRは車両の前方向をそれぞれ示す。
図6に示されるように、本実施形態の衝撃吸収材10は、自動車車体14のインストルメントパネル16の内側(車室内側と反対側)に配置されている。
より具体的に説明すると、自動車車体14の車室内に設けられた座席としてのフロントシート18の前方には、インストルメントパネル16が配置されている。衝撃吸収材10はインストルメントパネル16の内側に配置されており、衝撃吸収材10の本体部12は、フロントシート18に着座した乗員(乗員を模擬した衝突実験用ダミー人形)Mの膝部M1(の皿部分)に対向する部位に配置されている。
従って、車体が前面衝突し、フロントシート18に着座した乗員Mが図2に二点鎖線で示すように車体前方へ移動した場合には、衝撃吸収材10の本体部12が、インストルメントパネル16を挟んでフロントシート18に着座した乗員Mの下肢における膝部M1を車両前方斜め上方から拘束するようになっている。
なお、衝撃吸収材10は、フロントシート18の前方に配置される取付板20に取付けられており、取付板20はブラケット22を介して車体の一部としてのインパネリインフォース24に溶接等により固定されている。
なお、インパネリインフォース24は、高強度且つ高剛性のパイプ状部材とされており、車体の左右の取付部(図示省略)間に車両幅方向に沿って配置されている。また、ブラケット22は、高強度且つ高剛性の金属材料(例えば鋼材等)の棒材等により形成されており、着座状態の乗員Mの膝部M1の想定位置付近へ向けた方向(車両側面視におけるインパネリインフォース24からシートクッション18Aの前端上部18Bへ向けた方向とほぼ同じ方向)に延在している。また、取付板20は高強度且つ高剛性の板材で形成されており、ブラケット22の車室内側方向の端部にブラケット22の延在方向に対して垂直な面で接合されている。また、取付板20の車室内側面に、衝撃吸収材10が接着等によって取付けられている。
図1に示されるように、本実施形態の衝撃吸収材10の本体部12は台形の立体構造とされており、衝撃吸収材10の本体部12は、所定の硬度に設定された硬質ポリウレタンフォームで構成されている。
また、本実施形態では、本体部12の硬度を、コア部分の静的圧縮試験において2.5kgf/cm以上15kgf/cm以下としている。なお、この静的圧縮試験とは使用材料から厚み50mm×幅50mm×長さ50mmのサンプルを取得する。このサンプルを全面圧縮で厚み方向に10〜50mm/minのスピードで元厚の80%の距離まで圧縮する(厚み50mmのサンプルでは40mmの距離を圧縮する。)。元厚の50%圧縮時(厚み50mmのサンプルでは25mm圧縮した時)の荷重を測定し、断面積で割った計算値(単位kgf/cm,N/cmなど)をその材料の硬さとする。
従って、図6に示されるように、衝撃吸収材10の本体部12は、乗員Mの膝部M1によって車室内側から車体略前方(図6の矢印A方向)へ向けて非常に大きな力で押圧されると、膝部M1の移動に伴い矢印A方向へ軸圧縮変形されるようになっている。
また、衝撃吸収材10の本体部12は、車体上下方向を長手方向とする長尺形状とされており、フロントシート18に着座した体格の異なる複数の乗員Mにおける各膝部M1の想定位置の前方を含む範囲に配置されている。このように、本発明の衝撃吸収材10を膝用に用いることにより、様々な乗員Mの膝の高さに応じて、長手方向にのびる溝が着座者の膝の高さによらず衝突初期の大きな割れを抑制できるので、安定して所要の衝撃吸収性能を得ることができる。
図3に示すように、衝撃吸収材10の本体部12における、乗員Mの膝部M1からの衝撃を受け止める衝突面12Aは、車体上下方向を長手方向とする長方形となっている。また、衝撃吸収材10の本体部12における衝突面12Aは、本体部12における衝突面12Aと反対側の底面12Bより小さく、図3に示すように、衝突面12A側から見て、衝突面12Aの輪郭12Cが、底面12Bの輪郭12Dの内側にある。
衝撃吸収材10の本体部12における衝突面12Aの幅方向(短軸方向)の中央には、1本の溝30が衝突面12Aの長手方向となる上下方向に沿って形成されている。また、溝30は衝突面12Aの上端近傍から下端近傍まで形成されており、衝突面12Aの中央部に凹部を形成している。
図4に示すように、溝30の幅W2の衝撃吸収材10の本体部12の衝突面12Aにおける短軸方向の幅W1に対する比(W2/W1)は、1/6以上1/2以下の範囲にある。このため、乗員Mの膝部M1が衝撃吸収材10の本体部12の衝突面12Aに衝突した際に、衝突初期に荷重の一番掛かり易い衝突面12Aに形成した溝30によって、衝突初期の衝突面12Aへの荷重集中を抑制し、荷重を分散し、衝突初期の衝撃吸収材10の本体部12の大きな割れ、大きな飛散を抑制することで、衝突中期及び衝突後期の衝撃吸収エネルギー量の確保が可能となる。
なお、図7及び図9に示すように、溝の幅W2の衝撃吸収材10の本体部12の衝突面12Aにおける短軸方向の幅W1に対する比(W2/W1)が1/6未満では、溝30がない状態に近くなり、1/6以上が好ましい。また、図8及び図10に示すように、溝の幅W2の衝撃吸収材10の本体部12の衝突面12Aにおける短軸方向の幅W1に対する比(W2/W1)が1/2を超えると、衝突初期の荷重分散ができずに、安定的に、衝撃吸収材10の本体部12の大きな割れを抑制することが難しい場合がある。
また、図5に示すように、本実施形態では、衝撃吸収材10の本体部12の底面12Bからの衝突面12Aの高さH1に対する溝30の深さH2の比(H2/H1)が、0.05以上0.15以下の範囲にある。このため、乗員Mの膝部M1が衝撃吸収材10の本体部12の衝突面12Aに衝突した際に、衝突初期に荷重の一番掛かり易い衝突面12Aに形成した溝30によって、衝突初期の衝突面12Aへの荷重集中を抑制し、効果的に荷重を分散し、衝突初期の衝撃吸収材10の本体部12の大きな割れ、大きな飛散を更に抑制することで、衝突中期及び衝突後期の衝撃吸収エネルギー量の安定的な確保が可能となる。
なお、衝撃吸収材10の本体部12の底面12Bからの衝突面12Aの高さH1に対する溝30の深さH2の比(H2/H1)が0.05未満では、溝30がない状態に近くなり、0.05以上が好ましい。また、衝撃吸収材10の本体部12の底面12Bからの衝突面12Aの高さH1に対する溝30の深さH2の比(H2/H1)が0.15を超えると、溝30を起点に溝30の周辺の硬質ポリウレタンフォームが根元を核として割れ、周辺の硬質ポリウレタンフォームは衝撃吸収機能を発揮できずに、安定的に、衝撃吸収材10の本体部12の大きな割れを抑制することが難しい場合がある。
なお、衝撃吸収材10の本体部12における底面12Bの短軸方向の幅W3は、衝突面12Aの短軸方向の幅W1に比べて広くなっている(W1<W3)。
また、衝突面12Aにおける上端近傍の溝30が形成されてない部分12Gの幅W4及び衝突面12Aにおける下端近傍の溝30が形成されてない部分12Hの幅W5は、溝30の幅W2と等しくなっている。
図4に示されるように、衝撃吸収材10の本体部12の左右の壁部12Eの傾斜角度θ1は、製造時に脱型を考慮すると3°以上が好ましく、図5に示されるように、衝撃吸収材10の本体部12の上下の壁部12Fの傾斜角度θ2も3°以上が好ましい。
なお、図6に示すように、フロントシート18には、乗員Mを拘束するためのシートベルト装置34が設けられている。
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
図6に示されるように、自動車車体14が、例えば、前面衝突した場合には、衝突時の反動で、フロントシート18に着座している乗員Mが、二点鎖線で示すように車体前方側へ移動する。このとき、乗員Mの膝部M1は、インストルメントパネル16を介して衝撃吸収材10を押圧し、衝撃吸収材10によって膝部M1の衝突エネルギーが吸収される。
ここで、本実施形態の衝撃吸収材10では、硬質ポリウレタンフォームからなる立体構造とされた本体部12が、フロントシート18に着座した乗員Mの膝部M1に対向する部位に配置されていると共に、本体部12における、衝撃を受け止める衝突面12Aには溝30が上下方向に沿って形成されている。また、溝30の幅W2の衝撃吸収材10の本体部12の衝突面12Aにおける幅W1に対する比(W2/W1)が1/6以上1/2以下の範囲にある。このため、乗員Mの膝部M1が衝撃吸収材10の本体部12の衝突面12Aに衝突した際に、衝突初期に荷重の一番掛かり易い衝突面12Aに形成した溝30によって、衝突初期の衝突面12Aへの荷重集中を抑制し、荷重を分散し、衝突初期の衝撃吸収材10の本体部12の大きな割れ、大きな飛散を抑制することで、衝突中期及び衝突後期の衝撃吸収エネルギー量の安定的な確保が可能になる。この結果、設計通りの良好なエネルギー吸収特性を発揮させることができる。
また、本実施形態では、衝撃吸収材10の本体部12の衝突面12Aに溝30を形成する構成のため、材料費のアップや、製造工数の増加を抑制することもできる。
また、本実施形態では、衝突初期の段階で荷重の一番掛かり易い衝突面12Aにおける短軸方向(幅方向)の中央部に溝30が形成されているため、衝突初期に最も破壊し易い衝突面12Aの幅方向中央部の荷重を低減させることができ、本体部12の大きな割れ、大きな飛散を効果的に抑制できる。
また、本実施形態では、図3に示すように、衝撃吸収材10の本体部12の衝突面12Aが底面12Bより小さく、衝突面側から見て、衝突面12Aの輪郭12Cが底面12Bの輪郭12Dの内側にある。このため、一例として、図2に矢印B又は矢印Cで示すように、衝撃吸収材10の本体部12の中心線Pに対して上下左右の斜め方向から衝突荷重が作用した場合にも、衝突初期から衝突末期まで本体部12が衝突面12Aから底面12Bに向かって確実に軸圧縮変形する。この結果、衝突初期から衝突末期まで衝突エネルギーを安定して吸収することができる。
また、本実施形態では、衝撃吸収材10の本体部12の底面12Bからの衝突面12Aの高さH1に対する溝30の深さH2の比(H2/H1)が0.05以上0.15以下の範囲にある。このため、衝突初期の衝突面12Aへの荷重集中を抑制し、より効果敵に荷重を分散し、衝突初期の衝撃吸収材10の本体部12の大きな割れ、大きな飛散を更に抑制することで、衝突中期及び衝突後期の衝撃吸収エネルギー量の安定的な確保が可能になる。
(試験例1)
本発明の効果を確かめるために、図1のような、比較例の衝撃吸収材2種(溝30がないもの、H2/H1が0.10でW2/W1が2/3のもの)と、本発明の適用された実施例の衝撃吸収材3種(H2/H1が0.10で、W2/W1が1/6、1/3、1/2のもの)とを試作し、衝撃吸収試験(相対評価)を行った。
・衝撃吸収試験の内容:衝突面が球形とされたアルミ製の100φ(半径50mm)の半球の衝突体を膝用衝撃吸収材(120mm×70mm×110mm:高さ)の衝突面に6.7m/secで衝突させ、膝用衝撃吸収材の衝突面の変形ストローク(衝突体の変位量)と衝突体に作用する荷重とのグラフから吸収エネルギーを演算し、溝がない膝用衝撃吸収材(比較例1)の吸収エネルギーを100%として評価した。
・衝撃吸収試験の結果
Figure 0005546942
表1中◎は、吸収エネルギーが25%以上アップし効果有りとはっきり分かる。
表1中○は、吸収エネルギーが15%以上アップし効果があることを確認できる。
表1中△は、くり返しの試験により、5%程度アップする効果が確認できる。
(試験例2)
本発明の効果を確かめるために、図1のような比較例の衝撃吸収材1種(溝30がないもの)と、本発明の適用された実施例の衝撃吸収材4種(W2/W1が1/3でH2/H1が0.05、0.1、0.15、0.2)とを試作し、衝撃吸収試験(相対評価)を行った。
・衝撃吸収試験の内容:衝突面が球形とされたアルミ製の100φ(半径50mm)の半球の衝突体を膝用衝撃吸収材(120mm×70mm×110mm:高さ)の衝突面に6.7m/secで衝突させ、膝用衝撃吸収材の衝突面の変形ストローク(衝突体の変位量)と衝突体に作用する荷重とのグラフから吸収エネルギーを演算し、溝がない膝用衝撃吸収材(比較例1)の吸収エネルギーを100%として評価した。
・衝撃吸収試験の結果
Figure 0005546942
表1中◎は、吸収エネルギーが25%以上アップし効果有りとはっきり分かる。
表1中○は、吸収エネルギーが15%以上アップし効果があることを確認できる。
表1中△は、くり返しの試験により、5%程度アップする効果が確認できる。
・評価
・本体部の衝突面に溝を有する本実施形態の衝撃吸収材は、溝がない比較例1の衝撃吸収材、W2/W1が1/6以上1/2以下の範囲にない比較例2の衝撃吸収材に比べて、衝突初期の大きな割れを抑制し、衝撃作用時のエネルギー吸収性能が向上していることが確認された。
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。
例えば、図11に示す第2実施形態のように、衝撃吸収材10の本体部12における衝突面12Aが、側面視において円弧状に湾曲した凸形状となっていてもよい。また、図12に示す第3実施形態のように、衝撃吸収材10の本体部12における衝突面12Aが、側面視において円弧状に湾曲した凹形状となっていてもよい。
また、図13に示す第4実施形態のように、衝撃吸収材10の本体部12における衝突面12Aに溝30が2本以上(3本、4本等)形成されていてもよい。
また、図14に示す第5実施形態のように、衝撃吸収材10の本体部12における衝突面12Aと底面12Bとが正方形でもよい。
また、図15に示す第6実施形態のように、衝撃吸収材10の本体部12における衝突面12Aと底面12Bとが円形でもよい。
また、図16に示す第7実施形態のように、衝撃吸収材10の本体部12における衝突面12Aと底面12Bとが長円形でもよい。
また、図17に示す第8実施形態のように、衝撃吸収材10の本体部12における衝突面12A側から見て、衝突面12Aの輪郭12Cが底面12Bの輪郭12Dの内側にない構成、例えば、衝突面12Aの輪郭12Cが底面12Bの輪郭12Dの上方外側にずれている構成としてもよいが、ずれない構成の方が好ましい。
また、図18に示す第9実施形態のように、衝撃吸収材10の本体部12における衝突面12A側から見て、衝突面12Aの輪郭12Cが底面12Bの輪郭12Dとが一致している構成としてもよい。
また、図19に示す第10実施形態のように、衝撃吸収材10の本体部12における衝突面12A側から見て、衝突面12Aの輪郭12Cが底面12Bの輪郭12Dの外側にある構成としてもよい。
また、図20に示す第11実施形態のように、溝30の断面形状をU字状としてもよい。
また、図21に示す第12実施形態のように、溝30の断面形状を半円形状としてもよい。
また、図22に示す第13実施形態のように、溝30の断面形状を台形状としてもよい。
また、図23に示す第14実施形態のように、溝30の断面形状を三角形状としてもよい。
また、本発明の衝撃吸収材10は、自動車車体14のインストルメントパネル16の内側(車室内側と反対側)に配置され、乗員Mの膝部M1を保護する膝部用が好ましいが、自動車車体14のドア、ピラー、ルーフ等の内側に配置されて、乗員を保護する他の衝撃吸収材にも適用可能である。
また、衝撃吸収材10の本体部12の形状を自動車車体14の取り付け部位に対応した他の形状としてもよい。
10 衝撃吸収材
12 衝撃吸収材の本体部
12A 本体部の衝突面
12B 本体部の底面
12C 本体部の衝突面の輪郭
12D 本体部の底面の輪郭
18 フロントシート(座席)
30 溝

Claims (4)

  1. 硬質ポリウレタンフォームからなる立体構造とされた本体部と、
    該本体部の衝撃を受け止める衝突面に形成された溝と、
    を有し、前記溝の幅W2の前記衝突面の幅W1に対する比(W2/W1)が1/6以上1/2以下の範囲にあり、前記本体部の底面からの衝突面の高さH1に対する前記溝の深さH2の比(H2/H1)が0.05以上0.15以下の範囲にある衝撃吸収材。
  2. 前記衝突面が長尺状であり、前記溝が前記衝突面の長手方向に沿って形成されていることを特徴とする請求項1に記載の衝撃吸収材。
  3. 前記溝は前記衝突面の中央部に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の衝撃吸収材。
  4. 前記本体部の衝突面は前記本体部における前記衝突面と反対側の底面より小さく、前記衝突面側から見て、前記衝突面の輪郭が前記底面の輪郭の内側にあることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の衝撃吸収材。
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